遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)での検出率)が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ31a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図2参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図2参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特別図柄始動スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特別図柄始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介して図示しないホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22a又は23aと、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチ20aからのタッチ信号、発射停止スイッチ19aから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、主制御装置50が行う始動入賞処理について図3を用いて説明する。尚、メインルーチンとして行われる各処理は従来技術にそったものであるため説明は割愛する。始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32aの検出信号に基づいて、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したか否かを判定する(S10)。否定判定なら(S10:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S10:YES)検出信号が入力された側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の保留記憶数について、記憶可能数まで既に記憶されているか否かを判定する(S20)。尚、本実施例での記憶可能数はそれぞれ4個であり、この値が本願発明における上限数に該当する。
S20が肯定判定なら(S20:YES)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を、検出信号が入力された側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の保留記憶として記憶し(保留記憶手段)、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する(S30)。これにより、第1始動口31への入球により抽出された乱数値は第1保留記憶専用の記憶領域に記憶され、第2始動口32への入球により抽出された乱数値は第2保留記憶専用の記憶領域に記憶される。S30の処理後は先読み判定処理を行なう(S40)。先読み判定処理は、第1始動口31又は第2始動口32に遊技球が入球したことにより保留記憶された乱数値を、後述する当否判定処理を実施する前に遊技者に大当りの期待を持たせる演出を行うことが可能か否かを判定(先読み判定)する処理である。具体的には、保留記憶された大当り判定用の乱数値が予め定められた大当り値と一致しているか否か、また、不一致の場合は変動パターン決定用の乱数値がいわゆるスーパーリーチとなる特定の変動パターン(図4に示す変動パターン10、12)となるものか否かを判定する(本願発明における先読み判定手段)。
続いてS40の判定結果が大当りか否か判定する(S50)。肯定判定なら(S50:YES)、サブ統合制御装置53に送信する先読みコマンドとして先読みコマンド1を選択する(S60)。否定判定なら(S50:NO)、S40の判定結果がスーパーリーチか否か判定する(S70)。肯定判定なら(S70:YES)、サブ統合制御装置53に送信する先読みコマンドとして先読みコマンド2を選択する(S80)。否定判定なら(S70:NO)、サブ統合制御装置53に送信する先読みコマンドとして先読みコマンド3を選択する(S90)。次に上記した処理で選択した先読みコマンド(1、2、3)をサブ統合制御装置53に送信し(S100)(先読み判定信号送信手段)、加算した保留記憶カウンタの値を示す保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S110)(保留記憶数送信手段)リターンに抜ける。尚、先読みコマンドは、第1、第2どちらの始動口への入球に起因した信号であるかを判別可能とした構成となっている。
以上が始動入賞処理の内容となるが、始動口入賞時の遊技状態や他の条件によって、先読みコマンドを送信する否かを判定する構成としてもよい。例えば、開放延長機能が作動する時短状態では先読みコマンドを送信しない構成であったり、第1始動口31への入賞を検出したときのみ先読みコマンドを送信する構成としてもよい。また、どのような状態でも常に先読みコマンドを送信する構成とし、受信する側のサブ統合制御装置53が遊技状態やその他の条件を判断し受信した先読みコマンドを用いた処理を実施するか否かを判断する公正としてもよい。また、本実施例では先読みコマンドと保留記憶数指示コマンドを別々に送信しているが、ひとつのコマンドにまとめて送信する構成も考えられる。
