JP5551001B2 - 摩擦係数推定装置および摩擦係数推定方法 - Google Patents

摩擦係数推定装置および摩擦係数推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、摩擦係数推定装置および摩擦係数推定方法に関する。
従来、画像読取装置や画像形成装置など、シート状の媒体を扱う各種の装置が提案されている。特許文献1には、被測定面で反射する反射光を検出する検出手段の検出結果に基づいて被測定面の平滑度を判定する平滑度測定装置およびこれを備えた記録装置の技術が開示されている。
特開平2−138805号公報
シート状の媒体を扱う場合、その媒体の摩擦係数を知得できることが好ましい。例えば、積層された複数のシート状の媒体から1枚ずつ媒体を分離して供給する媒体供給装置において、媒体の摩擦係数に応じた分離力で分離搬送を行うことができれば、媒体の重送を適切に抑制することなどが可能となる。
本発明の目的は、シート状の媒体の摩擦係数を推定することができる摩擦係数推定装置および摩擦係数推定方法を提供することである。
本発明の摩擦係数推定装置は、第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射する第一照射部と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第二照射部とを有する照射部と、前記第一照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第一正反射光強度を検出する第一正反射光受光部と、前記第二照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第二正反射光強度を検出する第二正反射光受光部とを有する正反射光受光部と、前記照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分を受光して前記拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出する拡散反射光受光部と、を備え、前記第一照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、前記第二照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づいて、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる所定の入射角の光が前記表面に照射されたとした場合の前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分と正反射光成分との比である擬似反射光強度係数を算出し、前記擬似反射光強度係数に基づいて前記表面の摩擦係数を推定することを特徴とする。
本発明の摩擦係数推定装置は、第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射する第一照射部と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第二照射部とを有する照射部と、前記第一照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第一正反射光強度を検出する第一正反射光受光部と、前記第二照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第二正反射光強度を検出する第二正反射光受光部とを有する正反射光受光部と、前記照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分を受光して前記拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出する拡散反射光受光部と、を備え、前記第一照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、前記第二照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づき、前記第一反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比に基づいて前記表面の摩擦係数を推定することを特徴とする。
本発明の摩擦係数推定装置は、第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射する第一照射部と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第二照射部とを有する照射部と、前記第一照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第一正反射光強度を検出する第一正反射光受光部と、前記第二照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第二正反射光強度を検出する第二正反射光受光部とを有する正反射光受光部と、前記照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分を受光して前記拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出する拡散反射光受光部と、を備え、前記照射部は、更に、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる第三の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第三照射部を有し、前記正反射光受光部は、更に、前記第三照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第三正反射光強度を検出する第三正反射光受光部を有し、前記第一照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、前記第二照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づき、前記第三照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第三正反射光強度との比である第三反射光強度係数と前記第一反射光強度係数との比、あるいは前記第三反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比の少なくともいずれか一方に基づいて前記表面の摩擦係数を推定することを特徴とする。
上記摩擦係数推定装置において、前記第三の入射角は、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれよりも小さな角度であることが好ましい。
本発明の摩擦係数推定方法は、第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第一手順と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第二手順と、前記第一手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比、および前記第二手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比に基づいて、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる所定の入射角の光が前記表面に照射されたとした場合の前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分と正反射光成分との比である擬似反射光強度係数を算出し、前記擬似反射光強度係数に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する第三手順と、を含むことを特徴とする。
本発明の摩擦係数推定方法は、第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第一手順と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第二手順と、前記第一手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第一反射光強度係数、および前記第二手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第二反射光強度係数に基づき、前記第一反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する第三手順と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の摩擦係数推定方法は、第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第一手順と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第二手順と、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる第三の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分の強度と正反射光成分の強度との比である第三反射光強度係数を算出する手順と、前記第一手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第一反射光強度係数、および前記第二手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第二反射光強度係数に基づき、前記第三反射光強度係数と前記第一反射光強度係数との比、あるいは前記第三反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比の少なくともいずれか一方に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する第三手順と、を含むことを特徴とする。
