JP5564145B1 - 光透過性導電性フィルム、その製造方法及びその用途 - Google Patents

光透過性導電性フィルム、その製造方法及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】(A)光透過性支持層、(B)光学調整層及び(C)光透過性導電層を含有する光透過性導電性フィルムにおける、光学調整層の生産性を高めることを課題とする。
【解決手段】光学調整層(B)が、
(i)ジルコニア粒子を含有し、
(ii)厚さが0.1〜3.0μmであり、かつ
(iii)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも低いこと
を特徴とする、光透過性導電性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光透過性導電性フィルム、その製造方法及びその用途に関する。
タッチパネルに搭載される光透過性導電性フィルムとして、プラスチック等からなる光透過性支持層の少なくとも一方の面に、直接又は他の層を介して、酸化インジウム等を含有する光透過性導電層を配置した光透過性導電性フィルムが数多く用いられている。
光透過性導電性フォルムを格子状の電極として配置する場合、ユーザーから見てその格子状構造が視認できる場合は、タッチパネルとしての視認性が損なわれるので好ましくない。また、そのような現象が解消されていることを「インデックス・マッチング(不可視性)が良い(不可視に優れるとも言う)」ということがある。このように、タッチパネルに搭載される光透過性導電性フィルムとしては、インデックス・マッチングが良い光透過性導電性フォルムが求められている。
光透過性導電性フィルムにおいてインデックス・マッチングを改善する目的で、光透過性支持層と光透過性導電層の間に光学調整層を介在させる技術が種々開発されている。上記目的で使用される光学調整層としては、ジルコニア粒子を含有する高屈折率層と、低屈折率層という別々の層からなり、これらを順次光透過性支持層側から配置させたものが報告されている(特許文献1)。
特開平11-286078号公報
本発明者らは、光透過性導電性フィルムにおいてインデックス・マッチングを改善する目的で、光透過性支持層と光透過性導電層の間にジルコニア粒子含有高屈折率層と低屈折率層を配置する場合には、生産性に問題が生じうることを見出した。さらに本発明者らは、ジルコニア粒子含有高屈折率層と低屈折率層を別々の層として配置させようとすると、その上にさらに配置される光透過性導電層の導電性を損ねる場合がありうることをも見出した。
したがって、本発明は、第一に、上記目的で使用される光学調整層の生産性を高めることを課題とする。
さらに本発明は、上記目的で光学調整層を配置した際における光透過性導電層の導電性の損失を防ぐことも第二の課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ね、(1)ジルコニア粒子を含有する硬化性樹脂溶液を下地となる層の上に塗布する工程、及び(2)前記工程(1)で得られた硬化性樹脂層を、窒素ガス雰囲気下で硬化させる工程を含む方法により得られた光学調整層においては、光透過性導電層側からの深さ10〜30nmの領域における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも低くなっていることを見出した。すなわち、かかる方法により得られた光学調整層においては、高屈折率領域と低屈折率領域が透過性支持層側からみてこの順番で配置されていることになる。これら二領域からなる光学調整層はあくまで一体として形成されているため、領域間に界面がみられず、この点において従来の方法で別々に配置された高屈折率層及び低屈折率層からなる光学調整層と相違するものであるが、機能面では相違しない。にもかかわらず、本発明の光学調整層は、より均一に製造することができ、生産性がより改善されているという利点を有する。
また、本発明で得られた光学調整層の上に直接、又は他の層を介して光透過性導電層を配置すると、従来の光学調整層の上に同様に配置した場合に比べて、光透過性導電層の導電性が損なわれにくい傾向があることが明らかになった。
本発明は、これらの新たな知見に基づいてさらに種々の検討を重ねることにより完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1
(A)光透過性支持層;
(B)光学調整層;及び
(C)光透過性導電層
を含有し、
前記光学調整層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、かつ
前記光透過性導電層(C)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、少なくとも光学調整層(B)を介して配置されている光透過性導電性フィルムであって:
前記光学調整層(B)が、
(i)ジルコニア粒子を含有し、
(ii)厚さが0.1〜3.0μmであり、かつ
(iii)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも低いこと
