JP5551926B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
従来、生理用ナプキン等の吸収性物品において、身体への密着性や漏れ防止性を向上させるために、着用者の排泄部と対向する排泄部対向部や該排泄部対向部から着用者の臀部に対応する部分にかけて、吸収体を凸状に突出させて中高部を設けることが知られている。また、生理用ナプキン等の吸収性物品において、漏れ防止性や装着性を向上させるために、その肌当接面側に、表面シート及び吸収体を圧密化してなる溝部を形成することも知られている。
例えば特許文献1には、中高部の側部より所定距離離間した位置に防漏溝を形成し、該防漏溝と該中高部の側部との離間域に、防漏溝部吸収体よりも低密度で且つ中高部吸収体よりも高密度の圧搾吸収体領域が形成されている吸収性物品が記載されている。この圧搾吸収体領域は、防漏溝部吸収体よりも厚く且つ吸収体の標準部よりも薄く段状に形成されている。特許文献1に記載の吸収性物品によれば、吸収体の総厚を上げずに中高部の隆起高を高くすることが可能であると共に、吸収された経血等の拡散を促進し吸収能の増大や逆戻りを防止でき、更に、中高部上面と防漏溝底面とに高低差があっても表面材の破れを防止できるとされている。尚、特許文献1には、経血等の排泄液の拡散に関し、吸収体内での幅方向の液拡散については記載されていない。
また特許文献2には、パンツやおむつ等の外部装着体の内側に重ねて使用される吸収性物品として、表面シート、吸収体及び裏面シートの積層体を備え、該積層体の幅方向(長手方向と直交する方向)の中央領域の剛軟度を、幅方向の両側領域で且つ吸収体が存在している領域の剛軟度よりも高くした吸収性物品が記載されている。特許文献2に記載の吸収性物品によれば、外部装着体の内側に重ねたときに縒れやたくれが発生しにくく、身体に確実にフィットできるとされている。尚、特許文献2に記載の吸収性物品の主たる技術課題は、身体への密着性や装着感の改善であり、特許文献2には、排泄液の漏れ防止については具体的に記載されていない。
また特許文献3には、幅方向中央域に疎水性材と親水性材とが交互に配置された、吸収体を具備する吸収性物品が記載されている。特許文献3に記載の吸収性物品によれば、吸収体内での幅方向の液拡散が抑制され、且つ吸収体の長手方向の拡散が促進されるとされている。尚、特許文献3には、吸収体に中高部を設けることは記載されていない。
特開2002−345888号公報 特開2000−225138号公報 特開平1−285266号公報
中高部が、着用者の排泄部と対向する排泄部対向部に設けられている吸収性物品は、該中高部の吸収容量が大きいこと等に起因して、該排泄部の付近に排泄液を滞留させ易く、そのため、着用者に濡れによる不快感を与え易いという問題があった。また、この種の吸収性物品においては、側部における体液の漏れ(いわゆる横漏れ)が問題となることが多い。着用時の濡れによる不快感を解消し、横漏れを効果的に防止し得る技術は未だ提供されていない。
従って、本発明の課題は、着用者の排泄部付近の排泄液を素早く吸収し、着用時の濡れによる不快感を解消し、横漏れを効果的に防止し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌当接面を形成する表面シート、非肌当接面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置された吸収体を具備し、実質的に縦長で、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、前記排泄部対向部に、周辺部よりも厚みが厚く且つ前記表面シート側に突出して形成された中高部を有しており、該中高部の物品長手方向に沿う両側部は、それぞれ、物品幅方向外方に傾斜しており、前記排泄部対向部の物品幅方向に沿う断面視において、前記吸収体における前記中高部及びその周辺部からなる吸収体中央領域は、該吸収体中央領域の物品幅方向の中央部が、相対的に密度の低い中央低密度部、該中央部に隣接し且つ前記中高部の側部の少なくとも一部を含む側方部が、相対的に密度の高い側方高密度部となっており、前記側方高密度部は、前記中高部の物品長手方向の全長に亘って連続しており、且つ物品幅方向内方から外方に向かうに従って密度が高くなっている吸収性物品を提供することにより、前記課題を解決したものである。
また本発明は、前記吸収性物品の製造方法であって、加圧手段とこれを受ける受け手段との間に、一面側に隆起部を有する吸収体前駆体を供給し、該隆起部をその厚み方向に圧縮する圧縮工程を備え、前記加圧手段における、前記吸収体前駆体の圧縮時に該吸収体前駆体と対向する面に、前記吸収体前駆体の供給方向に延びる所定幅の凹部が形成されており、前記凹部は、前記供給方向に沿う左右一対の側壁部を有し、該一対の側壁部は、それぞれ、該供給方向と直交する方向の内方に傾斜しており、前記圧縮工程において、前記凹部及びその開口周辺部で前記隆起部を押圧し、該凹部内に該隆起部を押し込むことにより、前記中高部を形成する、吸収性物品の製造方法を提供することにより、前記課題を解決したものである。
