JP5556466B2 - 配線板用積層板 - Google Patents

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Description

本発明は配線板用積層板に関し、特に、配線板の製造段階でドリル加工処理を要する配線板用積層板に関する。
半導体パッケージに用いられる配線板(以下、「インターポーザ」と称する)では、配線の層間接続用として多数のドリル加工が行われるのが一般的である。従って、インターポーザ用積層板には高いドリル加工性が求められる。
一方、近年の半導体パッケージの薄型化の進展により、パッケージの反りによる実装不良が多発するようになり、インターポーザ用積層板の熱膨張率をシリコンチップに近付ける、すなわち低熱膨張化することによる反り低減が強く求められるようになっている。
積層板の低熱膨張化のためには、積層板に用いられる樹脂組成物中の無機充填材のうち、シリカのような熱膨張率の小さい充填材の含有量を増やすことが有効である。しかし、シリカのような硬い充填材の含有量を増やすと、積層板のドリル加工性が低下するという問題があった。
そこで、無機充填材としてシリカより軟らかい焼成タルク等の板状粒子を加えたり、無機充填材の含有量を減らしたりしてドリル加工性の低下を防ぐ試みが行われている(例えば特許文献1参照)。しかし、このような試みによってもドリル加工性の低下防止効果が不十分であったり、積層板が高熱膨張化して半導体パッケージの反り抑制効果が不十分になったりする等の不都合があった。
また、ドリル加工性を向上させるために、無機固形潤滑剤粒子として二硫化モリブデンのような金属ジカルコゲナイドを添加する試みが行われている(例えば特許文献2参照)。しかし、二硫化モリブデンを添加すると積層板の電気絶縁性が著しく低下するという問題があり、満足できる結果が得られるまでには至っていない。
特開2005−162787号公報 特表2002−527538号公報
こうした現状に鑑み、本発明は、配線板を作製する際のドリル加工性が非常に優れており、良好な電気絶縁性及び低熱膨張性をも有する配線板用積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、熱硬化性樹脂、特定量のシリカ及び特定のモリブデン化合物を含有する熱硬化性樹脂組成物を用いて積層板とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、下記の通りである。
[1] (A)熱硬化性樹脂と、(B)シリカと、(C)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、及びモリブデン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも一種のモリブデン化合物とを含み、(B)のシリカの含有量が20体積%以上60体積%以下である熱硬化性樹脂組成物をフィルム状又は繊維状の基材に塗工した後半硬化させてプリプレグとし、該プリプレグを積層成形してなる配線板用積層板。
[2] (B)のシリカが平均粒子径0.1μm以上1μm以下の溶融球状シリカであり、かつ(C)のモリブデン化合物の含有量が前記樹脂組成物全体の0.1体積%以上10体積%以下である[1]に記載の配線板用積層板。
[3] 前記熱硬化性樹脂組成物がワニス化されてなる[1]又は[2]に記載の配線板用積層板
[4] 前記フィルム状又は繊維状の基材がガラスクロスである[1]〜[3]のいずれかに記載の配線板用積層板。
本発明によれば、配線板を作製する際のドリル加工性が非常に優れており、良好な電気絶縁性及び低熱膨張性をも有する配線板用積層板を提供することができる。従って、本発明の配線板用積層板を用いてインターポーザを製造すれば、低コストで反りの少ない半導体パッケージを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の配線板用積層板は、(A)熱硬化性樹脂と、(B)シリカと、(C)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、及びモリブデン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも一種のモリブデン化合物とを含み、(B)のシリカの含有量が20体積%以上60体積%以下である熱硬化性樹脂組成物をフィルム状又は繊維状の基材に塗工した後半硬化させてプリプレグとし、該プリプレグを積層成形してなる。
このうち(A)成分の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、成形性や電気絶縁性の点からエポキシ樹脂を単独又は混合して用いることが好ましい。
用いるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノール類及びアントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、必要に応じて該エポキシ樹脂の硬化剤や硬化促進剤を使用することができる。
硬化剤の例としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能フェノール化合物、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
また、硬化促進剤の例としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
(B)成分のシリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられる。乾式法シリカとしては製造法の違いにより、破砕シリカ、フュームドシリカ、及び溶融球状シリカが挙げられる。これらの中で、低熱膨張性及び樹脂に配合した際の高流動性から溶融球状シリカが好ましい。
