JP5562694B2 - 船舶用推進システムおよび船舶 - Google Patents

船舶用推進システムおよび船舶

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この発明は、複数の推進機を備えた船舶用推進システムおよび船舶に関する。
船舶用の推進機の一例は、船外機である。船外機は、たとえば、船体の後尾に取り付けられる。船外機は、エンジンなどの原動機の動力でプロペラを回転させて推進力を得る装置である。必要な推進力に応じて、複数の船外機が船体に取り付けられる場合もある。船外機には、原動機の出力制御等のための船外機ECU(電子制御ユニット)が備えられている。
船舶の操船席には、ステアリング装置と、船外機の出力を調整するためのリモコン装置と、船外機の状態を表示するためのゲージ(メータ)とが配置される。ステアリング装置は、たとえば、ステアリングホイールを備えている。このステアリングホイールの操作が、ケーブルによって船外機に伝達され、船外機の方向を変更できるようになっている。
リモコン装置は、船外機のシフト位置選択および原動機出力調整のためのレバーを備えている。このレバーの位置は、位置センサによって検出される。位置センサによって検出されたレバー位置の情報は、船外機に送られる。シフト位置とは、前進位置、中立位置および後退位置である。前進位置を選択すると、プロペラ回転方向が、船舶に前進方向の推進力を与える回転方向となる。後退位置を選択すると、プロペラ回転方向が、船舶に後退方向の推進力を与える回転方向となる。中立位置では、原動機の出力がプロペラに伝達されない。
複数の船外機が備えられている船舶においては、船外機毎に個別にリモコン装置が設けられることが多い。しかし、複数の船外機が備えられている船舶において、船外機の数より少ないリモコン装置によって、全ての船外機のシフト制御(シフト位置選択およびエンジン出力調整)を行なうシステムも開発されている。たとえば、下記特許文献1には、3機の船外機のシフト制御を、2つのリモコン装置によって行なうシステムが示されている。
具体的には、一方のリモコン装置を右舷側の船外機に対応づけ、他方のリモコン装置を左舷側の船外機に対応付け、中央の船外機には、両方のリモコン装置を対応付けて、リモコン装置の操作に応じた船外機制御が実行されるようになっている。具体的には、両リモコン装置のレバー位置がともに前進位置であれば、中央の船外機のシフト位置は、前進位置に制御される。両リモコン装置のレバー位置がともに後退位置であれば、中央の船外機のシフト位置は、後退位置に制御される。両リモコン装置のレバー位置の組み合わせが、前記以外の組み合わせである場合には、中央の船外機のシフト位置は中立位置に制御される。
ゲージは、表示ユニットを備え、船外機の運転状態や、原動機の出力(回転速度)等を表示するように構成されている。船外機が複数個備えられる場合には、それに応じてゲージも複数個備えられ、各船外機に対応する表示が行なわれる。
各船外機について1個のバッテリが備えられる。原動機としてエンジン(内燃機関)が備えられている場合には、このバッテリから、エンジンを始動するためのスタータと、船外機ECUとに電源が供給される。操船席にはバッテリから船外機への電源の供給/遮断を切り換えるための電源スイッチが備えられる。複数の船外機が備えられる場合には、それに応じて、複数の電源スイッチが備えられる。電源スイッチは、たとえば、メインキーを挿入して回転させるキースイッチの形態を有し、エンジンを始動させるための始動スイッチを兼ねている。より具体的には、ユーザがキースイッチをオフ位置からオン位置に操作すると、バッテリから船外機に電源が供給される。さらに、ユーザがキースイッチをオン位置からスタート位置まで操作すると、スタータが作動し、クランキング動作が行なわれる。
複数の船外機が備えられている場合には、船外機の個数分の電源スイッチが存在するため、ユーザは船外機の個数分の複数のメインキーを持ち歩かなければならず、面倒である。そこで、下記特許文献2では、複数の船外機に対して、個別の電源スイッチの代わりに、一つの共通の電源スイッチを設けることが提案されている。このような共通の電源スイッチを設けた場合には、メインキーを一つに統合化できるので、メインキーの持ち運びが容易となる。
特開2008-128138号公報 特開2004-52697号公報
複数の推進機(たとえば、船外機)に対して、個別の電源スイッチの代わりに、一つの共通の電源スイッチを設けた場合には、前述したようにメインキースイッチの持ち運びが容易となる。しかし、船舶に搭載されている複数の推進機の総数より少ない数のリモコン装置で、これらの推進機のシフト制御を行なうシステムが採用されている船舶においては、不具合が生じるおそれがある。
この点につき、図17を用いて説明する。図17に示す船舶では、3機の推進機(船外機)3P,3C,3Sが備えられている。この船舶において、2つのリモコン装置からの指令によって、3機の推進機のシフト制御が行なわれるものとする。3機の推進機によって航行中に、図17(a)に示すように、中央の一つの推進機3Cの原動機(例えば、エンジン)が故障した場合を想定する。この場合、図17(b)に示すように、ユーザ(操作者)は、故障した中央の推進機3Cに対応する始動/停止スイッチによって、当該推進機3Cの原動機を停止させる操作を行なう。このとき、個別の電源スイッチが設けられていないので、故障した中央の推進機3Cのみの電源をオフすることはできない。つまり、推進機3Cの原動機は停止できるが、推進機3Cの電源はオンのままである。
この後、他の2機の推進機3P,3Sを使って航行しようとした場合、停止させた中央の推進機3Cにも電源が入っているため、2つのリモコン装置のレバー位置によっては、当該推進機3Cのシフト位置が前進位置または後退位置に制御される。たとえば、2つのリモコン装置のレバーが前進位置に操作されると、中央の推進機3Cに対するシフト位置が前進位置となる。つまり、原動機とプロペラとの間の動力伝達経路が接続された状態となる。
停止された推進機3Cのプロペラは、船舶の走行に伴って生じる相対的な水流からの力を受けて回転する。このとき、当該推進機3Cのシフト位置が前進位置または後退位置であると、図17(c)に示すように、プロペラの回転が原動機の駆動軸(例えば、クランク軸)に伝達される。これにより、原動機が始動するといったことが起こりうる。このように、停止中の推進機のプロペラが水流から受ける力によって当該推進機に備えられた原動機の駆動軸が回転することを、この明細書において、「連れ回り」という。
原動機が故障した状態で駆動軸が回転されると、図17(d)に示すように、故障の種類によっては、原動機が修理不能なほどに破損してしまうおそれがある。たとえば、原動機がエンジンである場合において、オイルポンプが故障して油圧低下を起したためにエンジンが停止された後、当該エンジンが連れ回りによって始動すると、油圧切れによりエンジンが焼き付く可能性がある。
むろん、原動機が故障していない場合であっても、特定の原動機が駆動停止状態でありかつ電源オンとなっている場合には、連れ回りが発生する可能性がある。したがって、ユーザの意図に反して、原動機が始動するおそれがある。
そこで、この発明の目的は、複数の推進機の電源を一括してオン/オフすることができるとともに、停止中の推進機における原動機の連れ回りを抑制または防止できる船舶用推進システムを提供することである。
また、この発明の他の目的は、前記のような船舶用推進システムを備えた船舶を提供することである。
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、前記複数の推進機を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合には、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含み、前記異常状態検出手段は、連れ回りによって原動機の駆動軸が回転していることを、当該原動機を含む推進機の異常状態として検出する連れ回り検出手段を含む、船舶用推進システムである。「原動機」には、内燃機関、電動機などが含まれる。
この構成によれば、共通電源スイッチ(単一の共通電源スイッチであってもよい。)を操作することにより、複数の推進機の電源を一括してオンさせたり、一括してオフさせたりすることができる。このため、共通電源スイッチをキースイッチで構成している場合には、複数の推進機の電源をオン/オフするためのメインキーを統合化できる。
また、いずれかの推進機の異常状態が検出されると、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断される。推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されると、船舶の航走時の水流抵抗によって当該プロペラが回転したとしても、その回転力は当該推進機の原動機に伝達されない。したがって、連れ回りが発生しなくなる。このため、連れ回りによって生じる不具合を回避できる。具体的には、原動機がエンジン(内燃機関)である場合には、意図しないクランキングによってエンジンが始動されることを回避できる。
また、この発明では、連れ回りによる原動機の駆動軸の回転が、当該原動機を含む推進機の異常状態として検出される。したがって、連れ回りが発生すれば、当該推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が速やかに遮断される。
前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を備えていてもよい。この場合、前記動力伝達遮断手段は、前記クラッチ機構を遮断状態に制御するクラッチ制御手段を含むものであってもよい。
前記クラッチ機構は、前進位置、中立位置および後退位置のいずれかにシフト位置を選択可能なシフト機構であってもよい。前進位置は、原動機の駆動力をプロペラが前進回転する方向に伝達するシフト位置である。中立位置は、原動機の駆動力をプロペラに伝達しないシフト位置である。後退位置は、原動機の駆動力をプロペラが後退回転する方向に伝達するシフト位置である。前進回転とは、プロペラが船舶に前進方向の推進力を与える方向の回転である。後退回転とは、プロペラが船舶に後退方向の推進力を与える方向の回転である。前進位置および後退位置が前記伝達状態に対応し、前記中立位置が前記遮断状態に対応する。
前記推進機が前記クラッチ機構を備えている場合には、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段がさらに備えられることが好ましい。この場合、前記動力伝達遮断手段は、クラッチ状態選択操作手段の操作状態によらずに、異常状態の推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断するものであることが好ましい。前記クラッチ状態選択操作手段は、より具体的には、前記シフト機構のシフト位置を選択するシフト位置選択操作手段であってもよい。
前記クラッチ状態選択操作手段は、前記複数の推進機の総数より少ない数の操作子を有するものであってもよい。この場合、操作子と推進機とは一対一に対応しなくなり、少なくとも一つの操作子は、2つ以上の推進機に割り当てられることになる。これらの2つ以上の推進機のいずれかに異常状態が生じると、当該異常状態の推進機では原動機とプロペラとの間の動力伝達が遮断される。したがって、対応する操作子が操作されると、異常の無い推進機ではクラッチの状態に応じて原動機の駆動力がプロペラに伝達され得るのに対して、異常が生じた推進機では、原動機の駆動軸がプロペラから切り離される。
前記原動機は、前述のようにエンジン(内燃機関)であってもよいし、電動モータであってもよい。
推進機は、船外機(アウトボードモータ)、船内外機(スターンドライブ。インボードモータ・アウトボードドライブ)、船内機(インボードモータ)のいずれの形態であってもよい。船外機は、原動機およびプロペラを含む推進ユニットを船外に有し、さらに、推進ユニット全体を船体に対して水平方向に回動させる舵取り機構が付設されたものである。船内外機は、原動機が船内に配置され、プロペラおよび舵取り機構を含むドライブユニットが船外に配置されたものである。船内機は、原動機およびドライブユニットがいずれも船体に内蔵され、ドライブユニットからプロペラシャフトが船外に延び出た形態を有する。
請求項記載の発明は、前記連れ回り検出手段は、原動機が停止した状態から、当該原動機の始動装置が駆動されていない状態で、当該原動機の駆動軸が回転したとき、または運転状態にある原動機に対して停止処理を開始した後、一定時間内に当該原動機の駆動軸の回転が停止しないときに、連れ回りによって当該原動機の駆動軸が回転していることを検出するものである、請求項記載の船舶用推進システムである。
この構成によれば、原動機が一旦停止したにもかかわらず、その後に連れ回りによって当該原動機の駆動軸が回転し始めたときに、当該原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断できる。さらに、この構成によれば、運転中の原動機に対して停止処理を開始したにもかかわらず、連れ回りのために当該原動機の駆動軸の回転が停止しないときに、当該原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断することができる。これにより、連れ回り状態を速やかに解消して、確実に原動機を停止させることができる。