本発明によれば、着用者の排泄部付近の排泄液を素早く吸収し、着用時の濡れによる不快感を解消し、横漏れを効果的に防止し得る吸収性物品を提供することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態である生理用ナプキンの肌当接面側(表面シート側)を示す斜視図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図2に示す吸収体の液の取り込み性を説明するための図であり、該吸収体の模式断面図である。 図4(a)及び図4(b)は、それぞれ、本発明の範囲外の吸収体の液の取り込み性を説明するための図であり、該吸収体の模式断面図である。 図5は、図2に示す吸収体の製造工程の説明図である。
以下、本発明の吸収性物品について、その好ましい一実施形態である生理用ナプキンに基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態のナプキン1は、図1及び図2に示すように、肌当接面を形成する表面シート2、非肌当接面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を備え、実質的に縦長の形状(図1に示す如き平面視において一方向に長い形状)をしている。
ナプキン1は、図1に示すように、着用時に着用者の排泄部(膣口)に対向配置される排泄部対向部Aと、着用時に排泄部対向部Aより着用者の背中側に配される後方部Bとを、長手方向に有している。排泄部対向部Aは、後述する、左右に一対のウイング部6,6を有する部分である。
尚、本明細書において、肌当接面は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材における、吸収性物品(生理用ナプキン)の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその部材における、吸収性物品(生理用ナプキン)の着用時に肌側とは反対側(衣類側)に向けられる面である。また、長手方向は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材の長辺に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。図中、符号Xで示す方向は、ナプキン1の長手方向(物品長手方向)であり、符号Yで示す方向は、ナプキン1の幅方向(物品幅方向)である。吸収体4の長手方向は、ナプキン1の長手方向と一致しており、吸収体4の幅方向は、ナプキン1の幅方向と一致している。
図1及び図2に示すように、表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の長手方向両端から延出し、それらの延出部の端部において互いにヒートシール等により接合されてエンドシール部を形成している。表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の長手方向に沿う両側縁から外方に延出してフラップ部5を形成している。フラップ部5は、排泄部対向部Aにおいて物品幅方向の外方に更に延出して一対のウイング部6,6を形成していると共に、後方部Bにおいてナプキン1の幅方向の外方に更に延出して一対の後方フラップ部7,7を形成している。
ナプキン1の非肌当接面(裏面シート3の非肌当接面3b)は、着用時にショーツのクロッチ部等、衣類側に向けられる。非肌当接面3bには、ナプキン1をショーツ等の下着のクロッチ部に固定するための粘着部(図示せず)が設けられている。また、一対のウイング部6,6の非肌当接面には、ショーツの外面(非肌当接面)に固定するための粘着部(図示せず)が設けられている。また、一対の後方フラップ部7,7は、ナプキン1の着用時に、ショーツの内面(肌当接面)上に配されるもので、その非肌当接面には粘着部(図示せず)が設けられている。これらの粘着部は、ホットメルト粘着剤を所定箇所に塗布することにより設けられており、ナプキン1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
吸収体4は、平面視において角が丸みを帯びた矩形形状をしており、その長手方向をナプキン1の長手方向に一致させて、物品幅方向の中央に配されている。吸収体4は、パルプ繊維等の繊維材料からなる吸収性コア又は該吸収性コアの繊維間に吸水性ポリマーを保持させてなる吸収性コアを、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなるコアラップシート(図示せず)で被覆してなる。表面シート2と吸収体4との間、吸収体4と裏面シート3との間は、ドット、スパイラル、ストライプ等のパターン塗工された接着剤(ホットメルト接着剤等)により互いに接合されている。