上記摩擦係数推定方法において、前記第三の入射角は、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれよりも小さな角度であることが好ましい。
本発明にかかる摩擦係数推定装置は、第一照射部が光を照射したときの拡散反射光強度と第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、第二照射部が光を照射したときの拡散反射光強度と第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づいて、第一の入射角および第二の入射角のいずれとも異なる所定の入射角の光が表面に照射されたとした場合の表面で反射された反射光の拡散反射光成分と正反射光成分との比である擬似反射光強度係数を算出し、擬似反射光強度係数に基づいてシート状の媒体の表面の摩擦係数を推定する。本発明にかかる摩擦係数推定装置によれば、シート状の媒体の摩擦係数を推定することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる摩擦係数推定装置を備えた画像読取装置の断面図である。 図2は、実施形態にかかる摩擦係数推定装置のブロック図である。 図3は、測定ユニットを示す斜視図である。 図4は、測定ユニットを示す断面図である。 図5は、測定ユニットの平面部を示す図である。 図6は、測定ユニットにおける入射光と反射光との関係を示す図である。 図7は、第一反射光強度係数および静摩擦係数の実測値を示す図である。 図8は、第二反射光強度係数および静摩擦係数の実測値を示す図である。 図9は、第三反射光強度係数および静摩擦係数の実測値を示す図である。 図10は、各種のシートについての疑似反射光強度係数を示す図である。 図11は、反射光強度係数の実測値と静摩擦係数の実測値との関係を示す図である。 図12は、静摩擦係数の実測値および推定結果を示す図である。 図13は、シートの種類と反射光強度係数の上昇率との関係を示す図である。 図14は、各種シートについての反射光強度係数の上昇率を示す図である。 図15は、反射光強度係数の上昇率と補正値との関係を示す図である。 図16は、静摩擦係数の実測値および補正前後の推定値を示す図である。 図17は、補正後の静摩擦係数の推定値と静摩擦係数の実測値を示す図である。 図18は、静摩擦係数の推定についての動作を示すフローチャートである。 図19は、シートの表面粗さと静摩擦係数との関係を示す図である。 図20は、シートの光沢度と表面粗さとの関係を示す図である。 図21は、シートの光沢度と静摩擦係数との関係を示す図である。 図22は、第一反射光強度係数と静摩擦係数の推定値との対比テーブルを示す図である。 図23は、第一反射光強度係数の実測値と、静摩擦係数の実測値と、静摩擦係数の推定値とを示す図である。
以下に、本発明の実施形態にかかる摩擦係数推定装置および摩擦係数推定方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(第1実施形態)
図1から図21を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、摩擦係数推定装置および摩擦係数推定方法に関する。図1は、実施形態にかかる摩擦係数推定装置を備えた画像読取装置の断面図、図2は、実施形態にかかる摩擦係数推定装置のブロック図、図3は、実施形態にかかる摩擦係数推定装置の測定ユニットを示す斜視図、図4は、測定ユニットを示す断面図、図5は、測定ユニットの平面部を示す図である。
図1に示す摩擦係数推定装置1−1は、シート状の媒体Sの表面の摩擦係数を推定する装置である。摩擦係数推定装置1−1は、プリンタ等の画像形成装置やスキャナ・ファクシミリ等の画像読取装置、商業用の印刷装置その他のシート状の媒体を取扱う装置に適用される。本実施形態では、一例として、摩擦係数推定装置1−1が画像読取装置100に搭載されて、媒体供給装置1のトレイ2に積層されたシート状の媒体Sの摩擦係数を推定する場合について説明する。シート状の媒体とは、例えば、原稿や名刺等のシート状の読み取り対象物や印刷用紙等のシート状の被記録媒体、はがきや封書等のシート状の搬送対象物などを含む。以下の説明において、シート状の媒体Sを単に「シートS」とも記載する。
媒体供給装置1は、トレイ2および分離機構3を備える。トレイ2は、積層された複数のシートSを収容する媒体積載台である。トレイ2は、上側を向く載置面2aを有している。トレイ2の載置面2aは、後側に向かうほど上側へ向かうように傾斜している。載置面2aには、複数のシートSが積み重ねられた状態で載置される。分離機構3は、載置面2aに対して搬送方向Y1の下流側に配置されている。分離機構3は、載置面2a上に積層された複数のシートSから1枚ずつシートSを分離して搬送する機構である。分離機構3によって分離されて搬送されるシートSは、搬送ローラ4および排出ローラ5によって搬送方向Y1に搬送される。搬送ローラ4は、分離機構3よりも搬送方向Y1の下流側に配置されている。また、排出ローラ5は、搬送ローラ4よりも搬送方向Y1の下流側に配置されている。分離機構3によって分離されてトレイ2から送り出されたシートSは、搬送ローラ4によって搬送方向Y1に搬送される。搬送方向Y1における搬送ローラ4と排出ローラ5との間には、撮像部9が配置されている。撮像部9は、搬送されるシートSを撮像して画像データを生成する。撮像部9によって撮像されたシートSは、排出ローラ5によって画像読取装置100の外部に排出される。トレイ2に積層されたシートSが媒体供給装置1によって1枚ずつ順次分離・搬送され、撮像部9によって撮像されることで、複数のシートSに対する画像の読取りが連続的に行われる。
分離機構3は、シートSをトレイ2から送り出すときに、シートSを重送することなく1枚ずつ分離して搬送するためのものである。シートSを分離搬送する方式として、摩擦分離板方式、リバースローラ方式、リバースベルト方式、リタードローラ方式、ゲートローラ方式などが知られている。ここでは、一例として、摩擦分離板方式を採用した分離機構3の構成について説明する。
分離機構3は、ピックローラ31と、分離部32と、駆動部33とを有する。ピックローラ31は、トレイ2内のシートSに摩擦接触すると共に回転してシートSを搬送方向に送り出すローラである。つまり、ピックローラ31は、積層された複数のシートSにおける分離機構3によって次に分離されるシートSである搬送対象シートに接触して回転することで搬送対象媒体を送り出すものである。ピックローラ31は、例えば発泡ゴムなどの摩擦力の大きい材料により円柱状の形状に形成されている。
ピックローラ31は、載置面2aにおける搬送方向の下流側の端部、言い換えると搬送ローラ4側の端部に配置されている。ピックローラ31の中心軸は、載置面2aよりも下側、すなわち載置面2aに対してシートSが載置される側と反対側に位置している。ピックローラ31の中心軸は、載置面2aの幅方向に延在している。ピックローラ31は、その外周面が載置面2aの延長平面上に位置するように配置されている。本実施形態では、ピックローラ31の外周面が、載置面2aに対してシートSが載置される側にわずかに突出している。これにより、載置面2aに積層された複数のシートSのうち最下層のシートSは、その下面、すなわち載置面2aと対向する側の面がピックローラ31の外周面に接触する。
分離部32は、分離パッド321と押圧力制御部322とを有する。分離パッド321は、シートSに摩擦接触してシートSに対して搬送方向の移動を抑制する力を作用させるものである。分離パッド321は、搬送対象シートと重なって送り出されようとする他のシートSに摩擦接触して、接触したシートSを搬送対象シートSから分離することにより、シートSの重送を防止する分離部材である。分離パッド321は、例えば、ゴム製の板状部材からなり、シートSに接触したときにシートS間の摩擦力よりも大きな摩擦力をシートSに対して作用させることができる。
分離パッド321は、載置面2aの延長平面を挟んでピックローラ31側と反対側に配置され、かつ載置面2aと直交する法線方向においてピックローラ31の外周面と対向している。分離パッド321は、押圧力制御部322によってピックローラ31の外周面に向けて押圧されている。これにより、ピックローラ31がシートSを搬送していないときには分離パッド321はピックローラ31の外周面に接触した状態となる。押圧力制御部322は、分離パッド321をピックローラ31に向けて押圧する機構として、例えば、バネ機構を有している。押圧力制御部322は、分離パッド321をピックローラ31に向けて付勢するバネ機構の付勢力を制御することによってシートSに対する分離パッド321の押圧力を制御する。押圧力制御部322は、制御ユニット7により駆動制御される。
