JP2011213615A - スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法 Download PDF

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隆弘 津守
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Abstract

【課題】高純度かつ良好な重合性を有する不飽和二重結合基を有するスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩を反応する方法であって、pHを10以上に調整したアルカリ水に、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩水溶液を滴下することを特徴とする。
Figure 2011213615

【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和二重結合基とスルホン酸基を含有するスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法に関する。より具体的には、副生成物の生成を押さえ、良好なラジカル(共)重合性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法に関する。
本発明はまた、不純物の含有量が少なく、良好なラジカル(共)重合性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物組成物に関する。
不飽和二重結合、スルホン酸(塩)基及びエーテル結合を有するスルホン酸基含有エーテル化合物としては、3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム(以下、「HAPS」とも称する。)が代表的であるが、この製造方法としては、アリルアルコール1molとエピクロロヒドリン1molとを100℃で4時間反応せしめ、その後、亜硫酸ナトリウム1molを溶解した水を加えて、90℃で5時間反応させることにより製造する方法が知られている(非特許文献1)。また、特許文献1及び2には、HAPSは、アリルグリシジルエーテルに、亜硫酸水素ナトリウムを加え反応させて得ることができる旨が記載されている。更に、このようなHAPS等のスルホン酸基含有エーテル化合物とアクリル酸ナトリウムとを用いた重合体は、スケール防止剤や腐食防止剤等に好適に使用されることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
上記のように、非特許文献1、特許文献1及び2等によってHAPSの製造方法が開示され、特許文献3等によってそれを用いた重合体の適用用途等が開示されているが、それらの製造方法では、HAPSの収率が低く、3‐アリルオキシ‐1,2‐ジヒドロキシプロパン等の副生成物が多く生成すること等に起因し、HAPSをポリマー原料として使用した際に、HAPSの重合性が低くなったり、得られる重合体自体の性能が充分ではない等といった課題があった。不純物の多いスルホン酸基含有エーテル化合物の重合性は必ずしも良好とは言いがたく、スルホン酸基含有エーテル化合物を原料とする(共)重合体を製造するためには、残存単量体を低減するために過酷な条件で重合したり、重合開始剤を多量に使用したり、単量体の組成比率を制約したりする等といった方法を選択する必要があった。よって、高純度で重合性の良好なスルホン酸基含有エーテル化合物を簡便に製造するための工夫の余地があった。
一方、(1)原料成分である亜硫酸化合物とアリルグリシジルエーテル等の特定のエーテル化合物との反応において、亜硫酸化合物に対して、特定のエーテル化合物を添加して反応を行う工程を含むこと、(2)反応系のpHを5.5以上に調整する工程を含むこと、によって、高純度で重合性の良好な、重合性の経時変化の少ないスルホン酸基含有エーテル化合物を製造できることが知られている(特許文献4)。上記スルホン酸基含有エーテル化合物は、通常はアルカリ性の溶液として製造されるが、スルホン酸基含有エーテル化合物溶液のpHが高いと、重合時のpHが上がる為、重合時のpHの自由度が狭くなり、分子量を設定する際のコントロール幅が狭くなる虞がある。そこで、高純度で重合性の良好なスルホン酸基含有エーテル化合物を、水溶液にした場合に中性付近となるように製造する、簡便な製造方法が要望されていた。
特開2002−138115号公報 特開平11−302341号公報 特開2005−264190号公報 国際公開第2010/030024号
Journal of Applied Polymer Science Vol.79,21−28(2001)
本発明の目的は、高純度かつ良好な重合性を有する不飽和二重結合基を有するスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩を反応してスルホン酸基含有エーテル化合物を製造する方法であって、pHを10以上に調整したアルカリ水に、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩水溶液を滴下することを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法である。
Figure 2011213615

(一般式(1)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表す。)
好ましい実施形態においては、本発明の製造方法は、上記一般式(1)で表される化合物と、亜硫酸塩を50〜80℃で反応させる工程を含むものである。
本発明の別の局面によれば、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が提供される。本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、下記一般式(3)の化合物を含む組成物であって、下記一般式(3)の化合物に対する下記一般式(2)の化合物の割合が、10mol%未満であり、該組成物はpH13未満の水溶液であることを特徴としている。
Figure 2011213615

