JP4827689B2 - 地盤改良方法 - Google Patents

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本発明は、改良材を静的に圧入することによる地盤改良方法に関する。
固結体の造成による地盤改良方法として、圧入締固め工法がある。これは、被改良地盤中、所定ステージ毎に相互に、固結材を圧入充填して形成される複数のブロックを相互に接合することで、周囲地山を圧縮させることにより行われる。この固結材は低スランプの非流動性で自己硬化性を有し、圧入装置の圧入パイプの先端から軸方向下向きに、態様に合わせてトップダウン式かボトムアップ式で、地盤中に圧入充填され、略球根状のブロックを積層式に相互接合する(特許文献1参照)。このプロセスは、圧入後所定の地表レベル、或いは、圧力、又は、圧入量になるまで繰り返され、所定の地表レベル、圧力、又は、圧入量が達成される時点で次のステージへ移る。
また、他の固結体の造成による地盤改良方法として、コラムジェットグラウト工法がある。これは、例えば注入ロッドを回転させながらその側面に設けられている第1乃至3噴射ノズルから清水又はエアを高圧噴射して周囲の地盤を切削しつつ削孔し、所望の空洞部を形成した後に注入ロッドを回転上昇させながら第1乃至3噴射ノズルから硬化剤を水平に高圧噴射させて空洞部に硬化剤を充填することにより行われる(特許文献2参照)。すなわち、土砂と硬化剤を置換することにより改良体を形成させる。
一方、他の地盤改良方法として、薬液注入工法がある。これは、地盤中に注入管を貫入して、薬液を注入管の底面や側面から加圧注入することで薬液を地盤中に浸透注入させて割裂脈を形成させることにより行われる(特許文献3参照)。すなわち、間隙水と薬液による割裂脈を置換することにより改良体を形成させる。この薬液注入は主に地盤補強や止水に適用することができる。
特許2743232(請求項1、段落0034〜0036、図1) 特開平11−117287(段落0018〜段落0019、図4〜6) 特開2000−64266(請求項1、段落0001、段落0008、図3)
特許文献1に記載の発明によれば、図7に示すように、固結材は圧入パイプ先端部分の吐出口から地盤に対して軸方向下向きのみに吐出した後、主に上方向及び水平方向に不規則に広がって圧入充填される。これは、固結材の吐出方向が土中応力の大きな方向と一致するので、固結材は吐出方向に圧入充填され難く、地盤中の弱い方向に偏って圧入されて逸走するためである。したがって、固結材が水平方向に広がる作用は弱く不安定なので、ブロックは水平方向に小さくて不均一である。これに伴って、圧入パイプ周囲の地盤の強度も小さくて不均一となる。すなわち、目標とする大きさ及び形状のブロックを造成することが困難である。
また、この場合、鉛直方向上向きに地盤が押されるので、地盤が隆起し易い他、圧入パイプが押されて、例えば座屈のような変形をしたり、さらには引き抜き不可能となることもある。このように、圧入パイプが変形すると固結材の吐出方向が変化するので、ブロックの造成される方向は一層不規則となり鉛直方向に連続した有効断面が小さくなる。図7中には、有効断面を破線で示している。
また、所定深度毎に積層式に圧入充填を行うため、積層間にくびれが生じて略球根状のブロックが造成され易く、軸方向に連続した有効断面はさらに小さくなる。
特許文献1に記載の発明において、軸方向に連続した有効断面を大きくするために特許文献2に示されるように固結材を水平方向に高圧噴射させた場合、地盤は切削されるので周囲地盤を圧縮させることはできない。また、高圧噴射用の設備は大きいため、特に改良範囲が浅い箇所や軟弱地盤等においては地盤崩壊の危険性が高くなる。したがって、特許文献2に記載の発明を特許文献1の発明に適用することは有効ではない。
