JP5550177B2 - 地盤改良における注入材注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤に溶液型注入材や懸濁液型注入材などの注入材を注入して、地盤中に固結改良体を造成することにより、地盤の液状化防止などの地盤強化を目的とする地盤改良における注入材注入方法に関する。
従来、地盤改良における注入材注入方法において広く採用されている工法として、二重管ダブルパッカー工法があった。この二重管ダブルパッカー工法は、外管24と内管26よりなる二重の注入管23を用いるもので、地盤に外管24を設置したのち、先端にダブルパッカー27を装着した内管26を外管24内に挿入して、外管24内に挿入したダブルパッカー27から外管24のバルブ部25を経て地盤に注入材を注入して、地盤中に固結改良体を造成するものである。
これは、図10(a)に示すように、地盤をケーシングパイプ20にて削孔し、図10(b)に示すように、この内部にシール材Gを充填する。図10(c)に示すように、そこに外管24を挿入し、この外管24には一定の間隔でバルブ部25を複数設けている。外管24を設置したのち、ケーシングパイプ20を引抜き、図10(d)に示すように、外管24内に先端にダブルパッカー27を装着した内管26を挿入する。次に、図10(e)に示すように、内管26の先端に装着したダブルパッカー27を外管24のバルブ部25に合わせる。そして、内管26内に注入材Mを圧送し、先端のダブルパッカー27から注入材Mを吐出して、外管24のバルブ部25を経て地盤に注入材Mを注入する。地盤に注入材Mの注入が完了したのち、図10(f)に示すように、外管24における一段下方のバルブ部25にダブルパッカー27を合わせて、先程と同様に注入材Mを地盤に注入する。これを繰り返し行うことにより、地盤中に多数の固結改良体Pを造成することができ、地盤の液状化防止などの地盤強化を行うようにしている。
しかしながら、従来の地盤改良における注入材注入方法にあっては、地盤の性状によっては地盤への注入材の注入を良好に行うことができないといったことがあった。これは、細粒分が多く含まれ、かつ透水係数が小さい、たとえば透水係数k=10−3cm/sec以下の地盤の場合、地盤に注入材を注入する際の注入材の浸透距離が極めて短くなるといった現象、さらには注入材の地盤への注入速度を高速で行うと、地盤に割裂が発生するといった現象などが起こるおそれがあった。特に、これらの現象は、注入材に懸濁液型注入材を使用した場合に顕著に現れるものであった。
そこで、注入材の注入速度を小さくしたり、あるいは注入部の注入断面を上下方向に大きくしたりといった対策を講じる工夫もされていたが、注入速度を小さくすると作業時間が増して、また注入断面を大きくすることは作業の手間や作業装置の複雑化といった問題が生じる。しかも、注入材の地盤への浸透距離については長くすることが難しく、大きな径の固結改良体を地盤中に造成することが困難であった。このように大きな径の固結改良体を地盤中に造成することができないことから、小さな径の固結改良体を間隔を狭めて大量の本数造成することによって、地盤改良を行うようにしていたが、このような大量の本数の固結改良体を造成することで、地盤改良における工費が増大するといった問題があった。
本発明は、かかる従来の問題に鑑み、透水係数が比較的小さい地盤であっても、地盤に良好に注入材を注入し、所望の大きさの固結改良体を地盤中に造成することのできる地盤改良における注入材注入方法を提供することを、その課題とする。
第一の発明は、