(一般式(3)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表し、Mは、カリウム原子、ナトリウム原子、アンモニウム塩、4級アミン塩を表す。)
Figure 2011213615

(一般式(2)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表す。)
本発明によれば、不純物が少なく、良好なラジカル(共)重合性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、高純度で重合性の良好なスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物を提供することができる。
〔スルホン酸基含有エーテル化合物〕
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物は、スルホン酸基を含む基と、不飽和二重結合を有する基が酸素原子を介して結合した化合物である。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物は、模式的に、下記一般式(3)で表される。
Figure 2011213615

(一般式(3)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表し、Mは、カリウム原子、ナトリウム原子、アンモニウム塩、4級アミン塩を表す。)
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物は、好ましくは、上記一般式(3)において、RはCHである化合物であることが好ましい。RはCHであれば、上記一般式(3)を重合して得られる重合体のスケール防止能が向上する傾向にある。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物は、具体的には、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムであることが好ましい。該化合物であれば、該化合物を重合して得られる重合体のスケール防止能が向上する傾向にある。
〔スルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法〕
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩を反応する方法である。
Figure 2011213615

(一般式(1)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表す。)
上記一般式(1)で表される化合物は、好ましくは、上記一般式(1)において、RはCHである化合物であることが好ましい。RはCHであれば、上記一般式(1)を原料として得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を重合して得られる重合体のスケール防止能が向上する傾向にある。
上記一般式(1)で表される化合物は、具体的には、(メタ)アリルグリシジルエーテルであることが好ましい。該化合物であれば、該化合物を原料として得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を重合して得られる重合体のスケール防止能が向上する傾向にある。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩を反応する方法である。
本発明における亜硫酸塩としては、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、4級アミン塩が挙げられ、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等の、低級酸化物およびその塩などが好ましい。亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムであることが、経済的または収率の向上の観点からより好ましい。なお、亜硫酸塩は、酸として添加(すなわち亜硫酸等)することも可能であるが、取り扱いの面から、あるいは収率向上の観点から塩として添加することが好ましい。
本発明の製造方法は、pHを10以上に調整したアルカリ水(アルカリ性水溶液とも言う)に、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩水溶液を滴下することを特徴している。下記一般式(1)で表される化合物および亜硫酸塩水溶液は、全量を滴下して添加することが最も好ましいが、その一部を反応開始前に反応器に添加(初期仕込みという)することも可能である。下記一般式(1)で表される化合物および/または亜硫酸塩水溶液の一部を初期仕込みする場合には、それぞれの全使用量の内、40質量%以下、好ましくは20質量%以下である。下記一般式(1)で表される化合物の初期仕込み量が全使用量の40質量%を越えると、副生成物が増加する傾向にある。一方、亜硫酸塩水溶液の初期仕込み量が全使用量の40質量%を越えると、pHを調整する為のアルカリ量が多くなり、反応後のpHが高くなる傾向にある。
本発明において、反応開始前とは、反応開始時の前を表す。反応開始時とは、上記一般式(1)で表される化合物と、亜硫酸塩の両方が反応器に添加された時点を言う。
本発明の製造方法は、反応器に反応前に添加する水(初期仕込み水という)を、pHを10以上に調整することを特徴とする(そのほかの初期添加物があれば、その添加物を含む初期仕込み水をpH10以上に調整する)。pHの調整は、初期仕込み水にアルカリ性物質を添加して行なうことが好ましいが、使用可能なアルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、アミン類が挙げられる。
