〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る医用情報装置について説明する。図1は、各実施形態に係る医用情報装置が配置された医用情報システムの構成図である。図2は、モダリティに設けられた本実施形態に係る医用情報装置の機能を表すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る医用情報装置が配置される医用情報システムでは、様々な種類の医用装置がネットワークN上に配置されている。医用装置の具体的な例としては、モダリティ1、画像保管装置2、RIS(Radiology Information System)3、画像観察装置4、イメージャ装置5、及びアプリケーションサーバ6等がある。
個々の装置を具体的に説明する。モダリティ1は、超音波診断装置、X線CT装置、及びMRI装置といった、医用画像を生成する医用画像診断装置である。画像保管装置2は、モダリティ1等で生成された画像を保管する画像サーバである。RIS3は、放射線検査依頼の受け付け、撮影装置への患者情報の送信、撮影実施情報の取り込みといった、放射線検査業務に関わる情報の管理を行う公知の放射線情報システムである。画像観察装置4は、モダリティ1で生成された医用画像に対する読影レポートなどを作成するための装置である。イメージャ装置5は、モダリティ1で生成された医用画像などをプリントする装置である。また、アプリケーションサーバ6は、医用アプリケーションが動作する装置であり、例えば、モダリティ1で生成された医用画像に対し患部の抽出などの診断支援を行うための医用アプリケーションが動作する装置である。図1に記載された専用管理装置7については後で説明する。
医用情報システム上に配置された各医用装置は、それぞれ互いにネットワークNを介してデータの送受信が可能に配置されている。
本実施形態に係る医用情報装置は、図1に記載されたモダリティ1、画像保管装置2、RIS3、画像観察装置4、イメージャ装置5、又はアプリケーションサーバ6などのいずれの医用装置に搭載されてもよい。また、本実施形態に係る医用情報装置を搭載する医用装置は図1に記載された医用装置に限られず、医用情報システム上に配置される医用装置であればPACS(Picture Aerchiving and Communication System)などの他の装置でもよい。具体的には、本実施形態に係る医用情報装置が搭載可能な医用装置は、DICOM規格に準拠しており、医用情報システム上の他の医用装置に対してデータを保存させる作業を行う医用装置であればどのような装置でもよい。さらに、本実施形態に係る医用情報装置は、医用情報システム上に配置され本実施形態に係る医用情報装置としての動作を専用に実施する図1の一点鎖線で表される専用管理装置7として設けることも可能である。
以下では、本実施形態に係る医用情報装置がモダリティ1に搭載された場合で説明する。さらに、本実施形態に係る医用情報装置の通信先の医用装置としては、図1のいずれの医用装置でもよいが、以下の説明では通信先の医用装置として画像保管装置2を用いて説明する。具体的には、医用情報システムにおける実際の運用時の動作として、モダリティ1は画像保管装置2に対して、自己が生成した医用画像の送信及び保管を実行する。ここで、実際の運用とは、医用情報システムに配置された全ての医用装置が相互に連携し医療機関で行われる一連の医用処理(医用画像の撮影、医用画像の保存、保存した医用画像への診断処理、及び保存した医用画像の読影等)を実施している状態を指し、以下同様とする。
本実施形態は、各医用装置を実際に運用する前の医用装置間の通信の接続チェックの段階で、任意のテストデータを用いて医用装置間の接続試験を行う構成である。この接続試験はテストデータの変更を検知することによって行われる。この接続試験は、前述したように実際の運用ではなく、医用装置間の接続チェックを試験的に行うものである。
ここで、図1は説明のために実際の運用時の医用情報システムの構成を表しているものであり、接続試験時には、このように医用情報システムとして完成した構成になっている必要はなく、本実施形態に係る医用情報装置が搭載された医用装置と通信先の医用装置とが互いに通信可能に接続されており、相互間の接続試験を行える状態になっていればよい。
図2に示すように、本実施形態に係る医用情報装置10が搭載されたモダリティ1は、超音波画像やCT画像といった医用画像を生成するための画像生成部30を有している。そして、医用情報システムにおける実際の運用としては、画像生成部30で生成された画像や他のデータが後述する保存処理部12によって画像保管装置2の記憶部25に送信され記憶される。
さらに、モダリティ1は、一点鎖線で表される本実施形態に係る医用情報装置10を有している。ここで、他の医用装置に本実施形態に係る医用情報装置10が搭載された場合にも、医用情報装置10をその搭載先の医用装置が有することになる。
テストデータ記憶部11は、ハードディスクやメモリ等の情報記憶媒体で構成されている。そして、テストデータ記憶部11には、実際の運用において使用されるデータを基に予め作成された複数のテストデータが予め記憶されている。すなわち、テストデータは本実施形態に係る医用情報装置10が搭載された医用装置が、実際の運用において使用するデータによって異なるものとなる。このテストデータにはそれぞれにDICOMタグ(データの種類を表す情報)が付加されている。すなわち、このDICOMタグにより各テストデータがどのような種類のデータであるかを把握することができる。このテストデータの種類としては、ローマ字と漢字との両方を含む患者名や、CAD(Computer−aided Diagnosis:支援診断)で使用するデータなどがある。
