JP5559494B2 - 親水性ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は親水性ポリマー粒子の製造方法に関する。
水性成分及び油性成分の混合液を静止型混合器に流通させることにより分散液を得る技術が知られている。
特許文献1には、モノマーを含む水性成分及び油性成分からなる混合液を、静止型混合器が介設された循環ラインに複数回循環流通させることにより油性成分に水性成分が分散した分散液を得て、その分散液に含まれるモノマーを重合させる親水性ポリマー粒子の製造方法であって、混合液を循環流通させる静止型混合器による圧力損失を0.14〜0.4MPaとすることが開示されている。
特許文献2には、重質油及び界面活性剤水溶液を静止型混合器を流通させることにより予備混合させて混合液を得て、次いでそれを分散機に通過させることにより水中油滴型エマルジョンを製造する方法であって、混合液を流通させる静止型混合器による圧力損失を0.071〜25.5kPaとすることが開示されている。
特許文献3には、エマルションの原料が攪拌された混合液を連続的に静止型混合器に流通させて分散させるエマルションの製造方法であって、混合液を流通させる静止型混合器による圧力損失を50〜1000kPaとすることが開示されている。
特許文献4には、水性成分及び油性成分の混合液を静止型混合器に流通させる乳化分散液の製造方法であって、混合液を流通させる静止型混合器による圧力損失を0.5〜6.5MPaとすることが開示されている。
特開2008−63409号公報 特開平8−170084号公報 特開2006−312165号公報 特開2003−260343号公報
本発明の課題は、粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御して親水性ポリマー粒子を製造する方法を提供することである。
本発明の親水性ポリマー粒子の製造方法は、親水性ポリマーを重合するためのモノマーを含む水性成分及び油性成分を槽内に仕込み、それらの混合液を、該槽に付設され且つ静止型混合器が介設された循環ラインに循環させることにより、水性成分が油性成分に分散した分散液を得る分散工程を備え、該分散工程において、該分散工程で得られる分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径が10μm以下で且つ変動係数が60%以下となるように、上記静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を一定範囲内に設定し、体積平均粒径が10μm以下の親水性ポリマー粒子を製造するものである。
本発明によれば、静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失の設定により、分散工程で得られる分散液に含まれる水性成分の粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御することができ、それが後工程においても反映され、結果として、粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御して親水性ポリマー粒子を製造することができる。
実施形態に係る反応装置の構成を示す図である。 (a)は静止型混合器の1ユニットの第1エレメントの平面図であり、(b)は第2エレメントの平面図である。 流路孔の形状を示す図である。 静止型混合器内での流体の縮流及び分割を示す説明図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
(反応装置)
図1は本実施形態に係る反応装置10を示す。
本実施形態に係る反応装置10は、攪拌機能及び温調機能を有し、容量が例えば1〜30000Lである反応槽11を備えている。また、本実施形態に係る反応装置10は、攪拌機能及び温調機能を有し、容量が例えば0.5〜15000Lであるモノマー水溶液調整用のモノマー槽12を備え、そこから延びるモノマー水溶液供給管13が反応槽11の槽上部に接続されている。
反応槽11には、一端が槽下部に及び他端が槽上部にそれぞれ接続された外部循環ライン14が付設されている。この外部循環ライン14は、例えば、流路長が1〜50m、流路径が20〜500mmである。
外部循環ライン14には、反応槽11の槽下部への接続端から槽上部への接続端までの間に循環ポンプ15及び静止型混合器16が順に介設されおり、反応槽11内の液体が外部循環ライン14を槽下部接続端から槽上部接続端に向かって流れて循環するように構成されている。
静止型混合器16としては、例えば、スタティック・ミキサー、オリフィスミキサー等が挙げられる。
静止型混合器16の具体例としては、例えば、株式会社フジキン社製の商品名:分散君が挙げられる。この静止型混合器16は、縮流・分割タイプのものであって、図2に示すように、2枚の円盤状の第1及び第2エレメント21,22からなるユニットが単数又は複数ユニットで構成される。なお、このユニット数は適宜選択することができるが、例えば1〜10ユニットである。
第1エレメント21には、図2(a)に示すように、中央部分に、2×2の正方配置された4つの流路孔23が形成されており、一方、第2エレメント22には、図2(b)に示すように、中央部分に、中心に1つとそれを囲うように2×2の正方配置された4つとの合計5つの流路孔23が形成されている。