駆動部33は、ピックローラ31を駆動するアクチュエータであり、モータおよび減速機構を有する。モータは、減速機構を介してピックローラ31に連結されている。モータが回転すると、モータの回転が減速機構によって減速されてピックローラ31に伝達され、ピックローラ31が回転駆動される。モータによって回転駆動されるピックローラ31の回転方向は、シートSに接触する外周面が搬送方向の上流側から下流側に向かう方向である。言い換えると、回転するピックローラ31に接触したシートSは、ピックローラ31の外周面によって搬送方向の下流側に向かう力を受ける。ピックローラ31によって搬送方向に送られるシートSは、ピックローラ31と分離パッド321との間を通過して搬送ローラ4に向けて送り出される。媒体供給装置1は、トレイ2に収容された複数のシートSの最下層側から順にシートSを送り出す下抜き供給方式のものである。
ここで、駆動部33がピックローラ31を回転駆動したときに、ピックローラ31に接触して送られる最下層のシートSだけでなく、シートS間の摩擦力等によって最下層のシートSと重なって他のシートSが送られることがある。本実施形態では、ピックローラ31に接触して送られるシートSを搬送対象シートと記載し、ピックローラ31と接触することなく搬送対象シートと重なって送られるシートSを分離対象シートと記載する。
分離対象シートは、ピックローラ31と分離パッド321との間を通過するときに、分離パッド321と摩擦接触する。このときの分離パッド321と分離対象シートとの間の摩擦力は、シートS間の摩擦力よりも大きいため、分離対象シートが搬送対象シートから分離される。分離機構3におけるシートSの分離性能、すなわち分離性の強弱は、シートSを止めようとする搬送負荷およびシートSに分離手段を押圧する押圧力のバランスでほぼ決定される。搬送負荷とは、例えば、分離パッド321の摩擦力・摩擦係数である。本実施形態では、トレイ2に積層されたシートSの分離しにくさに応じた適切な押圧力で分離パッド321がピックローラ31に向けて押圧される。これにより、搬送対象シートSのみがピックローラ31と分離パッド321との間を通過して、シートSの重送が防止される。
ここで、積層されたシートS群から1枚のシートSを分離するために適した分離力は、シートSの分離しにくさによって変化する。シートSに対する分離力は、1枚のシートSを他のシートSから分離するときの分離機構3の動作や状態等を決定する物理量によって決まる。本実施形態では、分離力として、押圧力制御部322が分離パッド321をピックローラ31に向けて押圧する押圧力が制御される。シートSの分離しにくさは、シートSの摩擦係数、特に静摩擦係数に関連する。よって、分離機構3においてシートSの分離搬送を適切に行うためには、シートSの静摩擦係数に応じたシートSに対する分離力を設定できることが望ましい。
トレイ2に積層されるシートSの種類が予め定められている場合であれば、そのシートSに応じて予め分離力を設定しておくことが可能であるが、例えば、媒体供給装置1が画像読取装置100に搭載された場合、多様な種類のシートSが使用され得る。つまり、どのようなシートSがトレイ2に積層されるかを予め知ることができない。さらに、積層されたシートS群に分離しにくさの異なるシートSが混在している場合もある。シートSの重送を抑制し、シートSの分離搬送を適切に行うためには、トレイ2に積層されたシートSの静摩擦係数、特に次に分離搬送される最下層のシートSの静摩擦係数をシートSに対する分離力に反映させられることが望ましい。
本実施形態では、摩擦係数推定装置1−1によってトレイ2に積層されたシートSの静摩擦係数が推定される。そして、推定された摩擦係数に応じて分離機構3の分離力が設定される。これにより、シートSに応じた分離力で1枚ずつシートSを分離搬送することができる。
シートSの摩擦係数は、シートSの表面粗さ、表面強度、材質などの表面性状による界面物理現象であり、特にシートSの表面粗さに強く依存すると考えられる。また、以下に説明するように、シートSの表面性状と、シートSの表面における光の反射特性とには関連がある。
図19は、シートSの表面粗さRaとシートS間の静摩擦係数μsとの関係を示す図、図20は、シートSの光沢度とシートSの表面粗さRaとの関係を示す図、図21は、シートSの光沢度とシートS間の静摩擦係数μsとの関係を示す図である。なお、シートS間の静摩擦係数μsとは、同種のシートSが積層されているときの互いに接触するシートS間の静摩擦係数を示す。図19〜図21に示されるように、シートSの表面粗さRa、同種のシートS間の静摩擦係数μsおよびシートSの光沢度の間には、一定の相互関係が存在する。例えば、図21に示されるように、シートSの光沢度が相対的に高いグロス系塗工紙グループにおけるシートS間の静摩擦係数μsは、シートSの光沢度が相対的に低い非塗工紙グループにおけるシートS間の静摩擦係数μsよりも小さいという関係がある。従って、シートSの光沢度とシートS間の静摩擦係数μsとの実測値における相関関係を予め記憶しておけば、トレイ2に積層されたシートSの光沢度を検出することでシートS間の静摩擦係数μsを推定することが可能である。
例えば、図21に示す相関曲線に対応する数式やテーブルを予め記憶しておけば、シートSの光沢度の検出結果に基づいてシートS間の静摩擦係数μsを推定することができる。そして、推定された静摩擦係数μsに応じて分離機構3の分離力を制御するようにすれば、分離機構3の分離力が一律である場合よりもシートSの分離を適切に行うことができる。本実施形態の摩擦係数推定装置1−1は、シートSの光沢度や平滑度とも関連する、シートSの表面において反射された反射光の反射光強度に基づいてシートS間の静摩擦係数μsを推定する。図1に示すように、摩擦係数推定装置1−1は、シートSの反射光強度を測定する測定ユニット6および測定された反射光強度に基づいてシートS間の静摩擦係数μsを推定する制御ユニット7を備えている。
測定ユニット6は、次に分離される最下層のシートSに対して光を照射し、シートSで反射される反射光の正反射光成分および拡散反射光成分をそれぞれ測定する。図1に示すように、測定ユニット6は、トレイ2における搬送方向の下流側の位置に配置されている。トレイ2における搬送方向の下流側の端部は、画像読取装置100の筐体8の内部にある。測定ユニット6は、トレイ2における筐体8の内部に位置する部分に設置されている。測定ユニット6は、載置面2aを有する板状の部材に対して固定されている。
図3および図4に示すように、測定ユニット6の本体60は、半円柱形状をなしている。つまり、本体60は、円柱を中心軸線を含む平面で切断して二分した形状となっている。本体60は、例えば、切断面に相当する平面部60aがトレイ2の載置面2aと同一平面上に位置し、かつ本体60の円弧部分がこの平面からシートS側と反対側に向けて突出するようにトレイ2に固定されている。つまり、測定ユニット6の平面部60aは、次に分離されるシートSの下面と近接した位置にあり、かつその下面と互いに対向している。また、本実施形態では、本体60は、その軸方向が搬送方向と一致するようにトレイ2に固定されている。
図4に示すように、測定ユニット6は、本体60の中心軸線に対して放射状に配置された第一照射部61a、第二照射部61b、第三照射部61c、第一正反射光受光部62a、第二正反射光受光部62b、第三正反射光受光部62cおよび拡散反射光受光部63を有する。各照射部61a,61b,61cと、各正反射光受光部62a,62b,62cと、拡散反射光受光部63とは、本体60の軸方向において同じ位置に設けられている。つまり、各照射部61a,61b,61cの光軸、各正反射光受光部62a,62b,62cの光軸および拡散反射光受光部63の光軸は、同一平面上にあり、かつその平面は本体60の軸方向と直交している。
第一照射部61a、第二照射部61bおよび第三照射部61cは、シートSの表面に対して光を照射する照射部であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)とすることができる。各照射部61a,61b,61cは、赤外線域に波長のピークを有する光を照射するものであってもよく、その他の領域、例えば可視光領域に波長のピークを有する光を照射するものであってもよい。各照射部61a,61b,61cが赤外線域に波長のピークを有する光を照射する場合、シートSの色彩や印刷画像の影響、すなわち可視光領域の反射光成分の影響が低減される。この場合、測定ユニット6がシートSの反射光強度を精度良く測定できる利点がある。
第一照射部61aと第二照射部61bと第三照射部61cとは、互いに異なる入射角でシートSの表面に光を照射する。第一照射部61aの光軸方向と第二照射部61bの光軸方向と第三照射部61cの光軸方向とは、本体60の円弧の中心において交差している。つまり、第一照射部61aと第二照射部61bと第三照射部61cとは共通の照射対象部に光を照射するように配置されている。
第一照射部61aの光軸方向の傾斜角度θaと、第二照射部61bの光軸方向の傾斜角度θbと、第三照射部61cの光軸方向の傾斜角度θcとは互いに異なる。ここで、傾斜角度θとは、軸方向視において光軸方向が平面部60aと直交する径方向となす角度である。言い換えると、傾斜角度θは、本体60の円弧の中心を通りかつ平面部60aと直交する径方向と光軸方向とで挟まれる円弧の中心角である。以下、この平面部60aと直交する径方向を基準径方向と記載する。基準径方向では、傾斜角度θは0°である。第一照射部61aの傾斜角度θaは、第二照射部61bの傾斜角度θbよりも小さい。したがって、第一照射部61aが照射する光のシートSに対する入射角θaは、第二照射部61bが照射する光のシートSに対する入射角θbよりも小さな角度である。また、第三照射部61cの傾斜角度θcは、第一照射部61aの傾斜角度θaよりも小さい。したがって、第三照射部61cが照射する光のシートSに対する入射角θcは、第一照射部61aが照射する光のシートSに対する入射角θaよりも小さな角度である。