次に図5に示したフローチャートを用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。当否判定処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S200)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1及び第2特図が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S200:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:YES)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S210)。肯定判定なら(S210:YES)、S230に進み、否定判定なら(S210:NO)第1保留記憶が有るか否か判定する(S220)。否定判定なら(S220:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S220:YES)、S230に進む。S210とS220の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。
S230では確変フラグの値が0か否か判定する(S230)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S230:YES)S240に進み否定判定なら(S230:NO)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当りとなる確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S240では、保留記憶のシフト処理を行い(S240)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S250)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/60)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
S260の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S250)の結果が大当りであるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S260:YES)、図柄モード設定処理を行う(S270)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。次に、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S280)(本願発明における図柄選択手段)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS270で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S290)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容を複数種類記憶したテーブルの中から図柄モードの値によって選択される遊技内容を、該遊技内容に対応した値として記憶する構成となっている。
次に、S270で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S300)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブル(図4参照)から選択する(S310)(本願発明における変動パターン選択手段)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号としてサブ統合制御装置53へ送信する(S320)(本願発明における変動指示信号送信手段)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特図の変動を開始する(図示省略)。
S260が否定判定、即ちハズレなら(S260:NO)、大当り判定用乱数の比較処理(S240)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S330)、肯定判定なら(S330:YES)、小当り図柄を選択し(S340)(本願発明における図柄選択手段)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S300)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S310)(本願発明における変動パターン選択手段)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置53へ送信する(S320)(本願発明における変動指示信号送信手段)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特図の変動を開始する。
