JP5549071B2 - 接着剤組成物及び接着層 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤組成物及び接着層に関する。
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には銀ペーストが主に使用されていた。しかし、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化・細密化が要求されるようになってきている。銀ペーストを用いた場合、所望の位置に接着剤を付設することができるものの、樹脂のはみ出し、半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時の不具合、接着剤層の膜厚の制御困難性、接着剤層に生じるボイドなどの問題がある。したがって、銀ペーストによる接合では、上記要求に対して十分対処しきれなくなってきている。
上記要求に対処するべく、近年、シート状の接着剤からなる接着シートが使用されるようになってきた。このような接着シートとしては、個片貼付け方式、あるいはウエハ裏面貼付け方式のものがあり、銀ペーストに比べて接着剤層の膜厚の制御性などに優れる。
個片貼付け方式の接着シートを用いて半導体装置を製造する場合、リールに巻かれた状態の接着シートをカッティング又はパンチングによって個片に切り出した後、その個片を所望の位置に接着し、その上に個片化された半導体素子を接着する。その後、必要に応じてワイヤボンド、封止などの工程を経ることによって半導体装置が製造される。しかし、個片貼付け方式の接着シートを用いるためには、上記の通り、接着シートを切り出して所望の位置に接着する専用の装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
一方、ウエハ裏面貼付け方式の接着シートを用いて半導体装置を製造する場合、まず、半導体ウエハの裏面に接着シートを貼り合わせ、更に接着シートの他面にダイシングテープを貼り合せる。そして、ウエハからダイシングによって半導体素子を個片化し、この接着シート付き半導体素子をピックアップして支持部材上に貼り付ける。その後、加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより、半導体装置が製造される(特許文献1〜3を参照)。
ところで、チップを個片化する際、所定の箇所で容易に切断できるようにする技術が知られている。例えば、ウエハを完全に切断せずに、切断予定箇所に溝を加工する技術(ハーフダイシング)、レーザ照射によりウエハ内部に選択的に改質層を形成するレーザ加工技術(ステルスダイシング)などである(例えば、特許文献4及び5を参照)。これらの切断技術は、特に、ウエハの厚さが薄い場合にチッピングなどの不良を低減する効果がある。
しかしながら、上記のような切断技術は、ウエハ表面上に接着剤が存在する箇所に適用しにくく、半導体素子とその支持部材等が接着シートで接合されたウエハ又はチップの切断に採用することは困難であった。
また、従来の接着シートを用いた半導体装置の製造方法自体も以下の点において改善の余地があった。すなわち、接着シートを用いて半導体装置を製造するに際しては、ウエハ表面の所定位置に接着シートを貼り付ける工程が必要である。かかる工程において、接着シートを所定位置のみに付設することは必ずしも容易なことではなく、また、既に基板などに実装済みのウエハ上に接着シートを貼り付けることは困難であった。更に、ウエハと接着シートとをダイシングによって同時に切断すると、ウエハにクラックが生じやすいなどの課題があった。特に、厚さ50μm以下の極薄ウエハにはクラックが生じやすく、このクラックが信頼性低下の一因となるなどの問題があった。また、ウエハと接着シートとを同時に切断するためには、切断速度を遅くする必要があり、作業効率の低下を招いていた。
なお、接着シートを用いた場合であっても、ウエハと接着シートとを同時に切断することを回避するため、基材フィルムと、その表面上に形成された接着剤層とを有し、この接着剤層の所定位置に溝が設けられた接着シートが知られている(例えば、特許文献6を参照)。しかし、上記接着シートでは、接着剤層に形成された溝の位置とウエハの切断予定箇所又は切断箇所との位置合わせが必要であり、この点において改善の余地があった。
そこで、切断予定位置を避けて接着層を付設する手法として印刷法があげられる。印刷法を用いた接着剤を付設した場合、ウエハ切断予定箇所を避けることが可能であり、チッピング等の不良低減に効果的である。また、上記印刷法としては製造コスト削減、多品種対応といったことから無版印刷であることが好ましい。無版印刷の例としてはインクジェット印刷法があげられる。加えて、近年薄型化が進む多段チップパッケージでは接着層の更なる薄膜化が求められているが、インクジェット印刷法では20μm以下の接着層の付設が可能である。しかし、インクジェット印刷法によって接着層を付設した場合、パッケージの信頼性から粘度調整のためインクに含まれている溶剤分を揮発させることが必要となる。通常インクジェット印刷に用いられるインクには高沸点の溶剤が含まれるため、溶剤の揮発には高温乾燥が必要となる。この乾燥工程の際に樹脂の硬化反応が進行し、チップマウント時の貼り合わせ性の低下をまねいていた。
特開2002−226796号公報 特開2002−158276号公報 特開平2−32181号公報 特開2002−192367号公報 特開2003−1457号公報 特開2004−266163号公報
本発明は、印刷法によって基材に付設後、高沸点溶剤の乾燥工程を含む印刷プロセスに適した接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
