JP5549394B2 - 粒度分布測定装置 - Google Patents
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Description
粒度分布測定装置201は、被測定物(媒液Lと被測定粒子群Pとの混合物)Sやブランク(媒液Lのみ)B等が収容されたセル30が配置されるセル配置部31と、セル30に対してレーザ光を照射する照射光学系40と、光強度分布を検出する検出光学系50と、データサンプリング回路60と、粒度分布測定装置201全体を制御するコンピュータ(制御部)270とを備える。
ここでは、被測定粒子群Pを媒液L中に分散させた被測定物Sと、媒液LのみであるブランクBとを測定することにより、被測定粒子群Pの粒度分布を算出するものとする。なお、媒液Lの屈折率は既知であるものを使用している。
そして、セル配置部31には、測定者によって被測定物Sが収容されたセル30或いはブランクBが収容されたセル30のいずれか一方が配置されるようになっている。
このような照射光学系40の構成において、レーザ光源41で発生されたレーザ光は、集光レンズ42、空間フィルタ43、コリメータ44を通過して平行光とされ、前方向(図の左から右へ)に向かうようにセル30に照射される。
これにより、セル配置部31に配置されたセル30の内部に被測定物Sが収容されていれば、レーザ光は、セル30の内部の被測定粒子群Pで回折・散乱して、空間的に回折・散乱光の光強度分布パターンが生じることになる。
リングディテクタ52は、互いに異なる半径を持つリング状ないしは半リング状の受光面を持つ複数(例えば、64個)の光検出素子を、集光レンズ51の光軸を中心とするように同心円状に配置してあり、各光検出素子には、それぞれの位置に応じた回折・散乱角度を持つ光が入射するようにしてある。したがって、各光検出素子の出力信号は、各回折・散乱角度ごとの光の強度を表すことになる。
このような検出光学系50の構成において、前方向に対して60°以内の回折・散乱光は、集光レンズ51を介してリングディテクタ52の受光面上に集光されて、リング状の回折・散乱像を結ぶようになる。
さらに、前方向に対して60°を越えることになる後方(後下方向)への散乱光は、複数の後方散乱光センサ54によって検出される。
後方散乱光センサ54は、複数(例えば、5個)の光検出素子を、左から右へ一直線状に並ぶように配置してあり、各光検出素子には、それぞれの位置に応じた回折・散乱角度を持つ光が入射するようにしてある。したがって、各光検出素子の出力信号は、各回折・散乱角度ごとの光の強度を表すことになる。
リングディテクタ52、側方散乱光センサ53及び後方散乱光センサ54の各光センサの出力信号は、アンプ、マルチプレクサ及びA−D変換器からなるデータサンプリング回路60によって順次デジタル化され、回折・散乱光の光強度分布データとして汎用のコンピュータ270に送信される。
CPU280が処理する機能をブロック化して説明すると、被測定物Sを測定する被測定物測定部281と、ブランクBを測定するブランク測定部282と、被測定粒子群Pの粒度分布を算出する算出部283とを有する。
また、メモリ90には、光強度分布データを記憶するための光強度分布記憶領域91と、粒子及び水(媒液L)の屈折率や、フラウンホーファ回折理論やミーの散乱理論に基づいた公知の演算式等を記憶するデータ記憶領域92とを有する。
このような粒度分布測定装置201によれば、良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出することができないと測定者が判断したときに、レーザ光の出力光強度を強くして測定することにより、光強度データの数値を大きくすることができる。これにより、出力信号のS/Nが向上するので、被測定粒子群Pの粒度分布を高精度に算出することができる。なお、図6(a)は、レーザ光の出力光強度が0.2mWであるときの被測定物Sの光強度分布データの一例を示す図であり、図6(b)は、レーザ光の出力光強度が0.6mWであるときの被測定物Sの光強度分布データの一例を示す図である。縦軸は光強度であり、横軸は光検出素子の素子番号である。なお、縦軸の光強度は、リングディテクタ52、側方散乱光センサ53及び後方散乱光センサ54の各光センサにおける光検出素子で検出可能となる光強度の最大値を100%としている。
