JP5558756B2 - 抗菌性ハイパーブランチポリマー - Google Patents

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Description

本発明は、抗菌性ハイパーブランチポリマーに関し、さらに詳述すると、陽イオン性官能基を有するハイパーブランチポリマーからなる抗菌又は殺菌剤に関する。
最近、清潔な環境で衛生的なライフスタイルを送る意識・志向が高まっており、抗菌剤が様々な分野に使用されてきている。これまでに、抗菌機能を有するとされる製品が多数開発され、飲食物、飲料水、化粧品などの保管容器、歯ブラシ、文具類、家電製品、寝具類のように多様な生活用品や建築資材などが産業や環境において細菌汚染の防止を必要とする多様な分野で応用されている。しかしながら、抗菌作用が明確でない抗菌グッズなどが社会的な問題となっており、明確な抗菌作用を有する材料が求められている。さらに、加工が容易な高分子抗菌材料から作られた抗菌グッズを使用することにより衛生的で快適な生活環境になることから、加工性に優れた抗菌性高分子材料が求められている。
抗菌性を示す有機抗菌剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩、ピリジン化合物、有機ハロゲン化合物、チアゾリン化合物、フェノール類、イミダゾリウム塩、クロロフェノール化合物、ピリジンチオールオキシド塩、ニトロ基含有モルホリン化合物、塩化トリアジン化合物などの陽イオン性化合物が知られている。これらの陽イオン性化合物は、陰/ 陽イオンの静電気的相互作用によって、細胞壁や細胞膜の
損傷を引き越して、細菌を死滅させると考えられている。
高分子に抗菌性機能分子を結合させた抗菌性高分子としては、第4級アンモニウム塩が結合したポリスチレン(特許文献1:特開昭61−246205号公報;特許文献2:特開2003−55108号公報)、第4級アンモニウム塩が結合したポリアクリレート(特許文献3:特開平6−9725号公報)などが報告されている。
これらの高分子はすべてリニアーな高分子であり、溶剤への溶解性や他のポリマーに対する相溶性が不十分となる場合があった。
そのため固定した基材から剥離する等の問題が生じことがあり、加工性のさらなる向上が望まれている。
以上述べたように、加工性に優れ、かつ優れた抗菌又は殺菌作用を有する高分子材料の開発が望まれている。
特開昭61−246205号公報 特開2003−55108号公報 特開平6−9725号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、加工性に優れ、かつ優れた抗菌又は殺菌作用を有する高分子材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、溶剤等への溶解性に優れる微粒子状高分子であるハイパーブランチポリマーに陽イオン性官能基を含有させることで、優れた抗菌又は殺菌性高分子材料(すなわち抗菌又は殺菌剤)となり得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]4級ピリジニウム塩からなる部分を有するハイパーブランチポリマーからなる抗菌又は殺菌剤、
[2]前記ハイパーブランチポリマーが、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記[1]記載の抗菌又は殺菌剤、
Figure 0005558756
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、
2は水素原子、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至3
0の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、4−ニトロスチリル基、又は式(2a)、式(2b)又は式(2c)
Figure 0005558756
(式(2a)、式(2b)又は式(2c)中、R7はエーテル結合又はエステル結合を含
む、炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R8乃至R11は夫々独立して、水素原子又は、エーテル結合又はエステル結合を含んでい
てもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を表し、
-は塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、4−MePhSO3 -又はR12SO4 -を表す。(前記式中Phはフェニル
基、Meはメチル基、R12は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表す。))
で表される構造を表し、
3乃至R6は夫々独立して、水素原子又は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を表し、又は
3又はR5は前記式(2a)、式(2b)又は式(2c)で表される構造を表し、
-は塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、4−MePhSO3 -又はR12SO4 -を表し(前記式中Phはフェニル基
、Meはメチル基、R12は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル
基を表す。)、
1は式(3)
Figure 0005558756
(式(3)中、A2はエーテル結合又はエステル結合を含んでいても良い炭素原子数1乃
至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキレン基を表し、
1乃至Z4は、夫々独立して、水素原子、炭素原子数1乃至20のアルキル基、炭素原子数1乃至20のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基又はシアノ基を表す。)で表される構造を表し、
nは繰り返し単位構造の数であって2乃至100,000の整数を表す。〕
[3]前記A1が、式(4)で表される構造であることを特徴とする前記[2]記載の抗
菌又は殺菌剤、
Figure 0005558756
[4]前記X-及び前記Y-が、夫々独立して、塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンである、前記[2]又は[3]記載の抗菌又は殺菌剤、
[5]前記X-及び前記Y-の何れか一方が塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンであり、他方がPhSO3 -又は4−MePhSO3 -であることを特徴とする、前記[2]又は[3]記載の抗菌又は殺菌剤、
[6]前記R7がエーテル結合を含む炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状