1. 熱硬化性樹脂と、硬化促進剤とを含有する接着剤組成物において、硬化促進剤としてイミダゾール類を含み、硬化促進剤の含有量が、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.2重量部未満である、接着剤組成物。
2.液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂に前記イミダゾール類を5.0phr添加し5℃/分の条件にて昇温した際の、前記イミダゾールが重合反応を活性化する温度が130℃以上である、請求項1記載の接着剤組成物。
3. 熱硬化性樹脂が、(a)25℃で単独の粘度が1.0Pa・s以上の液状エポキシもしくは常温(25℃)固形のエポキシ樹脂と、(b)水酸基当量100g/eq以上のフェノール樹脂とを含有する、前記の接着剤組成物。
4. 25℃での粘度が50mPa・s以下である、前記の接着剤組成物。
5. 25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤を含有する、前記の接着剤組成物。
6. 前記の接着剤組成物を使用し、無版印刷法によって基材表面に付設されてなる接着層。
7. 前記の接着剤組成物を使用し、インクジェット装置を用いて基材表面に付設されてなる接着層。
8. 前記の接着剤組成物を、基材の表面に印刷法によって付設する第1工程と、前記第1工程で付設した前記接着剤組成物に含まれる溶剤を揮発させる第2工程によって作製されてなる接着層。
9. 厚さが、0.5〜20μmである、前記の接着層。
10. 多段チップパッケージ用途に使用される、前記の接着剤組成物。
本発明によれば、印刷法によって基材に付設後、高沸点溶剤の乾燥工程を含む印刷プロセスに適した接着剤組成物を提供することが可能となった。
本発明の接着剤組成物は、熱硬化性樹脂と、イミダゾール類を含む硬化促進剤とを含有し、熱硬化性樹脂100重量部に対し、硬化促進剤を0.2重量部未満含有する。
(熱硬化性樹脂)
接着剤組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂及びその硬化剤等が挙げられる。
(エポキシ樹脂)
熱硬化性樹脂に、耐熱性が高い点から、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。好適なエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂揮発によるワニス変質の抑制点から、25℃で単独の粘度が1.0Pa・s以上の液状エポキシもしくは常温(25℃)固形のエポキシ樹脂である(以下、エポキシ樹脂(a)とする)。エポキシ樹脂は、二以上の官能基を有することが好ましい。また、エポキシ樹脂は、ワニス固形分を極端に低減せずに、ワニス粘度を印刷に好適な粘度範囲(50mPa・s以下)に容易に調整可能な点から、重量平均分子量が5000未満が好ましく、より好ましくは3000未満である。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂などを使用できる。また、多官能エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等、一般に知られているものを適用することもできる。
市販のエポキシ樹脂(a)としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。エポキシ樹脂としては、1種又は2種以上を併用することもできる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート807,エピコート815,エピコート825,エピコート827,エピコート828,エピコート834,エピコート1001,エピコート1002,エピコート1003,エピコート1055,エピコート1004,エピコート1004AF,エピコート1007,エピコート1009,エピコート1003F,エピコート1004F(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、DER−330,DER−301,DER−361,DER−661,DER−662,DER−663U,DER−664,DER−664U,DER−667,DER−642U,DER−672U,DER−673MF,DER−668,DER−669(以上、ダウケミカル社製、商品名)、YD8125,YDF8170(以上、東都化成株式会社製、商品名)等が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、YDF−2004(東都化成株式会社製、商品名)等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート152,エピコート154(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、EPPN−201(日本化薬株式会社製、商品名)、DEN−438(ダウケミカル社製、商品名)N−865(大日本インキ化学工業株式会社、商品名)等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート180S65(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、アラルダイトECN1273,アラルダイトECN1280,アラルダイトECN1299(以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)、YDCN−701,YDCN−702,YDCN−703,YDCN−704(以上、東都化成株式会社製、商品名)、EOCN−102S,EOCN−103S,EOCN−104S,EOCN−1012,EOCN−1020,EOCN−1025,EOCN−1027(以上、日本化薬株式会社製、商品名)、ESCN−195X,ESCN−200L,ESCN−220(以上、住友化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