シリカとして溶融球状シリカを用いる場合、その平均粒子径は0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。溶融球状シリカの平均粒子径を0.1μm以上にすることで樹脂に配合した際の流動性を良好に保つことができ、1μm以下にすることでドリル加工の際のドリル切刃磨耗を抑えることができる。
ここで本明細書における「平均粒子径」とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
シリカの含有量は、樹脂組成物全体の20体積%以上60体積%以下である必要がある。シリカの含有量を樹脂組成物全体の20体積%以上にすることで積層板を低熱膨張化することができ、60体積%以下にすることで成形性とドリル加工性を良好に保つことができる。シリカの含有量は、30体積%以上60体積%以下であることが好ましく、40体積%以上56体積%以下であることがより好ましい。
(C)成分としては、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、及びモリブデン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも一種のモリブデン化合物を用いる必要がある。
これらのモリブデン化合物は、シリカと共に積層板に用いた際に、焼成タルク等よりドリル加工性の低下防止効果が大きく、かつ二硫化モリブデンのように電気絶縁性を著しく低下させることもない。これらのモリブデン化合物を配合する際は、それらの粒子をそのまま用いてもよいし、タルク、シリカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等の粒子に担持させて用いてもよい。この際、これらの粒子の平均粒子径は0.3μm以上3μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2μm以下であることがより好ましい。
平均粒子径を0.3μm以上にすることで樹脂に配合した際の分散性を良好に保つことができ、3μm以下にすることで樹脂組成物を有機溶媒に溶かしてワニス化する場合の急激な沈降を防ぐことができる。
モリブデン化合物の含有量は、樹脂組成物全体の0.1体積%以上10体積%以下であることが好ましく、0.2体積%以上7体積%以下であることがより好ましい。
モリブデン化合物の含有量を樹脂組成物全体の0.1体積%以上にすることで積層板のドリル加工性を良好に保つことができ、10体積%以下にすることで成形性の低下を防ぐことができる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物には、上記以外にも任意に、公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、無機充填材、有機充填材、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び接着性向上剤等を用いることができる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
エラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
無機充填材としては、例えば、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、EガラスやSガラス、Dガラス等のガラス粉や中空ガラスビーズ等が挙げられる。
有機充填材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等よりなる均一構造の樹脂粒子、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、共役ジエン系樹脂等よりなるゴム状態のコア層と、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、シアン化ビニル系樹脂等よりなるガラス状態のシェル層を持つコアシェル構造の樹脂粒子等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、赤リン等のリン系難燃剤、スルファミン酸グアニジン、硫酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、シクロホスファゼン、ポリホスファゼン等のホスファゼン系難燃剤、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤の例としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化防止剤の例としてはヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系酸化防止剤、接着性向上剤の例としてはシラン系、チタネート系、アルミネート系のカップリング剤等が挙げられる。
本発明の配線板用積層板は、上記成分を用いた本発明に係る熱硬化性樹脂組成物をフィルム状又は繊維状の基材に塗工し、半硬化させたものを積層成形することにより得ることができる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物を塗工する際には、当該熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶かしてワニス化してから用いることが好ましい。樹脂組成物をワニス化してから塗工することにより、均一でボイド等の欠陥が少ない積層板を得ることができる。