吸収体4は、図1及び図2に示すように、排泄部対向部Aに、周辺部よりも厚みが厚く且つ表面シート2側に突出して形成された中高部42を有している。より具体的には、吸収体4は、排泄部対向部Aよりも物品長手方向(図中X方向)の前側に位置する領域から排泄部対向部Aを介して後方部Bに亘って延びる縦長の下層部40と、排泄部対向部Aにおいて下層部40の肌当接面上に配置された縦長の上層部41とを具備し、上層部41及び下層部40における上層部41の下方に位置する部分が、中高部42を形成している。上層部41(中高部42)は、平面視において略矩形形状で且つ下層部40よりも幅狭で、その長手方向を物品長手方向に一致させて、排泄部対向部Aにおける下層部40の物品幅方向(図中Y方向)の中央部に配置されている。吸収体4は、後述するように、互いに別体の2つの吸収構造体(第1吸収構造体、第2吸収構造体)を重ね合わせ、両吸収構造体を一体化する工程を経て形成されている。下層部40の厚みは、好ましくは1〜5mm、更に好ましくは1〜3mmであり、上層部41の厚みは、好ましくは1〜7mm、更に好ましくは1〜5mmである。
中高部42の物品長手方向に沿う左右両側部は、それぞれ、図2に示すように、物品幅方向外方に傾斜している。即ち、中高部42を構成する上層部41(下層部40から肌当接面側に突出している部分)は、その根元から先端に向かうに従って断面が小さくなるテーパー形状に形成されている。このように、中高部42の側部が物品幅方向外方に傾斜していると、特に、中高部42の幅方向中央から側方側に向けて徐々に吸収体の密度が高められること(密度による毛管力勾配の形成、又は粗密勾配の形成)による液の移動性向上がなされ、排泄領域から(余剰となった)液が素早く吸収体側方部に導かれ、着用者に優れたドライ感を与える点、及び傾斜部(中高部42の側部)による装着感の向上という点で有利である。
図2に示す如き、排泄部対向部Aの物品幅方向に沿う断面視において、吸収体4における中高部42及びその周辺部43(中高部42と物品幅方向に隣接する所定幅の部分)からなる吸収体中央領域44は、該吸収体中央領域44の物品幅方向の中央部が、相対的に密度の低い中央低密度部45、該中央部に隣接し且つ中高部42の側部の少なくとも一部(該側部における物品幅方向外方寄りの部分)を含む側方部が、相対的に密度の高い側方高密度部46となっている。中央低密度部45は、側方高密度部46との比較において、全構成材料(繊維、吸水性ポリマー等)の密度が低い部分であり、側方高密度部46は、中央低密度部45との比較において全構成材料の密度が高い部分である。尚、中央低密度部45は、その全域に亘って密度が略均一であるのに対し、側方高密度部46は、後述するように粗密勾配を有しているところ、前述した中央低密度部45と側方高密度部46との密度の比較においては、側方高密度部46における最も密度の低い部分(中央低密度部45と物品幅方向において隣接する部分)を、中央低密度部45との比較の対象とする。
側方高密度部46は、図2に示すように、中高部42の傾斜している側部における物品幅方向外方寄りの部分から、該部分と物品幅方向に隣接する周辺部43に亘って存している。中央低密度部45と側方高密度部46との境界は、通常、中高部42の傾斜している側部内に存している。中央低密度部45と側方高密度部46との境界は、次のようにして確認することができる。即ち、中高部42を物品幅方向に複数の領域(各領域の幅3mm)に区分し、各領域について下記方法により密度(全構成材料の密度)を測定する。そして、物品幅方向に互いに隣接する2つの領域について、物品幅方向の内方側の領域と外方側の領域との密度比(前者/後者)を算出し、該密度比が0.5以下となった場合、それら2つの領域の境界を、中央低密度部45と側方高密度部46との境界とする。
〔吸収体の各部における全構成材料の密度の測定方法〕
吸収体4(中高部42)より各々の部位を長さ30mm、幅5mmの大きさに切り出しサンプルを調製し、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用いサンプルの重量を測定した。定圧式厚み計を用い、サンプル厚みを測定し、測定したサンプルの重量を、サンプルの体積(厚み×長さ×幅)で除して各々の部位の全材料の密度を算出した。尚、低圧式厚み計の測定時圧力は0.5g/cm2であった。
中央低密度部45及び側方高密度部46は、何れも中高部42の物品長手方向の全長に亘って連続している。また、側方高密度部46は、物品幅方向(図中Y方向)の内方から外方に向かうに従って密度が高くなっている。即ち、側方高密度部46は、中高部42において中央低密度部45と物品幅方向に隣接する部分が、最も全構成材料の密度が低く、中高部42の物品幅方向外方に位置する周辺部43が、最も全構成材料の密度が高くなっており、側方高密度部46自体が密度のグラデーションを有している。
側方高密度部46に、このような物品幅方向内方が粗、外方が密の粗密勾配が形成されていることは、次のようにして確認することができる。即ち、側方高密度部46の物品幅方向の最内方側から物品幅方向に3mm、物品長手方向に30mmの大きさの試験片を、また側方高密度部46の物品幅方向の最外方側から物品幅方向に3mm、物品長手方向に30mmの大きさの試験片を、それぞれ切り出し、各々の試験片の物品幅方向中央部における厚みを非接触式レーザー変位計(KEYENCE社製、LK−GD500及びLK−G30)を用い測定し、各々の試験片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用い測定し、これらの測定値(厚み、重量)から算出された全構成材料の密度の比較により、側方高密度部46の粗密勾配を確認する。