第1及び第2エレメント21,22の各流路孔23は、図3に示すように、中央部分が流路内径の小さい円筒孔の縮流部を有し、その両側のそれぞれが開口部に向かって円錐台形状に拡径した形状に形成されている。図3において、開孔径は流路孔23の最大孔径d1を、縮流部流路内径は流路孔23の最小孔径d2をそれぞれ表す。この流路孔23の大きさは適宜設定することができる。例えば、最大孔径d1は1〜50mmであることが好ましい。最小孔径d2は0.2〜20mmであることが好ましく、0.5〜10mmであることがより好ましく、0.5〜5mmであることが更に好ましい。
これらの第1及び第2エレメント21,22は、位置決め部24により位置決めされて、第1エレメント21の各流路孔23と第2エレメント22の3つの流路孔23とが連通し、各々の正方配置された4つの流路孔23を頂点とする正方形の対角線が45°ずれた状態となるように重ね合わされる。
そして、この縮流・分割タイプの静止型混合器16では、上記構成により、第1エレメント21の1つの流路孔23で縮流されて流通した液体が、図4に示すように、第2エレメント22で分割されて別々の流路孔23に流れ、第2エレメント22では、各流路孔23に第1エレメント21の複数の流路孔23からの液体が流れ込んで混合されると共に縮流されて流通し、それが続いて次のユニットの第1エレメント21に供給され、液体が分割と縮流とを繰り返して流動するように構成されている。
(親水性ポリマー粒子の製造方法)
本実施形態に係る親水性ポリマー粒子の製造方法は、上記反応装置10を用いて行うものであり、分散工程、重合工程、脱水工程、及び溶媒置換工程を有する。なお、本出願では、製造過程における粒子を「粗ポリマー粒子」とし、最終的に得られる粒子を「親水性ポリマー粒子」として区別する。
<分散工程>
分散工程では、まず、反応装置10の反応槽11内に油性成分を仕込み、また、モノマー槽12内にモノマーを含む水性成分を仕込む。そして、反応槽11内で油性成分を撹拌している中に、モノマー槽12内の水性成分をモノマー水溶液供給管13を介して移送供給し、それらを混合する。
油性成分としては例えば疎水性溶媒が挙げられる。本出願において「疎水性溶媒」とは、100gの水中における25℃での溶解度が1質量%以下の溶媒をいう。かかる疎水性溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭化水素系溶媒、四塩化炭素、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、アイソバーなどの鉱油等が挙げられる。これらのうち炭化水素系溶媒を用いることが好ましく、へキサン、シクロヘキサンを用いることがより好ましい。疎水性溶媒は、単一種を用いてもよく、また、複数種を混合して用いてもよい。疎水性溶媒の仕込量は、全モノマー量に対して、1〜20質量倍とすることが好ましく、1〜10質量倍とすることがより好ましい。
水性成分は、モノマー、重合開始剤、及び水を仕込んで攪拌混合した均一なモノマー水溶液である。
モノマーとしては、親水性ポリマーを重合するものであり、例えば、アミノ基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造などのカチオン性基含有ビニルモノマー及びその塩(以下、「カチオン性モノマー」という。);ヒドロキシ基、アミド基、エステル基、エーテル基などの親水性非イオン性基含有ビニルモノマー(以下、「非イオン性モノマー」という。);カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などのアニオン性基含有ビニルモノマー及びその塩(以下、「アニオン性モノマー」という。)が挙げられる。また、モノマーとして、分子中に少なくとも2個の反応性不飽和基を有する架橋性ビニルモノマー(以下、「架橋性モノマー」という。)が挙げられる。モノマーは、単一種を用いてもよく、また、複数種を用いてもよいが、1種類以上のカチオン性モノマーと1種類以上の非イオン性モノマーとを併用することが好ましい。
カチオン性モノマーとしては、例えば、総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド、総炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有するスチレン、ビニルピリジン、N−ビニル複素環化合物類、ビニルエーテル類などのアミノ基を有するモノマーの酸中和物;これらのモノマーをハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)、アリール(炭素数6〜24)スルホン酸、硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8)などにより4級化したもの;ジアリル型4級アンモニウム塩、ベタイン構造を有するビニルモノマー等が挙げられる。これらのカチオン性モノマーのうちアミノ基含有モノマーやアンモニウム基含有モノマーを用いることが好ましく、4級アンモニウム塩型モノマーを用いることがより好ましい。