しかしながら、測定前に、被測定物Sが低濃度の被測定粒子群Pを含むものであるか、或いは、粒子径が小さいものからなる被測定粒子群Pを含むものであるかを判断することができない場合には、一度、被測定粒子群Pの粒度分布を算出し、これが良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出できていないことが判明すると、再びレーザ光の出力光強度を切り換えて、ブランクBと被測定物Sとを測定していた。つまり、一度ブランクBを測定し、次いで被測定物Sを測定した後、再び、ブランクBと被測定物Sとをそれぞれ測定しなければならず、手間と時間がかかっていた。
そこで、本発明は、最適な出力光強度の測定光を照射して得られた光強度分布を用いて、被測定物に含まれる被測定粒子群の粒度分布を算出することのできる粒度分布測定装置を提供することを目的とする。
また、「媒体」としては、内部で被測定粒子群を保持できるものであればよく、例えば、水や油等の液体や、ゲル、固体等が挙げられる。
その後、算出部は、被測定物Sを測定して得られた光強度分布に基づいて、被測定物Sに含まれる被測定粒子群Pの粒度分布を算出する。
その後、算出部は、被測定物Sを測定して得られた光強度分布に基づいて、被測定物Sに含まれる被測定粒子群Pの粒度分布を算出する。
なお、再測定しても良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出することができなかったと判断すると、測定光の出力光強度をさらに次の段階となるように入力して被測定物Sを測定していくことになる。
また、本発明の粒度分布測定装置においては、前記被測定物測定部は前記測定光の出力光強度を最小の段階から一段づつ大きくしながら前記測定光を被測定物に照射して光強度分布を測定するとともに、前記算出部は、前記検出器の各光検出素子の光強度の内の少なくとも1個の光強度が閾値以上であるかどうか判断し、その判断が肯定されたときの光強度分布に基づいて、前記被測定物に含まれる被測定粒子群の粒度分布を算出するようにしてもよい。
また、本発明の粒度分布測定装置においては、前記被測定物測定部は、前記測定光の出力光強度を複数の段階に切り換えながら、前記被測定物に照射する測定光の出力光強度と同じ段階の出力光強度の測定光をブランクに照射して得られた光強度分布をバックグラウンドとして、各段階の出力光強度の測定光を被測定物に照射することによりそれぞれ発生する光強度分布を検出器で検出して記憶させ、前記算出部は、各段階の出力光強度の測定光を被測定物に照射することにより記憶された光強度分布と閾値とに基づいて、前記被測定物に含まれる被測定粒子群の粒度分布を算出するようにしてもよい。
図1は、本発明の一実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。なお、粒度分布測定装置201と同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態は、被測定粒子群Pを媒液L中に分散させた被測定物Sと、媒液LのみであるブランクBとを測定することにより、被測定粒子群Pの粒度分布を算出するものである。また、媒液Lの屈折率は既知であるものを使用している。
このような照射光学系40の構成において、レーザ光源41で発生されたレーザ光は、集光レンズ42、空間フィルタ43、コリメータ44を通過して平行光とされ、前方向(図の左から右へ)に向かうようにセル30に照射される。
レーザ光源41は、測定光の出力光強度を複数の段階に切り換えることがフィルタや電気的に調整する方法等を用いて可能となっている。具体的には、測定光の出力光強度を0.2mWから2.0mWまで0.2mW毎に10段階に切り換えることが可能となっている。
CPU80が処理する機能をブロック化して説明すると、被測定物Sを測定する被測定物測定部81と、ブランクBを測定するブランク測定部82と、被測定粒子群Pの粒度分布を算出する算出部83とを有する。
具体的には、ブランク測定部は、測定光の出力光強度を0.2mW(第一段階)となるようにして、レーザ光源41からの測定光をブランクBに照射することにより発生する光強度分布データ(第一段階のバックグラウンド)を検出光学系50で検出して記憶させた後、測定光の出力光強度を0.4mW(第二段階)となるようにして、レーザ光源41からの測定光をブランクBに照射することにより発生する光強度分布データ(第二段階のバックグラウンド)を検出光学系50で検出して記憶させるように、測定光の出力光強度を0.2mWから2.0mWまで0.2mW毎に10段階に切り換えながら、レーザ光源41からの測定光をブランクBに照射することにより発生する光強度分布データ(バックグラウンド)を検出光学系50で検出して記憶させていく。つまり、光強度分布記憶領域91に10種類の光強度分布データ(バックグラウンド)が記憶されることになる。