多官能エポキシ樹脂としては、エポン1031S,エピコート1032H60,エピコート157S70(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、アラルダイト0163(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)、デナコールEX−611,デナコールEX−614,デナコールEX−614B,デナコールEX−622,デナコールEX−512,デナコールEX−521,デナコールEX−421,デナコールEX−411,デナコールEX−321(以上、ナガセ化成株式会社製、商品名)、EPPN501H,EPPN502H(以上、日本化薬株式会社製、商品名)等が挙げられる。
アミン型エポキシ樹脂としては、エピコート604(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、YH−434(東都化成株式会社製、商品名)、TETRAD−X,TETRAD−C(以上、三菱ガス化学株式会社製、商品名)、ELM−120(住友化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。
複素環含有エポキシ樹脂としては、アラルダイトPT810(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、ERL4234,ERL4299,ERL4221,ERL4206(以上、UCC社製、商品名)等が挙げられる。
好適なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などが挙げられ。これらは併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
さらに、上記エポキシ樹脂のなかでも室温(25℃)で固体であり且つ環球式で測定した軟化点が50℃以上であれば、半導体装置の製造過程における耐熱性の観点からより好適である。かかるエポキシ樹脂の含有量は、接着剤組成物に含まれるエポキシ樹脂の全量100重量部に対して、20重量部以上であることが好ましく、40重量部以上であることがより好ましく、60重量部以上であることが更に好ましい。
(硬化剤)
エポキシ樹脂を含有する接着剤組成物は、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を更に含有してもよい。エポキシ樹脂を硬化させることが可能なものであれば、特に限定されないが、硬化剤としては、例えば、多官能フェノール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれらのハロゲン化物、ポリアミド、ポリスルフィド、三ふっ化ほう素などが挙げられる。
多官能フェノール類の例としては、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール,多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体などが挙げられる。また、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂などが挙げられる。
市販されている好ましいフェノール樹脂硬化剤としては、例えば、フェノライトLF2882,フェノライトLF2822,フェノライトTD−2090,フェノライトTD−2149,フェノライトVH4150,フェノライトVH4170(以上、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。
本発明における接着剤組成物は、水酸基当量100g/eq以上のフェノール樹脂を含有することが好ましい(以下、フェノール樹脂(b)とする)。水酸基当量が100g/eq未満のフェノール樹脂を用いると軟化点、粘度が低く作業性が低下する。このようなフェノール樹脂としては、上記値を有する限り特に制限はないが、吸湿時の耐電食性に優れることから、ノボラック型又はレゾール型の樹脂を用いることが好ましい。上記フェノール樹脂の具体例として、例えば、下記一般式(I)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。
Figure 0005549071
(式中、Rは、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、nは、0〜3の整数を表し、mは、0〜50の整数を表す。)
フェノール樹脂(b)としては、耐湿性の観点から、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に48時間投入後の吸水率が2重量%以下であることが好ましい。また、熱重量分析計(TGA)で測定した350℃での加熱重量減少率(昇温速度:5℃/分、雰囲気:窒素)が5重量%未満のものを使用することが好ましい。加熱重量減少率が上記範囲内のものを使用すると、加熱加工時などにおいて揮発分の発生が抑制され、耐熱性、耐湿性などの諸特性の信頼性が高くなると共に、揮発分による機器の汚染を十分に低減できる。
フェノール樹脂(b)は、例えば、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物を、無触媒又は酸触媒の存在下に反応させて得ることができる。また、フェノール樹脂(b)として、市販のものでは、ミレックスXLC−シリーズ、同XLシリーズ(以上、三井化学株式会社製、商品名)などを挙げることができる。