請求項記載の発明は、前記動力伝達遮断手段によって、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたときに、当該推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されていることを報知する報知手段をさらに含む、請求項1または2に記載の船舶用推進システムである。
この構成によれば、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断された場合に、そのことが報知手段によってユーザ(操作者)に報知される。したがって、ユーザは、たとえば、前述のシフト位置選択操作手段の操作状態(例えば、操作子の位置)に関係なく、当該推進機の原動機およびプロペラ間の動力の伝達が遮断されていることを認識することができる。このため、前述のシフト位置選択操作手段や推進機のシフト機構が故障していないのにもかかわらず、それらが故障しているとユーザが勘違いするのを防止できる。
請求項記載の発明は、前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、
前記船舶用推進システムは、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段をさらに含み、
前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記クラッチ状態選択操作手段によって当該推進機の前記クラッチ機構の状態を前記遮断状態とするための選択操作が行なわれるまで、その遮断状態を維持するものである、請求項1〜のいずれか一項に記載の船舶用推進システムである。
また、請求項5記載の発明は、原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含む、船舶用推進システムであって、前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、前記船舶用推進システムは、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段をさらに含み、前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記クラッチ状態選択操作手段によって当該推進機の前記クラッチ機構の状態を前記遮断状態とするための選択操作が行なわれるまで、その遮断状態を維持するものである、船舶用推進システムである。
請求項6記載の発明は、原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含み、前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、全ての推進機の原動機が停止するまで、その遮断状態を維持するものである、船舶用推進システムである。
請求項7記載の発明は、船舶の速度を検出する速度検出手段をさらに含み、前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記速度検出手段によって検出された船舶の速度が所定の閾値以下になるまで、その遮断状態を維持するものである、請求項1〜のいずれか一項の記載の船舶用推進システムである。
請求項8記載の発明は、原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段と、船舶の速度を検出する速度検出手段とを含み、前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記速度検出手段によって検出された船舶の速度が所定の閾値以下になるまで、その遮断状態を維持するものである、船舶用推進システムである。
例えば、船舶の航行中に一つの推進機の異常状態が検出されることにより、当該推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたとする。すると、連れ回り状態が解消されるので、異常状態検出手段は少なくとも連れ回り異常を検出しなくなる。したがって、異常状態が検出されなくなったときに直ちにクラッチ状態選択操作手段の操作に追従してクラッチ状態を制御するようにすると、無駄なクラッチ制御が行われるおそれがある。すなわち、異常状態検出による動力伝達遮断制御と、異常状態解除によるクラッチ状態選択操作手段の操作に追従したクラッチ制御とが、交互に繰り返される可能性がある。
前記請求項記載の発明によれば、異常状態の検出および異常状態の解除が繰り返されることがなく、前述のクラッチ制御その他の制御が無駄に行なわれるのを防止できる。
なお、船舶が着岸したことを検出する着岸検出手段を設け、前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、船舶の着岸が検出されるまで、その遮断状態を維持するようにしてもよい。着岸検出手段としては、例えば、ナビゲーション装置を利用して予め設定した着岸予定位置に船舶が着岸したことを検出する構成を用いることができる。また、着岸検出手段として、着岸予定位置までの距離をレーザにより測定し、その距離が所定値以下になったときに船舶が着岸したことを検出する構成を用いてもよい。さらに、船舶が着岸予定位置に接近(たとえば岸壁等に接岸)したことを検出するセンサ(近接センサ等)からの出力に基づいて船舶が着岸したことを検出する構成を着岸検出手段として用いることもできる。
請求項記載の発明は、前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、前記船舶用推進システムは、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段をさらに含み、前記クラッチ状態選択操作手段は、前記複数の推進機の総数より少ない数の操作子を含み、前記船舶用推進システムは、前記動力伝達遮断手段によって、原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されている推進機が存在している場合に、当該推進機の配置に応じて、各推進機と操作子との対応付けを変更する対応変更手段をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の船舶用推進システムである。
この構成によれば、動力伝達遮断手段によって原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されている推進機が存在している場合に、その推進機の配置に応じて、各推進機と操作子との対応付けを変更することができる。このため、動力伝達遮断手段によって原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されている推進機が存在する場合に、当該推進機以外の推進機のクラッチ状態選択操作を行いやすくすることができる。
例えば、右舷、中央、左舷の3機の推進機が備えられおり、これらの推進機のシフト位置が2つのレバー(操作子の一例)によって選択されるように構成された船舶を想定する。2つのレバーは、船首方向に向かって左右に並んで配置されているものとする。3機の推進機が正常状態である場合には、例えば、船首方向に向かって右側のレバーを右舷側の推進機に対応付け、船首方向に向かって左側のレバーを左舷側の推進機に対応付け、中央の推進機には、両方のレバーを対応付ける。より具体的には、両レバーの位置がともに前進位置であれば、中央の推進機のシフト位置が前進位置に制御される。両レバーの位置がともに後退位置であれば、中央の推進機のシフト位置が後退位置に制御される。両レバーの位置の組み合わせが、前記以外の組み合わせである場合には、中央の推進機のシフト位置は中立位置に制御される。右舷側の推進機のシフト位置は右側のレバーの位置に従って制御される。左舷側の推進機のシフト位置は左側のレバーの位置に従って制御される。
左舷の推進機が異常状態となり、その原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断された場合には、例えば、対応変更手段は、左側のレバーを中央の推進機に対応付け、右側のレバーを右舷の推進機に対応付ける。右舷の推進機が異常状態となった場合には、例えば、対応変更手段は、右側のレバーを中央の推進機に対応付け、左側のレバーを左舷の推進機に対応付ける。中央の推進機が異常状態となった場合には、対応変更手段は、推進機とレバーとの対応付けを変更しない。なお、前記対応変更手段は、推進機とレバーとの対応付けの変更を、全てのレバーが中立位置にある場合に行なうように構成されていることが好ましい。これは、航走中に推進機とレバーとの対応付けが変更されることよって、船の挙動が急激に変化するのを防止するためである。
請求項10記載の発明は、原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段と、前記動力伝達遮断手段によって、異常が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたと同時にまたはその後に、当該推進機の原動機が駆動停止状態となるように、当該推進機を制御する手段とを含、船舶用推進システムである。
この構成によれば、異常が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断された後または遮断されたと同時に、当該推進機の原動機が駆動停止状態となるように、当該推進機が制御される。したがって、異常が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断された場合において、当該推進機の原動機が駆動状態となっていたとしても、当該原動機の駆動を確実に停止させることができる。
請求項11記載の発明は、前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、前記船舶用推進システムは、前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段とをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の船舶用推進システムである。
請求項12記載の発明は、原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含む、船舶用推進システムであって、前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、前記船舶用推進システムは、前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段とをさらに含む、船舶用推進システムである。
この構成によれば、原動機が停止状態のときに、推進機のクラッチが伝達状態である場合には、原動機の点火および噴射がカットされる。これにより、連れ回りによる原動機の始動を回避できる。原動機の停止およびクラッチの伝達状態は、実際に連れ回りが生じていなくても検出できる。したがって、連れ回りが検出されるよりも前に原動機の点火および噴射をカットできるので、連れ回りによる原動機の始動を回避できる。
停止状態検出手段は、原動機の回転速度が一定値未満となったことを検出する手段を含んでいてもよい。また、停止状態検出手段は、原動機を停止させるための停止スイッチが操作されたことを検出する手段を含んでいてもよい。
請求項13記載の発明は、前記動力伝達遮断手段は、前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合にも、前記停止状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断するように構成されている、請求項11または12に記載の船舶用推進システムである。
この構成によれば、原動機が停止状態であり、かつ、クラッチが伝達状態であれば、実際に連れ回りが発生していなくても、原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断される。これにより、連れ回りの発生を予防できる。
請求項14記載の発明は、前記動力伝達遮断手段によって、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたときに、当該推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されていることを報知する報知手段をさらに含む、請求項12記載の船舶用推進システムである。
請求項15記載の発明は、原動機と、前記原動機によって回転されるプロペラと、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構とをそれぞれ含む複数の推進機を含む。この発明は、さらに、前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段と、前記前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、前記停止状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含む、船舶用推進システムである。