のアルキル基である、前記[2]乃至[5]のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤、[7]前記R7が炭素原子数1乃至10のアルコキシ基で置換された直鎖状、分枝鎖状又
は環状の炭素原子数1乃至10のアルキル基である、前記[6]に記載の抗菌又は殺菌剤、
[8]前記R7が炭素原子数1乃至10の分枝鎖状アルコキシ基で置換された炭素原子数
1乃至10のアルキル基であって、該分枝鎖状アルコキシ基が酸素原子に結合する炭素原子において枝分かれしているアルキル基である、前記[7]記載の抗菌又は殺菌剤、
[9]前記R7が2−メトキシエチル基又は2−イソプロポキシエチル基である、前記[
7]記載の抗菌又は殺菌剤、
[10]前記R7が2−メトキシエチル基又は2−イソプロポキシエチル基であり、前記
-が臭素イオンであり、前記Y-が4−MePhSO3 -であることを特徴とする、前記[99]記載の抗菌又は殺菌剤、
[11]前記R2がメチル基であることを特徴とする、前記[2]乃至[5]のうち何れ
か一項に記載の抗菌又は殺菌剤、
[12]前記ハイパーブランチポリマーのゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量が、500乃至5,000,000であることを特徴とする、前記[2]乃至[11]のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤、
[13]前記ハイパーブランチポリマーの平均粒径が、1nm乃至100nmであることを特徴とする前記[1]に記載の抗菌又は殺菌剤、
[14]前記[1]乃至[13]のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤がその表面に
被覆されるか又はその内部に混練されてなる基材、
[15]前記基材が、木、紙、金属、繊維材料、合成樹脂又はセラミックスであることを特徴とする[14]に記載の基材、
[16]前記[1]乃至[13]のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤が、他の成分又は材料と組み合わせ又は併用されて、溶液、粘凋液、ゲル、スプレー又はカプセルの形態にあることを特徴とする抗菌又は殺菌剤製品、
[17]前記[1]乃至[13]のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤を含む薄膜、[18]前記[17]に記載の薄膜を少なくとも1層有する基板又は支持体、
を提供する。
本発明は、立体構造を有する微粒型のハイパーブランチポリマーに抗菌又は殺菌性機能を有する陽イオン性官能基を結合させることによって新しい抗菌又は殺菌性高分子材料(すなわち抗菌又は殺菌剤)を提供するものである。
特に4級ピリジニウム塩からなる部分を有するハイパーブランチポリマーは優れた抗菌又は殺菌作用を有する。
本発明の抗菌又は殺菌剤は、ハイパーブランチポリマーの末端が4級ピリジニウム塩からなる部分を有することで、ハイパーブランチポリマー1分子に多数の4級ピリジニウム塩からなる部分が立体的に配位する微粒子構造をもつこととなり、優れた抗菌又は殺菌作用を発現する。
また、本発明の抗菌又は殺菌剤は、繊維材料や建材、生活用品などに固定化することができ、さらに水溶液や有機溶剤やゲルなどと混合して成膜できる等の特性を有するため、多方面の用途に適用することができる。
このように基材への固定化や薄膜化が可能なため、本発明の抗菌又は殺菌剤は、加工性に優れ、広い抗菌製品への応用が可能となる。
例えば、おむつ、生理用品、血液吸収剤、創傷被覆材、その他外用基材などの人体や動物に適用される衛生用品又は医療用品、衣類、寝具、じゅうたん、カーテンなどの繊維への処理、台所や各種食品の加工又は貯蔵などのための用具や装置の表面処理、土木シーリング材などの園芸用品、農業用品又は建築材の処理、加工、船や飛行機、宇宙用材その他の抗菌作用が求められる物、あらゆる箇所に適用することができる。
本発明の抗菌又は殺菌剤は、ハイパーブランチポリマーを用いており、ハイパーブランチポリマーは柔軟な粒子状の高分子として知られている。そのため、基材上にハイパーブランチポリマーを用いて薄膜を形成した場合、直鎖状高分子を用いて形成した薄膜に比べて、その表面積が大きくなる。それにより、ハイパーブランチポリマーを用いて固定化した方が、直鎖状高分子を表面上に固定化するより、より緻密に基材表面に固定化することができる。この効果により、ハイパーブランチポリマーを用いることにより、効果の高い抗菌材料を作製することができる。
また、このような抗菌性ハイパーブランチポリマーは疎水性部と親水性部を持ち、かつ、柔軟な粒子であるため、細菌を近づけさせるようその形態を自由に変えることで、菌の増殖を抑制することができる。
光触媒の防汚効果や防菌効果などは、酸化チタンの親水性作用により示すことは良く知られている。他方、フッ素は疎水性に表面改質して抗菌作用を示すことも知られている。ハイパーブランチポリマーはその薄膜形成作用により、表面を改質でき、さらに、末端官能基の種類や組み合わせによって、親水性・疎水性のバランスをコントロールできることから、多彩な特性をもつ抗菌材料となることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る抗菌又は殺菌剤は、抗菌又は殺菌性を示す官能基を含有するハイパーブランチポリマーからなるものである。
抗菌又は殺菌性を示す官能基としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩、ピリジン化合物、有機ハロゲン化合物、チアゾリン化合物、フェノール類、イミダゾリウム塩、クロロフェノール化合物、ピリジンチオールオキシド塩、ニトロ基含有モルホリン化合物、塩化トリアジン化合物等を含有する官能基が挙げられる。
これらのなかでも、陽イオン性を有する官能基が好適に用いられ、本発明に用いられるハイパーブランチポリマーは、4級ピリジニウム塩からなる部分を有する化合物である。
本発明に係る抗菌又は殺菌剤は、ハイパーブランチポリマーを用いている点に特徴がある。
ハイパーブランチポリマーと同様にデンドリック(樹枝状)な構造を有する高分子であるデンドリマーに対するハイパーブランチポリマーの利点は、その合成の簡便さが挙げられる。特に工業的生産においては有利である。一般にデンドリマーが保護−脱保護を繰り返し合成されるのに対し、ハイパーブランチポリマーは1分子中に二種類の置換基を合計3個以上持つ、いわゆるABX型モノマーの1段階重合により合成される。
ハイパーブランチポリマーのデンドリマーに対する特性の違いとして、不規則な枝分かれ及び分子量分布を有する点が挙げられる。ハイパーブランチポリマーは、線状及び完全に枝分かれした繰り返し単位の混合物を有し、それに対してデンドリマーは、線状の繰り返し単位も有さずに、規則的に枝分かれした繰り返し単位を有する。また、ハイパーブランチポリマーは分子量分布を有し、それに対してデンドリマーは、単一の分子量を有する。
ハイパーブランチポリマーとデンドリマーとのこれらの差異は、球状のデンドリマーと比較してハイパーブランチポリマーの構造にランダム性及び不規則性があるということである。
