JP5559519B2 - 空調負荷推定装置および空調負荷推定方法 - Google Patents

空調負荷推定装置および空調負荷推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の空間における空調負荷量を推定する空調負荷推定装置に関するものである。
近年、地球温暖化が進んでおり、世界的に様々な分野での省エネルギー化が提唱されている。このため、オフィスビル等の建造物においても、省エネルギー化を実現するための各種制御技術の開発が行われている。建造物における省エネルギー化は、建造物内のユーザによる空調負荷分布に連動した空調制御が有効である。具体的には、ユーザの在室状況に基づいてエリア毎の熱負荷等の空調負荷を推定し、それぞれの空調負荷に対して局所的にVAV(Variable Air Volume)ユニットやパーソナル空調などの空調制御の設定値をきめるような制御を行うことで、ユーザの快適性を損なうことなく、省エネルギー化を実現することができる。
そこで、従来より、電波強度を解析したり、カメラによる画像を解析したり、超音波を用いたりすることによってユーザの位置を推定する位置推定技術(例えば、特許文献1−3参照。)を用いて、エリア毎の空調負荷の推定が行われている。
特開2009−156666号公報 特開2009−143722号公報 特願2007−010328号公報
しかしながら、従来の位置推定技術は、実用的な環境においては、ユーザの検出失敗の可能性を排除できないため、所定の空間内の空調負荷の過小評価が発生し、不十分な空調制御による環境悪化を引き起こしてしまうことがあった。
そこで、本願発明は、エリア毎の空調負荷を推定する際に所定の空間の空調負荷を正確に評価することができる空調負荷推定装置および空調負荷推定方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る空調負荷推定装置は、所定の空間を分割した複数のエリアそれぞれの空調負荷の割合を検出するエリア負荷割合検出部と、所定の空間の空調負荷を検出する負荷総量検出部と、エリア負荷割合検出部および負荷総量検出部の検出結果に基づいて、エリアの空調負荷を推定するエリア負荷推定部とを備えたことを特徴とするものである。
上記空調負荷推定装置において、負荷総量検出部は、所定の空間の出入口に配設されたセンサによる所定の空間に入退室したユーザの検出結果に基づいて、所定の空間内に存在するユーザの人数を検出して空調負荷の総量を推定し、エリア負荷割合検出部は、複数のエリアそれぞれに設けられユーザが所持する携帯端末装置と無線通信を行う無線送受信装置が検出した、当該携帯端末装置からの信号の電波強度に基づいて、各エリアに存在するユーザを検出してエリア毎の空調負荷割合を推定し、エリア負荷推定部は、エリア負荷割合検出部および負荷総量検出部の検出結果に基づいて、エリア毎の空調負荷量を推定するようにしてもよい。
上記空調負荷推定装置において、エリア負荷割合検出部は、所定の閾値と電波強度とを比較することにより、エリアに存在するユーザを判定するようにしてもよい。
また、本発明に係る空調負荷推定方法は、所定の空間を分割した複数のエリアそれぞれの空調負荷の割合を検出するエリア負荷割合検出ステップと、所定の空間の空調負荷を検出する負荷総量検出ステップと、エリア負荷割合検出部および負荷総量検出部の検出結果に基づいて、エリアの空調負荷を推定するエリア負荷推定ステップとを有することを特徴とするものである。
上記空調負荷推定方法において、負荷総量検出ステップは、所定の空間の出入口に配設されたセンサによる所定の空間に入退室したユーザの検出結果に基づいて、所定の空間内に存在するユーザの人数を検出して空調負荷の総量を推定し、エリア負荷割合検出ステップは、複数のエリアそれぞれに設けられユーザが所持する携帯端末装置と無線通信を行う無線送受信装置が検出した、当該携帯端末装置からの信号の電波強度に基づいて、各エリアに存在するユーザを検出してエリア毎の空調負荷を推定し、エリア負荷推定ステップは、負荷割合検出部および負荷総量検出部の検出結果に基づいて、所定の空間の空調負荷量およびエリア毎の空調負荷量を推定するようにしてもよい。
また、上記空調負荷推定方法において、エリア負荷割合検出ステップは、所定の閾値と電波強度とを比較することにより、エリアに存在するユーザを判定するようにしてもよい。
