以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31(本願発明における入球率が常時一定な第1始動口に該当)と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32(本願発明における入球率が変化する可変入賞装置からなる第2始動口に該当)として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動し、普通電動役物40への入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)での検出)が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では1.8秒(2回)となっている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ31a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動表示(抽選)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図2参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図2参照)での検出)が可能となるように構成されている。
尚、第1始動口31又は第2始動口32へ1個の遊技球が入球した場合は、賞球として3個の遊技球を払い出し、一般入賞口35aへ1個の遊技球が入球した場合は、賞球として10個の遊技球を払い出し、大入賞口33aへ1個の遊技球が入球した場合は、賞球として15個の遊技球を払い出す構成となっている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特別図柄始動スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特別図柄始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介して図示しないホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22a又は23aと、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチ20aからのタッチ信号、発射停止スイッチ19aから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、遊技機の作動について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口31及び第2始動口32への遊技球入球に基づく当否判定は、通常(低)確率遊技状態と、該通常確率遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態とのいずれかの遊技状態で実施される(確率設定機能)。本実施例では通常確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。
また、普通電動役物40の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン(選択)テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン(選択)テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短機能)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と作動終了の契機を同じくして作動する。
開放延長機能未作動時では図13(1)に示す変動パターンテーブル1が使用され、開放延長機能作動時(高確率時、通常確率時兼用)では図13(2)に示す変動パターンテーブル2が使用される。どちらの変動パターンテーブルにおいても最も多く用いるのは変動パターン1(通常変動1、3)となり、この変動時間の設定内容により平均変動時間が異なるものになっている。具体的には、変動パターンテーブル1の変動パターン1は、設定時間が第1、第2特別図柄ともに約11.0秒。変動パターンテーブル2の変動パターン1は、設定時間が第1、第2特別図柄ともに約4.0秒となり、変動パターンテーブル2の方が短い変動時間に設定されている。従って平均変動時間も変動パターンテーブル2のほうが短い変動時間となる。本実施例では更に短い平均変動時間になる特別変動パターンテーブルを備えており、詳細は後述する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物40の作動契機を大きく増加させている。
上記した当否判定の確率設定機能と開放延長機能は、主制御装置50が備える確変フラグと時短フラグの値によってその作動の有無が制御される構成となっている。具体的には図14に示すように、確変フラグは、値が「0」のときは大当り確率が通常確率であることを、値が「1」のときは高確率であることを主制御装置50が判断する。時短フラグは、値が「0」のときは時短機能(開放延長機能を含む)が作動しない通常遊技状態中であることを、値が「1」のときは、時短機能(開放延長機能を含む)が作動する時短遊技状態(開放延長機能作動)であることを主制御装置50が判断する。