また、特許文献2は高圧噴射ノズルを使用しているので、硬化剤を懸濁液状にする必要がある。ここで、特許文献1に記載の発明に、懸濁液状の硬化剤を使用すると、硬化剤が地盤内で分離したり、逸走や迷走を起こし、周囲地山を圧縮させて地盤改善することはできない。逆に、周囲地山を圧縮できる程度の低スランプ値を有する硬化剤を特許文献2の高圧噴射ノズルに使用すると、硬化剤によって注入ロッド内のノズルと接続されている流路が閉塞して噴射できない。
一方、特許文献1及び特許文献2の発明は、固化材や硬化剤によりブロックや改良体を造成する。しかし、特許文献3に記載の薬液注入工法は、地盤の間隙部に薬液を注入して割裂脈を形成させて地山強度や止水性を向上させる。すなわち、特許文献1及び特許文献2と、特許文献3とは用途及び効果の点で相違する。ここで、特許文献1に記載の発明において、特許文献3に示すように固結材を水平方向に注入するとしても、積層式のブロックを形成することはなく、周囲地山を圧縮できない。したがって、特許文献3に記載の発明を特許文献1の発明に適用することは有効ではない。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは地盤中に圧入された改良材を軸径方向外向きへ広げることで、軸方向に連続した有効断面が均一に大きい改良体を目標の大きさ及び形状で造成すると同時に圧入管周囲の地盤の強度を均一に大きくする地盤改良方法を提供することである。
本願発明の地盤改良方法は、改良材を静的に圧入する方法であって、圧入管を地盤中に目標圧入開始位置まで挿入する挿入工程と、圧入管の地盤側の先端部へ改良材を供給し、
改良材を圧入管より地盤中へ複数の軸径外向きに圧入する圧入工程と、圧入管を引き上げる引き上げ工程とを有し、前記圧入管の前記地盤側の先端部の側面に設けられ、前記圧入管断面積以上の総面積を有する吐出口より改良材を流出させ、圧入管周囲の地盤を押し広げて締め固めることを特徴とする(請求項1)。ここで、複数の軸径外向きとは地盤に対する絶対的な圧入方向のことであり、改良材が地盤に対して所定の一方向のみから圧入されないことをいう。
改良材は軸方向下向きに圧入するのではなく、地盤中へ複数の軸径外向きに静的に圧入されるため、地盤の密度や固さに起因して、圧入の向きが限られた弱い方向に偏って偶然的に広がることなく、軸に垂直な同一平面上において確実に軸径方向外向きに広く均一に広がる。これに伴って、軸に垂直な同一平面上において、圧入管周囲の地盤の強度も均一に大きくなる。
また、圧入方向は複数の軸径外向きであるので、圧入管が圧入している改良材を介して地盤や改良体から軸方向上向きに偏って押されることがない。したがって、圧入管が変形したり振れたりすることはないので、改良体は軸方向に真っ直ぐに形成され、軸方向に連続する有効断面が大きく均一な改良体を造成することができるとともに、圧入管を容易に引抜くことができる。
また、改良材が鉛直方向のみに偏って圧入されることはないので、地盤が鉛直方向にのみ押されて隆起する危険性は少ない。さらに、改良材は静的に圧入されるため、地盤が乱されて崩壊する危険性は少ないので、周辺の地盤や構造物へ対する影響も少ない。したがって、地盤の浅い範囲においても本工法を適用することができる。
圧入工程と引き上げ工程とを同時に連続的に行うと(請求項2)、改良材が軸方向に連続的に圧入されて、改良体は軸方向に均一となるので、軸方向に連続した有効断面の縮小をさらに抑制すると共に、軸方向に対して地盤の強度も均一になる。したがって、改良体は略円柱状に造成され、杭体として保証できるため、支持力としての効果も期待できる。一方で、強度を考慮した複合地盤としての利用も可能となる。また、改良体は連続した大きな一塊となるため、耐久性に優れ、地震等の揺れや振動に対して強い。ここで、引き上げる速度を一定速度に維持することで、均一性を一層良くすることができる。
また、圧入工程と引き上げ工程とを交互に所定回数繰り返すと(請求項3)、各圧入段階に区切って目標圧入量に対して確認しながら改良材の圧入量を管理して圧入することができる。