上記エポキシ樹脂(a)と上記フェノール樹脂(b)を組合せて使用する場合、両者の配合量は、エポキシ当量と水酸基当量の当量比(エポキシ当量/水酸基当量)で0.70/0.30〜0.30/0.70とするのが好ましく、0.65/0.35〜0.35/0.65とするのがより好ましく、0.60/0.40〜0.40/0.60とするのが更に好ましく、0.55/0.45〜0.45/0.55とするのが特に好ましい。両者の配合量が上記当量比の範囲外であると、硬化性が不十分となる傾向がある。
(硬化促進剤)
本発明の接着剤組成物において、硬化後の接着強度向上のため硬化促進剤を含有する。
本発明では、硬化性や保存安定性の観点から、接着促進剤にイミダゾール類を含む。例としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチルー4メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノ1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体などが挙げられる。これらは単独または2種以上を併用してもよい。また、これらをマイクロカプセル化して潜在性を高めたものを用いてもよい。これらは、常温(25℃)で固形であり、作業性に優れる。
イミダゾール類は、乾燥工程での樹脂の硬化抑制の観点から、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂にイミダゾール類を5.0phr(上記のエポキシ樹脂100重量部に対して、イミダゾール類5.0重量部)添加し5℃/分の条件にて昇温した際の重合反応を活性化する温度が130℃以上であることが好ましい。
この様なイミダゾール類としては、上記の重合反応を活性化する温度が135℃である2PZ−CNS、145℃である2E4MZ−A(共に商品名、四国化成工業株式会社製)、及びC11Z-CNや2PZ−CN、2HPZ−PW、2MA−OK、2MZ−A、2PH4MZ−PWが挙げられる。
本発明の接着剤組成物において、添加する硬化促進剤の量は、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.2重量部未満であり、0.15重量部以下が好ましい。仮に、0.2重量部以上添加した場合、乾燥工程での樹脂が硬化してしまうことでチップマウント時の貼り合わせ性の低下が懸念される。
(溶剤)
本発明の接着剤組成物は、溶剤を含んでもよい。溶剤は、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤が好ましい。蒸気圧が上記範囲内の溶剤を用いることで、溶剤の揮発による接着剤組成物の粘度上昇を十分に抑制することができる。したがって、粘度上昇に起因したインク吐出トラブルを十分に回避できる。これに対し、例えば、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤を単独で使用した場合にあっては、液滴が乾燥しやすくインクジェット装置のノズルから液滴を適正に吐出することが困難となりやすく、また、ノズルの目詰まりが生じやすくなる。
接着剤組成物においては、25℃の蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤と、25℃の蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤とを併用してもよい。ただし、上述のような接着剤組成物の粘度上昇に起因する問題を回避する観点から、25℃の蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤の含有量は、溶剤全量100重量部に対して、60重量部以下であることが好ましく、50重量部以下であることがより好ましく、40重量部以下であることが更に好ましい。
接着剤組成物の調製に使用する溶剤は、25℃における蒸気圧が所望の範囲であると共に、後述する絶縁性の樹脂を分散又は溶解可能なものであれば、特に限定されるものではない。
25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤として、具体的にはγ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、アニソール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチエーテルアセテート、1,3ブチレングリコールジアセテート等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
他方、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤として、具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着剤組成物全量に対する溶剤の含有割合は特に制限はないが、接着剤組成物の25℃における粘度が50mPa・s以下となるように、適宜調整すればよい。
(表面調整剤)
本発明の接着剤組成物は表面調整剤を含んでいてもよい。本インクの表面張力は20.0mN/m〜45.0mN/mになることが好ましく、21.0〜27.0となるのがさらに好ましい。表面張力が上記範囲より外れた場合、インクジェット吐出性が損なわれる可能性がある。そこで、表面調整剤等の添加によってインクの表面張力を調整してもよい。このような表面調整剤としては、シリコン系、ビニル系、アクリル系などが挙げられる。