本実施形態においては、吸収体4における中高部42及びその周辺部43からなる吸収体中央領域44に、前述した粗密勾配が形成されていることに加えて、更に、図2に示すように、吸収体中央領域44の側方高密度部46の物品幅方向外方に、側方高密度部46に隣接して、側方高密度部46よりも密度(全構成材料の密度)の低い側方低密度部47が、中高部42に沿って物品長手方向に延びて形成されている。側方高密度部46と側方低密度部47との密度の比較においては、側方高密度部46については最も密度の高い部分(周辺部43)を、側方低密度部47については後述する溝部8の形成部分以外の部分を、それぞれ比較の対象とする。
また、本実施形態においては、図1及び図2に示すように、側方低密度部47に、表面シート2及び吸収体4(下層部40)が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥した、物品長手方向に延びる線状の溝部8が形成されている。溝部8は、中高部42を挟んで左右両側に一対形成されている。ここで、「線状」とは、溝部(凹陥部)の形状が平面視において直線に限られず、曲線を含み、各線は、連続線でも破線でも良い。溝部8においては、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化している。溝部8の形成は、経血等の排泄液の拡散防止、着用時の身体に対する密着性の向上等に特に有効である。溝部8は、熱を伴うか又は伴わないエンボス、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。溝部8の形成部分(溝部8の底部と裏面シート3とにはさまれた部分)は、側方低密度部47はもとより、吸収体4全体において最も密度(全構成材料の密度)が高い部分である。また、側方低密度部47において、溝部8を挟んで物品幅方向内方側と外方側とは、密度は略同じである。
一対の溝部8,8は、それぞれ、ナプキン1の肌当接面(表面シート2の肌当接面2a)に形成されており、図1に示すように、排泄部対向部Aにおいて中高部42に沿って物品長手方向(図中X方向)に延び、且つ排泄部対向部Aよりも物品長手方向の前側及び後方部Bそれぞれにおいて互いに連結し、平面視において中高部42を包囲する環状を形成している。
本実施形態のナプキン1は、主として、吸収体4が前述の如き構成を有しているため、着用者の排泄部付近の排泄液を素早く吸収し、着用時の濡れによる不快感を解消し、横漏れを効果的に防止することができる。即ち、吸収体4においては、着用者の排泄部に近接する中高部42上に排泄された経血等の排泄液は、図3に示すように、素早く中央低密度部45内に透過移行するため、排泄部付近に排泄液を滞留させ難く、着用者に着用時の濡れによる不快感を与え難い。また、中央低密度部45内に透過移行した排泄液は、前述した吸収体中央領域44の粗密勾配により、中央低密度部45の物品幅方向外方に位置し且つ強い毛管力が働き、液(中央低密度部45の余剰液)の移動性に優れる、側方高密度部46に導かれる。側方高密度部46に導かれた排泄液は、側方高密度部46のうち、中央低密度部45に最も近く且つ側方高密度部46において最も密度の低い低密度部内に吸収・保持される。排泄液が繰り返し側方高密度部46に流れてきた場合は、該低密度部よりも物品幅方向外方に位置し且つ該低密度部よりも密度の高い、高密度部で順次液が吸収・保持されるため、排泄液は、側方高密度部46よりも物品幅方向外方に伝達され難く、横漏れが起こり難い。また、排泄液は、側方高密度部46において最も密度の高い部分(周辺部43)と側方低密度部47との界面において一旦堰き止められるため、吸収体中央領域44内に滞留し易く、そのため、吸収体中央領域44が優先的に排泄液を吸収することが可能となり、これにより吸収体4が効率良く利用される。
また、吸収体中央領域44の吸収容量を超えた排泄液が、側方高密度部46よりも物品幅方向外方に流れてきても、そこには所定幅の側方低密度部47が存しており、更には、吸収体4において最も密度の高い溝部8が形成されているため、排泄液は、溝部8で堰き止められ、溝部8よりも物品幅方向外方には伝達され難い。このように、吸収体4においては、着用者の排泄部付近(吸収体4の物品幅方向中央部)から物品幅方向外方に向かって、粗部(中央低密度部45)、密部(側方高密度部46)、粗部(側方低密度部47)、高密部(溝部8)が順次配置されているため、物品幅方向での液拡散が抑制され、横漏れを起こし難い。
また、吸収体4においては、中央低密度部45及び側方高密度部46が、中高部42の物品長手方向(図中X方向)の全長に亘って連続しているため、排泄液を物品長手方向に拡散させることができる。このような物品長手方向での液拡散の促進と、前述した物品幅方向(図中Y方向)での液拡散の抑制とにより、本実施形態のナプキン1は、吸収体4の利用効率が高く、排泄液の吸収性、漏れ防止性に優れている。