この構成により、原動機が停止状態であり、かつ、クラッチが伝達状態であることが検出されると、原動機の点火および噴射がカットされ、さらに、原動機とプロペラとの間の動力伝達が遮断される。これにより、連れ回りを予防でき、かつ、連れ回りに起因する原動機の始動を回避できる。
請求項16記載の発明は、前記点火噴射制御手段は、点火および噴射をカットした後、前記共通電源スイッチがオフされるまで点火および噴射のカットを保持する、請求項1115のいずれか一項に記載の船舶用推進システムである。
原動機が停止状態であっても、クラッチ機構が遮断状態となれば、連れ回りによる原動機始動の懸念がなくなる。しかし、その後に、クラッチ機構が再び伝達状態となれば、連れ回りによって原動機が始動するおそれがある。したがって、原動機の停止状態およびクラッチの伝達状態の検出結果に応じて、点火および噴射をカットする制御を開始したり停止したりするのは無駄である。この制御の無駄が、点火および噴射がカットを共通電源スイッチがオフされるまで保持することによって回避できる。
請求項17記載の発明は、前記各推進機の原動機を始動するために操作者によって操作される始動スイッチをさらに含み、前記点火噴射制御手段は、点火および噴射をカットした後、原動機の停止状態が検出された推進機に対応する前記始動スイッチが操作されるまで点火および噴射のカットを保持する、請求項1116のいずれか一項に記載の船舶用推進システムである。
この構成によっても、制御の無駄を回避できる。すなわち、原動機始動指令が入力される以前における原動機の始動はユーザの意図に適わない可能性が高い。そこで、始動スイッチが操作されるまで点火および噴射をカットすることにより、制御の無駄を回避できる。そして、始動スイッチが操作されると点火および噴射のカットが解除されるので、ユーザの意図に従う原動機の始動を支障なく行える。
請求項18記載の発明は、船体と、この船体に装着された、請求項1〜17のいずれか一項に記載の船舶用推進システムとを含む、船舶である。この構成によれば、複数の推進機の電源を共通電源スイッチの操作でオン/オフすることができるとともに、停止中の推進機の原動機の連れ回りを防止することができる。
この発明の一実施形態に係る船舶の構成を説明するための斜視図である。 操作パネルの構成を説明するための平面図である。 船外機の構成例を示す側面図である。 船舶の電気的構成を説明するための図である。 図5A、図5Bおよび図5Cは、レバーと船外機との対応付けのモードを説明するための図である。 図6A〜図6Fは、レバー/船外機対応付けのモードが基本モードに設定されている場合における、各レバー位置と船体の動きとの関係を説明するための図である。 船外機ECUによって実行されるシフト制御処理の手順を示すフローチャートである。 船外機ECUによって実行されるシフト制御処理を、具体的に説明するための図である。 リモコンECUによって実行されるレバー/船外機の対応付け切替制御処理の手順を示すフローチャートである。 レバーと船外機との対応付けモードが変更される場合の具体例を説明するための図である。 船外機ECUによって実行されるシフト制御処理の変形例を示すフローチャートである。 船外機ECUによって実行されるシフト制御処理の他の変形例を示すフローチャートである。 船外機ECUによって実行されるシフト制御処理のさらに他の変形例を示すフローチャートである。 この発明の第2の実施形態に係る船舶の動作を説明するための図である。 この発明の第3の実施形態における特徴的な動作を示すフローチャートである。 この発明の第4の実施形態における特徴的な動作を示すフローチャートである。 複数の推進機(たとえば、船外機)に対して、個別の電源スイッチの代わりに、一つの共通の電源スイッチを設けた場合の問題点を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る船舶の構成を説明するための斜視図である。船舶1は、船体2と、推進機としての船外機3とを備えている。船外機3は、複数個(この実施形態では3機)備えられている。これらの船外機3は、船体2の船尾に並べて取り付けられている。3機の船外機を区別するときには、右舷に配置されたものを「右舷船外機3S」、中央に配置されたものを「中央船外機3C」、左舷に配置されたものを「左舷船外機3P」ということにする。これらの船外機3は、それぞれエンジン(内燃機関)およびプロペラ(スクリュー)を備えており、エンジンの駆動力によってプロペラが回転されることで推進力を発生する。
船体2の前方部(船首側)には、操船席5が設けられている。操船席5には、ステアリング装置6と、リモコン7と、操作パネル8と、ゲージ9と、リモコンECU(電子制御ユニット)10とが備えられている。
ステアリング操作装置6は、操船者によって回転操作されるステアリングホイール6aを備えている。このステアリングホイール6aの操作が、ケーブル(図示略)によって、船尾に設けられた舵取り機構(図示略)に機械的に伝達される。この舵取り機構は、3機の船外機3を連動させて、それらの方向を変化させるように構成されている。これにより、推進力の方向が変化し、それに応じて船舶1の進行方向を変更できる。むろん、ステアリングホイール6aの操作角を検出するセンサと、このセンサによって検出される操作角に応じて駆動されるアクチュエータとを備えたパワーステアリング装置が採用されてもよい。この場合、ステアリングホイール6aと舵取り機構との間には機械的な結合はなく、ステアリング操作に応じた制御信号によってアクチュエータが駆動され、その駆動力によって船外機3が転舵される。
リモコン7は、この実施形態では、2個備えられている。これらの2つのリモコン7は、船首方向に向かって左右に並んで配置されており、前後に傾倒可能なレバー71をそれぞれ備えている。2つのリモコンを区別するときには、船首方向に向かって右側にあるものを「右側リモコン7S」といい、船首方向に向かって左側にあるものを「左側リモコン7P」という。また、レバー71を区別するときには、右側リモコン7Sに対応するものを「右レバー71S」といい、左側リモコン7Pに対応するものを「左レバー71P」という。
各レバー71S,71Pの傾倒位置は、ポテンショメータなどのレバー位置センサ11S,11P(図4参照)によってそれぞれ検出される。レバー位置センサ11Sが右レバー71Sに対応し、レバー位置センサ11Pが左レバー71Pに対応する。
ゲージ9は、3機の船外機3に対応して3個設けられている。これらのゲージ9は、対応する船外機3の状態を表示する。より具体的には、ゲージ9は、対応する船外機3のエンジンの回転速度その他必要な情報を表示する。
操作パネル8は、図2に示すように、3機の船外機3の電源を一括してオン/オフするための単一のキースイッチ81と、個別に操作可能な3個の始動/停止スイッチ82S,82C,82Pとを備えている。操作パネル8は、さらに、各船外機3の電源のオン/オフ状態を表示するためのランプ83S,83C,83Pを備えている。
キースイッチ81は、3個の船外機3の電源を一括してオン/オフし、かつ、3個の船外機3のエンジンを一括して始動させるためにユーザ(操作者)によって操作されるように構成されている。具体的には、ユーザがキースイッチ81をオフ位置からオン位置に操作することによって、3機の船外機3の電源が一括してオンされる。さらに、ユーザがキースイッチ81をオン位置からスタート位置まで操作すると、3機の船外機3が一括して始動される。また、ユーザがキースイッチ81をオン位置からオフ位置に操作することによって、3機の船外機3の電源が一括してオフ状態となる。
始動/停止スイッチおよびランプは、3個の船外機3に対応して3つずつ設けられている。始動/停止スイッチ82Sおよびその近傍に設けられたランプ83Sが、右舷船外機3Sに対応する。始動/停止スイッチ82Cおよびその近傍に設けられたランプ83Cが、中央船外機3Cに対応する。始動/停止スイッチ82Pおよびその近傍に設けられたランプ83Pが、左舷船外機3Pに対応する。
図3は、3つの船外機3の共通の構成例を説明するための図解的な側面図である。
船外機3は、推進ユニット60と、この推進ユニット60を船体2に取り付ける取り付け機構61とを有している。取り付け機構61は、船体2の後尾板に着脱自在に固定されるクランプブラケット62と、このクランプブラケット62に水平回動軸としてのチルト軸63を中心に回動自在に結合されたスイベルブラケット64とを備えている。推進ユニット60は、スイベルブラケット64に、操舵軸65まわりに回動自在に取り付けられている。推進ユニット60を操舵軸65まわりに回動させることによって、操舵角(船体2の中心線に対して推進力の方向がなす方位角)を変化させることができる。また、スイベルブラケット64をチルト軸63まわりに回動させることによって、推進ユニット60のトリム角を変化させることができる。トリム角は、船体2に対する船外機3の取り付け角である。
推進ユニット60のハウジングは、エンジンカバー66とアッパケース67とロアケース68とで構成されている。エンジンカバー66内には、駆動源となるエンジン69がそのクランク軸の軸線が上下方向となるように設置されている。ドライブシャフト91は、エンジン69のクランク軸下端に連結されており、上下方向にアッパケース67内を通ってロアケース68内にまで延びている。
ロアケース68の下部後側には、推進力発生部材であるプロペラ90が回転自在に装着されている。ロアケース68内には、プロペラ90の回転軸であるプロペラシャフト92が水平方向に通されている。ドライブシャフト91の回転は、クラッチ機構としてのシフト機構93を介して、プロペラシャフト92に伝達される。
シフト機構93は、駆動ギヤ93aと、前進ギヤ93bと、後退ギヤ93cと、ドッグクラッチ93dとを含む。駆動ギヤ93aは、ドライブシャフト91の下端に固定されたベベルギヤからなる。前進ギヤ93bは、プロペラシャフト92上に回動自在に配置されたベベルギヤからなる。後退ギヤ93cは、同じくプロペラシャフト92上に回動自在に配置されたベベルギヤからなる。ドッグクラッチ93dは、前進ギヤ93bおよび後退ギヤ93cの間に配置されている。
前進ギヤ93bは前方側から駆動ギヤ93aに噛合しており、後退ギヤ93cは後方側から駆動ギヤ93aに噛合している。そのため、前進ギヤ93bおよび後退ギヤ93cは互いに反対方向に回転される。
ドッグクラッチ93dは、プロペラシャフト92にスプライン結合されている。すなわち、ドッグクラッチ93dは、プロペラシャフト92に対してその軸方向に摺動自在であるけれども、プロペラシャフト92に対する相対回動はできず、このプロペラシャフト92とともに回転する。
ドッグクラッチ93dは、ドライブシャフト91と平行に上下方向に延びるシフトロッド94の軸周りの回動によって、シフトロッド94からの力を受けて、プロペラシャフト92上で摺動される。これにより、ドッグクラッチ93dは、前進ギヤ93bと結合した前進位置と、後退ギヤ93cと結合した後退位置と、前進ギヤ93bおよび後退ギヤ93cのいずれとも結合されないニュートラル位置とのいずれかのシフト位置に制御される。
ドッグクラッチ93dが前進位置にあるとき、前進ギヤ93bの回転がドッグクラッチ93dを介してプロペラシャフト92に伝達される。これにより、プロペラ90は、一方向(前進方向)に回転し、船体2を前進させる方向の推進力を発生する。一方、ドッグクラッチ93dが後退位置にあるとき、後退ギヤ93cの回転がドッグクラッチ93dを介してプロペラシャフト92に伝達される。後退ギヤ93cは、前進ギヤ93bとは反対方向に回転するため、プロペラ90は、反対方向(後退方向)に回転し、船体2を後退させる方向の推進力を発生する。ドッグクラッチ93dがニュートラル位置にあるとき、ドライブシャフト91の回転はプロペラシャフト92に伝達されない。すなわち、エンジン69とプロペラ90との間の駆動力伝達経路が遮断されるので、いずれの方向の推進力も生じない。
エンジン69に関連して、このエンジン69を始動させるためのスタータモータ45が配置されている。スタータモータ45は、船外機ECU30によって制御される。また、エンジン69のスロットルバルブ52を作動させてスロットル開度を変化させ、エンジン69の吸入空気量を変化させるためのスロットルアクチュエータ48が備えられている。このスロットルアクチュエータ48は、電動モータからなっていてもよい。このスロットルアクチュエータ48の動作は、船外機ECU30によって制御される。エンジン69には、さらに、クランク軸の回転を検出することによってエンジン69の回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ43が備えられている。
また、シフトロッド94に関連して、ドッグクラッチ93dのシフト位置を変化させるためのシフトアクチュエータ49が設けられている。シフトアクチュエータ49は、たとえば、電動モータからなり、船外機ECU30によって動作制御される。
図4は、船舶1の主要部の電気的構成を説明するための図である。