を特徴とする、光透過性導電性フィルム。
項2
前記光学調整層(B)が、
(iv)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域におけるよりも、その他の領域におけるジルコニア粒子密度がより高い、
項1に記載の光透過性導電性フィルム。
項3
前記光学調整層(B)が、
(1)ジルコニア粒子を含有する硬化性樹脂溶液を下地となる層の上に塗布する工程、及び
(2)前記工程(1)で得られた硬化性樹脂層を、窒素ガス雰囲気下で硬化させる工程
を含む方法により得られうるものである、
項1又は2に記載の光透過性導電性フィルム。
項4
前記ジルコニア粒子の平均粒子径が、5〜100nmである、項3に記載の光透過性導電性フィルム。
項5
項1〜4のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムを含有する、タッチパネル。
項6
光透過性導電性フィルムの光学調整層の製造方法であって:
(1)ジルコニア粒子を含有する硬化性樹脂溶液を下地となる層の上に塗布する工程、及び
(2)前記工程(1)で得られた硬化性樹脂層を、窒素ガス雰囲気下で硬化させる工程
を含む方法。
本発明によれば、(1)インデックス・マッチング、(2)生産性及び(3)導電性のバランスが改善された、(A)光透過性支持層、(B)光学調整層及び(C)光透過性導電層を含有する光透過性導電性フィルムを提供できる。
光透過性支持層(A)の片面に、光学調整層(B)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面に、光学調整層(B)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の一方の面に、第一の光学調整層(B)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されており、かつ、他方の面に、第二の光学調整層(B)が直接配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)とそれに隣接して配置されている光学調整層(B)の一態様を示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面に、光学調整層(B)、アンダーコート層(D)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面に、光学調整層(B)、アンダーコート層(D)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の一方の面に、第一の光学調整層(B)、アンダーコート層(D)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されており、かつ、他方の面に、第二の光学調整層(B)が直接配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)とそれに隣接して配置されている光学調整層(B)の一態様を示す断面図である。 光透過性支持層(A)とそれに隣接して配置されている光学調整層(B)の比較例を示す断面図である。
1. 光透過性導電性フィルム
本発明の光透過性導電性フィルムは、
(A)光透過性支持層;
(B)光学調整層;及び
(C)光透過性導電層
を含有し、
前記光学調整層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、かつ
前記光透過性導電層(C)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、少なくとも光学調整層(B)を介して配置されている光透過性導電性フィルムであって:
前記光学調整層(B)が、
(i)ジルコニア粒子を含有し、
(ii)厚さが0.1〜3.0μmであり、かつ
(iii)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも低いこと
を特徴とする、光透過性導電性フィルム
である。
本発明において「光透過性」とは、光を透過させる性質を有する(translucent)ことを意味する。「光透過性」には、透明(transparent)が含まれる。「光透過性」とは、例えば、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは87%以上である性質をいう。本発明において全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色社製、商品名:NDH−2000、またはその同等品)を用いてJIS−K−7105に基づいて測定する。
本明細書において、光透過性支持層(A)の一方の面に配置される複数の層のうち二つの層の相対的な位置関係について言及する場合、光透過性支持層(A)を基準にして、光透過性支持層(A)からの距離が大きい一方の層を「上の層」等といい、光透過性支持層(A)からの距離が小さい他方の層を「下の層」等ということがある。