デンドリマーを堅いポリマーとするとハイパーブランチポリマーは柔らかいポリマーと表現できる。
本発明で用いられるハイパーブランチポリマーとしては、特に限定されるものではないが、4級ピリジニウム塩からなる部分を含有するハイパーブランチポリマーが好ましい。
さらにハイパーブランチポリマーの構造としては、特に限定されるものではないが、本発明においては、前記式(1)で示されるものが好適に用いられる。
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は水素原子、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、4−ニトロスチリル基を表すか又は前記式(2a)、式(2b)又は式(2c)で表される構造を表す。R3乃至R6は夫々独立して、水素原子又は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を表し、又は、R3又はR5は前記式(2a)、式(2b)又は式(2c)で表される構造を表す。
-は塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、4−MePhSO3 -又はR12SO4 -を表す(前記式中Phはフェニル
基、Meはメチル基、R12は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。
nは繰り返し単位構造の数であって、2乃至100,000の整数を表す。
また、A1は前記式(3)で表される構造を表す。
式(2a)、式(2b)又は式(2c)中、R7はエーテル結合又はエステル結合を含
む炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。
8乃至R11は夫々独立して、水素原子又は、エーテル結合又はエステル結合を含んで
いてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を表す。
そしてY-は塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、C
3COO-、PhSO3 -、4−MePhSO3 -又はR12SO4 -を表す(前記式中Phはフェニル基、Meはメチル基、R12は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。
式(3)中、A2はエーテル結合又はエステル結合を含んでいても良い炭素原子数1乃
至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキレン基を表す。
1乃至Z4は、夫々独立して、水素原子、炭素原子数1乃至20のアルキル基、炭素原子数1乃至20のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基又はシアノ基を表す。
前記式(1)中のR2乃至R6、式(2a)、式(2b)又は式(2c)中のR8乃至R11、式(3)中のA2における直鎖状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、ノルマルヘキシル基等が挙げられる。また、前記分枝鎖状アルキル基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、2−メチルプロピル基等が挙げられる。
さらに、前記環状アルキル基としては、炭素原子数3乃至30の単環式、多環式、架橋環式の環状構造の脂環式脂肪族基が挙げられる。具体的には、炭素原子数4以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ、ペンタシクロ構造等を有する基を挙げることができる。
前記式(2a)、式(2b)又は式(2c)中のR7においてエーテル結合又はエステ
ル結合を含む、炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基とは、例えば、前記段落[0019]で述べた直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基中にエーテル結合又はエステル結合を含む基を挙げることができる。
より好ましくは、R7はエーテル結合を含む炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状
又は環状のアルキル基である。特に得られる化合物の吸湿性、潮解性のなさを考慮すると、特に好ましくは炭素原子数1乃至10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1乃至10のアルキル基、最も好ましくは炭素原子数1乃至10の分枝鎖状アルコキシ基で置換された炭素原子数1乃至10のアルキル基であって、該分枝鎖状アルコキシ基が酸素原子に結合する炭素原子において枝分かれしているアルキル基である。
具体的には、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、イソプロポキシメチル基、2−イソプロポキシエチル基、sec−ブトキシメチル基、2−sec−ブトキシエチル基、シクロヘキソキシメチル基、1−シクロヘキソキシエチル基、シクロペントキシメチル基、1−シクロペントキシエチル基等が挙げられ、好ましくは2−メトキシエチル基及び2−イソプロポキシエチル基であり、特に好ましくは2−イソプロポキシエチル基である。
また前記式(2a)、式(2b)又は式(2c)中のR7における炭素原子数1乃至3
0のヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基等、アルケニル基の例としてはビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基及びシンナミル基等、アルキニル基の例としてはエチニル基、1−プロピニル基及び1−ブチニル基等、そしてアラルキル基の例としてはベンジル基及び2−フェニルエチル基等が挙げられる。
さらにアリール基の例としてはフェニル基、ビフェニル骨格、ターフェニル基およびナフチル基等、複素環基の例としてはピリジル基及びピペリジニル基等が挙げられる。
前記式(1)中のX-または式(2a)、式(2b)又は式(2c)中のY-は、溶媒への溶解性を考慮すると、夫々独立して、塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンである
ことが好ましい。
或いは、前記X-または式(2a)、式(2b)又は式(2c)中のY-は、何れか一方が塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンであり、他方がPhSO3 -又は4−MePhSO3 -であることが好ましく、特に、前記X-が臭素イオンであり、前記Y-が4−MePhSO3 -であることが最も好ましい。
また前記式(3)中のZ1乃至Z4における炭素原子数1乃至20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基及びノルマルペンチル基等が挙げられる。