本発明によれば、所定の空間を分割した複数のエリアそれぞれの空調負荷の割合と、所定の空間の空調負荷とを検出し、これらの検出結果に基づいてエリアの空調負荷を推定するので、各エリアの空調負荷の割合に応じてエリア毎の空調機器を制御しつつ、所定の空間の空調負荷総量を処理することができる。
図1は、本発明の基本構成要素を示す図である。 図2は、本発明の基本動作を示すフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態に係る空調システムの構成を模式的に示す図である。 図4は、空調負荷推定装置の構成を示すブロック図である。 図5は、空調システムの動作を示すフローチャートである。 図6は、空調負荷推定装置の動作を示すフローチャートである。 図7は、電波強度と距離との関係を示す図である。 図8は、閾値の設定を説明するための図である。 図9は、携帯端末装置の位置の検出を説明するための図である。 図10は、所在分布行列を説明するための図である。
<発明の原理>
所定の空間内において局所的な空調制御を行うには、必ずしも所定の空間に存在する全てのユーザの位置を正確に把握する必要はなく、所定の空間を複数に分割したエリア毎に処理すべき空調負荷が推定できればよい。そこで、発明者らは、電波等による位置検出技術を利用して所定のエリアに存在するユーザの人数を無線送受信装置(無線LAN方式におけるアクセスポイント等)を使って計測することにより、エリア毎の空調負荷の割合を推定できることに注目した。この手法では、エリア毎の人数の推定結果に誤差が生じる恐れがあるが、ユーザの行動履歴等から全エリア、すなわち所定の空間における空調負荷の総量と、これを処理する空調制御の設定値(VAVユニット吹き出し風量や給気温度等)とのバランスをとることにより、無駄なエネルギー消費を防ぐことができる。
なお、本手法は、人のように動きがあって位置推定が難しいものに対する空調負荷量を推定する技術であって、これ以外のコンピュータ、プリンタ、照明など位置を容易に把握できるものについては、従来行われている方法で空調負荷量を算出すればよい。
上記手法の具体例を図1に示す。この図1に示すように、本発明は、エリア負荷割合検出部1と、負荷総量検出部2と、エリア負荷推定部3とを備えるものである。
エリア負荷割合検出部1は、所定の空間内における各エリアの空調負荷の割合を検出する機能部である。このエリアの負荷割合算出部1は、例えば、無線LAN等による位置推定技術により実現することができる。
負荷総量検出部2は、ユーザの行動履歴に基づいて、全エリアの空調負荷量の合計、すなわち所定の空間の空調負荷量(空調負荷総量)を検出する機能部である。この負荷総量検出部2は、例えば、入退室カードリーダ等により実現することができる。
エリア負荷推定部3は、エリア負荷割合検出部1および負荷総量検出部2の検出結果に基づいて、各エリアの空調負荷を算出する機能部である。この空調負荷としては、熱負荷、CO2、水蒸気(湿度)など、空調制御に用いられる各種物理量パラメータが挙げられる。
このような手法の動作例について、図2を参照して説明する。
まず、エリア負荷割合検出部1は、各エリアの空調負荷の割合を検出する(ステップS1)。次に、負荷総量検出部2は、空調負荷総量を検出する(ステップS2)。なお、エリア負荷割合検出部1および負荷総量検出部2が動作する順番はそれに限定されず、逆の順番で動作したり、同時に動作したりするなど、適宜自由に設定することができる。
次に、エリア負荷推定部3は、エリア負荷割合検出部1により検出された各エリアの空調負荷の割合と、負荷総量検出部2により検出された空調負荷総量とに基づいて、各エリアの空調負荷を算出する(ステップS3)。
これにより、本手法においては、エリア負荷割合検出部1により所定の空間を分割した複数のエリアそれぞれの空調負荷の割合を検出し、負荷総量検出部2により所定の空間の空調負荷を検出し、エリア負荷推定部3によりそれらの検出結果に基づいてエリアの空調負荷を推定することにより、各エリアの空調負荷の割合に応じてエリア毎の空調機器を制御しつつ、所定の空間の空調負荷総量を処理することができる。
<空調システムの構成>