S330が否定判定なら(S330:NO)、ハズレ図柄を選択し(S350)(本願発明における図柄選択手段)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S310)(本願発明における変動パターン選択手段)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置53へ送信する(S320)(本願発明における変動指示信号送信手段)。この情報を受信したササブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特図の変動を開始する。
以上が当否判定処理の説明となり、抽選の結果に応じて本願発明における図柄選択手段、変動パターン選択手段、変動指示信号送信手段が実施される処理となる。
次に、サブ統合制御装置53が実行する保留球数受信処理を図6に示すフローチャートを用いて説明する。保留球数受信処理は、主制御装置50から受信した保留記憶数指示コマンド(図3、S110)に基づき、演出図柄表示装置54bに保留記憶数表示を行うための保留球数表示指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する処理である。保留球数受信処理を開始すると、主制御装置50から保留記憶数指示コマンドを受信したか否かを判定する(S400)。肯定判定なら(S400:YES)、保留球数カウンタの値に1を加え(S410)、1を加えた値に該当する表示態様を指定する信号(保留球数表示指示信号)を演出図柄制御装置54aに送信する(S420)。保留球数カウンタは、演出図柄表示装置54bに表示する保留記憶数を示すカウンタであり、新たな変動表示が開始する毎に−1のデクリメント処理が行われる。この処理によって演出図柄表示装置54bには、主制御装置50が備える保留記憶手段が記憶する保留記憶の数を適時に表示することが可能となる。尚、サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aが統合された構成の場合はS420(保留球数表示信号送信処理)をそのまま保留球数表示処理とすればよい。
次に、サブ統合制御装置53が実行する先読みコマンド受信処理を図7に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、主制御装置50から受信した先読みコマンドを記憶するとともに、その内容に応じて後述する停止図柄予告フラグを設定する処理であり、本願発明における停止図柄予告フラグ設定手段と、先読み予告演出フラグ設定手段とを含む処理となる。
先読みコマンド受信処理を開始すると、先読みコマンドを受信したか否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S500:YES)、先読みコマンド記憶処理を行う(S505)。この先読みコマンド記憶処理では、受信した先読みコマンドそのものを、受信した順番が特定可能に各記憶領域に格納する処理であり、受信した先読みコマンドの対象となる保留記憶の変動情報を受信すると該コマンドを消去し、他に先読みコマンドの記憶が有る(残っている)場合は、記憶領域のシフト処理が行われる。
S505に続いては、振分乱数1抽出処理を行い(S510)、停止図柄予告フラグが「0」か否か判定する(S520)。停止図柄予告フラグはサブ統合制御装置53が記憶する値であり、図17(2)の表に示すように、値が「0」のときは停止図柄予告を未実施又は実施不可能な状態であることを、値が「1」のときは受信した先読みコマンド1に基づいて停止図柄予告を実中若しくは実施待機中の状態であることを、値が「2」のときは受信した先読みコマンド2に基づいて停止図柄予告を実中若しくは実施待機中の状態であることを、値が「3」のときは受信した先読みコマンド3に基づいて停止図柄予告を実中若しくは実施待機中の状態であることをサブ統合制御装置53が判断するための値である。このように停止図柄予告フラグの値を設定することにより、値が「1」であれば当否判定の結果が大当りとなることを前提にして処理を進行し、値が「2」であれば当否判定の結果はハズレだが遊技者の期待感を大きく振幅させるスーパーリーチとなることを前提にして処理を進行し、値が「3」であれば当否判定の結果がハズレとなることを前提にして処理を進行することが可能となっている。
S520が否定判定なら(S520:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S520:YES)、S505で記憶している先読みコマンドの中に大当りとなる内容の先読みコマンドがあるか否か判定する(S525)。この判定によって、連続する停止図柄予告演出の途中で、言い換えれば停止図柄予告の連続回数が設定された回数に至る前に大当りとなることを防止している。S525が否定判定なら(S525:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S525:YES)受信した先読みコマンドの種類が先読みコマンド1か否か判定する(S530)。肯定判定なら(S530:YES)、停止図柄予告フラグ1設定処理を行う(S540)。否定判定なら(S530:NO)受信した先読みコマンドの種類が先読みコマンド2か否か判定する(S550)。肯定判定なら(S550:YES)、停止図柄予告フラグ2設定処理を行う(S560)。否定判定なら(S550:NO)、停止図柄予告フラグ3設定処理を行い(S560)、S540、S560、S570の処理の後リターンする。
