以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図12は、本実施の形態に係る紙幣処理装置を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における紙幣処理装置の内部の構成を示す構成図であり、図2は、図1に示す紙幣処理装置の制御ブロック図である。また、図3および図4は、図1および図2に示す紙幣処理装置における、紙幣の入金処理モードの動作を示す図であり、図5および図6は、図1および図2に示す紙幣処理装置における、紙幣の出金処理モードの動作を示す図である。また、図7乃至図12は、図1および図2に示す紙幣処理装置における、紙幣の大量入金処理モードの様々な態様の動作をそれぞれ示す説明図である。
まず、図1により、本実施の形態の紙幣処理装置10の全体的な構成について説明する。図1に示すように、紙幣処理装置10は略直方体形状の筐体12を備えており、この筐体12の前面には、当該筐体12の外部から内部に紙幣を投入するための投入口14が設けられている。また、投入口14は、筐体12の内部から外部に紙幣を投出するための投出口としても機能するようになっている。すなわち、投入口14は、操作者がこの投入口14に紙幣を投入したりこの投入口14から紙幣を取り出したりすることができるよう構成されている。より具体的には、図1に示すように投入口14は鉛直方向に対して斜めに傾斜しており、この投入口14には紙幣が積層状態で斜めに傾斜して投入されるようになっている。図1において、投入口14に投入された紙幣を参照符号Pで示す。
投入口14には紙幣繰出機構14aが設けられており、この紙幣繰出機構14aにより投入口14に集積された紙幣が1枚ずつ筐体12の内部に繰り出されるようになっている。また、紙幣の出金処理を行う際には、筐体12の内部に設けられた搬送部16(後述)から紙幣が1枚ずつ投入口14に送られるようになっている。
また、投入口14にはシャッター機構24(図1では図示せず)が設けられており、このシャッター機構24により投入口14の開閉が行われるようになっている。より具体的には、操作者が投入口14に紙幣を投入したり投入口14から紙幣を取り出したりする際には、シャッター機構24が開いて投入口14が筐体12の外部に露出されるようになっている。一方、投入口14に集積された紙幣が1枚ずつ紙幣繰出機構14aにより筐体12の内部に繰り出されたり搬送部16(後述)から投入口14に紙幣が1枚ずつ送られたりする際には、シャッター機構24が投入口14を塞ぐようになっている。
図1に示すように、筐体12の内部には、紙幣を1枚ずつ搬送するための搬送部16が設けられている。搬送部16には投入口14が接続されており、投入口14に集積され、紙幣繰出機構14aにより筐体12の内部に繰り出された紙幣は、搬送部16により搬送されるようになっている。また、搬送部16における各分岐箇所には分岐部材26が設けられている。後述する制御部50により各分岐部材26が制御されることによって、紙幣の搬送経路が決められるようになっている。
搬送部16には識別部18が設置されている。識別部18は、搬送部16で搬送される紙幣の金種や正損、表裏、真偽等を識別するようになっている。より具体的には、識別部18は、例えば、投入口14から筐体12の内部に繰り出された紙幣の金種や正損、表裏、真偽等を識別するようになっている。
図1に示すように、筐体12の前面には入金リジェクト口20が設けられている。この入金リジェクト口20は搬送部16に接続されている。そして、紙幣繰出機構14aにより筐体12の内部に繰り出された紙幣のうち、識別部18により正常な紙幣であると識別された紙幣以外の紙幣は、リジェクト紙幣として搬送部16により入金リジェクト口20に送られるようになっている。より具体的には、識別部18により偽券であると識別された紙幣や、識別部18により識別することができなかった紙幣、あるいは斜行や重送等の搬送異常が検出された紙幣は、リジェクト紙幣として搬送部16により入金リジェクト口20に送られるようになっている。
また、筐体12の内部には出金リジェクト部22が設けられており、この出金リジェクト部22は搬送部16に接続されている。そして、紙幣の大量入金処理モードにおける一時集積部40(後述)への搬送時や紙幣の出金処理モードにおいて、後述する紙幣収納部30から搬送部16に繰り出された紙幣のうち、識別部18により正常な紙幣であると識別された紙幣以外の紙幣(具体的には例えば斜行や重送等の搬送異常が検出された紙幣)は、搬送部16により出金リジェクト部22に送られるようになっている。
図1に示すように、筐体12の下部には複数の紙幣収納部30が収納されている。各紙幣収納部30はそれぞれ搬送部16に接続されており、搬送部16から送られた紙幣を積層状態で収納するとともに、収納された紙幣を1枚ずつ搬送部16に繰り出すようになっている。複数の紙幣収納部30は、入金一時保留部32、3つの金種別収納部34a〜34cおよび金種混合収納部36から構成されている。
複数の紙幣収納部30のうち、入金一時保留部32は、投入口14により筐体12の外部から内部に投入され、識別部18により正常な紙幣であると識別された紙幣を一時的に保留するようになっている。そして、入金一時保留部32により一時的に保留された紙幣は、操作者によって後述する操作部52により紙幣の入金処理の確定がなされたときに、各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に送られるようになっている。
各金種別収納部34a〜34cは、それぞれ、予め設定された特定の金種の紙幣を収納するようになっている。より具体的に説明すると、各金種別収納部34a〜34cにはそれぞれ対応する紙幣の金種が予め設定されており、この設定された金種のみの紙幣を各金種別収納部34a〜34cはそれぞれ収納するようになっている。
一方、金種混合収納部36は、複数の金種の紙幣を混合して収納するようになっている。より具体的には、金種混合収納部36には、各金種別収納部34a〜34cにおいて設定されている金種以外の金種の紙幣が収納されるようになっている。また、各金種別収納部34a〜34cのうちある金種別収納部がフル状態となったときには、この金種別収納部に対応する金種の紙幣が搬送部16から金種混合収納部36に送られ、この金種混合収納部36に収納されるようになっていてもよい。
各紙幣収納部30にはそれぞれ紙幣繰出機構30aが設けられており、各紙幣収納部30に積層状態で収納された紙幣は紙幣繰出機構30aにより1枚ずつ搬送部16に繰り出すことができるようになっている。
図1に示すように、各紙幣収納部30は引き出しユニット38に収容されている。この引き出しユニット38は、紙幣処理装置10の筐体12から図1の右方向に引き出すことができるようになっており、引き出しユニット38を筐体12から引き出した後、各紙幣収納部30を引き出しユニット38から上方に取り出すことができるようになっている。このようにして、各紙幣収納部30に収納された紙幣を、この紙幣を収納する紙幣収納部30ごと筐体12の外部から回収することができる。
また、筐体12の内部には一時集積部40が設けられている。この一時集積部40には搬送部16が接続されており、搬送部16から1枚ずつ送られた紙幣が一時集積部40に積層状態で集積されるようになっている。また、一時集積部40の近傍には帯封部44が設けられており、帯封部44は、一時集積部40から送られた紙幣の束を帯封して帯封紙幣を形成するようになっている。より具体的には、一時集積部40や帯封部44の近傍には移動自在の搬送アーム42が設けられており、搬送アーム42は、一時集積部40に集積された紙幣の束を帯封部44に搬送するようになっている。
帯封部44において、搬送アーム42上にある紙幣の束に対して帯封紙が供給され、この紙幣の束が帯封紙で巻かれるようになっている。そして、帯封紙で巻かれた紙幣の束は、上下一対の札締め部材(図示せず)により上下方向から挟圧されるとともに、ヒータ(図示せず)により加熱させられる。このことにより、帯封紙によって紙幣の束の帯封処理(結束処理)が行われ、帯封紙幣が形成されることとなる。
また、帯封部44には、帯封紙幣の帯封紙に対して印字を行うスタンプ44aが設けられている。前述のように帯封処理が行われた帯封紙幣はスタンプ44aに送られ、このスタンプ44aによって帯封紙幣の帯封紙に対して、銀行名や、正券か損券かを示す印等の印字が行われる。また、帯封部44には、帯封紙に日付やシリアルナンバー等の印字を行うための印字部分44bが設けられており、搬送アーム42上にある紙幣の束に対して帯封紙を供給する際に、供給される前の帯封紙に対して印字部分44bにより印字が行われるようになっている。
