JP5558357B2 - スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法に関する。より詳しくは、不飽和二重結合、スルホン酸(塩)基及びエーテル結合を有するスルホン酸基含有エーテル化合物を製造する方法に関する。
不飽和二重結合、スルホン酸(塩)基及びエーテル結合を有するスルホン酸基含有エーテル化合物としては、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(以下、「HAPS」とも称する。)が代表的であるが、この製造方法としては、アリルアルコール1molとエピクロロヒドリン1molとを100℃で4時間反応せしめ、その後、亜硫酸ナトリウム1molを溶解した水を加えて、90℃で5時間反応させることにより製造する方法が知られている(非特許文献1)。また、特許文献1及び2には、HAPSは、アリルグリシジルエーテルに、亜硫酸水素ナトリウムを加え反応させて得ることができる旨が記載されている。更に、このようなHAPS等のスルホン酸基含有エーテル化合物とアクリル酸ナトリウムとを用いた重合体は、スケール防止剤や腐食防止剤等に好適に使用されることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−138115号公報(段落〔0080〕参照。) 特開平11−302341号公報(段落〔0023〕参照。) 特開2005−264190号公報
Journal of Applied Polymer Science Vol.79,21−28(2001)
上記のように、非特許文献1、特許文献1及び2等によってHAPSの製造方法が開示され、特許文献3等によってそれを用いた重合体の適用用途等が開示されているが、従来の製造方法では、HAPSの収率が低く、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン等の副生成物が多く生成すること等に起因し、HAPSをポリマー原料として使用した際に、HAPSの重合性が低くなったり、得られる重合体自体の性能が充分ではない等といった課題があった。不純物の多いスルホン酸基含有エーテル化合物の重合性は必ずしも良好とは言いがたく、スルホン酸基含有エーテル化合物を原料とする(共)重合体を製造するためには、残存単量体を低減するために過酷な条件で重合したり、重合開始剤を多量に使用したり、単量体の組成比率を制約したりする等といった方法を選択する必要があった。よって、高純度で重合性の良好なスルホン酸基含有エーテル化合物を簡便に製造するための工夫の余地があった。また、高純度で重合性の良好なスルホン酸基含有エーテル化合物を得るための工夫の余地もあった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、副生成物の生成を抑制し、高純度かつ良好な重合性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物を効率的に製造できる方法、及び、不純物の含有量が少なく、かつ良好なラジカル(共)重合性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(HAPS)に代表されるスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法について種々検討したところ、原料成分である亜硫酸化合物と、アリルグリシジルエーテル等の特定のエーテル化合物(一般式(1)で表される化合物)との反応において、亜硫酸化合物に対して、特定のエーテル化合物を添加して反応を行う形態とすると、副反応が抑制され、副生成物が少なく、かつ純度の高いスルホン酸基含有エーテル化合物を、高収率で、かつ容易に得ることができることを見いだした。また、反応系のpHを調整することによって、この効果が顕著となることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。更に、このような製造方法によって得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物は、不純物含量が極めて少なく、かつスルホン酸基含有エーテル化合物の純度が高いものであるため、重合性が非常に良好であり、重合体の原料として使用した場合に、スケール抑制能や洗浄性能に極めて優れた重合体を得ることができ、この重合体が水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等の用途に好適なものとなることを見いだし、本発明に到達したものである。
なお、本発明では、亜硫酸化合物に対して特定のエーテル化合物を添加して反応させる工程を必須とすることによって、副生成物が少なく、かつ純度の高いスルホン酸基含有エーテル化合物を高収率で簡便に得ることができるという効果を発揮できるが、このように原料の添加形態に着目して効果の発揮を可能にすることを見いだした点でも、本発明は重要な技術的意義を有する。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物とを反応させてスルホン酸基含有エーテル化合物を製造する方法であって、該製造方法は、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整する工程と、亜硫酸化合物が存在する反応器に下記一般式(1)で表される化合物を添加する工程とを含むスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法である。
Figure 0005558357
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。)
本発明はまた、下記一般式(2)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物であって、該組成物は、pH10以上であり、該組成物中の下記一般式(3)で表される化合物の割合は、下記一般式(2)で表される化合物100モル%に対し、10モル%未満であるスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物でもある。
Figure 0005558357
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X及びYは、同一若しくは異なって、水酸基又はスルホン酸(塩)基を表し、X及びYのうち少なくとも一方は、スルホン酸(塩)基を表す。)
以下に本発明を詳述する。
<スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法>
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物とを反応する方法である。なお、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物との反応を、単に「反応」とも称する。