非イオン性モノマーとしては、例えば、ビニルアルコール、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、アルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド、ジアルキル(総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ビニル環状アミド、アルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、環状アミド基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。これらのうち(メタ)アクリルアミド系モノマー、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、例えば、重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマー、その酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合)、重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマー、重合性の不飽和基を有するリン酸モノマー等が挙げられる。これらのうち重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマー、その酸無水物(但し、1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合)、重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマーを用いることが好ましい。
なお、アニオン性基は塩基性物質により任意の中和度に中和されてもよく、その場合、生成する親水性ポリマー中の一部乃至全てのアニオン性基は塩を生成する。塩における陽イオンとしては、アンモニウムイオン、総炭素数3〜54のトリアルキルアンモニウムイオン(例えばトリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン)、炭素数2〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数4〜8のジヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数6〜12のトリヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等が挙げられる。中和は、モノマーで行ってもよく、また、親水性ポリマーが生成した後に行ってもよい。
架橋性モノマーとしては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、ジビニル化合物、ポリアリル化合物、不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのうちエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルを用いることが好ましい。
モノマーは、カチオン性モノマー、非イオン性モノマー、及びアニオン性モノマーのうち少なくとも1種を構成成分として用いることが好ましい。これらの量は、全モノマー量に対して70〜100質量%とすることが好ましく、85〜100質量%とすることがより好ましい。また、モノマーは、架橋性モノマーを構成成分として用いることが好ましく、その量は、全モノマー量に対して0.005〜5質量%とすることが好ましく、0.01〜1.0質量%とすることがより好ましい。特に好ましいモノマーの構成は、カチオン性モノマー、非イオン性モノマー、及び架橋性モノマーを含むものである。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましく、例えば、モノマー成分中で均一に溶解する過酸化物、有機過酸化物及びその塩、無機過酸化物及びその塩、アゾビス系化合物の単独及びそれと還元剤との組み合わせによるレドックス系のものが挙げられる。
具体的には、重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキサイド、t−アミルパーオキサイド、クミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸化物、過酸化水素、過硫酸塩とトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアニリンなどの第3級アミンとの組み合わせ等が挙げられる。これらのうちt−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)二塩酸塩、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸塩と第3級アミンとの組み合わせが特に好ましい。
重合開始剤は、単一種を用いてもよく、また、複数種を用いてもよい。重合開始剤の仕込量は、主鎖の重合度を高くすると共に架橋されない高分子鎖の割合を低くし、また、油性成分の疎水性溶媒や水に溶解しにくくし、重合反応の反応率を高くして残留モノマー量を少なくする観点から、全モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部とすることが好ましく、0.5〜3質量部とすることがより好ましく、0.1〜1質量部とすることがさらに好ましい。