また、炭素原子数1乃至20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロヘキソキシ基及びノルマルペントキシ基等が挙げられる。
上記のZ1乃至Z4において、特に水素原子又は炭素原子数1乃至20のアルキル基であることが好ましい。
本発明に用いられるハイパーブランチポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwが500乃至5,000,000であり、好ましくは1,000乃至1,000,000であり、より好ましくは2,000乃至500,000であり、最も好ましくは3,000乃至100,000である。また、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)としては1.0乃至7.0であり、好ましくは1.1乃至6.0であり、より好ましくは1.2乃至5.0である。
本発明に用いられるハイパーブランチポリマーの平均粒径は、特に限定されないが、1nm乃至100nmであることが好ましい。
また、本発明は、前記抗菌又は殺菌剤がその表面に被覆されるか又はその内部に混練されてなる基材も提供する。
前記基材としては、例えば、木、紙、金属、繊維材料、合成樹脂、セラミックス等が挙げられる。
前記抗菌又は殺菌剤がその表面に被覆されるか又はその内部に混練されてなる基材は、本発明の抗菌又は殺菌剤を0.01乃至100質量%濃度になるように溶解した溶液を、前記基材表面に吹きつけ、コーティング、又は蒸着する方法や該溶液に該基材を浸漬させる方法等で該基材表面に該溶液を塗布した後、室温下乃至は加温下にて乾燥させることにより作製することができる。また、本発明の抗菌又は殺菌剤を該基材内部に混練することでも作製することができる。
また、本発明は、前記抗菌又は殺菌剤が、他の成分又は材料と組み合わせ又は併用されて、溶液、粘凋液、ゲル、スプレー、カプセル等に添加、混合された形態にある抗菌又は殺菌剤製品も提供する。
溶液としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、エタノール、メタノール等の単独溶媒あるいは、これらの混合溶剤が用いられ、なかでもエタノール、メタノールが好ましい。
ゲル及び粘張液としては、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールなどの各種合成高分子、セルロース、アルギン酸、キサンタンガム、カラギナン、グァーガム、ペクチン、キトサン、ガードラン、コラーゲン、ゼラチンなどの各種天然高分子、その他の超分子などが挙げられる。
また、本発明は、前記抗菌又は殺菌剤を含有する薄膜も提供する。
該薄膜は、本発明の抗菌又は殺菌剤を0.01乃至100質量%濃度になるように溶解した溶液を基材上に塗布し、溶媒を蒸発させることで基材上に抗菌又は殺菌性の薄膜を形
成させることができる。
塗布方法としては、特に限定されるものではなく、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法等が挙げられる。
溶媒の蒸発法としては、特に限定されるものではなく、室温下乃至は加温下にて乾燥させればよい。
前記薄膜を形成させる基材としては、基板及び支持体が挙げられる。
前記基板及び支持体としては、ガラス又はプラスチックが用いられる。プラスチックは、フィルム状のものを用いてもよい。使用されるプラスチックとしては、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリノルボルネン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられるハイパーブランチポリマーの製造方法について説明する。
例えば、前記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、下記式(5)で表されるジチオカルバメート基を分子末端に有するハイパーブランチポリマーをハロゲン化した後、4級ピリジニウム塩含有化合物を反応させることによって製造することができる。
下記式(5)で表されるジチオカルバメート基を分子末端に有するハイパーブランチポリマーは、国際公開第2006/093050号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
Figure 0005558756
(式中、R1及びA1は前記式(1)に記載の定義と同義であり、R12及びR13は、それぞれ独立して、炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のヒドロキシルアルキル基又は炭素原子数7乃至12のアリールアルキル基を表すか、又はR12及びR13は互いに結合し、それらと結合する窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
ハロゲン化の方法は、ジチオカルバメート基をハロゲン原子に変換することができる方法であれば、特に制限はない。本反応で使用できるハロゲン化剤としては、塩素、N−クロロコハク酸イミド、塩素化イソシアヌール酸、塩化スルフリル、tert−ブチルハイポクロリド、三塩化リン、五塩化リン、トリフェニルホスフィンジクロリド、塩化第二銅、五塩化アンチモン等の塩素化剤、臭素、N−ブロモコハク酸イミド、N−ブロモグルタルイミド、N,N',N''−トリブロモイソシアヌル酸、N,N'−ジブロモイソシアヌル酸ナトリウム、N,N'−ジブロモイソシアヌル酸カリウム、N,N'−ジブロモイソシアヌル酸、N−ブロモイソシアヌル酸ナトリウム、N,N'−ジブロモヒダントイン、N−
ブロモヒダントインカリウム、N,N'−ジブロモヒダントインナトリウム、N−ブロモ
−N'−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5'−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−5,5'−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−5,5'−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−5,5'−ジメチルヒダントインナトリウム、1−ブロモ−5,5'−ジメチルヒダントインカリウム、3−ブロモ−5,5'−ジメチルヒダントインナトリウム、
3−ブロモ−5,5'−ジメチルヒダントインカリウム等の臭素化剤、ヨウ素、N−ヨー
ドコハク酸イミド、ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸、ヨウ素酸等のヨウ素化剤を使用することができる。ハロゲン化剤の使用量は、ハイパーブランチポリマー内のジチオカルバメート基の数に対して1乃至20倍モル当量、好ましくは1.5乃至15倍モル当量、より好ましくは2乃至10倍モル当量であればよい。置換反応の条件としては、反応時間0.01乃至100時間、反応温度0乃至300℃から、適宜選択される。好ましくは反応時間0.1乃至10時間、反応温度20乃至150℃である。