また、図1に示すように、筐体12の前面には、帯封部44により形成された帯封紙幣を筐体12の内部から外部に投出するための帯封紙幣投出口46が設けられている。帯封紙幣投出口46には、帯封部44から搬送アーム42により帯封紙幣が送られるようになっており、この帯封紙幣投出口46には複数の帯封紙幣が積層状態で集積されるようになっている。そして、操作者は、帯封紙幣投出口46に集積された帯封紙幣を筐体12の外部から取り出すことができるようになっている。
帯封紙幣投出口46にはシャッター機構25(図1では図示せず)が設けられており、このシャッター機構25により帯封紙幣投出口46の開閉が行われるようになっている。より具体的には、操作者が帯封紙幣投出口46から帯封紙幣を取り出す際には、シャッター機構25が開いて帯封紙幣投出口46が筐体12の外部に露出されるようになっている。一方、紙幣の入金処理モードや出金処理モードにおいては、シャッター機構25が帯封紙幣投出口46を塞ぐようになっている。
また、図1に示すように、紙幣処理装置10の各構成要素の制御を行う制御部50が筐体12の内部に設けられている。制御部50の構成について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、制御部50には、投入口14に設けられた紙幣繰出機構14a、搬送部16、識別部18、各紙幣収納部30に設けられた紙幣繰出機構30a、搬送部16の各分岐箇所に設けられた分岐部材26、投入口14や帯封紙幣投出口46に設けられたシャッター機構24、25、搬送アーム42、帯封部44等が接続されている。また、制御部50には、操作部52、表示部54、インターフェース56が接続されている。ここで、識別部18により識別された紙幣の識別情報は制御部50に送られるようになっている。また、制御部50は、紙幣繰出機構14a、搬送部16、紙幣繰出機構30a、分岐部材26、シャッター機構24、25、搬送アーム42および帯封部44等に対してそれぞれ制御信号を送り、これらの構成要素の制御を行うようになっている。
操作部52は、操作者が制御部50に様々な指示を送るためのものであり、例えばキーボードや各種キー等により構成されている。また、表示部54は、紙幣処理装置10における様々な紙幣の処理状況、例えば各紙幣収納部30に収納されている紙幣の金種毎の枚数等を表示するようになっている。これらの操作部52および表示部54は紙幣処理装置10の筐体12の前面や上面に設けられている。なお、操作部52および表示部54は一体のものとなっていてもよい。具体的には、例えば筐体12の前面や上面にタッチパネルが設けられており、このタッチパネルに、紙幣処理装置10における様々な紙幣の処理状況が表示されるとともに、タッチパネルに表示される各種キーを押下することにより操作者が制御部50に様々な指示を送ることができるようになっていてもよい。
また、制御部50は、インターフェース56を介して、紙幣処理装置10とは別の外部装置58(例えば、上位装置)と情報の送受信を行うことができるようになっている。
次に、上述のような構成からなる紙幣処理装置10の動作について説明する。紙幣処理装置10による処理の内容としては、概して、顧客から預かった紙幣を入金する入金処理モード、および顧客に紙幣を支払うために紙幣収納部30から紙幣を出金する出金処理モード、等がある。なお、以下に示すような紙幣処理装置10の動作は、制御部50が紙幣処理装置10の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、顧客から預かった紙幣を入金、収納する入金処理モードについて図3および図4を用いて説明する。
入金処理モードにおいて、まず、紙幣処理装置10の投入口14のシャッター機構24を開き、操作者が紙幣を投入口14に投入する(図3のSTEP1)。そして、シャッター機構24を閉じると、投入口14に投入された紙幣は紙幣繰出機構14aにより1枚ずつ搬送部16に繰り出される(図3のSTEP2)。紙幣繰出機構14aにより搬送部16に繰り出された紙幣は当該搬送部16により搬送され、識別部18によりその金種や正損、表裏、真偽等の識別が行われる(図3のSTEP3)。識別部18により正常な紙幣であると識別された紙幣は(図3のSTEP4の「YES」)、分岐部材26により入金一時保留部32に搬送される(図3のSTEP5および図4の太線(図4の符号A参照))。入金一時保留部32において、搬送部16から送られた紙幣が積層状態で一時的に保留される。
一方、識別部18により正常な紙幣であると識別された紙幣以外の紙幣は、すなわち、識別部18により偽券であると識別された紙幣や、識別部18により識別することができなかった紙幣、あるいは斜行や重送等の搬送異常が検出された紙幣は(図3のSTEP4の「NO」)、リジェクト紙幣として搬送部16により入金リジェクト口20に送られ(図3のSTEP6および図4の点線(図4の符号B参照))、この入金リジェクト口20に集積される。そして、投入口14から紙幣が全て筐体12の内部に繰り出された後に、入金リジェクト口20に集積されたリジェクト紙幣は操作者により取り出されることとなる。
図3のSTEP2〜STEP6に示すような動作は、投入口14に投入された紙幣が全て筐体12の内部に繰り出されるまで行われる(図3のSTEP7の「NO」)。そして、投入口14に投入された紙幣が全て筐体12の内部に繰り出されると(図3のSTEP7の「YES」)、表示部54にこのことが表示される。そして、操作者が操作部52により「入金確定」の指令を制御部50に対して行うと(図3のSTEP8の「YES」)、入金一時保留部32から紙幣が1枚ずつ紙幣繰出機構30aにより繰り出され、この繰り出された紙幣はその金種に基づいて各金種別収納部34a〜34cに搬送され、これらの金種別収納部34a〜34cに収納される。一方、入金一時保留部32から繰り出された紙幣について、その金種が、金種別収納部34a〜34cにおける金種と一致しない場合や、対応する金種の金種別収納部34a〜34cがフル状態である場合には、この紙幣は金種混合収納部36に搬送され、この金種混合収納部36に金種混合状態で収納される(図3のSTEP9)。このようにして、紙幣の入金処理モードが終了する。
また、操作者が操作部52により「入金確定」の指令の代わりに「返却」の指令を制御部50に対して行うと(図3のSTEP10の「YES」)、入金一時保留部32から紙幣が1枚ずつ紙幣繰出機構30aにより繰り出され、この繰り出された紙幣は投入口14に戻される(図3のSTEP11)。そして、入金一時保留部32から投入口14に全ての紙幣が搬送された後に、この投入口14に設けられたシャッター機構24が開くことによって、投入口14に戻された紙幣は操作者により取り出されることとなる。
次に、顧客に紙幣を支払うために紙幣収納部30から紙幣を出金する出金処理モードについて図5および図6を用いて説明する。
出金処理モードにおいて、操作者が操作部52により制御部50に対して紙幣の出金処理の指令を与えると、紙幣収納部30の各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36から紙幣が1枚ずつ紙幣繰出機構30aにより搬送部16に繰り出され(図5のSTEP21)、繰り出された紙幣は識別部18により識別される(図5のSTEP22)。ここで、識別部18により識別された紙幣が正常な紙幣である場合には(図5のSTEP23の「YES」)、この紙幣は搬送部16により投入口14に搬送され、投入口14に集積される(図5のSTEP24および図6の太線(図6の符号A参照))。前述のように、投入口14は、筐体12の内部から外部に紙幣を投出するための投出口としても機能するようになっている。一方、識別部18により識別された紙幣が、正常な紙幣以外の紙幣である場合には(図5のSTEP23の「NO」)、この紙幣は搬送部16により出金リジェクト部22に搬送される(図5のSTEP25および図6の点線(図6の符号B参照))。そして、各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36から、全ての紙幣または所定の合計金額の紙幣が繰り出されると(図5のSTEP26の「YES」)、投入口14に設けられたシャッター機構24が開くことによって、投入口14に集積された紙幣は操作者により出金紙幣として取り出される(図5のSTEP27)。このようにして、紙幣の出金処理モードが終了する。
また、本実施の形態の紙幣処理装置10では、上述のような入金処理モードや出金処理モードに加えて、以下に示すような大量入金処理モードを選択的に行うことができる。あるいは、上述のような入金処理モードに代えて、以下に示すような大量入金処理モードが強制的に行われるようになっていてもよい。