水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等が挙げられる。水の量は、全油性成分量に対して1〜50体積%とすることが好ましく、5〜40体積%とすることがより好ましい。
反応槽11内の油性成分或いはモノマー槽12内の水性成分には分散剤を添加してもよい。
分散剤としては、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシルエチルセルロース、シュガーエステル(三菱化学フーズ社製の商品名)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。これらのうち、分散安定性の観点から、ソルビタンモノステアレート、シュガーエステルを用いることが好ましい。分散剤は、単一種を用いてもよく、また、複数種を混合して用いてもよい。分散剤の仕込量は、全モノマー100質量部に対して0.3〜20質量部とすることが好ましく、0.5〜10質量部とすることがより好ましい。
分散工程では、次いで、上記の操作で得た混合液を外部循環ライン14に循環させて静止型混合器16を流通させることにより、水性成分が油性成分に分散した分散液を得る。
外部循環ライン14に循環させる混合液乃至分散液の液流量は0.1〜1000L/分とすることが好ましく、0.5〜500L/分とすることがより好ましい。
外部循環ライン14に循環させる混合液乃至分散液の温度は、モノマーの重合開始温度以下であって、5〜50℃とすることが好ましく、10〜40℃とすることがより好ましい。
静止型混合器16の流入口と流出口との間の圧力損失は、得られる分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径が10μm以下で且つ変動係数(以下、「CV値」という。)が60%以下となるように一定範囲内に設定する。この圧力損失は、静止型混合器16の流路内径等の構成及び液流量により制御することができる。なお、水性成分の体積平均粒径及びCV値は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置を用いて求めることができる。
本発明者らは、静止型混合器16の圧力損失と分散液に含まれる水性成分の粒径及び粒径分布とに対応関係があり、静止型混合器16の流入口と流出口との間の圧力損失を一定範囲内に設定することにより、分散工程で得られる分散液に含まれる水性成分の粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御することができることを見出した。従って、上記の圧力損失の設定により、分散液に含まれる水性成分の粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御することができ、それが後工程の重合工程及び脱水工程で得られる懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子にも反映され、結果として、粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御して親水性ポリマー粒子を製造することができる。
また、本発明者らは、溶媒置換する懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子の粒径を小さく且つ粒径分布を狭くすることにより、製造する親水性ポリマー粒子に残留する油性成分の量が少なくなることを見出した。従って、上記の圧力損失の設定により、粗ポリマー粒子の粒径を小さく及び粒径分布を狭くすることができ、それによって製造する親水性ポリマー粒子に含まれる油性成分の残留量を低く抑えることもできる。
親水性ポリマーが、カチオン性モノマー、非イオン性モノマー、及び架橋性モノマーを含む共重合体である場合には、上記圧力損失は、混合液乃至分散液に含まれる水性成分の粒径を小さくする観点から0.01MPa以上とすることが好ましく、0.03MPa以上とすることがより好ましく、0.06MPa以上とすることが更に好ましい。また、上記圧力損失は、混合液乃至分散液に与えるエネルギーを抑えることにより水性成分の粒径分布を狭くする観点から0.13MPa以下とすることが好ましく、0.125MPa以下とすることがより好ましく、0.12MPa以下とすることが更に好ましい。
また、図2に示すような縮流・分割タイプの静止型混合器16を用いた場合、1ユニット当たりの圧力損失は0.01〜0.10MPaとすることが好ましく、0.02〜0.08MPaとすることがより好ましい。
静止型混合器16への混合液乃至分散液の平均通過回数は、混合液乃至分散液に含まれる水性成分の粒径を小さくする観点から3回以上とすることが好ましく、5回以上とすることがより好ましく、7回以上とすることが更に好ましい。また、上記平均通過回数は、混合液乃至分散液に与えるエネルギーを抑えることにより水性成分の粒径分布を狭くする観点から30回以下とすることが好ましく、20回以下とすることがより好ましい。
ここで、平均通過回数N(−)は、反応系の液量をV(L)、循環ポンプ15の液流量をQ(L/分)、及び循環時間をT(分)としたときに下記式で求めることができる。
平均通過回数N=Q×T/V