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図3に示すように、本実施の形態に係る空調システムは、オフィスビルなどの建造物における部屋100の扉に設けられたカードリーダ11と、部屋100内部の所定の領域毎に設定された空調エリア100a〜100dそれぞれに設けられたアクセスポイント12a〜12dと、カードリーダ11およびアクセスポイント12a〜12dと接続され、これらから取得した情報に基づいて部屋100内の熱負荷量を推定する空調負荷推定装置13と、空調エリア100a〜100d毎に設けられたVAV(Variable Air Volume)ユニット14a〜14dと、VAVユニット14a〜14dに調和空気を送気する空調機15とを備えている。なお、図3において、アクセスポイント12a〜12dおよびVAVユニット14a〜14dは、対応付けられる空調エリアが同一のものを、符号の英小文字が同一の添え字で表す。すなわち、添え字aの場合、アクセスポイント12aは、空調エリア100a内に位置する携帯端末装置200と無線通信を行い、VAVユニット14aは、空調エリア100aに設けられる。
≪カードリーダの構成≫
カードリーダ11は、部屋100の扉に設けられ、部屋100に入退室するユーザのICカードを読み取り、このICカードに記憶された情報を読み取る接触式または非接触式の公知のカードリーダである。部屋100の扉には錠が設けられており、その錠は、カードリーダ11により部屋100への入退室が許可されているユーザの情報がICカードから読み取られると、解錠されるものとなっている。ICカードに記録される情報としては、そのICカードを所持しているユーザのID、パスワード、氏名、電話番号、メールアドレスなどが挙げられる。このようなカードリーダ11は、ICカードから個人情報を読み取ると、この個人情報を空調負荷推定装置13に送信する。
≪アクセスポイントの構成≫
アクセスポイント12a〜12dは、定期的に無線LAN通信のために電波を送出し、ユーザが所持しているノートパソコン等の携帯端末装置200と空調負荷推定装置13とをLAN(Local Area Network)16を介して接続する無線装置である。なお、アクセスポイント12a〜12dは、空調負荷推定装置13のみならず、外部ネットワークやウェブサーバ等に接続されるようにしてもよい。
≪空調負荷推定装置の構成≫
空調負荷推定装置13は、図4に示すように、カードリーダI/F部131と、アクセスポイントI/F部132と、人数検出部133と、位置判定部134と、熱負荷量推定部135と、熱負荷量送信部136と、記憶部137とを備えている。
カードリーダI/F部131は、カードリーダ11から読み取られたICカードの個人情報を受信する機能部である。受信した個人情報は、記憶部137に送出されて、個人データ137aとして記憶される。
アクセスポイントI/F部132は、アクセスポイント12a〜12dが携帯端末装置200から受信した信号の電波強度を取得する機能部である。取得した電波強度に関する情報は、記憶部137に送出されて、電波データ137bとして記憶される。
人数検出部133は、記憶部137に記憶された個人データ137aやカードリーダI/F部131から直接受け取った個人情報に基づいて、部屋100に在室しているユーザの人数を検出する機能部である。この検出した人数は、熱負荷量推定部135に送出される。
位置判定部134は、記憶部137に記憶された電波データ137bやアクセスポイントI/F部132から受け取った携帯端末装置200からの信号の電波強度に基づいて、携帯端末装置200が何れの空調エリア100a〜100dに位置しているかを判定する機能部である。この判定結果は、熱負荷量推定部135に送出される。
熱負荷量推定部135は、人数検出部133の検出および位置判定部134の判定結果に基づいて、部屋100全体の熱負荷量(以下、「熱負荷総量」という)および各空調エリア100a〜100dの熱負荷量を推定する機能部である。
熱負荷量送信部136は、熱負荷量推定部135により推定された各空調エリア100a〜100dの熱負荷量を対応するVAVユニット14a〜14dに、熱負荷量推定部135により推定された熱負荷総量を空調機15に送信する機能部である。