紙幣処理装置10における大量入金処理モードでは、制御部50は、投入口14により筐体12の内部に投入され識別部18により識別された紙幣を入金一時保留部32に一時的に保留させ、その後、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣について、識別部18による識別結果に基づいて予め設定された複数の処理方法の中から一の処理方法を選択し、この処理方法で入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の処理を行う。このような大量入金処理モードとしては、様々な態様がある。操作者は、大量入金処理モードを行うにあたり、操作部52によりどの態様の大量入金処理モードを行うかを制御部50に指令する。あるいは、特定の態様の処理が行われるよう制御部50においてデフォルトの設定が行われていてもよい。
紙幣処理装置10における大量入金処理モードでは、投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られるまでは、図3のフローチャートのSTEP1〜STEP7に示す動作と同様の動作が行われる。投入口14に投入された紙幣が全て入金一時保留部32または入金リジェクト口20に送られた後、以下に示すような様々な態様の動作のうち一の態様の動作が選択的に行われる。
大量入金処理モードの第1の態様について図7を用いて以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、表面が上を向いて集積された紙幣と裏面が上を向いて集積された紙幣とが混在して保留されている。大量入金処理モードの第1の態様では、例えば、表面が上を向いて集積された紙幣を入金一時保留部32から一時集積部40に搬送し(図7の太線(図7の符号A参照))、一方、裏面が上を向いて集積された紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cまたは金種混合収納部36に搬送する(図7の点線(図7の符号B参照))。
一時集積部40に集積された紙幣が所定枚数に達した場合には、搬送アーム42により一時集積部40から帯封部44に紙幣の束を搬送し、帯封部44において紙幣の束の帯封処理を行う。このようにして帯封部44で形成された帯封紙幣は搬送アーム42により帯封紙幣投出口46に搬送される(図7の太線参照)。その後、操作者は、帯封紙幣投出口46に搬送された帯封紙幣を回収する。なお、帯封部44により紙幣の束の帯封処理が行われた後、帯封紙幣が筐体12内に収納されるようになっていてもよい。
ここで、上述のような第1の態様の動作が行われる際に、投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32に保留された紙幣のうち、表面が上を向いて集積された紙幣および裏面が上を向いて集積された紙幣のどちらの枚数が多いかの判断が識別部18による識別結果(紙幣の表裏についての識別結果)に基づいて行われるようになっていてもよい。この場合、表裏に関して枚数が多い方の紙幣を入金一時保留部32から一時集積部40に搬送し、表裏に関して枚数が少ない方の紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cまたは金種混合収納部36に搬送してもよい。
なお、各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に紙幣が収納される際に、裏面が上を向いた状態で紙幣は集積される。このため、入金一時保留部32において表面が上を向いて集積された紙幣を各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に搬送する際には、入金一時保留部32から識別部18を経て直接的に各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に紙幣は搬送される。一方、入金一時保留部32において裏面が上を向いて集積された紙幣を各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に搬送する際には、入金一時保留部32から識別部18を経て一旦投入口14に紙幣を搬送し、この投入口14から紙幣を、識別部18を経て各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に搬送するようにする。このことにより、各金種別収納部34a〜34cや金種混合収納部36に、裏面が上を向いた状態で紙幣を収納することができる。
次に、大量入金処理モードの第2の態様について図8を用いて以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、表面が上を向いて集積された紙幣と裏面が上を向いて集積された紙幣とが混在して保留されている。大量入金処理モードの第2の態様では、例えば、表面が上を向いて集積された紙幣を入金一時保留部32から金種混合収納部36に搬送し(図8の太線(図8の符号A参照))、一方、裏面が上を向いて集積された紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送する(図8の点線(図8の符号B参照))。
その後、操作者は、引き出しユニット38を筐体12から外部に引き出すとともに、金種混合収納部36を引き出しユニット38から上方に取り出し、この金種混合収納部36に収納された紙幣を金種混合収納部36ごと回収する。
ここで、上述のような第2の態様の動作が行われる際に、投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32に保留された紙幣のうち、表面が上を向いて集積された紙幣および裏面が上を向いて集積された紙幣のどちらの枚数が多いかの判断が識別部18による識別結果(紙幣の表裏についての識別結果)に基づいて行われるようになっていてもよい。この場合、表裏に関して枚数が多い方の紙幣を入金一時保留部32から金種混合収納部36に搬送し、表裏に関して枚数が少ない方の紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送してもよい。
次に、大量入金処理モードの第3の態様について図9を用いて以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、表面が上を向いて集積された紙幣と裏面が上を向いて集積された紙幣とが混在して保留されている。大量入金処理モードの第3の態様では、例えば、表面が上を向いて集積された紙幣を入金一時保留部32から投入口14に搬送し(図9の太線(図9の符号A参照))、一方、裏面が上を向いて集積された紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cまたは金種混合収納部36に搬送する(図9の点線(図8の符号B参照))。
そして、入金一時保留部32から全ての紙幣が繰り出されると、投入口14に設けられたシャッター機構24が開くことによって、投入口14に集積された紙幣は操作者により回収される。
ここで、上述のような第3の態様の動作が行われる際に、投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32に保留された紙幣のうち、表面が上を向いて集積された紙幣および裏面が上を向いて集積された紙幣のどちらの枚数が多いかの判断が識別部18による識別結果(紙幣の表裏についての識別結果)に基づいて行われるようになっていてもよい。この場合、表裏に関して枚数が多い方の紙幣を入金一時保留部32から投入口14に搬送し、表裏に関して枚数が少ない方の紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cまたは金種混合収納部36に搬送してもよい。
次に、大量入金処理モードの第4の態様について図10を用いて以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、様々な金種の紙幣が混在して保留されている。大量入金処理モードの第4の態様では、制御部50は、識別部18による識別結果(紙幣の金種の識別結果)に基づいて、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣について、予め設定された設定枚数以上の枚数である紙幣の金種を帯封用紙幣の金種として検出する。具体的には、帯封部44において例えば100枚の紙幣が帯封されて帯封紙幣が形成される場合は、紙幣の設定枚数は100枚となる。そして、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、帯封用紙幣の金種として検出された金種の紙幣を設定枚数分だけ入金一時保留部32から一時集積部40に搬送し(図10の太線)、この一時集積部40に設定枚数分の紙幣が送られたときに帯封部44で紙幣の帯封が行われる。より詳細には、予め設定された設定枚数が100枚であり、入金一時保留部32に例えば130枚の千円札および50枚の一万円札が一時的に保留されていた場合には、入金一時保留部32から一時集積部40に100枚の千円札が1枚ずつ搬送され、一時集積部40に100枚の千円札が集積された後、搬送アーム42により一時集積部40から帯封部44に千円札の束を搬送し、帯封部44において千円札の束の帯封処理を行う(図10の太線参照)。