本発明者らは、槽内滞留時間と分散液に含まれる水性成分の粒径及び粒径分布とに対応関係があり、槽内滞留時間を一定範囲内に設定することにより、分散工程で得られる分散液に含まれる水性成分の粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御することができることをも見出した。従って、槽内滞留時間を一定範囲内に設定することにより、分散液に含まれる水性成分の粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御することができ、それが後工程の重合工程及び脱水工程で得られる懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子にも反映され、結果として、粒径を小さく且つ粒径分布を狭く制御して親水性ポリマー粒子を製造することができる。
上記槽内滞留時間は、分散液に含まれる水性成分の粒径を小さく且つ粒径分布を狭くする観点から0.1分以上とすることが好ましく、1分以上とすることがより好ましく、5分以上とすることがより好ましい。また、上記槽内滞留時間は、反応槽内での水性成分の再合一を抑制する観点から20分以下とすることが好ましく、17分以下とすることがより好ましい。ここで、混合液乃至分散液の槽内滞留時間は、反応槽11内への水性成分及び油性成分の仕込量を外部循環ライン14の液流量で除して算出される。
分散工程で得られる分散液に含まれる水性成分の体積平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、0.1〜7μmであることがより好ましい。水性成分の粒子径のCV値は60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。
<重合工程>
重合工程では、分散工程で得た分散液を窒素等の不活性ガスの下で昇温し、水性成分内でモノマーを重合させて親水性ポリマーを合成することにより、粗ポリマー粒子が油性成分に分散した懸濁液(スラリー)を得る。つまり、本実施形態に係る親水性ポリマー粒子の製造方法は、油性成分を用いた逆相系の重合反応(例えば、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法等)によって親水性ポリマーを合成するものである。この重合操作では、モノマー種により異なるが、重合開始温度を例えば40〜90℃とし、反応時間を例えば1〜24時間とする。
得られる懸濁液は、粗ポリマー粒子の含有量(粗ポリマー粒子の質量/(粗ポリマー粒子の質量+油性成分の質量)×100)が10〜70質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましい。この粗ポリマー粒子の含有量は、油性成分の仕込量によって制御することができる。
重合工程で得られる懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子の体積平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、0.1〜7μmであることがより好ましい。粗ポリマー粒子の粒子径のCV値は60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。
<脱水工程>
脱水工程では、重合工程で得た懸濁液に含まれる水を脱水して粗ポリマー粒子の凝集を解消する。具体的には、反応槽11内の懸濁液を昇温して溶媒を蒸気化し、それをコンデンサーで凝縮した後に水と油性成分とに静置分離し、分離した油性成分を反応槽11内に還流させる一方、水のみを留去する。この脱水操作では、槽内温度を例えば60〜100℃とし、脱水時間を例えば0.5〜20時間とし、必要に応じて槽内圧力を例えば10〜100kPaに減圧する。
脱水後の懸濁液は、粗ポリマー粒子の含有量が5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。
脱水後の粗ポリマー粒子の体積平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、0.1〜7μmであることがより好ましい。粗ポリマー粒子のCV値は60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。
<溶媒置換工程>
溶媒置換工程では、脱水工程で脱水した懸濁液に置換溶媒を添加すると共に油性成分を留去する。具体的には、脱水工程で脱水した懸濁液に置換溶媒を添加した後、反応槽11内の懸濁液を昇温して油性成分を蒸気化して留去する。この油性成分の留去操作では、槽内温度を例えば60〜100℃とし、留去時間を例えば0.5〜20時間とし、必要に応じて槽内圧力を例えば10〜100kPaに減圧する。
置換溶媒としては、例えば、多価アルコール、界面活性剤、油脂等が挙げられる。置換溶媒は、単一種を用いてもよく、また、複数種を混合して用いてもよい。
多価アルコールとしては、例えば、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の4価以上のアルコールが挙げられる。これらのうちポリエチレングリコールを用いることが特に好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤が挙げられる。
油脂としては、例えば、脂肪酸グリセリンエステルに代表される脂肪油や脂肪、ワックス類等が挙げられる。