以下の各層についての説明箇所において特に明記されていない限り、本発明において、各層の厚さは、市販の反射分光膜厚計(大塚電子、FE−3000(製品名)、又はその同等品)を用いて求める。又は、代替的に、市販の透過型電子顕微鏡を用いた観察により求めてもよい。具体的には、ミクロトーム又はフォーカスイオンビームなどを用いて光透過性導電性フィルムをフィルム面に対して垂直方向に薄く切断し、その断面を観察する。
図1に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に、光学調整層(B)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されている。
図2に、本発明の光透過性導電性フィルムの別の態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に、光学調整層(B)及び光透過性導電層(C)がこの順で配置されている。
1.1 光透過性支持層(A)
本発明において光透過性支持層とは、光透過性導電層を含有する光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性導電層を含有する層を支持する役割を果たすものをいう。光透過性支持層(A)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性支持層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性支持層(A)の素材は、特に限定されないが、例えば、ガラス、及び各種の有機高分子等を挙げることができる。有機高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、及びポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。光透過性支持層(A)の素材は、ポリエステル系樹脂が好ましく、特にPETが好ましい。光透過性支持層(A)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性支持層(A)の厚さは、特に限定されないが、例えば、2〜300μmの範囲が挙げられる。
1.2 光学調整層(B)
本発明において光学調整層とは、光学干渉作用により光透過性フィルムの透過率を向上させる役割を果たすものをいう。
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して光学調整層(B)が配置されている。光学調整層(B)は、好ましくは光透過性支持層(A)の面に、直接配置されている。
光透過性支持層(A)の両方の面に、光学調整層(B)がそれぞれ、直接配置されていてもよい(図3)。
光学調整層(B)は、以下の特性を備える。
(i)ジルコニア粒子を含有し、
(ii)厚さが0.1〜3.0μmであり、かつ
(iii)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも低い。
光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域を、「低屈折率領域」、その他の領域を「高屈折率領域」という。本発明において、光学調整層(B)の「光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域」とは、最小でも光透過性導電層(C)側からの深さ0〜10nmの領域、最大でも同深さが0〜30nmの領域をそれぞれ包含するという意味である。
低屈折率領域とは、本発明の効果が得られればよく、特に限定されないし、どのような材料を使用するかにもよるが、例えば、具体的には、屈折率1.4〜1.7であってもよい。
高屈折率領域は、本発明の効果が得られればよく、特に限定されないが、低屈折率領域との屈折率差が0.05以上のものが使用でき、さらに、上述の光学干渉作用の点では、好ましくは屈折率差0.1以上、より好ましくは屈折率差0.15以上のものを使用できる。なお、どのようなジルコニア粒子をどのようなバインダー樹脂等と組み合わせて使用するかにもよるが、高屈折率領域の屈折率は、ジルコニア粒子のみからなる領域の屈折率である1.9を上回ることは通常ない。
低屈折領域の厚さは、好ましくは10〜25nmであり、より好ましくは10〜20nmである。厚さが10nm以上、30nm以下の範囲であることにより、不可視に優れるという利点がもたらされる。
光学調整層(B)においては、光透過性支持層(A)からみて、高屈折率領域及び低屈折率領域がこの順で配置されている。このような構成を採ることにより、屈折率の異なる二領域間に光学干渉作用が生じ、これにより不可視性が発現するとともに光透過性導電性フィルムの透過率が向上する。
光学調整層(B)が含有するジルコニア粒子は、好ましくは、平均粒子径が5〜100nmであり、より好ましくは平均粒子径が10〜40nmである。ジルコニア粒子の平均粒子径が40nmより小さいと光透過性導電層(C)をエッチング加工する際の精度がより改善され、また、10nmより大きいと分散性がより改善され、光学調整層(B)の形成加工時の生産性が改善される。