ここで、制御部50は、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、帯封用紙幣の金種として検出された金種の紙幣について、設定枚数に満たないような端数の紙幣を各金種別収納部34a〜34cに金種別に収納するよう制御を行う。例えば、上述の例では、入金一時保留部32に一時的に保留される130枚の千円札のうち30枚の千円札は、端数の紙幣として、千円札を収納する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に1枚ずつ搬送される。その後、制御部50は、次の紙幣の入金処理を行う際に入金一時保留部32に一時的に保留される紙幣のうち千円札の枚数が設定枚数に満たない場合には、金種別収納部34aに既に収納されている紙幣を帯封のために補填するよう制御を行う。具体的には、次の紙幣の入金処理を行う際に入金一時保留部32に例えば98枚の千円札が一時的に保留された場合には、この98枚の千円札に加え、金種別収納部34aに既に収納されている30枚の千円札のうち2枚の千円札が一時集積部40に送られ、合計100枚の千円札の帯封処理が帯封部44により行われる。
次に、大量入金処理モードの第5の態様について図11を用いて以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、様々な金種の紙幣が混在して保留されている。大量入金処理モードの第5の態様では、制御部50は、識別部18による識別結果(紙幣の金種の識別結果)に基づいて、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣について、予め設定された設定枚数以上の枚数である紙幣の金種を回収用紙幣の金種として検出する。そして、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、回収用紙幣の金種として検出された金種の紙幣を入金一時保留部32から金種混合収納部36に搬送し(図11の太線(図11の符号A参照))、一方、それ以外の金種の紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送する(図11の点線(図11の符号B参照))。
その後、操作者は、引き出しユニット38を筐体12から外部に引き出すとともに、金種混合収納部36を引き出しユニット38から上方に取り出し、この金種混合収納部36に収納された紙幣を金種混合収納部36ごと回収する。
次に、大量入金処理モードの第6の態様について図12を用いて以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、様々な金種の紙幣が混在して保留されている。大量入金処理モードの第6の態様では、制御部50は、識別部18による識別結果(紙幣の金種の識別結果)に基づいて、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣について、予め設定された設定枚数以上の枚数である紙幣の金種を回収用紙幣の金種として検出する。そして、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、回収用紙幣の金種として検出された金種の紙幣を入金一時保留部32から投入口14に搬送し(図12の太線(図12の符号A参照))、一方、それ以外の金種の紙幣を入金一時保留部32から各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送する(図12の点線(図12の符号B参照))。
そして、入金一時保留部32から全ての紙幣が繰り出されると、投入口14に設けられたシャッター機構24が開くことによって、投入口14に集積された紙幣は操作者により回収される。
次に、大量入金処理モードの第7の態様について以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、様々な金種の紙幣が混在して保留されている。大量入金処理モードの第7の態様では、制御部50は、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣を各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送するよう制御を行う。また、制御部50は、入金一時保留部32から繰り出された紙幣がもしこの紙幣の金種に対応する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に収納されると当該金種別収納部34aがフル状態になることが検出された場合には、この金種別収納部34aから所定量の紙幣が取り出されて紙幣を収納可能な状態(例えば空状態等)になったことが検出された後にこの紙幣を入金一時保留部32から金種別収納部34aに搬送するよう制御を行う。より詳細には、入金一時保留部32内にある紙幣を収納可能とするよう、金種別収納部34aから金種混合収納部36に紙幣が搬送され、その後、入金一時保留部32から金種別収納部34aに紙幣が搬送される。より具体的には、金種別収納部34aがニアフル状態またはフル状態であることが検出されると、この金種別収納部34aから金種混合収納部36に紙幣が自動的に搬送され、その後、入金一時保留部32から金種別収納部34aに紙幣が搬送されるようになる。あるいは、金種別収納部34aがニアフル状態またはフル状態であることが検出されると、この金種別収納部34aから紙幣を回収すべき旨の指示が表示部54に表示され、操作者が手動により金種別収納部34aから紙幣を回収すると、入金一時保留部32から金種別収納部34aに紙幣が搬送されるようになる。
次に、大量入金処理モードの第8の態様について以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、様々な金種の紙幣が混在して保留されている。大量入金処理モードの第8の態様では、制御部50は、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣を各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送するよう制御を行う。また、制御部50は、入金一時保留部32から繰り出された紙幣がもしこの紙幣の金種に対応する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に収納されると当該金種別収納部34aがフル状態になることが検出された場合には、この紙幣を、入金一時保留部32から、紙幣を収納可能な状態(例えば空状態等)の収納部(例えば、金種別収納部34b、34c、あるいは金種混合収納部36)に搬送するよう制御を行う。
次に、大量入金処理モードの第9の態様について以下に説明する。大量入金処理モードの第9の態様では、制御部50は、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の枚数が予め設定された設定枚数を超えたことを検出した場合には、入金一時保留部32から紙幣を繰り出さないよう制御を行う。この場合、入金一時保留部32から紙幣を回収すべき旨の指示が表示部54に表示される。その後、操作者は、引き出しユニット38を筐体12から引き出した後、入金一時保留部32を引き出しユニット38から上方に取り出すことにより、入金一時保留部32に収納された紙幣を入金一時保留部32ごと回収する。
次に、大量入金処理モードの第10の態様について以下に説明する。投入口14に投入された紙幣が入金一時保留部32に送られた後、この入金一時保留部32には、様々な金種の紙幣が混在して保留されている。大量入金処理モードの第10の態様では、制御部50は、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣を各金種別収納部34a〜34cに金種別に搬送するよう制御を行う。また、制御部50は、入金一時保留部32から繰り出された紙幣がもしこの紙幣の金種に対応する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に収納されると当該金種別収納部34aがフル状態になることが検出された場合には、入金一時保留部32から紙幣を繰り出さないよう制御を行う。この場合、入金一時保留部32から紙幣を回収すべき旨の指示が表示部54に表示される。その後、操作者は、引き出しユニット38を筐体12から引き出した後、入金一時保留部32を引き出しユニット38から上方に取り出すことにより、入金一時保留部32に収納された紙幣を入金一時保留部32ごと回収する。