この処理によって、先読みコマンドの種類、即ち図3のS40で主制御装置50が実行した先読み判定の結果に応じた停止図柄予告フラグの値を設定する。具体的には主制御装置50の先読み判定の結果が大当りであれば、停止図柄予告フラグの値に「1」を設定する処理を行い、先読み判定の結果がハズレでもスーパーリーチ変動であれば、停止図柄予告フラグの値に「2」を設定する処理を行い、先読み判定の結果がハズレで且つスーパーリーチにならない変動であれば、停止図柄予告フラグの値に「3」を設定する処理を行う。
次にS540の停止図柄予告フラグ1設定処理を図8に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、本願発明における停止図柄予告フラグ設定手段及び先読み予告演出フラグ設定手段に該当する処理となる。停止図柄予告フラグ1設定処理ではまず図7のS510で抽出した振分乱数1が停止図柄予告フラグ1の設定値か否か判定する(S600)。サブ統合制御装置53が備える振分乱数1は図11の図表に示すようにその総数を50個とし、停止図柄予告フラグ1の設定値は3、7、13、17、23、27、33、37、43、47の10個となる。従って、大当り判定を示す先読みコマンド1をサブ統合制御装置53が受信した場合は、1/5が停止図柄予告フラグ1の設定処理を継続し、少なくとも4/5が停止図柄予告フラグ1を成立させない構成となっている。
同様に、停止図柄予告フラグ2の設定値は5、25の2個となる。従って、ハズレスーパーリーチ判定を示す先読みコマンド2をサブ統合制御装置53が受信した場合は、1/25が停止図柄予告フラグ2の設定処理を継続し、少なくとも24/25が停止図柄予告フラグ2を成立させない構成となっている。また、停止図柄予告フラグ3の設定値は6の1個となる。従って、ハズレ判定を示す先読みコマンド3をサブ統合制御装置53が受信した場合は、1/50が停止図柄予告フラグ3の設定処理を継続し、少なくとも49/50が停止図柄予告フラグ3を成立させない構成となっている。
図8に戻り、S600が否定判定なら(S600:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S600:YES)、保留球数カウンタの値が4か否か判定する(S610)。肯定判定なら(S610:YES)、停止図柄予告フラグに「1」を設定し(S620)、予告連続カウンタに4をセットし(S630)、リターンする。予告連続カウンタは、図17(3)に示すように連続して停止図柄予告を実施する回数を示すカウンタであり、停止図柄予告を実施する毎にその値がデクリメントされる。
S610が否定判定なら(S610:NO)、保留球数カウンタの値が3か否か判定する(S640)。肯定判定なら(S640:YES)、停止図柄予告フラグに「1」を設定し(S620)、予告連続カウンタに3をセットし(S650)、リターンする。S640が否定判定なら(S640:NO)、保留球数カウンタの値が2か否か判定する(S660)。肯定判定なら(S660:YES)、停止図柄予告フラグに「1」を設定し(S620)、予告連続カウンタに2をセットし(S670)、リターンする。S660が否定判定なら(S660:NO)、先読み予告フラグに「1」を設定し(S680)リターンする。
先読み予告フラグは、停止図柄予告フラグ設定時に保留球数カウンタの値が4、3、2で無い場合、即ち保留記憶数が1個で連続した停止図柄予告が実施できない場合に設定され、先読み予告フラグの設定により、後述する停止図柄予告とは異なる先読み予告演出が実施される。この構成により、サブ統合制御装置53は、先読みコマンドを受信した場合の保留記憶数の数に左右されず、常に有効な演出を選択することが可能な構成になっている。また、後述するように、先読み予告フラグの値もサブ統合制御装置53が受信する先読みコマンドの種類によって異なる値が設定される構成となっている。従って、S680が本願発明における先読み予告演出フラグ設定手段に該当し、停止図柄予告フラグ設定処理の構成全体が、保留記憶手段の保留記憶数に応じて停止図柄予告フラグ設定手段又は先読み予告演出フラグ設定手段のいずれかを実施する構成となっている。またこの構成は後述する停止図柄予告フラグ2設定処理および停止図柄予告フラグ3設定処理においても同様となる。
次に図7のS560停止図柄予告フラグ2設定処理を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。この処理も、本願発明における停止図柄予告フラグ設定手段及び先読み予告演出フラグ設定手段に該当する処理となる。処理の構成は、図8に示した停止図柄予告フラグ1設定処理と同様となるがフラグへの設定値が異なってくる。停止図柄予告フラグ2設定処理でもまず図7のS510で抽出した振分乱数1が停止図柄予告フラグ2の設定値か否か判定する(S700)。上述したように1/25の確率で肯定判定になると以降の処理に進み(S700:YES)、否定判定なら(S700:NO)リターンに抜ける。S700が肯定判定なら、保留球数カウンタの値が4か否か判定する(S710)。肯定判定なら(S710:YES)、停止図柄予告フラグに「2」を設定し(S720)、予告連続カウンタに4をセットし(S730)、リターンする。
S710が否定判定なら(S710:NO)、保留球数カウンタの値が3か否か判定する(S740)。肯定判定なら(S740:YES)、停止図柄予告フラグに「2」を設定し(S720)、予告連続カウンタに3をセットし(S750)、リターンする。S740が否定判定なら(S740:NO)、保留球数カウンタの値が2か否か判定する(S760)。肯定判定なら(S760:YES)、停止図柄予告フラグに「2」を設定し(S720)、予告連続カウンタに2をセットし(S770)、リターンする。S760が否定判定なら(S760:NO)、先読み予告フラグに「2」を設定し(S780)リターンする。