本発明において、ジルコニア粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡観察により求める。具体的には、ミクロトーム又はフォーカスイオンビームなどを用いて光透過性導電性フィルムを薄く切断して、その断面を観察する。視認可能な無作為に選ばれた20個の粒子に対して粒子の断面の最大外径を測定する。観察された粒子の断面の最大外径について上位3個及び下位3個の粒子を除いて得られる14個の粒子についての、粒子の断面の最大外径の数平均値を平均粒子径とする。透過型電子顕微鏡観察の結果、観察視野内に所定量の粒子が視認できない場合は、観察視野を変えて同じ試料の異なった領域を観察する。また、ジルコニア粒子と他の粒子との区別がつかない場合は、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いた測定法や電子線エネルギー損失分光法(EELS)により、粒子の元素分析を行い、ジルコニア粒子を特定する。
光学調整層(B)の厚さは、0.1〜3.0μmであり、好ましくは0.5〜2.5μm、より好ましくは1〜2μmである。光学調整層(B)の厚さが3μmよりも小さいと、インデックス・マッチング性がより改善される。
本発明において、光学調整層(B)の厚さは、次のようにして測定する。透過型電子顕微鏡観察により求める。具体的には、ミクロトーム又はフォーカスイオンビームなどを用いて光透過性導電性フィルムを薄く切断して、その断面を観察する。
光学調整層(B)は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、ジルコニア粒子に加えてその他の成分をさらに含有していてもよい。その他の成分としては、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂及びアルキド系樹脂等のバインダー樹脂;並びにシリカ、ジルコニア、チタニア及びアルミナ等のコロイド粒子等が挙げられる。光学調整層(B)は、ジルコニア粒子に加えて、これらのうちいずれか単独をさらに含有していてもよいし、複数種をさらに含有していてもよい。
光学調整層(B)が、ジルコニア粒子に加えてその他の成分をさらに含有する場合、全体におけるジルコニアの含有割合は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、好ましくは20重量%以上である。
光学調整層(B)を配置する方法としては、特に限定されないが、例えば、原料をフィルムに塗布して、熱で硬化する方法、及び紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する方法等が挙げられる。生産性の点で、紫外線により硬化する方法が好ましい。
一つの実施形態においては、光学調整層(B)において、低屈折率領域におけるよりも、高屈折率領域におけるジルコニア粒子密度がより高くなっている(図4)。好ましい実施態様においては、低屈折率領域がジルコニア粒子を実質的に含まないか、又はジルコニア粒子を含まない。ジルコニア粒子の密度分布に起因して、二領域間における屈折率の差が生じる。特に限定されないが、例えば、ジルコニア粒子、及びジルコニア粒子よりも屈折率の低い成分(例えば図4に示すようなバインダー樹脂)から主に光学調整層(B)が構成されている場合において、ジルコニア粒子の密度分布が上記の通りとなっていれば、そのことに起因して、両領域間における屈折率差が生じることになる。
さらに好ましい実施態様においては、ジルコニア粒子の密度分布が上記の通りであり、さらに、低屈折率領域側の面の平均表面粗さRaが、ジルコニア粒子を均一に分散させた場合(図9)に比べるとより低くなっている。光学調整層(B)が、ジルコニア粒子のほかに粒子状の成分を含まない場合は当然に低屈折率領域側の面の平均表面粗さRaを上記の通りとすることができる。また、他の粒子状の成分をさらに含む場合であっても、例えば、(1)その粒子状成分の粒子径をジルコニウム粒子よりも小さくするか;あるいは(2)その粒子状成分がジルコニウム粒子と同程度の粒子径を有しているときには、その密度分布を、低屈折率領域側におけるほうが高屈折率領域側におけるよりも低くなるように調整することによっても、低屈折率領域側の面の平均表面粗さRaを上記の通りとすることができる。なお、そのような調整が不要となるという点で、光学調整層(B)が、ジルコニア粒子のほかに粒子状の成分を実質的に含まないか、又は粒子状の成分を含まないことが好ましい。この場合に、光学調整層(B)の上に直接、又は他の層を介して光透過性導電層(C)を配置すると、従来の光学調整層の上に同様に配置した場合に比べて、導電性が損なわれにくい。この利点をもたらすという点では、低屈折率領域側の光学調整層(B)の面の平均表面粗さRaは、0.1〜2.0nmであれば好ましく、0.1〜1.0nmであればより好ましく、0.1〜0.7nmであればさらに好ましい。