前述のように、操作者は、紙幣処理装置10において大量入金処理モードを行う場合には、上述した第1の態様〜第10の態様の中から一の態様を選択し、操作部52によりどの態様の大量入金処理モードを行うかを制御部50に指令する。あるいは、上述した第1の態様〜第10の態様のうち一の態様が予めデフォルトとして制御部50において設定されており、操作者が大量入金処理モードを行うことを操作部52により制御部50に指令した場合には、このデフォルトの態様の動作が自動的に行われるようになっていてもよい。
以上のように本実施の形態の紙幣処理装置10によれば、制御部50は、投入口14により筐体12の内部に投入され識別部18により識別された紙幣を入金一時保留部32に一時的に保留させ、その後、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣について、識別部18による識別結果に基づいて予め設定された複数の処理方法の中から一の処理方法を選択し、この処理方法で入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の処理を行うようになっている。このことにより、入金一時保留部32内にある紙幣の識別結果から次の処理を決定するため、例えば、全ての紙幣を収納部34a〜34c、36に送らずに回収したりすることができ、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができ、このため、操作者が紙幣を筐体12の内部に投入してから紙幣を回収して金庫等の外部設備に運搬するまでの時間を短縮することができる。
より詳細には、上述した大量入金処理モードの第1の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、表裏のいずれか一方の紙幣を帯封し、表裏に関して他方の紙幣を収納部34a〜34c、36に収納させるようにしている。このように、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の一部を、収納部34a〜34c、36に収納させることなく直接帯封して帯封紙幣として回収することができるので、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第2の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、表裏のいずれか一方の紙幣を金種混合収納部36に収納し、表裏に関して他方の紙幣を各金種別収納部34a〜34cに金種別に収納させるようにしている。このように、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の一部を金種混合収納部36に収納し、この金種混合収納部36ごと回収するので、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第3の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、表裏のいずれか一方の紙幣を投入口14に搬送し、表裏に関して他方の紙幣を収納部34a〜34、36に収納させるようにしている。このように、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の一部を、収納部34a〜34c、36に収納させることなく投入口14から回収することができるので、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第4の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、ある金種の紙幣が予め設定された設定枚数(例えば、100枚)以上である場合には、この金種の紙幣を設定枚数分だけ一時集積部40に搬送し、一時集積部40に搬送された設定枚数の紙幣を帯封している。このように、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の一部を、収納部34a〜34c、36に収納させることなく直接帯封して帯封紙幣として回収することができるので、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができる。
このような大量入金処理モードの第4の態様において、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、帯封用紙幣として検出された金種の紙幣について、上述のような設定枚数に満たないような端数の紙幣を金種別収納部34a〜34cに収納し、次の紙幣の入金処理を行う際に入金一時保留部32に一時的に保留される紙幣のうち前述の金種の紙幣の枚数が設定枚数に満たない場合には、金種別収納部34a〜34cに既に収納されている紙幣を帯封のために補填するようになっている。この場合、次の紙幣の入金処理を行う際に入金一時保留部32に一時的に保留される紙幣が設定枚数に満たない場合でも、不足分を、前回の紙幣の入金処理時の端数の紙幣で補うことができる。
また、上述した大量入金処理モードの第5の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、ある金種の紙幣の枚数が比較的多い場合には、この金種の紙幣を金種混合収納部36に収納し、ある金種の紙幣の枚数が比較的少ない場合には、この金種の紙幣を各金種別収納部34a〜34に金種別に収納させるようにしている。このように、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の一部を金種混合収納部36に収納し、金種混合収納部36ごと紙幣を回収するので、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第6の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣のうち、ある金種の紙幣の枚数が比較的多い場合には、この金種の紙幣を投入口14に搬送し、ある金種の紙幣の枚数が比較的少ない場合には、この金種の紙幣を各金種別収納部34a〜34に金種別に収納させるようにしている。このように、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の一部を、収納部34a〜34c、36に収納させることなく投入口14から回収することができるので、紙幣を紙幣収納部30から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第7の態様によれば、入金一時保留部32から繰り出された紙幣がもしこの紙幣の金種に対応する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に収納されると当該金種別収納部34aがフル状態になることが検出された場合には、この金種別収納部34aから所定量の紙幣が取り出されて紙幣を収納可能な状態(例えば空状態等)になったことが検出された後にこの紙幣を入金一時保留部32から金種別収納部34aに搬送する。この場合、紙幣を金種別収納部34aによって回収する場合にはそのまま回収できる。
また、上述した大量入金処理モードの第8の態様によれば、入金一時保留部32から繰り出された紙幣がもしこの紙幣の金種に対応する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に収納されると当該金種別収納部34aがフル状態になることが検出された場合には、この紙幣を、入金一時保留部32から、紙幣を収納可能な状態(例えば空状態等)の収納部(例えば、金種別収納部34b、34c、あるいは金種混合収納部36)に搬送する。この場合、紙幣を金種別収納部34aによって回収する場合にはそのまま回収できる。
また、上述した大量入金処理モードの第9の態様によれば、入金一時保留部32に一時的に保留された紙幣の枚数が予め設定された設定枚数を超えたことが検出された場合には、入金一時保留部32から紙幣を繰り出さないよう制御を行う。この場合、入金一時保留部32に収納された紙幣を入金一時保留部32ごと回収することができ、入金一時保留部32から収納部34a〜34c、36に紙幣を搬送する時間を省略することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第10の態様によれば、入金一時保留部32から繰り出された紙幣がもしこの紙幣の金種に対応する金種別収納部(例えば金種別収納部34a)に収納されると当該金種別収納部34aがフル状態になることが検出された場合には、入金一時保留部32から紙幣を繰り出さないよう制御を行う。この場合、入金一時保留部32に収納された紙幣を入金一時保留部32ごと回収することができ、入金一時保留部32から収納部34a〜34c、36に紙幣を搬送する時間を省略することができる。
なお、本発明による貨幣処理装置は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。具体的には、本発明による貨幣処理装置として、紙幣の処理を行う紙幣処理装置の代わりに、硬貨の処理を行う硬貨処理装置を用いることもできる。