記憶部137は、カードリーダ11によりICカードから読み出された情報に関する個人データ137aと、アクセスポイント12a〜12dにより検出された携帯端末装置200からの信号の電波強度に関する電波データ137bと、設定データ137cとを記憶する機能部である。ここで、個人データ137aには、ICカードに記憶された情報とともに、そのICカードがカードリーダ11に読み取られた時刻に関する情報も含まれる。また、設定データ137cには、空調負荷推定装置13の動作に必要な各種情報とともに、後述する閾値が含まれる。
このような空調負荷推定装置13は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)またはFED(Field Emission Display)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記のハードウェア資源がプログラムによって制御され、上述したカードリーダI/F部131、アクセスポイントI/F部132、人数検出部133、位置判定部134、熱負荷量推定部135、熱負荷量送信部136および記憶部137が実現される。なお、上記プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供されるようにしてもよい。
≪VAVユニットの構成≫
VAVユニット14a〜14dは、ダンパなどから構成され、部屋100の対応する空調エリア100a〜100dに配設される。このようなVAVユニット14a〜14dは、空調機15から送られてくる給気温度に基づき、必要な給気風量を出力できるように、ダンパの開度を制御する。
≪空調機の構成≫
空調機15は、公知の空調機またはインテリジェントコントローラから構成され、空調負荷推定装置13により推定された熱負荷総量に基づいて調和空気を生成し、VAVユニット14a〜14dに送気する。
<空調システムの動作>
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る空調システムの動作について説明する。
ユーザの操作入力やタイマなどにより電源が投入されて空調システムが起動すると(ステップS11)、空調負荷推定装置13は、熱負荷量推定動作を実行するか否かを判断する(ステップS12)。熱負荷量推定動作は、例えば、所定の時間が経過したり、部屋100の在室人数が変化したり、携帯端末装置200の位置が移動したりする等の所定のトリガにより実行される。
熱負荷量推定動作を実行しない場合(ステップS12:NO)、空調負荷推定装置13は、再びステップS12の処理に戻る。
一方、熱負荷量推定動作を実行する場合(ステップS12:YES)、空調負荷推定装置13は、部屋100内の熱負荷総量および各空調エリア100a〜100dの熱負荷量を推定する(ステップS13)。この推定された熱負荷総量は空調機15に、熱負荷量は対応するVAVユニット14a〜14dに、送信される。なお、このような熱負荷量推定動作の詳細については後述する。
空調負荷推定装置13により推定された熱負荷総量を受信すると、空調機15は、その熱負荷総量に基づいて、生成する調和空気を制御する(ステップS14)。具体的には、空調機15は、推定された熱負荷総量を十分に処理できる調和空気を生成する。これにより、各空調エリア100a〜100dの熱負荷量に応じた調和空気が、その空調エリア100a〜100dに対応するVAVユニット14a〜14dに送気されることとなる。これにより、部屋100の熱負荷総量を賄う調和空気が生成されるので、部屋100全体の快適性を損なわない空調制御を実現することができ、かつ各空調エリア100a〜100dのそれぞれの熱負荷量を処理するVAVユニットの制御を行えるので、熱負荷総量に見合った適切なエネルギー消費の中で、局所的な熱負荷量を局所的に処理することができる。
空調機15の運転を制御された後、ユーザの操作入力やタイマなどにより電源がOFFにされると(ステップS15:YES)、空調システムは、その動作を停止する。
一方、電源がOFFにされず、動作が継続される場合には(ステップS15:NO)、ステップS12の処理に戻る。
<熱負荷量推定動作>
次に、空調負荷推定装置13による熱負荷量推定動作の詳細について、図6を参照して説明する。
まず、空調負荷推定装置13の人数検出部133は、記憶部137の個人データ137aに基づいて、部屋100に在室している人数を検出する(ステップS21)。この人数は、以下に示すような方法により検出される。