熱硬化性樹脂組成物をワニス化する際用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、樹脂の溶解性の点からメチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが好ましく、低毒性である点からプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンがより好ましい。
ワニス中の樹脂組成物の割合は、ワニス全体の50質量%以上80質量%以下にすることが好ましい。ワニス中の樹脂組成物の割合を50質量%以上80質量%以下にすることで、基材に対する塗工性を良好に保つことができる。
塗工の際用いる基材としては、フィルム状のものは、例えば、銅、アルミニウム等の金属箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の有機フィルムが挙げられ、繊維状のものは、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス及びQガラス等の無機繊維、アラミド、ポリエステル及びポリテトラフルオロエチレン等の有機繊維、あるいはそれらの混合物の織布、不織布、ロービングマット、チョップトストランドマット及びサーフェシングマットが挙げられる。
これらの中で、Eガラス、Sガラス、Dガラス及びQガラス等の無機繊維の織布、すなわちガラスクロスを用いることが好ましい。基材としてガラスクロスを用いることで、積層板の低熱膨張化と高ドリル加工性化を両立させることができる。
基材としてガラスクロスを用いる場合、0.01mmから0.2mmの厚さで、機械的に開繊処理を施したり、カップリング剤等で表面処理したりしたものを用いることができる。
ガラスクロスに熱硬化性樹脂組成物ワニスを塗工、半硬化させてプリプレグを得るには、例えば、ガラスクロスを樹脂組成物ワニス中に潜らせてワニスを含浸させた後、カットバー、スクイズロール等を用いてプリプレグ中の樹脂組成物の割合が20質量%から90質量%となるようにワニスの付着量を調整し、続いて100℃から200℃の乾燥炉中を1分から30分かけて通して半硬化させる、等の方法によることができる。
こうして得られたプリプレグを積層成形して本発明の積層板を得るには、例えば、プリプレグを必要な厚さになるように1枚から20枚重ね、片面又は両面に銅、アルミニウム等の金属箔を配置し、多段プレス、多段真空プレス、連続成形機、オートクレーブ成形機等を用いて、温度:100〜250℃、圧力:0.2〜10MPaの条件で0.1時間から5時間加熱加圧成形する、等の方法によることができる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
(実施例1、3、4、及び比較例1)
表1及び表2に示した配合のうち、まず、(A)熱硬化性樹脂と硬化剤を有機溶媒に完全に溶解させ、次に(B)シリカスラリーを加えて両者が十分に混合するまで攪拌した。この後、(C)モリブデン化合物を少しずつ加えて凝集塊が無くなるまで攪拌を続け、最後に硬化促進剤を加えてワニス全体が均一になるよう1時間攪拌した。
こうして得られた熱硬化性樹脂組成物ワニスを、厚さ0.1mmのEガラスクロス〔日東紡績株式会社製、WEA116E〕に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して半硬化させ、樹脂組成物の割合が48質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを必要な厚さになるように所定枚数重ね、厚さ12μmの電解銅箔〔古河電気工業株式会社製、GTS−12〕を両面に配置し、真空プレスを用いて温度:185℃、圧力:4MPaで90分間加熱加圧成形を行って銅張積層板を得た。
(実施例2、及び比較例2)
熱硬化性樹脂組成物ワニスを配合する際、(B)シリカスラリーを加えた後、(C)モリブデン化合物を加える前に無機充填材(水酸化アルミニウム)を加えて十分攪拌混合した以外は、「実施例1、3、4、及び比較例1」と同様の方法で銅張積層板を得た。
(比較例3、4)
熱硬化性樹脂組成物ワニスを配合する際、(B)シリカスラリーを加えた後、無機充填材(焼成タルク又は二硫化モリブデン)を加えて凝集塊が無くなるまで攪拌し、最後に硬化促進剤を加えてワニス全体が均一になるよう1時間攪拌した以外は、「実施例1、3、4、及び比較例1」と同様の方法で銅張積層板を得た。
Figure 0005556466
Figure 0005556466
ここで、表1及び表2中の各成分の配合量は、(A)の熱硬化性樹脂の合計配合量を100とした場合の質量部で示した。ただし、(B)のシリカ及び(C)のモリブデン化合物については、括弧内に樹脂組成物全体に対する体積%の値も示した。また、表1及び表2中の各成分は、それぞれ次のものを用いた。
(A)熱硬化性樹脂
A−1:フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC株式会社製、エピクロンN−770〕
A−2:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂〔DIC株式会社製、エピクロンN−865〕
A−3:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂〔日本化薬株式会社製、NC−3000〕
硬化剤:クレゾールノボラック型フェノール樹脂〔DIC株式会社製、フェノライトKA−1165〕
硬化促進剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール〔四国化成株式会社製、キュアゾール2E4MZ〕
(B)シリカ
B−1:溶融球状シリカスラリー〔株式会社アドマテックス製、SC2050−KC,平均粒子径0.5μm、固形分70質量%〕