ここで、本実施形態では実際の運用において使用するデータを基に各医用装置に対応したテストデータを予め作成しているが、全医用装置が使用するデータを全てテストデータとして予め記憶しておく構成でもよい。この場合には、操作者がテストデータの変更の検出開始命令を入力する際に、どのテストデータを使用するかを指定し、その指定されたデータをテストデータとして使用する構成となる。このテストデータ記憶部11が本発明における「テストデータ記憶手段」の一例にあたる。
操作者は、ユーザインタフェース16に設けられた入力部161を用いて、データの送信及び保存によるテストデータの変更の検出開始命令を保存処理部12に対し入力する。このとき、操作者は、入力部161を用いて通信先の医用装置を指定する。本実施形態では、操作者は通信先の医用装置として画像保管装置2を指定する。
保存処理部12は、テストデータの変更の検出開始命令の入力を入力部161から受ける。そして、保存処理部12は、テストデータ記憶部11からテストデータを取得する。さらに、保存処理部12は、各テストデータに対して、DICOMのデータ送信処理(データの転送及び保管を含む処理)であるStorage処理を実施しテストデータの送信及び保管を実施する。このとき、保存処理部12は、通信先の医用装置として入力された画像保管装置2をStorage処理によるデータの保管先として指定する。そして、保存処理部12は、各テストデータを画像保管装置2に送信して、記憶部25に記憶させる。
また、保存処理部12は、Storage処理の対象としたテストデータをデータ比較部14に送信する。ここで、本実施形態では保存処理部12がテストデータをデータ比較部14に送信する構成にしているが、データ比較部14が、入力部161からの入力を基に、Storage処理の対象としたテストデータをテストデータ記憶部11から取得する構成にしてもよい。
さらに、保存処理部12は、画像保管装置2から保存完了の通知を受けて、Storage処理が完了した旨の通知をデータ取得部13に出力する。この保存処理部12が本発明における「送信処理手段」又は「保存処理手段」の一例にあたる。
データ取得部13は、Storage処理が完了した旨の通知の入力を保存処理部12から受ける。そして、データ取得部13は、各テストデータに対するDICOMのデータ問合せ取得処理であるQ/R処理(Query/Retrieve)を、画像保管装置2に対して実施し、画像保管装置2に各テストデータを特定する問合せを行い、その問合せに対する応答としてそのテストデータに対応するデータを取得する。これにより、データ取得部13は、画像保管装置2の記憶部25から各テストデータが保存された後の状態のデータ(以下では、「保存後データ」という。)を取得する。ここで、画像保管装置2は、問合せにおいて特定したテストデータが存在しない場合(データが消滅している場合)には、その特定されたテストデータに対応する保存後データが取得できない旨の情報(例えば、N/A等の情報)をデータ取得部13へ出力する。このように、保存後データが存在しない場合には、データ取得部13は、取得ができない旨の情報を取得する。
データ取得部13は、各テストデータに対応する、取得した保存後データ及び取得ができない旨の情報をデータ比較部14へ出力する。このデータ取得部13が本発明における「データ取得手段」の一例にあたる。
データ比較部14は、Storage処理の対象としたテストデータの入力を保存処理部12から受ける。さらに、データ比較部14は、各テストデータに対応する、取得した保存後データ及び取得ができない旨の情報の入力をデータ取得部13から受ける。
データ比較部14は、Storage処理の対象としたテストデータと、各テストデータに対応する取得した保存後データ及び取得ができない旨の情報とを比較する。そして、データ比較部14は、各テストデータの画像保管装置2に送信したデータの内容と保存したデータの内容を比較して、変更(以下では、単に「テストデータの変更」という。)の有無を判断する。ここで、データの変更とは、データ内容の書き換え、データ内容の一部喪失、及びデータの消失を含む。
この、テストデータの変更の有無の判断の方法としては、例えば、データ比較部14は、テストデータとそのテストデータに対応する保存後データとを対比し、それぞれの先頭から1ビットずつデータを比較していく。そして、データ比較部14は、データ内容の書き換えの有無、データ内容の喪失の有無、又はデータの消失を判断する。
また、テストデータがどのようなデータ構成になっているかが予め決められており、データ比較部14はその決められたテストデータのデータ構成を予め記憶している。そこで、例えば、患者名として「Toshiba^Taro=東芝^太郎」というテストデータを用いた場合のデータの変更の検出について図3を参照して説明する。図3は、データの変更の検出を説明するための図である。
