JP5549128B2 - 画素クロック生成装置、画像形成装置、画素クロック生成方法、画像形成方法 - Google Patents

画素クロック生成装置、画像形成装置、画素クロック生成方法、画像形成方法 Download PDF

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本発明は、画素クロック生成装置及び画像形成装置等に関し、特に、レーザプリンタ、デジタル複写機などの画像形成装置で使用する画素クロック生成装置、画像形成装置、画素クロック生成方法及び画像形成方法に関する。
図28は、従来の画像形成装置の概略構成図である。図28に示す画像形成装置は例えば、レーザプリンタ、デジタル複写機等である。図28に示すように、半導体レーザユニット1009から照射されたレーザ光は、回転するポリゴンミラー1003によりスキャンされ、走査レンズ1002を介して被走査媒体である感光体1001上に光スポットを形成し、感光体1001を露光させて静電潜像を形成する。このとき、ライン毎に、フォトディテクタ1004が走査ビームを検出する。
位相同期回路1006は、クロック生成回路1005からのクロックの供給を受け、フォトディテクタ1004の出力信号に基づいて、1ライン毎に、位相同期のとれた画像クロック(画素クロック)を生成して、画像処理ユニット1007とレーザ駆動回路1008へ供給する。また、半導体レーザユニット1009は、画像処理ユニット1007により生成された画像データと位相同期回路1006により1ライン毎に位相が設定された画像クロックに従い、半導体レーザの発光時間をコントロールすることにより、感光体1001上の静電潜像の形成をコントロールする。
このような走査光学系において、走査速度のムラは画像の揺らぎとなり画像品質の劣化を招く。特にカラー画像においては、各色の主走査でドットの位置ずれが生じるため色ずれを生じ、色再現性の劣化、解像度の劣化を招く。従って高品位の画質を得るためには走査速度ムラの補正は不可欠である。
この走査速度ムラ(誤差)は大別すると以下のものが挙げられる。それぞれについて主な要因を述べる。
(1)ポリゴンミラーの面毎(走査ライン毎)の誤差(以下、「面毎の誤差」と称する)
この走査速度ムラを引き起こす要因は、ポリゴンミラー等の偏向器の偏向反射面の回転軸からの距離のばらつき、すなわちポリゴンミラーの偏芯や、ポリゴンミラーの各面の面精度などである。この種の誤差は数ライン、例えばポリゴンミラーの面数分のライン数の周期性を持った誤差となる。
(2)走査平均速度変動による誤差
走査平均速度とはポリゴンミラーの各面の走査速度の平均を示し、このような走査速度ムラを引き起こす要因としては、ポリゴンミラーの回転速度の変動や、温度、湿度や振動等の種々の環境変動による走査光学系の変動によるものがある。また温度変動等により光源である半導体レーザの発振波長が変化するため走査光学系の色収差により走査速度が変動するものなどがある。この種の誤差は比較的緩やかな変動となる。
(3)光源毎の誤差
例えば半導体レーザアレイ等の複数の光源を備え、共通の走査光学系で複数の光ビームを同時に走査するマルチビーム光学系の場合に生じる走査速度ムラである。この主な要因としては、各光源の発振波長に差があり、走査光学系の色収差により走査速度が変動することが挙げられる。なお発振波長の変動は光源毎に異なるので、(2)の誤差は光源毎に異なることもある。また複数の光源の組み付け精度によっても複数ビームの走査速度に差を生じる。
(4)走査光学系毎の誤差
複数の感光体・走査光学系を備えて多色対応とした画像形成装置の場合には、各走査光学系の走査速度差が、画像品質に大きく影響する。この主な要因は、走査光学系の各部品の製造精度や組付け精度、経時変化などによる変形などがある。また、光源も異なるので前述の(3)の誤差も生じる。この誤差は、走査平均速度そのものが異なり、さらに上記誤差(1)、(2)が個別に生じる。なお、画像形成装置の中には走査光学系の一部ユニットを共通に用いるものもあるが、それぞれの光源から被走査媒体(感光体)への光路は異なるので、これも(4)の誤差に含まれる。
これらの走査速度の誤差を補正する方法として、画素クロックの周波数を走査速度に応じて変化させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。これは、走査の開始から終了までの画素クロックのカウント数が所定値になるよう、画素クロックを発生させる発振器の周波数を制御(いわゆるPLL(Phase Locked Loop)制御)するものである。
しかしながら、従来のような画素クロック周波数の制御方法では次のような問題があった。すなわち、位相比較を行う基準クロックの周波数が1ラインの周波数であるので、発振する画素クロックに対して極めて低く(数千〜数万分の1)、充分なPLLのオープンループゲインが確保できず、充分な制御精度を得ることができない。
また、外乱にも弱くクロック周波数が変動してしまい精度の良いクロックが生成できない。さらには、特許文献1のようにして面毎の誤差を補正する場合は、1走査毎に発振器であるVCOの制御電圧を変化させるため、クロック周波数が安定して発振するまでに時間を要してしまう。
また、走査速度の誤差を補正する別の方法として、生成した高周波クロックを基に画素クロックの位相制御を行う方法がある(例えば特許文献2参照。)。これは走査の開始から終了までの高周波クロックのカウント数が所定値になるよう画素クロックの位相を制御するものである。
この高周波クロックは例えば水晶発振器のような精度のよいクロックを基準クロックとして生成できるので、精度のよいクロックが得られ、これを基準に画素クロックの位相制御を行うので、画素クロックの制御精度もよいものが生成できる。
しかしながら、画素クロックの位相制御を適宜行うことにより、走査速度の誤差を補正しているため、この1走査ライン分の位相制御データを生成する必要があり、さらに画素クロックの位相変化による局所的な偏差を低減するためには、すなわち高精度な画素クロックを生成するためには、高分解能な位相制御を行う必要があるので位相制御データが増大する。
よって、この位相制御データを高速かつ高精度に生成することは容易ではなく、リアルタイム制御を行うには非常に高速な制御回路が必要となり容易に実現できるものではなかった。また、面毎の誤差を補正する装置に適用する場合には、面毎に位相制御データを生成する必要があり、高精度な補正をするためには膨大な位相制御データの生成と格納が必要になり、容易に実現できるものではなかった。
さらに、走査光学系の各ユニットの精度誤差や組付け誤差により、1ラインの走査中にも走査速度の変動が生じる。
(5)非線形性誤差
図29(a)は1ライン中の走査速度の非線形性誤差の一例を示すものである。横軸xは走査ラインの位置であり、縦軸は位置xに対する走査速度V(x)である。一点鎖線Vavgは1ライン中の走査速度の平均値である。このような走査速度変動を生じた時、一定速度で走査した理想値からのずれΔは図29(b)のようになる。ずれΔは、ドット位置ずれを意味し、画像劣化を招く。なお、図29において位置X2からX1の方向に走査する場合は、理想値からのずれΔは点線のようになる。従って、特にこのように走査中心に対して非対称な位置ずれを生じる走査光学系において走査を双方向に行う場合、色ずれが大きくなり、画像劣化は重大となる。さらに、ポリゴンミラーの各面の面精度により、この非線形性誤差の誤差量及び分布は面毎に異なることもある。また、この誤差は走査光学系毎にも異なる。
このような走査速度の非線形性誤差を補正する方法として、走査ライン中の位置に対応して画素クロックの周波数を変調し補正する方法がある(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、画素クロックの中心周波数の生成が従来と同様のため、前述したように精度よいクロックが生成できず、十分な補正ができないため、高画質化の要求に対しては不十分であった。
これらの問題を解決するものとして、上記(1)〜(5)による走査速度の誤差および非線形性誤差が生じても高精度に補正できる画素クロックを生成する技術がある(例えば特許文献4参照。)。
しかしながら、特許文献4に開示された従来の技術においては、走査速度を検出するため走査ライン内に2つの走査ビーム検出器(例えば走査開始点と終了点に2つのフォトディテクタ)を配置し、この2点間をレーザ光が走査する時間間隔を計測し、この計測結果から走査速度の誤差を補正している。
このため装置の低コスト化が困難となるという課題がある。また、走査光学系の小型化のため走査ビーム検出器が複数配置できない場合などに適用できないため、走査ビーム検出器を複数配置できない場合に走査速度の誤差を高精度に補正できないという課題が残る。また、特許文献4以外の従来の技術においてはリアルタイム制御が困難であったり、制御精度が十分でないため、ポリゴンミラーの回転変動などの高速に変動する走査速度誤差を補正することが困難であった。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、走査ビーム検出器が複数配置できない場合でも、走査速度の誤差を高精度に補正できる画素クロック生成装置、画像形成装置、画素クロック生成方法及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、ポリゴンミラーで偏向された光を、レンズを通過させて走査する走査光学系と、周期的に入力される1つの同期信号の時間間隔と、前記レンズを含む前記走査光学系の角速度-線速度変換効率の変換誤差が走査速度に与える速度誤差に基づき決定される目標値との誤差を出力する比較手段と、前記誤差に従って演算した画素クロック周波数の設定値に基づき、前記画素クロック周波数を指定する周波数指定信号を出力する周波数演算手段と、前記周波数指定信号に基づいて、前記画素クロック周波数の画素クロックを生成する画素クロック生成手段と、を有することを特徴とする画素クロック生成装置を提供する。
走査ビーム検出器が複数配置できない場合でも、走査速度の誤差を高精度に補正できる画素クロック生成装置、画像形成装置、画素クロック生成方法及び画像形成方法を提供することができる。