次に図7のS570停止図柄予告フラグ3設定処理を図10に示すフローチャートを用いて説明する。この処理も、本願発明における停止図柄予告フラグ設定手段及び先読み予告演出フラグ設定手段に該当する処理となる。処理の構成は、図8に示した停止図柄予告フラグ1設定処理と同様となるがフラグへの設定値が異なってくる。停止図柄予告フラグ3設定処理でもまず図7のS510で抽出した振分乱数1が停止図柄予告フラグ3の設定値か否か判定する(S800)。上述したように1/50の確率で肯定判定になると以降の処理に進み(S800:YES)、否定判定なら(S800:NO)リターンに抜ける。S800が肯定判定なら、保留球数カウンタの値が4か否か判定する(S810)。肯定判定なら(S810:YES)、停止図柄予告フラグに「3」を設定し(S820)、予告連続カウンタに4をセットし(S830)、リターンする。
S810が否定判定なら(S810:NO)、保留球数カウンタの値が3か否か判定する(S840)。肯定判定なら(S840:YES)、停止図柄予告フラグに「3」を設定し(S820)、予告連続カウンタに3をセットし(S850)、リターンする。S840が否定判定なら(S840:NO)、保留球数カウンタの値が2か否か判定する(S860)。肯定判定なら(S860:YES)、停止図柄予告フラグに「3」を設定し(S820)、予告連続カウンタに2をセットし(S870)、リターンする。S860が否定判定なら(S860:NO)、先読み予告フラグに「3」を設定し(S880)リターンする。
上述したように図8、図9、図10に示した停止図柄予告フラグ(1、2、3)設定処理は、本願発明における停止図柄予告フラグ設定手段に該当し、停止図柄予告フラグ(1、2、3)設定処理によって停止図柄予告フラグに先読み判定の結果に応じた値が設定されると、該設定時の保留記憶数を予告連続カウンタに設定する構成となっている。この構成は、停止図柄予告フラグ設定手段は、停止図柄予告フラグ値設定時の保留記憶数に応じて、停止図柄予告演出の連続回数を計数する予告連続カウンタを設定する予告連続カウンタ設定手段を含む構成となっている。
次に、サブ統合制御装置53が実行する変動指示信号受信処理を図12に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、主制御装置50から受信した変動指示信号に応じて演出図柄表示装置54bに表示する演出図柄の表示態様を選択してその選択した内容を演出図柄制御装置54aに指示する処理であり、本願発明における停止図柄予告実施手段と、報知図柄選択手段と、先読み予告演出実施手段と、停止図柄予告フラグ設定手段の一部と、先読み予告演出フラグ設定手段の一部とを含む処理となる。
変動指示信号受信処理を開始すると、主制御装置50から変動指示信号を受信したか否か判定する(S900)。否定判定なら(S900:NO)リターンし、肯定判定なら(S900:YES)振分乱数2を抽出し(S910)、保留球数カウンタのデクリメントを行い(S920)、受信した変動指示信号(抽選結果に応じた図柄および変動パターンの情報)と抽出した振分乱数2の値に応じてサブ統合制御装置53が記憶する複数種類の変動態様及び演出図柄の中から演出図柄表示装置54bに表示する演出図柄の変動態様と確定表示する演出図柄の種類を選択する(S930)。
続いて停止図柄予告フラグの値が0より大きいか否か、即ち連続する停止図柄予告演出を実施中か否か判定する(S940)。肯定判定なら(S940:YES)、停止図柄予告フラグの値が「1」か(大当りの先読み判定を基にしているか)否か判定し(S950)、肯定判定なら(S950:YES)、予告連続カウンタの値を参照し(S965)、S930で選択した演出図柄と変動態様を基に、停止図柄予告フラグの値が「1」の場合に設定可能な停止図柄予告演出の図柄停止パターンを選択する(S970)。尚、停止図柄予告の図柄停止パターンは、停止図柄予告フラグの値と予告連続カウンタの値に応じて選択可能なテーブルとしてサブ統合制御装置53に記憶されている。
図20は、停止図柄予告フラグの値と予告連続カウンタの値とに応じて選択される停止図柄予告演出の図柄停止パターンを記憶したテーブル内容を示した図表である。停止図柄予告フラグの値が「1」「2」「3」の何れであっても、予告連続カウンタの値が1よりも大きい場合は、S930で選択した演出図柄と変動態様がリーチ態様以外であれば、「左1図柄」(図15(5)参照)、「右1図柄」(図15(6)参照)、「中1図柄」(図16(7)参照)、の何れかを選択し、リーチ態様であれば、「リーチ」(図14(2)参照)若しくは「左1図柄」、「右1図柄」、「中1図柄」を選択する。予告連続カウンタの値が1よりも大きい場合は、先読み判定結果により停止図柄予告演出の実施中に大当りとなることが無いため、期待度の低い図柄停止パターンを実施する構成となっている。