上記一般式(1)で表される化合物において、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表すが、この中でも、CH基であることが好適である。すなわち、上記一般式(1)で表される化合物は、一般式(1)中のRがCH基である化合物であることが好ましい。RがCH基であれば、当該化合物を原料として得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を重合して得られる重合体において、スケール防止能をより向上することが可能になる。重合体のスケール防止能を更に向上する観点から、上記一般式(1)で表される化合物としては、(メタ)アリルグリシジルエーテルであることが特に好適である。
上記亜硫酸化合物としては、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及び、これらの塩が好適である。亜硫酸化合物は、酸として使用(すなわち亜硫酸等を使用)することもできるが、取り扱いの面から、また収率向上の観点からは、塩として添加することが好ましい。すなわち、上記亜硫酸化合物は塩であることが好ましく、より好ましくは、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜二チオン酸塩及びメタ重亜硫酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩である。中でも、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等の低級酸化物及びその塩等が好適である。経済的又は収率の向上の観点から、より好ましくは、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸塩であり、更に好ましくは、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムである。
なお、上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられ、より具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属の塩;アルミニウム塩、鉄塩等の塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン塩等が挙げられる。
上記製造方法は、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整する工程(以下、「pH調整工程」とも称す。)と、亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(1)で表される化合物を添加する工程(以下、「添加工程」とも称す。)とを含む。また、本発明の作用効果を損なわない限り、通常の製法で行われるような他の工程を更に含むものであってもよい。
上記pH調整工程は、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整することになるが、その際、反応系(反応器内を意味する。好ましくは反応器内の溶液を意味する。)には、亜硫酸化合物の水溶液とアルカリ性物質とが存在していることが好ましい。すなわち、アルカリ性物質と亜硫酸化合物の水溶液とを混合して、反応系のpHを調整することが好適である。このような調整方法としては、例えば、1)反応器にアルカリ性物質を添加した後に、亜硫酸化合物の水溶液を添加、混合して、pHを5.5以上に調整する方法、2)亜硫酸化合物の水溶液を添加した後に、アルカリ性物質を添加、混合して、pHを5.5以上に調整する方法、3)亜硫酸化合物の水溶液と、アルカリ性物質とを添加しながら混合して、pHを5.5以上に調整する方法等が挙げられ、いずれでも可能であるが、亜硫酸ガスの発生を抑制する効果が最も高い点において、上記1)の調整方法(反応釜にアルカリ性物質を添加した後に、亜硫酸化合物の水溶液を添加、混合して、pHを5.5以上に調整する方法)が最も好適である。なお、上記1)の調整方法においては、pHを5.5以上に調整するために必要なアルカリ性物質の一部のみを亜硫酸化合物の水溶液より先に添加して、その残りを亜硫酸化合物の水溶液の添加途中で添加することも可能であるが、アルカリ性物質の全量を先に添加することが好ましい。
上記pH調整工程で調整される反応系のpH値は、5.5以上が適当であるが、pHが5.5未満であると、得られるスルホン酸基含有エーテル化合物の収率が低下するおそれがある。この理由としては、充分に明らかにはなっていないが、次のように考えられる。すなわち本発明では、亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(1)で表される化合物を添加することとなるが、その際、pHが低いと亜硫酸ガスとして系外に排出され、得られるスルホン酸基含有エーテル化合物の収率が低下すると考えられる。pHが5.5以上であれば、亜硫酸ガスの発生を抑制する効果を発現する。pHは、5.7以上であることがより好ましく、6.0以上であることが更に好ましい。6.1以上であることが特に好ましい。pHの上限に関しては、特に限定されないが、pH14以下であることが好ましい。
上記pH調整工程に使用可能なアルカリ性物質としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;アミン類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記アルカリ性物質の使用量としては、反応系内のpHを5.5以上に調整できる量であればよく、例えば、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、0.1モル以上が好ましい。より好ましくは0.2モル以上、更に好ましくは0.3モル以上である。また、1モル以下が好ましく、より好ましくは0.8モル以下、更に好ましくは0.36モル以下である。
上記添加工程は、亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(1)で表される化合物を添加する工程である。なお、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物との両方が反応器に添加された時点を「上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物との反応開始時」(単に「反応開始時」とも称す。)と称し、反応開始時の前を「反応開始前」と称す。したがって、例えば、上記pH調整工程を行った後に上記添加工程を行う場合には、「反応開始前」に、上記pH調整工程が行われたことになる。
