〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る医用情報管理装置について説明する。図1は本発明に係る医用情報管理装置の機能を表すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る医用情報システムは、ネットワーク001を介して、医用情報端末010と医用情報管理装置100とが相互に通信可能に接続されている。医用情報端末010は、PCやワークステーションなどといった通常クライアントと呼ばれる装置である。また、医用情報管理装置100は通常サーバと呼ばれる装置である。ここで、本実施形態では説明の都合上、医用情報端末010及び医用情報管理装置100がネットワーク001上にそれぞれ1台ずつ接続されている構成としているが、この医用情報端末010及び医用情報管理装置100のネットワーク001に接続可能な台数に特に制限はない。そして、本実施形態に係る医用情報システムはシンクライアント環境を構築している。すなわち、クライアントである医用情報端末010は、機能が限定されており、ハードウェアの仕様も必要最低限度に限定されている。そして、データを使用した演算処理などのデータ処理は医用情報管理装置100などのサーバ側で行われる。
医用情報管理装置100は、上述したようにシンクライアント環境におけるサーバである。医用情報管理装置100は、図1に示すように、プログラム記憶部101、医用情報記憶部102、監視部103、端末情報取得部104、表示制御部105、形式変換部106、送信保存部107、及び統括制御部108で構成されている。ここで、点線で表わされるメディア記憶部109及び使用可能メディア識別部110は後述する第2の実施形態で説明する。
プログラム記憶部101は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体で構成されている。プログラム記憶部101は、監視プログラム及び保存実行プログラムを予め記憶している。このプログラム記憶部101が本発明における「プログラム記憶手段」にあたる。
ここで、監視プログラムとは、医用情報端末010に送信され、医用情報端末010が稼働しているバックグラウンドで実行されるプログラムである。そして、監視プログラムが実行されている医用情報端末010へ外部記憶媒体020が装着(例えば、USBメモリの接続やCDの挿入など。)された時に、監視プログラムは医用情報端末010に外部記憶媒体020が装着されたことを認知する手段(不図示)からの通知を受けることで、外部記憶媒体020が装着されたことが認知できる。そして、監視プログラムは、外部記憶媒体020が装着された通知を受けて、監視部103へ自己が実行されている医用情報端末010の識別情報及び該医用情報端末010に装着された外部記憶媒体020の種類及び場所(例えば、医用情報端末010におけるUSBポートの番号など)を通知するよう規定されたプログラムである。この外部記憶媒体020の種類及び場所が本発明における、監視プログラムが通知する「外部記憶媒体の情報」にあたる。
さらに、監視プログラムは、外部記憶媒体020が離脱されたときに、監視部103へ自己が実行されている医用情報端末010の識別情報及び該医用情報端末010から離脱された外部記憶媒体020の種類及び場所を通知するよう規定されていていることが好ましい。
ここで、外部記憶媒体020とは光ディスク及びUSBメモリなどの外付け(すなわち、着脱可能である)の記憶媒体である。また、後述する医用情報端末010への光ディスクの挿入やUSBメモリの接続が本発明における外部記憶媒体020の「装着」にあたる。すなわち、外部記憶媒体020は、医用情報端末010への装着及び離脱が可能である。そして、図1では外部記憶媒体020が既に記載されており医用情報端末010と一点鎖線で結ばれており、これは外部記憶媒体020が医用情報端末010へ装着及び離脱が可能であることを表している。
また、保存実行プログラムは、本実施形態ではスクリプト形式で記載されたプログラムである。保存実行プログラムは、医用情報端末010に医用情報とともに送信され医用情報端末010において自動で実行される。そして、保存実行プログラムは、同時に送られた医用情報を指定された外部記憶媒体020に保存するよう規定されたプログラムである。
医用情報記憶部102は、ハードディスクやメモリといった記憶媒体で構成されている。医用情報記憶部102は、医用画像データやそれに付帯する付帯情報などの医用情報が予め記憶されている。この医用情報記憶部102が本発明における「医用情報記憶手段」にあたる。