第一正反射光受光部62a、第二正反射光受光部62bおよび第三正反射光受光部62cは、それぞれ第一照射部61a、第二照射部61bおよび第三照射部61cによって照射された光がシートSの表面で反射された反射光の正反射光成分を受光する正反射光受光部である。各正反射光受光部62a,62b,62cは、正反射光成分の強度である反射光強度を検出するセンサであり、例えば、フォトトランジスタとすることができる。第一正反射光受光部62aは、第一照射部61aによって照射された光がシートSの表面で反射された正反射光の正反射光成分を受光して正反射光強度を検出する。第一正反射光受光部62aは、軸方向視において基準径方向に関して第一照射部61aと線対称の位置に配置されている。すなわち、第一正反射光受光部62aは、基準径方向よりも第一照射部61a側と反対側に配置されており、かつ第一正反射光受光部62aの光軸方向の傾斜角度は、第一照射部61aの光軸方向の傾斜角度と等しいθaである。
同様に、第二正反射光受光部62bは、第二照射部61bから照射された光がシートSの表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して正反射光強度を検出する。第二正反射光受光部62bは、軸方向視において基準径方向に関して第二照射部61bと線対称の位置に配置されている。すなわち、第二正反射光受光部62bは、基準径方向よりも第二照射部61b側と反対側に配置されており、かつ第二正反射光受光部62bの光軸方向の傾斜角度は、第二照射部61bの光軸方向の傾斜角度と等しいθbである。
同様に、第三正反射光受光部62cは、第三照射部61cから照射された光がシートSの表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して正反射光強度を検出する。第三正反射光受光部62cは、軸方向視において基準径方向に関して第三照射部61cと線対称の位置に配置されている。すなわち、第三正反射光受光部62cは、基準径方向よりも第三照射部61c側と反対側に配置されており、かつ第三正反射光受光部62cの光軸方向の傾斜角度は、第三照射部61cの光軸方向の傾斜角度と等しいθcである。
拡散反射光受光部63は、第一照射部61a、第二照射部61bおよび第三照射部61cによってシートSの表面に対して照射された光がシートSの表面で反射した反射光の拡散反射光成分を受光する。拡散反射光受光部63は、受光した拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出するセンサであり、例えば、フォトトランジスタとすることができる。拡散反射光受光部63の光軸方向は、基準径方向、すなわち傾斜角0°の方向とされている。
本体60には、各照射部61a,61b,61c、各正反射光受光部62a,62b,62cおよび拡散反射光受光部63のそれぞれの光軸方向に沿って本体60を径方向に貫通する貫通孔が形成されている。図4および図5に示すように、各貫通孔は、円弧の中心に形成された開口部60bにおいて互いに連通している。各照射部61a,61b,61cの光は、それぞれの貫通孔からこの開口部60bを介してシートSに照射される。また、シートSで反射された反射光は、開口部60bから各貫通孔を通って各反射光受光部62a,62b,62c,63に到達する。このようにシートSに照射される光およびシートSで反射した光がそれぞれ貫通孔を通るようにすることで、反射光強度の検出精度が向上する。
本実施形態では、第一照射部61aおよび第一正反射光受光部62aの傾斜角度θaは50°、第二照射部61bおよび第二正反射光受光部62bの傾斜角度θbは75°、第三照射部61cおよび第三正反射光受光部62cの傾斜角度θcは25°である。また、拡散反射光受光部63の傾斜角度はθ=0°である。なお、それぞれの傾斜角度θは、これには限定されない。
図6は、測定ユニット6におけるシートSに対する入射光と反射光との関係を示す図である。測定ユニット6は、シートSに対して第一照射部61a、第二照射部61bあるいは第三照射部61cによって選択的に光を照射させることができる。ここで、第一照射部61a、第二照射部61bおよび第三照射部61cが光を照射するシートSは、積層された複数のシートSにおける最下層のシートS、すなわち、分離機構3によって次に分離されるシートSである。第一照射部61aに光を照射させる場合、第一照射部61aはシートSの表面に対して傾斜角度θaで光L1を照射する。このとき、第二照射部61bおよび第三照射部61cには光を照射させない。第一照射部61aが照射する光L1は、シートSの表面で反射する。第一正反射光受光部62aは、この反射光のうち正反射光成分を受光してその反射光強度である正反射光強度F1を示す信号を出力する。この正反射光強度F1は、第一正反射光強度に相当する。また、拡散反射光受光部63は、シートSの法線方向の拡散反射光成分を受光してその反射光強度である拡散反射光強度F0を示す信号を出力する。第一照射部61aが照射する光L1の傾斜角度θaは、第一の入射角に相当する。
第二照射部61bに光を照射させる場合、第二照射部61bはシートSの表面に対して傾斜角度θbで光L2を照射する。このとき、第一照射部61aおよび第三照射部61cには光を照射させない。第二照射部61bが照射する光L2は、シートSの表面で反射する。第二正反射光受光部62bは、この反射光のうち正反射光成分を受光してその反射光強度である正反射光強度F2を示す信号を出力する。この正反射光強度F2は、第二正反射光強度に相当する。拡散反射光受光部63は、シートSの法線方向の拡散反射光成分を受光してその反射光強度である拡散反射光強度F0を示す信号を出力する。第二照射部61bが照射する光L2の傾斜角度θbは、第二の入射角に相当する。
第三照射部61cに光を照射させる場合、第三照射部61cはシートSの表面に対して傾斜角度θcで光L3を照射する。このとき、第一照射部61aおよび第二照射部61bには光を照射させない。第三照射部61cが照射する光L3は、シートSの表面で反射する。第三正反射光受光部62cは、この反射光のうち正反射光成分を受光してその反射光強度である正反射光強度F3を示す信号を出力する。拡散反射光受光部63は、シートSの法線方向の拡散反射光成分を受光してその反射光強度である拡散反射光強度F0を示す信号を出力する。第三照射部61cが照射する光L3の傾斜角度θcは、第三の入射角に相当する。
図2に示す制御ユニット7は、測定ユニット6の検出結果に基づいてシートSの静摩擦係数を推定し、静摩擦係数の推定値に基づいて分離機構3におけるシートSに対する分離力を制御する。制御ユニット7は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)を有する制御装置を備える。制御ユニット7は、反射光強度係数算出部71、疑似反射光強度係数算出部72、摩擦係数推定部73、推定値補正部74、分離力制御部75としての機能を有する。また、制御ユニット7は、入出力部76を介して画像読取装置100の各機器との間で信号を授受する。
制御ユニット7は、入出力部76を介して各照射部61a,61b,61c、各正反射光受光部62a,62b,62cおよび拡散反射光受光部63のそれぞれと信号を授受する。また、制御ユニット7は、入出力部76を介して駆動部33および押圧力制御部322のそれぞれと信号を授受する。
反射光強度係数算出部71は、測定ユニット6の出力信号に基づいて反射光強度係数ηを算出する。反射光強度係数ηとは、一の照射部からシートSに照射されてシートSで反射した光の拡散反射光成分と正反射光成分との比を示す。例えば、第一照射部61aに光を照射させた場合の反射光強度係数ηは、拡散反射光強度F0と正反射光強度F1との比、すなわちF0/F1である。以下の説明において、第一照射部61aに光を照射させ、かつ第二照射部61bおよび第三照射部61cには光を照射させない状態で取得した反射光強度係数ηを第一反射光強度係数ηaと記載し、第二照射部61bに光を照射させ、かつ第一照射部61aおよび第三照射部61cには光を照射させない状態で取得した反射光強度係数ηを第二反射光強度係数ηbと記載し、第三照射部61cに光を照射させ、かつ第一照射部61aおよび第二照射部61bには光を照射させない状態で取得した反射光強度係数ηを第三反射光強度係数ηcと記載する。
反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数μsとには、図21に示すシートSの光沢度とシートS間の静摩擦係数μsとの関係に類似する相関関係が存在する。このため、反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数μsとの実測値における相関関係に基づいて、反射光強度係数ηの検出結果からシートS間の静摩擦係数μsを推定することが可能である。図7〜図9は、それぞれ傾斜角度θa、θbおよびθcについての反射光強度係数ηおよびシートS間の静摩擦係数μsの実測値を示す図である。
図7は、傾斜角度θaにおける、各種のシートSについての第一反射光強度係数ηaおよび静摩擦係数μsの実測値を示す図である。図8は、傾斜角度θbにおける、各種のシートSについての第二反射光強度係数ηbおよび静摩擦係数μsの実測値を示す図、図9は、傾斜角度θcにおける、各種のシートSについての第三反射光強度係数ηcおよび静摩擦係数μsの実測値を示す図である。