第1の実施形態としての画像形成装置の全体構成図の一例である。 走査速度の誤差(1)〜(4)の補正方法の概略を説明するための図の一例である。 画素クロック生成部のブロック図の一例である(第1の実施形態)。 比較部の詳細なブロック図の一例である。 比較部の動作説明をするためのタイミング図の一例である。 周波数演算部の詳細構成図の一例である。 実施形態の制御系と等価な制御ブロック図の一例である。 制御系の制御帯域のゲイン係数Kp及びKiを説明する図の一例である。 画素クロック生成部のブロック図の一例である(第2の実施形態)。 周波数変調データFMData(n)の一例を示す図である。 周波数変調データ生成部と周波数変調部のブロック図の一例である。 画素クロック生成部のブロック図の一例である(第3の実施形態)。 高周波クロック生成部で生成する各クロックのタイミングを示す図である。 高周波クロック生成部の構成例を示す図である。 計数部の構成例を示す図である。 画素クロック出力部の構成例を示す図である。 比較部の詳細構成例を示す図である。 画素クロック生成部のブロック図の一例である(第4の実施形態)。 面毎の同期信号SPSYNCの時間間隔Tlineの一例を示す図である。 画素クロック生成部のブロック図の一例である(第5の実施形態)。 オフセット誤差除去部6の構成の一例を示す図である。 画素クロック生成部におけるオフセット誤差除去部の別の構成例を示す図である。 画素クロック生成部におけるオフセット誤差除去部の別の構成例を示す図である。 複数の光源からの出射光を共通の走査光学系を用いて感光体に照射して画像(静電潜像)を形成するマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置の全体構成図の一例を示す図である。 2つのビームで形成されたテストパターンの一例を示す図である。 画像形成装置の概略構成図の一例である(第7の実施形態)。 画像形成装置のハードウェア構成図の一例である。 従来の画像形成装置の概略構成図の一例である。 1ライン中の走査速度の非線形性誤差の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態としての画像形成装置100の全体構成図の一例を示す。画像形成装置100は、半導体レーザ101、コリメータレンズ102、シリンダレンズ103、ポリゴンミラー104、感光体105、fθレンズ106、トロイダルレンズ107、フォトディテクタ(以下、単に「PD」という。)108、ミラー110、画素クロック生成部111、画像処理部112、変調データ生成部113及びレーザ駆動部114を有する。
光源としての半導体レーザ101から出射されたレーザ光はコリメータレンズ102及びシリンダレンズ103を介することで整形され、その後、偏光器としてのポリゴンミラー104に入射することで、周期性を持って感光体105を走査するように反射される。ポリゴンミラー104により反射されたレーザ光は、fθレンズ106により等角速度運動から等速運動に変換され、ミラー110を介して略直角に感光体105に照射され、光スポットを形成する。これにより、感光体105上には、半導体レーザ101の出力に応じた画像(静電潜像)が形成される。
またミラー110の一端にはPD108が配置されており、PD108により1ラインの走査の開始が検出される。すなわち、ポリゴンミラー104により反射されたレーザ光は感光体105を1ライン走査する前にPD108に入射され、PD108は入射されたレーザ光を同期信号SPSYNCに変換し、画素クロック生成部111に供給する。
画素クロック生成部111は、同期信号SPSYNCからレーザ光が1ライン走査される時間間隔を測定する。画素クロック生成部111は、その時間間隔に、予め定められた所定数のクロックが収まるように求められた周波数の画素クロックPCLKを生成し、それを画像処理部112と変調データ生成部113に供給する。画素クロック生成部111の構成については後述する。
PD108の出力信号である同期信号SPSYNCは、ライン同期信号として画像処理部112にも与えられる。画像処理部112は、画素クロックPCLKを基準に画像データを生成する。変調データ生成部113は、画素クロックPCLKを基準として、入力された画像データから変調データを生成し、レーザ駆動部114を介して半導体レーザ101を駆動する。
〔走査速度の誤差(1)〜(5)の補正方法の概略〕
図2は、本実施形態における、前述した走査速度の誤差(1)〜(4)の補正方法の概略を説明するための図の一例である。図2において図1と同一部には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図2では、ポリゴンミラー104は6面の反射面を持つものとして説明するが、本実施形態の画像形成装置100は、面数に拘わらず走査速度の誤差を補正できる。これまで説明した走査速度は、被走査面(例えば感光体)上での線速度νである。線速度νの誤差を要因別に分けると、偏向器(ポリゴンミラー104)による走査角速度ωの誤差と、fθレンズなど走査光学系による角速度-線速度変換効率αの誤差とに分けられる。
図2においては走査光学系の図示は省略し、点線枠でこの角速度-線速度変換が行われているものとする。被走査面に形成される画像領域は幅Lxで、先端位置はPD108からXoの距離にあるとする。走査ビームがPD108を通過する走査位相角を0度としたとき、位相角θo[度]のとき画像領域の先端位置に、位相角θo+θ[度]のとき画像領域の後端位置に走査ビームがある。θは走査位相角を示す。
ポリゴンミラー104が理想的に製造されているならば、ポリゴンミラー104が6面であることから、φ=360度/6=60度となった時に、走査位相角は0度に戻る。なお、αの定義から、Xo=αθo、Lx=αθの関係がある。
図2(b)は、時間軸における周期等を例示する図である。同期信号SPSYNCの周期Tlineはポリゴンミラー104の回転周期の1/6であり、一定となるように回転制御がなされている。
PD108がSPSYNCを検出した時刻をt0、走査ビームが画像領域の先端位置にある時刻をt1、後端位置にある時刻をt2とすると、
θo=ω・(t1-t0)、
θ=ω・(t2-t1)
となる。「ω」は、ポリゴンミラー104の角速度〔rad/sec〕である。
なお、時刻t0,t1,t2は1ライン中の相対的な時間を示し、本実施形態では毎ラインとも同一の記号を用いるものとする。また、画素クロックPCLKの1周期(Tpとする)で1ドットの画素が形成されるので、画像領域がNxドットの幅(長さ)だとすると、
t2-t1=Nx・Tp
となる。
また、ライン周期Tlineをドット数Nに換算すると、N=Nx・(60/θ)である。このNを後述する基準値Nrefと称する。
角速度ωの誤差はポリゴンミラー104の回転速度の変動や、前述の誤差(1)に示したようなポリゴンミラー104の面毎の誤差などにより生じる。変換効率αの誤差は走査光学系の各部品の製造精度や組付け精度による誤差、温度・湿度や振動等の種々の環境変動による走査光学系の変動によるもの、各光源の発振波長差に起因する走査光学系の色収差による誤差、などが含まれる。このため変換効率αの誤差は装置の製造時から固定であったり、変動があるとしてもその変動は角速度ωの誤差変動に比べ十分緩やかな変動となる。
そこで、本実施形態では、走査ライン上に配置したPD108から出力される同期信号SPSYNCの周期(ライン周期)の変動を検知することにより角速度ωの誤差変動を検知する。そして、この角速度ωの変動に応じて画素クロック周期(周波数)を制御することにより、画像領域の位置ずれが生じないようにする。すなわちライン周期Tlineのドット数換算値Nrefを基準値として、Tline=Nref・Tpが常に成り立つように画素クロック周期Tpを制御すればよい。
また、変換効率αの誤差は画像形成中に殆ど変動しないため、印刷前に予め取得しておく。変換効率αの誤差を取得する方法として、以下のような方法が広く知られている。一般にタンデム方式のカラー画像形成装置100では、各色に対応した感光体で形成された画像は中間転写ベルトと呼ばれる転写体に転写される。
図2(c)はこの転写体を上方から図示したものである。間転写体は紙面の上方向(複素走査方向)に移動している。印刷前に図示したようなテストパターン116a、116b、117a、117bを形成し、これを主走査方向に複数(例えば2つ)配置したセンサ115a,115bで読み取る。テストパターン116a、116bが通過してからテストパターン117a、117bが通過するまでの時間と、転写体の進行する線速度から距離y1を求めることができる。
テストパターンには様々な形態が提案されているが、例えば図示したように、主走査方向と平行な直線のテストパターン116a,116bと、主走査方向と45度の角をなす直線のテストパターン117a,117bを一対のパターンとして説明する。センサ115a,115bは、それぞれ画像領域の先端・後端位置に配置されているものとする。
各走査開始時刻t1に(おおよそ画像領域先端位置に)1対のテストパターンを書き込んだ場合、センサ115aで検出されるパターン間距離y1が基準値(取るべき値)と一致していれば、先端位置を示す時刻t1は適正である。PD108の組み付け誤差や位置変動、前述の変換効率αの誤差等が生じると、例えばテストパターンは117cのように主走査方向に位置がずれるため、パターン間距離y1に誤差Δy1が生じる。
テストパターン117は主走査方向と45度の角をなしているので、主走査方向にも同量の誤差Δx1(=Δy1)が生じていることになる。よって、これに相当する時間分だけ先端位置を示す時刻t1を補正すれば、適正位置に先端位置を合わす事ができる。
同様にして、後端位置を示す時刻t2に1対のテストパターン116b、117bを書き込み、センサ115bで検出されるパターン間距離の基準値(取るべき値)からの誤差により主走査方向の誤差Δx2を検出できる。ここで、2つの誤差の差分「Δx2-Δx1」が画像領域幅Lxの誤差であり、走査速度νの誤差によって生じた主走査全体倍率誤差と呼ばれるものである。
角速度ωの誤差変動が補正されている状態で検出されたこの主走査全体倍率誤差が変換効率αの誤差に相当することになるので、(すなわち一定の位相角θに対応する被走査面での距離の変動は変換効率αの誤差によるものであるので)、変換効率αの誤差をこのようにして予め取得できる。なお、テストパターン対を複数形成し、検出した誤差を平均することにより、センサでの読み取り誤差などのバラツキを抑えることができる。
ここで取得した変換効率αの誤差を前述の基準値Nrefに反映し、これに基づき同期信号SPSYNCから画素クロック周波数を常時制御することにより、様々な要因の走査速度の誤差を補正できる。つまり、本発明の課題である走査ライン内に配置される1つの走査ビーム検出器(PD108)から生成される1つの同期信号SPSYNCだけでも走査速度の誤差を高精度に補正できる。
変換効率αの誤差を基準値Nrefへ反映する方法を以下に説明する。
まず、走査光学系の角速度-線速度変換効率の設計中心値(以下、「ノミナル値」という)をαnomとし、これを初期値とする。このときのラインドット数を示す基準値をNnomとすると、Nnom=Nx・(60・αnom/Lx) であり、これに基づき制御される画素クロック周期をTpnomとおく。このとき、Lx=αnom・ωNx・Tpnom が成立する。
今、変換効率がαtarであるとし、画素クロック周期Tpnomで上述のようにしてテストパターンを形成し、画像領域幅の誤差ΔLを検出したとすると、
Lx+ΔL=αtar・ωNx・Tpnom …(a)
である。ここで、ΔLが0となる画素クロック周期Tptarを生成するための基準値がNrefであるので、
Lx=αtar・ωNx・Tptar …(b)
となる。