本発明において、初期仕込み水(そのほかの初期添加物があれば、その添加物を含む初期仕込み水)は、反応開始前にpH10以上に調整することが最も好ましい。しかし、反応の初期にpH10以上に調整することも可能である。この場合は、反応開始後30分以内にpH10以上にすることが好ましく、反応開始後20分以内がより好ましく、反応開始後10分以内がさらに好ましい。また、初期仕込み水(そのほかの初期添加物があれば、その添加物を含む初期仕込み水)は、pH10.5以上が好ましく、pH11以上がさらに好ましい。上記のように調整することにより、スルホン酸基含有エーテル化合物の重合性および経時後の重合性が向上する。
本発明において、亜硫酸塩は、水溶液の形態で反応器に滴下することになるが、亜硫酸塩水溶液の固形分濃度は、10質量%以上60質量%以下が好ましく、さらに好ましくは20質量%以上50質量%以下である。
上記一般式(1)で表される化合物は、そのまま添加しても良いし、溶解または分散可能な溶剤等に希釈して添加しても良い。溶剤を使用する場合は、通常は、上記一般式(1)の化合物の有するグリシジル基に対して不活性な溶剤を使用する。溶剤は、上記一般式(1)を溶解する性能により、適宜選択される。得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物(スルホン酸基含有エーテル化合物の他に、通常は反応溶媒、副生成物等を含む)を後処理無く様々な用途に使用する観点から、溶剤はなるべく使用しないほうが好ましい。
亜硫酸塩の使用量としては、上記一般式(1)で表される化合物1molに対して、好ましくは化学量論量で0.9mol以上、1.3mol以下である。化学量論量でとは、例えば亜硫酸水素ナトリウムであれば、上記一般式(1)で表される化合物1molに対して1molが反応する為、0.9mol以上、1.3mol以下が好ましく、メタ重亜硫酸のナトリウムであれば、上記一般式(1)で表される化合物1molに対して1/2molが反応する為、1/2の0.45mol以上、0.65mol以下が好ましいことを表す。0.9mol未満であれば、未反応の上記一般式(1)で表される化合物が増加したり、副生成物が多く複製する虞がある。1.3molを超えれば、亜硫酸塩由来の副生成物が多くなる虞がある。より好ましくは、上記一般式(1)で表される化合物1molに対して、0.95mol以上、1.2mol以下であり、さらに好ましくは0.97mol以上、1.1mol以下である。
上記一般式(1)で表される化合物の滴下時間は、30分以上であることが好ましく、60分以上であることがより好ましく、240分以下であることが好ましく、180分以下であることがより好ましい。また、亜硫酸塩水溶液の滴下時間は、30分以上であることが好ましく、60分以上であることがより好ましく、240分以下であることが好ましく、180分以下であることがより好ましい。上記範囲で反応を行なうことにより、副反応を抑え、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率を向上させる。
上記一般式(1)で表される化合物は、上記一般式(1)で表される化合物を反応開始以後に反応器に滴下する工程において、連続的に滴下してもよいし、段階的に分割添加しても良い。
本発明において上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩を反応させる反応器は、槽型や管型の反応器いずれであっても良い。本発明の反応器は、反応液の液温調整設備と、攪拌器を有することが好ましい。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法は、好ましくは反応開始前にpH10以上に調整したアルカリ性水溶液に、上記一般式(1)で表される化合物および亜硫酸塩水溶液を滴下する形態(形態A)が好ましい。しかし、pH10未満の水(または水溶液)上記一般式(1)で表される化合物および亜硫酸塩水溶液を滴下しつつ、初期に反応液をpH10以上にする形態(形態B)等も可能である。形態Bの場合は、上述の通り、なるべく初期に反応液のpHを10以上に調整することが好ましい。
なお、初期以外のpHは、特別に調整しなくても構わないし、必要に応じて調整しても良い。
本発明において、反応は、空気雰囲気下であっても良いが、窒素等の不活性雰囲気下で反応させてもよい。
また、反応は、通常溶媒中で行なわれる。好ましい溶媒は水であり、反応時の固形分濃度(反応終了時の固形分濃度)は、20質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
本発明において、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩の反応は、反応温度50℃以上、95℃未満で行なわれることが好ましい。95℃未満であれば、最終的な反応液のpHを中性付近に設定した場合においても、副生成物の生成を減少させることができる。50℃以上であれば、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率が向上する傾向にある。より好ましくは、60℃以上95℃未満であり、70℃以上、85℃未満が最も好ましい。
ここで、全反応工程が、上記反応温度の範囲で行なわれることが最も好ましいが、全反応工程の30%以上の時間帯において、上記反応温度の範囲で反応が行なわれれば好ましい形態であり、50%以上であればより好ましい。
本発明において、上記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩水溶液の滴下終了後、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率が向上することから、さらに反応を続けても良い(本発明において、後反応工程ともいう)。後反応工程は、1分以上が好ましく、5分以上がさらに好ましい。
本発明の製造方法によれば、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率を高くすることが可能となる。上記一般式(1)で表される化合物を基準としたスルホン酸基含有エーテル化合物の収率(上記一般式(1)で表される化合物が全てスルホン酸基含有エーテル化合物になった場合を100%とした収率。一般式(1)で表される化合物ベースの収率とも言う。)は、好ましくは90.0%以上である。
[スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物]
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物(上記一般式(3)の化合物)に対する下記一般式(2)の化合物の割合が、10mol%未満であり、該組成物はpH13未満の水溶液であることを特徴としている。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、上述したスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法により製造できる。また、簡便な方法で製造できることから上述したスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法により製造することが好ましい。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物を必須として含有し、場合により上記一般式(2)の化合物等の副生成物や、水などの反応溶媒を含有する。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、スルホン酸基含有エーテル化合物の純度が高いことから、重合体原料として使用した際に、スケール抑制能等に優れた重合体を得ることができる。上記一般式(3)の化合物に対する上記一般式(2)の化合物の割合は、得られた重合体の性能面及びスルホン酸基含有エーテル化合物の重合性の面から、5mol%未満であることがより好ましく、3mol%未満であることが更に好ましい。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、重合時のpHの自由度の観点から、pHは13以下であることが好ましく、10以下がより好ましく、8以下が更に好ましい。また、4以上が好ましく、5以上がより好ましく、6以上が更に好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。但し、収率を表すときは、単に「%」を表す。
なお、残存モノマー量等の化合物の定量は、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。分析条件は以下の通りである。
<高速液体クロマトグラフィー>
日立製作所社製「L‐7100型ポンプ」「L‐7300型カラムオーブン」「L‐7200型オートサンプラー」「L‐7400型UV検出器(波長200nm)」を用い、以下の条件で定量した。
カラム:昭和電工社製「ShodexRSpak DE‐413」
溶離液:0.1重量%リン酸水溶液
流量 :1ml/分
検量線:試薬3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸ナトリウム40%水溶液(アルドリッチケミカルカンパニー社製)、3‐アリルオキシ‐1,2‐ジヒドロキシプロパン(和光純薬社製)を使用。上記試薬3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム40%水溶液は、pHの測定値が6.0であり、本液体クロマトグラフィーによる分析の結果、3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対して、3‐アリルオキシ‐1,2‐ジヒドロキシプロパンを11.9モル%含んでいた。
温度 :40℃.
[実施例1]
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、イオン交換水1.16部、水酸化ナトリウム0.00476部を初期仕込みした。このときの反応液のpHは、11であった。液温を83℃に昇温し、アリルグリシジルエーテル1.0部、35質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.60部、を120分かけて滴下した。その際、アリルグリシジルエーテル添加開始後約6分で、pHが急激に中性付近に変化した。その後、反応液の温度を83℃で1.0時間維持することにより反応を完結した(本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(1)とする)。反応終了時のpHは7.2であった。3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム(本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物)の収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、94.5%であった。また、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対する、3−アリルオキシ−2−ジヒドロキシプロパンの割合は10モル%未満であった。
[実施例2]
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、イオン交換水1.16部、水酸化ナトリウム0.00476部を初期仕込みした。このときの反応液のpHは11であった。液温を73℃に昇温し、アリルグリシジルエーテル1.0部、35質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.60部、を120分かけて滴下した。その際、アリルグリシジルエーテル添加開始後約6分で、pHが急激に中性付近に変化した。その後、反応液の温度を73℃で1.0時間維持することにより反応を完結した(本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(2)とする)。反応終了時のpHは7.4であった。3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム(本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物)の収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、91.6%であった。また、また、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対する、3−アリルオキシ−2−ジヒドロキシプロパンの割合は10モル%未満であった。