擬似反射光強度係数算出部72は、擬似反射光強度係数ηsを算出する。擬似反射光強度係数ηsとは、所定の傾斜角度θsでシートSに対して光が照射されたと仮定した場合の反射光強度係数ηの推定値である。この所定の傾斜角度θsとは、例えば、シートSの光沢度など、シートSの表面反射率の測定において照射される光の一般的な傾斜角度θであり、所定の入射角に相当する。所定の傾斜角度θsは、例えば60°から70°の間の角度とすることができる。本実施形態では、傾斜角度θa=50°の第一照射部61aについての第一反射光強度係数ηaと、傾斜角度θb=75°の第二照射部61bについての第二反射光強度係数ηbとに基づいて、傾斜角度θs=67°でシートSに対して光を照射したとした場合の擬似反射光強度係数ηsが推定される。具体的には、擬似反射光強度係数ηsは、下記式(1)によって算術的に求めることができる。このように、擬似反射光強度係数ηsは、傾斜角度θが互いに異なる複数の照射部について算出された反射光強度係数ηに基づいて算出される。
ηs = (ηa+2ηb)/3…(1)
図10は、上記式(1)によって算出された各種のシートSについての擬似反射光強度係数ηsを示す図である。擬似反射光強度係数ηsを算出する方法によれば、所定の傾斜角度θsとはいずれも異なる傾斜角度θaや傾斜角度θbについての反射光強度係数ηに基づいて擬似反射光強度係数ηsを得ることができる。よって、所定の傾斜角度θsの位置に照射部や正反射光受光部を配置できないような場合であっても、所定の傾斜角度θsの入射角の光がシートSの表面に対して照射されたとした場合に取得できるはずの反射光強度係数ηに基づいてシートS間の静摩擦係数を推定することができる。
摩擦係数推定部73は、擬似反射光強度係数ηsに基づいてシートSの静摩擦係数を算出する。図11は、傾斜角度67°の反射光強度係数ηの実測値とシートS間の静摩擦係数μsの実測値との関係を示す図である。なお、図11の横軸では、軸方向右側ほど反射光強度係数ηが小さくなる。図11に示すように、反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数とには一定の相関関係がみられる。例えば、それぞれの実測値に基づいて、図11に示すような反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数μsとの相関曲線を求めておけば、この相関曲線と擬似反射光強度係数ηsとに基づいて静摩擦係数の推定が可能となる。本実施形態では、傾斜角度67°の擬似反射光強度係数ηsに基づいてシートS間の静摩擦係数を推定することで、静摩擦係数の推定精度が向上する。
図12は、各種シートSにおけるシートS間の静摩擦係数の実測値および反射光強度係数ηに基づく静摩擦係数の推定結果を示す図である。図12において、比較例とは、傾斜角度θa=50°の第一照射部61aで光を照射したときの反射光強度係数ηaのみに基づいて静摩擦係数の推定値を算出した場合の推定値を示す。つまり、傾斜角度θa=50°での反射光強度係数ηaの実測値とシートS間の静摩擦係数の実測値とから求めた相関曲線に基づいてシートS間の静摩擦係数を推定した推定結果が比較例である。また、実施例とは、所定の傾斜角度θs=67°の擬似反射光強度係数ηsと図11に示す相関曲線とに基づいて推定したシートS間の静摩擦係数の推定値を示す。実施例の推定値と比較例の推定値とを比べると、実施例では、大きな静摩擦係数を有するシートSに対する静摩擦係数の推定値の精度が向上している。
このように、擬似反射光強度係数ηsに基づくことで、シートS間の静摩擦係数の推定精度が向上できる。図11に示すように、グロス系塗工紙グループや非塗工紙グループでは、反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数とを一つの相関曲線により精度良く関連づけできることで、特に静摩擦係数の推定精度がよい。しかしながら、中光沢領域(非塗工紙グループとグロス系塗工紙との中間の光沢領域)には、例えば、ウスモゾ紙のように、シートS群の相関曲線から乖離した特性を有するシートSがある。このウスモゾ紙は、非塗工紙であるが、表面をスーパーカレンダー仕上げにより強光沢処理した紙である。
図10において、擬似反射光強度係数ηsにおける大小関係の序列とシートS間の静摩擦係数μsにおける大小関係の序列とはほぼ整合している。しかしながら、ウスモゾ紙に代表される中光沢領域では、擬似反射光強度係数ηsの序列に乱れが生じている。つまり、中光沢領域のシートSは、静摩擦係数μsと関連する表面性状に対して特異な反射光強度の特性を有することがわかる。なお、反射光強度の特性とは、例えば、照射される光の傾斜角度θと反射光強度や反射光強度係数との関係や、光の傾斜角度θの変化に対する反射光強度や反射光強度係数の変化の度合い等を含む特性である。
本実施形態の摩擦係数推定装置1−1では、こうした相関曲線から乖離した反射光強度特性を有するシートSについても適切に静摩擦係数を取得できるように、静摩擦係数の推定値の補正が行われる。静摩擦係数の推定値の補正は、推定値補正部74により行われる。推定値補正部74は、摩擦係数推定部73によって算出されたシートSの静摩擦係数の推定値を補正する。推定値補正部74は、以下に図13〜図15を参照して説明するように、互いに異なる傾斜角度θb,θcの反射光強度係数ηb,ηcの比(ηc/ηb)に基づいて、静摩擦係数の推定値を補正する。これにより、ウスモゾ紙のような反射光強度特性を有するシートSについても適切に静摩擦係数を推定することが可能となる。
第三反射光強度係数ηcと第二反射光強度係数ηbとの比であるηc/ηbは、照射する光の傾斜角度θを大きな角度から小さな角度に変化させた場合の反射光強度係数ηの増加の度合いを示す。以下の説明では、この反射光強度係数ηの増加の度合いであるηc/ηbを「反射光強度係数の上昇率ηc/ηb」とも記載する。高光沢なシートSほどこの反射光強度係数の上昇率ηc/ηbが大きくなる傾向があり、簡便にシートSの特徴を抽出することができる。
図13は、シートSの種類と反射光強度係数の上昇率ηc/ηbとの関係を示す図である。図13の横軸において、左側ほどシートSの静摩擦係数は小さく、右側へ向かうとシートSの静摩擦係数は大きくなる。また、図14は、各種シートSについての反射光強度係数の上昇率ηc/ηbの数値を示す図である。図13および図14からわかるように、軽量コート紙やアート紙の反射光強度係数の上昇率ηc/ηbが特に大きく、他の種類のシートSにおける全体的な傾向としては、静摩擦係数が大きくなると反射光強度係数の上昇率ηc/ηbが低下する。しかしながら、ウスモゾ紙ではこの傾向に明らかに反しており、大きな反射光強度係数の上昇率ηc/ηbを示す。つまり、ウスモゾ紙は、グロス系塗工紙ほど高光沢ではなく、また普通紙といった非塗工紙ほど低光沢ではない。すなわち、ウスモゾ紙は、中光沢域にある。本実施形態では、ウスモゾ紙等の中光沢のシートSが、他の非塗工紙グループやグロス系塗工紙グループのシートSとは異なる反射光強度係数の上昇率ηc/ηbを示すことに着目し、中光沢のシートSの静摩擦係数を補正する。
具体的には、推定値補正部74は、反射光強度係数の上昇率ηc/ηbに応じた補正値を静摩擦係数に加算する補正を行う。図15は、反射光強度係数の上昇率ηc/ηbと静摩擦係数の補正値との関係を示す図である。図15に示すように、補正値は、正規分布曲線で与えられる。正規分布曲線の平均値は、ウスモゾ紙等の中光沢のシートSが示す反射光強度係数の上昇率ηc/ηbの領域の値であり、例えば、ウスモゾ紙が示す反射光強度係数の上昇率ηc/ηbである8程度の値とされる。また、この正規分布曲線は、中光沢のシートS以外のシートSに対しては、実質的に補正がなされないものとされている。すなわち、非塗工紙グループやグロス系塗工紙グループなど、中光沢のシートS以外のシートSが示す反射光強度係数の上昇率ηc/ηbの領域では、補正値が0または実質的に0の値となるような正規分布曲線とされている。例えば、低い上昇率ηc/ηb(<4)を有するシートS群および高い上昇率ηc/ηb(>12)を有するシートS群に対する補正値は、0あるいは実質的に0となる。
このように静摩擦係数の推定値の補正がなされることで、静摩擦係数の推定精度が向上する。図16は、静摩擦係数の実測値および補正前後の静摩擦係数の推定値を示す図、図17は、補正後の静摩擦係数の推定値と静摩擦係数の実測値を示す図である。図16において、実施例(補正前)とは、推定値補正部74による補正がなされる前の静摩擦係数の推定値を示し、実施例(補正後)とは、推定値補正部74による補正がなされた後の静摩擦係数の推定値を示す。図16および図17に示すように、推定値補正部74による補正がなされることで、中光沢のシートSであるウスモゾ紙に対する静摩擦係数の推定精度が向上する。
分離力制御部75は、補正後のシートSの静摩擦係数の推定値に基づいて分離機構3におけるシートSに対する分離力を最適化する。
次に、図18を参照して本実施形態の分離力の制御について説明する。図18は、本実施形態におけるシートS間の静摩擦係数μsの推定についての動作を示すフローチャートである。この制御フローは、所定の間隔で繰り返し実行され、あるいは摩擦係数を推定する指令がなされる都度実行されるものである。摩擦係数を推定する指令は、例えば、シートSを扱う装置において、取り扱い対象のシートSの扱いを開始する前になされる。本実施形態の画像読取装置100では、分離機構3が、次に分離するシートSの分離搬送を開始する前に、そのシートSの静摩擦係数μsの推定がなされる。