また「反応器」とは、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物とを反応させる反応器であり、槽型や管型の反応器が挙げられる。「亜硫酸化合物が存在する反応器に添加」とは、上記一般式(1)で表される化合物を反応器に添加する際に、反応器には亜硫酸化合物が存在していることを意味する。
上記亜硫酸化合物は、その全使用量のうち、一部又は全部を、反応開始前に反応器に添加(初期仕込み)しておくことが好適である。例えば、全使用量を100モル%とすると、その50モル%以上を初期仕込みしておくことが好適であり、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは100モル%(すなわち、全量を初期仕込みすること)である。また、初期仕込みする代わりに、反応の極初期(反応開始後の極初期)に、例えば、上記一般式(1)で表される化合物の全量100モル%中の50モル%を添加する前に、亜硫酸化合物の全使用量100モル%中の80モル%以上を添加することも好適であり、より好ましくは100モル%(全量)である。
上記亜硫酸化合物の使用量としては、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、化学量論量で0.9モル以上、1.3モル以下であることが好ましい。「化学量論量で」とは、例えば、亜硫酸化合物として亜硫酸水素ナトリウムを用いる場合であれば、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して1モルが反応するため、0.9モル以上、1.3モル以下が好ましく、メタ重亜硫酸のナトリウムであれば、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して1/2モルが反応するため、1/2モル量である、0.45モル以上、0.65モル以下が好ましいことを意味する。化学量論量で0.9モル未満であれば、未反応の上記一般式(1)で表される化合物が増加したり、副生成物が多く副生するおそれがある。また、1.3モルを超えると、亜硫酸化合物に由来する副生成物が多くなるおそれがある。上記亜硫酸化合物の使用量としてより好ましくは、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、化学量論量で0.95モル以上であり、更に好ましくは0.97以上である。また、化学量論量で1.2モル以下がより好ましく、更に好ましくは1.1モル以下である。
上記添加工程では、亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(1)で表される化合物を添加することになる。これによって、副反応が抑えられ、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率を向上させることができる。
上記一般式(1)で表される化合物は、その全使用量のうち、一部は初期仕込みしても構わないが、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率向上の観点からは、全使用量100モル%中の60モル%以上を反応開始以後に反応器に添加することが好ましい。より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは100モル%、すなわち全量を反応開始以後に反応器に添加することである。なお、「反応開始以後」とは、反応開始と同時又は反応開始後であることを意味する。
上記添加工程ではまた、上記一般式(1)で表される化合物を連続的に添加してもよいし、段階的に分割添加してもよい。また、上記一般式(1)で表される化合物をそのまま添加しても良いし、溶解又は分散可能な溶剤等に希釈して添加してもよい。溶剤を使用する場合は、上記一般式(1)の化合物が有するグリシジル基に対して不活性な溶剤を使用することが好適である。溶剤としては、上記一般式(1)を溶解する性能により、適宜選択される。なお、得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物(スルホン酸基含有エーテル化合物の他に、通常は反応溶媒、副生成物等を含む組成物)を後処理なく、様々な用途に使用できるようにする観点からは、溶剤はなるべく使用しないほうが好ましい。
上記添加工程の特に好ましい形態としては、亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(1)で表される化合物を「滴下」する形態である。また、添加速度(好ましくは滴下速度)は、1分間に、上記一般式(1)で表される化合物の全使用量100質量%のうち0.01〜10質量%の量が添加されるように設定することが好ましい。この範囲内とすることで、効率的かつ充分に上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物との反応を行うことができる。より好ましくは、1分間に、上記一般式(1)で表される化合物の全使用量100質量%のうち0.5〜5質量%の量が添加されるように設定することである。また、添加速度(好ましくは滴下速度)は、一定であってもよいし、途中で変化させてもよい。
上記製造方法においては、上記pH調整工程を行った後に上記添加工程を行うものであってもよいし、pH調整工程と上記添加工程とを同時に行うものであってもよいが、pH調整工程を行った後に上記添加工程を行う形態が好適である。
また上記製造方法の好ましい形態としては、例えば、下記形態A及びBが挙げられるが、中でも、形態Aが特に好適である。
形態A:反応器にアルカリ性物質及び亜硫酸化合物の全使用量のうちの一部又は全部を初期仕込みして、反応系(反応器内、好ましくは反応器内の溶液)のpHを5.5以上に調整した後に、上記一般式(1)で表される化合物を反応器に添加する形態。
形態B:反応器に亜硫酸化合物の全使用量のうちの一部又は全部を初期仕込みし、上記一般式(1)で表される化合物を反応器に添加中に、pHを5.5以上に調整する形態。
ここで、上記形態Bの場合は、上記一般式(1)で表される化合物の添加開始後、なるべく速やかにpHを5.5以上に調整することが好ましい。全反応時間に対して、pH5.5以上で反応させる時間を長くすると、亜硫酸ガスの発生や不純物の生成をより効率的に低減することが可能になる。例えば、全反応時間100%に対して、pH5.5以上で反応させる時間を90%以上にすることが好ましく、より好ましくは95%以上、更に好ましくは100%、すなわち、全反応時間においてpH5.5以上で反応させることが最も好ましい。