まず、保存処理部12は、図3に示すように、「Toshiba^Taro=東芝^太郎」というテストデータ601に対してStorage処理を行う。矢印602はテストデータ601に対するStorage処理を表している。これにより、保存処理部12は、画像保管装置2にテストデータ601を送信して、記憶部25に保存させる。さらに、データ取得部13は、テストデータ601を対象とするStorage処理により記憶部25に保存されたデータに対してQ/R処理を行う。矢印604はテストデータ601を対象とするStorage処理により記憶部25に保存されたデータに対するQ/R処理を表している。これにより、データ取得部13は、画像保管装置2から「Toshiba^Taro=」という保存後データ603を取得する。
そして、テストデータ601(Toshiba^Taro=東芝^太郎)は、イコール(「=」)前がローマ字であり、イコール後が漢字というデータ構成になっている。そこで、データの内容の書き換えやデータ内容の喪失に関しては、データ比較部14は、そのテストデータ601の書き換えがあった部分や消失した部分のデータ構成がどのようなものであったかの判断が可能である。テストデータ601が「Toshiba^Taro=東芝^太郎」であり、そのテストデータ601に対応する保存後データ603が「Toshiba^Taro=」であった場合、データ比較部14は、テストデータ601と比較して保存後データ603におけるイコール後の情報が喪失していることが検出できる。そこで、データ比較部14は、テストデータ601のイコール後の漢字が消失したことにより、日本語が消失したと判断することができる。データ比較部14は、このようなデータの比較を各テストデータに対して行っていく。
データ比較部14は、報知部15に各テストデータの比較結果を出力する。例えば、日本語が消失した場合には、データ比較部14は、日本語が消失した旨を報知部15に出力する。このデータ比較部14が本発明における「データ比較手段」の一例にあたる。
報知部15は、データ比較部14から各テストデータの比較結果の入力を受ける。そして、報知部15は、各テストデータの比較結果をユーザインタフェース16に設けられた表示部162に表示させる。報知部15は、表示部162に各テストデータの比較結果を表示させることで、操作者に各テストデータの変更の有無を報知することができる。この変更の有無の報知の一例として、報知部15は、変更を受けたテストデータの内容、変更を受けたテストデータに対応する保存後データの内容、データの変更が発生した旨の情報、並びにその変更が、データ内容の書き換え、データ内容の一部喪失、及びデータの消失のいずれにあたるかの情報を記載した一覧表を作成し表示部162に表示させる。さらに、この表の中にデータ比較部14による発生した変更に対する詳細な判断結果を記載してもよい。また、本実施形態では報知部15は、比較結果の中でテストデータと保存後データの間に変更が発生したデータが無い場合には上述の報知は行わない。ここで、他の例として、報知部15は、比較結果の中でテストデータと、保存後データとの間に変更が発生したデータが無い場合に、テストデータの変更が無い旨の報知を行う構成にしてもよい。ここで、この報知部15が本発明における「報知手段」にあたる。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る医用情報装置10におけるテストデータの変更の検出及び障害の報知の動作を説明する。図4は、本実施形態に係る医用情報装置10におけるテストデータの変更の検出及び障害の報知のフローチャートである。
ここで、図4のフローチャートの前提として、医用情報システムの実際の運用前に、操作者はテストを行う医用装置(本実施形態に係る医用情報装置10を搭載した医用装置と通信先の医用装置と)を相互に接続する。そして、操作者は接続した医用装置間の接続試験を実施する。この接続試験における医用情報装置10の動作が以下である。
ステップS001:保存処理部12は、テストデータ記憶部11に記憶されているテストデータに対しStorage処理を実施することで、画像保管装置2へテストデータを送信し、画像保管装置2の記憶部25へ保存させる。
ステップS002:データ取得部13は、画像保管装置2の記憶部25に対し各テストデータのQ/R処理を実施することで、画像保管装置2にテストデータを特定する問合せを行い、その特定したテストデータに対応する保存後データを記憶部25から取得する。
ステップS003:データ比較部14は、Storage処理が実施された各テストデータと、各テストデータに対応する保存後データとを比較する。
ステップS004:報知部15は、データ比較部14によるテストデータと保存後データとの比較結果を受けて、テストデータの変更の有無を判断する。テストデータの変更が有る場合にはステップS005へ進み、テストデータの変更が無い場合には、テストデータの変更の検出の処理を終了する。
ステップS005:報知部15は、変更されたテストデータの比較結果を表示部162に表示させる。
以上に説明したように、本実施形態に係る医用情報装置は、接続試験時にStorage処理の対象としたテストデータと、実際に通信先の医用装置に保存された保存後データとを比較し、テストデータと保存後データとの間の変更を検出する構成である。これにより、操作者は、本実施形態に係る医用情報装置を搭載した医用装置の接続試験時に、医用装置間の通信におけるデータの変更を把握することが可能となる。したがって、実際に医用装置の運用を開始してからの、医用装置間の通信におけるデータの変更による診断支援の運用の妨げを軽減することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