まず、ステップST1では、反射光強度係数算出部71により、傾斜角度θ=θaにおける正反射光強度F1および拡散反射光強度F0(1)が測定される。ここで、拡散反射光強度F0(1)とは、傾斜角度θ=θaで照射される光L1がシートSに照射されたときに拡散反射光受光部63が受光する拡散反射光成分の反射光強度を示す。反射光強度係数算出部71は、第一照射部61aに光L1を照射させ、かつ第二照射部61bおよび第三照射部61cにはそれぞれ光L2およびL3を照射させない状態として、第一正反射光受光部62aに正反射光強度F1を、拡散反射光受光部63に拡散反射光強度F0(1)をそれぞれ検出させる。反射光強度係数算出部71は、第一正反射光受光部62aおよび拡散反射光受光部63の出力信号に基づいて正反射光強度F1および拡散反射光強度F0(1)をそれぞれ取得する。
次に、ステップST2では、反射光強度係数算出部71により、傾斜角度θ=θaにおける第一反射光強度係数ηaが算出される。反射光強度係数算出部71は、ステップST1で取得した正反射光強度F1および拡散反射光強度F0(1)に基づき、下記式(2)によって第一反射光強度係数ηaを計算する。
ηa = F0(1)/F1…(2)
次に、ステップST3では、反射光強度係数算出部71により、傾斜角度θ=θbにおける正反射光強度F2および拡散反射光強度F0(2)が測定される。拡散反射光強度F0(2)とは、傾斜角度θ=θbで照射される光L2がシートSに照射されたときに拡散反射光受光部63が受光する拡散反射光成分の反射光強度を示す。反射光強度係数算出部71は、第二照射部61bに光L2を照射させ、かつ第一照射部61aおよび第三照射部61cにはそれぞれ光L1およびL3を照射させない状態として、第二正反射光受光部62bに正反射光強度F2を、拡散反射光受光部63に拡散反射光強度F0(2)をそれぞれ検出させる。反射光強度係数算出部71は、第二正反射光受光部62bおよび拡散反射光受光部63の出力信号に基づいて正反射光強度F2および拡散反射光強度F0(2)をそれぞれ取得する。
次に、ステップST4では、反射光強度係数算出部71により、傾斜角度θ=θbにおける第二反射光強度係数ηbが算出される。反射光強度係数算出部71は、ステップST3で取得した正反射光強度F2および拡散反射光強度F0(2)に基づき、下記式(3)によって第二反射光強度係数ηbを計算する。
ηb = F0(2)/F2…(3)
次に、ステップST5では、反射光強度係数算出部71により、傾斜角度θ=θcにおける正反射光強度F3および拡散反射光強度F0(3)が測定される。拡散反射光強度F0(3)とは、傾斜角度θ=θcで照射される光L3がシートSに照射されたときに拡散反射光受光部63が受光する拡散反射光成分の反射光強度を示す。反射光強度係数算出部71は、第三照射部61cに光L3を照射させ、かつ第一照射部61aおよび第二照射部61bにはそれぞれ光L1およびL2を照射させない状態として、第三正反射光受光部62cに正反射光強度F3を、拡散反射光受光部63に拡散反射光強度F0(3)をそれぞれ検出させる。反射光強度係数算出部71は、第三正反射光受光部62cおよび拡散反射光受光部63の出力信号に基づいて正反射光強度F3および拡散反射光強度F0(3)をそれぞれ取得する。
次に、ステップST6では、反射光強度係数算出部71により、傾斜角度θ=θcにおける第三反射光強度係数ηcが算出される。反射光強度係数算出部71は、ステップST5で取得した正反射光強度F3および拡散反射光強度F0(3)に基づき、下記式(4)によって第三反射光強度係数ηcを計算する。
ηc = F0(3)/F3…(4)
次に、ステップST7では、擬似反射光強度係数算出部72により、擬似反射光強度係数ηsが算出される。擬似反射光強度係数算出部72は、ステップST2で算出した第一反射光強度係数ηaと、ステップST4で算出した第二反射光強度係数ηbとに基づいて擬似反射光強度係数ηsを算出する。擬似反射光強度係数算出部72は、例えば、上記式(1)によって擬似反射光強度係数ηsを算出する。
次に、ステップST8では、摩擦係数推定部73により、静摩擦係数の推定値が算出される。摩擦係数推定部73は、ステップST7で算出された擬似反射光強度係数ηsに基づき、次に分離機構3が分離するシートSの静摩擦係数を推定する。制御ユニット7は、図11に示す相関曲線に相当するマップ、すなわち、傾斜角度θs=67°の照射光が照射されたときの反射光強度係数ηの実測値およびシートS間の静摩擦係数μsの実測値から求めた反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数μsとの対応関係を示すマップを予め記憶している。摩擦係数推定部73は、このマップと、擬似反射光強度係数ηsとに基づいて、静摩擦係数の推定値を算出する。
次に、ステップST9では、推定値補正部74により、シートS間の静摩擦係数μsの推定値が補正される。推定値補正部74は、ステップST4で算出された第二反射光強度係数ηbおよびステップST6で算出された第三反射光強度係数ηcから求められる反射光強度係数の上昇率ηc/ηbと、図15を参照して説明した補正値の分布曲線とに基づいて静摩擦係数μsの推定値を補正する補正値を決定する。推定値補正部74は、決定した補正値をステップST8で算出された静摩擦係数μsの推定値に加算し、加算後の値を補正後の静摩擦係数μsの推定値とする。具体的には、制御ユニット7では、下記式(5)によって補正後の静摩擦係数μsが算出される。
μ’=0.98×ηs+0.15
+0.2×exp{−(η’−8)/2.5}…(5)
ここで、μ’は、補正後のシートS間の静摩擦係数μs、η’は、反射光強度係数の上昇率ηc/ηbをそれぞれ示す。上記式(5)において、右辺第1項および第2項は、摩擦係数推定部73が算出する補正前の静摩擦係数μs、右辺第3項は、推定値補正部74により加算される補正値をそれぞれ示す。なお、上記式(5)は、静摩擦係数μsの推定値の算出式の一例であり、算出式はこれに限定されるものではない。静摩擦係数μsの推定値を算出する算出式は、各傾斜角度θa,θb,θcや、シートSが示す反射光強度係数の上昇率ηc/ηbの実測値等に応じて、適宜設定されればよい。ステップST9が実行されると、本制御フローは終了する。
分離力制御部75は、補正後のシートS間の静摩擦係数μsの推定値に基づいて分離機構3におけるシートSの分離力を制御する。具体的には、静摩擦係数μsの推定値が大きな摩擦係数である場合には、小さな摩擦係数である場合よりも押圧力制御部322の押圧力は大きくされる。これにより、シートSの分離しにくさに応じた分離力で分離機構3を作動させることができ、シートSの重送を効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の摩擦係数推定装置1−1は、以下の第一手順から第三手順を含む摩擦係数推定方法によってシートS間の静摩擦係数μsを推定する。
[第一手順]
第一の入射角θaでシート状の媒体Sの表面に対して光を照射し、当該光が表面で反射された反射光の正反射光成分の強度F1および拡散反射光成分の強度F0(1)を検出する。この第一手順は、ステップST1に相当する。
[第二手順]
第一の入射角θaと異なる第二の入射角θbでシートSの表面に対して光を照射し、当該光が表面で反射された反射光の正反射光成分の強度F2および拡散反射光成分の強度F0(2)を検出する。この第二手順は、ステップST3に相当する。
[第三手順]
第一手順で検出された拡散反射光成分の強度F0(1)と正反射光成分の強度F1との比ηa、および第二手順で検出された拡散反射光成分の強度F0(2)と正反射光成分の強度F2との比ηbに基づいて表面の摩擦係数を推定する。この第三手順は、ステップST8に相当する。
本実施形態の摩擦係数推定装置1−1および摩擦係数推定方法によれば、互いに異なる傾斜角度θについての反射光強度係数である第一反射光強度係数ηaと第二反射光強度係数ηbとに基づいてシートS間の静摩擦係数μsを推定することで、静摩擦係数μsを精度良く推定することができる。
また、互いに異なる傾斜角度θについての反射光強度係数である第二反射光強度係数ηbと第三反射光強度係数ηcとから得られる反射光強度係数の上昇率ηc/ηbに基づいて静摩擦係数μsの推定値が補正されることで、静摩擦係数μsの推定精度が向上する。特に、中光沢領域のシートSについての静摩擦係数μsの推定精度を向上させることができる。
また、摩擦係数推定装置1−1では、測定ユニット6がシートSの搬送方向において分離機構3の上流側に配置されると共に次に分離搬送されるシートSに対して反射光強度の測定を行う。これにより、次に取扱われるシートSに対して取り扱いが開始される前に反射光強度が測定されることで、シートSの取り扱い条件が適正なものとされる。例えば、シートSを供給する媒体供給装置1では、シートSに対する分離力が適正に調節されることでシートSの重送が防止される利点がある。
また、拡散反射光強度と正反射光強度との比である反射光強度係数ηに基づいてシートSの静摩擦係数が推定される。反射光強度係数ηは、照射部61a,61bの光量に影響されないため、照射部61a,61b間のばらつきや経時変化による測定値の誤差が低減される。これにより、シートSの摩擦係数の推定値の精度が向上する利点がある。
本実施形態の摩擦係数推定装置1−1および摩擦係数推定方法は、反射光強度に基づいて非接触方式で静摩擦係数を推定することができるため、シートSにダメージを与えることなく、静摩擦係数を検出することができる。また、トレイ2上のシートSの静摩擦係数を接触方式等で事前に直接的に測定することは非常に困難であるが、摩擦係数推定装置1−1および摩擦係数推定方法によれば、間接的でありながらも精度良く、かつ即時に静摩擦係数を推定することができる。