統括制御部108は、CPUなどで構成されている。統括制御部108は、各機能部間のデータの受け渡しや、各機能部の動作のタイミングなどの制御を行っている。ここで、実際には各機能部間でのデータの受け渡しは統括制御部108を介して行われるが、以下では説明の都合上、統括制御部108を介さずに各機能部同士で直接データの送受信を行っているように説明する場合がある。
統括制御部108は、操作者による医用情報端末010の入力部013を利用した医用情報端末010からのログイン要求の入力を受ける。ログイン要求には操作者の識別情報(IDやパスワードなど)及びログイン要求を出力してきた医用情報端末010の識別情報(IPアドレスやコンピュータ名など)が含まれている。統括制御部108は、複数の操作者に対応した識別情報を記憶しており、ログイン要求に含まれる操作者の識別情報を取得して、取得した識別情報が記憶している識別情報と一致した場合には該操作者に対し医用情報端末010からのログインを許可する。統括制御部108は、ログインを許可した場合に、監視部103及び端末情報取得部104へ医用情報端末010の識別情報を出力する。
統括制御部108は、医用情報端末010からの医用情報の参照命令の入力を受ける。この参照命令には、医用情報の識別情報及び参照する医用情報端末010の識別情報が含まれている。統括制御部108は、参照命令の入力を受けて表示制御部105へ指定された医用情報の識別情報及び医用情報端末010の識別情報ともに指定された医用情報の表示命令を出力する。
また、統括制御部108は、医用情報端末010からの医用情報の保存命令の入力を受ける。保存命令には保存対象となる医用情報の識別情報及び保存先となる外部記憶媒体020の情報(具体的には、外部記憶媒体020の種類、該外部記憶媒体020が装着されている医用情報端末010の識別情報、及びその医用情報端末010の装着されているポートやドライブといった場所など)が含まれている。統括制御部108は、入力された保存命令を基に、形式変換部106へ医用情報の識別情報及び保存先となる外部記憶媒体020の識別情報を含む保存命令を出力する。さらに。統括制御部108は、入力された保存命令を基に、送信保存部107へ、保存先となる医用情報端末010の識別情報及び保存先となる外部記憶媒体020の場所の情報を含む保存命令を出力する。
監視部103は、統括制御部108から医用情報端末010の識別情報の入力を受ける。監視部103は、医用情報端末010の識別情報の入力を受けると、プログラム記憶部101から監視プログラムを取得する。そして、監視部103は、医用情報端末010の識別情報及び監視プログラムを医用情報端末010へ送信する。この監視部103が本発明における「監視手段」にあたる。
医用情報端末010へ送信された監視プログラムは、医用情報端末010に受信されると自動的に実行され医用情報端末010が稼働しているバックグラウンドで動作する。そして、監視プログラムが医用情報端末010で実行された後に医用情報端末010に新しく外部記憶媒体020が装着されると、監視プログラムは装着された外部記憶媒体020の種類及び外部記憶媒体020が装着された場所(具体的には、例えば外部記憶媒体020がCDやDVDなどの光ディスク場合にはその光ディスクが挿入されたドライブのドライブ名、外部記憶媒体020がUSBメモリの場合には該USBメモリが接続されたUSBポート名を指す。)を取得する。そして、監視プログラムは取得した外部記憶媒体020の種類及び外部記憶媒体020が装着された場所を監視部103に通知する。
監視部103は、監視プログラムから外部記憶媒体020の種類及び外部記憶媒体020が装着された場所を受信する。そして、監視部103は、表示制御部105へ外部記憶媒体020の種類及び外部記憶媒体020が装着された場所を出力する。また、監視プログラムが外部記憶媒体020の離脱も監視するよう規定されている場合、監視部103は、外部記憶媒体020の離脱の情報を受けて、表示制御部105へ離脱の情報とともに外部記憶媒体020の種類及び外部記憶媒体020の場所を出力する。
端末情報取得部104は、統括制御部108から医用情報端末010の識別情報の入力を受ける。そして、端末情報取得部104は、入力された医用情報端末010の識別情報を基に、医用情報端末010へアクセスし既にログイン時に装着されている外部記憶媒体020の種類及び該外部記憶媒体020が装着されている場所といった既存の外部記憶媒体020の情報を取得する。つまり、既存の外部記憶媒体020とは操作者による医用情報端末010からのログイン時に医用情報端末010に備わっている外部記憶媒体020のことを指す。端末情報取得部104は、医用情報端末010の既存の記憶媒体の情報を表示制御部105へ出力する。本実施形態では、医用情報端末010にUSBメモリAが予め装着されていたとして説明する。すなわち、端末情報取得部104は、表示制御部105へUSBメモリAの情報を出力する。この端末情報取得部104が本発明における「端末情報取得手段」にあたる。