上記製造方法において、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物との反応は、空気雰囲気下で行ってもよいが、窒素等の不活性雰囲気下で反応させた方が着色が抑えられるため、好ましい。また、反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、特に限定されないが、少なくとも水を含む溶媒(水単独溶媒、又は、水と有機溶剤とを含む混合溶媒)が好ましい。より好ましくは、溶媒の総量100質量%中、水が50質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%、すなわち水単独溶媒である。また、反応時の固形分濃度(反応終了時の固形分濃度)は、20質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
上記反応はまた、反応温度30℃以上、80℃未満で行われることが好適である。80℃未満であれば、副生成物の生成を減少させることができ、また、30℃以上であれば、目的とするスルホン酸基含有エーテル化合物の収率が向上する傾向にある。より好ましくは、50℃以上75℃未満、更に好ましくは58℃以上68℃未満である。
なお、本発明の製造方法における全反応工程が、上記反応温度の範囲で行われることが最も好ましいが、全反応工程の時間100%中の30%以上の時間帯において、上記反応温度の範囲で反応が行われれば好ましい形態であり、50%以上であればより好ましい。
上記製造方法ではまた、上記添加工程(一般式(1)で表される化合物の添加工程)終了後に、更に、反応を続けてもよい(この反応を、「後反応工程」とも称する。)。これによって、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率が更に向上することになる。
なお、上記一般式(1)で表される化合物を添加することによって(すなわち、上記添加工程を開始することによって)、亜硫酸化合物と上記一般式(1)で表される化合物との反応が開始されることから、本明細書中の「全反応工程」とは、上記添加工程及び後反応工程を合わせたものを意味する。
上記製造方法により得られるスルホン酸基含有エーテル化合物は、下記一般式(2):
Figure 0005558357
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X及びYは、同一若しくは異なって、水酸基又はスルホン酸(塩)基を表し、X及びYのうち少なくとも一方は、スルホン酸(塩)基を表す。)で表される化合物である。
上記一般式(2)中、X及びYは、亜硫酸化合物に由来する基であり、その少なくとも一方が、スルホン酸(塩)基である。中でも、X及びYのうちいずれかがスルホン酸(塩)基であり、もう片方が水酸基であることが好適である。
なお、スルホン酸(塩)基とは、−SOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を意味する。金属原子としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム、鉄等が好ましく、また、有機アミン基としては、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が好ましい。上記スルホン酸(塩)基としてより好ましくは、スルホン酸基、スルホン酸リチウム基、スルホン酸カリウム基、スルホン酸ナトリウム基、スルホン酸アウモニウム基、又はスルホン酸の4級アミン基である。
上記一般式(2)中、R及びRは、原料たる上記一般式(1)で表される化合物におけるR及びRに依存するが、上述したように、上記一般式(1)で表される化合物は、RがCH基を表す化合物であることが好適であることから、上記一般式(2)で表される化合物もまた、RがCH基を表す化合物であることが好ましい。RがCH基であれば、当該スルホン酸基含有エーテル化合物を重合して得られる重合体においてスケール防止能を更に向上することが可能になる。
上記スルホン酸基含有エーテル化合物としてより好ましくは、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムである。
本発明の製造方法によって、不純物含量が少なく、かつ高純度のスルホン酸基含有エーテル化合物(上記一般式(2)で表される化合物)を効率的かつ容易に、しかも高収率で得ることができるが、このようにして得られたスルホン酸基含有エーテル化合物は、不純物含量が少なく、かつ高純度であることから、良好なラジカル(共)重合性を有するものとなる。したがって、重合体原料として使用した場合に、スケール防止能(スケール抑制能)に特に優れた重合体を得ることができ、例えば、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等の用途に特に好適なものとなる。このように、上記スルホン酸基含有エーテル化合物を含む単量体成分を重合して得られる重合体を含有する、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤又は洗浄剤もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
<スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物>
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、上記一般式()で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物を含むものであり、上記スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法により製造することができる。また、簡易な方法で製造できる点からも、上記スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法により製造することが好適である。このように、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が、上記製造方法により得られるものである形態は、本発明の好適な形態の1つである。この場合、上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、スルホン酸基含有エーテル化合物を必須として含有し、場合によって副生成物(例えば、上記一般式(3)で表される化合物等)や、水等の反応溶媒を含有するものである。また、上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、溶液の形態であることが好ましく、より好ましくは水溶液の形態である。水溶液の形態は、上記スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法において、反応溶媒として少なくとも水を含む溶媒を用いることによって得ることができる。