これに対し、例えば特許文献1に記載されている吸収体、即ち、図4(a)に示すように、中高部91の側部より所定距離離間した位置に溝部93を形成し、溝部93と中高部91の側部との離間域に、溝部93の形成部分よりも低密度で且つ中高部91よりも高密度の圧搾吸収体領域92が形成されている吸収体90においては、着用者の排泄部付近から物品幅方向外方に向かって、粗部(中高部91の略全域)、密部(圧搾吸収体領域92)、高密部(溝部93)が順次配置されており、密部と高密部とが物品幅方向に隣接しているため、図4(b)に示すように、排泄液は、密部92に達すると毛管力の作用により、一気に高密部93に到達することになる。そのため、吸収体90は、本実施形態の吸収体4に比して、物品幅方向での液拡散の抑制能が低く、横漏れを起こし易い。
前述した作用効果をより確実に発現させる観点から、溝部8は、中高部42の物品長手方向に沿う側部から物品幅方向外方に5mm以上離間した位置に形成されていることが好ましい。即ち、図3において、中高部42の根元(傾斜部の立ち上がり部分)と溝部8との離間距離L1は、好ましくは5mm以上、更に好ましくは5〜10mmである。
前述した作用効果をより確実に発現させる観点から、吸収体4の各部の密度、寸法等は、それぞれ、下記の範囲にあることが好ましい。
中央低密度部45の全構成材料の密度は、0.05〜0.20g/cm3、特に0.08〜0.15g/cm3であることが好ましい。
側方高密度部46の全構成材料の密度は、0.10〜0.70g/cm3、特に0.2〜0.5g/cm3であることが好ましい。
側方低密度部47における溝部8の形成部分以外の部分の全構成材料の密度は、0.05〜0.20g/cm3、特に0.08〜0.15g/cm3であることが好ましい。
中央低密度部45と側方高密度部46における最も全構成材料の密度が低い部分(中央低密度部45と物品幅方向に隣接する部分)との密度比(前者/後者)は、0.2〜0.8、特に0.3〜0.7であることが好ましい。
側方高密度部46における最も全構成材料の密度が高い部分(周辺部43)と側方低密度部47における溝部8の形成部分以外の部分との密度比(前者/後者)は、0.2〜0.9、特に0.3〜0.7であることが好ましい。
吸収体中央領域44の幅(物品幅方向の長さ)W1は、吸収体4の幅Wの20〜70%、特に30〜50%であることが好ましい。
中高部42の幅W2は、吸収体4の幅Wの20〜60%、特に25〜40%であることが好ましい。
中央低密度部45の幅W3は、吸収体4の幅Wの5〜50%、特に10〜40%であることが好ましい。また、幅W3は5〜40mm、特に10〜30mmであることが好ましい。
側方高密度部46の幅W4は、吸収体4の幅Wの5〜40%、特に5〜30%であることが好ましい。また、幅W4は5〜30mm、特に5〜20mmであることが好ましい。
側方低密度部47の幅W5は、吸収体4の幅Wの10〜45%、特に15〜40%であることが好ましい。また、幅W5は10〜35mm、特に15〜30mmであることが好ましい。
溝部8の幅W6は、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.75〜2mmである。
ナプキン1における各部の形成材料について説明すると、表面シート2及び裏面シート3としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート2としては、例えば、不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。裏面シート3としては、例えば、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。
吸収体4及び中高部41を構成する前記吸収性コアの形成材料としては、従来、生理用ナプキンやパンティライナー、使い捨ておむつ等の吸収性物品(生理用ナプキン)の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン等の合成繊維の短繊維等が用いられる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、繊維材料は、全体又は一部がパルプ繊維であることが好ましく、繊維材料中のパルプ繊維の割合は50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、更に好ましくは100質量%である。尚、吸収性コアには、繊維材料以外に、消臭剤や抗菌剤等を必要に応じて配合しても良い。また、吸水性ポリマーを配合しても良い。
次に、本発明の吸収性物品(生理用ナプキン)の製造方法について、前述した吸収体4を備えるナプキン1の製造方法を例にとり、図5を参照して説明する。図5は、吸収体4の製造工程の説明図である。ナプキン1の製造方法は、以下に説明する吸収体4の製造工程に主たる特徴を有し、その他の工程は、この種の生理用ナプキンの製造時における各工程と同じである。