停止図柄予告フラグの値が「1」で予告連続カウンタの値が「1」の場合は、大当りとなる変動表示を実施する際の予告演出の選択となり、S930で選択した演出図柄を用いて「全図柄停止表示」(図14(1)参照)、「リーチ図柄停止表示」(図14(2)参照)、「左・中図柄停止表示」(図14(3)参照)、「中・右図柄停止表示」(図15(1)参照)、「左図柄停止表示」(図15(5)参照)、「右図柄停止表示」(図15(6)参照)、「中図柄停止表示」(図16(7)参照)、の何れかを選択する。従ってこの場合は、サブ統合制御装置53が記憶する全ての図柄停止パターンの中から実施する図柄停止パターンが選択されるが、「全図柄停止表示」を選択した場合は、停止図柄予告演出を実施した時点で大当り確定となる。
停止図柄予告フラグの値が「2」で予告連続カウンタの値が1の場合は、当否結果はハズレだがスーパーリーチとなる変動表示を実施する際の予告演出の選択となり、「リーチ図柄停止表示」、「左図柄停止表示」、「右図柄停止表示」、の何れかを選択する。
停止図柄予告フラグの値が「3」で予告連続カウンタの値が1の場合は、当否結果はハズレでスーパーリーチとならない変動表示を実施する際の予告演出の選択となり、「リーチ図柄停止表示」、「左・中図柄停止表示」、「中・右図柄停止表示」、「左図柄停止表示」、「右図柄停止表示」、「中図柄停止表示」、の何れかを選択する。
図12に戻り、S970で選択する図柄予告パターンは、停止図柄予告フラグの値と予告連続カウンタの値とに応じて限定され、S930で選択された変動態様に応じてその限定された図柄予告パターンの中から演出図柄表示装置54bに表示する停止図柄予告演出の態様(図柄予告パターン)が選択される。続いてS930で選択した変動態様とS970で選択した図柄予告パターンの組み合わせを設定し(S980)、予告連続カウンタのデクリメント処理を行う(S990)。
S950が否定判定なら(S950:NO)、停止図柄予告フラグの値が「2」か否か判定し(S960)、肯定判定なら(S960:YES)、予告連続カウンタの値を参照し(S965)、S930で選択した演出図柄と変動態様を基に、停止図柄予告フラグの値が「2」の場合に設定可能な停止図柄予告演出の図柄停止パターンを上述した内容と同様に選択し(S970)、S980、S990の処理を実施する。S960が否定判定なら(S960:NO)、予告連続カウンタの値を参照し(S965)、S930で選択した演出図柄と変動態様を基に、停止図柄予告フラグの値が「3」の場合に設定可能な停止図柄予告演出の図柄停止パターンを上述した内容と同様に選択し(S970)、S980、S990の処理を実施する。
S990の処理に続いては、予告連続カウンタの値が0か否か判定する(S1000)。肯定判定なら(S1000:YES)、停止図柄予告フラグの値に「0」を設定し(S1010)、S1010の後、又はS1000が否定判定なら(S1000:NO)、上記処理によって選択設定された変動態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を、演出図柄制御装置54aに送信し(S1020)、リターンに抜ける。S1020で送信する演出図柄指示信号には保留記憶数の更新情報(新たな変動表示を開始することにより保留記憶数をー1して表示する情報)を含む構成としてもよい。
S940が否定判定なら(S940:NO)、図13のフローチャートに進み、先読み予告フラグの値が「0」より大きいか否か判定する(S1100)。否定判定なら(S1100:NO)、S1020に進み、肯定判定なら(S1100:YES)、セットされた先読み予告フラグのフラグ値に応じて後述する先読み演出態様を選択し(S1110)、S930で選択した変動態様とS1110で選択した先読み演出態様の組み合わせを設定し(S1120)、先読み予告フラグに「0」を設定し(S1130)、S1020に進む。
以上が、サブ統合制御装置53が実行する変動指示信号受信処理となる。S940の判定からS980までが本願発明における停止図柄予告実施手段に該当し、S970の図柄予告パターン選択が本願発明における報知図柄選択手段に該当し、S1100の判定からS1120までが本願発明における先読み予告演出実施手段に該当し、S990からS1010までが停止図柄予告フラグ設定手段の一部、S1130が先読み予告演出フラグ設定手段の一部に該当する処理となる。
S990からS1010までの停止図柄予告フラグ設定手段の一部では、図8、図9、図10を用いて説明した予告連続カウンタ設定処理(S630、S650、S670、S730、S750、S770、S830、S850、S870)によって設定したカウンタ値の減算処理(S990)と、該減算処理によって減算後のカウンタ値が所定値(本実施例では0)となることを条件に停止図柄予告フラグのフラグ値をクリアする処理(S1000、S1010)を行う構成となっている。
また、S1130の先読み予告演出フラグ設定手段の一部では、先読み演出の実施を設定したことに応じて先読み予告フラグ(先読み予告演出フラグ)のフラグ値をクリアする処理を行っている。
次に、図14、15、16を用いて、S970、S980(図12)の設定に応じて演出図柄表示装置54bで表示する停止図柄予告の演出態様(図柄停止パターン)を説明する。図14(1)は停止図柄予告演出の「全図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する全ての演出図柄(この場合は左中右とも「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。上述したようにこの図柄停止パターンは、停止図柄予告フラグの値が1で且つ予告連続カウンタの値が1であることを条件に実施される場合がある演出であり、該演出が実施された時点で大当りとなることを暗示する予告となる。