噴射ロッドを地盤に貫入し、地盤の所定深度にて噴射ロッドから高圧流体を周囲に噴射し、この高圧流体の噴射をわずかに上下にずらしながら複数段にわたって行うことで、その周囲の地盤を緩めて地盤に上下方向に厚みのある緩み領域を造作し、この上下方向に厚みのある緩み領域の造作を必要な所定深度ごとに行う事前噴射工程と、この事前噴射工程完了後に、注入管を地盤に挿入し、この注入管から事前噴射工程にて必要な所定深度ごとに造作したそれぞれの地盤の緩み領域に注入材を注入することにより、地盤の緩み領域を通してその外側の地盤に注入材を浸透させ、地盤中に所望の大きさで上下に連なった固結改良体を造成する固結改良体造成工程と、から成る地盤改良における注入材注入方法である。
第二の発明は、第一の発明における事前噴射工程において、地盤の緩み領域を造作したのち、この緩み領域に砂を充填するようにした地盤改良における注入材注入方法である。
第三の発明は、第一又は第二の発明における事前噴射工程にて造作する緩み領域の大きさを、噴射ロッドから噴射する高圧流体の噴射条件をコントロールすることで、地盤の性状に応じて変更し、この緩み領域の大きさを変更することにより、地盤中に所望の大きさの固結改良体を造成するようにした地盤改良における注入材注入方法である。
第一の発明によれば、事前噴射工程において、地盤の必要所定深度にて高圧流体を周囲に噴射して、地盤を緩めて地盤に緩み領域を造作しておくことで、どのような性状の地盤であっても、そのあとの固結改良体造成工程において、注入管から注入材を地盤に注入する際、事前噴射工程にて造作した緩み領域を注入材が良好に浸透していき、注入材が緩み領域の端部からその外側の地盤に浸透することから、注入材の最終的な浸透距離を長くすることができ、所望の大きさの固結改良体を確実に造成することができる。これにより、注入材を地盤に注入する際に起こる割裂といった現象も無くすことができ、しかも、従来のような小さな径の固結改良体の間隔を狭めて大量の本数造成するといったことがなく、ある程度の間隔をあけて大きな径の固結改良体を地盤中に造成することにより、固結改良体の本数を減らすことができることから、地盤改良工事における工期の短縮や工費の大幅な低減を図ることができる。
また、第二の発明によれば、事前噴射工程にて造作した緩み領域に周りの地盤より透水係数の大きなたとえば粒径の大きな砂を充填したことで、この緩み領域に外部から強い土圧がかかっても、充填した砂によって緩み領域が閉塞されるのを無くすことができ、これにより、後工程の固結改良体造成工程にて行う注入材の注入を極めて良好かつ確実に行うことができる。
また、第三の発明によれば、事前噴射工程にて造作する緩み領域の大きさを地盤の性状に応じて変更することで、透水係数が小さめの地盤であっても、所望の大きさの固結改良体を造成することができ、常に最適な地盤改良工事を行うことができる。
本発明の地盤改良における注入材注入方法の施工手順を示す説明図である。 本発明の地盤改良における注入材注入方法の施工手順を示す説明図である。 本発明の地盤改良における注入材注入方法の施工手順を示す説明図である。 本発明の地盤改良における注入材注入方法の施工手順を示す説明図である。 本発明の地盤改良における注入材注入方法の施工手順を示す説明図である。 本発明の地盤改良における注入材注入方法の施工手順を示す説明図である。 地盤中に造成する固結改良体の状態を示す説明図である。 地盤の性状が異なる場合の固結改良体の造成を示す説明図である。 本発明の地盤改良における注入材注入方法の別の例の施工手順の一部を示す説明図である。 従来の二重管ダブルパッカー工法の施工手順を示す説明図である。
本発明による地盤改良における注入材注入方法の一実施形態について説明する。
この地盤改良における注入材注入方法は、地盤の必要所定深度にて高圧流体Wを周囲に噴射して、地盤を緩めて地盤に緩み領域Tを造作する事前噴射工程と、地盤の緩み領域Tを通して地盤に注入材Mを注入して、地盤中に固結改良体Pを造成する固結改良体造成工程と、から成る。
これを、施工手順に沿って説明する。