例えば、時刻tにおける部屋100の総人数TPall(t)は、ある時刻(t-s)における部屋100の総人数をTPall(t-s)、時間帯t-s〜tにおける部屋100への入場者数をPin(t-s,t)、時間帯t-s〜tにおける部屋100からの退出者数をPout(t-s,t)とすると、下式(1)により算出される。
TPall(t)=TPall(t-s)+Pin(t-s,t)-Pout(t-s,t) ・・・(1)
部屋100に在室している人数が検出されると、熱負荷量推定部135は、部屋100全体の熱負荷量、すなわち熱負荷総量を推定する(ステップS22)。例えば、部屋100に在室しているユーザ一人当たりの発熱量をTH、時刻tにおける部屋100の総人数を上式(1)により算出されるTPall(t)とすると、時刻tにおける熱負荷総量La11は、下式(2)により算出される。なお、THは、一般に100[W]とされている。
Lall(t)=TPall(t)・TH ・・・(2)
熱負荷総量が推定されると、位置判定部134は、部屋100に在室しているユーザが、空調エリア100a〜100dのうちの何れに位置しているかを判定する(ステップS23)。ここで、ユーザは、携帯端末装置200を所持しており、その携帯端末装置200の位置近傍に存在するものと考えられる。この携帯端末装置200の位置は、アクセスポイント12a〜12dが受信する携帯端末装置200からの電波の強度に基づいて検出することができる。そこで、本実施の形態では、携帯端末装置200からアクセスポイント12a〜12dが受信する電波の強度に基づいて、部屋100におけるユーザの位置を検出する。この位置検出動作の具体例について、以下に説明する。
二点間の電波強度と距離とには相関性がある。すなわち、図7に示すように、その距離が短くなると電波の強度(RSSI)は強くなるのに対して、距離が長くなると電波の強度は弱くなる。そこで、各携帯端末装置k(k=1,2,・・・,n)は、1つの空調エリアj(j=1,2,・・・,m)に一台ずつ配置されたアクセスポイントjから受信する電波の強度RSSI(j,k)に基づき、自分の所在する空調エリアを表す空調エリアの数と同じm次元の所在分布ベクトルAest(k)を関数f()によって求める。RSSI(j,k)は、時刻tにおける瞬時値を使用してもよいし、過去一定時間における平均値や最大値を使用してもよい。ここで、携帯端末装置kが空調エリアj内に存在したか否かの判定結果をE(j,k)とすると、所在分布ベクトルAest(k)は、下式(3)で表される。
Aest(k)=(E(1,k),E(2,k),・・・,E(m,k))=f(RSSI(1,k),RSSI(2,k),・・・,RSSI(m,k))
・・・(3)
関数f()については、各種設定することができる。例えば、電波強度と閾値を比較する手法があり、あるアクセスポイントjから受信したRSSI(j,k)が事前に定めた閾値RSSI_THjとの比較することによりE(j,k)を求めることができる。この手法について以下に説明する。なお、閾値RSSI_THjは、アクセスポイントj毎に変えてもよいし、全てのアクセスポイントで同じ値にしてもよい。
この場合、RSSI(j,k)とRSSI_Thjとを比較してRSSI(j,k)≧RSSI_Thjであるときは、アクセスポイントjとの距離が近いので、E(j,k)=1(存在)と判定される。一方、RSSI(j,k)<RSSI_Thjであるときは、アクセスポイントjとの距離が遠いので、E(j,k)=0(不在)と判定される。例えば、図8,図9に示すように、アクセスポイントAP1〜AP4における電波強度の閾値をRSSI_Th1とすると、この閾値に対応する距離はD_Th1となる。したがって、電波強度が閾値RSSI_Th1以上の場合、携帯端末装置(k)は、半径D_Th1の円a内に位置することとなる。例えば、携帯端末装置PC1は、アクセスポイントAP1からのみ閾値を超えるRSSIで電波を受信する。この場合、アクセスポイントAP1〜AP4においては、(E(1,PC1),E(2,PC1),E(3,PC1),E(4,PC1))=(1,0,0,0)と判定される。同様に、携帯端末装置PC2は、アクセスポイントAP4からのみ閾値を超えるRSSIで電波を受信する。この場合は、(E(1,PC2),E(2,PC2),E(3,PC2),E(4,PC2))=(0,0,0,1)と判定される。