上記一般式(3)で表される化合物は、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物との反応で副生しやすい化合物であるが、上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の上記一般式(3)で表される化合物の含有割合は、上記一般式(2)で表される化合物100モル%に対し、10モル%未満であることが適当である。本発明では、上記スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法を採用することによって、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の副生成物としての上記一般式(3)で表される化合物の含有割合を充分に低減でき、上記スルホン酸基含有エーテル化合物の純度を高くすることができる。したがって、このようなスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を重合体原料として使用した場合に、スケール防止能(スケール抑制能)に特に優れた重合体を得ることが可能になる。このような重合体の性能面及びスルホン酸基含有エーテル化合物の重合性の観点から、上記一般式(3)で表される化合物の含有割合は10モル%未満であることが適当である。好ましくは5モル%未満であり、更に好ましくは3モル%未満である。
なお、上記一般式(2)で表される化合物100モル%に対する、上記一般式(3)で表される化合物の割合は、液体クロマトグラフィーによる分析で定量することができる。
上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物はまた、上記スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法によると、通常は、アルカリ性の溶液(好ましくはアルカリ性の水溶液)として得ることができる。したがって、上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物のpHは10.0以上であることが適当であり、好ましくはpH12.0以上、更に好ましくはpH12.5以上、特に好ましくはpH13.0以上である。本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、pHが10.0以上で得られることにより、水溶液として保管した場合であっても、重合性の経時変化が少ないスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物とすることができる。また、用途によって、反応中又は反応後に中和して、中性又は酸性のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物とすることも可能である。pHの上限に関しては、特に限定されないが、pH14以下であることが好ましい。
上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が水を含有する場合、該組成物100部(質量部)に対し、水の含有量を40部以上、99部以下とすることが好ましい。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、上述のような構成であるので、副生成物の生成を抑制し、高純度かつ良好な重合性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物を、効率的に、かつ高収率で製造することができる。また、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、不純物の含有量が少なく、かつ良好なラジカル(共)重合性を有するものであるので、重合体原料として使用した場合に、スケール防止能(スケール抑制能)に特に優れた重合体を得ることができる。したがって、このような重合体は、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等の用途に特に好適なものとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。但し、収率を表すときは、単に「%」を表す。
なお、残存モノマー量等の化合物の定量は、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。分析条件は以下の通りである。
<高速液体クロマトグラフィー>
日立製作所社製「L−7100型ポンプ」「L−7300型カラムオーブン」「L−7200型オートサンプラー」「L−7400型UV検出器(波長200nm)」を用い、以下の条件で定量した。
カラム:昭和電工社製「ShodexRSpak DE−413」
溶離液:0.1重量%リン酸水溶液
流量 :1ml/分
検量線:試薬3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム40%水溶液(アルドリッチケミカルカンパニー社製)、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン(和光純薬社製)を使用。上記試薬3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム40%水溶液は、pHの測定値が6.0であり、本液体クロマトグラフィーによる分析の結果、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対して、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンを11.9モル%含んでいた。
温度 :40℃
実施例1
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、窒素を導入しながら、脱イオン水0.81部、48%水酸化ナトリウム水溶液0.37部を仕込み、これに35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.60部を添加した。このときの反応液のpHは6.6であった。液温を63℃に昇温し、アリルグリシジルエーテル1.0部を120分かけて滴下した。その際、アリルグリシジルエーテル添加開始後約60分で、pHが急激に強アルカリ性に変化した。アリルグリシジルエーテルの滴下終了後、反応液の温度を63℃で30分間維持することにより反応を完結した(このようにして得た生成物を、「スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(1)」と称す。)。反応終了時のpHは13.9であった。