本発明において平均表面粗さRaは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される粗さの算術平均を意味する。本発明における平均表面粗さRaは、詳細には、市販の走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700、又はその同等品)を用いて、所定のコンタクトモードで1μm平方の測定面を探針(OLYMPUS 社製 OMCL−TR800−PSA−1 バネ定数0.15 N/m)で走査して得られる、平均線からの絶対偏差を平均した値である。
一つの実施形態においては、光学調整層(B)が、
(1)ジルコニア粒子を含有する硬化性樹脂溶液を下地となる層の上に塗布する工程、及び
(2)前記工程(1)で得られた硬化性樹脂層を、窒素ガス雰囲気下で硬化させる工程
を含む方法により得られうるものである。硬化工程を窒素ガス雰囲気下(窒素パージ)で行うことにより、硬化過程でジルコニア粒子の密度が下地層側でより高くなるような分布が生じ、低屈折率領域及び高屈折領域が得られる。
上の方法において、用いる硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂及びアルキド系樹脂等が挙げられる。必要に応じて、UV硬化性の上記樹脂を用いることができる。
硬化性樹脂溶液に必要に応じて、有機溶剤を添加する。有機溶剤としては、特に限定されないが、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、グリコールアセテート系溶剤又はこれらの混合溶剤等を添加してもよい。
硬化性樹脂に占めるジルコニア粒子の割合は、好ましくは80〜95重量%、より好ましくは85〜90重量%である。ジルコニア粒子の割合が上記範囲内にあることによって、高屈折率領域及び低屈折率領域を好ましい割合で形成することができる。
特に限定されないが、塗布は、グラビアコーター、バーコーター及びダイコーター等を用いて行うことができる。
硬化条件は、窒素ガス雰囲気下で行う点を除き、通常行う条件で行うことができる。窒素ガス雰囲気条件は、特に限定されないが、通常、窒素ガス濃度90〜100%、好ましくは窒素ガス濃度95〜100%である。
特に限定されないが、UV硬化性樹脂を用いる場合、塗工後に空気雰囲気下で予備乾燥を行った後に、窒素雰囲気下でUV照射を行って硬化させることができる。特に限定されないが、例えば予備乾燥条件としては100℃、2分間等が挙げられる。UV照射条件としては、光量400mJ/cm等が挙げられる。
1.3 光透過性導電層(C)
光透過性導電層(C)は、光透過性支持層(A)の一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている。
本発明において光透過性導電層とは、電気を導通しかつ可視光を透過する役割を果たすものをいう。光透過性導電層(C)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて光透過性導電層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性導電層(C)の素材は、特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化チタン等が挙げられる。光透過性導電層(C)としては、透明性と導電性を両立する点で酸化インジウムにドーパントをドープしたものを含む光透過性導電層が好ましい。光透過性導電層(C)は、酸化インジウムにドーパントをドープしたものからなる光透過性導電層であってもよい。ドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
光透過性導電層(C)の素材として酸化インジウムに酸化スズをドープしたものを用いる場合は、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(tin−doped indium oxide;ITO)が好ましい。この場合、SnOの添加量としては、特に限定されないが、例えば、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%等が挙げられる。また、ドーパントの総量が左記の数値範囲を超えない範囲で、酸化インジウムスズにさらに他のドーパントが加えられたものを光透過性導電層(C)の素材として用いてもよい。左記において他のドーパントとしては、特に限定されないが、例えばセレン等が挙げられる。
光透過性導電層(C)は、上記の各種素材のうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性導電層(C)は、特に限定されないが、結晶体若しくは非晶質体、又はそれらの混合体であってもよい。
光透過性導電層(C)を配置する方法は、湿式及び乾式のいずれであってもよく、特に限定されない。光透過性導電層(C)を配置する方法の具体例として、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。
1.4 アンダーコート層(D)