市販されているこのような表面調整剤としては,BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−340、BYK−344、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−358N、BYK−361N、BYK−392、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−3570、BYK−Silclean3700(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、OX−880EF、OX−881、OX−883、OX−883HF、OX−70、OX−77EF、OX−60、OX−710、OX−720、OX−720EF、OX−750HF、LAP−10、LAP−20、LAP−30、1970、230、LF−1980、LF−1982、LF−1983、LF−1984、LF−1985、LHP−90、LHP−91、LHP−95、LHP−96、1711、1751N、1761、LS−001、LS−050(以上、楠本化学社製ディスパロンシリーズ)、SH200−100CS、SH7PA、11ADDITIVE、SH28PA、SH−29PA,SH−30PA、ST80PA、ST83PA、ST86PA、ST90PA、ST97PA、ST105PA(東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上併用してもよい。
(添加剤等)
本発明の接着剤組成物は、熱硬化性樹脂の他、紫外線などの放射線の照射によって硬化する樹脂、硬化促進剤、触媒、添加剤、フィラー、カップリング剤、高分子量成分等を含んでもよい。高分子量成分としてはポリイミド、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(接着剤組成物)
各成分を混合及び撹拌して本発明の接着剤組成物を得ることができる。本発明の接着剤組成物においては、応力緩和性、経済性等の観点から、接着層(接着剤)の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。
本発明の接着剤組成物(印刷用接着剤組成物)は、通常、印刷法によってウエハもしくは半導体ウエハ等の基材表面上に付設される。ここで、「半導体ウエハ」とは、半導体装置における基板をなす薄い板状のものを意味し、半導体装置の製造過程におけるダイシング前の状態のみを意味するものではなく、ダイシング後に支持台等に固定された状態、個片化されたチップの状態及び個片化後に支持部材等に実装された状態のいずれのものも包含する。
本発明の接着剤組成物(印刷用接着剤組成物)によれば、接着剤が印刷法によって任意位置に付設できるため、接着シートを用いる必要がなく、その結果、接着シートとウエハの位置合わせのための工程を省略できる。また、例えば、ダイシング時の切断予定箇所には接着剤が存在しないように接着剤を付設すれば、ダイシング時におけるウエハと接着剤との同時切断を回避でき、ダイシング時の切断速度を遅くしなくてもよい。
また、予めダイシングしたウエハの切断箇所に重ならないように接着剤を半導体ウエハの表面に付設してもよく、このような状態の接着剤付きウエハは、所定のチップごとに接着剤が付設されたものとなっている。また、かかる接着剤付きウエハは、切断箇所を介して隣接するウエハとは既に分離された状態となっているため、接着シートを貼り付けた後にこれを切断して得られたものと比較すると、クラックの発生が十分に低減される。
本発明において、印刷法によって付設された接着剤組成物は付設した後、そのままの状態のものであってもよいが、パッケージ作製後の信頼性向上のため、付設後これに含まれる溶剤を揮発させる工程を経たものであることが好ましい。
本発明において、溶剤を揮発させる工程では、上記接着剤組成物に含まれる溶剤が高沸点であるため、残溶剤低減の観点から高温で行われることが望ましいが、ワイヤボンディングに使われる金配線の融点より低いことが好ましい。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物は、半導体ウエハと、この半導体ウエハの表面上の任意位置に所望のパターンが形成されるように接着剤を付設することができる。
接着剤のパターンは特に制限はなく、接着剤付きウエハの用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、図1に示す接着剤付きウエハ10Aは、電気的回路が加工された半導体ウエハ1の表面のラインL1で囲まれた領域に接着剤2がそれぞれ付設されている。破線で示したラインL1は、半導体ウエハ1の切断予定ライン(切断予定箇所)を示し、このラインL1に重ならないように接着剤2が付設されている。
接着剤付きウエハ10Aによれば、半導体ウエハ1のラインL1に重ならないように接着剤2が付設されているため、ダイシング時において半導体ウエハ1と接着剤2の双方ではなく、半導体ウエハ1のみを切断でき、切断速度を遅くする必要がない。なお、半導体ウエハ1のラインL1に沿った領域には、予めハーフダイシング又はステルスダイシングなどの加工を施してもよい。
また、図2に示す接着剤付きウエハ10Bは、接着剤2が半導体ウエハ1の表面における格子状に区画された微細な領域にそれぞれ付設されている。これにより、接着剤2が付設されていない領域3が微細な網目の形状となっている。この格子状に区画された領域の一辺は0.01〜1mmであることが好ましい。
接着剤付きウエハ10Bによれば、上記のように接着剤2が付設されていることで、切断予定箇所と接着剤2を付設しない領域とを必ずしも高精度に位置合わせをする必要がなくなり、製造コストの低減が図れるという利点がある。すなわち、ダイシング時において、半導体ウエハ1の向きを調整さえすれば、半導体ウエハ1の切断予定ラインL1の近傍に常に接着剤2が付設されていない領域3が存在するため、位置合わせ自体が不要であるか、あるいは高精度の位置合わせが不要になる。なお、半導体ウエハ1の表面に接着剤2が付設されていない領域3があっても、その上にチップを貼り付けると接着剤2が流動し、接着剤2が存在しない部分は消失するため、信頼性の低下は起こらない。