B−2:溶融球状シリカスラリー〔株式会社アドマテックス製、SC4050−KNA,平均粒子径1.0μm、固形分70質量%〕
(C)モリブデン化合物
C−1:モリブデン酸亜鉛〔ストレムケミカルス株式会社製試薬,平均粒子径2μm〕
C−2:モリブデン酸亜鉛担持タルク〔シャーウィン・ウィリアムズ株式会社製、ケムガード911C,平均粒子径3μm〕
C−3:モリブデン酸カルシウム〔ストレムケミカルス株式会社製試薬,平均粒子径2μm〕
C−4:モリブデン酸マグネシウム〔三津和化学薬品株式会社製試薬,平均粒子径3μm〕
無機充填材1:焼成タルク〔日本タルク株式会社製、BST〕
無機充填材2:二硫化モリブデン〔株式会社ダイゾーニチモリ事業部製、Aパウダー〕
無機充填材3:水酸化アルミニウム〔住友化学工業株式会社製、C−303〕
有機溶媒:シクロヘキサノン〔株式会社ゴードー製〕
以上の実施例及び比較例で得られた銅張積層板は、以下の方法で特性を測定・評価した。測定・評価結果を表3及び表4に示す。
(1)ドリル加工性の評価
厚さ0.4mmの銅張積層板を2枚重ねたものの上に厚さ0.4mmの紙フェノール板、下に厚さ1.5mmの紙フェノール板を配置し、直径0.2mmのドリルによりドリル穴あけ機〔日立ビアメカニクス株式会社製、ND−1V212〕を用いて回転数160krpm、送り速度1.8m/min、チップロード11.25μm/revの条件で6000穴の穴あけを行い、以下の方法でドリルの切刃磨耗量および穴位置精度を測定することによりドリル加工性を評価した。
a)ドリル切刃磨耗量
新品(穴あけ前)と穴あけ後のドリル切刃部分を、ドリル中心軸上から走査型電子顕微鏡〔株式会社日立製作所製、S−4700〕を用いて観察し、切刃先端の磨耗後退量を測定してドリル切刃磨耗量とした。
b)穴位置精度
2枚重ねの銅張積層板のうち、2枚目下側(ドリル出口側)の穴の位置ずれ量を穴位置精度測定機〔日立ビアメカニクス株式会社製、HT−1AM〕を用いて測定し、4001〜6000ヒット目の穴の位置ずれ量の平均+3σ(σ:標準偏差)を計算して穴位置精度とした。穴位置精度が35μm以下であれば実用的に問題なく良好な結果である。
(2)熱膨張率の測定
厚さ0.8mmの銅張積層板の銅箔をエッチング液により取除いた後、5mm角の大きさに切断して試験片を作製した。この試験片の、50℃から120℃における縦方向(ガラスクロスの長手方向)の平均線熱膨張率を、TMA試験装置〔ティー・エー・インスツルメント株式会社製、TMA2940〕を用いて昇温速度10℃/minで測定した。熱膨張率がシリコンチップの熱膨張率(4〜5×10-6/℃)に近いほど良好な結果である。
(3)電気絶縁性の測定
厚さ0.1mmの銅張積層板の片面の銅箔を直径20mmの円形部分を残してエッチング液により取除いた後、円形部分が中央に来るように50mm角の大きさに切断して試験片を作製した。この試験片をフロリナート〔住友スリーエム株式会社製〕中に浸漬し、耐電圧計〔東亜電波工業株式会社製、PT−1011〕を用いて昇圧速度5kV/10秒の条件で絶縁破壊試験を行い、絶縁破壊電圧を測定した。絶縁破壊電圧が6kV以上であれば実用的に問題なく良好な結果である。
(4)成形性の評価
厚さ0.4mmの銅張積層板を5mm角の大きさに切断して注型樹脂で注型し、切断面を研磨して断面観察用試験片を作製した。この試験片の研磨断面をフラットミリング装置〔株式会社日立製作所製、E−3200〕でミリングした後、走査型電子顕微鏡〔株式会社日立製作所製、S−4700〕を用いて観察し、ボイドの有無を調べて成形性を評価した。
Figure 0005556466
Figure 0005556466
表3から明らかなように、本発明の実施例はいずれもドリル加工性、低熱膨張性に優れ、また電気絶縁性、成形性にも問題がない。
一方、表4から明らかなように、比較例1はシリカの含有量が樹脂組成物全体の60体積%を超えているため、成形性に著しく劣っており、ドリル加工性、電気絶縁性も低下している。比較例2はシリカの含有量が樹脂組成物全体の20体積%を下回っているため、熱膨張率が大きいという問題がある。比較例3は本発明のモリブデン化合物を含んでいないため、ドリル加工性が著しく劣っている。同じく比較例4は、本発明のモリブデン化合物を含まず二硫化モリブデンを含んでいるため、電気絶縁性が著しく劣っている。

Claims (4)

  1. (A)熱硬化性樹脂(ただし、リン化合物と、2官能エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂、または2官能エポキシ樹脂のみを予め反応させた予備反応エポキシ樹脂を除く)と、(B)シリカと、(C)モリブデン酸カルシウム、及びモリブデン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも一種のモリブデン化合物とを含み、(B)のシリカの含有量が20体積%以上60体積%以下である熱硬化性樹脂組成物をフィルム状又は繊維状の基材に塗工した後半硬化させてプリプレグとし、該プリプレグを積層成形してなる配線板用積層板。
  2. (B)のシリカが平均粒子径0.1μm以上1μm以下の溶融球状シリカであり、かつ(C)のモリブデン化合物の含有量が前記樹脂組成物全体の0.1体積%以上10体積%以下である請求項1に記載の配線板用積層板。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物ワニス化し、塗工することにより得られる請求項1又は2に記載の配線板用積層板。
  4. 前記フィルム状又は繊維状の基材がガラスクロスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線板用積層板。
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