以下、この発明の第2の実施形態に係る医用情報装置10について説明する。図5は本実施形態に係る医用情報装置10の機能を表すブロック図である。ただし、点線で表される機能部は第3の実施形態において説明するものとする。以下の説明では、第1の実施形態と同一の符号を付した機能部は特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。
図5において、モダリティ1に設置された機能部の中で、画像生成部30以外の機能部が本実施形態に係る医用情報装置10である。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、実際の運用では画像生成部30で医用画像が生成される。そして、保存処理部12によって画像保管装置2等に生成した医用画像等の保管が行われる。さらに、本実施形態に係る医用情報装置10も、第1の実施形態と同様に実際の運用前の接続試験時においてテストデータを用いた接続試験を行うものである。
保存処理部12は、テストデータ記憶部11に予め記憶されているテストデータを取得し、取得したテストデータに対して通信先の医用装置として画像保管装置2とするStorage処理を実施し、画像保管装置2にテストデータを送信し記憶部25に保存させる。
データ取得部13は、保存処理部12がStorage処理の対象としたテストデータを対象とするQ/R処理を画像保管装置2の記憶部25に対し実施する。データ取得部13は、画像保管装置2に対して各テストデータを特定する問合せを行い、その特定されたテストデータに対応する保存後データを取得する。
データ比較部14は、Storage処理の対象となったテストデータと、そのテストデータに対応する保存後データとを比較し、変更の有無を判断する。データ比較部14は、比較結果を障害特定部17へ出力する。ここで、比較結果とは、変更が発生したテストデータ、及び変更の内容(消失した場合は消失、一部消失した場合は一部喪失した部分の内容、又は書き換えが行われた場合は書き換えされた部分の内容)が含まれる。
障害/影響範囲保存部18は、ハードディスクやメモリなどの情報記憶媒体で構成されている。そして、障害/影響範囲保存部18には、テストデータの変更により発生する障害及びその障害の影響範囲を特定するためのテーブルが予め保存されている。このデーブルを用いることにより、本実施形態では、テストデータの変更の検出だけでなく、そのテストデータの変更により発生する障害及びその障害の影響範囲の特定し報知することが可能となる。すなわち、第1実施形態ではテストデータの変更の検知までを行っていたが、そのテストデータの変更によって発生する障害やその障害の影響範囲を特定し報知することによって、操作者は、医用情報装置10と画像保管装置2との間で発生する問題をより具体的に把握することができる。
この障害/影響範囲保存部18が記憶しているテーブルを図6を参照して説明する。図6は、テストデータの変更により発生する障害及び影響範囲を特定するためのテーブルの一例である。図6に示すテーブル200は、DICOMタグ(DICOMタグ201)、Storage処理によるテストデータの変更内容(変更内容202)、テストデータの変更で発生する障害の内容(発生する障害204)、及びテストデータの変更で発生する障害の影響範囲(影響範囲203)がそれぞれ対応して記載されている。例えば、DICOMタグ201が「タグA」で変更内容202が「日本語消失」の場合には、発生する障害204は「日本語表示不可」という障害であり、影響範囲は「医用情報システムに配置された医用情報機器全体」となる。また、「タグB」が示すデータをCADのデータとして説明する。DICOMタグ201が「タグB」で変更内容202が「タグB消失」(これは、データの消失を指す。)の場合には,「タグB」が示すデータがCADのデータであるので、発生する障害204は「CAD使用不可」という障害であり、影響範囲203は「医用情報システム上でCADを使用している装置」である。ここで、「タグA」や「タグB」と表しているタグは実際にはDICOMの規格に従った形式、具体的には(XXXX,XXXX)などのような形式、を有している。また影響範囲203は、故障による影響が出る装置を特定できる情報であればよく、例えば特定の製造会社の装置といった情報などでもよい。この障害/影響範囲保存部18が本発明における「障害保存手段及び影響範囲保存手段」の一例にあたる。
ここで、本実施形態では、テストデータの変更によって発生する障害及びその障害の影響範囲を1つのテーブル200で記載しているが、テーブル200を2つのテーブルに分けてもよい。例えば、テストデータの変更によって発生する障害を示すテーブルと、テストデータの変更によって発生する障害の影響範囲を示すテーブルとに、テーブル200を分けてもよい。そして、障害/影響範囲保存部18を、テストデータの変更によって発生する障害を示すテーブルを記憶する障害保存部と、テストデータの変更によって発生する障害の影響範囲を示すテーブルを記憶する影響範囲保存部とに分けてもよい。その場合、障害保存部が「障害保存手段」の一例にあたり、影響範囲保存部が「影響範囲保存手段」の一例にあたる。
障害特定部17は、変更が発生したテストデータ及び変更内容の入力をデータ比較部14から受ける。障害特定部17は、入力された変更が発生したテストデータからそのテストデータのDICOMタグを取得する。