表示制御部105は、記憶領域(不図示)を有している。そして、表示制御部105は、自己の記憶領域に医用情報表示画面の基本となるフォーマットを予め記憶している。医用情報表示画面とは操作者が医用情報を参照したり、医用情報を外部記憶媒体に記憶させたりするときに使用する画面のことであり、図2に示すような画面である。図2は医用情報を参照及び外部記憶媒体020に保存するときに使用する医用情報表示画面の一例の図である。この表示制御部105が本発明における「表示制御手段」にあたる。
ここで具体的に図2の医用情報表示画面を説明する。図2に示される画像201が参照対象となる医用画像及び付帯情報を含む医用情報の画像である。そして、図形202が外部記憶媒体020であるCDを表す。また、図形203が外部記憶媒体020であるUSBメモリAを表し、図形204が外部記憶媒体020であるUSBメモリBを表す。そして、領域205は医用情報端末010に装着されている外部記憶媒体020を表す領域である。ここで、表示制御部105が記憶している医用情報表示画面の基本となるフォーマットは、図2に示す医用情報表示画面の外部記憶媒体020を表す領域205は固定しておらず、入力を受けた外部記憶媒体020の情報を基に医用情報表示画面の外部記憶媒体020を表す領域205の表示が生成される。
そして、表示制御部105は、操作者による医用情報端末010からのログイン時に、端末情報取得部104から医用情報端末010の既存の記憶媒体の情報の入力を受ける。さらに、表示制御部105は、操作者による医用情報端末010からのログイン後、医用情報端末010に外部記憶媒体020が接続された時に、監視部103から医用情報端末010に装着された外部記憶媒体020の種類及び外部記憶媒体020が装着された場所の入力を受ける。本実施形態では、上述したように、医用情報端末010に予めUSBメモリAが接続されており、操作者による医用情報端末010からのログイン後にUSBメモリBが医用情報端末010に接続され、さらにCDが医用情報端末010に挿入されたとして説明する。
表示制御部105は、統括制御部108から医用情報の表示命令を受ける。この表示命令には、上述のように医用情報の識別情報及び表示先の医用情報端末010の識別情報が付加されている。表示制御部105は、入力を受けた医用情報の識別情報を基に、医用情報記憶部102を参照し、指定された医用情報を取得する。表示制御部105は、自己が記憶している基本となるフォーマットに取得した医用情報を挿入する。すなわち、図2のように医用情報表示画面に画像201が挿入される。さらに、表示制御部105は、入力された医用情報端末010に装着されている外部記憶媒体020の種類を基に、基本となるフォーマットの外部記憶媒体020を表す領域205に外部記憶媒体020を示す図形を表示する。本実施形態では、操作者のログイン時には医用情報端末010にUSBメモリAが接続されているため、その時点で表示命令を受けた場合、表示制御部105は、図2に示す医用情報表示画面の外部記憶媒体020を表す領域205にUSBメモリAを表す図形203のみを挿入した状態の画面を医用情報表示画面として生成する。また、操作者のログイン後に表示命令を受けた場合、表示制御部105は、図2に示すように医用情報表示画面の外部記憶媒体020を表す領域205にCDを表す図形202、USBメモリAを表す図形203、及びUSBメモリBを表す図形204を挿入した状態の画面を医用情報表示画面として生成する。そして、表示制御部105は、医用情報端末010の識別情報を基に、生成した医用情報表示画面を医用情報端末010へ送信し、表示部012に該医用情報表示画面を表示させる。ここで、本実施形態では外部記憶媒体020の表示として図形を用いたが、これは外部記憶媒体020の種類などが判別できればよく、例えば記号や符号でもよい。
また、監視プログラムが外部記憶媒体020の離脱も監視するよう規定されている場合、表示制御部105は、監視部103から外部記憶媒体020の離脱の情報をうけて、該外部記憶媒体020の種類及び場所の情報を基に、離脱された外部記憶媒体020を削除した医用情報表示画面を生成する。