吸収体4の製造工程は、吸収体前駆体50を製造する前駆体製造工程と、吸収体前駆体50を圧縮する圧縮工程とを有している。吸収体前駆体50は、図5に示すように、下層部50の一面側に下層部50よりも幅狭の隆起部51を有する、中高構造の吸収体であり、パルプ繊維及び吸水性ポリマーを含んで構成され、その組成は吸収体4と同じであるが、前述した粗密勾配は有しておらず、その密度は、吸収体前駆体50の全域に亘って略均一である。吸収体前駆体50は、この種の吸収性物品(生理用ナプキン)における吸収体と同様に、公知の積繊装置を用いて製造することができる。
本実施態様では、図5に示すように、2種類の吸収体前駆体50A,50Bの何れか一方を使用する。吸収体前駆体50Aは、下層部51と隆起部52とが一体に形成されていて分離不可になされているものであり、吸収体前駆体50Bは、下層部51と隆起部52とが別体となっていて分離可能になされているものである。吸収体前駆体50Aは、下層部51及び隆起部52の一体化物からなる吸収性コアと、該吸収性コア全体を被覆するコアラップシート(図示せず)とから構成されている。一方、吸収体前駆体50Bにおいては、下層部51及び隆起部52はそれぞれ個別にコアラップシート(図示せず)で被覆されている。
前記圧縮工程では、加圧手段60とこれを受ける受け手段65との間に、吸収体前駆体50を供給し、吸収体前駆体50の隆起部52をその厚み方向に圧縮する。加圧手段60及び受け手段65は、エンボス加工などに用いられる回転可能なロール状のものでも良く、上下に往復動する板状のものでも良い。加圧手段60における、吸収体前駆体50の圧縮時に該吸収体前駆体50と対向する面61には、図5に示すように、吸収体前駆体50の供給方向(図5が記載された紙面に対して垂直方向)に延びる所定幅の凹部62が形成されている。凹部62は、底部と該底部から立設する、吸収体前駆体50の供給方向に沿う左右一対の側壁部62a,62aとを有している。一対の側壁部62a,62aは、それぞれ、前記供給方向と直交する方向(図5中Y方向)の内方に傾斜しており、凹部62は、図5中Y方向の断面視において、前記底部から接触面61に向かうに従って断面が大きくなるテーパー形状に形成されている。
凹部62は、吸収体前駆体50の隆起部52をその内部に押し込んで変形させて前述した上層部41とすることにより、中高部42を形成するためのもので、その長さ、幅、深さは、上層部41の所望の長さ、幅、厚みに応じて設定される。隆起部52の幅W10と凹部62の開口幅W11との比(前者/後者)は、中高部42の形成容易の観点から、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3である。
前記圧縮工程において、加圧手段60で吸収体前駆体50の一面側(隆起部52の形成面側)を押圧し、凹部62及びその開口周辺部61aを隆起部52に押し当てていくと、隆起部52における開口周辺部61aと対向する部分が押し潰されると共に、隆起部52の一部が凹部62内に侵入し、凹部62内を満たすように変形する。前記圧縮工程において、隆起部52に対する圧縮力は、開口周辺部61aにおいて最も高く、凹部62の幅方向中央に近づくほど低下し、凹部62の幅方向中央部が最も低く、略ゼロである。また、吸収体前駆体50における隆起部52よりも幅方向外方に位置する部分にかかる圧縮力、即ち下層部51に直接かかる圧縮力も、略ゼロである。
このような、吸収体前駆体50に対する圧縮力の不均一分布により、前記圧縮工程を経て得られた吸収体4には、前述した粗密勾配が形成される。得られた吸収体4においては、前記圧縮工程において、凹部62の開口周辺部61a及びその周辺部で圧縮された部分が、側方高密度部46となっており、また、開口周辺部61a及びその周辺部よりも幅方向内方に位置する、凹部62の幅方向中央部で圧縮された部分が、中央低密度部45となっており、また、開口周辺部61a及びその周辺部よりも幅方向外方域で圧縮された部分が、側方低密度部47となっている。前記圧縮工程後、得られた吸収体4の中高部形成面側に表面シート2(図5では図示せず)を、反対側に裏面シート3(図5では図示せず)をそれぞれ供給し、側方低密度部47が存する領域に対し、該表面シート2側から公知のエンボス加工を施して溝部8を形成する。更に、吸収体4の周囲において表面シート2と裏面シート3との間を接合することにより、ナプキン1が得られる。
ところで、吸収性前駆体50としては、下層部51と隆起部52とが一体に形成されている前駆体50A、これらが別体となっている前駆体50Bの何れを用いても構わないが、前駆体50Bを用いた方が、前述した粗密勾配の形成が容易である。即ち、吸収体4は、パルプ繊維及び吸水性ポリマーを含んで構成される第1吸収構造体(下層部51に相当)の一面上に、パルプ繊維及び吸水性ポリマーを含んで構成され且つ該第1吸収構造体よりも幅狭の第2吸収構造体(隆起部52に相当)を重ね合わせ、両吸収構造体を一体化する工程を経て形成されているものであることが、隆起部52に相当する第2吸収構造体の幅を制御することが容易な点、及び設計通りの粗密勾配を形成することが容易な点で好ましい。