Nnom・Tpnom=Nref・Tptar …(c)
である。
上記の式(a)〜(c)より、
(Lx+ΔL)/Lx = Tpnom/Tptar = Nref/Nnom …(d)
が得られる。
よって、Nnomとして測定した誤差ΔLから変換効率αの誤差が分かり、上式により基準値Nrefへ反映できる。
また、前述したように変換効率αは温度変動や経時変化などにより変動するので、時折、上記のようにして基準値を求めなおすと高精度な補正が保たれる。このときはその時点で設定されている基準値Nrefで形成したテストパターンから測定した誤差に基づき、上記と同様にして基準値Nrefを求めなおしてもよい。また、基準値Nrefの算出間隔は装置内の温度変化や温度におおよそ連動するパラメータ(例えば印刷枚数)、あるいは時間などに応じて決めればよい。
さらには、PD108自体の取り付け位置誤差や変換効率αの誤差があっても、テストパターンから画像領域の先端位置の適正位置が求められ、またPD108から出力される同期信号SPSYNCの周期に応じて画素クロックが生成されるので、PD108の位置も被走査面上あるいはそれと等価な面上になくてもよい。よって取り付け位置や精度に自由度を持たせることができ、走査光学系の設計・製造容易性が図れる。
2つのセンサ115a,bはそれぞれ画像領域の先端位置と後端位置に配置するようにしたが、センサ位置が既知でありその距離LSを計測すれば、テストパターンを2つのセンサ位置に形成して誤差を測定し、上記の演算においてLxの代わりにセンサ間の距離LSを用いても基準値Nrefは算出できる。
〔画素クロック生成部111〕
次に、上述の画像形成装置100における画素クロック生成部111の詳細な実施形態を図面に基づき説明する。
図3は、本実施形態による画素クロック生成部111のブロック図の一例を示す。画素クロック生成部111は、高周波クロック生成部1、エッジ検出部2、分周器4、比較部5及び周波数変調部7を有する。これらは、例えばロジック回路で構成される。
図3の画素クロック生成部111において、高周波クロック生成部1は基準クロックRefCLKを基に、逓倍した高周波クロックVCLKを生成するものであり、一般的なPLL回路により構成される。入力する基準クロックRefCLKに、例えば精度のよい水晶発振器出力を用いることにより精度のよい高周波クロックVCLKが得られる。
ここで高周波クロックVCLKの周期をTvとする。分周器4は、高周波クロックVCLKを基準に画素クロックPCLKを生成する。分周器4は、高周波クロックVCLKをM分周した画素クロックPCLKを生成する。これは例えばM進カウンタにより構成され、カウント値countMをエッジ検出部2に出力する。
分周器4には同期信号SPSYNCが入力されるので、分周器4が同期信号SPSYNCの立ち上がりでカウントを開始するようにすれば、走査開始時点に位相同期した画素クロックPCLKを生成できる。また、分周比Mは周波数変調部7からの画素クロック周波数指示信号Mnowに従って変更される。このように画素クロックPCLKの生成は安定かつ高精度に発振させた高周波クロックVCLKを分周することにより生成されるので、この分周比を変更することにより瞬時にかつ安定した画素クロック周波数を変更することが可能となる。よって、ライン毎周波数を変更しても瞬時に移行できる。
エッジ検出部2は、同期信号SPSYNCの立ち上がりエッジを、高周波クロックVCLKを基準として検出する。エッジ検出部2は、同期信号SPSYNCの立ち上がりを検出すると画素クロックPCLKに同期した検出パルスSPplsを出力し、エッジ検出した時点でのカウント値countMを保持し、これをカウント値SPmとして比較部5に出力する。
比較部5は、高周波クロックVCLKを基準として同期信号SPSYNCの時間間隔Tline(走査ライン周期に相当)を計測する。比較部5は、画素クロック周波数と走査光学系による角速度-線速度変換効率に応じて前述(式(d))のようにして予め求められた基準値Nrefとから決まる基準時間と、計測した時間間隔Tlineとの差を計測対象のライン(以下、「対象ライン」という。)の誤差Lerrとして算出するようになっている。すなわち、比較部5は、適正な走査時間(基準時間)と対象ラインの走査時間Tlineとの差に基づいて走査速度の誤差を算出するようになっている。
なお比較部5は、高周波クロックVCLKを基準としてカウントし演算を行っても良いが、高周波クロックVCLKは非常に高周波であり、またカウントするビット数も非常に大きくなるので、回路規模、消費電力の点で不利である。そこで本実施形態では、時間Tlineを、画素クロックPCLKを基準としてカウントし、基準値Nrefとの比較をし、最後に高周波クロック基準の対象ラインの誤差Lerrに変換している。
図4は、比較部5の詳細なブロック図の一例である。また、図5は、比較部5の動作説明をするためのタイミング図の一例である。図4,5に基づき比較部5の詳細な動作説明を行う。図5において、(a)SPSYNCは走査開始を示す同期信号であり、エッジ検出部2に入力される。(b)VCLKは高周波クロック生成部1で生成される高周波クロックの立ち上がりエッジを示しており、その周期はTvである。(c)PCLKは画素クロックであり、分周器4のカウント値countMが0の時立ち上がる。(d)SPplsはエッジ検出部2から出力された検出パルスであり、同期信号SPSYNCの立ち上がりを示しPCLKに同期している。(e)SPmはエッジ検出部2から出力されたカウント値SPmである。(f)countNは比較部5にある画素クロックPCLK基準でカウントするカウンタの値である。
図4に示すように、比較部5はカウンタ11,減算部12、及び、誤差演算部13を有する。カウンタ11は、画素クロックPCLKを基準にカウントするカウンタであり、SPplsで1にリセットされ、また、リセット直前の値を保持し出力する(countN')。減算器12は、カウンタ11の保持値countN'(図5ではn)から基準値Nrefを減算して、減算結果diffNを出力する。誤差演算部13は、減算部12から出力されたdiffNと、対象ラインの周波数設定値Kと、エッジ検出部2から出力されたカウント値SPmとを用いて、以下の(式1)に示す演算を行い、高周波クロックVCLKの周期Tvを単位とする誤差Lerrを出力するようになっている。なお、周波数設定値Kは、分周器4に設定された分周比Mの、1ラインの平均を表す実数であり、周波数変調部7の後述する設定値保持部29から取得することができる。
Lerr = diffN・K+SPm (式1)
ここで、diffN = n - Nref, SPm = m2, Tp = K・Tv, Tp:PCLKの周期である。
なお、基準時間が目標とする画素クロック周期の整数倍でない場合、Nrefを固定小数とするか、その端数を高周波クロックVCLKのサイクル数に換算し、これをRefMとして誤差演算部13に入力し、
Lerr = diffN・K + SPm-RefM
と演算するようにすると、より正確な画素クロック周波数の制御が行えるようになる。
なお、図5において、画素クロックPCLKはSPSYNCの立ち上がりに同期させているので、直前のクロック周期はKで定まる通常の周期より短くなり、場合によっては(m2<K/2の時は)前サイクルのH期間にクロック立ち上がりが重なってしまうので、正確なクロックが生成できなくなってしまう。そのため、SPSYNCの立ち上がりに同期した最初のクロックは出力しない(Lとなる)ようにしている(図中破線)。
図3に戻り、周波数変調部7は、誤差Lerrを平滑化して平均誤差データErrを求め、これに従って適正な画素クロック周波数を算出し、これを画素クロック周波数指示信号Mnowに変換して出力する。図6は周波数変調部7の詳細構成図の一例である。
周波数変調部7は、フィルタ20,乗算部27、加算部28、設定値保持部29、及び、周波数設定値変換部33を有する。フィルタ20は、誤差Lerrを平滑化した平均誤差データErrを出力する。具体的には、フィルタ20は、誤差LerrにゲインKpを乗ずる乗算部21と、誤差Lerrを積算する積算部22と、積算部22の出力する誤差積算値にゲインKiを乗じる乗算部23と、乗算部21及び乗算部23の出力を加算する加算部24とからなるPI(比例+積算)型の構成を有する。フィルタ20は、加算部24による加算結果を平均誤差データErrとして出力するようになっている。ここで、積算部22は、加算部25と積算値保持部26とを有する。加算部25は、対象ラインの誤差Lerrと、積算値保持部26によって保持された前ラインまでの積算値とを加算し、積算値保持部26の保持値を加算結果で更新するようになっている。
さらに図6において、乗算部27は、基準値Nrefの逆数を平均誤差データErrに乗じ、1画素当たりの誤差を算出する。設定値保持部29は、周波数設定値Kを保持するようになっている。加算部28は、乗算部27の乗算結果と設定値保持部29に保持された周波数設定値Kと加算し、設定値保持部29に保持された周波数設定値Kを加算結果で更新するようになっている。このようにして、現在の周波数設定値Knと誤差データErrとから、以下の(式2)に示す演算を行い、次の設定値K(n+1)を算出するようになっている。
K(n+1) = Kn + Err/Nref (式2)
分周器4に設定する分周比Mnowは自然数であるのに対し、周波数設定値Kは、実数であるため、周波数設定値Kを整数部Mとa桁(2進数表記)の小数部Fとに分け、Na=2^aとすると、K=M+F/Naと表すことができる。周波数設定値変換部33は、周波数設定値Kを分周器4に設定する分周比Mnowに変換する。ここで分周比MnowをNaサイクルにF回、M+1とし、他のサイクルでMとすることにより、分周器4に設定する分周比を平均してKに近づけるようになっている。ここで、周波数設定値Kの丸め誤差は、最大でNref/Naとなるので、小数部の桁数aは、所望の誤差許容値に収まるように予め決定される。
周波数設定値変換部33は、加算部30、カウンタ31及び変換部32とから構成される。加算部30には、周波数設定値Kの整数部Mに対応するビット列が入力され、変換部32には、周波数設定値Kの小数部Fに対応するビット列が入力されるようになっている。カウンタ31は、画素クロックPCLKを基準にカウントするaビットカウンタであり、そのカウント値countAを出力するようになっている。
変換部32は、カウント値countAにしたがって、Naサイクル中、Fサイクルは「1」を、残りのNa-Fサイクルは「0」を加算部30に出力するようになっている。特に、変換部32は、Naサイクル中、均等にF回「1」を出力するために、カウント値countA[a-1:0]のビット並びを逆転させたArev[0:a-1]がFより小さい場合に「1」を出力し、Arev[0:a-1]がFより小さくない場合に「0」を出力するようになっている。加算部30は、周波数設定値Kの整数部Mと、変換部32の出力とを加算した分周比の設定値を表すMnowを分周器4に設定するようになっている。