遊技状態は、確変フラグの値と時短フラグの値の組合せによって4種類のいずれかが決定され、この4種類の遊技状態は、確変フラグと時短フラグがともに「0」の「通常確率時短無し」、確変フラグが「0」で時短フラグが「1」の「通常確率時短有り」、確変フラグが「1」で時短フラグが「0」の「確率変動時短無し」、確変フラグと時短フラグがともに「1」の「確率変動時短有り」という組合せになる。
更に、図14(3)(4)に示すように、確変フラグと時短フラグの組合せ(加算)により決定する遊技状態は、状態フラグとして主制御装置50に記憶される。状態フラグの値が「0」なら、上記した確変フラグと時短フラグがともに「0」の「通常確率時短無し」、値が「1」なら確変フラグが「0」で時短フラグが「1」の「通常確率時短有り」、値が「2」なら確変フラグが「1」で時短フラグが「0」の「確率変動時短無し」、値が「3」なら確変フラグと時短フラグがともに「1」の「確率変動時短有り」、となる。
上記した遊技状態と大当り時の遊技内容は、当否判定時に設定する図柄モードによって決定する(遊技状態は図柄モードと当否判定時の遊技状態によって設定されるが、詳細はモードバッファの説明で後述する)。
図12に示すように、第1特別図柄の場合、当否判定の結果が大当りなら、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1の値に応じて図柄モード0、図柄モード1、図柄モード2、図柄モード3の4種類の中からいずれかが設定される。具体的には、大当り図柄決定用乱数1の値が0〜9(10個)ならば図柄モード0が設定され、設定された図柄モード0に応じて、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を10回実施」を設定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短有り」を設定する。尚、どの大当り遊技においても、大入賞口33aの1回の開放は、10個の遊技球が入球すると終了する。
大当り図柄決定用乱数1の値が10〜59(50個)ならば図柄モード1が設定され、設定された図柄モード1に応じて、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが0.6秒の開放を5回実施後28秒の開放を5回実施」を設定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短有り」を設定する。
大当り図柄決定用乱数1の値が60〜79(20個)ならば図柄モード2が設定され、設定された図柄モード2に応じて、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが0.6秒の開放を10回実施」を設定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短無し」を設定する。
大当り図柄決定用乱数1の値が80〜99(20個)ならば図柄モード3が設定され、設定された図柄モード3に応じて、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが0.6秒の開放を10回実施」を設定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「通常確率時短無し」を設定する。
第2特別図柄の場合、当否判定の結果が大当りなら、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1の値に応じて図柄モード0か又は図柄モード4のいずれかが設定される。具体的には、大当り図柄決定用乱数1の値が0〜79(80個)ならば図柄モード0が設定され、設定された図柄モード0に応じて、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を10回実施」を設定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで確率変動時短有り」を設定する。このように、図柄モード0の場合の設定内容は、第1特別図柄と共通となっている。
大当り図柄決定用乱数1の値が80〜99(20個)ならば図柄モード4が設定され、設定された図柄モード4に応じて、大当り遊技の内容に「大入賞口33aが28秒の開放を10回実施」を設定し、大当り遊技終了後の遊技状態に「特別図柄が100回変動するまで通常確率時短有り」を設定する。
大当り時の設定内容を上記した構成とすることで、第2特別図柄の大当りでは毎回多くの遊技球が獲得可能であり、大当り遊技終了後も有利な遊技状態が設定される確率が第1特別図柄の大当りよりも高くなっている。具体的には、第1特別図柄の場合、60/100の割合で大当り遊技終了後の遊技状態に遊技者にもっとも有利な「確率変動時短有り」が設定され、第2特別図柄の場合、80/100の割合で「確率変動時短有り」が設定される。尚、好適な効果を発揮させる場合、第2特別図柄の大当りが第1特別図柄に比べ遊技者に有利な構成であれば、上記した設定内容に限るものではない。