操作パネル8およびレバー位置センサ11P,11Sは、リモコンECU10に接続されている。リモコンECU10は、コンピュータ(マイクロコンピュータ)を含んでいる。リモコンECU10は、船内LAN(ローカルエリアネットワーク)を形成するバス20に接続されている。バス20には、ゲージ9P,9C,9Sが接続されている。また、バス20には、船舶の速度を検出するための速度センサ12が接続されている。
船外機3S,3C,3Pは、それぞれ船外機ECU30P,30C,30Sを備えている。船外機ECU30Pは、左舷船外機3Pに対応し、船外機ECU30Cは、中央船外機3Cに対応し、船外機ECU30Sは右舷央船外機3Sに対応している。これらの船外機ECU30P,30C,30Sは、バス20に接続されている。船外機ECU30S,30C,30Pの内部構成は実質的に同じであり、以下、これらを総称するときには、「船外機ECU30」という。
各船外機ECU30は、コンピュータ(マイクロコンピュータ)を含んでいる。船外機ECU30には、温度センサ41、油圧センサ42、エンジン回転速度センサ43、シフト位置センサ44、スタータモータ45、イグニッションコイル46、インジェクタ47、スロットルアクチュエータ48、シフトアクチュエータ49、燃料ポンプ50、オイルポンプ51等が接続されている。
スタータモータ45は、エンジンのクランキングを行なうための装置である。インジェクタ47は、エンジンの吸気経路に燃料を噴射する装置である。スロットルアクチュエータ48は、スロットルバルブ52を作動させることにより、エンジンの吸気経路に供給される空気量を調整する装置である。イグニッションコイル46は、点火プラグ(図示せず)に印加される電圧を上げるように構成されている。点火プラグは、エンジンの燃焼室内で放電して、燃焼室内の混合気に点火をする装置である。シフトアクチュエータ49は、船外機のシフト機構93を駆動する装置である。燃料ポンプ50は、燃料を燃料タンク(図示せず)から汲み出してインジェクタ47に供給する装置である。オイルポンプ51は、エンジンオイルをエンジン内に循環させる装置である。
温度センサ41は、エンジンの冷却水の温度を検出するように構成されている。油圧センサ42は、エンジンオイルの圧力を検出するように構成されている。エンジン回転速度センサ43は、エンジンの回転速度を検出するように構成されている。シフト位置センサ44は、シフト機構93のシフト位置(船外機のシフト位置)を検出するように構成されている。
リモコンECU10のコンピュータは、プログラムを実行することによって、複数の機能処理部としての機能を達成する。この機能処理部は、電源制御手段と、始動/停止制御手段と、対応変更手段と、目標値演算手段とを含む。
リモコンECU10の電源制御手段としての機能は、操作パネル8上の各スイッチからの操作信号に基づいて、各船外機3の電源のオン/オフ制御を行なうことを含む。リモコンECU10の始動/停止制御手段としての機能は、操作パネル8上の各スイッチからの操作信号に基づいて、各船外機3のエンジンの始動/停止制御を行なうことを含む。リモコンECU10の対応変更手段としての機能は、レバー71と船外機3との対応付けを変更することを含む。リモコンECU10の目標値演算手段としての機能は、レバー71と船外機3との対応付けおよびレバー位置センサ11P,11Sの出力に基づいて、各船外機3の目標シフト位置および目標エンジン回転速度を演算することを含む。以下、これらの機能について、詳しく説明する。
リモコンECU10の電源制御手段としての機能の詳細は、次のとおりである。キースイッチ81がオフ位置からオン位置に操作されると、リモコンECU10は、全ての船外機ECU30の電源を一括してオンさせるとともに、全てのランプ83を点灯させる。また、キースイッチ81がオン位置からオフ位置に操作されると、リモコンECU10は、全ての船外機3の電源を一括してオフさせるとともに、全てのランプ83を消灯させる。
リモコンECU10の始動/停止制御手段としての機能の詳細は、次のとおりである。キースイッチ81がオン位置からスタート位置に操作されたときには、リモコンECU10は、始動許可条件が満たされていることを条件に、各船外機ECU30に、エンジン始動指令を出力する。始動許可条件とは、当該船外機3の目標シフト位置が中立位置であり、かつ当該船外機3の実際のシフト位置が中立位置であることである。各船外機3の実際のシフト位置の情報は、各船外機ECU30からバス20を介して、リモコンECU10に送られる。
また、キースイッチ81がオン位置にある場合において、始動/停止スイッチ82が押下げられると、リモコンECU10は、その始動/停止スイッチ82に対応する船外機3のエンジンが停止中であるか、運転中であるかを判別する。対応する船外機3のエンジンが停止中であるときには、リモコンECU10は、始動許可条件が満たされていることを条件に、当該船外機ECU30にエンジン始動指令を出力する。対応する船外機3のエンジンが運転中であれば、リモコンECU10は、当該船外機ECU30にエンジン停止指令を出力する。
船外機ECU30は、エンジン始動指令を受信すると、エンジン始動処理を行なう。エンジン始動処理では、船外機ECU30が、スタータモータ45、イグニションコイル46およびインジェクタ47を駆動し、点火制御および燃料噴射制御を行なって、エンジンを始動させる。一方、船外機ECU30は、エンジン停止指令を受信すると、エンジン停止処理を行なう。エンジン停止処理では、船外機ECU30は、インジェクタ47による燃料噴射を停止させるとともに、点火プラグによる点火動作を停止させることにより、エンジンを停止させる。
次に、リモコンECU10の対応変更手段としての機能の詳細について説明する。この実施形態では、リモコンECU10は、2つのレバー71と3機の船外機3との対応付けに関して、図5A、図5Bおよび図5Cに示すように、3つのモードを有している。それらは、基本モードと、第1変形モードと、第2変形モードとである。
基本モードにおいては、図5Aに示すように、左レバー71Pが左舷船外機3Pに対応付けられ、右レバー71Sが右舷船外機3Sに対応づけられ、中央の船外機3Cには、両方のレバー71S,71Pが対応付けられる。
第1変形モードでは、図5Bに示すように、左レバー71Pが中央船外機3Cに対応づけられ、右レバー71Sが右舷船外機3Sに対応付けられる。この場合には、左舷船外機3Pには、いずれのレバー71も対応付けられない。
第2変形モードでは、図5Cに示すように、左レバー71Pが左舷船外機3Pに対応付けられ、右レバー71Sが中央船外機3Cに対応付けられる。この場合には、右舷船外機3Sには、いずれのレバー71も対応付けられない。
リモコンECU10の対応変更手段としての機能は、レバー/船外機対応付けのモード(以下「対応付けモード」という。)を、前記3つのモードの間で切替えるための処理(対応付けモード切替処理)を含む。この処理の詳細については、後述する。
次に、リモコンECU10の目標値演算手段としての機能の詳細について説明する。リモコンECU10は、現在設定されている対応付けモードと、レバー位置センサ11S,11Pの出力信号とに基づいて、各船外機3のための目標シフト位置および目標エンジン回転速度を演算し、これらの目標値を対応する船外機ECU30に送る。船外機ECU30は、リモコンECU10から送られてくる、目標シフト位置および目標エンジン回転速度に基づいて、船外機のシフト位置およびエンジン回転速度を制御する。具体的には、船外機ECU30は、原則として、船外機3のシフト位置が目標シフト位置となるようにシフトアクチュエータ49を制御するとともに、エンジン回転速度が目標エンジン回転速度となるようにスロットルアクチュエータ48を制御する。このような制御を、「レバー追従シフト制御」ということにする。船外機ECU30によって行なわれる「レバー追従シフト制御」について、以下に、詳しく説明する。
対応付けモードが基本モードである場合には、各船外機3のシフト位置は、次のように制御される。左レバー71Pを所定の中立位置から前方に所定量以上傾倒させると、左舷船外機3Pのシフト位置が前進位置に制御され、当該船外機3Pから前進方向の推進力が発生される。目標エンジン回転速度は、前記所定量の傾倒位置(前進シフトイン位置)まではアイドル回転速度とされる。前進シフトイン位置を超えて前方に左レバー71Pを傾倒させると、レバー傾倒量が大きいほど大きくなるように目標エンジン回転速度が定められる。左レバー71Pを前記中立位置から所定量以上後方に傾倒させると、左舷船外機3Pのシフト位置が後退位置に制御され、左舷船外機3Pから後退方向の推進力が発生される。目標エンジン回転速度は、前記所定量の傾倒位置(後退シフトイン位置)まではアイドル回転速度とされる。後退シフトイン位置を超えて後方に左レバー71Pを傾倒させると、レバー傾倒量が大きいほど大きくなるように目標エンジン回転速度が定められる。左レバー71Pが前記中立位置(より正確には前進シフトイン位置と後退シフトイン位置との間)にあれば、左舷船外機3Pのシフト位置が中立位置となり、船外機3Pは推進力を発生しない。
右レバー71Sが操作された場合には、前記の左レバー71Pが操作された場合の左舷船外機3Pのシフト位置およびエンジン回転速度の制御と同様に、右舷船外機3Sのシフト位置およびエンジン回転速度の制御が行なわれる。
さらに、両レバー71P,71Sの操作に応じて、中央船外機3Cのシフト位置が、次のように制御される。つまり、両レバー71P,71Sがともに前記中立位置から前進シフトイン位置以上に前方に傾倒されると、中央船外機3Cのシフト位置が前進位置に制御され、中央船外機3Cから前進方向の推進力が発生される。両レバー71P,71Sがともに前記中立位置から後退シフトイン位置以上に後方に傾倒されると、中央船外機3Cのシフト位置が後退位置に制御され、中央船外機3Cから後退方向の推進力が発生される。目標エンジン回転速度は、両レバー71P,71Sの傾倒位置が前進シフトイン位置と後退シフトイン位置との間であればアイドル回転速度とされる。そして、前後のシフトイン位置の間の範囲外にレバー傾倒位置がある場合には、両レバー71P,71Sの傾倒量に応じた目標エンジン回転速度が設定される。両レバー71P,71Sのうちの少なくとも一方が中立位置(より正確には前進シフトイン位置と後退シフトイン位置との間)にある場合には、中央船外機3Cのシフト位置は中立位置に制御される。また、一方のレバーが中立位置から前方(たとえば前進シフトイン位置よりも前方)に倒されており、かつ他方のレバーが中立位置から後方(たとえば後退シフトイン位置よりも後方)に傾倒されている場合にも、中央船外機3Cのシフト位置は中立位置に制御される。
対応付けモードが、第1変形モードに設定されている場合には、右舷船外機3Sのシフト位置およびエンジン回転速度は、基本モード時と同様に、右レバー71Sの操作位置に応じて制御される。中央船外機3Cのシフト位置は、左レバー71Pの操作位置に応じて制御される。つまり、左レバー71Pを所定の中立位置から前進シフトイン位置以上に前方に傾倒させると、中央船外機3Cのシフト位置が前進位置に制御される。左レバー71Pを前記中立位置から後退シフトイン位置以上に後方に傾倒させると、中央船外機3Cのシフト位置が後退位置に制御される。左レバー71Pが前記中立位置(より正確には前進シフトイン位置と後退シフトイン位置との間)にあれば、中央船外機3Cのシフト位置は中立位置に制御される。左レバー71Pの傾倒位置が前進シフトイン位置および後退シフトイン位置の間の範囲であれば、目標エンジン回転速度はアイドル回転速度とされ、この範囲外ではレバー傾倒量に応じた目標エンジン回転速度が設定される。第1変形モードでは、左舷船外機3Pのシフト位置およびエンジン回転速度は、レバー71の操作に応じては制御されない。
対応付けモードが、第2変形モードに設定されている場合には、左舷船外機3Pのシフト位置およびエンジン回転速度は、基本モード時と同様に、左レバー71Pの操作位置に応じて制御される。中央船外機3Cのシフト位置は、右レバー71Sの操作位置に応じて制御される。つまり、右レバー71Sを所定の中立位置から前進シフトイン位置以上に前方に傾倒させると、中央船外機3Cのシフト位置が前進位置に制御される。右レバー71Sを前記中立位置から後退シフトイン位置以上に後方に傾倒させると、中央船外機3Cのシフト位置が後退位置に制御される。右レバー71Sが前記中立位置(より正確には前進シフトイン位置と後退シフトイン位置との間)にあれば、中央船外機3Cのシフト位置は中立位置に制御される。右レバー71Sの傾倒位置が前進シフトイン位置および後退シフトイン位置の間の範囲であれば、目標エンジン回転速度はアイドル回転速度とされ、この範囲外ではレバー傾倒量に応じた目標エンジン回転速度が設定される。第2変形モードでは、右舷船外機3Sのシフト位置およびエンジン回転速度は、レバー71の操作に応じては制御されない。
図6A〜6Fは、対応付けモードが基本モードに設定されている場合における各レバー位置と船体の動きとの関係を説明するための図である。
図6Aに示すように、左レバー71Pが前進シフトイン位置を超えて前方(F側)に傾倒され、右レバー71Sが中立位置にある場合には、左舷船外機3Pのシフト位置が前進位置となり、他の船外機3C,3Sのシフト位置が中立位置となる。したがって、船体2は、左舷船外機3Pの前進方向の推進力のみを受けるから、右方向に旋回する。