以下、貨幣処理装置として硬貨の処理を行う硬貨処理装置を用いた場合について図13乃至図17を参照して説明する。このうち、図13は、本実施の形態における硬貨処理装置の内部の構成を示す構成図であり、図14は、図13に示す硬貨処理装置の制御ブロック図である。また、図15乃至図17は、図13および図14に示す硬貨処理装置における、硬貨の大量入金処理モードの様々な態様の動作をそれぞれ示す説明図である。
まず、硬貨処理装置60の全体的な構成について説明する。図13に示すように、硬貨処理装置60は略直方体形状の筐体62を備えており、この筐体62の前面には、当該筐体62の外部から内部に硬貨を投入するための投入口64が設けられている。また、筐体62の内部には、投入口64に投入された硬貨が保留される保留繰出部66が設けられている。保留繰出部66に保留された硬貨は、1枚ずつ搬送部68に繰り出されるようになっている。搬送部68には識別部70が設けられており、保留繰出部66から搬送部68に繰り出された硬貨は識別部70により金種、正損、真偽等の識別が行われるようになっている。搬送部68には一時保留部72が接続されており、保留繰出部66から搬送部68に繰り出され識別部70により識別された硬貨は一時保留部72に一時的に保留されるようになっている。なお、この一時保留部72は、筐体62から取り外し自在となっており、一時保留部72を筐体62から取り外すことにより一時保留部72に一時的に保留された硬貨を回収することができるようになっている。また、硬貨処理装置60には投出口76が設けられており、識別部70により識別された硬貨のうち、正常な硬貨ではないリジェクト硬貨と識別された硬貨は一時保留部72に送られることはなく投出口76に直接的に送られるようになっている。
また、筐体62の内部には1円硬貨収納部74a、5円硬貨収納部74b、50円硬貨収納部74c、100円硬貨収納部74d、10円硬貨収納部74e、500円硬貨収納部74fからなる硬貨収納部74が設けられている。一時保留部72に一時的に保留された硬貨は、硬貨収納部74における各金種の硬貨収納部74a〜74fに金種別に搬送されるようになっている。また、筐体62の内部には、複数の金種の硬貨を混合して収納する金種混合硬貨収納部74gが設けられている。この金種混合硬貨収納部74gも硬貨収納部74の一部を構成しており、各硬貨収納部74a〜74fのうちある硬貨収納部がフル状態となったときに、この硬貨収納部に対応する金種の硬貨が一時保留部72から金種混合硬貨収納部74gに送られ、この金種混合硬貨収納部74gに収納されるようになっている。
図13に示すように、硬貨収納部74における各硬貨収納部74a〜74gは引き出しユニット75に収容されている。この引き出しユニット75は、硬貨処理装置60の筐体62から図13の左方向に引き出すことができるようになっており、引き出しユニット75を筐体62から引き出した後、各硬貨収納部74a〜74gを引き出しユニット75から上方に取り出すことができるようになっている。このようにして、各硬貨収納部74a〜74gに収納された硬貨を、この硬貨を収納する硬貨収納部74a〜74gごと筐体62の外部から回収することができる。
また、硬貨収納部74における各金種の硬貨収納部74a〜74gに収納された硬貨は、これらの硬貨収納部74a〜74gから搬送部69に送られ、この硬貨は搬送部69から投出口76または回収カセット78に送られるようになっている。回収カセット78は筐体62の外部に取り出し自在となっており、この回収カセット78を筐体62の外部に取り出すことにより、硬貨を回収カセット78ごと回収することができるようになっている。
また、図13に示すように、筐体62の内部には、硬貨の包装を行うための包装部80が設けられている。包装部80には一時保留部72から硬貨が送られるようになっている。包装部80は、当該包装部80に送られた複数(例えば50枚)の硬貨の包装を行うようになっている。
また、硬貨処理装置60には包装硬貨投出口82が設けられており、包装部80により形成された包装硬貨は包装硬貨投出口82に送られるようになっている。操作者は、この包装硬貨投出口82から包装硬貨を取り出すことができるようになっている。
また、図13に示すように、硬貨処理装置60の各構成要素の制御を行う制御部90が筐体62の内部に設けられている。制御部90の構成について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、制御部90には、保留繰出部66、搬送部68、69、識別部70、一時保留部72、硬貨収納部74、包装部80等が接続されている。また、制御部90には、操作部92、表示部94、インターフェース96が接続されている。ここで、識別部70により識別された硬貨の識別情報は制御部90に送られるようになっている。また、制御部90は、保留繰出部66、搬送部68、69、一時保留部72、硬貨収納部74、包装部80等に対してそれぞれ制御信号を送り、これらの構成要素の制御を行うようになっている。
操作部92は、操作者が制御部90に様々な指示を送るためのものであり、例えばキーボードや各種キー等により構成されている。また、表示部94は、硬貨処理装置60における様々な硬貨の処理状況、例えば硬貨収納部74における各金種の硬貨収納部74a〜74gに収納されている硬貨の金種毎の枚数等を表示するようになっている。これらの操作部92および表示部94は硬貨処理装置60の筐体62の前面や上面に設けられている。なお、操作部92および表示部94は一体のものとなっていてもよい。具体的には、例えば筐体62の前面や上面にタッチパネルが設けられており、このタッチパネルに、硬貨処理装置60における様々な硬貨の処理状況が表示されるとともに、タッチパネルに表示される各種キーを押下することにより操作者が制御部90に様々な指示を送ることができるようになっていてもよい。
また、制御部90は、インターフェース96を介して、硬貨処理装置60とは別の外部装置98(例えば、上位装置)と情報の送受信を行うことができるようになっている。
次に、上述のような構成からなる硬貨処理装置60の動作について説明する。硬貨処理装置60による処理の内容としては、概して、顧客から預かった硬貨を入金する入金処理モード、顧客に硬貨を支払うために硬貨収納部74から硬貨を出金する出金処理モード、および硬貨収納部74に収納された硬貨を回収する回収処理モード等がある。なお、以下に示すような硬貨処理装置60の動作は、制御部90が硬貨処理装置60の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、顧客から預かった硬貨を入金、収納する入金処理モードについて説明する。
入金処理モードにおいて、まず、操作者が硬貨を硬貨処理装置60の投入口64に投入する。投入口64に投入された硬貨は保留繰出部66に送られ、この保留繰出部66に一時的に保留される。その後、保留繰出部66から搬送部68に硬貨が1枚ずつ繰り出され、この繰り出された硬貨は識別部70によりその金種や正損、真偽等の識別が行われる。識別部70により正常な硬貨であると識別された硬貨は搬送部68により一時保留部72に搬送される。一時保留部72において、搬送部68から送られた硬貨が一時的に保留される。
一方、識別部70により正常な硬貨であると識別された硬貨以外の硬貨は、すなわち、識別部70により偽物であると識別された硬貨や、識別部70により識別することができなかった硬貨は、リジェクト硬貨として搬送部68により投出口76に送られ、この投出口76に集積される。そして、保留繰出部66から硬貨が全て繰り出された後に、投出口76に集積されたリジェクト硬貨は操作者により取り出されることとなる。
上述のような動作は、保留繰出部66から硬貨が全て繰り出されるまで行われる。そして、保留繰出部66から硬貨が全て繰り出されると、表示部94にこのことが表示される。そして、操作者が操作部92により「入金確定」の指令を制御部90に対して行うと、一時保留部72から硬貨が1枚ずつ当該一時保留部72から繰り出され、この繰り出された硬貨はその金種に基づいて硬貨収納部74における各硬貨収納部74a〜74fに搬送され、これらの各硬貨収納部74a〜74fに収納される。なお、各硬貨収納部74a〜74fのうちある硬貨収納部がフル状態となった場合には、この硬貨収納部に対応する金種の硬貨は金種混合硬貨収納部74gに送られる。このようにして、硬貨の入金処理モードが終了する。
また、操作者が操作部92により「入金確定」の指令の代わりに「返却」の指令を制御部90に対して行うと、一時保留部72から硬貨が1枚ずつ当該一時保留部72から繰り出され、この繰り出された硬貨は搬送部68により投出口76に送られる。そして、一時保留部72から投出口76に全ての硬貨が搬送された後に、投出口76に送られた硬貨は操作者により取り出されることとなる。