分子末端のジチオカルバメート基をハロゲン原子に置換する反応は、水又は有機溶剤中で行なうことが好ましい。使用する溶剤は、前記のジチオカルバメート基を有するハイパーブランチポリマーとハロゲン化剤とを溶解可能なものが好ましい。また、該溶剤がジチオカルバメート基を有するハイパーブランチポリマーを製造する際に使用する溶剤と同じものであると、反応操作も簡便になり好ましい。
ハロゲン化の方法としては、有機溶剤溶液中、臭素等のハロゲン化剤を使用して、加熱還流することによって行なう反応が好ましい。有機溶剤としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く、酢酸等の有機酸系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、オルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ノルマルヘプタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が使用できる。これらの溶剤は一種を用いてもよいし、二種またはそれ以上を混合して用いてもよい。また、ジチオカルバメート基を分子末端に有するハイパーブランチポリマーの質量に対して0.2乃至1,000倍質量、好ましくは1乃至500倍質量、より好ましくは5乃至100倍質量、最も好ましくは10乃至50倍質量の有機溶剤を使用することが好ましい。また、この反応では反応開始前には反応系内の酸素を十分に除去する必要があり、窒素、アルゴン等の不活性気体で系内を置換するとよい。反応条件としては、反応時間0.01乃至100時間、反応温度0乃至200℃から、適宜選択される。好ましくは反応時間0.1乃至5時間、反応温度20乃至150℃である。
反応後は系内に残存するハロゲン化剤を分解処理することが望ましいが、その際、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の還元剤の水溶液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ水溶液を用いることが出来る。また、エチレン、プロピレン、ブテン、シクロヘキセン等の不飽和結合を含む化合物と反応させてもよい。使用量は用いたハロゲン化剤に対して、0.1乃至50当量、好ましくは、0.5乃至10当量、より好ましくは1乃至3当量であれば良い。上述のような反応によって得られた分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマーは、反応溶液中から溶剤留去又は固液分離により溶剤と分離することができる。また、反応溶液を貧溶剤中へ加えることにより分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマーを沈殿させ、粉末として回収することもできる。
なお、分子末端にハロゲン原子を含有するハイパーブランチポリマーは、分子末端の一部がジチオカルバメート基として残存していてもよい。
前記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマーに、4級ピリジニウム塩含有化合物を反応させることによって得ることができる。
本反応で使用できる前記4級ピリジニウム塩含有化合物としては、例えばピリジン及びその誘導体、ビオロゲン及びその誘導体等からなる塩が挙げられ、前記塩としては、例えば、ハロゲン化物塩(塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩等)、過ハロゲン酸塩(過塩素酸
塩、過臭素酸塩、過ヨウ素酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)、無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、四フッ化ホウ酸塩、六フッ化リン酸塩、酢酸塩等)等が挙げられる。中でも好ましくは塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、過塩素酸塩、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、スルホン酸塩、四フッ化ホウ酸塩、六フッ化リン酸塩等が挙げられ、最も好ましくは、塩化物塩、臭化物塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、スルホン酸塩、四フッ化ホウ酸塩である。
特に好ましい化合物として、例えば、4,4'−ビピリジニウム誘導体、2,2',6,6'−テトラメチル−4,4'−ビピリジニウム誘導体、4−シアノピリジニウム誘導体、4−トリフルオロメチルピリジニウム誘導体、4−ニトロスチリルピリジニウム誘導体等の上記塩類を挙げることができる。
また下記一般式で表される化合物等も好適な化合物として挙げることができる。
Figure 0005558756
上記式中、Pはビピリジニウム基の窒素原子に対して4位又は2位で結合したチオフェニル基、フリル基、ビチオフェニル基、ターチオフェニル基、フルオレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、ビニル基又は単結合を表し、Ra及びRbはそれぞれ独立してアルキル基、ポリ(テトラメチレンオキシ)基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基又は複素環基を表し、Q-は塩素イオン、臭素イオン
、ヨウ素イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、4−MePhSO3 -又はR12SO4 -を表す(前記式中Phはフェニル基、Meはメチル基、R12は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。
前記分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマーと前記4級ピリジニウム塩含有化合物との反応は、有機溶剤中で、対応する塩基の存在下で行うことができる。対応する塩基の量は、前記分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマー中のハロゲン原子の1モル当量に対して0.1乃至20倍モル当量、好ましくは0.5乃至10倍モル当量、より好ましくは1乃至5倍モル当量で使用される。