次に、主制御装置50が実行する始動入賞処理を図3のフローチャートを用いて説明する。尚、メインルーチンとして行われる各処理は従来技術にそったものであるため説明は割愛する。尚、始動入賞処理は本願発明における乱数抽出手段を含む処理となる。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口31に遊技球が入球したか否か即ち第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。肯定判定なら(S10:YES)、第1始動口31への入賞に基づく保留記憶数(第1保留記憶)が上限数(本実施例においては4個)よりも少ないか否か判定し(S20)、肯定判定(0個から3個)なら(S20:YES)、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出して(乱数抽出手段)、これらを保留記憶として第1保留記憶の数に応じた各記憶領域に記憶するとともに、第1保留記憶の数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S30)。次に、加算した第1保留記憶の数に該当する保留数指示信号をサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S10、S20の否定判定(S10:NO、S20:NO)、又はS40に続いては、第2始動口32に遊技球が入球したか否か即ち第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S50)。否定判定なら(S50:NO)リターンし、肯定判定なら(S50:YES)、第2始動口32への入賞に基づく保留記憶数(第2保留記憶)が上限数(本実施例においては4個)よりも少ないか否か判定する(S60)。否定判定なら(S60:NO)リターンし、肯定判定(0個から3個)なら(S60:YES)、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出して(乱数抽出手段)、これらを保留記憶として第2保留記憶の数に応じた各記憶領域に記憶するとともに、第2保留記憶の数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S70)。次に、加算した第2保留記憶の数に該当する保留数指示信号をサブ統合制御装置53に送信し(S80)リターンに抜ける。
以上が始動入賞処理となるが、S30とS70の乱数値抽出記憶処理の後に、記憶した各種乱数値の値を確認し、確認結果を用いて予告演出を実施する構成も考えられる。具体的には、例えば、記憶した大当り判定用乱数が大当り値と一致するか否か確認し、一致したか否かを示す先読み信号をサブ統合制御装置53に送信する。先読み信号を受信したサブ統合制御装置53は、主制御装置50が記憶した乱数値の当否判定を実施する以前に記憶した乱数値の大当り期待度を報知する演出を演出図柄表示装置54bまたは各種ランプLED、効果音等を用いて行う構成となる。
次に、主制御装置50が実行する当否判定処理を図4のフローチャートを用いて説明する。始動入賞処理は本願発明における当否判定手段、図柄選択手段、変動パターン決定手段(第1変動パターン決定手段、第2変動パターン決定手段)、変動指示信号送信手段と、特別選択テーブル設定手段の一部を含む処理となる。
当否判定処理を開始すると、始動条件が成立しているか否か判定する(S100)。この処理では、大当り遊技中でないこと、第1及び第2特図(特別図柄)が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S100:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S100:YES)第2保留記憶が有るか否か判定する(S110)。肯定判定なら(S110:YES)S130に進み、否定判定なら(S110:NO)第1保留記憶が有るか否か判定する(S120)。このように第1保留記憶より第2保留記憶の有無を優先して判定する構成となっており、この構成は本願発明における、第1始動口への入球に起因して抽出した乱数値よりも、第2始動口への入球に起因して抽出した乱数値の当否判定を優先して実施するに該当する構成である。
S120が否定判定なら(S120:NO)リターンし、肯定判定なら(S120:YES)S130に進み、判定対象(第1保留記憶又は第2保留記憶)となる保留記憶のシフト処理を行う(S130)。これにより第1保留記憶又は第2保留記憶の最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタ又は第2保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S140)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率)用と高確率用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
S150の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S140)の結果が大当りであるか否か判定する。肯定判定なら(S150:YES)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて前述した図柄モードを設定する(S160)。続いて設定された図柄モードと、当否判定の対象とした保留記憶の大当り図柄決定用乱数2とに基づいて大当り図柄を設定し(S170)(図12参照)、続いてモードバッファ設定処理を行う(S180)。