尚、前述したように、前駆体50Bにおいては、下層部51及び隆起部52がそれぞれ個別にコアラップシートで被覆されているため、前駆体50Bを用いて得られた吸収体4においては、上層部41と下層部40との間に、これらのコアラップシートが挟持固定される。前駆体50Aを用いて得られた吸収体4においては、上層部41と下層部40との間に、コアラップシートが挟持固定されることはない。
本発明の吸収性物品(生理用ナプキン)は、前述した実施形態に制限されず、適宜変更することができる。例えば、生理用ナプキンは、ウイング部6を有しないものであっても良く、後方フラップ部7を有しないものであっても良く、ウイング部6及び後方フラップ部7を有しないものであっても良い。また、生理用ナプキンは、その肌当接面側の左右両側に立体ギャザーを有するものであっても良い。また、本発明の吸収性物品(生理用ナプキン)は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド、使い捨ておむつ等の他の吸収性物品(生理用ナプキン)であっても良い。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1及び図2に示す如き構成の生理用ナプキンを常法に従って製造し、これを実施例1のサンプルとした。吸収体を構成する吸収性コアの構成材料として、パルプ繊維及び吸水性ポリマーを用い、これらの混合積繊体(吸収性コア)と該混合積繊体を被覆するコアラップシートとからなる吸収体前駆体50Aを常法に従って製造し、前述した方法により吸収体を製造した。実施例1の吸収体中における吸水性ポリマーの含有量は、該吸収体の全重量に対して20重量%であった。また、前記コアラップシートとして、坪量16g/m2の吸収紙を使用した。また、表面シートとして、坪量25g/m2のエアスルー不織布を使用し、裏面シートとして、坪量30g/m2の非透湿ポリエチレン製フィルムを使用した。
実施例1で用いた吸収体の寸法は、下層部40の長さが100mm、下層部40の幅W(図2参照)が80mm、下層部40の厚みが2mm、上層部41(中高部42)の長さが80mm、上層部41(中高部42)の幅W2が30mm、上層部41の厚みが2mmであった。
また、実施例1で用いた吸収体において、吸収体中央領域44の幅W1は30mm、中央低密度部45の幅W3は20mm、側方高密度部46の幅W4は5mm、側方低密度部47の幅W5は25mm、溝部8の幅W6は5mm、溝部8の中高部42の側部からの離間距離L1は15mmであった。
また、中央低密度部45の坪量は400g/m2、密度は0.1〜0.2g/cm3であり、側方高密度部46の坪量は400g/m2、密度は0.2〜0.5g/cm3であり、側方低密度部47の坪量は160g/m2、密度は0.1〜0.2g/cm3であった。また、中央低密度部45と側方高密度部46の密度比は0.5、側方高密度部46と側方低密度部47との密度比は0.9であった。これらの密度比は、前述した方法により算出した。
〔実施例2〕
吸収体前駆体50Aに代えて吸収体前駆体50Bを用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造し、これを実施例2のサンプルとした。実施例2で用いた吸収体においては、上層部41と下層部40との間にコアラップシートが挟持固定されている。
〔比較例1〕
吸収体として、図4に示す吸収体90と同様のものを用いた以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造し、これを比較例1のサンプルとした。比較例1で用いた吸収体は、特許文献1に記載の方法に従って製造し、構成材料並びに各部の長さ及び幅は、概ね実施例1で用いた吸収体と同じである。また、中高部91の坪量は400g/m2、密度は0.1〜0.2g/cm3であり、圧搾吸収体領域92の坪量は400g/m2、密度は0.1〜0.3g/cm3であった。また、中高部91と圧搾吸収体領域92との密度比(前者/後者)は0.5であった。
〔評価〕
実施例及び比較例のサンプル(生理用ナプキン)について、表面液残り量、液拡散性をそれぞれ下記方法により測定した。それらの結果を下記表1に示す。
<表面液残り量の測定方法>
生理用ナプキンを水平に置き、底部に直径1cmの注入口がついた円筒付きアクリル板を重ねて、サンプルの排泄部対向部(サンプルの物品長手方向前端から40mmの位置)に注入口から粘度を8.0±0.1cPに調整した脱繊維馬血を注入し、注入後1分間その状態を保持した。次に、円筒付きアクリル板を取り除き、表面シートの表面上に、縦6cm×横9.5cmで坪量13g/m2の予め重量を測定しておいた吸収紙(市販のティッシュペーパー)を載せた。更にその上に圧力が4.5×102Paになるように錘を載せて5秒間加圧した。加圧後、吸収紙を取り出し、加圧前後の吸収紙の重量変化を測定し、吸収紙に吸収された脱繊維馬血の重量を1回目の表面液残り量とした。次いで、試験後のサンプルに再び前記アクリル板を重ね、1回目の注入から3分後に再び注入口から2gの脱繊維馬血を追加して注入した。生理用ナプキンへの2回目の馬血の注入位置は、1回目の注入位置と同じとした。そして、注入後1分間その状態を保持した後、アクリル板を取り除き、前記と同様にして2回目の表面液残り量を測定した。更に、2回目の注入から3分後、その測定後のサンプルに、前記と同様にして、2gの脱繊維馬血を追加して注入し、前記と同様にして3回目の表面液残り量を測定した。下記表1には、累計6g注入後(2g注入を3回繰り返した後)の3回目の表面液残り量を記載した。