具体的には、被測定物測定部81が、0.2mW(第一段階)の出力光強度の測定光を被測定物Sに照射して、光強度分布データを得るのであれば、0.2mW(第一段階)の出力光強度の測定光をブランクBに照射して得られた光強度分布データをバックグラウンドとして、光強度分布データを取得することになる(図6(a)参照)。
一方、被測定物測定部81が、0.6mW(第三段階)の出力光強度の測定光を被測定物Sに照射して、光強度分布データを得るのであれば、0.6mW(第三段階)の出力光強度の測定光をブランクBに照射して得られた光強度分布データをバックグラウンドとして、光強度分布データを取得することになる(図6(b)参照)。
まず、ステップS101の処理において、測定者は、セル30にブランクBを収容して、セル30をセル配置部31に配置する。
次に、ステップS102の処理において、測定者は、ブランクBを測定するように入力装置72で入力する。
次に、ステップS104の処理において、測定者は、セル30をセル配置部31から取り出し、セル30の内部からブランクBを捨てた後、セル30に被測定物Sを収容して、セル30をセル配置部31に配置する。
次に、ステップS105の処理において、測定者は、被測定物Sを測定するように入力装置72で入力する。
次に、ステップS107の処理において、被測定物測定部81は、被測定物Sが収容されたセル30に、測定光の出力光強度を、入力された段階に切り換えて、照射光学系40からのレーザ光を照射するとともに、被測定物Sに照射する測定光の出力光強度と同じ段階の出力光強度の測定光をブランクBに照射して得られた光強度分布をバックグラウンドとして、リングディテクタ52、側方散乱光センサ53及び後方散乱光センサ54からの光強度分布データを取得して、光強度分布記憶領域91に記憶させる。
次に、ステップS108の処理において、算出部82は、被測定物Sを測定して得られた光強度分布データを用いて、被測定物Sに含まれる被測定粒子群Pの粒度分布を算出する。
一方、良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出することができていないと判断したときには、ステップS106の処理に戻る。つまり、良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出することができたと判断するまで、ステップS106の処理からステップS108の処理までを繰り返すことになる。
図3は、本発明の他の一実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。なお、粒度分布測定装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態は、上述した実施形態1と異なり、測定者が、良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出することができたか否かを判断せずに、算出部183が、自動的に良好な出力信号のS/Nのもとに被測定粒子群Pの粒度分布を算出するようになっている。
粒度分布測定装置101は、被測定物(媒液Lと被測定粒子群Pとの混合物)Sやブランク(媒液Lのみ)B等が収容されたセル30が配置されるセル配置部31と、セル30に対してレーザ光を照射する照射光学系40と、光強度分布を検出する検出光学系50と、データサンプリング回路60と、粒度分布測定装置101全体を制御するコンピュータ(制御部)170とを備える。
CPU180が処理する機能をブロック化して説明すると、被測定物Sを測定する被測定物測定部181と、ブランクBを測定するブランク測定部82と、被測定粒子群Pの粒度分布を算出する算出部183とを有する。
具体的には、被測定物測定部181が、測定光の出力光強度を0.2mW(第一段階)となるようにして、0.2mW(第一段階)の出力光強度の測定光を被測定物Sに照射して、光強度分布データを得る際に、0.2mW(第一段階)の出力光強度の測定光をブランクBに照射して得られた光強度分布データをバックグラウンドとして、光強度分布データを検出光学系50で検出して記憶させた後、測定光の出力光強度を0.4mW(第二段階)となるようにして、0.4mW(第二段階)の出力光強度の測定光を被測定物Sに照射して、光強度分布データを得る際に、0.4mW(第二段階)の出力光強度の測定光をブランクBに照射して得られた光強度分布データをバックグラウンドとして、光強度分布データを検出光学系50で検出して記憶させるように、測定光の出力光強度を0.2mWから2.0mWまで0.2mW毎に10段階に切り換えながら、レーザ光源41からの測定光を被測定物Sに照射することにより発生する光強度分布データを検出光学系50で検出して記憶させていく。つまり、光強度分布記憶領域91に10種類の光強度分布データが記憶されることになる。