まず、地盤に緩み領域Tを造作する事前噴射工程を行う。これは、図1(a)に示すように、図示しない施工機械にて噴射ロッド1を地盤に貫入する。この噴射ロッド1は直径60〜90mm程度で、そこには高圧流体Wが噴射可能な噴射ノズル2を備えており、図示しない高圧ポンプや発電機などの供給プラントから高圧流体Wが供給されて、噴射ロッド1の噴射ノズル2から高圧流体Wが噴射するようになっている。また、高圧流体Wとしては、高圧水とエアーであって、噴射ノズル2の中心側から高圧水が、その周囲からエアーが噴射される。なお、高圧流体Wはこれに限定されるものではなく、高圧水のみでも良い。また、噴射ノズル2も一ヶ所に限定されるものではなく、噴射ロッド1の周方向にわたって複数備えるようにしても良い。
そして、噴射ロッド1を貫入したのち、図1(b)に示すように、地盤の所定深度にて噴射ロッド1の噴射ノズル2から高圧流体Wを周囲に噴射する。この噴射は、噴射ロッド2を回転させながら高圧流体Wを一定時間噴射し続ける。そして、高圧流体Wを噴射したまま、図1(c)に示すように、噴射ロッド1を上方にわずかに引抜き、この上方への引抜きは2〜10cm程度である。そして、図1(d)に示すように、噴射ロッド1を回転させながら高圧流体Wを一定時間噴射し続ける。このように高圧流体Wを噴射して、その周囲の地盤を緩めることで、地盤に一番目の緩み領域Tを造作する。なお、この一番目の緩み領域Tを造作する際の高圧流体Wの噴射については、上下にずらしながら二段にわたって行っているが、N値や透水係数kなどの地盤の性状に応じて、三段や四段、それ以上の複数段にしても良く、要するに、二段以上の複数段にわたって行うことで、上下方向に厚みのある緩み領域Tを造作することが可能となる。
また、実際には地盤の性状により異なるものの、N値が約20以下の場合、噴射ノズル2のノズル径は3〜6mm程度、エアーの噴射圧力は0.1〜1.0MPa程度、高圧水の噴射圧力は10〜40MPa程度、高圧水の吐出流量は10〜200L/min程度、噴射時間は10〜300sec程度、噴射ロッドの回転数は3〜6rpm程度であり、これら高圧流体Wの噴射圧力や噴射量、噴射時間など条件を地盤の性状に合わせて適宜選択しコントロールすることで、側方向に所望の大きさ(大きな径)の緩み領域Tを造作するようにしている。
次に、図2(e)に示すように、噴射ロッド1を所定長さだけ、たとえば1〜2m引抜いて、図2(f)に示すように、地盤の所定深度にて再び噴射ロッド1の噴射ノズル2から高圧流体Wを周囲に噴射する。この噴射も、噴射ロッド1を回転させながら高圧流体Wを一定時間噴射し続け、そして、図2(g)に示すように、噴射ロッド1を上方にわずかに引抜き、図2(h)に示すように、噴射ロッド1を回転させながら高圧流体Wを一定時間噴射し続ける。このように高圧流体Wを噴射して、その周囲の地盤を緩めることで、一番目の緩み領域Tの上方に、二番目の緩み領域Tを造作する。
さらに、必要に応じて、三番目、四番目といった緩み領域Tを造作することで、必要な所定深度ごとに緩み領域Tをそれぞれ造作する。このように地盤に必要な数の緩み領域Tを造作したら、図2(i)に示すように、噴射ロッド1を引抜き、これにより、事前噴射工程が完了する。
次に、この事前噴射工程が完了したら、地盤中に固結改良体Pを造成する固結改良体造成工程を行う。なお、この工程において採用する工法としては、バルブ部5を設けた外管4とダブルパッカー7を装着した内管6とよりなる二重の注入管3を用いる二重管ダブルパッカー工法である。