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の光透過性導電層(C)が配置されている面に、直接又は一以上の他の層を介してアンダーコート層(D)が配置されていてもよい。アンダーコート層(D)が配置されている場合、少なくとも一方の前記光透過性導電層(C)が、少なくとも前記アンダーコート層(D)及び光学調整層(B)を介して前記光透過性支持層(A)の前記面に配置されている。この場合、少なくとも一方の前記光透過性導電層(C)が、前記アンダーコート層(D)に隣接して配置されていてもよい。また、この場合、アンダーコート層(D)は通常、光学調整層(B)よりも光透過性導電層(C)に近い側に配置されている。
図4に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に、光学調整層(B)、アンダーコート層(D)及び光透過性導電層(C)がこの順で互いに隣接して配置されている。
図5に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両面に、光学調整層(B)、アンダーコート層(D)及び光透過性導電層(C)がこの順で互いに隣接して配置されている。
図6に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に、第一の光学調整層(B)、アンダーコート層(D)及び光透過性導電層(C)がこの順で互いに隣接して配置されており、他方の面に、第二の光学調整層(B)が直接配置されている。
アンダーコート層(D)の素材は、特に限定されないが、例えば、誘電性を有するものであってもよい。アンダーコート層(D)の素材としては、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリコンアルコキシド、アルキルシロキサン及びその縮合物、ポリシロキサン、シルセスキオキサン、並びにポリシラザン等が挙げられる。アンダーコート層(D)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。酸化ケイ素を含有する光透過性下地層が好ましく、酸化ケイ素からなる光透過性下地層がより好ましい。
アンダーコート層(D)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。
アンダーコート層(D)の一層あたりの厚さは、15〜40nm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのアンダーコート層(D)の合計厚さが上記範囲内であればよい。左記の例示列挙においては後出のものが前出のものよりも好ましい。
アンダーコート層(D)を配置する方法としては、湿式及び乾式のいずれでもよく、特に限定されないが、湿式としては例えば、ゾル−ゲル法、及び微粒子分散液若しくはコロイド溶液を塗布する方法等が挙げられる。アンダーコート層(D)を配置する方法として、乾式としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法又はパルスレーザーデポジション法により隣接する層上に積層する方法等が挙げられる。
1.5 その他の層
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の光学調整層(B)及び光透過性導電層(C)が配置されている側の面に、アンダーコート層(D)及び少なくとも1種のその他の層(E)からなる群より選択される少なくとも1種の層がさらに配置されていてもよい。
その他の層(E)としては、特に限定されないが、例えば、接着層等が挙げられる。
接着層とは、二層の間に当該二層と互いに隣接して配置され、当該二層間を互いに接着するために配置される層である。接着層としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて接着層として通常用いられるものを用いることができる。特に限定されないが、例えば、カップリング剤を用いることができる。必要に応じて接着される片方の面又は両方の面に対してより接着性を高める目的でコロナ処理を行ってもよい(図8)。
1.6 本発明の光透過性導電性フィルムの用途
本発明の光透過性導電性フィルムは、タッチパネルのために好ましく用いられる。本発明の光透過性導電性フィルムは、特に、静電容量型タッチパネルのためにより好ましく用いられる。抵抗膜方式タッチパネルの製造のために用いられる光透過性導電性フィルムは一般に表面抵抗率(シート抵抗)が160〜1,000Ω/sq程度は必要であるとされる。これに対して静電容量型タッチパネルの製造のために用いられる光透過性導電性フィルムは一般に表面抵抗率が低いほうが有利である。本発明の光透過性導電性フィルムは、抵抗率が低減されており、これにより、静電容量型タッチパネルの製造のために好ましく用いられる。静電容量型タッチパネルについて詳細は、2で説明する通りである。
2. 本発明の静電容量型タッチパネル
本発明の静電容量型タッチパネルは、本発明の光透過性導電性フィルムを含み、さらに必要に応じてその他の部材を含んでなる。