図6Bに示すように、右レバー71Sが前進シフトイン位置を超えて前方(F側)に傾倒され、左レバー71Pが中立位置にある場合には、右舷船外機3Sのシフト位置が前進位置となり、他の船外機3P,3Cのシフト位置が中立位置となる。したがって、船体2は、右舷船外機3Sの前進方向の推進力のみを受けるから、左方向に旋回する。
図6Cに示すように、両レバー71S,71Pが共に前進シフトイン位置を超えて前方(F側)に傾倒された場合には、3機の船外機3のシフト位置がいずれも前進位置となる。したがって、船体2は、3機すべての船外機3の前進方向の推進力によって前進する。
図6Dに示すように、両レバー71S,7Pが共に後退シフトイン位置を超えて後方(R側)に傾倒された場合には、3機の船外機3のシフト位置がいずれも後退位置となる。したがって、船体2は、3機すべての船外機3の後退方向の推進力によって後退する。
図6Eは、左レバー71Pが後退シフトイン位置を超えて後方(R側)に傾倒され、右レバー71Sが前進シフトイン位置を超えて前方(F側)に傾倒された状態を示す。この場合には、左舷船外機3Pのシフト位置が後退位置となり、右舷船外機3Sのシフト位置が前進位置となり、中央船外機3Cのシフト位置が中立位置となる。したがって、船体2は、左舷船外機3Pの後退方向の推進力と、右舷船外機3Sの前進方向の推進力とによって左旋回する。
図6Fは、左レバー71Pが前進シフトイン位置を超えて前方(F側)に傾倒され、右レバー71Sが後退シフトイン位置を超えて後方(R側)に傾倒された状態を示す。この場合には、左舷船外機3Pのシフト位置が前進位置となり、右舷船外機3Sのシフト位置が後退位置となり、中央船外機3Cのシフト位置が中立位置となる。したがって、船体2は、左舷船外機3Pの前進方向の推進力と、右舷船外機3Sの後退方向の推進力とによって右旋回する。
各船外機ECU30のコンピュータは、プログラムを実行することによって、複数の機能処理部としての機能を達成する。この複数の機能処理部は、エンジン始動処理手段、エンジン停止処理手段、シフト制御手段を含む。船外機ECU30のエンジン始動処理手段としての機能は、前述したエンジン始動処理を行なうことである。船外機ECU30のエンジン停止処理手段としての機能は、前述したエンジン停止処理を含む。
船外機ECU30のシフト制御手段としての機能は、所定時間毎に、連れ回り判定を行ない、その判定結果に応じたシフト制御を行なうことを含む。この実施形態においては、「連れ回り」とは、停止中または停止すべき船外機3のエンジンのクランク軸が、船舶の航走に伴い、水からの力を受けて回転することをいう。
図7は、船外機ECU30によって実行されるシフト制御処理の手順を示すフローチャートである。このシフト制御処理は、所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。
まず、船外機ECU30は、スタータモータ45の駆動状態を判定し、その判定結果(駆動または非駆動)を内部に備えられたメモリ(図示略)に保存する(ステップS1)。メモリには、今回得られたスタータモータの駆動状態の判定結果を含む過去所定回数分の判定結果が、その履歴情報として記憶される。また、船外機ECU30は、エンジン回転速度センサ43からエンジン回転速度(エンジン駆動状態を表す情報)を取得して、メモリに記憶する(ステップS2)。メモリには、今回取得したエンジン回転速度を含む過去所定回数分のエンジン回転速度が、履歴情報として記憶される。
次に、船外機ECU30は、メモリに記憶されているスタータモータの駆動状態の判定結果およびエンジン回転速度の履歴情報に基づいて、連れ回り判定を行なう(ステップS3)。具体的には、船外機ECU30は、次の条件(i)および(ii)の少なくともいずれか一つが満たされたときに、対応する船外機3のエンジンに連れ回りが発生していると判定する。
(i)エンジンが回転停止していた状態から、スタータモータ45が駆動されていない状態で、エンジンの駆動軸(例えば、クランク軸)が回転した。
(ii)運転状態にあったエンジンに対してエンジン停止処理を開始したにもかかわらず、一定時間内にエンジンの駆動軸の回転が停止しない。
船外機ECU30は、対応する船外機3のエンジンに連れ回りが発生していないと判定した場合には(ステップS3:NO)、フラグFをリセット(F=0)した後(ステップS4)、前述の「レバー追従シフト制御」を行なう(ステップS5)。そして、今回の処理を終了する。
フラグFは、対応する船外機3に対して、「レバー追従シフト制御」および「中立位置への強制シフト制御」のうち、いずれの制御が行われているかを記憶するフラグである。「中立位置への強制シフト制御」とは、レバー71の位置に関係なく、対応する船外機3のシフト位置を強制的に中立位置に設定する制御である。
フラグFは、船外機ECU30の起動時の初期化処理において、リセット(F=0)される。フラグFは、3機の船外機3にそれぞれ対応して3つ設けられている。これらを区別するときには、左舷船外機3Pに対応するフラグを「FP」と表記し、右舷船外機3Sに対応するフラグを「FS」と表記し、中央船外機3Cに対応するフラグを「FC」と表記する。
ステップS3において、船外機3のエンジンに連れ回りが発生していると判定されると(ステップS3:YES)、船外機ECU30は、フラグFをセット(F=1)し(ステップS6)、「中立位置への強制シフト制御」を行なう(ステップS7)。「中立位置への強制シフト制御」を行なうことにより、対応する船外機3のエンジンとプロペラとの間の動力の伝達が遮断される。「中立位置への強制シフト制御」が行なわれている場合には、レバー71が操作されても、当該船外機3のシフト位置は切替わらない。つまり、船外機ECU30は、「中立位置への強制シフト制御」の実行中は、リモコンECU10から送られてくる目標シフト位置を無効にする。
船外機ECU30は、ステップS7で「中立位置への強制シフト制御」を行なうと同時またはその後に、対応する船外機3のエンジンの駆動を停止させるために、エンジン停止処理を行なう(ステップS8)。前記ステップS3で連れ回りが発生していると判定されたときには、その連れ回りによるクランキングによって、対応する船外機3のエンジンが始動する可能性がある。また、連れ回りが発生していると判定された時点では対応する船外機3のエンジンは駆動されていなくても、「中立位置への強制シフト制御」(ステップS7)によって、当該エンジンとプロペラとの間の動力の伝達が遮断されるまでに、当該エンジンが始動してしまうことがある。
そこで、この実施形態では、ステップS7で「中立位置への強制シフト制御」を行なうと同時またはその後に、エンジン停止処理を行なうようにしている。エンジン停止処理では、船外機ECU30は、インジェクタ47による燃料噴射を停止させるとともに、点火プラグによる点火動作を停止させることにより、エンジンを停止させる。これにより、「中立位置への強制シフト制御」によってエンジンとプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたときにおいて、当該エンジンが駆動していたとしても、当該エンジンを確実に停止させることができる。
なお、前記ステップS8において、船外機ECU30は、まず、対応する船外機3のエンジンが駆動されているか否かを判別し、当該エンジンが駆動されていると判別したときのみ、エンジン停止処理を行なうようにしてもよい。エンジンが駆動されているか否かの判別は、例えば、エンジン回転速度センサ43によって検出されるエンジン回転速度に基づいて行なわれる。
船外機ECU30は、ステップS7の「中立位置への強制シフト制御」の実行中には、その旨を報知する(ステップS9)。具体的には、船外機ECU30は、対応するゲージ9に、対応する船外機3のシフト位置が、「中立位置への強制シフト制御」によって強制的に中立位置に保持されていることを表示する。「中立位置への強制シフト制御」が行なわれている場合には、ユーザがレバー71を操作しても、当該船外機3のシフト位置を切替えることができない。このため、ユーザは、リモコン7や船外機3のシフト機構が故障していると勘違いする可能性がある。このような勘違いを防止するために、この実施形態では、「中立位置への強制シフト制御」が行なわれている場合には、そのことをユーザに伝えるようにしている。
図8は、船外機ECU30によって実行されるシフト制御処理を、具体的に説明するための図である。
図8(a)に示すように、3機の船外機3がいずれも前進方向の推進力を発生し、これによって船体2が前進している場合に、中央船外機3Cのエンジンが故障した場合を想定する。
この場合、図8(b)に示すように、ユーザは、故障した中央船外機3Cのエンジンを停止させるための操作(エンジン停止操作)を行なう。つまり、ユーザは、中央船外機3Cに対応する始動/停止スイッチ82Cを押下げる。
このエンジン停止操作に応答して、中央船外機3Cに対応する船外機ECU30Cは、エンジン停止処理を行なう。船舶の航走中には、中央船外機3Cのプロペラの近傍には、このプロペラに対する相対的な水流が生じている。そのため、エンジンが駆動力を発生しなくとも、水流から受ける力によってプロペラが回転される。このとき、中央船外機3Cのシフト位置が前進位置または後退位置である場合には、プロペラの回転がエンジンに伝達され、そのクランク軸が回転することになる。すなわち、連れ回りが生じる。
船外機ECU30は、エンジン停止処理を開始したにもかかわらず、一定時間内にエンジンが停止しない場合、図8(c)に示すように、エンジンに連れ回りが発生していると判定する。エンジン停止処理時におけるシフト位置が中立位置であれば、エンジンの回転は停止することになる。しかし、その後にシフト位置が前進位置または後退位置に変更されると、エンジンの連れ回りが発生する。そこで、船外機ECU30は、エンジン停止処理によってエンジンが停止した状態になった後、スタータモータ45が駆動されていない状態で、エンジンが回転した状態となった場合にも同様に、エンジンに連れ回りが発生していると判定する(図8(c))。こうして、船外機ECU30Cによる連れ回り検出が実行される。
船外機が故障していない場合であっても、特定の船外機が駆動停止状態でありかつ電源オンとなっている場合には、連れ回りの現象が発生する可能性がある。例えば、船外機が故障していない状態でも、低速でトローリング航行するためや、燃料残量が少ないときに燃料消費を減らす目的で運転状態の船外機の数を減らすために、ユーザは、船外機の一部を停止させる場合がある。この場合にも、連れ回りが発生することがある。このような場合にも、船外機ECU30は、上述の故障の場合と同様に、連れ回りが発生していると判定する。
船外機ECU30Cは、連れ回りを検出すると、「中立位置への強制シフト制御」を実行し、図8(d)に示すように、中央船外機3Cのエンジンのシフト位置を中立位置に制御する。つまり、中央船外機3Cのシフト位置は、レバー位置に関係なく、中立位置に維持される。このように、エンジンの連れ回りが検出されると、そのエンジンを備えた船外機のシフト位置が強制的に中立位置とされる。これにより、停止すべきエンジンが停止できなくなったり、停止状態のエンジンが始動されたりするのを防止できる。
連れ回りの検出に応答して「中立位置への強制シフト制御」が行われている状態で、中央船外機3Cのエンジンに連れ回りが検出されなくなると、「レバー追従シフト制御」が行なわれるようになる(図7のステップS3,S4,S5参照)。
図9は、リモコンECU10によって実行される対応付けモード切替処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、所定の制御周期毎に、繰り返し行なわれる。
リモコンECU10は、2つのレバー71S,71Pのレバー位置が共に中立位置であるか否かを判別する(ステップS21)。2つのレバー71S,71Pの少なくとも一方のレバー位置が中立位置でなければ(ステップS21:NO)、今回の処理は、終了する。
前記ステップS21において、2つのレバー71S,71Pのレバー位置が共に中立位置であると判別された場合には(ステップS21:YES)、リモコンECU10は、各船外機3P,3C,3Sに対応するフラグFP,FC,FSが全てリセットされている(FP=FC=FS=0)か否かを判別する(ステップS22)。フラグFP,FC,FSが全てリセットされている場合とは、全ての船外機3に対して「レバー追従シフト制御」が行なわれている場合である。この場合には、リモコンECU10は、対応付けモードを基本モード(図5A)に設定する(ステップS23)。そして、今回の処理を終了する。
前記ステップS22において、フラグFP,FC,FSの全てがリセット状態ではないと判別された場合には(ステップS22:NO)、リモコンECU10は、左舷船外機3Pに対応するフラグFPがセットされているか否かを判別する(ステップS24)。フラグFPがセットされている場合(ステップS24:YES)とは、左舷船外機3Pに対して「中立位置への強制シフト制御」が行なわれている場合である。この場合には、リモコンECU10は、対応付けモードを第1変形モード(図5B)に設定する(ステップS25)。これにより、左レバー71Pのみの操作によって、中央船外機3Cのシフト位置を選択でき、右レバー71Sのみの操作によって、右舷船外機3Sのシフト位置を選択できるようになる。このため、2機の船外機3C,3Sによる船体2の操縦が容易となる。すなわち、基本モード(図5A)では、中央船外機3Cのシフト位置を前進位置または後退位置とするためには、左右両方のレバー71P,71Sをともに前進位置または後退位置に操作しなければならない。したがって、左舷船外機3Pのエンジン停止後の操船が必ずしも容易ではない。そこで、前記第1変形モードに従ってレバー71P,71Sを船外機3C,3Sにそれぞれ対応付けることによって、操船が容易になる。ステップS25の処理の後、今回の処理を終了する。