使用する溶剤は、前記4級ピリジニウム塩含有化合物と前記分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマーを溶解可能なものであればよく、さらに、反応後の高分子化合物を溶解しない溶剤であればより好ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、オルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ノルマルヘプタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、N,N'−ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系化合物、ジメチルスルホキシド等が使用できる。これらの溶剤は一種を用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、使用量は、前記分子末端にハロゲン原子を有するハイパーブランチポリマーの質量に対して0.2乃至1,000倍質量、好ましくは1乃至500倍質量、より好ましくは5乃至100倍質量、最も好ましくは10乃至50倍質量の有機溶剤を使用することが好ましい。
また、この反応では反応開始前には反応系内の酸素を十分に除去する必要があり、窒素
、アルゴン等の不活性気体で系内を置換するとよい。
反応条件としては、反応温度0乃至300℃、反応時間0.01乃至100時間から適宜選択される。好ましくは反応温度20乃至150℃、反応時間0.1乃至10時間である。
上述のような反応方法によって得られた式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、反応溶液中から溶剤留去又は固液分離により溶剤と分離することができる。また、反応溶液を貧溶剤中へ加えることによりハイパーブランチポリマーを沈殿させ、粉末として回収することもできる。
なお、式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、分子末端の一部がハロゲン原子として残存していてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下の実施例において、試料の物性測定には下記の装置を使用した。
(1)液体クロマトグラフィー
装置:Agilent製 1100Series
カラム:Inertsil ODS−2
カラム温度:40℃
溶媒:アセトニトリル/水=60/40(体積比)
検出器:RI
(2)ゲル浸透クロマトグラフィー
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:Shodex KF−805L+KF−804L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:RI
(3)FT−IR
装置:ニコレー・ジャパン(株)製 NEXUS670
(4)熱重量分析
装置:(株)リガク製 TG8120
昇温速度:10℃/分
空気量:60ml/分
(5)融点分析
装置:(株)リガク製 DSC8230
昇温速度:2℃/分
窒素量:60ml/分
(6)元素分析(炭素、水素、窒素)
装置:パーキンエルマー製 PE2400II
燃焼管温度:975℃
(7)元素分析(硫黄)
前処理装置:(株)ダイアンインスツルメンツ製 自動試料燃焼装置 AQF−100型
燃焼管温度:1000℃
分析装置:日本ダイオネクス(株)製 ICS−1500
カラム:Dionex AS12A
溶離液:炭酸ナトリウム2.7mM − 炭酸水素ナトリウム0.3mM
(8)元素分析(ナトリウム)
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 Vista−Pro
参考例1:ジチオカルバメート基を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの合成
300mlの反応フラスコに、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレン108g及びトルエン72gを仕込み、撹拌して淡黄色透明溶液を調製した後、反応系内を窒素置換した。この溶液の真ん中から100Wの高圧水銀灯[セン特殊光源(株)製、HL−100]を点灯し、内部照射による光重合反応を、撹拌下、温度30℃で12時間行なった。次に、この反応液をメタノール3,000gに添加してポリマーを高粘度な塊状状態で再沈した後、上澄み液をデカンテーションで除いた。さらにこのポリマーをテトラヒドロフラン300gに再溶解した後、この溶液をメタノール3,000gに添加してポリマーをスラリー状態で再沈した。このスラリーを濾過し、真空乾燥して、白色粉末の下記式(6)で表されるハイパーブランチポリマー48gを得た。ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは20,900、分散度Mw/Mnは4.9であった。元素分析は、炭素64.6質量%、水素7.4質量%、窒素5.0質量%及び硫黄25.3質量%であった。
Figure 0005558756
参考例2:ハロゲン原子を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの合成
還流塔を付した300mLの反応フラスコに、参考例1で合成した式(6)で表されるハイパーブランチポリマー10g及びクロロホルム50gを仕込み、反応系内を窒素置換した。これに、臭素[純正化学(株)社製]16.0gをクロロホルム50gに溶解させたものを滴下して加え、3時間還流を行った。温度30℃まで冷却後、生成した橙色沈殿を濾別した。
飽和食塩水及び20質量%チオ硫酸ナトリウムを加えて、有機相を洗浄した。この溶液をメタノール500gに滴下して再沈を行った。得られた黄色粉末を再度クロロホルム40gに溶解し、500gのメタノールに滴下し、再沈を行い、得られた無色粉末を乾燥して、下記式(7)で表されるハイパーブランチポリマー4.6gを得た。ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,600、分散度Mw/Mnは2.2であった。元素分析は、炭素50.2質量%、水素3.8質量%、窒素1.0質量%未満及び臭素33.2質量%であった。
Figure 0005558756
参考例3:4−メチルピリジニウム基を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの合成
反応フラスコに、参考例2で合成した式(7)で表されるハイパーブランチポリマー200mg(1.01mmolユニット)と、4−メチルピリジン140mg(1.50mmol)及びクロロホルム100mlを仕込んだ。系内を窒素置換し、温度60℃で24時間、還流撹拌した。室温まで冷却後、析出した固体をろ過した。ろ物をクロロホルムで洗浄した後、乾燥し、下記式(8)で表されるハイパーブランチポリマー283mg(黄色粉末、収率97%)を得た。4−メチルピリジンの導入率は、1H−NMR測定より1
00%であった。
Figure 0005558756
参考例4:ビピリジニル基を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの合成
Figure 0005558756
<2−イソプロポキシエチル p−トシレートの合成>
反応器にテトラヒドロフラン(THF)70mL、2.6M−NaOH水溶液50mL、2−(1−メチルエトキシ)エタノール10.468g(101mmol)を加え、0℃で撹拌した。