[比較例1]
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、窒素を導入しながら、アリルグリシジルエーテル1部を仕込み、35質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.60部、脱イオン水1.18部を添加した。このときの反応液のpHは4.8であった。反応液の温度を90℃に昇温し、90℃で5時間反応させることにより反応を完結した。3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム(スルホン酸基含有エーテル化合物)の収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、84.5%であった。また、3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム100モル%に対する、3‐アリルオキシ‐1,2‐ジヒドロキシプロパンの割合は、14.9モル%であった。
[実施例3]
還流冷却器、撹拌機を備えた容量SUS製のセパラブルフラスコに、脱イオン水328.5部を仕込み、撹拌しながら沸点で還流状態(以下、この状態を「沸点還流状態」と称す。)となるように昇温して重合反応系とした。次いで、撹拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と称す。)20.7部と、37%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下、「37%SA」と称す。)412.9部との混合水溶液(総質量433.6部)、実施例1で得られた3‐アリルオキシ‐2‐ヒドロキシ‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」と称す。)82.0部、35%過酸化水素水溶液(以下、「35%HP」と称す。)28.7部(単量体成分中の単量体1モルに対して5部に相当)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」と称す。)41.5部(単量体成分中の単量体1モルに対して3.1部に相当)、脱イオン水96.6部を、それぞれ別個のノズルから滴下して、反応溶液とした。
なお、上記の各水溶液及び脱イオン水の滴下時間は、80%AAと37%SAとの混合水溶液を120分間とし、40%HAPSを90分間とし、35%HPを120分間とし、15%NaPS及び脱イオン水をそれぞれ140分間とした。また、各水溶液及び脱イオン水の滴下速度は一定とし、該各水溶液及び脱イオン水の滴下は連続的に行った。
上記15%NaPS及び脱イオン水の滴下終了後、更に60分間、上記反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)し、重合反応を完結させた。重合後のHAPS残存量を測定したところ、600ppmであった。
上記実施例1〜2と比較例1との比較から明らかな通り、本発明の製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率を向上させることができる。なお、実施例1〜2で得られた水溶液は、いずれもpHが中性付近であった。また、実施例3によれば、本発明の製造方法により得られたスルホン酸基含有エーテル化合物は、重合後の残存スルホン酸基含有エーテル化合物が少ないことから、優れた重合性を有することが確認された。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物は、スルホン酸基含有エーテル化合物の純度が高く、重合原料とした場合に、スルホン酸基含有エーテル化合物が良好な重合性を発現する。また、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物を重合原料として用いた場合に、得られる重合体が特に水系用途において高い性能(特に、「スケール抑制能」や「洗浄力」)を発揮できる。したがって、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤、に用いた場合に特に優れた性能を発揮できる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩を反応してスルホン酸基含有エーテル化合物を製造する方法であって、pHを10以上に調整したアルカリ水に、下記一般式(1)で表される化合物と亜硫酸塩水溶液を滴下することを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法。
    Figure 2011213615

    (一般式(1)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表す。)
  2. 下記一般式(3)の化合物を含む組成物であって、
    下記一般式(3)の化合物100モル%に対する下記一般式(2)の化合物の割合が、10モル%未満であり、該組成物はpH13未満の水溶液であることを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物。
    Figure 2011213615

    (一般式(3)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表し、Mは、カリウム原子、ナトリウム原子、アンモニウム塩、4級アミン塩を表す。)
    Figure 2011213615

    (一般式(2)中、Rは、単結合、CH、CHCH基のいずれかを表し、Rは、H、またはCH基を表す。)
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