前記ステップS24において、フラグFPがセットされていない場合には、リモコンECU10は、右舷船外機3Sに対応するフラグFSがセットされているか否かを判別する(ステップS26)。フラグFSがセットされている場合(ステップS26:YES)とは、右舷船外機3Sに対して「中立位置への強制シフト制御」が行なわれている場合である。この場合には、リモコンECU10は、対応付けモードを第2変形モード(図5C)に設定する(ステップS27)。これにより、右レバー71Sのみの操作によって、中央船外機3Cのシフト位置を選択でき、左レバー71Pのみの操作によって、左舷船外機3Pのシフト位置を選択できるようになる。このため、2機の船外機3P,3Cによる船体2の操縦が容易となる。ステップS27の処理の後、今回の処理を終了する
前記ステップS26において、フラグFSがセットされていない場合には(ステップS26:NO)、リモコンECU10は、対応付けモードを変更することなく、今回の処理を終了する。
図10は、レバーと船外機との対応付けモードが、変更される場合の具体例を説明するための図である。
図10(a)に示すように、レバーと船外機との対応付けモードが基本モードである場合において、3機の船外機3のエンジンの前進方向の推進力によって船体2が前進しているときに、左舷船外機3Pのエンジンに故障が発生した場合を想定する。このような場合、ユーザは、始動/停止スイッチ82Pを操作して、故障が発生した左舷船外機3Pのエンジンを停止させる。左舷船外機3Pのエンジンが停止した後に、連れ回りによって、当該エンジンのクランク軸が回転すると、船外機ECU30Pはエンジンに連れ回りが発生していると判定する。つまり、船外機ECU30Pは、連れ回りを検出する。
船外機ECU30Pは、連れ回りを検出すると、図10(b)に示すように、左舷船外機3Pに対して「中立位置への強制シフト制御」を行なう。これにより、左舷船外機3Pのエンジンのシフト位置が強制的に中立位置にされる。この場合、フラグFPがセット(FP=1)される。
この後、図10(c)に示すように、両レバー71P,71Sが中立位置に戻されると、フラグFP=1となっているため、図9のステップS22でNO、ステップS24でYESとなる。したがって、レバーと船外機との対応付けモードが第1変形モードとされる(図9のステップS25)。つまり、左レバー71Pが中央船外機3Cに対応付けられ、右レバー71Sが右舷船外機3Sに対応付けられる。
したがって、この状態で、図10(d)に示すように、左レバー71Pのみが前進シフトイン位置を超えて前方に傾倒された場合でも、中央船外機3Cのシフト位置が前進位置に切り替わり、船体2が前進する。
図11は、船外機ECU30によって実行されるシフト制御処理の変形例を示すフローチャートである。
図11のステップS1〜S9の処理は、図7のステップS1〜S9の処理と同じである。図11のシフト制御処理においては、図7のシフト制御処理に対して、ステップS11およびステップS12の処理が、追加されている。
つまり、図11のシフト制御処理においては、船外機ECU30は、まず、当該船外機ECU30に対応するフラグFがセットされているか否かを判別する(ステップS11)。フラグFがセットされていない場合(F=0)には、船外機ECU30は、ステップS1に進み、ステップS1以降の処理を行なう。
一方、前記ステップS11において、フラグFがセットされている場合(F=1)には、当該船外機3のシフト位置を中立位置に戻すためのレバー操作が行なわれたか否かを判別する(ステップS12)。この判別は、具体的には、当該船外機3の目標シフト位置が中立位置であるか否かを判別することにより行なわれる。前述したように、当該船外機3の目標シフト位置は、レバー/船外機の対応付けモードおよびレバー71の操作位置に応じて、リモコンECU10が決定する。
船外機ECU30は、当該船外機3の目標シフト位置が中立位置であれば、当該船外機3のシフト位置を中立位置に戻すためのレバー操作が行なわれたと判別する。一方、船外機ECU30は、当該船外機3の目標シフト位置が中立位置でなければ、当該船外機3のシフト位置を中立位置に戻すためのレバー操作が行なわれていないと判別する。
船外機ECU30は、当該船外機3のシフト位置を中立位置に戻すためのレバー操作が行なわれていないと判別した場合には(ステップS12:NO)、ステップS1〜ステップS9の処理を行なうことなく、今回の処理を終了する。一方、船外機ECU30は、当該船外機3のシフト位置を中立位置に戻すためのレバー操作が行なわれていると判別した場合には(ステップS12:YES)、ステップS1に進み、ステップS1以降の処理を行なう。
つまり、この変形例では、当該船外機3のシフト位置が強制的に中立位置に制御された場合には、当該船外機3のシフト位置を中立位置に戻すためのレバー操作が行なわれるまで、そのシフト位置が中立位置に保持される。
例えば、船舶の航行中に一つの船外機3に故障が発生したため、当該船外機3のエンジンを停止させたとする。この後、停止させたエンジンに連れ回りが発生し、そのことが検出されると、「中立位置への強制シフト制御」によって、対応する船外機3のシフト位置が強制的に中立位置にされる。このように船外機3のシフト位置が強制的に中立位置にされると、当該船外機3のエンジンに連れ回りは発生しなくなる。
当該船外機3のエンジンに連れ回りが発生しなくなると、図7に示すシフト制御処理では、「レバー追従シフト制御」が行なわれる(ステップS5参照)。つまり、その後のレバー操作によっては、当該船外機3のシフト位置が前進位置または後退位置に切り替わり得るので、再び、エンジンに連れ回りが発生する可能性がある。したがって、当該船外機3に対して、「中立位置への強制シフト制御」と、「レバー追従シフト制御」とが交互に繰り返される可能性がある。このような状況になると、シフトが入る動作と、シフトが抜ける動作とが、交互に繰り返され、無駄なシフト位置の切替えが頻繁に行なわれることになる。図11に示す変形例によれば、このようなシフト位置の無駄な切替えが行なわれるのを防止できる。
なお、「中立位置への強制シフト制御」により当該船外機3のシフト位置が強制的に中立位置に切り替えられた場合には(ステップS7)、全ての船外機3のエンジンが停止するまで、船外機3のシフト位置を中立位置に保持させるようにしてもよい。この場合には、図12に示すように、図11のステップS12に代えて、船外機ECU30に、全ての船外機3のエンジンが停止しているか否かを判別させるようにすればよい(ステップS12A)。この場合、船外機ECU30は、少なくとも1機の船外機3のエンジンが運転中である場合には今回の処理を終了し、全ての船外機3のエンジンが停止している場合にはステップS1の処理に移行する。
また、図4に示すように、船舶の速度を検出する速度センサ12を設けておき、船舶の速度に基づいて「中立位置への強制シフト制御」の保持/解除を行ってもよい。すなわち、「中立位置への強制シフト制御」により船外機3のシフト位置が強制的に中立位置に切替えられた場合には(ステップS7)、船舶の速度が所定の閾値以下となるまで、当該船外機3のシフト位置を中立位置に保持するようにしてもよい。この場合には、図13に示すように、図11のステップS12に代えて、船外機ECU30に、前記速度センサ12によって検出された船舶の速度が所定の閾値以下であるか否かを判別させるようにすればよい(ステップS12B)。この場合、船外機ECU30は、船舶の速度が所定の閾値を越えている場合には今回の処理を終了し、船舶の速度が所定の閾値以下である場合にはステップS1の処理に移行する。
さらにまた、船舶が着岸したことを検出する着岸検出手段を設けておき、着岸検出結果に基づいて「中立位置への強制シフト制御」の保持/解除を行ってもよい。すなわち、「中立位置への強制シフト制御」により船外機3のシフト位置が強制的に中立位置に切り替えられた場合には(ステップS7)、船舶が着岸したことが検出されるまで、当該船外機3のシフト位置を中立位置に保持するようにしてもよい。
着岸検出手段としては、例えば、ナビゲーション装置を利用して予め設定した着岸予定位置に船舶が着岸したことを検出するものを適用できる。また、着岸予定位置までの距離をレーザにより測定し、その距離が所定値以下になったときに船舶が着岸したことを検出する構成の着岸検出手段を用いてもよい。さらに、船舶が着岸予定位置に接近したことを検出する近接センサからの出力に基づいて船舶が着岸したことを検出する着岸検出手段を用いることもできる。近接センサは、例えば、岸壁、桟橋、他の船舶その他の接岸対象への当接を検出するものであってもよい。
図14は、この発明の第2の実施形態に係る船舶の動作を説明するための図である。前述した第1の実施形態では、3機の船外機3を備えた船舶について説明したけれども、3機以外(2機または4機以上)の複数の船外機3を備えている船舶にもこの発明を適用することができる。図14は、2機の船外機3P,3Sと、これらのシフト位置を選択するための1つのレバーとを備えた船舶に、この発明を適用した実施形態の動作を示す。この船舶は、前述した第1の実施形態から、中央船外機3Cおよびそれに対応する部分が除去された構成を有している。
この船舶では、1つのレバーが、それぞれ2機の船外機3P,3Sに対応付けられている。つまり、レバーを前進シフトイン位置以上に前方へ傾倒した前進位置とすれば、2機の船外機3P,3Sのシフト位置はいずれも前進位置に制御される。また、レバーを後退シフトイン位置以上に後方へ傾倒した後退位置とすれば、2機の船外機3P,3Sのシフト位置はいずれも後退位置に制御される。そして、レバーを中立位置とすれば、2機の船外機3P,3Sのシフト位置はいずれも中立位置に制御される。
図14(a)に示すように、2機の船外機3P,3Sが前進方向の推進力を発生していて、船体2が前進している場合に、左舷船外機3Pのエンジンが故障した場合を想定する。
このような場合、図14(b)に示すように、ユーザは、故障した左舷船外機3Pのエンジンを停止させるための操作(エンジン停止操作)を行なう。つまり、左舷船外機3Pに対応する始動/停止スイッチを押下げる。
このエンジン停止操作に基づいて、左舷船外機3Pに対応する船外機ECU30Pは、エンジン停止処理を行なう。エンジン停止処理を開始したにもかかわらず、一定時間内にエンジンが停止しない場合、図14(c)に示すように、船外機ECU30Pは、エンジンに連れ回りが発生していると判定する。また、エンジン停止処理によってエンジンが停止した状態になった後、スタータモータが駆動されていない状態で、エンジンが回転した状態となった場合にも、図14(c)に示すように、船外機ECU30Pは、エンジンに連れ回りが発生していると判定する。つまり、船外機ECU30Pは、連れ回りを検出する。
船外機ECU30Pは、連れ回りを検出すると、図14(d)に示すように、左舷船外機3Pのエンジンのシフト位置を、「中立位置への強制シフト制御」によって中立位置にする。つまり、中央船外機3Cのシフト位置は、レバーに関係なく、中立位置に維持される。このように、エンジンの連れ回りが検出されると、そのエンジンを備えた船外機のシフト位置が強制的に中立位置とされるので、連れ回りによって停止すべきエンジンが停止できなくなったり、連れ回りによって停止状態のエンジンが始動されたりするのを防止できる。
図15は、この発明の第3の実施形態における特徴的な動作を示すフローチャートである。第3の実施形態は、前述の第1の実施形態の構成に加えて、エンジン停止状態の船外機のシフトインが検出されると、点火および燃料噴射をカットするための点火/噴射カット処理のための構成を備えている。より具体的には、船外機ECU30は、前述のシフト制御(図7、図11〜図13)を実行するとともに、このシフト制御と並行して、図15に示す点火/噴射カット処理を所定の制御周期毎に繰り返し実行する。
点火/噴射カット処理では、船外機ECU30は、対応する船外機のエンジンが停止状態であるか否かを判断する(ステップS31)。船外機ECU30は、エンジンが停止している場合のほか、当該船外機のエンジン停止指令が与えられた場合にも、エンジン停止状態と判断する。エンジンが停止しているか否かは、たとえば、エンジン回転速度センサ43の出力に基づいて判断される。たとえば、船外機ECU30は、エンジン回転速度が所定値以下であれば、エンジン停止していると判断する。エンジン停止指令は、リモコンECU10からバス20を介して船外機ECU30に与えられる。リモコンECU10は、船外機のエンジンの運転中に当該船外機に対応する始動/停止スイッチ82が操作されると、当該船外機ECU30にエンジン停止指令を送信する。
エンジン停止状態でないと判断されると(ステップS31:NO)、当該制御周期における点火/噴射カット処理を終了する。