置換溶媒の融点は、粗ポリマー粒子から良好に油性成分を留去すると共に、粗ポリマー粒子/油性成分/置換溶媒の3成分を馴染み併せる観点から30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、置換溶媒の沸点は、油性成分との沸点差が大きい方が油性成分の留去が容易となるという観点から、常圧における沸点が101℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましい。
置換溶媒の添加量は、溶媒置換後の懸濁液の流動性を良好にする観点から、最終的に溶媒置換されて得られる懸濁液における置換溶媒の含有量(親水性ポリマー粒子の質量/(親水性ポリマー粒子の質量+置換溶媒の質量)×100)が10〜70質量%となる量とすることが好ましく、20〜50質量%となる量とすることがより好ましい。
また、親水性ポリマーの重合に用いた全モノマー質量に対する置換溶媒の添加量は、溶媒置換後の懸濁液の流動性を良好にする観点から0.3〜10kg-溶媒/kg-全モノマーとすることが好ましく、0.5〜8kg-溶媒/kg-全モノマーとすることがより好ましく、0.8〜5kg-溶媒/kg-全モノマーとすることがさらに好ましい。
この油性成分の留去操作は、1回のみ行ってもよく、また、油性成分の留出が殆ど無くなった時点で、所定量の置換溶媒及び/又は水を添加し、2回目、3回目の油性成分の留去を行ってもよい。
以上の油性成分の留去後、溶媒置換されて親水性ポリマー粒子が置換溶媒に分散した懸濁液が得られる。本実施形態に係る親水性ポリマー粒子の製造方法によれば、油性成分を置換溶媒で置換する前の粗ポリマー粒子の粒径が小さく且つ粒径分布が狭いことにより、残留する油性成分の少ない親水性ポリマー粒子を製造することができる。具体的には、親水性ポリマー粒子中において、油性成分の含有量は例えば2000ppm未満、好適には1000ppm未満にまで低減することができる。
得られた懸濁液は、親水性ポリマー粒子の含有量が10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。この親水性ポリマー粒子の含有量は、置換溶媒の仕込量によって制御することができる。
親水性ポリマー粒子の体積平均粒子径及びCV値は脱水工程後の粗ポリマー粒子のものとほぼ同一である。親水性ポリマー粒子の体積平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、0.1〜7μmであることがより好ましい。親水性ポリマー粒子のCV値は60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態では、脱水工程で脱水した懸濁液に対して溶媒置換を行ったが、特にこれに限定されるものではなく、粗ポリマー粒子の凝集が起こらないような場合には脱水工程は必須ではなく、そのような場合には、重合工程で得られた懸濁液に対して直接に溶媒置換を行ってもよい。
本実施形態では、置換溶媒の添加の後に油性成分の留去を行ったが、特にこれに限定されるものではなく、油性成分の留去の後に置換溶媒の添加を行ってもよく、また、これらを一部又は全部同時進行で行ってもよい。
以下の実施例1〜3及び比較例1〜2の親水性ポリマー粒子の製造を行った。それぞれの内容については表1にも示す。なお、親水性ポリマー粒子の製造には、図1に示す構成の反応装置を用いた。また、静止型混合器には、図2及び3に示す縮流・分割タイプの株式会社フジキン社製の商品名:分散君を用いた。実施例1及び比較例1では、流路孔の最大孔径d1が6mm及び最小孔径d2が3mmの静止型混合器を用い、実施例2及び3並びに比較例2では、流路孔の最大孔径d1が6mm及び最小孔径d2が3.5mmの静止型混合器を用いた。静止型混合器は、実施例1並びに比較例1及び2が5ユニット、実施例2が3ユニット、実施例3が4ユニットとした。
(実施例1)
容量300Lの反応槽内に、油性成分(疎水性溶媒)としてシクロヘキサン94Kg、及び分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ社製 商品名:S−770)0.107Kgを仕込んだ。また、容量100Lのモノマー槽内に、モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩3.1Kg(有効分90%)、N,N−ジメチルアクリルアミド(和光純薬工業社製)8.0Kg、及びポリエチレングリコールジメタクルレート(新中村化学社製 商品名:NK−14G)0.002Kg、イオン交換水15.4Kg、並びに重合開始剤(和光純薬工業社製 商品名:V−50)0.05Kgを仕込んだ。
続いて、反応槽内でシクロヘキサン及び分散剤を撹拌している中に、モノマー槽内から重合開始剤を含んだモノマー水溶液を移送した後、5分間混合を行なった。この時の反応槽内の液量は147Lであった。
そして、反応槽内の混合液を30℃に調温すると共に、循環ポンプの液流量を9.5L/分として静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失が0.12MPa(1ユニット当たりの圧力損失0.024MPa)に設定し、混合液を外部循環ライン14に循環させることにより分散液を調製した。静止型混合器への混合液の平均通過回数を15回とし、槽内滞留時間は15.4分となった。