このように分周器4、比較部5、周波数変調部7のループでディジタルPLL制御を行っている。そして、周波数変調部7内のフィルタ20の特性がこのPLL制御特性を決定し、制御系が安定になるようにフィルタ特性が決定される。
以下にこのPLL制御系の特性と設定例について説明する。
制御対象値を周波数設定値Kとし、その目標値をKtarとして置き換えると、その制御ブロック図は図7のように表せる。オープンループゲインG(s)は、sドメインで表すと下式のようになる。なお、図7の制御ブロック図は公知のPI(比例積分)制御系であるので、詳細な説明は省く。
G(s)=(Kp+Ki/s)・1/s
なお、周波数設定値Kのとき比較部5でカウントされる画素クロック数nと画素クロック1サイクルに満たない端数SPmを用いて
Ktar・Nref=K・n+SPm
と表せるので、目標値をKtarと制御値Kの偏差εは
ε=Ktar-K=1/Nref(K・n+SPm)-K =1/Nref((n-Nref)・K+SPm)
である。一方、本実施形態より導かれる(式1)を変形して再掲すると
Lerr=(n-Nref)・K+SPm
であるので、両式より
ε=1/Nref・Lerr
であるので、本実施形態の制御系は図7に示した制御ブロック図の制御系と等価であることがわかる。
よって、制御系の制御帯域は、ゲイン係数Kp及びKiにより設定できる。例えば、Kp=1/8、Ki=1/256として、サンプリング周波数(つまり走査ライン周波数)を1[Hz]として正規化したオープンループ特性(近似線)は図8の実線のようになる。図8において、横軸は正規化した周波数(logスケール)であり、縦軸はゲイン(dB)である。
なお、通常制御帯域の細かな設定は要求されないので、各ゲイン係数は2のべき乗で設定できるようにしておけば、各乗算部はビットシフトで対応できるので大幅に回路規模が小さくできる。
このように、本実施形態の画像形成装置100は、ポリゴンミラー104の回転変動などによる走査角速度の変動に合わせて画素クロックPCLKの周波数を制御し、この制御の目標値Nrefが予め走査光学系の角速度-線速度変換効率に基づいて決定されているので、様々な周波数成分の変動に対してもそれぞれ好適に走査速度の誤差を高精度に補正できる。また、走査ライン内に配置される1つのPD108から生成される1つの同期信号SPSYNCで制御が行えるので、装置の低コスト化や走査光学系の小型化も図ることができる。
〔第2の実施形態〕
図9は、第2の実施形態としての画像形成装置100の全体構成図の一例を示す。第2の実施形態は、図9に示すように、第1の実施形態における画素クロック生成部111に代えて、画素クロック生成部200を設けた点が相違する。
画素クロック生成部200は、第1の実施形態における画素クロック生成部111に対して、周波数変調部7に代えて、周波数演算部201と周波数変調部202とを設け、周波数変調データ生成部203をさらに設けた点が相違する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態を構成する構成要素と同一な構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
周波数演算部201は、図6の周波数変調部7において、周波数設定値変換部33を省き、周波数設定値KをMnowの代わりに出力するようになっている。その他は第1の実施形態と同じである。
図9において、周波数変調データ生成部203は、同期信号SPSYNCを原点とした走査位置(ここでは、画素クロックPCLK数nで表す)に対応した周波数変調データFMDataを生成するようになっている。この周波数変調データFMDataは、走査位置nにおける走査速度V(n)に対応した画素クロック周波数、ここでは、高周波クロックVCLKの分周値で表したM(n)と画素クロックの平均周波数を示す周波数設定値Kとの差を表している。
図10(a)は、走査位置nに対する走査速度V(n)の一例を示し、図10(b)は、走査位置nの理想位置に対するずれΔ(n)の一例を示し、図10(c)は、周波数変調データFMData(n)の一例を示している。走査位置nの理想位置に対するずれΔは、V(n)−Vavgを積分した値となる。走査速度の非線形性誤差は、走査光学系の精度や組付け誤差が主因となるため、例えば、装置の製造時に予め周波数変調データFMDataを取得しておき、これを周波数変調データ生成部203に格納しておけばよい。
ここで、周波数変調データFMDataの取得方法の一例を説明する。まず、一定の画素クロック周波数で走査を行い、各走査位置における理想位置からのずれΔを測定する。このずれΔの微分値が走査速度Vであるので、これより画素クロック周波数に換算し画素クロック平均周波数信号Kとの差分を求める。簡単には所定の走査位置間(図10のΔn)の傾きを走査速度V'と近似し、この領域内ではその値からの換算値を周波数変調データFMDataとして用いる(図10の各破線)。このようにすれば、周波数変調データFMDataを簡便に求めることができ、かつ、その領域間は同一データを用いるため、データを格納するメモリ量も低減できる。 なお、走査速度補正をより高精度に行いたい場合には領域Δnを短くすればよい。
また、周波数変調データFMDataを簡単に求めるには、分周比Mの差分データΔMを求めればよい。画素クロック周波数指示信号Mnowへの変換は、画素クロック平均周波数信号Kに差分データΔMを加算することにより行える。
また、画素クロックの周波数変調をより高精度に行うため、周波数変調データFMDataは、分周比Mだけでなく、その小数部も含むようにするとよい。 この小数部に対する処理は、分周比Mと同様にすればよい。以下の説明においては、周波数変調データFMDataを整数部ΔM及びa桁の小数部ΔFで扱う場合について説明する。
図11は、周波数変調データ生成部203と周波数変調部202のブロック図の一例を示す。図11に示すように、周波数変調データ生成部203は、周波数変調データ格納部204及び周波数変調制御部205を備えている。周波数変調データ格納部204は、メモリによって構成され、走査ライン中の各領域に対応する周波数変調データFMDataが各領域番号nをアドレスとした格納領域に予め格納されている。なお、周波数変調データFMDataを装置内の他の格納部に保存しておき、装置の立ち上げ時等に周波数変調データ格納部204にロードするようにしてもよい。周波数変調データ格納部204は、入力されるアドレス信号に応じた周波数変調データFMDataを出力するようになっている。
周波数変調制御部205は、走査ライン中の領域番号nを演算しアドレス信号を生成するようになっており、同期信号SPSYNCの入力によりアドレスを「0」にクリアし、画素クロックPCLKをカウントして、領域長Δnに達する毎にアドレス信号をインクリメントするようになっている。なお、周波数変調制御部205に対して各領域の領域長を予め設定しておき、各領域長に達する度にアドレスをインクリメントするようにしておけば、周波数変化量に応じて領域長を変えることができ、格納メモリ量の低減と周波数補正精度向上の両立を果たせる。
図11に示すように、周波数変調部202は、加算部206と周波数設定値変換部207とから構成される。加算部206は、周波数設定値Kと、周波数変調データFMDataとを加算し、加算結果K'を出力する。周波数設定値変換部207は、加算部208、カウンタ209及び変換部210とから構成される。周波数設定値変換部207は、周波数設定値変換部33と、入力が加算部206の出力する加算結果K'(整数部をM'、小数部をF'とする)に代わっただけで、他は同様の動作をするので、詳細説明は省略する。
このように、第2の実施形態としての画像形成装置100は、分割した時間領域Δn毎に、画素クロックPCLKの周波数を予め定められた周波数変調データFMDataに基づいて補正するため、非線形性誤差も補正した高精度な画素クロックPCLKを生成することができる。
〔第3の実施形態〕
図12は、第3の実施形態としての画像形成装置100の全体構成図の一例である。本実施形態の画像形成装置100は、図12に示すように、第1の実施形態における画素クロック生成部111に代えて、画素クロック生成部118を設け、変調データ生成部113に対して変調データ生成部119を設けた点が相違する。なお、本実施の形態においては、第1の実施形態を構成する構成要素と同一な構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
画素クロック生成部118は、高周波クロック生成部51、エッジ検出部52、計数部54、比較部55、周波数演算部17及び画素クロック出力部58を備えている。
高周波クロック生成部51は、基準クロックRefCLKを基に逓倍し、位相差が等間隔の多相クロックを生成する(本実施形態では16位相の多相クロックVCLK0〜15を生成するものとする)。また、高周波クロック生成部51は、多相クロックのうちの1つをQ分周(ここではQ=4とする)した内部動作用クロックGCLKを生成し、図示はしないが画素クロック生成部118の各部へ供給する。
図13は、高周波クロック生成部51で生成する各クロックのタイミングを示す図である。(a-0)〜(a-15)は多相クロックVCLK0〜15のそれぞれのクロックであり、互いに等間隔の位相差を有しており、この時間間隔をTvとする。また、(b)GCLKは(a-0)VCLK0を4分周したクロックである。図12の画素クロック生成部118は主にこのクロックGCLKを動作クロックとして動作し、GCLKを4分割した期間を順にQT0、QT1、QT2、QT3と称し、また多相クロックVCLK0〜15の立ち上がりにそれぞれ対応した時刻をPH0〜PH15と称する。この期間QTと位相PHとによりGCLK中の時間情報QPを表すことができる。
ここで時間情報QPは0〜63の64値であり、本実施形態ではこの多相クロックの等間隔の位相差Tvを基準として画素クロックPCLKを生成する。つまり、画素クロックPCLKの周波数の制御演算は、動作クロックGCLKを基準にした時間情報QP(QT,PH)を用いて行われる。
図12に戻り、エッジ検出部52は、同期信号SPSYNCの立ち上がりエッジを多相クロックVCLK0〜15を基準として検出するものであり、同期信号SPSYNCの立ち上がりを検出するとクロックGCLKに同期した検出パルスSPplsと立ち上がり時の期間QTと位相PHを示す時間情報SPqpを出力する。
計数部54は、周波数演算部17からの画素クロック周波数指示信号Mnowに従って時間を計るようになっており、Mnowが表す時間に達する度にSet信号(GCLKに同期したSETpls信号と時間情報SETqpからなる)を生成し、またSet信号を生成してからMnow/2にあたる時間後に、Rst信号(GCLKに同期したRSTpls信号と時間情報RSTqpからなる)を生成する。この計数する時間単位は多相クロックVCLK0〜15の位相差Tvである。