改良材を地盤中へ圧入している間、圧入管を軸の周方向に回転させる回転工程を行う場合がある(請求項4)。ここにおける回転とは、軸方向に対して右回りか左回りどちらか一方を連続して回す方法と、右回りと左回りを交互に連続して回す方法をいう。
この場合、改良材は軸の全周から連続して軸径方向外向きに圧入されることになるので軸に垂直な同一平面上においてさらに均一に広がり、さらに円柱状に近い改良体を造成することができる。これに伴って、軸に垂直な同一平面上において、圧入管周囲の地盤の強度も均一に大きくなる。さらに、圧入管が周囲の地盤から受ける反力も均一となるので、変形等といった圧入管への影響が軽減する。
また、圧入管の地盤側の先端部の側面に設けられ、圧入管断面積以上の総面積を有する吐出口より地盤中へ改良材は圧入される(請求項1)。この場合、改良材は吐出口から噴射することがないため、地盤中に空洞部を形成することなく地盤を押し広げ、圧力を維持しながら静的に地盤中へ圧入される。また、改良材によって圧入管内が閉塞することもほとんどない。ここで、改良材が複数の軸径外向きに圧入されるために、原則として吐出口は複数個設けられる。
また、圧入管から流出する改良材が周辺地盤を押し広げるように圧入管から圧入されるようにする上では、具体的には改良材のスランプ値が5cm以下に設定される(請求項5)。この設定によれば、軟弱地盤や砂れき層等の水道(みずみち)や間隙部を多く含み、改良材で地盤を押し広げることが困難な地盤に対しても、改良材が地盤中に浸透したり脈状に固結したりすることを抑制でき、改良材を圧入管の軸径外向きに安定して圧入することができる。
請求項1乃至5の何れかに記載の地盤改良方法を複数箇所で行うことにより、地盤中に圧入された改良材が硬化して形成された改良体の間の地盤を圧縮する地盤改良工法を行うこともある(請求項6)。この方法によれば、改良材の間に挟まれて締固められる箇所は、圧入管軸方向に沿って均一であり、改良材同士の距離が等しくて地盤の条件が同じであれば同等の強度を有する。また、上記のように改良体の径が大きくなると、改良体を複数本造成する場合、隣接する改良体の距離は長くなるので、改良範囲における改良体の本数は減少し、工程の短縮及び工費の削減を図ることができる。
本発明は、上記の通り改良材を圧入管より地盤中へ複数の軸径外向きに圧入する圧入工程と圧入管を引き上げる引き上げ工程で構成されているので、地盤中に圧入された改良材を軸径方向外向きへ押し広げることで、有効断面積が大きくて均一な改良体を目標の大きさ及び形状で造成すると同時に圧入管周囲の地盤の強度を均一に大きくする地盤改良方法を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜4は、改良材の圧入による地盤改良方法を表したものである。本工法を実施させるために、圧入管挿入装置1aと圧入装置1bがある。
図1に示すように、圧入管挿入装置1aは、圧入管2を回転させるボーリングマシン3、水タンク14、送水ホース12、送水ポンプ13を備えている。図3に示すように、圧入装置1bは、改良材10を作成する改良材生産設備4、改良材生産設備4と接続され、改良材10を圧入管2へ供給する圧入ポンプ5、圧入管2を引き上げる圧入管リフト装置6、改良材10圧入時に圧入状況を計測する流量圧力監視装置7、流量圧力監視装置7と圧入ポンプ5を接続するホース8、流量圧力監視装置7と圧入管2を接続するホース9を備えている。
(実施の形態1)
圧入管2を地盤中に鉛直に挿入し、低流動性の改良材10を地盤中に水平方向に圧入する場合の地盤改良方法を行う施工手順を説明する。最初に、図1に示すように、図示しない揚重機によりボーリングマシン3を目標セット位置に設置し、ボーリングマシン3に設けられた圧入管挿通孔11aに圧入管2を挿通し、圧入管2の上方の端部に、接続管23を介して送水ホース12の端部を接続する。送水ホース12の他端部は、送水ポンプ13を介装して水タンク14に接続されている。