分散液に含まれる水性成分について、レーザー式回折散乱式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製:LS−230)を用いて体積平均粒径を測定したところ3.6μmであった。また、CV値は36.7%であった。
その後、反応槽内の分散液の温度を54〜57℃に昇温して40分間重合反応させ、粗ポリマー粒子が分散した懸濁液を得た。
重合反応終了後、反応槽のジャケット温度を80℃に設定してシクロヘキサン及び水を反応槽内から留出させて脱水操作を行なった。留分はコンデンサーで凝縮した後に水とシクロヘキサンとに静置分離し、分離したシクロヘキサンを脱水操作中は連続的に反応槽内に還流させる一方、水のみを反応槽内から留去した。
脱水して冷却した懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子について、上記と同様に体積平均粒径を測定したところ3.2μmであった。また、CV値は42.8%であった。
そして、得られた懸濁液に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王社製 商品名:エマルゲン116)12.4Kgを添加し、ジャケット温度を80℃に設定すると共に槽内圧力を60kPaに減圧してシクロヘキサンを留去した。シクロヘキサンの留出が目視で確認できなくなった時点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル3.9Kgと水0.4Kgとの混合溶解液を添加し、再度ジャケット温度を80℃に設定すると共に槽内圧力を60kPaに減圧して2回目のシクロヘキサンの留去を行って親水性ポリマー粒子10.9Kgを含む懸濁液を得た。
また、2回目のシクロヘキサンの留去の開始からの懸濁液量に対する残存シクロヘキサン量を、酢酸メチルでシクロヘキサンを抽出するガスクロマトグラフ法(内部標準法)により測定したところ、シクロヘキサンの留去の開始時点(0時間後)での残存シクロヘキサン量は14037mg/kg-懸濁液、シクロヘキサンの留去の開始から12時間後の残存シクロヘキサン量は821mg/kg-懸濁液であった。
(実施例2)
循環ポンプの液流量を13.3L/分として静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を0.12MPa(1ユニット当たりの圧力損失0.04MPa)に設定したことを除いて実施例1と同様にして親水性ポリマー粒子を含む懸濁液を得た。静止型混合器への混合液の平均通過回数を15回とし、槽内滞留時間は11.0分となった。
分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径は2.4μm及びCV値は50.2%であった。溶媒置換前の懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子の体積平均粒径は2.8μm及びCV値は39.4%であった。
2回目のシクロヘキサンの留去の開始時点(0時間後)での残存シクロヘキサン量は2113mg/kg-懸濁液、シクロヘキサンの留去の開始から12時間後の残存シクロヘキサン量は187mg/kg-懸濁液であった。
(実施例3)
循環ポンプの液流量を9.1L/分として静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を0.09MPa(1ユニット当たりの圧力損失0.023MPa)に設定したことを除いて実施例1と同様にして親水性ポリマー粒子を含む懸濁液を得た。静止型混合器への混合液の平均通過回数を10回とし、槽内滞留時間は16.2分となった。
分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径は5.6μm及びCV値は25.1%であった。溶媒置換前の懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子の体積平均粒径は5.4μm及びCV値は24.5%であった。
2回目のシクロヘキサンの留去の開始時点(0時間後)での残存シクロヘキサン量は11016mg/kg-懸濁液、シクロヘキサンの留去の開始から12時間後の残存シクロヘキサン量は1584mg/kg-懸濁液であった。
(比較例1)
循環ポンプの液流量を9.5L/分として静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を0.15MPa(1ユニット当たりの圧力損失0.03MPa)に設定したことを除いて実施例1と同様にして親水性ポリマー粒子を含む懸濁液を得た。静止型混合器への混合液の平均通過回数を1回とし、槽内滞留時間は15.4分となった。
分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径は8.1μm及びCV値は81.0%であった。溶媒置換前の懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子の体積平均粒径は9.8μm及びCV値は82.7%であった。
2回目のシクロヘキサンの留去の開始時点(0時間後)での残存シクロヘキサン量は18970mg/kg-懸濁液、シクロヘキサンの留去の開始から12時間後の残存シクロヘキサン量は10697mg/kg-懸濁液であった。
(比較例2)