更に、図3に示す接着剤付きウエハ10Cは、半導体ウエハ1が予め切断され、その状態で固定されている各々のチップ(半導体ウエハ)1C上に、接着剤2がそれぞれ付設されている。各々の接着剤2は、半導体ウエハ1の切断ラインL2に重ならないように付設されている。接着剤付きウエハ10Cによれば、切断ラインL2に重ならないように接着剤2が付設されているため、チップ1Cと支持台との接着や隣接するチップ1C同士の接着を防止でき、ピックアップ時のクラック発生を低減できる。
また、多段チップパッケージを作製するため、基板上に実装した半導体ウエハの上に、個片化した半導体ウエハを積み重ねる場合は、積み重ねる半導体ウエハのサイズに合わせて所望の位置に接着剤を付設することが好ましい。これにより、接着剤材料のロスを削減することができる。
ウエハの表面の所定位置に接着剤を付設する方法としては、ウエハ上に接着剤を印刷する方法(スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、ディスペンス法、インクジェット法)、ウエハ表面を覆うように接着剤組成物の塗布又はシート状接着剤のラミネートを行った後、エッチングや金型によって接着剤層を打ち抜く方法などが挙げられる。
上記の付設方法の中でも、スクリーンなどの型が不要であることから、無版印刷法であるディペンス印刷法及びインクジェット印刷法が好ましい。ウエハに直接接することなく且つ精度よく接着剤を付設できる点を考慮すると、、インクジェット印刷法を採用することがより好ましい。また、インクジェット印刷法は、既に個片化されたウエハなどの表面上にも印刷できる点でも好適な方法である。つまり、インクジェット印刷法は、ダイシング前のウエハ表面に接着剤を精度よく付設できるのみならず、チップスタックで多段チップパッケージを作製する工程において、二段目以降のチップを実装するため、その下段のウエハ表面に接着剤を付設する場合にも適用できる。したがって、多段チップパッケージの作製工程も簡略化できる。
ウエハ表面に付設する接着剤の厚さは特に制限はないが、0.1〜250μmであることが好ましい。接着剤の厚さが0.1μm未満であると応力緩和効果が不十分となる傾向があり、その下限は0.5μmであることがより好ましく、2.0μmであることが更に好ましい。他方、接着剤層の厚さが250μmを超えると、経済的でなくなると共に半導体装置の小型化の要求に十分に対応できなくなる傾向があり、その上限20μmであることがより好ましく、10μmであることが更に好ましい。
特に、半導体装置の薄型化の要請から、接着剤を極薄に付設することが求められており、厚さ0.1〜20μm(より好ましくは0.5〜20μm)の接着剤を所定の位置に精度よく付設することが好ましい。このような高精度の付設が要求される場合にあっては、上述の通り、インクジェット印刷法を採用することが好ましい。
接着剤組成物は、25℃での粘度が50mPa・s以下であることが好ましい。接着剤組成物の粘度が上記範囲内であると、これをインクジェット装置のインクとして用いた場合、ノズルの目詰まりを十分に防止できると共に、インクジェット印刷時においてインクを吐出しないノズルを十分に低減できる。その結果、良好な印刷性を得ることができる。より安定した吐出性を達成する観点から、接着剤組成物の25℃での粘度は1〜30mPa・sであることがより好ましく、5〜15mPs・sであることが更に好ましい。
なお、インクジェット装置を用いて接着層を付設する場合、耐熱性とインクジェット法での製膜性が優れる点で、下記の接着剤組成物を用いることが好ましい。すなわち、インクジェット印刷法を採用する場合、エポキシ樹脂と、分子量500以下の低分子量成分の含有量が20重量%以下であり、且つ分子量1000以下の低分子量成分の含有量が30重量%以下のフェノール樹脂と、溶剤とを含有すると共に、25℃での粘度が50mPa・s以下である接着剤組成物を用いることが好ましい。
本発明の接着剤付きウエハは、表面上に上述の接着剤組成物を付設した後、そのままの状態のものであってもよいが、接着剤組成物の付設後、信頼性向上のためこれに含まれる溶剤を揮発させる工程を経たものであることが好ましい。このことにより、接着剤組成物が半導体ウエハ上で流動することを十分に防止できる。また、接着剤組成物の付設後、上記のように溶剤を揮発させると共に、接着剤に含まれる熱硬化性樹脂をBステージ化する処理を行ってもよい。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
以下に実施例及び比較例における評価方法を示す。
<接着剤組成物の調製>
(実施例1)
次の各成分を混合し、本実施例の接着剤組成物Aを調製した。(i)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、エポキシ当量210、軟化点70℃)3.49g(ii)フェノールアラルキル樹脂:XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、ザイロック樹脂、水酸基当量174g/eq、一般式(I)においてm=0〜30、n=0)2.97g(iii)1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(硬化促進剤):キュアゾール2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製、商品名)0.007g(iv)表面調整剤:BYK−310(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.07g(v)溶剤:γ−ブチルラクトン(25℃における蒸気圧2.3×10Pa)
溶剤は、接着剤組成物に含まれる樹脂固形分が22重量%となるように添加した。混合液を攪拌した後、真空脱気して接着剤組成物Aを得た。この接着剤組成物Aの25℃における粘度は、9.3mPa・sであった。
なお、本実施例及び比較例においては、接着剤組成物の粘度は小型振動式粘度計(商品名:SV−10、株式会社エー・アンド・ディー社製)を用いて測定した。