障害特定部17は、取得したDICOMタグ及び変更内容を基に障害/影響範囲保存部18を検索する。そして、障害特定部17は、取得したDICOMタグ及び変更内容に対応する発生する障害と影響範囲とを取得する。例えば、DICOMタグ201として「タグA」を取得し、変更内容202として「日本語消失」を取得した場合、障害特定部17は、テーブル200を参照し、そのDICOMタグ201及び変更内容202に対応する影響範囲203及び障害204として、それぞれ「全体」及び「日本語表示不可」を取得する。
ここで、上述したように、テストデータの変更によって発生する障害を示すテーブルと、テストデータの変更によって発生する障害の影響範囲を示すテーブルとに分けた場合には、例えば、障害特定部17は、DICOMタグ及び変更内容を基に、テストデータの変更によって発生する障害を示すテーブルを参照して発生する障害を取得し、取得した発生する障害を基に、テストデータの変更で発生する障害の影響範囲を示すテーブルを参照して障害の影響範囲を取得する。
障害特定部17は、取得した発生する障害及び障害の影響範囲を報知部15へ出力する。さらに、障害特定部17は、特定した発生する障害を解決方法特定部19へ出力する。
解決方法記憶部20は、ハードディスクやメモリなどの情報記憶媒体で構成されている。解決方法記憶部20は、発生する障害に対する警告及び解決方法を特定するためのテーブルを記憶している。ここで、当該テーブルを図7を参照して説明する。図7は、発生する障害に対する警告及び解決方法を特定するためのテーブルの一例である。図7に示すテーブル300には、発生する障害(発生する障害301)、テストデータの変更内容(変更内容302)、障害に対する警告の内容(警告303)、及び障害に対する解決方法(解決方法304)が対応されて記載してある。例えば、発生する障害301が「日本語表示不可」であり、変更内容302が「日本語消失」の場合、対応する警告303は「日本語データが消失します。」であり、対応する解決方法304は「日本語の使用を不可にする。」である。ここで、テーブル300における発生する障害301は、テーブル200における発生する障害204に一致する内容であり、変更内容302は変更内容202に一致する内容である。ここで、本実施形態では発生する障害及び変更内容の2つの情報を用いて、障害に対する警告及び解決方法の特定を行ったが、警告及び解決方法が特定できるのであれば他の情報を用いてもよい。例えば、発生する障害のみで警告及び解決方法が特定できるテーブルを作成した場合には、それらを特定するためには発生する障害のみを用いてもよい。この解決方法記憶部20が本発明における「解決方法記憶手段」の一例にあたる。
解決方法特定部19は、発生する障害及び変更内容の入力を障害特定部17から受ける。解決方法特定部19は、取得した発生する障害及び変更内容を基に、解決方法記憶部20に記憶されているテーブル300を参照する。そして、解決方法特定部19は、発生する障害に対する警告及び発生した障害の解決方法を取得する。例えば、解決方法特定部19は、発生する障害301として「日本語表示不可」を取得し、変更内容302として「日本語消失」を取得した場合、テーブル300を参照し、警告303として「日本語データが消失します。」を取得し、解決方法304として「日本語の使用を不可にする。」を取得する。
解決方法特定部19は、特定した警告及び解決方法を報知部15へ出力する。この解決方法特定部19が本発明における「解決方法特定手段」の一例にあたる。
報知部15は、ハードディスクやメモリ等の記憶領域を有している。そして、報知部15は、自己の記憶領域に警告や解決方法を報知するためのレポートのフォーマットを記憶している。図8は、操作者に障害の発生を報知するためのレポートの一例である。本実施形態では、報知部15は、警告や解決方法を報知するためのフォーマットとして図8に示すレポート400を記憶している。本実施形態では、図8に示すように、警告や解決方法を報知するためのレポート400には、発生する障害401、影響範囲402、警告403、及び解決方法404が記載されている。
報知部15は、発生する障害の内容及び影響範囲の入力を障害特定部17から受ける。また、報知部15は、発生する障害に対する警告内容及び解決方法の入力を解決方法特定部19から受ける。
報知部15は、予め記憶しているフォーマットを基に、障害の内容、影響範囲、警告内容、及び解決方法を報知するためのレポート400を作成し、作成したレポート400を表示部162に表示させる。
次に、図9を参照して、本実施形態に係る医用情報装置10におけるテストデータの変更の検出及び障害の報知の動作を説明する。図9は、本実施形態に係る医用情報装置10におけるテストデータの変更の検出及び障害の報知のフローチャートである。
図9のフローチャートに示されている動作の前提として、医用情報システムの実際の運用前に、操作者はテストを行う医用装置(本実施形態に係る医用情報装置10を搭載した医用装置と通信先の医用装置と)を相互に接続する。そして、操作者は接続した医用装置間の接続試験を実施する。この接続試験における医用情報装置10の動作が以下である。
ステップS101:保存処理部12は、テストデータ記憶部11に記憶されているテストデータに対しStorage処理を実施することで、画像保管装置2へテストデータを送信し、画像保管装置2の記憶部25へ保存させる。