図3(a)に示すように、事前噴射工程にて緩み領域Tを造作した場所にケーシングパイプ10を貫入する。そして、図3(b)に示すように、ケーシングパイプ10の内部にシール材Gを充填し、充填後、図3(c)に示すように、そこに注入管3の外管4を挿入する。この外管4には一定の間隔でバルブ部5を複数設けており、この外管4に設けるバルブ部5の位置は事前噴射工程にて造作した複数の緩み領域Tの位置と合うように略同じ位置にする。そして、この外管4を設置したのち、図3(d)に示すように、ケーシングパイプ10を引抜き、図4(e)に示すように、外管4内に先端にダブルパッカー7を装着した内管6を挿入する。この内管6の先端に装着したダブルパッカー7には吐出口8を多数備えており、図示しない材料貯蔵槽や注入ポンプなどの注入プラントから注入材Mが供給されて、ダブルパッカー7の吐出口8から注入材Mが吐出するようになっている。この注入材Mとしては、セメント、ベントナイトやスラグなどの懸濁粒子を含んだ懸濁液型注入材である。ただし、これに限定されるものではなく、水ガラスを主成分とする溶液型注入材でも良い。
次に、内管6を下端部まで挿入し、図4(f)に示すように、内管6の先端に装着したダブルパッカー7を外管4の一番下方のバルブ部5及び事前噴射工程にて造作した一番下方の緩み領域Tに合わせる。そして、内管6内に注入プラントから供給された注入材Mを圧送し、先端のダブルパッカー7の吐出口8から注入材Mを吐出する。この吐出した注入材Mは、外管4のバルブ部5を経て地盤の緩み領域Tに注入されることにより、図4(g)に示すように、この緩み領域Tを通して緩み領域Tの端部からその外側の地盤に注入材Mが浸透する。このとき、事前噴射工程にて造作した地盤の緩み領域Tでは懸濁液型注入材であっても良好に浸透していき、そして、緩み領域Tを通ったのち、緩み領域Tの端部からその外側の地盤に注入材Mを浸透させ、図5(h)に示すように、地盤中に所望の大きさである大きな径の固結改良体Pを造成する。
そして、下方の固結改良体Pの造成が終わったら、図5(i)に示すように、内管6を引抜き、外管4における一段上のバルブ部5及び一段上の緩み領域Tにダブルパッカー7を合わせて、先程と同様に注入材Mをダブルパッカー7から吐出して、外管4のバルブ部5を経て地盤の緩み領域Tを通して、その外側の地盤に注入材Mを浸透させ、図5(j)に示すように、先程と同様に地盤中に所望の大きさの固結改良体Pを造成する。
そして、この注入材Mの注入を地盤に造作した緩み領域Tごとに行うことにより、図6に示すように、地盤中に上下に連なった多数の固結改良体Pを造成することができ、これにより、固結改良体造成工程が完了する。
このようして、地盤中に所望の大きさの固結改良体Pを造成することにより、地盤の液状化防止などの地盤強化を行うことができる。
なお、固結改良体造成工程において採用された工法としては、外管4と内管6よりなる二重の注入管3を用いる二重管ダブルパッカー工法であったが、これに限定されるものではなく、たとえば、注入区間の上下に袋状に変形可能となるパッカーを備えて注入材の注入を行うようにした他の注入工法でも良い。
以上にように、事前噴射工程において、高圧流体Wを周囲に噴射して、地盤に緩み領域Tを造作しておくことで、透水係数kが小さめの地盤であっても、後工程の固結改良体造成工程にて注入管3から注入材Mを地盤に注入する際、事前噴射工程にて造作した緩み領域Tから周りの地盤に注入材Mが良好に浸透していき、注入材Mが緩み領域Tの端部からその外側の地盤に浸透することから、注入材Mの最終的な浸透距離を長くすることができ、所望の大きさである大きな径の固結改良体Pを造成することができる。
これについて図面を用いて説明すると、従来の地盤改良における注入材注入方法の場合、図7(a)に示すように、注入材Mを地盤に注入する際の注入材Mの浸透距離はuであることから、注入材Mの最終的な浸透距離もuであり、地盤中に造成する固結改良体Pの直径は2×uとなり、この固結改良体Pを所定の間隔hで上下に多数造成するようになる。これに対し、事前噴射工程にて地盤に緩み領域Tを造作したあとに固結改良体造成工程にて緩み領域Tを通して注入材Mを地盤に注入する場合、図7(b)に示すように、注入材Mの浸透距離はuであるものの、造作した緩み領域Tの大きさであるrも加わるので、注入材Mの最終的な浸透距離はu+rとなり、地盤中に造成する固結改良体Pの直径は2×(u+r)となることで、従来の方法で造成する固結改良体Pと比べて大きな径の固結改良体Pを造成することができる。