図14(2)は停止図柄予告演出の「リーチ図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する左図柄(第1停止図柄)と右図柄(第2停止図柄)の演出図柄(この場合は「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。上述したようにこの図柄停止パターンは、S930で選択した確定表示する演出図柄がリーチ状態以上(大当りも含む)となることを条件にS970およびS980で設定される停止図柄予告演出であり、停止予告図柄フラグの値又は予告連続カウンタの値がどのような場合でも実施される可能性がある図柄停止パターンである。この予告演出が実施されることにより、確定表示する演出図柄が少なくともリーチ以上の組み合わせとなることを暗示する。
図14(3)は停止図柄予告演出の「左・中図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する左図柄(第1停止図柄)と中図柄(第3停止図柄)の演出図柄(この場合は「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。この図柄停止パターンは、S930で選択した確定表示する演出図柄が左図柄と中図柄とが同一図柄となる場合にS970およびS980で設定される停止図柄予告演出であり、停止予告図柄フラグの値が「1」又は「3」で、且つ予告連続カウンタの値が「1」であることを条件に実施される場合がある演出である。この予告演出が実施されることにより、第2停止図柄である右図柄が停止したときに「2」を示せば、その時点で大当りが確定することを暗示する予告となる。
図15(4)は停止図柄予告演出の「右・中図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する右図柄(第2停止図柄)と中図柄(第3停止図柄)の演出図柄(この場合は「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。この図柄停止パターンは、S930で選択した確定表示する演出図柄が右図柄と中図柄とが同一図柄となる場合にS970およびS980で設定される停止図柄予告演出であり、停止予告図柄フラグの値が「1」又は「3」で、且つ予告連続カウンタの値が「1」であることを条件に実施される場合がある演出である。この予告演出が実施されることにより、第1停止図柄である左図柄が停止したときに「2」を示せば、その時点で大当りが確定することを暗示する予告となる。
図15(5)は停止図柄予告演出の「左図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する左図柄(第1停止図柄)の演出図柄(この場合は「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。この図柄停止パターンは、S930で選択した確定表示する演出図柄の種類、停止予告図柄フラグの値又は予告連続カウンタの値に拘らずS970およびS980で設定される停止図柄予告演出である。この予告演出は、組み合わせとはならない一つの停止図柄(左図柄)を事前に報知する予告であり期待度は最も低い。
図15(6)は停止図柄予告演出の「右図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する右図柄(第2停止図柄)の演出図柄(この場合は「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。この図柄停止パターンは、S930で選択した確定表示する演出図柄の種類、停止予告図柄フラグの値又は予告連続カウンタの値に拘らずS970およびS980で設定される停止図柄予告演出である。この予告演出は、組み合わせとはならない一つの停止図柄(右図柄)を事前に報知する予告であり、左図柄(第1停止図柄)に「2」が停止した時点でリーチが確定することを暗示する予告となる。
図16(7)は停止図柄予告演出の「中図柄停止表示」となる図柄停止パターンを示す演出態様例である。この場合の停止予告図柄演出は、左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)がS1020(図12)の演出図柄変動指示に応じて高速変動を開始すると、S930で選択した確定表示時に表示する中図柄(第3停止図柄)の演出図柄(この場合は「2」)を、演出図柄の高速変動が視認可能なように半透明で約1.0秒間表示する。この図柄停止パターンは、S930で選択した確定表示する演出図柄の組み合わせの種類は限定しないが、停止予告図柄フラグの値が「2」で且つ予告連続カウンタの値が「1」の場合以外にS970およびS980で設定される停止図柄予告演出である。この予告も組み合わせとはならない一つの停止図柄(左図柄)を事前に報知する予告であり、左図柄(第1停止図柄)と右図柄(第2停止図柄)に「2」が停止した時点で大当りが確定することを暗示する予告となる。
以上が停止図柄予告の図柄停止パターン毎の演出態様例となるが、どの図柄停止パターンが表示された場合にも大当りの期待が持てるように、停止図柄予告フラグの値が「1」で予告連続カウンタの値が「1」の場合(大当り)には、全ての図柄停止パターンが選択される可能性がある構成となっている。言い換えれば、停止図柄予告フラグの値が大当り判定に基づく先読み判定信号に応じて設定されていることを条件に、該停止図柄予告フラグの成立に応じて実施される最後の停止図柄予告演出は、サブ制御装置が記憶する全ての停止図柄予告演出の表示パターンの中から表示パターンを選択する構成となっている。