ステップS102:データ取得部13は、画像保管装置2の記憶部25に対し各テストデータのQ/R処理を実施することで、画像保管装置2にテストデータを特定する問合せを行い、特定したテストデータに対応する保存後データを記憶部25から取得する。
ステップS103:データ比較部14は、Storage処理が実施されたテストデータと、テストデータに対応する保存後データとを比較する。
ステップS104:報知部15は、データ比較部14によるテストデータと保存後データとの比較結果を受けて、テストデータの変更の有無を判断する。テストデータの変更が有る場合にはステップS105へ進み、テストデータの変更が無い場合には、テストデータの変更の検出の処理を終了する。
ステップS105:障害特定部17は、報知部15から入力された変更されたテストデータのDICOMタグ及び変更内容を基に、障害/影響範囲保存部18に記憶されているテーブル200を参照し、発生する障害及びその障害の影響範囲を取得する。
ステップS106:解決方法特定部19は、障害特定部17から入力された発生する障害を基に、解決方法記憶部20に記憶されているテーブル300を参照し、発生する障害に対する警告及び解決方法を取得する。
ステップS107:報知部15は、障害特定部17から入力された発生する障害及び影響範囲、並びに解決方法特定部19から入力された警告及び解決方法を基に、レポートを作成し、作成したレポートを表示部162に表示させることで、操作者に発生する障害及びその解決方法を報知する。
以上に説明したように、本実施形態に係る医用情報装置は、Sorage処理によるテストデータの変更を基に、発生する障害、障害の影響範囲、警告、及び障害の解決方法を取得し、操作者に報知することができる。これにより、操作者は接続試験時に、本実施形態に係る医用情報装置を搭載した医用装置と他の医用装置の間の通信において、発生する障害、障害の影響範囲、警告、及び障害の解決方法を容易に把握することができ、接続試験の段階で発生する障害を容易に解決することが可能となる。すなわち、操作者は、報知された解決方法を参照して、保存処理部の通信先装置への接続条件を解決方法に記載された内容の接続条件に設定変更して、障害を解決することができる。
また、操作者はエラーログをチェックしなくても発生する障害の報知を受けることができるので、発生する障害を見落とす等のミスを軽減することが可能となる。
以上では、発生する障害及び障害の影響範囲並びにその発生する障害に対する警告及び解決方法を特定する構成として説明したが、発生する障害及び障害の影響範囲のみを特定する構成、すなわち解決方法特定部19及び解決方法記憶部20を設けない構成でも、本発明は動作可能である。この場合、接続試験時に、操作者は発生する障害及び障害の影響範囲を容易に把握でき、操作者が考えた解決方法でその発生する障害への対処を行うことが可能である。
〔第3の実施形態〕
以下、この発明の第3の実施形態に係る医用情報装置10について図5を参照して説明する。本実施形態は第2の実施形態に、発生する障害の解決方法に対応する接続条件に保存処理部12の設定を自動的に変更する構成を付加したものである。具体的には、本実施形態に係る医用情報装置10は第2の実施形態に図5の点線で表される設定変更部21及び接続条件記憶部22を付加した構成である。そこで、以下の説明では保存処理部12の接続条件の設定変更について主に説明する。以下の説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態と同一の符号を付された機能部は特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。
第2実施形態においては操作者が、提示された解決方法を参照し、保存処理部12の画像保管装置2への接続条件を、その解決方法を実施する接続条件に変更していた。これに対し、本実施形態に係る医用情報装置10は、発生する障害を解決するための解決方法を実施する接続条件への変更を自動的に行う構成である。
接続条件記憶部22は、ハードディスクやメモリ等の情報記憶媒体で構成されている。接続条件記憶部22は、DICOMタグ及び変更内容に対応する接続条件(テストデータの変更により発生する障害を解決するための接続条件)を記憶している。この発生する障害を解決するための接続条件は、図7に記載した解決方法304の内容を実施するための接続条件である。例えば、変更が発生したテストデータのDICOMタグが「患者氏名」を表すタグであり、変更内容が「日本語の消失」の場合、「患者氏名に日本語を使用しない」ことを実施する接続条件を記憶している。また、他の例として、変更が発生したテストデータのDICOMタグが図6に示すCADで用いられるデータを表すタグである「タグB」であり、変更内容が図6に示す「タグC消失」(すなわち、データの消失)である場合で説明する。この場合、対応する解決方法が図7に示す「同一情報をプライベートタグCにも設定できます。」という内容である。そこで、接続条件記憶部22は、「同一情報をプライベートタグCにも設定できます。」という解決方法を実施する接続条件、すなわち「タグBを使用せず同一の情報をプライベートタグCに設定する接続条件」を記憶している。
設定変更部21は、変更が発生したテストデータのDICOMタグ及び変更内容を障害特定部17から取得する。そして、設定変更部21は、取得したDICOMタグ及び変更内容を基に接続条件記憶部22を参照し、テストデータの変更により発生する障害を解決するための接続条件を取得する。