次に、顧客に硬貨を支払うために硬貨収納部74から硬貨を出金する出金処理モードについて説明する。出金処理モードにおいて、操作者が操作部92により制御部90に対して硬貨の出金処理の指令を与えると、硬貨収納部74における各硬貨収納部74a〜74gから硬貨が1枚ずつ搬送部69に送られ、搬送部69から投出口76に硬貨が搬送され、この投出口76に硬貨が集積される。そして、各硬貨収納部74a〜74gから全ての硬貨または所定の合計金額の硬貨が搬送部69により投出口76に送られると、出金完了の旨が表示部94に表示される。その後、操作者は、投出口76から出金硬貨を取り出す。
次に、硬貨収納部74に収納された硬貨を回収する回収処理モードについて説明する。回収処理モードにおいて、操作者が操作部92により制御部90に対して硬貨の回収処理の指令を与えると、硬貨収納部74における各硬貨収納部74a〜74gから硬貨が1枚ずつ搬送部69に送られ、搬送部69から回収カセット78に硬貨が搬送され、この回収カセット78に硬貨が集積される。そして、各硬貨収納部74a〜74gから全ての硬貨または所定の合計金額の硬貨が搬送部69により回収カセット78に送られると、回収準備完了の旨が表示部94に表示される。その後、操作者は、回収カセット78を筐体62から引き出す。このことにより、回収カセット78に収納された硬貨を、回収カセット78ごと回収することができる。
また、図13および図14に示すような硬貨処理装置60では、上述のような入金処理モードや出金処理モード等に加えて、以下に示すような大量入金処理モードを選択的に行うことができる。あるいは、上述のような入金処理モードに代えて、以下に示すような大量入金処理モードが強制的に行われるようになっていてもよい。
硬貨処理装置60における大量入金処理モードでは、制御部90は、投入口64により筐体62の内部に投入され識別部70により識別された硬貨を一時保留部72に一時的に保留させ、その後、一時保留部72に一時的に保留された硬貨について、識別部70による識別結果に基づいて予め設定された複数の処理方法の中から一の処理方法を選択し、この処理方法で一時保留部72に一時的に保留された硬貨の処理を行う。このような大量入金処理モードとしては、様々な態様がある。操作者は、大量入金処理モードを行うにあたり、操作部92によりどの態様の大量入金処理モードを行うかを制御部90に指令する。あるいは、特定の態様の処理が行われるよう制御部90において予めデフォルトの設定が行われていてもよい。
硬貨処理装置60における大量入金処理モードでは、投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られるまでは、上述した入金処理モードにおける動作と同様の動作が行われる。投入口64に投入された硬貨が全て一時保留部72または投出口76に送られた後、以下に示すような様々な態様の動作のうち一の態様の動作が選択的に行われる。
大量入金処理モードの第1の態様について図15を用いて以下に説明する。投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られた後、この一時保留部72には、様々な金種の硬貨が混在して保留されている。大量入金処理モードの第1の態様では、制御部90は、識別部70による識別結果(硬貨の金種の識別結果)に基づいて、一時保留部72に一時的に保留された硬貨について、予め設定された設定枚数以上の枚数である硬貨の金種を包装用硬貨の金種として検出する。具体的には、包装部80において例えば50枚の硬貨が包装されて包装硬貨が形成される場合は、硬貨の設定枚数は50枚となる。そして、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、包装用硬貨の金種として検出された金種の硬貨を設定枚数分だけ一時保留部72から包装部80に搬送し(図15の太線)、この包装部80に設定枚数分の硬貨が送られたときに包装部80で設定枚数分の硬貨の包装が行われる。より詳細には、予め設定された設定枚数が50枚であり、一時保留部72に例えば80枚の10円硬貨および20枚の100円硬貨が一時的に保留されていた場合には、一時保留部72から包装部80に50枚の10円硬貨が1枚ずつ搬送され、包装部80に50枚の10円硬貨が送られた後、当該包装部80において10円硬貨の包装処理を行う。このようにして包装部80で形成された包装硬貨は包装硬貨投出口82に搬送される(図15の太線参照)。その後、操作者は、包装硬貨投出口82に搬送された包装硬貨を回収する。なお、包装部80により硬貨の包装処理が行われた後、包装硬貨が筐体62内に収納されるようになっていてもよい。
ここで、制御部90は、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、包装用硬貨の金種として検出された金種の硬貨について、設定枚数に満たないような端数の硬貨を各硬貨収納部74a〜74fに金種別に収納するよう制御を行う。例えば、上述の例では、一時保留部72に一時的に保留される80枚の10円硬貨のうち30枚の10円硬貨は、端数の硬貨として、10円硬貨を収納する10円硬貨収納部74eに1枚ずつ搬送される。その後、制御部90は、次の硬貨の入金処理を行う際に一時保留部72に一時的に保留される硬貨のうち10円硬貨の枚数が設定枚数に満たない場合には、10円硬貨収納部74eに既に収納されている硬貨を包装のために補填するよう制御を行う。具体的には、次の硬貨の入金処理を行う際に一時保留部72に例えば48枚の10円硬貨が一時的に保留された場合には、この48枚の10円硬貨に加え、10円硬貨収納部74eに既に収納されている30枚の10円硬貨のうち2枚の10円硬貨が包装部80に送られ、合計50枚の10円硬貨の包装処理が包装部80により行われる。
次に、大量入金処理モードの第2の態様について図16を用いて以下に説明する。投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られた後、この一時保留部72には、様々な金種の硬貨が混在して保留されている。大量入金処理モードの第2の態様では、制御部90は、識別部70による識別結果(硬貨の金種の識別結果)に基づいて、一時保留部72に一時的に保留された硬貨について、予め設定された設定枚数以上の枚数である硬貨の金種を回収用硬貨の金種として検出する。そして、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、回収用硬貨の金種として検出された金種の硬貨を一時保留部72から金種混合硬貨収納部74gに搬送し(図16の太線)、一方、それ以外の金種の硬貨を一時保留部72から各硬貨収納部74a〜74fに金種別に搬送する(図16の点線)。
その後、操作者は、引き出しユニット75を筐体62から外部に引き出すとともに、金種混合硬貨収納部74gを引き出しユニット75から上方に取り出し、この金種混合硬貨収納部74gに収納された硬貨を金種混合硬貨収納部74gごと回収する。
次に、大量入金処理モードの第3の態様について図17を用いて以下に説明する。投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られた後、この一時保留部72には、様々な金種の硬貨が混在して保留されている。大量入金処理モードの第3の態様では、制御部90は、識別部70による識別結果(硬貨の金種の識別結果)に基づいて、一時保留部72に一時的に保留された硬貨について、予め設定された設定枚数以上の枚数である硬貨の金種を回収用硬貨の金種として検出する。そして、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、回収用硬貨の金種として検出された金種の硬貨を一時保留部72から投出口76に搬送し(図17の太線)、一方、それ以外の金種の硬貨を一時保留部72から各硬貨収納部74a〜74fに金種別に搬送する(図17の点線)。
そして、一時保留部72から全ての硬貨が投出口76または各硬貨収納部74a〜74fに送られると、操作者は投出口76に集積された硬貨を回収する。
次に、大量入金処理モードの第4の態様について以下に説明する。投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られた後、この一時保留部72には、様々な金種の硬貨が混在して保留されている。大量入金処理モードの第4の態様では、制御部90は、一時保留部72に一時的に保留された硬貨を各硬貨収納部74a〜74fに金種別に搬送するよう制御を行う。また、制御部90は、一時保留部72から繰り出された硬貨がもしこの硬貨の金種に対応する硬貨収納部74(例えば硬貨収納部74a)に収納されると当該硬貨収納部74aがフル状態になることが検出された場合には、この硬貨収納部74aから所定量の硬貨が取り出されて硬貨を収納可能な状態(例えば空状態等)になったことが検出された後にこの硬貨を一時保留部72から硬貨収納部74aに搬送するよう制御を行う。より詳細には、一時保留部72内にある硬貨を収納可能とするよう、硬貨収納部74aから回収カセット78に硬貨が搬送され、その後、一時保留部72から硬貨収納部74aに硬貨が搬送される。より具体的には、硬貨収納部74aがニアフル状態またはフル状態であることが検出されると、この硬貨収納部74aから回収カセット78に硬貨が自動的に搬送され、その後、一時保留部72から硬貨収納部74aに硬貨が搬送されるようになる。あるいは、硬貨収納部74aがニアフル状態またはフル状態であることが検出されると、この硬貨収納部74aから硬貨を回収すべき旨の指示が表示部94に表示され、操作者が手動により硬貨収納部74aから硬貨を回収すると、一時保留部72から硬貨収納部74aに硬貨が搬送されるようになる。