画素クロック出力部58は、計数部54より供給されるSet信号及びRst信号に従って「H」と「L」とを切り替えた画素クロックPCLKを生成し出力する。これらの詳細構成及び動作説明は後述する。
このようにして生成される画素クロックPCLKは、多相クロックの位相差Tvを周期とする(高周波)クロックを、周波数指定信号Mnowを分周比として分周して生成したことに相当する。
比較部55は、同期信号SPSYNCの時間間隔Tline(走査ライン周期に相当)を検出し、画素クロック周波数と、第1の実施形態で説明したように走査光学系による角速度-線速度変換効率に応じて予め求められた基準値Nrefとから決まる基準時間と、計測した時間間隔Tlineとの差を対象ラインの誤差Lerrとして算出するようになっている。すなわち、比較部55は、適正な走査時間(基準時間)と対象ラインの走査時間Tlineとの差に基づいて走査速度の誤差を算出するようになっている。ここで、SPpls入力後次のSPplsが入力されるまでの期間中に入力されるSETplsの数をカウントし、この値と基準値Nrefとの比較をし、さらにパルスの時間情報SPqpとから対象ラインの誤差Lerrを位相差Tv単位で算出するようになっている。
図14は高周波クロック生成部51の構成例を示す図である。この高周波クロック生成部51は、基準クロックRefCLKから、多相クロックVCLK0〜15と内部動作用クロックGCLKを生成する。
電圧制御発振器VCO63は、8段の差動バッファ64a〜hを接続したリングオシレータで構成され、16位相のクロックVCLK0〜15を生成する。分周器60はこの多相クロックのうちの1つ(ここではVCLK8)をNv分周する。位相周波比較器PFD61は基準クロックRefCLKと分周器60出力との位相比較を行い、この位相差情報に基づき内在するチャージポンプを駆動する。ローパスフィルタLPF62はチャージポンプ出力を平滑化し制御電圧VcをVCO63に供給する。VCO63内の差動バッファ64a〜hはこの制御電圧Vcに従って遅延量が変化し、位相同期制御が行われる。例えば基準クロックRefCLKとして100MHzのクロックを供給し、分周比Nvを20とすると、多相クロックVCLK0〜15は2GHzで互いに等間隔の位相差を有するクロックが生成できる。また、分周器65は多相クロックVCLK0〜15のうちの1つ(ここではVCLK0)をQ分周(ここではQ=4とする)してクロックGCLKを生成する。なお、適用しうる多相クロックの相数は本実施例の16に限らないが、演算の簡便性より2のべき乗がもっとも望ましい。同様にGCLKを生成するための分周比Qも2のべき乗がもっとも望ましい。
図15は、計数部54の構成例を示す図である。また図16は画素クロック出力部58の構成例を示す図である。これらの図に基づき、画素クロック周波数指示信号Mnowに従って画素クロックPCLKを生成する詳細構成、動作を説明する。
計数部54は、SET時間演算部70、カウンタ72,F/F73、F/F74、PST時間演算部71、カウンタ75及びF/F76を有する。図15の各部はクロックGCLKに同期して動作する。SET時間演算部70は、現在のPCLK立ち上がり時間情報に画素クロック周波数指示信号Mnowを加算し、次のPCLKの立ち上がり時間を表すセット時間情報nextSを演算するものであり、この演算の更新はpSet信号により行う。なお、セット時間情報nextSを64で割った商をnextSc、余りをnextSqpとする。つまりnextSc=nextS[MSB:6]、nextSqp=nextS[5:0]とする。
また、SPSYNCの立ち上がりに位相同期してPCLKの生成を始めるので(正確には所定の信号処理時間後でここでは2GCLK後)、最初のPCLK立ち上がり時間情報はSPqpとする。同様にして、RST時間演算部71は、現在のPCLK立ち上がり時間情報に画素クロック周波数指示信号Mnowの1/2を加算し、次のPCLKの立ち下がり時間を表すリセット時間情報nextRを演算するものであり、この演算の更新はpSet信号により行う。また、nextRc=nextR[MSB:6]、nextRqp=nextR[5:0]とする。
なお、Mnow/2を加算するのはPCLKのデューティをほぼ50%にするためであり、デューティ50%を要求しない場合はこの演算を簡略化できるような値を加算するようにしても良い。
カウンタ72は、クロックGCLKを基準としてnextScサイクルのカウントを行い、pSet信号を生成する。このpSet信号が「H」の時カウンタは「1」にクリアされ、カウント値がnextScと一致する時、pSet信号を「H」とする。
F/F73はpSet信号及びSPpls信号を1GCLK遅延させてSETpls信号を生成するフリップフロップである。F/F74は、pSet信号をイネーブルとしてnextSqpを、SPplsをイネーブルとしてSPqpをラッチし、SETqp信号を生成するフリップフロップである。このSETpls信号はPCLKの立ち上がりをGCLK単位で指定し、これに同期したSETqp信号によりそのGCLKサイクル内での立ち上がり時間情報を指定する。これらをSet信号と称し、画素クロック出力部58に供給する。
カウンタ75は、クロックGCLKを基準としてnextRcサイクルのカウントを行い、RSTpls信号を生成する。SETplsが「H」の時カウンタを「1」にクリアし、カウント値がnextRcに一致する時、RSTpls信号を「H」とする。F/F76は、SETplsをイネーブルとしてnextRqpをラッチし、RSTqp信号を生成するフリップフロップである。このRSTpls信号はPCLKの立ち下がりをGCLK単位で指定し、RSTqp信号によりそのGCLKサイクル内での立ち下がり時間情報を指定する。これらをRst信号と称し、画素クロック出力部58に供給する。
なお、SETqp信号及びRSTqp信号は、それぞれSETpls及びRSTpls信号が「H」の時有効となってればよいので、各部の制御タイミングはこの実施形態のみに限定されるものではない。
図16の画素クロック出力部58は、遅延部77、遅延部78及びSR−F/F79を有する。図16において、遅延部77は、多相クロックVCLK0〜15を基準として、計数部54から供給されるSETplsを時間情報SETqpに従って遅延させたパルスSを出力するものであり、また、GCLKサイクル中の期間QTを特定するためクロックGCLKも入力する。あるいは期間を示す期間信号QTを入力しても良い(この場合は高周波クロック生成部51でこのQT信号を生成する)。つまり、パルスSはSETplsをSETqp・Tvだけ遅延させたパルスとなる。
遅延部78は、同様に、多相クロックVCLK0〜15を基準として、計数部54から供給されるRSTplsを時間情報RSTqpに従って遅延させたパルスRを出力するものであり、パルスRはRSTplsをRSTqp・Tvだけ遅延させたパルスとなる。SR−F/F79は、パルスSの立ち上がりでセット「H」し、パルスRの立ち上がりでリセット「L」した画素クロックPCLKを出力するSet-Resetフリップフロップである。
図17は、比較部55の詳細構成例を示す図である。比較部55は、カウンタ81、減算部82、誤差検出部84及び誤差演算部83を有する。図17において、カウンタ81は、SPplsで'0'クリアし、pSetによりインクリメントするカウンタであり、そのカウント値countNを出力する。
本実施形態ではPCLKはSPSYNCの丁度2GCLK後に同期して生成されるので、次ラインの走査開始時点SPもSPSYNCから2GCLK遅らせた時点で検出する。よって、SPplsを1GCLK遅延させたSPdetを生成し、これが「H」の時の各信号値から誤差Lerrを検出する。
減算部82は、SPdetが「H」の時のカウンタ81の値countN(nとする)から基準値Nrefの減算を行い、減算結果diffN(=n-Nref)を出力する。誤差検出部84は、SPdetが「H」の時のSETqp及びSETcntをそれぞれEndqp、Endcntとすると、次式の演算を行い位相差diffMを算出する。
diffM = Endcnt・Mp+(EPqp-Endqp)
ここでMpはGCLKの時間情報分割数であり、本実施例では64である。
誤差演算部83は、下記の演算を行い多相クロックVCLK0〜15の位相差Tvを単位とする誤差Lerrを出力する。
Lerr = diffN・K+diffM
ここで、Tp = K・Tv, Tp:PCLKの周期である。
なお、第1の実施形態における比較部5の誤差演算部13と同様に、Lerr = diffN・K+diffM-RefM を演算し、基準時間の設定値をより細かく設定するようにして、より正確な画素クロック周波数の制御を行うようにしても良い。
このように、第3の実施形態としての画像形成装置100は、高精度に生成された多相クロックVCLK0〜15を基準として画素クロックを生成し、ポリゴンミラー104の回転変動などにより生じる高周波成分を含む走査時間の変動に合わせて画素クロック周波数を制御する。この制御の目標値Nrefが予め走査光学系の角速度-線速度変換効率に基づいて決定されているので、様々な周波数成分の変動に対してもそれぞれ好適に走査速度の誤差を高精度に補正できる。
また、画素クロックの生成は多相クロックVCLK0〜15の位相差Tvの単位で正確に制御でき、多相クロックの発振周波数を高くしないでもよいので、回路の設計が容易となり消費電流も低減できる。例えば、前述の第1実施形態と同等の分解能で画素クロックを生成する場合は、多相クロックの発振周波数は1/16でよい。逆にいえば、同等の発振周波数とした場合、画素クロック生成分解能を16倍に向上できる。つまり高精度な画素クロックが生成できる。さらには、画素クロック生成部118の大部分は多相クロックの1つをさらに分周したクロックGCLKで動作するようにしているので、動作周波数がさらに低下され、消費電流の低減ができる。
〔第4の実施形態〕
図18は、第4の実施形態としての画像形成装置100の一例を示す。第2の実施形態が、第1の実施形態における画素クロック生成部111に代えて、画素クロック生成部200を設けたのと同様に、第4の実施の形態は、図18に示すように、第3の実施形態における画素クロック生成部118に代えて、画素クロック生成部318を設けた点が相違する。 なお、本実施形態において、第1の実施形態を構成する構成要素と同一な構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
画素クロック生成部318は、第3の実施形態における画素クロック生成部118に対して、周波数演算部17に代えて、周波数演算部201と周波数変調部202とを設け、周波数変調データ生成部203をさらに設けた点が相違する。ここで、周波数演算部201、周波数変調部202及び周波数変調データ生成部203は、第2の実施形態における画素クロック生成部211を構成するものと同様に構成されるため、同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態においては、図18に示すように、画素クロックPCLKの代わりにセットパルスSetを基準に周波数変調部202及び周波数変調データ生成部203を動作させてもよい。