エンジン停止状態であると判断されると(ステップS31:YES)、船外機ECU30は、当該船外機のシフト位置をシフト位置センサ44から取得する(ステップS32)。そして、船外機ECU30は、そのシフト位置が前進位置または後退位置のいずれかであるかどうかを判断する(ステップS33)。つまり、シフト機構が、ドライブシャフトとプロペラとの間で回転を伝達するシフトイン状態(伝達状態)かどうかを判断する。シフトイン状態でなければ(ステップS33:NO)、当該制御周期における点火/噴射カット処理を終了する。
シフトイン状態のときは(ステップS33:YES)、船外機ECU30は、さらに、電源オフ指令がリモコンECU10から与えられたかどうか(ステップS34)、およびエンジン始動指令がリモコンECU10から与えられたかどうかを判断する(ステップS35)。リモコンECU10は、キースイッチ81がオフ位置に操作されると、電源オフ指令をバス20を介して各船外機ECU30に送出する。また、リモコンECU10は、いずれかの始動/停止スイッチ82が操作されると、当該始動/停止スイッチ82に対応する船外機のエンジンが停止中であるときに、当該船外機の船外機ECU30にエンジン始動指令を送信する。
電源オフ指令およびエンジン始動指令のいずれもが与えられていなければ(ステップS34:NO、およびステップS35:NO)、船外機ECU30は、点火カット制御(ステップS36)および噴射カット制御(ステップS37)を実行する。点火カット制御とは、イグニッションコイル46の駆動を停止し、点火プラグによる放電を禁止する制御である。噴射カット制御とは、インジェクタ47による燃料噴射を禁止する制御である。
一方、電源オフ指令またはエンジン始動指令が与えられると(ステップS34:YES、またはステップS35:YES)、船外機ECU30は、点火カット制御および噴射カット制御を解除する(ステップS38)。
或る船外機のエンジンが停止状態のときに、当該船外機がシフトイン状態になると、連れ回りが発生する可能性がある。このとき、船外機ECU30は、シフトイン状態が検出されると、直ちに、点火カット制御および噴射カット制御を実行する。これにより、連れ回りによるエンジンの始動を回避できる。前述のシフト制御処理(図7、図11−図13)による「中立位置への強制シフト制御」だけでは、連れ回りによるエンジン始動を確実に回避できない。そこで、点火/噴射カット制御を併用することによって、連れ回りによるエンジン始動を回避できる。
船外機ECU30は、電源オフ指令またはエンジン始動指令を受信すると、点火カット制御および噴射カット制御を中止する。換言すれば、ユーザがキースイッチ81をオフ位置に操作するか、または始動/停止スイッチ82を操作して当該船外機のエンジン始動操作を行うまでは、点火カット制御および噴射カット制御が保持される。これにより、連れ回りによるエンジン始動を確実に回避できる。また、エンジン始動指令が与えられれば、点火カット制御および噴射カット制御が中止されるので、エンジン始動が可能になる。
なお、この実施形態を変形して、シフト制御処理(図7、図11−図13)を省いてもよい。この場合でも、点火/噴射カット処理によって、連れ回りによるエンジン始動を回避できる。
図16は、この発明の第4の実施形態における特徴的な動作を示すフローチャートである。第4の実施形態は、第3の実施形態と同様に、前述の第1の実施形態の構成に加えて、エンジン停止状態の船外機のシフトインが検出されると、点火および燃料噴射をカットするための点火/噴射カット処理のための構成を備えている。ただし、第3の実施形態では、シフト制御処理と点火/噴射カット処理とが、並行して行われる個別の制御処理であるのに対して、この第4の実施形態では、これらの処理が統合された連れ回り対策処理が実行される。この連れ回り対策処理は、船外機ECU30によって、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。なお、図16の各ステップにおいて、図7または図15に示されたステップと同様の処理が行われるステップには、同一参照符号を付す。
船外機ECU30は、対応する船外機のエンジンが停止状態であるか否かを判断する(ステップS31)。エンジン停止状態でないと判断されると(ステップS31:NO)、当該制御周期における連れ回り対策処理を終了する。
エンジン停止状態であると判断されると(ステップS31:YES)、船外機ECU30は、当該船外機のシフト位置をシフト位置センサ44から取得する(ステップS32)。そして、船外機ECU30は、シフト機構がシフトイン状態(伝達状態)かどうかを判断する(ステップS33)。シフトイン状態でなければ(ステップS33:NO)、当該制御周期における連れ回り対策処理を終了する。
シフトイン状態のときは(ステップS33:YES)、船外機ECU30は、さらに、電源オフ指令がリモコンECU10から与えられたかどうか(ステップS34)、およびエンジン始動指令がリモコンECU10から与えられたかどうかを判断する(ステップS35)。電源オフ指令およびエンジン始動指令のいずれもが与えられていなければ(ステップS34:NO、およびステップS35:NO)、船外機ECU30は、点火カット制御(ステップS36)および噴射カット制御(ステップS37)を実行する。さらに、船外機ECU30は、シフト制御の状態を表す前述のフラグFをセット(F=1)し(ステップS6)、「中立位置への強制シフト制御」を実行し(ステップS7)、エンジン停止処理(ステップS8)を実行する。さらに、船外機ECU30は、「中立位置への強制シフト制御」が実行中であることを対応するゲージ9に表示するための報知処理を実行する(ステップS9)。
一方、電源オフ指令またはエンジン始動指令が与えられると(ステップS34:YES、またはステップS35:YES)、船外機ECU30は、点火カット制御および噴射カット制御を解除し(ステップS38)、さらにフラグFをリセット(F=0)する(ステップS4)。船外機ECU30は、さらに、「中立位置への強制シフト制御」を解除し、シフト制御モードをレバー追従シフト制御に移行させる(ステップS5)。
或る船外機のエンジンが停止状態のときに、当該船外機がシフトイン状態になると、連れ回りが発生する可能性がある。このとき、船外機ECU30は、シフトイン状態が検出されると、直ちに、点火カット制御および噴射カット制御を実行する。これにより、連れ回りによるエンジンの始動を回避できる。そして、さらに、船外機ECU30は、「中立位置への強制シフト制御」を実行し、エンジンとプロペラとの間の駆動力伝達経路を遮断する。これにより、連れ回り状態を解消できる。つまり、点火および噴射がカットされてエンジン始動が速やかに阻止され、その後に、駆動力伝達経路が遮断されて連れ回り状態が解消される。
船外機ECU30は、電源オフ指令またはエンジン始動指令を受信すると、点火カット制御および噴射カット制御を中止し、かつ、「中立位置への強制シフト制御」を中止する。換言すれば、ユーザがキースイッチ81をオフ位置に操作するか、または始動/停止スイッチ82を操作して当該船外機のエンジン始動操作を行うまでは、点火カット制御および噴射カット制御ならびに「中立位置への強制シフト制御」が保持される。これにより、連れ回りによるエンジン始動を確実に回避でき、かつ、連れ回り状態の再発を回避できる。また、エンジン始動指令が与えられれば、点火カット制御および噴射カット制御ならびに「中立位置への強制シフト制御」が中止されるので、エンジンを始動でき、かつ、当該エンジンの駆動力をプロペラに伝達させることが可能になる。
以上、この発明の実施形態について説明したけれども、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。例えば、図4に破線で示すように、シフト位置切替スイッチ84P,84C,84Sを、操作パネル8にさらに設けるようにしてもよい。これらのシフト位置切替スイッチ84P,84C,84Sは、船外機3P,3C,3Sのシフト制御を、「中立位置への強制シフト制御」と、「レバー追従シフト制御」との間で個別に切替えるためのスイッチである。以下、これらを総称する場合には、シフト位置切替スイッチ84という。各シフト位置切替スイッチ84のオン/オフ状態は、リモコンECU10から対応する船外機ECU30に与えられる。
各船外機ECU30は、対応するシフト位置切替スイッチ84の状態がオンのときは、対応する船外機3に対して「中立位置への強制シフト制御」を行なう。これにより、レバーに関係なく、対応する船外機3のシフト位置が中立位置にされる。
一方、各船外機ECU30は、対応するシフト位置切替スイッチ84の状態がオフのときは、対応する船外機3に対して「レバー追従シフト制御」を行なう。これにより、レバーと船外機の対応付けのモードとレバーの操作位置とに応じて、対応する船外機3のシフト位置が制御される。
また、前述の実施形態では、キースイッチ81は、全船外機3の電源を一括投入/遮断する機能に加えて、全船外機3のエンジンを一括して始動する機能を備えている。しかし、キースイッチ81は、エンジン一括始動機能を備えず、全船外機3の一括電源投入/遮断機能のみを有するものであってもよい。
また、前述の実施形態では、エンジン始動スイッチおよびエンジン停止スイッチを兼ねる始動/停止スイッチ82が備えられているけれども、別の構成とすることもできる。すなわち、エンジンを始動させるための始動スイッチと、エンジンを停止するための停止スイッチとが個別に備えられていてもよい。
また、前述の図4に示された構成では、2つのリモコン7に関する処理を1つのリモコンECU10で行っているけれども、2つのリモコン7に対応する2つのリモコンECUを設け、これらの間でデータの授受を行う構成とすることもできる。
また、前述の実施形態では、推進機として船外機(アウトボードモータ)を例にとったけれども、他の形態の推進機を備えた船舶用推進システムにもこの発明の適用が可能である。推進機の他の例としては、船内外機(スターンドライブ。インボードモータ・アウトボードドライブ)、船内機(インボードモータ)を挙げることができる。船外機は、原動機および推進力発生部材(プロペラ)を含む推進ユニットを船外に有し、さらに、推進ユニット全体を船体に対して水平方向に回動させる舵取り機構が付設されたものである。これに対して、船内外機は、原動機が船内に配置され、推進力発生部材および舵切り機構を含むドライブユニットが船外に配置されたものである。船内機は、原動機およびドライブユニットがいずれも船体に内蔵され、ドライブユニットからプロペラシャフトが船外に延び出た形態を有する。この場合、舵取り機構は別途設けられる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、特許請求の範囲に記載された構成要素と前述の実施形態における構成要素との対応関係を示す。
推進機:船外機3
共通電源スイッチ:キースイッチ81
電源制御手段:リモコンECU10
異常状態検出手段(連れ回り検出手段):船外機ECU30,図7のS3、図11〜図13のS3
動力伝達遮断手段:船外機ECU30,図7のS7、図11〜図13のS7
始動装置:スタータモータ45
報知手段:ゲージ9,船外機ECU30,図7のS9、図11〜図13のS9
クラッチ機構:シフト機構93
クラッチ状態選択操作手段:リモコン7
速度検出手段:速度センサ12
対応変更手段:リモコンECU10,図9のS22〜S27
停止状態検出手段:図15および図16のステップS31
クラッチ状態検出手段:図15および図16のステップS33
点火噴射制御手段:図15および図16のステップS36,S37
始動スイッチ:始動/停止スイッチ82
この明細書および図面の記載から抽出されるべき他の特徴を以下に示す。
1.原動機と、前記原動機によって回転されるプロペラと、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構とをそれぞれ含む複数の推進機と、
前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、
前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段とを含む、船舶用推進システム。
この構成により、原動機が停止状態であり、かつ、クラッチが伝達状態であることが検出されると、原動機の点火および噴射がカットされ、さらに、原動機とプロペラとの間の動力伝達が遮断される。これにより、連れ回りに起因する原動機の始動を回避できる。
2.前記点火噴射制御手段は、点火および噴射をカットした後、前記共通電源スイッチがオフされるまで点火および噴射のカットを保持する、項1に記載の船舶用推進システム。
原動機が停止状態であっても、クラッチ機構が遮断状態となれば、連れ回りによる原動機始動の懸念がなくなる。しかし、その後に、クラッチ機構が再び伝達状態となれば、連れ回りによって原動機が始動するおそれがある。したがって、原動機の停止状態およびクラッチの伝達状態の検出結果に応じて、点火および噴射をカットする制御を開始したり停止したりするのは無駄である。この制御の無駄が、点火および噴射がカットを共通電源スイッチがオフされるまで保持することによって回避できる。
3.前記各推進機の原動機を始動するために操作者によって操作される始動スイッチをさらに含み、前記点火噴射制御手段は、点火および噴射をカットした後、原動機の停止状態が検出された推進機に対応する前記始動スイッチが操作されるまで点火および噴射のカットを保持する、請求項1または2に記載の船舶用推進システム。