<液拡散性の測定方法>
サンプルの排泄部対向部(サンプルの物品長手方向前端から40mmの位置)に、粘度を8.0±0.1cPに調整した馬血を2g、一定時間間隔ごとに繰り返し注入し、各注入の1分後に注入点より液が物品長手方向に拡散した距離(液拡散長さ)を測定すると共に、液拡散面積を測定した。液拡散長さ及び液拡散面積は、吸収体の非肌当接面(裏面シートとの対向面)で測定した。下記表1には、累計6g注入後(2g注入を3回繰り返した後)の3回目の液拡散性を記載した。
Figure 0005551926
表1に示す結果から明らかなように、実施例1及び2は何れも比較例1に比べ、累計6g注入後の表面液残り量が少なく、液の引き込み性に優れることが示唆された。このことから、実施例1及び2の生理用ナプキンは、液の保持性に優れ、着用者の肌側に液を戻しにくいことから、着用者に優れたドライ感を与え、着用者により快適な着用感を提供することがわかる。また、累計6g注入後の液拡散性については、実施例1及び2は何れも比較例1に比べ、液拡散長さが長く、吸収体の非肌当接面(裏面シートとの対向面)における物品長手方向の液の移動性が高いことがわかった。このことから、実施例1及び2の生理用ナプキンは、何れも物品幅方向への液の拡散を抑制し、物品幅方向からの経血の漏れ(横漏れ)を抑制する効果が高いことがわかる。
1 吸収性物品(生理用ナプキン)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
8 溝部
40 吸収体の下層部
41 吸収体の上層部
42 中高部
43 中高部の周辺部(中高部と物品幅方向に隣接する、該中高部の周辺部)
44 吸収体中央領域
45 中央低密度部
46 側方高密度部
47 側方低密度部
50,50A,50B 吸収体前駆体
51 吸収体前駆体の下層部
52 吸収体前駆体の上層部
60 加圧手段
61a 凹部の開口周辺部
62 凹部
62a 凹部の側壁部
65 受け手段
A 排泄部対向部

Claims (4)

  1. 肌当接面を形成する表面シート、非肌当接面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置された吸収体を具備し、実質的に縦長で、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、前記排泄部対向部に、周辺部よりも厚みが厚く且つ前記表面シート側に突出して形成された中高部を有しており、該中高部の物品長手方向に沿う両側部は、それぞれ、物品幅方向外方に傾斜しており、
    前記排泄部対向部の物品幅方向に沿う断面視において、前記吸収体における前記中高部及びその周辺部からなる吸収体中央領域は、該吸収体中央領域の物品幅方向の中央部が、相対的に密度の低い中央低密度部、該中央部に隣接し且つ前記中高部の側部の少なくとも一部を含み、前記周辺部に及ぶ側方部が、相対的に密度の高い側方高密度部となっており、
    前記側方高密度部は、前記中高部の物品長手方向の全長に亘って連続しており、且つ物品幅方向内方から外方に向かうに従って徐々に密度が高くなっており、
    前記側方高密度部のさらに物品幅方向外方に、該側方高密度部に隣接して、該側方高密度部よりも密度の低い側方低密度部が、前記中高部に沿って物品長手方向に延びて形成されている吸収性物品。
  2. 前記側方低密度部に、前記表面シート及び前記吸収体が前記裏面シート側に向かって一体的に凹陥した、物品長手方向に延びる溝部が形成されている請求項記載の吸収性物品。
  3. 前記溝部が、前記中高部の物品長手方向に沿う前記側部から物品幅方向外方に5mm以上離間した位置に形成されている請求項記載の吸収性物品。
  4. 請求項1記載の吸収性物品の製造方法であって、
    加圧手段とこれを受ける受け手段との間に、一面側に隆起部を有する吸収体前駆体を供給し、該隆起部をその厚み方向に圧縮する圧縮工程を備え、
    前記加圧手段における、前記吸収体前駆体の圧縮時に該吸収体前駆体と対向する面に、前記吸収体前駆体の供給方向に延びる所定幅の凹部が形成されており、
    前記凹部は、前記供給方向に沿う左右一対の側壁部を有し、該一対の側壁部は、それぞれ、該供給方向と直交する方向の内方に傾斜しており、
    前記圧縮工程において、前記凹部及びその開口周辺部で前記隆起部を押圧し、該凹部内に該隆起部を押し込むことにより、前記中高部を形成する、吸収性物品の製造方法。
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