このように、第4の実施形態としての画像形成装置100は、分割した時間領域Δn毎に、画素クロックPCLKの周波数を予め定められた周波数変調データFMDataに基づいて補正するため、非線形性誤差も補正した高精度な画素クロックPCLKを生成することができる。
〔第5の実施形態〕
ここまでの説明では、ポリゴンミラー104は理想的であるとし、同期信号SPSYNCの時間間隔(ライン周期)は各々の面で等しいとしていた。しかしながら、実際には、ポリゴンミラー104の中心から各面に対して引いた垂線が、それぞれなす角が等しくなるように製造すること(6面であれば60度として製造すること)は困難である。あるいは製造できたとしても大幅なコストアップになる。
ポリゴンミラー104が理想的でないとすると、図19に示すように、同期信号SPSYNCの時間間隔Tlineは面毎に異なる。第1面〜第6面の同期信号SPSYNCの時間間隔をそれぞれT1〜T6とする。また6面分の時間間隔の平均をTavgとする。
一方、ポリゴンミラー104の回転速度は一定となるように制御されているので、各面で走査される走査角速度ωは一定である(ポリゴンミラーの偏芯等による面毎の角速度のバラツキは小さいとして無視する)。前述の基準値Nrefは理想的なポリゴンミラー104でのライン周期Tlineのドット数換算値を表すので、バラツキがあった場合は、基準値Nrefは、同期信号SPSYNCの時間間隔の平均値Tavgのドット数換算値を意味する。
このような場合、前述した第1〜4の実施形態の画素クロック生成部111等で、基準値Nrefに従って画素クロックの制御を行うと、各面(第i面)の同期信号SPSYNCの時間間隔Tiと平均値Tavgとの差ΔTi(=Ti-Tavg)が制御系にとって外乱つまりノイズとして作用してしまう。
このノイズの周波数帯域はライン周波数と等しく、その誤差も回転変動による誤差に比べても大きい場合が多いので、制御系の安定性や制御される画素クロック周波数の精度が低下するおそれが生じる。このような場合には、制御系のゲインを下げることによりノイズの影響を低減できる。つまり、前述した第1〜4の実施形態においてはフィルタ20内のゲイン係数Kp及びKiの設定を低くすればよい。反面、本来は抑圧すべき角速度変動による誤差に追従して画素クロック周波数の制御がなされるべきであるが、制御系のゲイン(つまりは制御帯域)が低くなってしまうため、角速度変動による誤差の高周波成分の抑圧が十分でなくなってしまうというトレードオフが発生する。
なお、時間間隔Tiと平均値Tavgとの差ΔTiは、ポリゴンミラー104の製造誤差に起因するものなので、各面の差ΔTiはそれぞれ装置毎に固定(固有)となる。以下これを(ライン周期あるいは同期信号SPSYNCの時間間隔の)オフセット誤差と称する。
以下に説明する第5の実施形態はこの課題を解決するものである。
図20は、第5の実施形態としての画像形成装置100の一例を示す。第5の実施形態は、図20に示すように、第1の実施形態における画素クロック生成部111に代えて、画素クロック生成部300を設けた点が相違する。また、画素クロック生成部300は、第1の実施形態における画素クロック生成部111に対して、オフセット誤差除去部6を設けている。オフセット誤差除去部6に対象ラインの誤差Lerrを入力し、誤差Lerrから上述のオフセット誤差を除去した出力Lerr'を周波数変調部7に入力するようにした点が相違する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態を構成する構成要素と同一な構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
図21は、画素クロック生成部300におけるオフセット誤差除去部6の構成の一例である。オフセット誤差除去部6は、保持部301a〜e、加算部302及び乗算部303を有する。
図21では、5つの縦列接続された保持部301a〜eはシフトレジスタを構成しており、対象ラインの誤差Lerrが入力され、1ライン毎に誤差Lerrが検出される度に保持されているデータが次段へと転送される。つまり保持部301a〜eにより、直前5ライン分の誤差Lerrが保持されている。加算部302は保持部301a〜eの各出力と対象ラインの誤差Lerrとの計6ライン分の誤差を加算する。
乗算部303は加算部302の出力に1/6を乗じてLerr'を出力する。つまりオフセット誤差除去部6は、対象ラインを含めた直近6ライン分の誤差Lerrの移動平均を算出するものである。第i面の誤差をLerr(i)とし、オフセット誤差ΔTiを除いた誤差分をδiとすると、Lerr(i)=δi+ΔTi となる。上記のようにしてLerr'を算出すると
Lerr'=1/6・Σ(δi+ΔTi)
となる。ここでΣはi=1〜6の和を示す。オフセット誤差の1回転分の和ΣΔTiは0であるので、Lerr'=1/6・Σδi となり、オフセット誤差を除去した誤差分の平均値が毎ライン得られることが分かる。
このようにして、第5の実施形態としての画像形成装置100は、対象ラインの誤差Lerrからオフセット誤差を除去した誤差Lerr'を求め、これを周波数変調部7に入力することにより、制御系のゲインを低下させなくても高周波ノイズとなるオフセット誤差を除去できるようになり、ポリゴンミラー104の各面でライン周期のバラツキがあったとしても、画素クロック周波数の制御を安定かつ精度よく行えるようになる。
図示は省略するが、第2〜第4の実施形態における画素クロック生成部に対しても、同様にオフセット誤差除去部6を設け、オフセット誤差除去部6に対象ラインの誤差Lerrを入力し、誤差Lerrから上述のオフセット誤差を除去した出力Lerr'を周波数変調部7あるいは201に入力するようにしても、第5の実施形態と同様の効果が得られる。
図22は、画素クロック生成部300におけるオフセット誤差除去部6の別の構成例である。このオフセット誤差除去部6は、平均値算出部310、減算部311、オフセット誤差算出部312及び減算部313を有する。
図22において、平均値算出部310は、ポリゴンミラー1回転分の誤差Lerrの平均値e(avg)を求め、これを出力する。例えば図21は直近6ライン分の誤差Lerrの移動平均を算出するものであるので、図21の構成を用いればよい。このとき平均値e(avg)は1/6・Σδiである。
減算部311は、対象ラインの誤差Lerrから平均値e(avg)を減じて、差分e(i)を出力する。(i)は第i面の差分を示す。通常、誤差δiは1回転の間で大きく変化することはないので、1/6・Σδi≒δiであり、差分e(i)≒ΔTiが得られる。オフセット誤差算出部312は、各面のオフセット誤差を算出し、入力される面選択信号FNoに従って対応する面のオフセット誤差ofs(i)を選択出力する。ここで面選択信号FNoは相対的な関係を示すものであり、装置の立ち上げ時に任意の面を第1面とし、以降ライン毎に1〜6の範囲で循環してインクリメントされるようになっている。
オフセット誤差算出部312は、入力される誤差差分データe(i)が面毎のオフセット誤差ΔTiにほぼ等しいのでこれを保持し、面選択信号FNoに従って選択出力するようにしてもよい。また、図22に示すように、平滑化することによって検出誤差などを低減し、これを保持し、面選択信号FNoに従って選択出力するようにしてもよい。
図22において、オフセット誤差算出部312は、加算部314と、加算部314の出力に1/2を乗じる乗算部315と、ポリゴンミラー104の面毎のオフセット誤差を保持する6個のオフセット誤差保持部316とから構成される。面選択信号FNoに従ってオフセット誤差保持部316は対象面が選択されるようになっており、加算部314でこの出力ofs(i)と誤差差分データe(i)を加算して、乗算部315で1/2とし、この出力をオフセット誤差ΔTiとしてオフセット誤差保持部316のデータを更新する。いわゆるIIR型のローパスフィルタとして構成している。減算部313は、対象ラインの誤差Lerrから対象面のオフセット誤差ofs(i)を減じ、オフセット誤差を除去した誤差Lerr'を出力するものである。
このようにして、図22の形態を採用すれば、誤差Lerrからオフセット誤差分を抽出しておき、減算部313により直接オフセット誤差を除去することができる。図21のように平滑化によりオフセット誤差を除去していないので、位相遅れやゲインの低下を生じない。よって、制御帯域をさらに高帯域に拡げることが可能となり、高い周波数で変動する回転速度変動にも追従して画素クロック周波数が制御できるようになるので、さらに高精度な補正ができる。
さらに図23は、画素クロック生成部300におけるオフセット誤差除去部6の別の構成例である。このオフセット誤差除去部6の構成は、図22における平均値算出部310の代わりに、基準面誤差保持部319を設け、減算部311では、対象ラインの誤差Lerrから基準面誤差保持部319が出力する基準面誤差e(ref)を減じている点が異なる。
基準面誤差保持部319は、任意の面(例えば第1面)を基準面として決め、面選択信号FNoに従って対象面が基準面であるときに誤差Lerrを基準面誤差e(ref)として保持し、出力する。減算部311では、誤差Lerrから基準面誤差e(ref)を減じて差分データe(i)を出力する。これは対象ラインのオフセット誤差と基準面のオフセット誤差との差分と同一である。これを前述と同様にしてオフセット誤差ofs(i)として算出して、これを対象ラインの誤差Lerrから引いているので、Lerr'は基準面に対するオフセット誤差を除去したものとなる。
この実施形態において、前述と同様にしてテストパターンから基準値Nref(区別のためNref1とおく)を求めれば、これは基準面のライン周期を走査光学系に応じてドット数に換算した値となり、基準面以外の面も基準面に対するオフセット誤差を除去した誤差Lerr'が算出されているので、基準値Nref1に基づき誤差Lerr'から画素クロック周波数を制御すれば、図22の形態と同様の作用を果たし、同様の効果が得られる。さらに誤差Lerrの平均値を算出する必要がなく基準面誤差e(ref)を保持するだけでいいので、回路規模を縮小できる。
〔第6の実施形態〕
本実施形態では、複数の光源からの出射光を共通の走査光学系を用いて感光体に照射して画像(静電潜像)を形成するマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置100について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態を構成する構成要素と同一な構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