70mLのTHFに溶解させたp−トシルクロリド20.825g(109mmol、1.1eq)を反応器にゆっくり滴下し、滴下後、室温に戻して終夜撹拌した。希硫酸で溶液を酸性にした後、ジエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で3回洗浄後、有機相を硫
酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。ろ液を濃縮、シリカゲルカラム(溶媒:ヘキサン→クロロホルム)で精製して無色の液体2−イソプロポキシエチル p−トシレート16.059g(62.2mmol)を得た(収率:62%)。
<1−(2−イソプロポキシエチル)−[4,4']ビピリジニル−1−イウム p−ト
シレートの合成>
窒素雰囲気下、反応器に4,4'−ビピリジル 1.594g(10.2mmol)、
2−イソプロポキシエチル p−トシレート 3.988g(15.4mmol)、N,N'−ジメチルホルムアミド 60mLを加え、室温で30分間撹拌後、続けて60℃で
終夜還流した。
室温に戻した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラム(溶媒 アセトン→メタノール:アセトン=1:1)で精製して粘性の高い黄色の液体1−(2−イソプロポキシエチル)−[4,4']ビピリジニル−1−イウム p−トシレート 2.132g(5.14mm
ol)を得た(収率:51%)。
<ビピリジニル基を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの合成>
窒素雰囲気下、反応器に参考例2で合成した式(7)で表されるハイパーブランチポリマー196mg(0.984mmolユニット)、1−(2−イソプロポキシエチル)−[4,4']ビピリジニル−1−イウム p−トシレート619mg(1.49mmol
、1.5eq)、クロロホルム80mLを加え、室温で30分間撹拌後、続けて60℃で終夜還流した。
室温に戻した後、溶媒を留去し、アセトンで洗浄して黄色固体の下記式(9)で表されるハイパーブランチポリマー459mgを得た。1−(2−イソプロポキシエチル)−[4,4']ビピリジニル−1−イウム基の導入率は、1H−NMR測定より85%であった。
Figure 0005558756
参考例5:ベンジルブロマイドの4−メチルピリジニウム塩の合成
以下の文献に記載されている方法に順じて、下記式(10)で表されるベンジルブロマイドの4−メチルピリジニウム塩を合成した。
非特許文献:Can.J.Chem.,53,2162(1975)
Figure 0005558756
実施例1:4−メチルピリジニウム基を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの抗菌活性
2%グルコース[0.1Mリン酸緩衝液(リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、PH=5)100mLにD(+)−グルコース2gを溶解する]および4%アセテート[0.1Mリン酸緩衝液(リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、pH=5)100mLに酢酸ナトリウム三水和物 4gを溶解する]を含むComplete Supplement Mixture(CSM)培地〔イーストニトロジェンベース 0.85g、W/O アミノ酸―硫酸アンモニウム[DIFCO社製]、CSM 0.31g[BIO 101社製]を、0.1Mリン酸緩衝液(リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、PH=5)1Lに溶解する、pH=7〕10mlを用いて、30℃で3日間前培養した菌液をCSM培地で希釈して菌液を調製した。菌数は、倒立顕微鏡LH50A[オリンパス(株)製、×100−400]下に計測した。
次いで、96穴マイクロプレート[コーニング社製、ポリスチレン]に、参考例3で得られた4−メチルピリジニウム基を有するハイパーブランチポリマーを20μL(最終濃度10μg/mL)添加後、同プレートに希釈した菌液を180μLずつ添加して、25℃で4日間静置培養を行った。各菌の増殖の程度(抗菌活性)は達観判定(90%抑制以上で効果有り)を行った。
試験に供試した菌として、グラム陽性菌の枯草菌Bacillus subtilis(BS)(PCI
−219)(7.4×104個/mL)、グラム陰性菌の大腸菌Escherichia coli(IF
O−3972)(1.6×106個/mL)を用いた。
試験供試溶液は、参考例3で得られた4−メチルピリジニウム基を有するハイパーブランチポリマー1mgを、乳化剤2.5μL(ソルポール[東邦化学工業(株)製 3005XL]:アセトン:ジメチルスルホキシド(DMSO):キシレン=1:3:3:3)を含むアセトン100μLに溶解させた。これを水900μLに混合希釈して供試溶液(1000ppm 1mL)とした。
参考例3で得られた4−メチルピリジニウム基を有するハイパーブランチポリマー(最終濃度10μg/mLおよび100μg/mL)は、枯草菌、大腸菌に対して、抗菌作用を示した。
比較例1:ベンジルブロマイドの4−メチルピリジニウム塩の抗菌活性
実施例1において、参考例3で得られた4−メチルピリジニウム基を有するハイパーブランチポリマーを、参考例5で得られたベンジルブロマイドの4−メチルピリジニウム塩に変えたほかは、同様に行った。
参考例5で得られたベンジルブロマイドの4−メチルピリジニウム塩(最終濃度10μg/mLおよび100μg/mL)では、抗菌活性は認められなかった。
実施例2:ビピリジニル基を分子末端に有するスチレン系ハイパーブランチポリマーの抗菌活性
LB培地(Yeast 5g/L、トリプトン 10g/L、塩化ナトリウム5g/L
pH=7.0)20mlを用いて、30℃で1日間前培養した菌液をLB培地で希釈して菌液を調製した。菌数は、倒立顕微鏡LH50A[オリンパス(株)製、×100−400]下に計測した。
次いで、96穴マイクロプレート[コーニング社製、ポリスチレン]に、参考例4で得られたビピリジニル基を分子末端に有するハイパーブランチポリマーを20μL(最終濃度100μg/mL)添加後、同プレートに希釈した菌液を180μLずつ添加して、30℃で1日間静置培養を行った。各菌の増殖の程度(抗菌活性)は達観判定(90%抑制以上で効果有り)を行った。
試験に供試した菌として、グラム陰性菌の大腸菌Escherichia coli(IFO−3972)(8.7×105個/ml)を用いた。
試験供試溶液は、参考例4で得られたビピリジニル基を分子末端に有するハイパーブラ
ンチポリマー1mgを乳化剤2.5μL(ソルポール[東邦化学工業(株)製 3005XL]:アセトン:DMSO:キシレン=1:3:3:3)を含むアセトン100μLに
溶解させた。これを水900μLに混合希釈して供試溶液(1000ppm 1mL)とした。
参考例4で得られたビピリジニル基を分子末端に有するハイパーブランチポリマー(最終濃度100μg/mL)は、大腸菌に対して、抗菌作用を示した。