具体的には、0.2mW(第一段階)の出力光強度の測定光を被測定物Sに照射して得られた光強度分布データにおける光強度の最大値(図7(a)では、光検出素子の素子番号59の光強度)を算出した後、その光強度が閾値(50%)以上となるか否かを判定する。光強度が閾値(50%)以上であれば、その光強度分布データに基づいて、被測定物Sに含まれる被測定粒子群Pの粒度分布を算出する。一方、光強度が閾値(50%)未満であれば、0.4mW(第二段階)の出力光強度の測定光を被測定物Sに照射して得られた光強度分布データにおける光強度の最大値を算出した後、その光強度が閾値(50%)以上となるか否かを判定する。光強度が閾値(50%)以上であれば、その光強度分布データに基づいて、被測定物Sに含まれる被測定粒子群Pの粒度分布を算出するというように、光強度の最大値が閾値(50%)以上となる光強度分布データに基づいて、被測定物Sに含まれる被測定粒子群Pの粒度分布を算出する。
ステップS201の処理〜ステップS205の処理は、ステップS101の処理〜ステップS105の処理と同様であり、説明を省略する。
次に、ステップS207の処理において、出力光強度パラメータn=1とする。
次に、ステップS208の処理において、算出部183は、第n段階の出力光強度の測定光をブランクBに照射して得られた光強度分布データに基づいて、光強度の最大値を算出する。
一方、光強度が閾値(50%)未満であると判定したときには、ステップS211の処理において、n=n+1として、ステップS208の処理に戻る(図7(a)参照)。つまり、光強度が閾値(50%)以上であると判定するまで、ステップS208の処理からステップS211の処理までを繰り返すことになる。
なお、上述の「閾値」とは設計者等によって予め決められた任意の数値である。また、実施形態2では光強度の最大値を閾値と比較したが、比較対象はそれに限られることはなく、検出器の各光検出素子の光強度の内の予め決められた光検出素子の光強度と閾値とを比較してもよく、また、検出器の各光検出素子の光強度を合計した合計値と閾値とを比較してもよい。
30 セル
31 セル配置部
41 レーザ光源
52〜54 検出器
81 被測定物測定部
82 ブランク測定部
83 算出部
Claims (2)
- 測定光を出射する光源と、
光強度分布を検出する検出器と、
前記光源と検出器との間に、媒体と被測定粒子群とを含む被測定物、又は、媒体を含むブランクが収容されたセルが配置されるセル配置部と、
前記光源からの測定光をブランクに照射することにより発生する光強度分布を前記検出器で検出して記憶させるブランク測定部と、
前記ブランクを測定して得られた光強度分布をバックグラウンドとして、前記光源からの測定光を被測定物に照射することにより発生する光強度分布を前記検出器で検出して記憶させる被測定物測定部と、
前記被測定物を測定して得られた光強度分布に基づいて、前記被測定物に含まれる被測定粒子群の粒度分布を算出する算出部とを備える粒度分布測定装置であって、
前記光源は、前記測定光の出力光強度を複数の段階に切り換えることが可能となっており、
前記ブランク測定部は、前記測定光の出力光強度を複数の段階に切り換えながら、各段階の出力光強度の測定光をブランクに照射することによりそれぞれ発生する光強度分布を前記検出器で検出したうえで、それぞれの光強度分布を記憶させ、
前記被測定物測定部は、ある段階の出力光強度の測定光を被測定物に照射して光強度分布を前記検出器で検出するとともに、この出力光強度と同じ段階の出力光強度の測定光をブランクに照射して得られた光強度分布をバックグラウンドとして差し引くことで、被測定物の光強度分布とすることを特徴とする粒度分布測定装置。 - 前記被測定物測定部は前記測定光の出力光強度を最小の段階から一段づつ大きくしながら前記測定光を被測定物に照射して光強度分布を測定するとともに、
前記算出部は、前記検出器の各光検出素子の光強度の内の少なくとも1個の光強度が閾値以上であるかどうか判断し、その判断が肯定されたときの光強度分布に基づいて、前記被測定物に含まれる被測定粒子群の粒度分布を算出することを特徴とする請求項1に記載の粒度分布測定装置。
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