当否判定処理によって大当り遊技終了後の遊技状態は決定するが、決定した遊技状態を設定するのは大当り遊技終了後となるため、決定した遊技状態の内容を、遊技状態のパターンを複数記憶したテーブル(図15(2)参照)の中で該当する遊技状態に応じた値をモードバッファとして記憶する構成となっている。
モードバッファは図柄モードと当否判定時の遊技状態に基づいて設定され、モードバッファ設定処理では大当り遊技終了後の遊技状態となる確変機能および時短機能の作動の有無を設定する。本実施例では大当り遊技終了後の遊技状態は5種類となるため、設定するモードバッファは、「0(000)〜4(100)」(括弧内は2進数)の5種類(図15(1)参照)の中のいずれかとなる。
図5に示すモードバッファ設定処理を開始すると、先ずS160で設定された図柄モードが「1以下」(図柄モード0または図柄モード1)であるか否か判定し(S300)、肯定判定なら(S300:YES)モードバッファに「3」をセットし(S310)リターンする。否定判定なら(S300:NO)、図柄モードが「4」であるか否か判定し(S320)、肯定判定なら(S320:YES)モードバッファに「1」を設定し(S330)リターンする。
S320が否定判定なら(S320:NO)、状態フラグが1又は3か否か判定する(S340)。肯定判定なら(S340:YES)、図柄モードが2か否か判定し(S350)、肯定判定なら(S350:YES)モードバッファに4を設定し(S360)リターンする。S350が否定判定なら(S350:NO)、モードバッファに1を設定し(S370)リターンする。S340が否定判定なら(S340:NO)、図柄モードが2か否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:YES)モードバッファに2を設定し(S390)リターンする。S380が否定判定なら(S380:NO)、モードバッファに0を設定し(S400)リターンする。
以上が大当り遊技終了後の遊技状態を決定するモードバッファ設定処理となる。S340で行う判定(当否判定時の遊技状態の判定)結果によって、S160で設定された図柄モードが同じ値であっても、大当り遊技終了後の遊技状態は異なるものになる。これは、当否判定の結果に応じて選択さる図柄の種類と、該当否判定時の遊技状態に応じて大当り遊技終了後の遊技状態を決定する構成といえる。
図4に戻り、S180のモードバッファ設定処理に続いては、S160で設定した図柄モードに基づいて上述した大当り遊技内容(図12参照)の開放パターン設定処理を行い(S190)、変動パターン選択処理を行う(S200)。
図6に示す変動パターン選択処理を開始すると、状態フラグが3か否か判定する(S500)。肯定判定なら(S500:YES)、実施中の処理が第2保留記憶を対象としたものか否か判定し(S510)、肯定判定なら(S510:YES)特別変動フラグが1か否か判定する(S520)。特別変動フラグは、主制御装置50が記憶する値であり図14(5)に示すように値が「0」のときは遊技状態に応じて設定された変動パターンテーブル1又は変動パターンテーブル2を用いて変動パターンを決定する状態であることを、値が「1」のときは特別変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する状態であることを主制御装置50が判断するための値である。
S520が肯定判定なら(S520:YES)、特別変動パターンテーブルと当否判定の対象とした保留記憶の変動パターン決定用乱数とに基づいて、第2特別図柄(特図)表示装置30に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択し(S530)リターンする。S500、S510、S520の判定が否定判定なら(S500:NO、S510:NO、S520:NO)遊技状態に応じて設定されている変動パターンテーブル1又は変動パターンテーブル2と、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄(特図)表示装置29又は第2特別図柄(特図)表示装置30に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択し(S540)リターンする。S530とS540が本願発明における変動パターン決定処理に該当し、S510の判定によって特別変動パターンテーブルの使用を第2特別図柄に限定している。
以上が変動パターン選択処理となるが、当否判定時の遊技状態が「確率変動時短有り」(状態フラグ=3)の場合に判定対象が第2保留記憶で且つ特別変動フラグが1の場合に限り、遊技状態に応じて設定されている変動パターンテーブルとは異なる特別変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する構成となっている。特別変動パターンテーブルの内容は図13(3)に示すように2個の変動パターン(変動時間)で構成され、どちらの変動時間も他の変動パターンテーブルに設定された時間よりも極めて短い時間が設定されている(約0.8秒、約0.9秒)。