圧入管2は筒状に形成されるが、全長に亘り円形で同径であることが好ましい。図5に示すように、圧入管2は、削孔部21と単管部22で構成され、接続されて一体化している。削孔部21の一端部外面にビット24が設けられ、他端部に雄ネジが設けられ、両端部間の中央部側面に吐出口25が設けられている。吐出口25は、例えば圧入管2の軸方向に長い楕円形で外周方向に、例えば3つ、周方向に均等に設けられている。吐出口25の面積の総和は、圧入管2の断面積より大きい。
単管部22の一端部には雌ネジが設けられ、他端部には雄ネジが設けられており、削孔部21の雄ネジと単管部22の雌ネジは螺着され、削孔部21が下方に位置するように圧入管2は圧入管挿通孔11aに挿通される。ここで、削孔する際に圧入管2が地盤中に抵抗なく挿入できるように、ビット24設置箇所の削孔部21外周は単管部22外周より大きいことが望ましい。また、吐出口25の個数は3つに限るものではなく、吐出口25の面積の総和が圧入管2の断面積より大きければよい。
水タンク14から送水ポンプ13によって水を削孔部21に送りながら、ボーリングマシン3を稼働させてビット24で削孔しながら圧入管2を地盤へ挿入する。目標削孔長が最初に圧入管挿通孔11aに挿通させる圧入管2より長い場合は、単管部22と接続管23の接続部が圧入管挿通孔11aの上方まで降りてきた際に、単管部22と接続管23の間に、同じ形状・構造の別の単管部22を継ぎ足すことで圧入管2を延長する。
ビット24によって地盤が削孔されると、削孔された地盤中の土砂と圧入管2より吐出された水とが混ざり合って、泥水として、削孔される孔の外周と圧入管2の外側面の間から地上へ排出される。吐出口25の中心が目標の圧入開始位置に到達するまで、削孔と圧入管2の延長を繰り返す(図2において単管部22の延長は3回)。
図2に示すように、吐出口25の中心が目標の圧入開始位置に到達するまで削孔したところで、送水ポンプ13を停止し、送水ホース12を取り外す。その後、図3に示すように、図示しない揚重機によりボーリングマシン3と圧入管リフト装置6を入れ替え、ホース9を接続管23の端部に接続する。
図3,4に示すように、圧入管リフト装置6によって圧入管2を回転させながら一定速度で連続的に引き上げつつ、改良材生産設備4で作成される低流動性の改良材10を圧入ポンプ5により削孔部21まで圧送し、吐出口25から地盤中へ軸径外向きに圧入する。図4に示すように、吐出口25の中心が目標の圧入終了位置に到達するまで改良材10を圧入する。この引き上げる速度は、目標圧入量、圧入流量、地盤の固さ等により適宜に定めるものである。
次に、接続管23と螺着している単管部22、すなわち最上部の単管部22と、それに接続する単管部22の接続部分が圧入管挿通孔11bの上方に位置したときに、圧入ポンプ5と圧入管リフト装置6を一端停止する。この状態で、最上の単管部22を除去し、圧入管挿通孔11bに挿通されている単管部22に接続管23を接続し、圧入管リフト装置6と圧送ポンプ5を再稼働する。
圧入完了後も、削孔部21の先端が地上に出てくるまで圧入管2の引き上げと単管部22の除去を繰り返す。このように、1本の圧入管2による1回の削孔と引き上げにより改良材10の圧入を完了させることができるので、作業数及び設備数は少なく作業時間及び設備費用を抑制することができる。
また、改良材10を地盤へ圧入している間は、流量圧力監視装置7により、改良材圧送圧力、改良材圧送流量、改良材圧送総量をリアルタイムで計測し、圧入が適切に行われるように管理する。改良材圧送圧力を計測することで圧入中の地盤の変化を間接的に監視することができるので、周辺地盤の隆起を未然に防止することができる。一方、改良材圧送流量、改良材圧送総量を計測することで目標圧入量に対して確認しながら改良材10の圧入量を管理することができる。