次に停止図柄予告を演出図柄の変動を開始する毎に連続して実施する場合の具体的な表示例を図18、19を用いて説明する。図18(1)は停止図柄予告フラグが成立(0以上の値が設定)し、予告連続カウンタの値が4、3又は2の場合、即ち停止図柄予告フラグ設定後に最初に実施される停止図柄予告の態様例となる。この場合、複数回の変動表示に亘って連続して実施される停止図柄予告の1回目の予告演出として、大当りとなる期待度の最も低い図柄停止パターンを実施する(態様例は、左図柄(第1停止図柄)のみに「5」を表示する)。これにより、以後の変動表示において引き続き連続して停止図柄予告が実施されることを示唆する演出となっている。S930で選択した演出図柄変動表示がリーチ態様の場合は、左右どちらか一方の図柄を停止図柄予告として表示する。
図18(2)は、複数回の変動表示に亘って連続して実施される停止図柄予告の2回目又は3回目(最初と最後以外)の内容を示す態様例となる。この場合、右図柄に「8」を表示して1回目から2回目、2回目から3回目へと期待度が徐々に増加するように停止図柄を表示する位置を前回とは異なる位置に変化させている。S930で選択した演出図柄変動表示がリーチ態様の場合は、前回とは異なる位置に左右どちらか一方の図柄を停止図柄予告として表示する。
図18(3)は、予告連続カウンタ値が1で且つ停止図柄予告フラグの値が「1」の場合に出現することがある停止図柄予告の内容を示す態様例となる。この場合に実施される停止図柄予告表示は連続する予告演出の最後の表示となり、停止図柄予告フラグの値が「1」の場合即ち抽選の結果が大当りとなることを前提に実施される図柄停止パターンである。表示態様例は、大当りとなることを暗示する「全図柄停止表示」の実施を示している。
図19(4)は、予告連続カウンタ値が1(停止図柄予告フラグの値はどの値でも可)の場合に出現することがある停止図柄予告の内容を示す態様例となる。この場合に実施される停止図柄予告表示は連続する予告演出の最後の表示となるが、停止図柄予告フラグの値が「3」の場合はS930で選択された演出図柄がリーチの時に限って実施される内容となる。
図19(5)は、予告連続カウンタ値が1で停止図柄予告フラグの値が「1」又は「3」の場合に出現することがある停止図柄予告の内容を示す態様例となる。この場合に実施される停止図柄予告表示は連続する予告演出の最後の表示となるが、停止図柄予告フラグの値が「3」の場合はS930で選択された演出図柄が左図柄と中図柄が同一図柄の時に限って実施される内容となる。
以上が連続して停止図柄予告を実施する場合の具体的な表示態様例となるが、連続した停止図柄予告演出では主制御装置50から受信した変動指示信号を基に最後の変動以外ではリーチとなる演出図柄の組み合わせを避けるように停止図柄予告となる図柄停止パターンを選択する構成となっている。但し、連続回数2回の停止図柄予告演出を開始する場合は、1回目の停止図柄予告でリーチとなる演出図柄の組み合わせを選択表示する場合がある。
次に先読み予告フラグの値に応じて演出図柄表示装置54bで実施される先読み予告演出の表示態様を図21を用いて説明する。21図(1)は、先読み予告フラグの値が「1」の場合に実施される先読み予告演出の表示態様となる。この場合、左、中、右図柄が変動を開始すると、画面中央にキャラクタ(達吉)を演出図柄の変動表示が視認可能な状態で約1.0秒間表示する。この先読み予告演出が実施されたことによって大当りとなることを告知する予告となる。
21図(2)は、先読み予告フラグの値が「1」「2」の場合に実施される先読み予告演出の表示態様となる。この場合、左、中、右図柄が変動を開始すると、画面の左上と右上にキャラクタ(達吉)をそれぞれ一体ずつ約1.0秒間表示する。この先読み予告演出が実施されたことによってリーチ以上(大当りを含む)となることを告知する予告となる。
21図(3)は、先読み予告フラグの値が「1」「2」「3」の場合に実施される先読み予告演出の表示態様となる。この場合、左、中、右図柄が変動を開始すると、画面の左上、右上、中央上のいずれかにキャラクタ(達吉)を一体約1.0秒間表示する(図では中央上に表示)。この先読み予告演出が実施されたことによって、変動開始時に大当りが期待できるが、結果としてリーチまで又はリーチにもならない場合がある予告となる。
以上が実施例の説明となるが、演出図柄の数及び配置構成や変動開始順及び変動停止順はこれに限らず、変動の開始と停止の順番は常に一定でない構成としてもよい。これは、主制御装置50から受信した変動指示信号の内容に応じてサブ制御装置53が確定図柄の表示を実施する構成であれば、サブ統合制御装置53が演出図柄の変動開始順と停止順を変動指示信号を受信する毎に毎回選択する構成としてもよい。
また、先読み予告演出も実施例の内容に限るわけではなく、例えば演出図柄表示装置54b上に保留記憶数表示領域を備え、先読み予告フラグが成立すると対応する保留記憶表示の態様を通常の態様とは変化させる構成が考えられる。この場合も先読み予告フラグの値に応じて保留記憶表示の態様を変化させる構成が好適であり、演出図柄表示装置54bで保留記憶数を表示する場合は、液晶枠飾り28に備えた第1特別図柄保留数表示装置29aと第2特別図柄保留数表示装置30aは無くてもよい。