設定変更部21は、保存処理部12における接続条件の設定を、取得した接続条件に変更する。ここで接続条件の設定変更の方法の一例を説明する。設定変更部21は、予め保存処理部12の接続条件を設定するバッチファイルのフォーマットを記憶しておく。そして、設定変更部21は、取得した接続条件を基に記憶しているフォーマットからバッチファイルを作成する。そして、設定変更部21は、その作成したバッチファイルを実行することで保存処理部12の設定変更を行う。このように、接続条件の設定変更が自動的に行われるため、操作者による接続条件の設定変更の作業を行わなくてすむ。
以上に説明したように、本実施形態に係る医用情報装置は、接続試験時に検出されたテストデータの変更を基に、その変更で発生する障害を解決するように通信先の医用装置との接続条件の設定を自動的に変更することができる。これにより、実際に医用装置の運用を開始してからの、医用装置間の通信におけるデータの変更による運用の妨げを軽減することが可能となる。また、接続試験時の操作者による発生する障害の見落とし等のミスを軽減することが可能となる。
ここで、本実施形態では、自動的に接続条件の設定変更が行われるので、その設定変更を操作者が把握できなくなる状況を回避することを目的として、発生する障害、影響範囲、警告、及び解決方法の通知を操作者に行っている。このため、本実施形態は、実施形態2に設定変更部21及び接続条件記憶部22を付加した構成とした。ただし、操作者に発生する障害とその障害範囲を通知するだけでも、操作者はおおよその障害の解決方法を把握できるので、解決方法特定部19及び解決方法記憶部20を備えない構成にしても動作可能である。
また、操作者がどのような設定変更が行われたかを把握する必要が無い場合には、障害特定部17及び障害/影響範囲保存部18を備えない構成にしてもよい。この場合には、設定変更部21は、変更が発生したテストデータのDICOMタグ及び変更内容をデータ比較部14から取得する構成となる。
〔第4の実施形態〕
以下、この発明の第4の実施形態に係る医用情報装置10について説明する。第4の実施形態は、発生する障害、影響範囲、所外に対する警告、及びその障害の解決方法を、外部の医用装置から取得し、取得した情報を選択して表示することが第2の実施形態と異なるものである。そこで、以下の説明では外部の医用装置からの情報の取得、及び取得した情報の選択及び報知について主に説明する。図10が、本実施形態に係る医用情報装置10の機能を表すブロック図である。以下の説明では、第2の実施形態と同一の符号を付された機能部は特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。本実施形態に係る医用情報装置10も、第1の実施形態と同様に実際の運用前の接続試験時においてテストデータを用いた接続試験を行うものである。
本実施形態では、モダリティ1が本実施形態に係る医用情報装置10を搭載しており、接続テストを行う通信先の医用装置を画像保管装置2とし、発生する障害、影響範囲、障害に対する警告、及びその障害の解決方法を取得する医用装置をアプリケーションサーバ6とした場合で説明する。
まず、図1を参照して、本発明を搭載したモダリティ1、画像保管装置2、及びアプリケーションサーバ6の実際の運用時における医用情報システム上の一連の医用情報処理の流れを説明する。
モダリティ1は、生成した医用画像を画像保管装置2に保管する。アプリケーションサーバ6は、画像保管装置2に保管された医用画像に対して患部の抽出などの所定処理を行うアプリケーションを搭載したサーバである。そして、操作者は、画像保管装置2に保管されている特定の医用画像に対象とする前述した所定処理の実行の命令を、アプリケーションサーバ6へ入力する。すると、アプリケーションサーバ6は、画像保管装置2から指定された医用画像を取得する。そして、アプリケーションサーバ6は、その取得した医用画像に対して搭載しているアプリケーションを用いて所定処理を行う。そして、アプリケーションサーバ6は、所定処理を行った医用画像を操作者に提供する。
以上のような一連の医用情報処理において、モダリティ1から画像保管装置2に送信され保管されたデータが変更された場合、アプリケーションサーバ6の処理でその障害が発生する可能性がある。具体的には、アプリケーションサーバ6が、変更されたデータを用いて診断支援(例えば、患部の抽出)を行う場合に、データが変更されているために診断支援を実施することができなくなる。そこで、本実施形態では、テストデータの変更により発生する、アプリケーションサーバ6の障害を回避する解決方法及びその障害の警告を報知する構成としている。
そこで、本実施形態に係る医用情報装置10を用いて接続試験を行う場合には、操作者は実運用の前に、モダリティ1、画像保管装置2、及びアプリケーションサーバ6が相互に通信可能に接続し、接続テストを行う。
図10に示すように、本発明が搭載されたモダリティ1はネットワークNを介して通信可能に、画像保管装置2とアプリケーションサーバ6とに接続されている。