図5、6に示すように、削孔部21の内部には、頂点が軸方向上側に位置するような略円錐状の分岐部26が形成され、分岐部26の底面に連続して下側に円柱状の閉塞部27が形成されている。吐出口25は分岐部26の底面より軸方向上側に設けられている。したがって、削孔部21まで圧送される改良材10は、分岐部26の形状に沿って吐出口25から地盤中に軸径外向きに圧入される。
このように、圧入管2を地盤中へ鉛直に挿入して改良材10を水平方向に圧入する場合、土中応力の最も小さい方向に対して圧入するため、改良材10は軸径外向きに大きく広がるので、有効断面積の大きな改良体を成形することができる。また、これに伴って、効率的に地盤の水平応力を増加することができる。ここで、圧入前から圧入完了後における地盤の状態の変化を図8〜10に示す。
吐出口25の総面積は圧入管面積以上であることが望ましく、さらに最も効果的に圧入するためには1.5〜4倍程度であることが望ましい。この場合、改良材10を吐出口25から地盤中へ圧入する圧力は圧入管2内圧力と同程度の2〜8MPa程度となるため、効果的に改良材10が地盤中へ静的に圧入されるとともに、地盤が軸径外向きに押し広げられる。また、吐出口25が増えることによる圧入管2の強度低下も防止することが可能となる。ここで、吐出口25の総面積が圧入管2面積の6倍以上になると、圧入圧力が小さくなり地盤を押し広げるのが困難となる。一方、吐出口25の総面積を圧入管2面積よりも小さくした場合、改良材10が吐出口25で閉塞して圧入不能となったり、圧入圧力が必要以上に大きくなることによる改良材10の噴出が発生し、脈状に逸走したり地盤を破壊したりし易くなる。また、圧入圧力が必要以上に大きくなった場合、圧入管2の閉塞原因となる材料分離も起こしやすくなる。
また、圧入管2を連続的に引き上げながら改良材10を圧入するので、圧入管2の除去間隔である一本の単管部22長分、軸方向に連続して圧入される。このため、軸方向に連続した改良体を形成することができ、地震等の揺れに有利な改良体を造成することが可能である。単管部22について特に規定は設けないが、直径が5〜10cmで長さが1〜3m程度の規格が適切である。
また、改良材10は低流動性であることが望ましい。ここで低流動性とは、対象地盤より硬く、改良材10が圧入されて圧入管周囲の対象地盤を押し広げることができる程度の改良材10の硬さをいう。スランプ値が5cm以下である超低流動性であれば、軟弱地盤や砂れき層であっても改良材10で割裂脈を形成したり地盤を破壊することなく、地盤を押し広げて密度を増加させることができる。
上述した方法で、改良体を所定の間隔で複数個造成することにより、改良体間の地盤において各改良体の造成による地盤の締固めが干渉するので、改良体間における地盤の密度と強度が増大する。ここで、改良体を複数箇所形成する方法は、改良体を1箇所ずつ順次に形成しても複数箇所同時に行ってもよく、工程の進捗状況や工費に応じて適宜に適用すればよい。工程を短くする必要がある場合は、設備を増設して複数箇所同時に改良体を造成するのが有効である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態1以外の圧入方法について説明する。したがって、圧入方法以外は実施の形態1と同様に行うこととする。
改良材生産設備4で作成された改良材10を圧入ポンプ5により削孔部21まで圧送すると同時に、静止状態で改良材10を地盤中へ複数の軸径外向きに圧入し、目標圧入量圧入すると、圧入管2を目標長引き上げる。この作業を吐出口25の中心が目標の圧入終了位置に到達するまで繰り返す。目標圧入量は目標の改良体体積と圧入管2を引き上げる目標長により算出される。