図24において、半導体レーザ124及び125は、コリメータレンズ122、123との光軸を一致させ主走査方向に対称に射出角度を持たせ、ポリゴンミラー104の反射点で射出軸が交差するようレイアウトされている。それぞれの半導体レーザ124、125より射出した複数のビームはポリゴンミラー104で一括して走査され、fθレンズ106、ミラー110により感光体105上に結像される。画像処理部133には各光源ごとに1ライン分の画像データが蓄えられ、ポリゴンミラー1面毎に読み出されて、2ラインずつ同時に書き込みがおこなわれる。
またミラー110の一端にはフォトディテクタPD(108)が配置されており、走査の開始が検出される。つまりポリゴンミラー104により反射された2つの光源から出射されたレーザ光は感光体105を1ライン走査する前に、順次PD108に入射される。PD108では入射されたレーザ光を同期信号SPSYNCに変換し、同期信号分離部126に入力する。2つの光源は感光体105上を、時差を持って走査するように配置されているので、同期信号分離部126は、同期信号SPSYNCをそれぞれの光源に対応した同期信号SPSYNCaとSPSYNCbに分離する。
分離された同期信号SPSYNCaは画素クロック生成部127に供給され、他方SPSYNCbは画素クロック生成部130に供給される。画素クロック生成部127は、同期信号SPSYNCaの時間間隔Tlineaを測定し、その時間間隔に予め定められた所定数のクロックが収まるように求められた周波数の画素クロックPCLKaを生成する。画像処理部133は、画素クロックPCLKaを基準に画像データaを生成する。変調データ生成部128は、画素クロックPCLKaを基準として、入力された画像データaから変調データaを生成し、レーザ駆動部129を介して半導体レーザ125を駆動する。
同様にして、画素クロック生成部130は、同期信号SPSYNCbから画素クロックPCLKbを生成し、画像処理部133において画素クロックPCLKbを基準に生成された画像データbから変調データ生成部131にて変調データbを生成し、レーザ駆動部132を介して半導体レーザ124を駆動する。
画素クロック生成部127、130は、第1の実施形態における画素クロック生成部111と同様に構成され、各変調データ生成部128、131は、第1の実施形態における変調データ生成部113と同様に構成され、各レーザ駆動部129、132は、第1の実施形態におけるレーザ駆動部114と同様に構成される。
また、各画素クロック生成部127、130は、第2の実施形態における画素クロック生成部200、第3の実施形態における画素クロック生成部118、第4の実施形態における画素クロック生成部318、又は、第5の実施形態における画素クロック生成部300、のうち何れかと同様に構成してもよい。
なお、高周波クロック生成部1や51は、画素クロック生成部127と130とで共通に用いる構成とすれば、回路規模の小型化や消費電流の低減が図れる。また同期信号SPSYNCを検出するエッジ検出部2(または52)を画素クロック生成部127と130とでそれぞれ共通化して検出し、検出信号を分離する構成としても良い。
本実施形態のようなマルチビーム光学系においては、2つの半導体レーザ124及び125の波長が一致していないと共通の走査光学系を用いたとしても色収差の影響により前述した角速度-線速度変換効率αが異なってしまう。すなわち、2つの画素クロック生成部127、130に予め設定する基準値Nrefは(画素クロック生成部127の基準値をNrefa、画素クロック生成部130の基準値をNrefbとする)、以下のようにして求めるとよい。
図2に示したようなテストパターンを波長差のある2つのビームで同時に形成すると、斜線のテストパターン117a、117bは、図25に模式したようになる。図25において、黒く塗りつぶした線が一方のビームで形成されるパターンで、斜線で塗りつぶした線が他方のビームで形成されるパターンである。一点鎖線はセンサ115が配置される位置であり、このような場合、2つのビームで形成されるパターンのずれ量が分離して検出できない。
よって、それぞれ副走査方向に別の位置で一対のテストパターンを形成することで、斜線のテストパターン109aと109bがそれぞれセンサ位置と交差する点から、それぞれのずれが検出できるようになり、それぞれ前述と同様に演算して基準値Nrefa及びNrefbが算出できる。
このように、第6の実施形態としての画像形成装置100は、マルチビーム走査光学系を適用した場合であっても、ポリゴンミラー104の回転変動などによる走査角速度の変動に合わせてそれぞれの画素クロックPCLKの周波数を制御し、この制御の目標値Nrefが予め走査光学系の角速度-線速度変換効率に基づいて各々決定されているので、様々な周波数成分の変動に対してもそれぞれ好適に走査速度の誤差を高精度に補正できる。
〔第7の実施形態〕
本実施形態では、タンデム方式と称される複数の感光体157a〜dを有する多色対応の画像形成装置100について説明する。タンデム方式の画像形成装置100は、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各色に対応した別々の感光体を備え、走査光学系もそれぞれの感光体に対応して備えられ、各色に対応した画像(静電潜像)をそれぞれの感光体上に形成するようになっている。したがって本実施の形態としての画像形成装置100は、1枚の画像形成媒体(例えば、紙)に各色の画像を転写することにより、カラー画像を形成する。この実施形態は単純には図1の画像形成装置100を4つ備えることにより実現できる。また、小型化のため走査光学系の一部を共通化した形態も採られるが、それぞれの光路は異なるので、異なる画像形成装置100を複数個備えたものと考えてよい。
図26は、本実施形態の画像形成装置100の概略構成図の一例を示す。図26(a)は副走査断面図の一例を、図26(b)はブロック図の一例を、それぞれ示す。図26(a)において、ポリゴンミラー151は2段構成であり、点線を軸として回転しており、各走査光学系で共通に用いている。図26(b)の半導体レーザ161aから出射したレーザ光はコリメータレンズ、シリンダーレンズを介して(いずれも未図示)、ポリゴンミラー151のa点で反射される。同様に、半導体レーザ161b〜dから出射したレーザ光はポリゴンミラー151のb〜d点で反射される。ポリゴンミラー151で反射されたレーザ光は、走査レンズ152a〜d、154a〜d及び折り返しミラー153a〜d、155a〜d、ミラー170a〜dを経由して感光体157a〜d上を走査し(ビームの走査方向つまり主走査方向は、図面に対して垂直方向である)、画像(静電潜像)を形成する。ここで符号末尾のa〜dは半導体レーザ161a〜dに対応したものであり、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した画像を形成しているものとする。そして中間転写ベルト158上に置かれ矢印方向に移動する画像形成媒体へ、各感光体157a〜dに形成された各色の画像を転写していきカラー画像が形成される。
このとき、有効走査範囲外の片側に配備されたミラー170a〜dがレーザ光を検出器(フォトディデクタPD)171a〜dに導光する。PD171a〜dは、走査の開始を検出し、同期信号SPSYNCに変換する。同期信号SPSYNCは前述と同様に、画素クロック生成部164に供給され、走査速度誤差を補正するように周波数が制御された画素クロックPCLKを生成する。また、画像処理部165は、画素クロックPCLKを基準に画像データPDataを生成する。変調データ生成部163は、画素クロックPCLKを基準として、入力された画像データPDataから変調データを生成し、レーザ駆動部162を介して半導体レーザ161を駆動する。 これらを各色の対応ビーム毎同様に行う。
テストパターンは各色それぞれ中間転写ベルト158上に形成され、主走査方向(図面と垂直方向)に2つ配置されたセンサ159により、前述と同様にしてずれ量を検出し、この検出結果から基準値Nrefを算出し、これを画素クロック生成部164に設定する。また、画素クロック生成部164は前述した第1から第5の実施形態における画素クロック生成部の何れか1つを適用できる。
走査光学系の各部品の製造精度や組付け精度、経時変化などによる変形などの影響により、各走査光学系での走査時間はそれぞれ異なり、また走査開始を検出するPD171a〜dの位置も組付け精度などにより異なるが、テストパターンの検出は共通のセンサ159により行っているので、センサ159で検出したずれ量の結果よりPD171a〜dから画像先端位置までの距離Xo及び基準値Nrefをそれぞれ求めれば、各色間で画像領域の先端位置と後端位置を合わせることができる。
このように、本実施形態の画像形成装置100は、複数の感光体157a〜157dを有し、タンデム方式で多色対応にした場合であっても、ポリゴンミラー151の回転変動などによる走査角速度の変動に合わせてそれぞれの画素クロックPCLKの周波数を制御し、この制御の目標値Nrefが予め走査光学系の角速度-線速度変換効率に基づいて各々決定されているので、様々な周波数成分の変動に対してもそれぞれ好適に走査速度の誤差を高精度に補正できる。このようにして形成されたカラー画像は、色ずれが生じず、色再現性、解像度の劣化が生じず、高品位の画質を得ることができる。
〔画像形成装置100の全体構成例〕
図27は、画像形成装置100のハードウェア構成図の一例を示す。MFPは、コントローラ1050と、操作パネル1033と,エンジン部1034と、FAX制御ユニット1035を有する。コントローラ1050は、CPU1021と,システムメモリ1022と,NB(ノースブリッジ)1023と,SB(サウスブリッジ)1027と,ASIC(Application Specific Integrated Circuit)1025と,ローカルメモリ1024と,HDD1026と、NIC(ネットワークインターフェースカード)1028と,USBデバイス1029と,IEEE1394デバイス1031と、セントロニクスデバイス1032とを含む。
記憶媒体1020は、例えば、USBデバイス1029に脱着可能であり、記憶媒体1020に記憶されたプログラムは、記憶媒体1020からHDD1026にインストールされる。また、プログラムは、不図示のサーバからNIC1028を経由してHDD1026にインストールされてもよい。
CPU1021は、MFPの全体制御を行うものである。例えばCPU1021は、OS上にプロセスを起動して実行させる。NB1023はブリッジである。SB1027は、PCIバスとROMや周辺デバイス等とを接続するためのブリッジである。システムメモリ1022は、MFPの描画用メモリなどとして用いるメモリである。ローカルメモリ1024は、コピー用画像バッファ,符号バッファとして用いるメモリである。
ASIC1025は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。HDD1026は、画像データ,文書データ,プログラム,フォントデータ等の蓄積を行うストレージ(補助記憶装置)の一例である。NIC1028は、MFPをネットワークに接続するインターフェース機器である。また、USBデバイス1029,IEEE1394デバイス1031およびセントロニクスデバイス1032は、それぞれの規格に準じたインターフェースである。