また、事前噴射工程にて地盤に緩み領域Tを造作する際、二段以上の複数段にわたって行っていることで、緩み領域Tの上下方向の厚みを大きくし、要するに所望の厚みにすることができ、このように上下方向に厚みのある緩み領域Tを造作することで、後工程の固結改良体造成工程における緩み領域Tでの注入材Mの通りを格段に良くすることができ、これにより、緩み領域Tの外側の地盤への注入材Mの浸透を良好に行うことができ、所望の大きさである大きな径及び厚みのある固結改良体Pを確実に造成することができる。
さらに、本発明の地盤改良における注入材注入方法にあって、事前噴射工程では噴射ロッド1を用いると共に、固結改良体造成工程では注入管3を用いており、噴射ロッド1と注入管3をそれぞれ別々に使用することから、その装置が複雑になったり高価なものになったりすることがなく、単純かつ安価な装置にすることができ、工費も安価にすることができる。
また、事前噴射工程と固結改良体造成工程とを独立して行っていることで、固結改良体造成工程において採用する工法としては、二重管ダブルパッカー工法やその他の注入工法でも良く、これにより、多種多様な施工が可能となり、どのような工事現場にも対応することができる。
次に、地盤の性状、たとえば地盤の透水係数kが異なると、注入材Mの浸透距離も異なるが、このような異なる性状の地盤における固結改良体Pの造成について述べると、図8(a)に示すように、地盤の透水係数kが大きい場合は、注入材Mの浸透距離がuaとなることから、事前噴射工程にて造作する緩み領域Tの側方向の大きさをraとして、注入材Mの最終的な浸透距離をua+raとすることで、地盤中に所望の大きさである直径が2×(ua+ra)の固結改良体Pが造成される。
一方、図8(b)に示すように、地盤の透水係数kが小さい場合は、注入材Mの浸透距離が前記uaより短いubとなることから、事前噴射工程にて造作する緩み領域Tの側方向の大きさを前記raより長いrbと大きくして、注入材Mの最終的な浸透距離をub+rbとすることで、地盤中に所望の大きさである直径が2×(ub+rb)の固結改良体Pが造成される。なお、注入材Mの浸透距離ubが短いことから、上下に造成する固結改良体Pの間隔hも短くして、上下に多数の固結改良体Pを造成するようになる。
このように事前噴射工程にて造作する緩み領域Tの側方向の大きさを、地盤の性状(この場合は透水係数k)に応じて変更することにより、地盤の透水係数kが大きい地盤に造成した直径が2×(ua+ra)の固結改良体Pと、地盤の透水係数kが小さい地盤に造成した直径が2×(ub+rb)の固結改良体Pとにあっては、その大きさを同じにすることができ、すなわち、地盤の性状が異なっていても、事前噴射工程にて造作する緩み領域Tの側方向の大きさを変更することで、最終的に造成する固結改良体Pの大きさを所望の大きさにすることができ、どのような性状の地盤でも、最適な固結改良体Pを造成することができる。
また、この事前噴射工程にて造作する緩み領域Tの側方向の大きさについては、前述したように、噴射ノズル2のノズル径、エアーの噴射圧力、高圧水の噴射圧力及び吐出流量、噴射時間、噴射ロッド1の回転数といった噴射ロッド1から噴射する高圧流体Wの噴射条件を適宜選択しコントロールすることにより、地盤の性状に応じた大きさに変更している。