このように、目標の圧入開始位置から圧入終了位置まで、圧入段階を分けることにより、圧入範囲を軸方向全長に亘り確認しながら圧入することができるので、軸方向に連続した改良体の有効断面を均一に形成することができる。また、この方法においては、一定間隔は通常30cm程度である。したがって、約30cm毎に、地盤中に圧入される改良材10の圧入量を確認するので、目標圧入量との誤差を低減することができる。さらに、軸径方向外向きに圧入するので、目標長間で改良体にくびれが生じ有効断面が小さくなることもない。
また、実施の形態において、吐出口25の形状を楕円形で説明したがこれに限るものではない。さらに、突出口25は同一形状で、同一断面上に均等に配置されていると、圧入管2が周辺地盤から受ける反力は打ち消し合うので、圧入管2が変形する危険性がない。したがって、この設定が望ましいが、これに限るものではない。
また、ビット24の形状・大きさ・設置個数・設置箇所は上記の場合に限るものではなく、対象地盤等の諸条件により適宜に設定を変更することができる。
改良材の静的な圧入による地盤改良方法における挿入工程施工状況図を表す。 改良材の静的な圧入による地盤改良方法における挿入工程完了状況図を表す。 改良材の静的な圧入による地盤改良方法における圧入工程施工状況図を表す。 改良材の静的な圧入による地盤改良方法における圧入工程完了状況図を表す。 圧入中の圧入管下端部における縦断面図を表す。 圧入中の圧入管下端部におけるA−A断面図を表す。 従来技術の圧入中の圧入管下端部における縦断面図を表す。 圧入前の地盤の状態図を表す。 圧入中の地盤の状態図を表す。 圧入完了後の地盤の状態図を表す。
符号の説明
1a……圧入管挿入装置
1b……圧入装置
2………圧入管
3………ボーリングマシン
4………改良材生産設備
5………圧入ポンプ
6………圧入管リフト装置
7………流量圧力監視装置
8、9…ホース
10……改良材
11a…圧入管挿通孔(ボーリングマシン)
11b…圧入管挿通孔(圧入管リフト装置)
12……送水ホース
13……送水ポンプ
14……水タンク
21……削孔部
22……単管部
23……接続管
24……ビット
25……吐出口
26……分岐部
27……閉塞部

Claims (6)

  1. 改良材を静的に圧入する方法であって、
    圧入管を地盤中に目標圧入開始位置まで挿入する挿入工程と
    前記圧入管の前記地盤側の先端部へ前記改良材を供給し、前記改良材を前記圧入管より前記地盤中へ複数の軸径外向きに圧入する圧入工程と
    前記圧入管を引き上げる引き上げ工程と
    を有し、
    前記圧入管の前記地盤側の先端部の側面に設けられ、前記圧入管断面積以上の総面積を有する吐出口より前記改良材を流出させ、前記圧入管周囲の前記地盤を押し広げて締め固めることを特徴とする地盤改良方法。
  2. 前記圧入工程と前記引き上げ工程とを同時に連続的に行うことを特徴とする請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記圧入工程と前記引き上げ工程とを交互に所定回数繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の地盤改良方法。
  4. 前記改良材を前記地盤中へ圧入している間、前記圧入管を軸の周方向に回転させる回転工程を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の地盤改良方法。
  5. 前記改良材のスランプ値は5cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の地盤改良方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の地盤改良方法を複数箇所で行うことにより、前記地盤改良方法により前記地盤中に圧入された前記改良材が硬化して形成された改良体の間の前記地盤を圧縮することを特徴とする地盤改良方法。
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