操作パネル1033は、オペレータからの入力操作を受け付けると共に、オペレータに向けた表示を行う操作部である。エンジン部1034は、白黒プロッタ及び/又はカラープロッタであり、印刷ジョブデータやスキャナ1036が読み取った画像データに基づき、1ページ毎の画像を形成し、用紙に転写する。例えば、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、感光ドラム等に形成したトナー画像を用紙に転写し、定着装置により熱と圧力により定着して出力する。
また、スキャナ1036は、コンタクトガラスに載置された原稿を光学的に走査して、その反射光をA/D変換して誤差拡散やガンマ変換などの画像処理を施し所定の解像度のデジタルデータに変換し画像データを生成する。
FAX制御ユニット1035は、NCU(Network Control Unit)を介して公衆通信網に接続し、例えばG3、G4規格のファクシミリに対応した通信手順(通信プロトコル)等に従いファクシミリの送受信を行う。なお、FAX制御ユニット1035はメモリを有しており、例えばMFPの電源がOFFのときに受信したファクシミリデータを一時的に格納するためにこのメモリに記憶する。
1、51 高周波クロック生成部
2、52 エッジ検出部
4、60、65 分周器
5、55 比較部
7、202 周波数変調部
11、31、72、75、81、 カウンタ
12、82、311、313 減算部
13、83 誤差演算部
17、201 周波数演算部
20 フィルタ
21、23、27、303、315 乗算部
22 積算部
24、25、28、30、206、208、302、314 加算部
26 積算値保持部
29 設定値保持部
32 変換部
33、207 周波数設定値変換部
54 計数部
58 画素クロック出力部
61 PFD
62 LPF
63 VCO
64a〜64h 差動バッファ
70 SET時間演算部
71 RST時間演算部
73、74、76 F/F
77、78 遅延部
79 SR−F/F
84 誤差検出部
100 画像形成装置
101、124、125、161 半導体レーザ
102、122、123 コリメータレンズ
103、120 シリンダレンズ
104、151、1003 ポリゴンミラー
105、157a〜157d 感光体
106 fθレンズ
107 トロイダルレンズ
108、171a〜171d、1004 フォトディテクタ(PD)
110、170a〜170d ミラー
111、118、127、130、164、200、211、300、318 画素クロック生成部
112、133、165 画像処理部
113、119、128、131、163 変調データ生成部
114、129、132、162 レーザ駆動部
126 同期信号分離部
152a〜152d 走査レンズ
153a〜153d 155a〜d、折り返しミラー
158 中間転写ベルト
203 周波数変調データ生成部
204 周波数変調データ格納部
205 周波数変調制御部
316 オフセット誤差保持部
319 基準面誤差保持部
特開2001−183600号公報 特開2004−262101号公報 特開2000−152001号公報 特開2006−305780号公報

Claims (12)

  1. ポリゴンミラーで偏向された光を、レンズを通過させて走査する走査光学系と、
    周期的に入力される1つの同期信号の時間間隔と、前記レンズを含む前記走査光学系の角速度-線速度変換効率の変換誤差が走査速度に与える速度誤差に基づき決定される目標値との誤差を出力する比較手段と、
    前記誤差に従って演算した画素クロック周波数の設定値に基づき、前記画素クロック周波数を指定する周波数指定信号を出力する周波数演算手段と、
    前記周波数指定信号に基づいて、前記画素クロック周波数の画素クロックを生成する画素クロック生成手段と、
    を有することを特徴とする画素クロック生成装置。
  2. 1周期の開始を検出して同期信号を出力する1つだけの同期信号検出手段と、
    高周波クロックを生成する高周波クロック生成手段と、を有し、
    前記画素クロック生成手段は、前記周波数演算手段が出力する前記周波数指定信号に基づく分周比で前記高周波クロックを分周して、前記画素クロック周波数の画素クロックを生成する、ことを特徴とする請求項1記載の画素クロック生成装置。
  3. 高周波クロックを生成する高周波クロック生成手段を有し、
    当該高周波クロック生成手段は、前記高周波クロックを位相差Tvずつ互いに位相をずらした多相クロックを生成するものであって、
    前記多相クロックの位相差Tvを単位時間とし、前記周波数指定信号を取得する毎に、前記単位時間の数を計数した基準信号を生成し、前記画素クロック生成手段に前記基準信号を出力する計数手段を有し、
    前記画素クロック生成手段は、前記基準信号に基づき画素クロックを生成する、
    ことを特徴とする請求項1記載の画素クロック生成装置。
  4. 前記周波数演算手段は、
    前記画素クロック生成手段が生成した画素クロック毎に、画素クロック単位で設定された画素クロック周波数の平均値からの差分を読み出して、該差分に従って、前記画素クロック周波数の設定値を演算する、
    ことを特徴とする請求項1記載の画素クロック生成装置。
  5. N回周期で変動する前記時間間隔のオフセット誤差値を除去して補正誤差を算出するオフセット誤差除去手段を備え、
    前記周波数演算手段は、前記補正誤差に従って前記画素クロック周波数の設定値を演算する、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の画素クロック生成装置。
  6. 前記オフセット誤差除去手段は、
    前記比較手段が算出した前記誤差の直近N回分の平均値を前記補正誤差とする、
    ことを特徴とする請求項5記載の画素クロック生成装置。
  7. 前記オフセット誤差除去手段は、
    前記比較手段によって算出された前記誤差の直近N回分の平均値を算出する誤差平均値算出手段と、
    前記比較手段によって算出された前記誤差から、直近N回分の前記平均値を減じて、前記オフセット誤差値をN個算出して保持し、保持した前記N個の前記オフセット誤差値を同期信号毎に循環選択して出力するオフセット誤差算出手段とを備え、
    前記比較手段によって算出された前記誤差から、前記オフセット誤差算出手段の出力する前記オフセット誤差値を減じて前記補正誤差を出力する、
    ことを特徴とする請求項5記載の画素クロック生成装置。
  8. 前記オフセット誤差除去手段は、
    前記比較手段によって算出されたN回周期の前記誤差の何れか1つを基準誤差値として保持する基準誤差値算出手段と、
    前記比較手段によって算出された前記誤差から、前記基準誤差値を減ずることによって前記オフセット誤差値をN個算出して保持し、保持した前記N個のオフセット誤差値を同期信号毎に循環選択して出力するオフセット誤差算出手段とを備え、
    前記比較手段によって算出された前記誤差から、前記オフセット誤差算出手段の出力する前記オフセット誤差値を減じて前記補正誤差を出力する、
    ことを特徴とする請求項5記載の画素クロック生成装置。
  9. 請求項1〜8いずれか1項記載の画像クロック生成装置と、
    前記画素クロックに基づき画像データをパルス変調したパルス変調信号を生成する変調データ生成手段と、
    前記パルス変調信号により光源を駆動する光源駆動手段と、
    前記光源からの光を、回転軸の周りに設けられたN個の偏向反射面で反射するポリゴンミラーと、
    前記ポリゴンミラーに前記光源から出力される光束を入射して偏向させることにより被走査媒体上に走査させる光走査手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 複数の前記光源と、周期的に入力してくる同期信号を各光源に対応した同期信号に分離する検出信号分離手段と、を有し、
    前記比較手段は、複数の前記光源毎に、周期的に入力してくる同期信号の時間間隔と、前記光源毎の目標値とをそれぞれ比較して、前記光源毎に前記目標値との誤差を出力し、
    前記周波数演算手段は、前記光源毎に、前記比較手段が出力する複数の前記誤差に従って画素クロック周波数の前記設定値を演算し、演算した前記設定値に従って、前記光源毎に、画素クロック周波数を指定する周波数指定信号を生成し、
    前記画素クロック生成手段は、前記光源毎に生成された前記周波数指定信号に基づいて、前記画素クロック周波数の前記画素クロックを生成する、
    ことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. ポリゴンミラーで偏向された光を、レンズを通過させて走査する走査光学系を備えた画素クロック生成装置の画素クロック生成方法であって、
    比較手段が、周期的に入力される1つの同期信号の時間間隔と、前記レンズを含む前記走査光学系の角速度-線速度変換効率の変換誤差が走査速度に与える速度誤差に基づき決定される目標値との誤差を出力するステップと、
    周波数演算手段が、前記誤差に従って演算した画素クロック周波数の設定値に基づき、前記画素クロック周波数を指定する周波数指定信号を出力するステップと、
    画素クロック生成手段が、前記周波数指定信号に基づいて、前記画素クロック周波数の画素クロックを生成するステップと、
    を有することを特徴とする画素クロック生成方法。
  12. ポリゴンミラーで偏向された光を、レンズを通過させて走査する走査光学系を備えた画像形成装置の画像形成方法であって、
    比較手段が、周期的に入力される1つの同期信号の時間間隔と、前記レンズを含む前記走査光学系の角速度-線速度変換効率の変換誤差が走査速度に与える速度誤差に基づき決定される目標値と、の誤差を出力するステップと、
    周波数演算手段が、前記誤差に従って演算した画素クロック周波数の設定値に基づき、前記画素クロック周波数を指定する周波数指定信号を出力するステップと、
    画素クロック生成手段が、前記周波数指定信号に基づいて、前記画素クロック周波数の画素クロックを生成するステップと、
    変調データ生成手が、前記画素クロックに基づき画像データをパルス変調したパルス変調信号を生成するステップと、
    光源駆動手段が、前記パルス変調信号により光源を駆動するステップと、
    ポリゴンミラーが、前記光源からの光を、回転軸の周りに設けられたN個の偏向反射面で反射するステップと、
    光走査手段が、前記ポリゴンミラーに前記光源から出力される光束を入射して偏向させることにより被走査媒体上に走査させるステップと、
    を有することを特徴とする画像形成方法。
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