次に、本発明による地盤改良における注入材注入方法の別の実施形態について説明すると、地盤の必要所定深度にて高圧流体Wを周囲に噴射して、地盤を緩めて地盤に緩み領域Tを造作する事前噴射工程と、地盤の緩み領域Tを通して地盤に注入材Mを注入して、地盤中に固結改良体Pを造成する固結改良体造成工程と、から成る点では、前述の実施形態と同様であるが、事前噴射工程において、地盤の緩み領域Tを造作したのち、この緩み領域Tに砂Sを充填するようにしている。
具体的には、事前噴射工程において、必要な数の緩み領域Tを地盤に造作し終えて、噴射ロッド1を引抜いたのち、図9(a)に示すように、この噴射ロッド1と略同寸(直径60〜90mm程度)の充填ロッド11を貫入する。この充填ロッド11には砂Sを吐出するための吐出孔12を備えている。砂Sは、水や流動化剤、さらにはある時間経過後に流動化状態を通常の状態に戻す塑性化剤などの添加剤を加えて生成したものであり、図示しない供給プラントから供給されて、充填ロッド11の吐出孔12から砂Sが吐出するようになっている。そして、図9(b)に示すように、地盤の所定深度に造作した緩み領域Tに充填ロッド11の吐出孔12から砂Sを吐出して、緩み領域Tに砂Sを充填する。なお、図9(c)に示すように、この砂Sの充填は下側の緩み領域Tから上に順次行うものである。また、この砂Sの充填時において、砂圧入量と圧入圧力とを管理しておくことで、緩み領域Tへの砂Sの充填状況を把握することができる。これは、砂Sが緩み領域Tに十分に充填されると圧入圧力が上昇することから、この圧入圧力の上昇を判断の基準とし、砂Sを緩み領域T全域に確実に充填するようにしている。そして、この砂Sの充填をすべての緩み領域Tに行ったのち、充填ロッド11を引抜くことにより、事前噴射工程が完了し、そして、後工程の固結改良体造成工程を行う。なお、この充填する砂Sは、周りの地盤より透水係数の大きなたとえば粒径の大きな砂であり、また、その代替として粒状を呈したものでも良い。
このように緩み領域Tに砂Sを充填することによって、造作した緩み領域Tが土圧により閉塞されることがないようにして、後工程の固結改良体造成工程にて行う注入材Mの注入に支障をきたすことがないようにしている。
1…噴射ロッド、2…噴射ノズル、3…注入管、4…外管、5…バルブ部、6…内管、7…ダブルパッカー、8…吐出口、10…ケーシングパイプ、11…充填ロッド、12…吐出孔、20…ケーシングパイプ、23…注入管、24…外管、25…バルブ部、26…内管、27…ダブルパッカー

Claims (3)

  1. 噴射ロッドを地盤に貫入し、地盤の所定深度にて噴射ロッドから高圧流体を周囲に噴射し、この高圧流体の噴射をわずかに上下にずらしながら複数段にわたって行うことで、その周囲の地盤を緩めて地盤に上下方向に厚みのある緩み領域を造作し、この上下方向に厚みのある緩み領域の造作を必要な所定深度ごとに行う事前噴射工程と、
    この事前噴射工程完了後に、注入管を地盤に挿入し、この注入管から事前噴射工程にて必要な所定深度ごとに造作したそれぞれの地盤の緩み領域に注入材を注入することにより、地盤の緩み領域を通してその外側の地盤に注入材を浸透させ、地盤中に所望の大きさで上下に連なった固結改良体を造成する固結改良体造成工程と、
    から成ることを特徴とする地盤改良における注入材注入方法。
  2. 前記事前噴射工程において、地盤の緩み領域を造作したのち、この緩み領域に砂を充填するようにしたことを特徴とする請求項1記載の地盤改良における注入材注入方法。
  3. 前記事前噴射工程にて造作する緩み領域の大きさを、噴射ロッドから噴射する高圧流体の噴射条件をコントロールすることで、地盤の性状に応じて変更し、この緩み領域の大きさを変更することにより、地盤中に所望の大きさの固結改良体を造成するようにしたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の地盤改良における注入材注入方法。
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