Claims (17)

  1. 4級ピリジニウム塩からなる部分を有するハイパーブランチポリマーからなる抗菌又は殺菌剤であって、
    前記ハイパーブランチポリマーが、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする、抗菌又は殺菌剤。
    Figure 0005558756
    〔式中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、
    2 は水素原子、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、4−ニトロスチリル基、又は式(2a)、式(2b)又は式(2c)
    Figure 0005558756
    (式(2a)、式(2b)又は式(2c)中、R 7 はエーテル結合又はエステル結合を含む、炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R 8 乃至R 11 は夫々独立して、水素原子又は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を表し、
    - は塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ClO 4 - 、BF 4 - 、PF 6 - 、CH 3 COO - 、PhSO 3 - 、4−MePhSO 3 - 又はR 12 SO 4 - を表す。(前記式中Phはフェニル基、Meはメチル基、R 12 は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表す。))
    で表される構造を表し、
    3 乃至R 6 は夫々独立して、水素原子又は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を表し、又は
    3 又はR 5 は前記式(2a)、式(2b)又は式(2c)で表される構造を表し、
    - は塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ClO 4 - 、BF 4 - 、PF 6 - 、CH 3 COO - 、PhSO 3 - 、4−MePhSO 3 - 又はR 12 SO 4 - を表し(前記式中Phはフェニル基、Meはメチル基、R 12 は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を表す。)、
    1 は式(3)
    Figure 0005558756
    (式(3)中、A 2 はエーテル結合又はエステル結合を含んでいても良い炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキレン基を表し、
    1 乃至Z 4 は、夫々独立して、水素原子、炭素原子数1乃至20のアルキル基、炭素原子数1乃至20のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基又はシアノ基を表す。)で表される構造を表し、
    nは繰り返し単位構造の数であって2乃至100,000の整数を表す。〕
  2. 前記A1が、式(4)で表される構造であることを特徴とする請求項記載の抗菌又は殺菌剤。
    Figure 0005558756
  3. 前記X-及び前記Y-が、夫々独立して、塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンである、請求項1又は請求項2記載の抗菌又は殺菌剤。
  4. 前記X-及び前記Y-の何れか一方が塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンであり、他方がPhSO3 -又は4−MePhSO3 -であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の抗菌又は殺菌剤。
  5. 前記R7がエーテル結合を含む炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基である、請求項乃至請求項のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤。
  6. 前記R7が炭素原子数1乃至10のアルコキシ基で置換された直鎖状、分枝鎖状又は環状
    の炭素原子数1乃至10のアルキル基である、請求項に記載の抗菌又は殺菌剤。
  7. 前記R7が炭素原子数1乃至10の分枝鎖状アルコキシ基で置換された炭素原子数1乃至10のアルキル基であって、該分枝鎖状アルコキシ基が酸素原子に結合する炭素原子において分枝しているアルキル基である、請求項記載の抗菌又は殺菌剤。
  8. 前記R7が2−メトキシエチル基又は2−イソプロポキシエチル基である、請求項記載の抗菌又は殺菌剤。
  9. 前記R7が2−メトキシエチル基又は2−イソプロポキシエチル基であり、前記X-が臭素イオンであり、前記Y-が4−MePhSO3 -であることを特徴とする、請求項記載の抗菌又は殺菌剤。
  10. 前記R2がメチル基であることを特徴とする、請求項乃至請求項のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤。
  11. 前記ハイパーブランチポリマーのゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量が、500乃至5,000,000であることを特徴とする、請求項乃至請求項10のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤。
  12. 前記ハイパーブランチポリマーの平均粒径が、1nm乃至100nmであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌又は殺菌剤。
  13. 請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤がその表面に被覆されるか又はその内部に混練されてなる基材。
  14. 前記基材が、木、紙、金属、繊維材料、合成樹脂又はセラミックスであることを特徴とする請求項13に記載の基材。
  15. 請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤が、他の成分又は材料と組み合わせ又は併用されて、溶液、粘凋液、ゲル、スプレー又はカプセルの形態にあることを特徴とする抗菌又は殺菌剤製品。
  16. 請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載の抗菌又は殺菌剤を含む薄膜。
  17. 請求項16に記載の薄膜を少なくとも1層有する基板又は支持体。
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