また、表示制御部105が既に医用情報を表示部012に表示している状態で医用情報端末010に新たな外部記憶媒体020が装着された場合、監視部103から外部記憶媒体020の装着の情報を受けて、表示制御部105は、表示している医用情報表示画面を消去し、新たに装着された外部記憶媒体020を加えた医用情報表示画面を表示する構成にすることがより好ましい。また逆に、表示制御部105が既に医用情報を表示部012に表示している状態で医用情報端末010から外部記憶媒体020が離脱された場合、監視部103から外部記憶媒体020の離脱の情報を受けて、表示制御部105は、表示している医用情報表示画面を消去し、離脱された外部記憶媒体020を削除した医用情報表示画面を表示する構成にすることがより好ましい。これにより、正確に装着されている外部記憶媒体020の現状を反映することができるとともに、操作者は外部記憶媒体020の装着が医用情報管理装置100に正常に認識されたことが把握できる。
形式変換部106は、外部記憶媒体020の種類毎及び保存方法毎に対応した医用情報の変換方法を記憶している。例えば、CDに保存する場合には画像データはCDドライブでリードライトが可能なCDイメージに変換され、USBメモリに保存する場合には画像データは単純な単体情報として読み書き可能な形式であるExportDataに変換される。この形式変換部106が本発明における「形式変換手段」にあたる。
形式変換部106は、統括制御部108から医用情報の保存命令の入力を受ける。この保存命令には、上述のように医用情報の識別情報、及び保存先の外部記憶媒体020の識別情報が含まれている。本実施形態では、USBメモリBに保存する保存命令を受けたものとして説明する。形式変換部106は、入力された医用情報の識別情報を基に、医用情報記憶部102を参照し対応する医用情報を取得する。そして、形式変換部106は、入力された保存先の外部記憶媒体020の識別情報を基に自己が記憶している外部記憶媒体020の種類毎及び保存方法毎に対応した医用情報の変換方法を参照し、指定された外部記憶媒体020に対応する変換方法を取得し、該変換方法に基づいて取得した医用情報を形式変換する。本実施形態ではUSBメモリBへの保存命令を受けているので、形式変換部106は、取得した医用情報をExportDataに変換する。形式変換部106は、形式変換した医用情報を送信保存部107へ出力する。
送信保存部107は、統括制御部108から保存先の医用情報端末010の識別情報及び保存先の外部記憶媒体020の場所の情報を含む保存命令の入力を受ける。また、送信保存部107は、形式変換部106から、形式変換がなされた医用情報の入力を受ける。この送信保存部107が本発明における「送信保存手段」にあたる。
送信保存部107は、保存命令を受けてプログラム記憶部101から保存実行プログラムを取得する。送信保存部107は、保存先となる外部記憶媒体020の場所の情報を保存実行プログラムに加える。そして、送信保存部107は、入力された保存先の医用情報端末010の識別情報及び保存先の外部記憶媒体020の場所の情報を基に、医用情報端末010へ形式変換がなされた医用情報及び保存実行プログラムを送信する。
保存実行プログラムは、医用情報端末010において自動的に実行される。そして、保存実行プログラムは、同時に送られてきた形式変換された医用情報を保存先となる外部記憶媒体020に保存する。本実施形態では、保存実行プログラムは、ExportDataに変換された医用情報をUSBメモリBへ保存する。保存実行プログラムは、保存が完了すると送信保存部107に保存終了の通知を行う。
送信保存部107は、保存実行プログラムからの保存終了の通知を受けて、医用情報端末010に送信した保存実行プログラム及び医用情報を削除する。
ここで、本実施形態では送信保存部107により、医用情報及び保存実行プログラムの削除を行っているが、これは統括制御部108が行ってもよい。
さらに、送信保存部107は、保存実行プログラムからの保存終了の通知を受けて、自己が作成した形式変換した医用情報を削除する構成にしてもよい。これにより、医用情報管理装置100の記憶領域の空き容量の確保が可能となる。また、医用情報端末010から保存成功の通知を受けた後に自己が作成した形式変換した医用情報を削除する構成にしてもよい。これにより、万が一医用情報の保存に失敗しても、次の同じ医用情報の保存要求に対して医用情報管理装置100は形式変換を行う必要がなくなり、負荷を軽減することが可能となる。
医用情報端末010は、上述したように機能や仕様が限定されたPCやワークステーションなどといったクライアントと呼ばれる情報機器である。そして、医用情報端末010は、ユーザインタフェース011及びプログラム実行部014を備える。ユーザインタフェース011は、医用情報端末010を操作する医者などの操作者が参照する表示部012及び操作者が情報(データ)の入力を行う入力部013を有している。さらに、医用情報端末010は光ディスク(CDやDVDなど)を挿入するドライブを備えている。また、医用情報端末010はUSBメモリを接続するUSBポート(USBの差し込み口)を備えている。