この構成によっても、制御の無駄を回避できる。すなわち、原動機始動指令が入力される以前における原動機の始動はユーザの意図に適わない可能性が高い。そこで、始動スイッチが操作されるまで点火および噴射をカットすることにより、制御の無駄を回避できる。そして、始動スイッチが操作されると点火および噴射のカットが解除されるので、ユーザの意図に従う原動機の始動を支障なく行える。
4.船体と、
この船体に装着された、項1〜3のいずれか一項に記載の船舶用推進システムとを含む、船舶。
この構成によれば、複数の推進機の電源を共通電源スイッチの操作でオン/オフすることができるとともに、停止中の推進機の原動機が連れ回りによって始動することを防止できる。
1 船舶
2 船体
3 船外機
3S 右舷船外機
3C 中央船外機
3P 左舷船外機
5 操船席
6 ステアリング操作装置
6a ステアリングホイール
7 リモコン
7S 右側リモコン
7P 左側リモコン
8 操作パネル
9 ゲージ
9S 右舷ゲージ
9C 中央ゲージ
9P 左舷ゲージ
10 リモコンECU
20 バス
30S,30C,30P 船外機ECU
41 温度センサ
42 油圧センサ
43 エンジン回転速度センサ
44 シフト位置センサ
45 スタータモータ
46 イグニッションコイル
47 インジェクタ
48 スロットルアクチュエータ
49 シフトアクチュエータ
50 燃料ポンプ
51 オイルポンプ
52 スロットルバルブ
60 推進ユニット
61 取り付け機構
62 クランプブラケット
63 チルト軸
64 スイベルブラケット
65 操舵軸
66 トップカウリング
67 アッパケース
68 ロアケース
69 エンジン
71 レバー
71P 左レバー
71S 右レバー
82S,82C,82P 始動/停止スイッチ
83S,83C,83P ランプ
84S,84C,84P シフト位置切替スイッチ
90 プロペラ
91 ドライブシャフト
92 プロペラシャフト
93 シフト機構
93a 駆動ギヤ
93b 前進ギヤ
93c 後退ギヤ
93d ドッグクラッチ
94 シフトロッド

Claims (18)

  1. 原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、
    前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含み、
    前記異常状態検出手段は、連れ回りによって原動機の駆動軸が回転していることを、当該原動機を含む推進機の異常状態として検出する連れ回り検出手段を含む、船舶用推進システム。
  2. 前記連れ回り検出手段は、原動機が停止した状態から、当該原動機の始動装置が駆動されていない状態で、当該原動機の駆動軸が回転したとき、または運転状態にある原動機に対して停止処理を開始した後、一定時間内に当該原動機の駆動軸の回転が停止しないときに、連れ回りによって当該原動機の駆動軸が回転していることを検出するものである、請求項記載の船舶用推進システム。
  3. 前記動力伝達遮断手段によって、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたときに、当該推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されていることを報知する報知手段をさらに含む、請求項1または2に記載の船舶用推進システム。
  4. 前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、
    前記船舶用推進システムは、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段をさらに含み、
    前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記クラッチ状態選択操作手段によって当該推進機の前記クラッチ機構の状態を前記遮断状態とするための選択操作が行なわれるまで、その遮断状態を維持するものである、請求項1〜のいずれか一項に記載の船舶用推進システム。
  5. 原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、
    前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含む、船舶用推進システムであって、
    前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、
    前記船舶用推進システムは、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段をさらに含み、
    前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記クラッチ状態選択操作手段によって当該推進機の前記クラッチ機構の状態を前記遮断状態とするための選択操作が行なわれるまで、その遮断状態を維持するものである、船舶用推進システム。
  6. 原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、
    前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含み、
    前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、全ての推進機の原動機が停止するまで、その遮断状態を維持するものである、船舶用推進システム。
  7. 船舶の速度を検出する速度検出手段をさらに含み、
    前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記速度検出手段によって検出された船舶の速度が所定の閾値以下になるまで、その遮断状態を維持するものである、請求項1〜のいずれか一項の記載の船舶用推進システム。
  8. 原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、
    前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段と、
    船舶の速度を検出する速度検出手段とを含み、
    前記動力伝達遮断手段は、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断したときには、前記速度検出手段によって検出された船舶の速度が所定の閾値以下になるまで、その遮断状態を維持するものである、船舶用推進システム。
  9. 前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、
    前記船舶用推進システムは、前記複数の推進機における前記クラッチ機構の状態を選択するためのクラッチ状態選択操作手段をさらに含み、
    前記クラッチ状態選択操作手段は、前記複数の推進機の総数より少ない数の操作子を備えており、
    前記船舶用推進システムは、前記動力伝達遮断手段によって、原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されている推進機が存在している場合に、当該推進機の配置に応じて、各推進機と操作子との対応付けを変更する対応変更手段をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の船舶用推進システム。
  10. 原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、
    前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段と、
    前記動力伝達遮断手段によって、異常が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたと同時にまたはその後に、当該推進機の原動機が駆動停止状態となるように、当該推進機を制御する手段とを含、船舶用推進システム。
  11. 前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、
    前記船舶用推進システムは、
    前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
    前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、
    前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段とをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の船舶用推進システム。
  12. 原動機および前記原動機によって回転されるプロペラを含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の異常状態を検出する異常状態検出手段と、
    前記異常状態検出手段によっていずれかの推進機の異常状態が検出された場合に、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含む、船舶用推進システムであって、
    前記各推進機は、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と、前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構を含み、
    前記船舶用推進システムは、
    前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
    前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、
    前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段とをさらに含む、船舶用推進システム。
  13. 前記動力伝達遮断手段は、前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合にも、前記停止状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断するように構成されている、請求項11または12に記載の船舶用推進システム。
  14. 前記動力伝達遮断手段によって、異常状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されたときに、当該推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達が遮断されていることを報知する報知手段をさらに含む、請求項12記載の船舶用推進システム。
  15. 原動機と、前記原動機によって回転されるプロペラと、前記原動機と前記プロペラとの間で動力が伝達される伝達状態と前記原動機と前記プロペラとの間の動力伝達が遮断される遮断状態とで切り換わるクラッチ機構とをそれぞれ含む複数の推進機と、
    前記複数の推進機の電源を一括してオン/オフするための共通電源スイッチと、
    前記共通電源スイッチがオンされたときに、前記各推進機の電源を一括してオン状態にさせ、前記共通電源スイッチがオフされたときに、前記推進機の電源を一括してオフ状態にさせる電源制御手段と、
    前記各推進機の原動機の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
    前記停止状態検出手段によっていずれかの推進機の原動機の停止状態が検出された場合に、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態を検出するクラッチ状態検出手段と、
    前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、当該原動機の点火および噴射をカットする点火噴射制御手段と、
    前記前記クラッチ状態検出手段によって、原動機の停止状態が検出された推進機における前記クラッチ機構の伝達状態が検出された場合に、前記停止状態が検出された推進機の原動機とプロペラとの間の動力の伝達を遮断する動力伝達遮断手段とを含む、船舶用推進システム。
  16. 前記点火噴射制御手段は、点火および噴射をカットした後、前記共通電源スイッチがオフされるまで点火および噴射のカットを保持する、請求項1115のいずれか一項に記載の船舶用推進システム。
  17. 前記各推進機の原動機を始動するために操作者によって操作される始動スイッチをさらに含み、
    前記点火噴射制御手段は、点火および噴射をカットした後、原動機の停止状態が検出された推進機に対応する前記始動スイッチが操作されるまで点火および噴射のカットを保持する、請求項1116のいずれか一項に記載の船舶用推進システム。
  18. 船体と、
    この船体に装着された、請求項1〜17のいずれか一項に記載の船舶用推進システムとを含む、船舶。
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