図4のフローチャートに戻り、S200に続いては、上記処理によって選択された図柄の種類と変動パターンの情報とを、変動指示信号としてサブ統合制御装置53へ送信し(S210)リターンする。サブ統合制御装置53への変動指示信号送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特図の変動を開始する。変動指示信号を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、図柄の変動表示を開始する。
S150が否定判定なら(S150:NO)、大当り判定用乱数の比較処理(S140)の結果が小当りであるか否か判定する(S220)。本実施例では小当りとなる確率は通常確率状態か高確率状態かを問わず1/100に設定されている。肯定判定なら(S220:NO)、小当り図柄選択処理を行い(S230)、図12(3)に示す内容の小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S190)、上述した変動パターン選択処理(S200)、変動指示信号送信(S210)を行いリターンする。
図12(3)に示す小当り遊技の内容は、大当り時に図柄モード2に応じて設定される大当り遊技内容と同一であり、図柄モード2の場合の大当り遊技終了後の遊技状態は「確率変動時短無し」であるため、図柄モード2に応じて表示される大当り図柄と小当りに応じて表示される小当り図柄との判別が困難な構成にすることにより、小当り遊技終了後の遊技状態を「確率変動時短無し」に錯覚させることが可能となっている。これにより、小当りが生起した場合においても、遊技の継続意向を増加させる効果を発揮する構成となっている。
S220が否定判定なら(S220:NO)、ハズレ図柄選択処理を行い(S240)、上述した変動パターン選択処理(S200)、変動指示信号送信(S210)を行いリターンする。
以上が当否判定処理となり、S110からS150にかけての構成が本願発明における当否判定手段に該当し、S170、S230、S240が図柄選択手段に該当し、S530、S540が変動パターン決定手段(第1変動パターン決定手段、第2変動パターン決定手段)に該当し、S210が変動指示信号送信手段に該当する処理となる。
次に、図7に示すフローチャートを用いて特別図柄確定処理を説明する。この特別図柄確定処理に含まれる変動パターン切換処理は、本願発明における選択テーブル切換手段の一部に該当する処理となる。特別図柄確定処理を開始すると、第1又は第2特別図柄の変動時間が経過したか否か判定する(S600)。否定判定なら(S600:NO)リターンし、肯定判定なら(S600:YES)、確定コマンドをサブ統合制御装置53へ送信するとともに図4のS170、S230、S240で選択された図柄を第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に確定表示し、サブ統合制御装置53からの指示に基づいて演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bの図柄を確定表示する(S610)。
続いて、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に確定表示した図柄が大当り図柄か否か判定する(S620)。肯定判定なら(S620:YES)、大当りフラグに「1」をセットし(S630)リターンに抜ける。S620が否定判定なら(S620:NO)、確定表示した図柄が小当り図柄か否か判定し(S640)、肯定判定なら(S640:YES)、小当りフラグに「1」をセットする(S650)。S640の否定判定(S640:NO)、又はS650に続いては、図8のフローチャートに示す変動パターンテーブル切換処理を行う(S660)。
図8の変動パターンテーブル切換処理を開始すると、特別変動フラグが1か否か判定する(S700)。肯定判定なら(S700:YES)、第2特図カウンタのデクリメントを行い(S710)、第2特図カウンタの値が0か否か判定し(S720)、肯定判定なら(S720:YES)特別変動フラグに0を設定する(S730)。第2特図カウンタは、特別変動パターンテーブルを用いた第2特別図柄の変動パターンの実施回数を計数する装置であり、後述する当り遊技終了処理で特別変動フラグに1が設定されると値(10)が設定されるカウンタである。
S700、S720の否定判定(S700:NO、S720:NO)、又はS730に続いては、時短カウンタが0でないか否か判定する(S740)。肯定判定なら(S740:YES)、時短カウンタのデクリメントを行い(S750)、時短カウンタの値が0か否か判定し(S760)、肯定判定なら(S760:YES)時短フラグに0を設定し(S770)、設定されている変動パターンテーブル2を変動パターンテーブル1に切換える(S780)。S780の後、又はS740、S760が否定判定なら(S740:NO、S760:NO)リターンする。
以上が変動パターン切換処理を含む特別図柄確定処理となるが、S700からS730までと図6のS520とを合わせて本願発明における選択テーブル切換処理を構成する。