プログラム実行部014は、入力された自動実行のプログラムを実行する。すなわち、監視プログラムが入力された場合、プログラム実行部014は監視プログラムをバックグラウンドで実行させる。また、保存実行プログラムが入力された場合、プログラム実行部014は保存実行プログラムを実行させ入力された医用情報を指定された外部記憶媒体020に保存させる。
表示部012は操作者の医用情報管理装置100へのログイン時には医用情報端末010が予め記憶しているログイン画面を表示する。また、表示部012は、後述する医用情報管理装置100の表示制御部105からの制御を受けてサーバから送られてきた画面を表示する。具体的には、表示部012は、医用情報管理装置100の表示制御部105から入力された図2に示すような医用情報表示画面を表示する。また、本実施形態では前述のようにこのログイン画面を医用情報端末010に予め記憶させているが、このログイン画面を医用情報管理装置100の表示制御部105から送られてくる構成にしてもよい。この表示部012が本発明における「表示手段」にあたる。
入力部013は、キーボードやマウスなどの入力デバイスで構成されている。操作者は表示部012に表示されたログイン画面を参照し、入力部013を使用して自己の識別情報(IDやパスワードなど)を入力する。入力部013で入力された操作者の識別情報は医用情報管理装置100の統括制御部108に送信される。また、操作者は、表示部012に表示された図2に示す医用情報表示画面を参照し、入力部013を使用して保存する外部記憶媒体020の種類及び場所並びに保存する医用情報を指定する。ここで、医用情報端末010に表示される保存画面の保存先の対象となる装置は医用情報端末010のみである。本実施形態では、図2に示すように医用情報端末010に1つのCDと2つのUSBメモリが装着されている。操作者は、保存しようとする医用情報が表示部012に表示されている状態で保存動作を行うとその表示されている医用情報を保存対象として指定することになる。そして、操作者は、マウスなどを使用して医用情報表示画面に表示されている外部記憶媒体020のうち保存先とする外部記憶媒体020を指定する。例えば、本実施形態では、USBメモリBへ医用情報を保存しようとする場合、図形204をクリックすることで保存先としてUSBメモリBを指定する。入力部013は、操作者により指定された医用情報の識別情報、保存先の外部記憶媒体020の種類及び場所、並びに医用情報管理装置100の識別情報、を統括制御部108へ出力する。
次に図3を参照して、本実施形態に係る医用情報管理装置100における医用情報の保存の動作について説明する。図3は本実施形態に係る医用情報管理装置100における医用情報の保存のフローチャートの図である。
ステップS001:医用情報端末010の表示部012に、医用情報管理装置100へのログイン画面が表示される。
ステップS002:操作者は、医用情報端末010のユーザインタフェース011を用いて医用情報管理装置100の統括制御部108へ操作者の識別情報を入力する。
ステップS003:統括制御部108は、自己が予め記憶している操作者の識別情報を参照し、入力された操作者の識別情報が記憶している操作者の識別情報に一致した場合ログインを許可する。さらに、統括制御部108は、医用情報端末010の識別情報を端末情報取得部104及び監視部103に入力する。
ステップS004:端末情報取得部104は、入力された医用情報端末010の識別情報を基に、医用情報端末010にアクセスし医用情報端末010に既に装着されている外部記憶媒体020の情報(外部記憶媒体020の種類及び場所)を取得する。
ステップS005:監視部103は、入力された医用情報端末010の識別情報を基に、プログラム記憶部101から取得した監視プログラムを医用情報端末010へ送信する。
ステップS006:監視プログラムは、送信された医用情報端末010において自動的に実行が開始され、バックグラウンドで動作する。
ステップS007:操作者が医用情報端末010へ外部記憶媒体020を装着する。
ステップS008:監視プログラムは、装着された外部記憶媒体020の種類及び場所を監視部103へ通知する。
ステップS009: 操作者は、医用情報端末010から特定の医用情報の表示要求を医用情報管理装置100の統括制御部108へ入力する。