本実施形態の摩擦係数推定装置1−1は、互いに傾斜角度θが異なる第一照射部61aおよび第二照射部61bを備え、第一照射部61aが光を照射したときの第一反射光強度係数ηaと第二照射部61bが光を照射したときの第二反射光強度係数ηbとに基づいて、傾斜角度θaおよびθbのいずれとも異なる中間的な傾斜角度で光が照射されたとした場合の擬似反射光強度係数ηsが算出される。よって、各照射部61a,61bや各正反射光受光部62a,62bの配置の自由度が増し、各センサの実装に有用であると共に測定ユニット6の小型化にも有用である。
なお、本実施形態では、第一照射部61aの傾斜角度θa=50°、第二照射部61bの傾斜角度θb=75°、第三照射部61cの傾斜角度θc=25°とされたが、これには限定されない。また、所定の傾斜角度θsは、67°には限定されない。また、拡散反射光受光部63の傾斜角度は0°であったが、これには限定されない。それぞれの傾斜角度は、適宜設定可能である。例えば、第一照射部61aの傾斜角度θa、第二照射部61bの傾斜角度θbおよび第三照射部61cの傾斜角度θcは、0°よりも大きく90°未満の傾斜角度の範囲で互いに異なる任意の角度とすることができる。
(第1実施形態の第1変形例)
上記第1実施形態では、正反射光強度F3および拡散反射光強度F0(3)は、摩擦係数推定部73による静摩擦係数μsの推定には用いられていないが、これには限定されない。摩擦係数推定部73は、正反射光強度F1,F2に加えて正反射光強度F3に基づいて静摩擦係数μsを推定してもよく、また、拡散反射光強度F0(1),F0(2)に加えて拡散反射光強度F0(3)に基づいて静摩擦係数μsを推定してもよい。
(第1実施形態の第2変形例)
上記第1実施形態では、反射光強度係数の上昇率ηc/ηbに基づいて静摩擦係数μsの推定値が補正されたが、上昇率を算出する反射光強度係数の組合せはこれには限定されない。例えば、第一反射光強度係数ηaと第二反射光強度係数ηbとの比ηa/ηbや、第三反射光強度係数ηcと第一反射光強度係数ηaとの比ηc/ηaに基づいて静摩擦係数μsが補正されてもよい。
例えば、傾斜角度θaと傾斜角度θbとの間の反射光強度係数ηの変化率においても、反射光強度係数の上昇率ηc/ηbの場合と同様に、ウスモゾ紙等の中光沢領域のシートSは、他の非塗工紙グループやグロス系塗工紙グループのシートSとは異なる値を示す。よって、第一反射光強度係数ηaと第二反射光強度係数ηbとの比ηa/ηbに基づいて、中光沢領域のシートSの静摩擦係数μsの推定値に対して選択的に補正をすることが可能である。この場合、上記第1実施形態の摩擦係数推定装置1−1に対して第三照射部61cおよび第三正反射光受光部62cを省略可能である。また、第一反射光強度係数ηaと第二反射光強度係数ηbとの比ηa/ηbに基づいて静摩擦係数μsを補正する方法によれば、摩擦係数推定方法において、第三手順がステップST8およびステップST9に相当することとなる。
また、互いに反射光強度係数の組合せが異なる反射光強度係数の上昇率を複数算出し、それらの反射光強度係数の上昇率に基づいて静摩擦係数μsの推定値を補正するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、照射部とその照射部から照射されてシートSの表面に入射した光の反射光の正反射光成分を受光する正反射光受光部との組が3組であったが、摩擦係数推定装置1−1は、この組を4組以上備えていてもよい。摩擦係数推定装置1−1が、照射部と正反射光受光部との組を互いに異なる傾斜角度θについて多く備えるようにすれば、静摩擦係数μsの推定精度が向上する。
(第1実施形態の第3変形例)
上記第1実施形態では、第一照射部61a、第二照射部61bおよび第三照射部61cがそれぞれ独立した光源であったが、これには限定されない。例えば、一つの光源を本体60の周方向に移動させることで異なる傾斜角度θa,θb,θcで選択的にシートSに対して光を照射させるようにしてもよい。同様に、第一正反射光受光部62a、第二正反射光受光部62bおよび第三正反射光受光部62cは独立した受光部でなくてもよい。一つの受光部を本体60の周方向に移動させることで、異なる傾斜角度θa,θb,θcで照射される光の正反射光成分を一の受光部で受光させるようにしてもよい。
(第1実施形態の第4変形例)
上記第1実施形態では、静摩擦係数の推定値に対する補正値が、反射光強度係数の上昇率ηc/ηbに応じて決定されたが、これには限定されない。反射光強度係数の上昇率ηc/ηbに代えて、正反射光強度の変化率F3/F2や拡散反射光強度の変化率F0(3)/F0(2)等に基づいて静摩擦係数の推定値に対する補正値が決定されてもよい。
(第2実施形態)
図22および図23を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
上記第1実施形態では、上記式(5)のような推定式を用いることで、精度よくシートS間の静摩擦係数μsが推定されたが、本実施形態では、推定式に代えて、反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数μsとの対比テーブルに基づいて静摩擦係数μsが推定される。これにより、例えば簡易的に大まかな静摩擦係数μsの大小を判別することなどが可能となる。
本実施形態では、第一反射光強度係数ηaに基づいて静摩擦係数μsを推定する場合を例に説明する。図22は、第一反射光強度係数ηaとシートS間の静摩擦係数μsの推定値との対比テーブルを示す図である。図23は、各種シートSについての第一反射光強度係数ηaの実測値と、シートS間の静摩擦係数μsの実測値と、対比テーブルに基づいて算出されたシートS間の静摩擦係数μsの推定値とを示す図である。図22に示す対比テーブルは、例えば、各種シートSについての第一反射光強度係数ηaの実測値とシートS間の静摩擦係数μsの実測値とに基づいて作成される。例えば、それぞれの実測値に基づいて、図11に示した相関曲線と同様の相関曲線を第一反射光強度係数ηaについて求めることができる。求められた相関曲線に基づいて、図22の左欄の各区間について、相関曲線におけるその区間の代表的な静摩擦係数μsの値を図22の右欄の推定値とすることで、図22の対比テーブルを作成することができる。ここで、代表的な静摩擦係数μsの値とは、例えば、その区間における静摩擦係数μsの中間値や平均値等とすることができる。
図23に示された、対比テーブルに基づく静摩擦係数μsの推定値を見ると、異なる種類のシートSについての静摩擦係数μsの大小関係や、静摩擦係数μsの大きさについて概ね静摩擦係数μsの実測値における大小関係や大きさと合致している。
このように、一つの反射光強度係数ηのみでもシートS間の静摩擦係数μsを推定することができる。この場合、上記第1実施形態の摩擦係数推定装置1−1において、第二照射部61b、第三照射部61c、第二正反射光受光部62bおよび第三正反射光受光部62cを省略することが可能となる。なお、一の反射光強度係数ηに基づいて推定された静摩擦係数μsでは、ウスモゾ紙のような中光沢領域のシートSについては、他のシートSについてよりも静摩擦係数μsの実測値と推定値との開きが大きくなる。
対比テーブルに基づく静摩擦係数μsの推定において、対比テーブルのパラメータの数を増やすことで、静摩擦係数μsの推定精度を向上させることができる。例えば、第一反射光強度係数ηaと第二反射光強度係数ηbと静摩擦係数μsの推定値との対比テーブルを予め記憶しておき、この対比テーブルと各反射光強度係数ηa,ηbの実測値とに基づいて静摩擦係数μsを推定するようにすれば、推定精度の向上が可能となる。この場合、上記第1実施形態の摩擦係数推定装置1−1において、第三照射部61cおよび第三正反射光受光部62cを省略することが可能となる。さらに、反射光強度係数の上昇率ηa/ηbと静摩擦係数μsの補正値との対比テーブルを予め記憶しておき、この対比テーブルに基づいて中光沢領域のシートSについて静摩擦係数μsの推定値の補正を行うようにすれば、推定精度の向上が可能となる。
なお、対比テーブルは、図22に示すように反射光強度係数ηにおける隣接する区間の値が連続しているものには限定されない。対比テーブルにおいて、離散的に反射光強度係数ηとシートS間の静摩擦係数μsとの対応関係が定められていてもよい。この場合には、対比テーブルと反射光強度係数ηの実測値とに基づいて、線形補間等の補間により静摩擦係数μsを推定することができる。
本実施形態のように対比テーブルを使用するか、上記第1実施形態のように推定式を使用するかは、例えば、静摩擦係数μsの推定精度に対する要求レベル、照射部や受光部の部品点数やコストを考慮して適宜選択される。
なお、上記各実施形態では、シートS間の静摩擦係数が推定されたが、これに代えてシートS間の動摩擦係数が推定されてもよい。
以上のように、本発明にかかる摩擦係数推定装置は、シート状の媒体の摩擦係数の推定に適している。
1−1 摩擦係数推定装置
1 媒体供給装置
6 測定ユニット
7 制御ユニット
61a 第一照射部
61b 第二照射部
61c 第三照射部
62a 第一正反射光受光部
62b 第二正反射光受光部
62c 第三正反射光受光部
63 拡散反射光受光部
100 画像読取装置
F0 拡散反射光強度
F1,F2,F3 正反射光強度
S シート(シート状の媒体)
ηa 第一反射光強度係数
ηb 第二反射光強度係数
ηc 第三反射光強度係数
ηs 擬似反射光強度係数
θ 傾斜角度(入射角)

Claims (8)

  1. 第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射する第一照射部と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第二照射部とを有する照射部と、