生成物であるスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(1)中、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物)の収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、94.9%であった。また、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムに対する3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンの割合(すなわち、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対する、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンの割合)は、3.9モル%であった。
比較例1
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、窒素を導入しながら、アリルグリシジルエーテル1部を仕込み、35質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.60部、脱イオン水1.18部を添加した。このときの反応液のpHは4.8であった。反応液の温度を90℃に昇温し、90℃で5時間反応させることにより反応を完結した。3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(スルホン酸基含有エーテル化合物)の収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、84.5%であった。また、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対する、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンの割合は、14.9モル%であった。
実施例2
還流冷却器、撹拌機を備えた容量SUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水328.5部を仕込み、撹拌しながら沸点で還流状態(以下、この状態を「沸点還流状態」と称す。)となるように昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と称す。)20.7部と、37%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下、「37%SA」と称す。)412.9部との混合水溶液(総質量433.6部)、実施例1で得られた3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」と称す。)82.0部、35%過酸化水素水溶液(以下、「35%HP」と称す。)28.7部(単量体成分中の単量体1モルに対して5部に相当)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」と称す。)41.5部(単量体成分中の単量体1モルに対して3.1部に相当)、脱イオン水96.6部を、それぞれ別個のノズルから滴下して、反応溶液とした。
なお、上記の各水溶液及び脱イオン水の滴下時間は、80%AAと37%SAとの混合水溶液を120分間とし、40%HAPSを90分間とし、35%HPを120分間とし、15%NaPS及び脱イオン水をそれぞれ140分間とした。また、各水溶液及び脱イオン水の滴下速度は一定とし、該各水溶液及び脱イオン水の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPS及び脱イオン水の滴下終了後、更に60分間、上記反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)し、重合反応を完結させた。重合後のHAPS残存量を測定したところ、320ppmであった。
上記実施例1と比較例1との比較から明らかなとおり、本発明の製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率を向上させることができる。また、実施例2によれば、本発明の製造方法により得られたスルホン酸基含有エーテル化合物は、重合後の残存スルホン酸基含有エーテル化合物が少ないことから、優れた重合性を有することが確認された。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物は、スルホン酸基含有エーテル化合物の純度が高く、重合原料とした場合に、スルホン酸基含有エーテル化合物が良好な重合性を発現する。また、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物を重合原料として用いた場合に、得られる重合体が特に水系用途において高い性能(特に、スケール抑制能や洗浄力)を発揮できる。したがって、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等に用いた場合に特に優れた性能を発揮できる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸化合物とを反応させてスルホン酸基含有エーテル化合物を製造する方法であって、
    該製造方法は、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整する工程と、亜硫酸化合物が存在する反応器に下記一般式(1)で表される化合物を添加する工程とを含むことを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法。
    Figure 0005558357
    (式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。)
  2. 下記一般式(2)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む、重合体原料用組成物であって、
    該組成物は、pH10以上であり、
    該組成物中の下記一般式(3)で表される化合物の割合は、下記一般式(2)で表される化合物100モル%に対し、10モル%未満であることを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物。
    Figure 0005558357
    (式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X及びYは、同一若しくは異なって、水酸基又はスルホン酸(塩)基を表し、X及びYのうち少なくとも一方は、スルホン酸(塩)基を表す。)
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