<接着剤の付設>
ブレードダイシングによって、ポリイミドがコートされたウエハを10mm角に切断した。バックグラインドテープ上に固着された状態のウエハの表面に、接着剤組成物Aをインクジェット印刷法で付設した。すなわち、インクジェット印刷装置(商品名:Nano
Printer1000、マイクロジェット社製)のノズルから接着剤組成物を吐出させ、10mm角のチップに対して一辺5mmの正方形の接着剤組成物からなる層(厚さ:3.3μm)を形成し、チップの外縁から0.5mmの領域を除き、接着剤組成物Aを付設した。
接着剤組成物Aが付設された各々のチップを150℃で5分間乾燥し、接着剤付きチップを得た。
<評価試験>
各種の評価試験を行うため、接着剤付きチップと、接着剤が付設されていない半導体チップ(ダミーチップ5mm□)とを接着させた積層体を複数準備した。両者の接着は、接着温度120℃において2kgを4秒間かけることで行った。半導体チップをピックアップしたところ、接着剤付きチップと半導体チップは接着剤の粘着力によって貼り付いており、接着剤付きチップが脱落することはなかった。これらの積層体を温度180℃にて1時間加熱して接着剤を硬化させ、評価試験用の試料を得た。
(インクジェット印刷性)
接着剤組成物においてインクジェット印刷によって安定にインク吐出でき、かつ目標とする位置への印刷性に優れるものを○とした。
(印刷膜厚)
印刷によって付設される接着層の膜厚は、接着強度確保の点から2μm以上を○とした。2μm未満を×とした。
(貼付け性)
接着剤とダミーチップの接着面積は、ダミーチップを接着後、ダミーチップを引き剥がし接着痕の面積から測定し、80%以上の接着面積を有するものを○とした。80%未満の接着面積を有するものを×とした。
(実施例2)
次の各成分を混合し、本実施例の接着剤組成物Bを調製した。(i)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、エポキシ当量210、軟化点70℃)3.51g(ii)フェノールアラルキル樹脂:XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、ザイロック樹脂、水酸基当量174g/eq)2.98g(iii)1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(硬化促進剤):キュアゾール2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製、商品名)0.004g(iv)表面調整剤:BYK−310(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.07g(v)溶剤:γ−ブチルラクトン(25℃における蒸気圧2.3×10Pa)
溶剤は、接着剤組成物に含まれる樹脂固形分が22重量%となるように添加した。混合液を攪拌した後、真空脱気して接着剤組成物Bを得た。この接着剤組成物Aの25℃における粘度は、9.3mPa・sであった。次の各成分を混合し、本実施例の接着剤組成物Bを調製した。
接着剤組成物Aの代わりに接着剤組成物Bを用いたことの他は、実施例1と同様にして接着剤の付設及び評価試験を行った。
(実施例3)
次の各成分を混合し、本実施例の接着剤組成物Cを調製した。(i)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、エポキシ当量210、軟化点70℃)3.48g(ii)フェノールアラルキル樹脂:XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、ザイロック樹脂、水酸基当量174g/eq)2.96g(iii)2,4−ジアミノ−6−(2’−エチルー4’−メチルイミダゾリル(1’)−エチル−s−トリアジン(硬化促進剤):キュアゾール2E4MZ−A(四国化成工業株式会社製、商品名)0.007g(iv)表面調整剤:BYK−310(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.07g(v)溶剤:γ−ブチルラクトン(25℃における蒸気圧2.3×10Pa)
溶剤は、接着剤組成物に含まれる樹脂固形分が22重量%となるように添加した。混合液を攪拌した後、真空脱気して接着剤組成物Cを得た。この接着剤組成物Cの25℃における粘度は、9.3mPa・sであった。
(実施例4)
各成分を混合し、本実施例の接着剤組成物Dを調製した。実施例3と同様にして、配合樹脂、固形分、硬化促進剤、表面調整剤、溶剤は変更せず、硬化促進剤(2E4MZ−A)添加量は0.004gに変更して、接着剤組成物Dを調整した。この接着剤組成物Cの25℃における粘度は、9.3mPa・sであった。
(実施例5)
次の各成分を混合し、本実施例の接着剤組成物Eを調製した。(i)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、エポキシ当量210、軟化点70℃)3.56g(ii)フェノールアラルキル樹脂:XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、ザイロック樹脂、水酸基当量174g/eq)3.02g(iii)1 - シアノエチル - 2 - ウンデシルイミダゾール(硬化促進剤):キュアゾールC11Z−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)0.004g(iv)表面調整剤:BYK−310(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.007g(v)溶剤:γ−ブチルラクトン(25℃における蒸気圧2.3×10Pa)
溶剤は、接着剤組成物に含まれる樹脂固形分が22重量%となるように添加した。混合液を攪拌した後、真空脱気して接着剤組成物Eを得た。この接着剤組成物Eの25℃における粘度は、9.2mPa・sであった。