    前記第一照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第一正反射光強度を検出する第一正反射光受光部と、前記第二照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第二正反射光強度を検出する第二正反射光受光部とを有する正反射光受光部と、
    前記照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分を受光して前記拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出する拡散反射光受光部と、
    を備え、
    前記第一照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、前記第二照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づいて、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる所定の入射角の光が前記表面に照射されたとした場合の前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分と正反射光成分との比である擬似反射光強度係数を算出し、
    前記擬似反射光強度係数に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する
    ことを特徴とする摩擦係数推定装置。
  2. 第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射する第一照射部と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第二照射部とを有する照射部と、
    前記第一照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第一正反射光強度を検出する第一正反射光受光部と、前記第二照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第二正反射光強度を検出する第二正反射光受光部とを有する正反射光受光部と、
    前記照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分を受光して前記拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出する拡散反射光受光部と、
    を備え、
    前記第一照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、前記第二照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づき、前記第一反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する
    ことを特徴とする摩擦係数推定装置。
  3. 第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射する第一照射部と、前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第二照射部とを有する照射部と、
    前記第一照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第一正反射光強度を検出する第一正反射光受光部と、前記第二照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第二正反射光強度を検出する第二正反射光受光部とを有する正反射光受光部と、
    前記照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分を受光して前記拡散反射光成分の強度である拡散反射光強度を検出する拡散反射光受光部と、
    を備え、
    前記照射部は、更に、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる第三の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射する第三照射部を有し、
    前記正反射光受光部は、更に、前記第三照射部によって照射された光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分を受光して当該正反射光成分の強度である第三正反射光強度を検出する第三正反射光受光部を有し、
    前記第一照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第一正反射光強度との比である第一反射光強度係数と、前記第二照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第二正反射光強度との比である第二反射光強度係数とに基づき、前記第三照射部が光を照射したときの前記拡散反射光強度と前記第三正反射光強度との比である第三反射光強度係数と前記第一反射光強度係数との比、あるいは前記第三反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比の少なくともいずれか一方に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する
    ことを特徴とする摩擦係数推定装置。
  4. 前記第三の入射角は、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれよりも小さな角度である
    請求項に記載の摩擦係数推定装置。
  5. 第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第一手順と、
    前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第二手順と、
    前記第一手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比、および前記第二手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比に基づいて、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる所定の入射角の光が前記表面に照射されたとした場合の前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分と正反射光成分との比である擬似反射光強度係数を算出し、前記擬似反射光強度係数に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する第三手順と、
    を含むことを特徴とする摩擦係数推定方法。
  6. 第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第一手順と、
    前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第二手順と、
    前記第一手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第一反射光強度係数、および前記第二手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第二反射光強度係数に基づき、前記第一反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する第三手順と、
    を含むことを特徴とする摩擦係数推定方法。
  7. 第一の入射角でシート状の媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第一手順と、
    前記第一の入射角と異なる第二の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の正反射光成分の強度および拡散反射光成分の強度を検出する第二手順と、
    前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれとも異なる第三の入射角で前記媒体の表面に対して光を照射し、当該光が前記表面で反射された反射光の拡散反射光成分の強度と正反射光成分の強度との比である第三反射光強度係数を算出する手順と、
    前記第一手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第一反射光強度係数、および前記第二手順で検出された前記拡散反射光成分の強度と前記正反射光成分の強度との比である第二反射光強度係数に基づき、前記第三反射光強度係数と前記第一反射光強度係数との比、あるいは前記第三反射光強度係数と前記第二反射光強度係数との比の少なくともいずれか一方に基づいて前記表面の摩擦係数を推定する第三手順と、
    を含むことを特徴とする摩擦係数推定方法。
  8. 前記第三の入射角は、前記第一の入射角および前記第二の入射角のいずれよりも小さな角度である
    請求項7に記載の摩擦係数推定方法。
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