ステップS010:表示制御部105は、統括制御部108からの医用情報の表示要求を受ける。そして、表示制御部105は、端末情報取得部104から取得した既存の外部記憶媒体020の種類及び場所、並びに監視部103から取得したログイン後に接続された外部記憶媒体020の種類及び場所を基に、医用情報表示画面を作成する。
ステップS011:表示制御部105は、作成した医用情報表示画面を医用情報端末010に送信し表示部012に医用情報表示画面を表示させる。
ステップS012:操作者は、医用情報端末010の表示部012に表示された医用情報を参照して、入力部013を利用して医用情報管理装置100の統括制御部108へ特定の医用情報の保存命令を入力する。
ステップS013:形式変換部106は、統括制御部108から指定された医用情報の識別情報及び保存先の外部記憶媒体020の種類を含む該医用情報の保存命令を取得する。形式変換部106は、指定された医用情報を医用情報記憶部102から取得する。形式変換部106は、取得した外部記憶媒体020の種類を基に、自己が記憶している外部記憶媒体020の種類に対応する変換方法を参照し、指定された医用情報に対し形式変換を行う。
ステップS014:送信保存部107は、統括制御部108から保存先の医用情報端末010の識別情報及び保存先の外部記憶媒体020の場所の入力を受ける。送信保存部107は、形式変換部106から形式変換された医用情報を取得する。送信保存部107は、プログラム記憶部101から保存実行プログラムを取得する。送信保存部107は、形式変換された医用情報と外部記憶媒体020の場所を付加した保存実行プログラムとを医用情報端末010へ送信する。
ステップS015:保存実行プログラムは、送信された医用情報端末010において自動的に実行され、指定された保存先の外部記憶媒体020へ指定された医用情報を保存する。
ステップS016:送信保存部107は、医用情報端末010に存在する保存実行プログラム及び医用情報を削除する。
本実施形態では、外部記憶媒体020に対応した形式に医用情報の形式を変換したが、医用情報が直接外部記憶媒体020に保存できる形式の場合には、形式変換部106を介さずに送信保存部107が医用情報記憶部102から指定された医用情報を取得する構成でもよい。
以上で説明したように、本実施形態にかかる医用情報管理装置は医用情報端末に装着されている外部記憶媒体を自動的に認識し、該外部記憶媒体への医用情報の保存命令を操作者から受けて自動的に該外部記憶媒体へ指定された医用情報を保存する構成である。これにより、本実施形態に係る医用情報管理装置は医用情報端末に装着された外部記憶媒体に直接医用情報の保存を行うことが可能となる。したがって、本実施形態にかかる医用情報管理装置により外部記憶媒体への医用情報の保存の効率の向上、及びセキュリティの弱体化の軽減をすることが可能となる。
〔第2の実施形態〕
以下、この発明の第2の実施形態に係る医用情報管理装置について説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置は、医用情報端末で動作しているOS(オペレーションシステム、例えば、MicrosoftWindows(登録商標)、Linux(登録商標)、及びUnix(登録商標)など)の種類に応じて保存実行プログラムを選択し、該保存実行プログラムを用いて医用情報端末に装着されている外部記憶媒体への指定された医用情報の保存を実施する構成であることが第1の実施形態と異なる。そこで、以下の説明では、OSの種類に応じた保存実行プログラムの選択を主に説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置の機能を表すブロック図も図1に記載されているブロック図で表わされる。以下の説明では、第1の実施形態と同様の符号を有する機能部は特に説明のない限り同様の機能を有するものとする。
プログラム記憶部101は、OSの種類に対応した保存実行プログラムを記憶している。これは、スクリプトの記述形式がOSの種類によって異なるために、スクリプトとして作成されている保存実行プログラムを複数のOSで動作させるためには、各OSで動作可能な保存事項プログラムが必要とされるためである。
端末情報取得部104は、操作者による医用情報端末010からのログイン時に、医用情報端末010から既存の記憶媒体の情報を取得するとともに、医用情報端末010で動作しているOSの種類の情報を取得する。
統括制御部108は、指定された医用情報の保存命令を医用情報端末010から受け取ると、端末情報取得部104から医用情報端末010で動作しているOSの種類の情報を取得する。そして、統括制御部108は、送信保存部107へ医用情報端末010のOSの種類、保存先の医用情報端末010の識別情報及び保存先の外部記憶媒体020の場所を出力する。