続いて、図9のフローチャートに示す当り遊技開始処理では、大当りフラグが1か否か判定し(S800)、肯定判定なら(S800:YES)、図4のS190で設定された開放パターンに従って、条件装置および役物連続作動装置を作動して大当り遊技を開始する大当り遊技設定処理を行う(S810)。続くS820〜S860の処理では、当否抽選時の遊技状態を示す状態フラグ、時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ、確変カウンタをクリアする。S800が否定判定なら(S800:NO)、小当りフラグが「1」か否か判定し(S870)、肯定判定なら(S870:YES)、図4のS190で設定された開放パターンに従って、小当り遊技の遊技内容を設定し、小当り遊技を開始する(S880)。S860、S880、又はS870の否定判定(S870:NO)の後リターンする。
続いて、図10のフローチャートに示す当り遊技終了処理では、大当り遊技または小当り遊技の終了インターバル時間が経過しているか否か判定し(S900)、否定判定なら(S900:NO)リターンし、肯定判定なら(S900:YES)、大当りフラグが1か否かを判定し、大当り遊技の終了か、小当り遊技の終了か確認する(S910)。肯定判定即ち大当り遊技の終了であれば(S910:YES)、役物連続作動装置および条件装置の作動停止処理を行い(S920、S930)、「当否判定処理」で設定したモードバッファ(図4、S180)を参照し(S940)、参照したモードバッファに基づき、状態フラグ、時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ、および確変カウンタを設定し(S950、S960、S970、S980、S990)、上記設定後モードバッファをクリアする(S1000)。
S950、S960、S970、S980、S990の具体的な設定内容は、図15(2)に示す内容となり、モードバッファの値(0から4)に応じて各種フラグと各種カウンタが設定される。
S1000の後は図11に進み、S950で設定した状態フラグが3か否か、即ち大当り遊技終了後の遊技状態が、確率変動機能と時短機能がともに作動する「確率変動時短有り」か否か判定する(S1010)。肯定判定なら(S1010:YES)、第1、第2特別図柄の変動パターン選択時(図6、S530、S540)に使用する変動パターンテーブルに、変動パターンテーブル2と第2特別図柄専用に特別変動パターンテーブルとを設定する(S1020)。次に特別変動パターンテーブルの設定に応じて特別変動フラグに1を設定し(S1030)、第2特図カウンタに10を設定する(S1040)。
S1010が否定判定なら(S1010:NO)、S950で設定した状態フラグが1か否か、即ち大当り遊技終了後の遊技状態が、確率変動機能が作動せず時短機能のみが作動する「通常確率時短有り」か否か判定する(S1050)。肯定判定なら(S1050:YES)、当否判定時の変動パターン選択時(図6、S540)に使用する変動パターンテーブルに、第1、第2特別図柄共用の変動パターンテーブル2を設定する(S1060)。S1050が否定判定なら(S1050:NO)、大当り遊技終了後の遊技状態が、「通常確率時短無し」か「確率変動時短無し」の非時短状態であると判断し、第1、第2特別図柄共用の変動パターンテーブルとして変動パターンテーブル1を設定する(S1070)。
S1040、S1060、S1070、S910の否定判定(S910:NO)に続いては、サブ統合制御装置53へ大当り遊技または小当り遊技の終了コマンドを送信し(S1080)、大当りフラグおよび小当りフラグをクリアし(S1090)リターンする。
以上が当り遊技終了処理となるが、S960とS970が本願発明における開放延長設定手段に該当し、S980とS990が確率設定手段に該当する。又、S1020の変動パターンテーブル2の設定と、S1060、S1070が本願発明における選択テーブル設定手段に該当する処理となる。
次に、上記した処理によって大当り遊技終了後の遊技状態が「確率変動時短有り」の場合に実施される、特別変動パターンテーブル設定時の第2特図と第1特図の変動タイミングと、特別変動パターンテーブルの切換例を、図16に示すタイミングチャートを用いて説明する。大当り遊技終了後の遊技状態が「確率変動時短有り」の場合、上述したように第1特別図柄の変動パターン選択用に変動パターンテーブル2が、第2特別図柄の変動パターン選択用に特別変動パターンテーブルが大当り遊技終了時に設定される。
図16のタイミングチャートが示す状態の概要は、遊技状態が「確率変動時短有り」であるため、時短機能が作動し普通電動役物40の作動契機が通常状態に比べ増加し、遊技者に有利な第2特別図柄の抽選を頻繁に実施することになるが、第2特別図柄の変動パターン選択用に設定された特別変動パターンテーブルは、図13(3)に示すように変動時間としては極めて短い時間で構成されている。
従って、従来機では「確率変動時短有り」の遊技状態が設定されると、第2特別図柄の優先変動機能(優先抽選機能)によって、ほぼ第2特別図柄の変動(抽選)のみを繰り返し実施し、遊技者に有利な状態を継続して保持したが、本実施例では、第2特別図柄の保留記憶は遊技者の感覚としては一瞬で消化してしまうため、第2保留記憶がなくなったことにより第1特別図柄が変動を開始する状態が発生する。この状態は、大当り遊技終了時に特別変動パターンテーブルが設定されてから第2特別図柄が10回変動するまで継続し、図16に示したタイミングチャートでは、AからBにかけての期間となる。Aは大当り終了時に確変フラグ、時短フラグともに1を設定し、確変カウンタ、時短カウンタともに100を設定する当り遊技終了処理が実施された時点(図11、S1020の実施)、Bは、特別変動パターンテーブルを用いた第2特別図柄の10回目の変動が終了した時点(図8、S730の実施)である。