本発明の静電容量型タッチパネルの具体的な構成例としては、次のような構成が挙げられる。なお、保護層(1)側が操作画面側を、ガラス(5)側が操作画面とは反対側を向くようにして使用される。
(1)保護層
(2)本発明の光透過性導電性フィルム(Y軸方向)
(3)絶縁層
(4)本発明の光透過性導電性フィルム(X軸方向)
(5)ガラス
本発明の静電容量型タッチパネルは、特に限定されないが、例えば、上記(1)〜(5)、並びに必要に応じてその他の部材を通常の方法に従って組み合わせることにより製造することができる。
3. 本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法
本発明の光透過性導電性フィルムは、それぞれの層について説明した通りそれぞれの層を配置することにより製造することができる。例えば、光透過性支持層(A)の光透過性導電層(C)が配置されている側の面に、下層側から順次配置させてもよいが、配置の順番は特に限定されない。例えば、最初に光透過性支持層(A)ではない層(例えば、光透過性導電層(C))の一方の面に他の層を配置させてもよい。あるいは、一方で2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得てから、又はそれと同時に、他方で同様に2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得て、これらの2種の複合層をさらに互いに隣接するように配置させてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
光透過性支持層(A)として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。また、光学調整層(B)を形成する塗料として、紫外線硬化型アクリルエポキシ樹脂及びジルコニア微粒子及びメチルエチルケトンを固形分濃度40重量%、固形分中のジルコニア濃度92重量%となるよう調製した。紫外線硬化型アクリルエポキシ樹脂は屈折率1.502であり、ジルコニア微粒子は平均粒径が約20nmのものを選択した。
上記光透過性支持層(A)の1面に対して、上記塗料を紫外線照射装置付スロットダイコーターを用いて塗布し、光学調整層(B)を得た。該スロットダイコーターは、予備乾燥部と紫外線照射部を順に有し、予備乾燥部は循環式熱風乾燥装置であり、100℃の空気が循環している。また、紫外線照射部は、高圧水銀ランプを備えており、乾燥窒素をフローさせることにより99.5%以上の窒素雰囲気に保たれている。なお、単位面積あたりの積算紫外線光量は、400mJ/cmとした。前記塗料の塗布量は、10g/mに調整し、硬化後の厚みが、約0.7μmとなるよう設定した。
次に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いてSiOからなるアンダーコート層(D)を形成し、続いてSn添加量5重量%のITOからなる光透過性導電層(C)を形成して本発明の光透過性導電フィルムを得た。
この光透過性導電フィルムの垂直断面を透過型電子顕微鏡で観察しそれぞれの層の厚みを計測した結果、ジルコニア微粒子の存在する層(高屈折領域)は670nm、アクリルエポキシ樹脂のみからなる層(低屈折領域)は15nm、SiO層10nm、ITO層20nmであった。
さらにこの光透過性導電フィルムに対して熱風式乾燥機を用いて結晶化処理を行った。
結晶化処理の条件は140℃40分とした。
上記により完成した本発明の光透過性導電フィルムの光学特性と導電性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例2〜5)
光学調整層厚み、低屈折領域厚み、窒素ガス濃度及びZrO平均粒径を表1に記載したとおりにしたこと以外は、実施例1と同様にして光透過性導電フィルムを得た。
得られた光透過性導電フィルムに対して実施例1と同様に結晶化処理を行った。
光透過性導電フィルムの光学性能と導電性能を評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、光学調整層(B)を形成する際に用いた設備の紫外線照射部の雰囲気を一般的な空気とし、それ以外の条件を全く同一とすることにより比較例を得た。
この比較例の垂直断面を透過型電子顕微鏡で観察しそれぞれの層の厚みを計測した結果、ジルコニア微粒子の存在する層(高屈折領域)は690nm、低屈折領域は存在せず、SiO層10nm、ITO層20nmであった。
さらにこの光透過性導電フィルムに対して熱風式乾燥機を用いて結晶化処理を行った。
結晶化処理の条件は140℃40分とした。
上記により完成した本発明の光透過性導電フィルムの光学特性と導電性能を評価した結果を表1に示す。
(比較例2〜3)
光学調整層厚み、低屈折領域厚み、窒素ガス濃度及びZrO平均粒径を表1に記載したとおりにしたこと以外は、実施例1と同様にして光透過性導電フィルムを得た。なお、光学調整層(B)を形成する塗料は比較例2では塗料に含まれる固形分中のジルコニア濃度を70重量%とし、比較例3では塗料に含まれる固形分中のジルコニア濃度を97重量%とした。
得られた光透過性導電フィルムに対して実施例1と同様に結晶化処理を行った。