送信保存部107は、統括制御部108から送信保存部107へ医用情報端末010のOSの種類、保存先の医用情報端末010の識別情報及び保存先の外部記憶媒体020の場所の入力を受ける。また、送信保存部107は、形式変換部106から指定された外部記憶媒体020の保存形式に形式変換された医用情報の入力を受ける。
送信保存部107は、入力された医用情報端末010のOSの種類の情報を基に、プログラム記憶部101を参照し、医用情報端末010のOSの種類に対応する保存実行プログラムを選択し取得する。さらに、送信保存部107は、入力された保存先の外部記憶媒体020の場所の情報を取得した保存実行プログラムに加える。
送信保存部107は、形式変換された医用情報及び取得した医用情報端末010のOSの種類に対応する保存実行プログラムを、保存先の医用情報端末010の識別情報を基に医用情報端末010へ送信する。
保存実行プログラムは、医用情報端末010で動作しているOS上において自動的に実行される。そして、保存実行プログラムは、同時に送られてきた形式変換された医用情報を保存先となる外部記憶媒体020に保存する。保存実行プログラムは、保存が完了すると送信保存部107に保存終了の通知を行う。
送信保存部107は、保存実行プログラムからの保存終了の通知を受けて、医用情報端末010に送信した保存実行プログラム及び医用情報を削除する。
以上で説明したように、本実施形態に係る医用情報管理装置は、OSの種類に応じて実行可能な保存実行プログラムを選択し、指定された医用情報端末で動作しているOS上で該保存実行プログラムを実行させ、医用情報端末に装着されている外部記憶媒体に指定された医用情報を保存する構成である。これにより、本実施形態に係る医用情報管理装置は医用情報端末で動作しているOSの種類に依存することなく指定された医用情報を指定された外部記憶媒体に保存することが可能となる。したがって、外部情報記憶媒体への医用情報の保存をより効率的に行うことが可能となる。
〔第3の実施形態〕
以下、この発明の第3の実施形態に係る医用情報管理装置について説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置は、ログインした操作者に応じて保存先として指定できる外部記憶媒体を制限することができる構成であることが第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる。そこで、以下の説明では、操作者に応じた保存先の外部記憶媒体の制限の構成を主に説明する。本実施形態に係る医用情報管理装置の機能を表すブロック図も図1に記載されているブロック図で表わされる。ただし、点線で囲まれた機能部が本実施形態において、第1の実施形態及び第2実施形態に係る医用情報管理装置に新たに加えられた機能部である。以下の説明では、第1の実施形態及び第2実施形態と同様の符号を有する機能部は特に説明のない限り同様の機能を有するものとする。
メディア記憶部109は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体で構成されている。操作者の識別情報に対応させて各操作者が使用可能な外部記憶媒体020を記憶している。具体的には、メディア記憶部109は、例えば図4に示すようなテーブルを記憶している。ここで、図4は操作者の識別情報に対応する使用可能な外部記憶媒体020の情報の一例の図である。図4に示す操作者ID401が操作者の識別情報であり、使用可能メディア402が対応する操作者に使用が許可されている外部記憶媒体020の種類である。たとえば、操作者IDがAAAである操作者は、CD、USB、及びDVDの使用が許可されている。このメディア記憶部109が本発明における「メディア記憶手段」にあたる。
統括制御部108は、医用情報端末010からのログイン要求を受けて、使用可能メディア識別部110に操作者の識別情報を出力する。以下では、統括制御部108は、医用情報端末010から操作者IDとして「CCC」が入力されたとする。この場合、統括制御部108は、操作者ID「CCC」を使用可能メディア識別部110へ出力する。
表示制御部105は、統括制御部108から医用情報の表示命令を受ける。そして、表示制御部105は、端末情報取得部104から入力された操作者のログイン時に医用情報端末010に既に装着されている外部記憶媒体020の種類の情報を使用可能メディア識別部110へ出力する。また、表示制御部105は、監視部103から入力されたログイン後に操作者により医用情報端末010へ装着された外部記憶媒体020の情報を使用可能メディア識別部110へ出力する。本実施形態では、医用情報端末010に装着されている外部記憶媒体020はCDおよび2つのUSBメモリとする。すなわち、本実施形態では、表示制御部105は、外部記憶媒体020の種類としてCD及びUSBメモリという情報を使用可能メディア識別部110へ出力する。