タイミングチャートでは、例えば、第1保留記憶が4個で第2保留記憶が無い状態でこのAB期間が開始され、第1保留記憶の当否判定を2回実施する。この第1特別図柄の変動表示を2回行う間(約4.0秒の変動を2回)に、第2保留記憶が1個記憶され、2回目の第1特別図柄の確定表示後1回目の第2保留記憶の当否判定と当否判定結果に応じた変動表示を行う。但し、この変動表示は約0.8秒と短時間であるため、その間に第2保留記憶は記憶されず、第1保留記憶の3、4回目の当否判定を実施する。
第1特別図柄の4回目の変動表示の実施中に第2保留記憶が2個記憶され、第1特別図柄の4回目の確定表示後に第2特別図柄の2、3回目の当否判定と変動表示を実施するが、その間は短く(約0.8秒の変動を2回)第2保留記憶が記憶されず、大当り遊技終了後に第1始動口31への入賞により記憶された第1保留記憶によって5回目の当否判定と変動表示を実施する。
以降も同様に第1特別図柄と第2特別図柄の当否抽選と変動表示を断続的に交互に実施し、第1特別図柄の7回目の変動中に記憶された第2保留記憶によって第2特別図柄の10回目の変動表示が実施され、該変動表示が終了した時点で変動パターン切換処理として図8、S730が行われる。これにより、次回からの第2特別図柄の変動パターンは第1特別図柄と同様に変動パターンテーブル2を用いて選択される。その結果、第2特別図柄の変動時間が長くなり、第2特別図柄の変動表示中に第2保留記憶を安定して確保することが可能となり、第2特別図柄のみの変動表示を連続して実施する状態(従来の遊技者に有利な遊技状態)となる。
以上が図16のタイミングチャートの説明となるが、第2保留記憶の記憶状況及び第2特別図柄の変動タイミングは、普通図柄の変動状況に基づく普通電動役物40の作動と、該普通電動役物40への遊技球の入球状況によって左右されるため、普通電動役物40の1回の作動時に遊技球が多く入球する状況が連続すれば第1特別図柄の変動表示回数は少なくなりAB間は短時間となるが、普通電動役物40の1回の作動時に0個を含む少ない数の遊技球しか入球しない場合は、第1特別図柄の変動回数が増え、AB間の時間は長くなる。
次に、図17を用いて、「確率変動時短有り」の遊技状態中に演出図柄表示装置54bで実施する演出表示例を説明する。(1)は図16のタイミングチャートで示したAB間で第1特別図柄の変動が実施された場合に表示する演出表示例である。本来遊技者に有利(開放延長機能の作動により第2特図の変動表示が主に行われる)である「確率変動時短有り」の遊技状態において、遊技者に不利な第1特別図柄の変動表示を実施するため、演出内容としては危機感を煽る表現として画面左上に「逆境モード」、右上に表情の乏しいキャラクタ(達吉)を表示し画面中央から下に演出図柄を表示する。
(2)は図16のタイミングチャートで示したAB間で第2特別図柄の変動が実施された場合に表示する演出表示例である。この場合には、きわめて短時間の表示ではあるが、遊技者にリスクのある期間が以後どのくらい継続するかを報知する演出内容となり、画面中央から上部に「逆境モードを抜けるのに あと○回」と第2特別図柄の変動パターンテーブルが切換るまでの第2特別図柄の変動回数を表示し、画面左下に演出図柄を表示する。
(3)は図16のタイミングチャートで示したAB間が終了した後の、第1特別図柄及び第2特別図柄の共通演出表示例である。この場合には、画面左上に遊技状態が「確率変動時短有り」を保持する残りの特別図柄の変動回数(確変カウンタ、時短カウンタの値に応じた回数)の報知として「達吉モード残り○○回」を表示し、右上に笑顔のキャラクタ(達吉)を表示し、画面中央から下に演出図柄を表示する。
上記構成とすることで、開放延長機能が作動した場合、有利な遊技状態として第2特別図柄を優先して抽選する機会をただ与えるのではなく、第1特別図柄の抽選契機が多分にある状態で第2特別図柄を優先して抽選する遊技状態と、ほぼ第2特別図柄の抽選のみで進行する遊技状態とで、確率変動機能と開放延長機能の作動の組合せによって成立する一つの遊技状態においても複数の遊技状態を遊技者に提供することが可能となる。
特に第1特別図柄の抽選契機が多分にある状態は、第2特別図柄が所定回数の変動表示を実施するまでに、第1特別図柄の抽選を何回実施するかは不定であるため、多様な遊技展開を創出することができる。
また、第2特別図柄の大当りの方が第1特別図柄の大当りに比べ有利に設定されている場合の第1特別図柄の抽選契機が多分にある状態では、遊技者は単純に大当りだけを期待して遊技するのではなく、「第2特別図柄の変動が続いてくれ」、「早く変動パターンが切り替わってくれ」「どうせ当たるなら第2特別図柄で当たってくれ」と、複合的に遊技目的を設定することになり、上記遊技状態を経て従来のようなほぼ第2特別図柄の抽選のみで進行する遊技状態を付与することにより、最も有利な遊技状態が付与された時の喜びを大きくする効果もある。