このようにして、全ての携帯端末装置の位置が判定されると、熱負荷量推定部135は、各空調エリア100a〜100dの熱負荷量を推定する(ステップS24)。
上述した関数により、部屋100内の全ての携帯端末装置kで所在分布ベクトルを求めて並べると、図10に示すようなE(j,k)を行列の要素とする所在分布行列Eを生成することができる。この所在分布行列Eにおいて、例えば、j行目を全て積算すると、この値はエリアjの人数となる。これをPOP(j)と表すと、POP(1):POP(2):・・・:POP(j):・・・:POP(m)は、空調エリア間の人数比を表すこととなる。下式(4)に示すように、その人数比を空調エリアjの人数ΣPOP(j)で正規化すると、時刻tにおける空調エリアjの熱負荷割合LRj(t)を求めることができる。
LRj(t)=POP(j)/ΣPOP(j) ・・・(4)
このようにして求めた空調エリアjの熱負荷割合LRj(t)を、上式(2)で算出した熱負荷総量Lall(t)に乗じると、下式(5)に示すように、空調エリアjの熱負荷量Lj(t)を推定できる。
Lj(t)=Lall(t)・LRj(t) ・・・(5)
このように、本実施の形態によれば、カードリーダ11の検出結果から部屋100内の正確な人数を把握できるので、部屋100の熱負荷量を過小評価するのを防ぐことができる。したがって、その熱負荷総量を十分に賄うように空調機15を運転させることにより、全体の快適性を損なわない空調制御を実現することができる。また、各空調エリア100a〜100dの熱負荷量に対応する熱量の冷媒をそれぞれに送出することで、局所的な快適性を損なわない空調制御を実現することができる。
また、従来では、位置座標や数m以内の位置エリアといった高精度の位置推定を目的としていたので、専用のセンサが必要であった。このため、既設のビルに設置する場合には、センサ等のハードウェアの費用と、その設置工事の費用とが必要となり、ビルオーナーにとって負担となっていた。これに対して、本実施の形態によれば、セキュリティ用途に広く用いられている入退室用のカードリーダ11や情報インフラとして広く用いられているアクセスポイント12a〜12dを改造せずに用いることができ、新たなセンサ等のハードウェアを導入しなくても熱負荷量を推定することができるので、低コスト化を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、空調システムを1つの部屋100のみに適用した場合を例に説明したが、適用可能な部屋の数量は1つに限定されず、適宜自由に設定することができる。
また、1つの部屋100に4つの空調エリア100a〜100dを設定した場合を例に説明したが、1つの部屋に設定できる空調エリアの数量は4つに限定されず、部屋100の大きさやアクセスポイントが電波を検出できる範囲などに応じて適宜自由に設定することができる。
さらに、VAVユニット14a〜14dを各空調エリア100a〜100dに1つずつ設けた場合を例に説明したが、1つの空調エリアに設ける空調機器の数量は1つに限定されず、適宜自由に設定することができる。
また、本実施の形態においては、推定する空調負荷が熱負荷の場合を例に説明したが、空調負荷は熱負荷に限定されず、例えば、二酸化炭素濃度、水蒸気(湿度)など各種パラメータを適宜自由に設定することができる。
また、本実施の形態においては、アクセスポイント12a〜12dにより空調エリア100a〜100dに存在するユーザの人数を検出する場合を例に説明したが、空調エリア100a〜100dに存在するユーザの人数を検出する手段はアクセスポイント12a〜12dに限定されず、例えば、カメラ、無線タグ、Wi−Fi等の無線通信など所定のエリアに存在する人数を検出可能な各種手段を用いることができる。
また、本実施の形態においては、部屋100に在室している人数をカードリーダ11により検出する場合を例に説明したが、その人数を検出する手段はカードリーダ11に限定されず、例えば出入口に設けた人数検出用のマットなど、所定の空間の在室人数を検出可能な各種手段を用いることができる。
また、本実施の形態においては、セントラル空調に適用した場合を例に説明したが、適用できる空調システムはセントラル空調に限定されず、例えば、パッケージエアコンなど各種空調システムを適用することができる。