光透過性導電フィルムの光学性能と導電性能を評価した結果を表1に示す。
<全光線透過率>
日本電色社製ヘーズメーター(MDH2000)を用いてJIS K7361−1に準じて光透過性導電フィルムの全光線透過率を測定した。
<インデックス・マッチング(不可視性)の評価>
幅5cm×長さ10cmにカットした光透過性導電性フィルムの中央部付近の幅方向にくし型パターン(2mm幅、10mm長さ)を5cm形成するために、以下の操作を行った。
幅5cm×長さ5cmのシリコンゴム板の4辺の一つをくし型パターン状に切断した。幅5cm×長さ10cmにカットした光透過性導電性フィルムのITO側、かつ、くし型パターンが光透過性導電性フィルムの中央部付近に配置されるようにシリコンゴム板を光透過性導電性フィルムに貼り合わせた。シリコンゴム板を貼り合わせた光透過性導電性フィルムのシリコンゴム板側にエッチングレジストを塗布し、80℃で30分乾燥後、シリコンゴム板を剥がした。これにより、くし型パターンを境界としてITO表面とエッチングレジスト表面が露出する光透過性導電性フィルムを得た。これを、20%塩酸に20分浸漬し、ITOを溶かした。その後、0.5MのKOH溶液に浸漬しながら10分間超音波処理し、水洗することによりITOのくし型パターンフィルムを得た。黒色の紙の上にくし型パターンフィルムを置き、それぞれITOパターンのエッジにおける視認性を確認した。
評価は次のようにして行った。黒色紙上でITOのパターンがほとんど確認できないときを「◎」、黒色紙上でITOのパターンがほとんど確認できないが、くし型パターンの何れかのくし歯部分において観察角度を変えることによりパターンを確認できることがあるときを「○」、観察角度を変えることによりくし型パターンの何れかのくし歯部分においてパターンを必ず確認できるときを「△」、両方の試料においてパターンを確認できるときを「×」とした。
<波長380nmの反射率>
日立製作所製分光光度計U4100に、入射角度5°の反射率測定ユニットを取り付け、スキャンスピード:300nm/Min、スリット幅:4nmにてハロゲンランプ光源を用いて測定した。なお、反射スペクトルの測定値は、測定サンプルを取り除いて測定したブランクのスペクトルを差し引いて校正した。サンプルは、幅50mm、高さ100mmとし、ITO表面を測定スリット側に配置し、反対面を黒色に遮光した。
<表面抵抗値>
4端子法により測定した。
本発明の光透過性導電フィルムにおいては、高屈折率領域及び低屈折率領域からなる光学調整層(B)の光学調整作用により、インデックス・マッチング(不可視性)が良い(不可視に優れる)という優れた光学特性が得られることが判った。
また、本発明の光透過性導電フィルムにおいては、光学調整層(B)の上方に配置される光透過性導電層の導電性を損ねることがなく、優れた表面抵抗値を達成できることも判った。
Figure 0005564145
1 光透過性導電性フィルム
11 光透過性支持層(A)
12 光学調整層(B)
121 ジルコニア粒子
122 バインダー樹脂
13 光透過性導電層(C)
14 アンダーコート層(D)
15 接着層(E)

Claims (5)

  1. (A)光透過性支持層;
    (B)光学調整層;及び
    (C)光透過性導電層
    を含有し、
    前記光学調整層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、かつ
    前記光透過性導電層(C)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、少なくとも光学調整層(B)を介して配置されている光透過性導電性フィルムであって:
    前記光学調整層(B)が、
    (i)ジルコニア粒子を含有し、
    (ii)厚さが0.1〜3.0μmであり、かつ
    (iii)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域における屈折率が、その他の領域における屈折率よりも低いこと
    を特徴とする、光透過性導電性フィルム。
  2. 前記光学調整層(B)が、
    (iv)光透過性導電層(C)側からの深さ10〜30nmの領域におけるよりも、その他の領域におけるジルコニア粒子密度がより高い、
    請求項1に記載の光透過性導電性フィルム。
  3. 前記光学調整層(B)が、
    (1)ジルコニア粒子を含有する硬化性樹脂溶液を下地となる層の上に塗布する工程、及び
    (2)前記工程(1)で得られた硬化性樹脂層を、窒素ガス雰囲気下で硬化させる工程を含む方法により得られうるものである、
    請求項1又は2に記載の光透過性導電性フィルム。
  4. 前記ジルコニア粒子の平均粒子径が、5〜100nmである、請求項3に記載の光透過性導電性フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムを含有する、タッチパネル。
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