アプリケーションサーバ6は、ハードディスクやメモリ等の情報記憶媒体で構成された記憶部61を有している。記憶部61には、図11に示すような、データの変更に対応する発生する障害やその解決方法等を特定するためのテーブルが予め記憶されている。ここで、図11を参照して当該テーブルを説明する。図11は、外部の医用装置に記憶されているデータの変更に対応する発生する障害やその解決方法等を特定するためのテーブルの一例である。図11に示すテーブル500には、変更されたテストデータのDICOMタグ501、その変更内容502、その変更で影響を受ける影響範囲503、その変更により発生する障害504、その変更に対する警告505、及びその障害の解決方法506が対応付けられて記載されている。例えば、DICOMタグ501が「B」で変更内容が「タグB消失」の場合、影響範囲503はアプリケーションAであり、発生する障害504は「00100010 タグB消失 APPSRV」であり、警告505は「タグBが消失するため、アプリケーションAが使用できなくなります。」であり、解決方法506は「これは旧規格タグCで代用可能です。」である。ここで、発生する障害504における「00100010」はアプリケーションAにおけるエラー番号であり、「APPSRV」はアプリケーションサーバ6の機能で障害が発生することを表している。また、テーブル500における影響範囲503とは、アプリケーションサーバ6において発生する障害504により影響を受ける範囲である。
情報取得部23は、アプリケーションサーバ6の記憶部61を参照し、テーブル500を取得する。
そして、情報取得部23は、テーブル500に記載されている、DICOMタグ501、変更内容502、影響範囲503、及び発生する障害504が記載されたアプリケーションサーバ6用のテーブルを作成する。このテーブルは、テーブル200と同じ内容を有する。そして、情報取得部23は、作成したアプリケーションサーバ6用のテーブルを障害/影響範囲保存部18に記憶させる。
さらに、情報取得部23は、発生する障害504、警告505、及び解決方法506が記載された、アプリケーションサーバ6用のテーブルを作成する。このテーブルはテーブル300と同じ内容を有する。そして、情報取得部23は、作成したアプリケーションサーバ6用のテーブルを解決方法記憶部20に記憶させる。
操作者は、アプリケーションサーバ6において発生する障害やその障害の解決方法を取得したい場合、接続試験を行うにあたり、予め入力部161を用いて障害特定部17に対してアプリケーションサーバ6におけるデータの変更により発生する障害及びその影響範囲の報知要求を入力し、解決方法特定部19に対してアプリケーションサーバ6におけるデータの変更により発生する障害に対する警告及びその解決方法の報知要求を入力する。このアプリケーションサーバ6におけるデータの変更により発生する障害及びその影響範囲の報知要求が、本発明における「外部の装置で発生する障害の特定の指示」及び「外部の装置で発生する障害に対する警告及び解決方法の特定の指示」の一例にあたる。
障害特定部17は、アプリケーションサーバ6におけるデータの変更により発生する障害及びその影響範囲の報知要求を入力部161から受ける。そして、障害特定部17は、変更されたテストデータのDICOMタグ及び変更内容を基に、障害/影響範囲保存部18に記憶されているアプリケーションサーバ6用のテーブルを参照する。そして、障害特定部17は、変更されたテストデータのDICOMタグ及び変更内容に対応する、アプリケーションサーバ6で発生する障害、及びアプリケーションサーバ6におけるその障害の影響範囲を取得する。例えば、変更されたテストデータのDICOMタグが「B」であり、変更内容が「タグB消失」である場合、発生する障害として「00100010 タグB消失 APPSRV」を示す情報を取得し、影響範囲として「アプリケーションA」を示す情報を取得する。
障害特定部17は、アプリケーションサーバ6で発生する障害及びアプリケーションサーバ6におけるその障害の影響範囲を報知部15へ出力する。
解決方法特定部19は、アプリケーションサーバ6におけるデータの変更により発生する障害に対する警告及びその解決方法の報知要求を入力部161から受ける。そして、解決方法特定部19は、アプリケーションサーバ6で発生する障害の入力を障害特定部17から受ける。そして、解決方法特定部19は、入力されたアプリケーションサーバ6で発生する障害を基に、解決方法記憶部20に記憶されているアプリケーションサーバ6用のテーブルを参照する。そして、解決方法特定部19は、アプリケーションサーバ6で発生する障害に対する警告及びその障害の解決方法を取得する。例えば、アプリケーションサーバ6で発生する障害が「00100010 タグB消失 APPSRV」の場合、解決方法特定部19は、警告として「タグBが消失するため、アプリケーションAが使用できなくなります。」を示す情報を取得し、解決方法として「これは旧規格タグCで代用可能です。」を示す情報を取得する。
解決方法特定部19は、アプリケーションサーバ6で発生する障害の警告及びその障害の解決方法を報知部15へ出力する。
報知部15は、障害特定部17及び解決方法特定部19からの入力を受けて、データの変更によりアプリケーションサーバ6で発生する障害、その障害の影響範囲、その障害の警告、及びその障害の解決方法を記載した図8に示すレポート400を作成する。そして、報知部15は、作成したレポート400を表示部162に表示させる。
以上に説明したように、本実施形態に係る医用情報装置は、接続試験時に自己が行ったStorage処理によって発生するテストデータの変更によって、外部の医用装置で発生する故障やその解決方法を操作者に提示することができる。これにより、実際に医用装置の運用を開始してからの、医用装置間の通信におけるデータの変更による運用の妨げを軽減することが可能となる。