次に、大量入金処理モードの第5の態様について以下に説明する。投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られた後、この一時保留部72には、様々な金種の硬貨が混在して保留されている。大量入金処理モードの第5の態様では、制御部90は、一時保留部72に一時的に保留された硬貨を各硬貨収納部74a〜74cに金種別に搬送するよう制御を行う。また、制御部90は、一時保留部72から繰り出された硬貨がもしこの硬貨の金種に対応する硬貨収納部74(例えば硬貨収納部74a)に収納されると当該硬貨収納部74aがフル状態になることが検出された場合には、この硬貨を、一時保留部72から、硬貨を収納可能な状態(例えば空状態等)の硬貨収納部(例えば、金種混合硬貨収納部74g)に搬送するよう制御を行う。
次に、大量入金処理モードの第6の態様について以下に説明する。大量入金処理モードの第6の態様では、制御部90は、一時保留部72に一時的に保留された硬貨の枚数が予め設定された設定枚数を超えたことを検出した場合には、一時保留部72から硬貨を繰り出さないよう制御を行う。この場合、一時保留部72から硬貨を回収すべき旨の指示が表示部94に表示される。その後、操作者は、一時保留部72を筐体62から取り出すことにより、一時保留部72に収納された硬貨を一時保留部72ごと回収する。
次に、大量入金処理モードの第7の態様について以下に説明する。投入口64に投入された硬貨が一時保留部72に送られた後、この一時保留部72には、様々な金種の硬貨が混在して保留されている。大量入金処理モードの第7の態様では、制御部90は、一時保留部72に一時的に保留された硬貨を各硬貨収納部74a〜74fに金種別に搬送するよう制御を行う。また、制御部90は、一時保留部72から繰り出された硬貨がもしこの硬貨の金種に対応する硬貨収納部74(例えば硬貨収納部74a)に収納されると当該硬貨収納部74aがフル状態になることが検出された場合には、一時保留部72から硬貨を出さないよう制御を行う。この場合、一時保留部72から硬貨を回収すべき旨の指示が表示部94に表示される。その後、操作者は、一時保留部72を筐体62から取り出すことにより、一時保留部72に収納された硬貨を一時保留部72ごと回収する。
前述のように、操作者は、硬貨処理装置60において大量入金処理モードを行う場合には、上述した第1の態様〜第7の態様の中から一の態様を選択し、操作部92によりどの態様の大量入金処理モードを行うかを制御部90に指令する。あるいは、上述した第1の態様〜第7の態様のうち一の態様が予めデフォルトとして制御部90において設定されており、操作者が大量入金処理モードを行うことを操作部92により制御部90に指令した場合には、このデフォルトの態様の動作が自動的に行われるようになっていてもよい。
以上のように上述のような硬貨処理装置60によれば、制御部90は、投入口64により筐体62の内部に投入され識別部70により識別された硬貨を一時保留部72に一時的に保留させ、その後、一時保留部72に一時的に保留された硬貨について、識別部70による識別結果に基づいて予め設定された複数の処理方法の中から一の処理方法を選択し、この処理方法で一時保留部72に一時的に保留された硬貨の処理を行うようになっている。このため、硬貨を硬貨収納部74から回収するための時間を短縮することができ、このことにより、操作者が硬貨を筐体62の内部に投入してから硬貨を回収して金庫等の外部設備に運搬するまでの時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第1の態様によれば、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、ある金種の硬貨が予め設定された設定枚数(例えば、50枚)以上である場合には、この金種の硬貨を設定枚数分だけ包装部80に搬送し、包装部80に搬送された設定枚数の硬貨を包装している。このように、一時保留部72に一時的に保留された硬貨の一部を、硬貨収納部74a〜74gに収納させることなく直接包装して包装硬貨として回収することができるので、硬貨を硬貨収納部74から回収するための時間を短縮することができる。
このような大量入金処理モードの第1の態様において、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、包装用硬貨として検出された金種の硬貨について、上述のような設定枚数に満たないような端数の硬貨を硬貨収納部74a〜74fに収納し、次の硬貨の入金処理を行う際に一時保留部72に一時的に保留される硬貨のうち前述の金種の硬貨の枚数が設定枚数に満たない場合には、硬貨収納部74a〜74fに既に収納されている硬貨を包装のために補填するようになっている。この場合、次の硬貨の入金処理を行う際に一時保留部72に一時的に保留される硬貨が設定枚数に満たない場合でも、不足分を、前回の硬貨の入金処理時の端数の硬貨で補うことができる。
また、上述した大量入金処理モードの第2の態様によれば、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、ある金種の硬貨の枚数が比較的多い場合には、この金種の硬貨を金種混合硬貨収納部74gに収納し、ある金種の硬貨の枚数が比較的少ない場合には、この金種の硬貨を各硬貨収納部74a〜74fに金種別に収納させるようにしている。このように、一時保留部72に一時的に保留された硬貨の一部を金種混合硬貨収納部74gに収納し、金種混合硬貨収納部74gごと硬貨を回収するので、硬貨を硬貨収納部74から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第3の態様によれば、一時保留部72に一時的に保留された硬貨のうち、ある金種の硬貨の枚数が比較的多い場合には、この金種の硬貨を投出口76に搬送し、ある金種の硬貨の枚数が比較的少ない場合には、この金種の硬貨を各硬貨収納部74a〜74fに金種別に収納させるようにしている。このように、一時保留部72に一時的に保留された硬貨の一部を、硬貨収納部74a〜74gに収納させることなく投出口76から回収することができるので、硬貨を硬貨収納部74から回収するための時間を短縮することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第4の態様によれば、一時保留部72から出された硬貨がもしこの硬貨の金種に対応する硬貨収納部74(例えば硬貨収納部74a)に収納されると当該硬貨収納部74aがフル状態になることが検出された場合には、この硬貨収納部74aから所定量の硬貨が取り出されて硬貨を収納可能な状態(例えば空状態等)になったことが検出された後にこの硬貨を一時保留部72から硬貨収納部74aに搬送する。この場合、硬貨を硬貨収納部74aによって回収する場合にはそのまま回収できる。
また、上述した大量入金処理モードの第5の態様によれば、一時保留部72から出された硬貨がもしこの硬貨の金種に対応する硬貨収納部74(例えば硬貨収納部74a)に収納されると当該硬貨収納部74aがフル状態になることが検出された場合には、この硬貨を、一時保留部72から、硬貨を収納可能な状態(例えば空状態等)の硬貨収納部(例えば、金種混合硬貨収納部74g)に搬送する。この場合、硬貨を硬貨収納部74aによって回収する場合にはそのまま回収できる。
また、上述した大量入金処理モードの第6の態様によれば、一時保留部72に一時的に保留された硬貨の枚数が予め設定された設定枚数を超えたことが検出された場合には、一時保留部72から硬貨を繰り出さないよう制御を行う。この場合、一時保留部72に収納された硬貨を一時保留部72ごと回収することができ、一時保留部72から硬貨収納部74に硬貨を搬送する時間を省略することができる。
また、上述した大量入金処理モードの第7の態様によれば、一時保留部72から出された硬貨がもしこの硬貨の金種に対応する硬貨収納部74(例えば硬貨収納部74a)に収納されると当該硬貨収納部74aがフル状態になることが検出された場合には、一時保留部72から硬貨を出さないよう制御を行う。この場合、一時保留部72に収納された硬貨を一時保留部72ごと回収することができ、一時保留部72から硬貨収納部74に硬貨を搬送する時間を省略することができる。