さらに、表示制御部105は、使用可能メディア識別部110から医用情報端末010に装着されている各外部記憶媒体020のログインしている操作者による使用が許可されているメディアか否かを識別結果の入力を受ける。
そして、表示制御部105は、入力を受けた医用情報の識別情報を基に、医用情報記憶部102を参照し、指定された医用情報を取得する。表示制御部105は、自己が記憶している基本となるフォーマットに取得した医用情報を挿入する。さらに、表示制御部105は、入力された医用情報端末010に装着されている外部記憶媒体020の種類と使用が許可されているメディアか否かの識別結果を基に、基本となるフォーマットの外部記憶媒体020を表す領域に装着されている外部記憶媒体020を示す図形を表示する。さらに、表示制御部105はログインしている操作者に使用が許可されていない種類の外部記憶媒体020の図形に使用不可の情報を付加する。この使用不可の情報を使用が許可されていない種類の外部記憶媒体020の図形に付加することが、本発明における「操作者が使用可能な前記外部記憶媒体を識別可能に」表示することにあたる。本実施形態では、後述するように操作者ID「CCC」を有する操作者に対してはUSBの使用しか認められていないため、図5のようにCDを表す図形501の上に使用不可の情報である図形502が付加されている。そして、USBメモリの使用は禁止されていないため、図形503及び図形504には使用禁止の情報は付加されていない。ここで、図5は本実施形態に係る医用情報管理装置100の生成する医用情報表示画面を説明するための図である。このように、本実施形態では、表示制御部105は、図5に示すような画面を医用情報表示画面として生成する。そして、表示制御部105は、医用情報端末010の識別情報を基に、生成した医用情報表示画面を医用情報端末010へ送信し、表示部012に該医用情報表示画面を表示させる。ここで、本実施形態では外部記憶媒体020の表示及び使用不可の情報の表示として図形を用いたが、これは外部記憶媒体020の種類及び使用の可否が判別できればよく、例えば記号や符号でもよい。
使用可能メディア識別部110は、統括制御部108から操作者の識別情報(ここでは、操作者ID「CCC」)の入力を受ける。さらに、使用可能メディア識別部110は、表示制御部105から、外部記憶媒体020の種類の情報(ここでは、CD及びUSBメモリ)を取得する。この使用可能メディア識別部110が本発明における「使用可能メディア識別手段」にあたる。
使用可能メディア識別部110は、操作者の識別情報及び外部記憶媒体020の種類の情報を基に、メディア記憶部109を参照し、入力された各外部記憶媒体020が該操作者に使用が許可されているか否かを判断し、表示制御部105へ識別結果を出力する。本実施形態では、使用可能メディア識別部110は、操作者ID「CCC」を基にメディア記憶部109を参照し、操作者ID「CCC」の操作者に許可されている外部記憶媒体020はUSBメモリのみであることを把握する。そして、使用可能メディア識別部110は、入力された外部記憶媒体020のうち、USBメモリは使用が許可されているメディアであり、CDは使用が許可されていないメディアであると判断する。
このように、たとえば医用情報端末010にCD及び2つのUSBメモリが装着されている場合、操作者に外部記憶媒体020の使用の制限がなければ図2のようにすべての外部記憶媒体020が使用可能に表示されるが、例えば操作者にCDの使用の禁止という制限がかかっている場合には、図5のように使用が許可されていないCDは使用禁止の情報が付加されて表示されることになる。
ここで、本実施形態では使用可能な外部記憶媒体020を識別可能に表示する方法として、使用禁止の図形を付加したが、この識別可能に表示する方法は特に制限はなく、例えば、使用不可の外部記憶媒体020の図形を表示しない方法や、使用不可の外部記憶媒体020をグレーアウトする方法でもよい。また、使用の禁止を確実にするために、使用禁止の情報を付加するとともに使用不可の外部記憶媒体020を保存先として選択できないようにしておくことがより好ましい。
以上で説明したように、本実施形態に係る医用情報管理装置は、操作者毎に使用できる外部記憶媒体の種類を判断し、ログインしている操作者に使用が許可されている外部記憶媒体を選択するようにできる構成である。これにより、各操作者に対するセキュリティを強化することが可能となる。