接着剤組成物Aの代わりに接着剤組成物C、DおよびEを用いたことの他は、実施例1と同様にして接着剤の付設及び評価試験を行った。
(比較例1)
次の各成分を混合し、接着剤組成物Fを調製した。(i)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、エポキシ当量210、軟化点70℃)3.46g(ii)フェノールアラルキル樹脂:XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、ザイロック樹脂、水酸基当量174g/eq)2.94g(iii)1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト:キュアゾール2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製、商品名)0.05g(iv)表面調整剤:BYK−310(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.07g(v)溶剤:γ−ブチルラクトン(25℃における蒸気圧2.3×10Pa)
溶剤は、接着剤組成物に含まれる樹脂固形分が22重量%となるように添加した。混合液を攪拌した後、真空脱気して接着剤組成物Fを得た。この接着剤組成物Fの25℃における粘度は、9.3mPa・sであった。
(比較例2)
次の各成分を混合し、接着剤組成物Hを調製した。(i)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名、エポキシ当量210、軟化点70℃)1.94g(ii)フェノールアラルキル樹脂:XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、ザイロック樹脂、水酸基当量174g/eq)1.65g(iii)2−エチル4-メチルイミダゾール:キュアゾール2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)0.007g(iv)表面調整剤:BYK−310(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.07g(v)溶剤:γ−ブチルラクトン(25℃における蒸気圧2.3×10Pa)
溶剤は、接着剤組成物に含まれる樹脂固形分が22重量%となるように添加した。混合液を攪拌した後、真空脱気して接着剤組成物Fを得た。この接着剤組成物Hの25℃における粘度は、9.3mPa・sであった。
接着剤組成物Aの代わりに接着剤組成物FおよびGを用いたことの他は、実施例1と同様にして接着剤の付設及び評価試験を行った。
表1に上記実施例及び比較例の結果を示した。
Figure 0005549071
表1に示したように、硬化促進剤の含有量が、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.4重量部未満である実施例1〜4は、インクジェット印刷性、印刷膜厚、貼付け性とも優れていることが判った。本発明によれば、印刷法によって基材に付設後、溶剤の乾燥工程を含む印刷プロセスに適した接着剤組成物を提供することが可能となった。
本発明に係る接着剤付きウエハの第1実施形態を示す上面図である。 (a)は、本発明に係る接着剤付きウエハの第2実施形態を示す上面図であり、(b)は、その部分拡大図である。 本発明に係る接着剤付きウエハの第3実施形態を示す上面図である。
符号の説明
1…半導体ウエハ、1C…チップ(半導体ウエハ)、2…接着剤、10A,10B,10C…接着剤付きウエハ、L1…切断予定ライン(切断予定箇所)、L2…切断ライン(切断箇所)、3…接着剤が付設されていない領域

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂と、硬化促進剤とを含有する接着剤組成物において、前記硬化促進剤はイミダゾール類を含み、前記硬化促進剤の含有量は前記熱硬化性樹脂100重量部に対し0.2重量部未満であり、
    さらに、25℃における蒸気圧が1.34×10 Pa未満の溶剤を含有する、接着剤組成物。
  2. 液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、前記イミダゾール類を5.0重量部添加し5℃/分の条件にて昇温した際の、前記イミダゾールが重合反応を活性化する温度が130℃以上である、請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂は、(a)25℃で単独の粘度が1.0Pa・s以上の液状エポキシもしくは常温(25℃)固形のエポキシ樹脂と、(b)水酸基当量100g/eq以上のフェノール樹脂とを含有する、請求項1または2記載の接着剤組成物。
  4. 25℃での粘度が50mPa・s以下である請求項1〜3いずれかに記載の接着剤組成物。
  5. 請求項1〜いずれかに記載の接着剤組成物を使用し、無版印刷法によって基材表面に付設されてなる接着層。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の接着剤組成物を使用し、インクジェット装置を用いて基材表面に付設されてなる接着層。
  7. 請求項1〜いずれかに記載の接着剤組成物を、基材の表面に印刷法によって付設する第1工程と、前記第1工程で付設した前記接着剤組成物に含まれる溶剤を揮発させる第2工程によって作製されてなる接着層。
  8. 厚さが、0.5〜20μmである、請求項5〜7いずれかに記載の接着層。
  9. 多段チップパッケージ用途に使用される、請求項1〜いずれかに記載の接着剤組成物。
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