本発明は、オフィスビル、学校、工場などの1つの部屋に複数の空調機器が配設される建造物に適用することができる。
1…エリア負荷割合検出部、2…負荷総量検出部、3…エリア負荷推定部、11…カードリーダ、12a〜12d…アクセスポイント、13…空調負荷推定装置、14a〜14d…VAVユニット、15…空調機、16…LAN、100…部屋、100a〜100d…空調エリア、131…カードリーダI/F部、132…アクセスポイントI/F部、133…人数検出部、134…位置判定部、135…熱負荷量推定部、136…熱負荷量送信部、137…記憶部、137a…個人データ、137b…電波データ、137c…設定データ。

Claims (6)

  1. 所定の空間を分割した複数のエリアそれぞれに存在するユーザの人数を検出し、この人数に基づいて前記エリア毎の空調負荷の割合を推定するエリア負荷割合検出部と、
    ユーザの入退室の行動履歴のみに基づいて前記所定の空間内に存在するユーザの人数を検出し、この人数に基づいて前記所定の空間の空調負荷の総量を検出する負荷総量検出部と、
    前記エリア毎の空調負荷の割合および前記所定の空間の空調負荷の総量に基づいて、前記複数のエリアの空調負荷の総和が前記所定の空間の空調負荷の総量に整合するように、前記エリアの空調負荷を推定するエリア負荷推定部と
    を備えたことを特徴とする空調負荷推定装置。
  2. 前記負荷総量検出部は、前記所定の空間の出入口に配設されたセンサによる前記所定の空間に入退室したユーザの検出結果に基づいて、前記所定の空間内に存在するユーザの人数を検出して空調負荷の総量を推定し、
    前記エリア負荷割合検出部は、複数の前記エリアそれぞれに設けられユーザが所持する携帯端末装置と無線通信を行う無線送受信装置が検出した、当該携帯端末装置からの信号の電波強度に基づいて、各前記エリアに存在するユーザを検出してエリア毎の空調負荷割合を推定し、
    前記エリア負荷推定部は、前記負荷割合検出部および前記負荷総量検出部の検出結果に基づいて、前記所定の空間の空調負荷量および前記エリア毎の空調負荷量を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載の空調負荷推定装置。
  3. 前記エリア負荷割合検出部は、所定の閾値と前記電波強度とを比較することにより、前記エリアに存在するユーザを判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の空調負荷推定装置。
  4. 所定の空間を分割した複数のエリアそれぞれに存在するユーザの人数を検出し、この人数に基づいて前記エリア毎の空調負荷の割合を推定するエリア負荷割合検出ステップと、
    ユーザの入退室の行動履歴のみに基づいて前記所定の空間内に存在するユーザの人数を検出し、この人数に基づいて前記所定の空間の空調負荷の総量を検出する負荷総量検出ステップと、
    前記エリア毎の空調負荷の割合および前記所定の空間の空調負荷の総量に基づいて、前記複数のエリアの空調負荷の総和が前記所定の空間の前記空調負荷の総量に整合するように、前記エリアの空調負荷を推定するエリア負荷推定ステップと
    を備えたことを特徴とする空調負荷推定方法。
  5. 前記負荷総量検出ステップは、前記所定の空間の出入口に配設されたセンサによる前記所定の空間に入退室したユーザの検出結果に基づいて、前記所定の空間内に存在するユーザの人数を検出して空調負荷の総量を推定し、
    前記エリア負荷割合検出ステップは、複数の前記エリアそれぞれに設けられユーザが所持する携帯端末装置と無線通信を行う無線送受信装置が検出した、当該携帯端末装置からの信号の電波強度に基づいて、各前記エリアに存在するユーザを検出してエリア毎の空調負荷割合を推定し、
    前記エリア負荷推定ステップは、前記負荷割合検出部および前記負荷総量検出部の検出結果に基づいて、前記所定の空間の空調負荷量および前記エリア毎の空調負荷量を推定する
    ことを特徴とする請求項4記載の空調負荷推定方法。
  6. 前記エリア負荷割合検出ステップは、所定の閾値と前記電波強度とを比較することにより、前記エリアに存在するユーザを判定する
    ことを特徴とする請求項5記載の空調負荷推定方法。
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