循環ポンプの液流量を13.3L/分として静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を0.20MPa(1ユニット当たりの圧力損失0.04MPa)に設定したことを除いて実施例1と同様にして親水性ポリマー粒子を含む懸濁液を得た。静止型混合器への混合液の平均通過回数を10回とし、槽内滞留時間は11.0分となった。
分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径は5.4μm及びCV値は108%であった。溶媒置換前の懸濁液に含まれる粗ポリマー粒子の体積平均粒径は5.2μm及びCV値は152%であった。
2回目のシクロヘキサンの留去の開始時点(0時間後)での残存シクロヘキサン量は7223mg/kg-懸濁液、シクロヘキサンの留去の開始から12時間後の残存シクロヘキサン量は3551mg/kg-懸濁液であった。
Figure 0005559494
本発明は親水性ポリマー粒子の製造方法について有用である。
10 反応装置
11 反応槽
12 モノマー槽
13 モノマー水溶液供給管
14 外部循環ライン
15 循環ポンプ
16 静止型混合器

Claims (8)

  1. 親水性ポリマーを重合するためのモノマーを含む水性成分及び油性成分を槽内に仕込み、それらの混合液を、該槽に付設され且つ縮流・分割タイプの静止型混合器が介設された循環ラインに循環させることにより、水性成分が油性成分に分散した分散液を得る分散工程を備えた親水性ポリマー粒子の製造方法であって、
    上記縮流・分割タイプの静止型混合器は、
    流体流動方向に連設され、各々、流体流動方向に延びる複数の流路孔がそれぞれに形成された複数のエレメントを備えると共に、相互に隣接した一対のエレメントによりユニットを構成し、
    上記複数のエレメントのうち任意の上流側エレメント及びその下流側に隣接して設けられた下流側エレメントにおいて、
    上記上流側エレメントの複数の流路孔のそれぞれが上記下流側エレメントの2以上の流路孔に連通していることにより、該上流側エレメントの各流路孔からの流体をそれに対応する該下流側エレメントの2以上の流路孔に分割すると共に、
    上記下流側エレメントの複数の流路孔のそれぞれが上記上流側エレメントの2以上の流路孔に連通していることにより、該下流側エレメントの各流路孔においてそれに対応する該上流側エレメントの2以上の流路孔からの流体を合流させ、
    且つ上記上流側エレメント及び上記下流側エレメントに含まれる各流路孔の流路中間部分が縮流部に構成され、また、該上流側エレメントの流路孔と該下流側エレメントの流路孔との結合部が分割部に構成されており、
    そして、上記分散工程において、該分散工程で得られる分散液に含まれる水性成分の体積平均粒径が10μm以下で且つ変動係数が60%以下となるように、上記静止型混合器の1ユニット当たりの圧力損失を0.01〜0.10MPaに設定し、且つ該静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を0.01〜0.13MPaに設定する体積平均粒径が10μm以下の親水性ポリマー粒子の製造方法。
  2. 上記分散工程において、上記静止型混合器の流入口と流出口との間の圧力損失を0.06〜0.125MPaに設定する請求項1に記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
  3. 上記分散工程において、上記静止型混合器の1ユニット当たりの圧力損失を0.02〜0.08MPaに設定する請求項1又は2に記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
  4. 上記分散工程で得た分散液に含まれる水性成分内でモノマーを重合させて親水性ポリマーを合成することにより、その親水性ポリマーを含む粗ポリマー粒子が油性成分に分散した懸濁液を得る重合工程と、
    上記重合工程で得た懸濁液に含まれる油性成分を置換溶媒で置換する溶媒置換工程と、
    をさらに備えた請求項1乃至3のいずれかに記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
  5. 親水性ポリマーが、カチオン性基含有ビニルモノマー及び/又はその塩、親水性非イオン性基含有ビニルモノマー、並びに分子中に少なくとも2個の反応性不飽和基を有する架橋性ビニルモノマーの共重合体である請求項1乃至のいずれかに記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
  6. 上記分散工程において、上記循環ラインへの混合液乃至分散液の平均通過回数を3回以上とする請求項1乃至5のいずれかに記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
  7. 上記分散工程において、上記槽内への水性成分及び油性成分の仕込量を上記循環ラインの液流量で除した槽内滞留時間を0.1〜20分とする請求項1乃至6のいずれかに記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
  8. 上記静止型混合器のユニット数が1〜10である請求項1乃至7のいずれかに記載された親水性ポリマー粒子の製造方法。
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