JP2017088732A - 半導体積層用接着剤組成物 - Google Patents

半導体積層用接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱乾燥により速やかに固化し、流通過程では接着性を有さず、半導体チップへのダメージを抑制可能な温度で速やかに硬化する半導体積層用接着剤組成物。【解決手段】ベンゾオキサジン基を分子中に1〜4有する特定の化合物(A)及び溶剤(B)を含有する半導体積層用接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、多層積層半導体チップを備えた装置の製造において半導体チップや半導体ウェハ(以後、「半導体チップ等」と称する場合がある)を積層する際に使用する接着剤組成物に関する。
電子機器の小型軽量化、大容量化が進行するのに伴い、半導体チップ等の高集積化が求められている。しかし、回路の微細化だけではその要求に十分に応えることは困難となった。そこで、近年、複数枚の半導体チップ等を縦に積層することにより高集積化する方法が採用されている。
半導体チップ等の積層には接着剤が使用される。特許文献1には、耐熱性に優れた硬化物を形成することができるベンゾシクロブテン(BCB)を含む熱硬化型の永久接着剤を使用することが記載されている。
特開2010−226060号公報
しかし、BCBを短時間で硬化させるためには250〜350℃程度の高温で加熱する必要があり、高温によって半導体チップ等がダメージを受けたり、仮止め用接着剤で仮止めを行っていてもBCBが硬化する前に高温により前記仮止め用接着剤が軟化して接着力を喪失するため、半導体チップ等が位置ずれを生じることが問題であった。
一方、接着剤の硬化温度が低すぎると、接着剤を塗布し、加熱乾燥によって速やかに溶剤を蒸発させて、接着剤の固化物からなる接着シート等を形成しようとすると、乾燥中に接着剤が硬化してしまい、その後、加熱処理を施しても接着剤を軟化させることができなくなり、接着力を発現させることができなくなることが問題であった。
従って、本発明の目的は、加熱乾燥により、硬化を抑制しつつ速やかに固化して、流通過程における温度環境下では接着性を有さず、半導体チップへのダメージを抑制可能な温度で加熱することにより接着性を発現し、その後、速やかに硬化する特性を有する固化物を形成することができる半導体積層用接着剤組成物(以後、「接着剤組成物」と称する場合がある)を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表されるベンゾオキサジン化合物を含む接着剤組成物は、下記特性を併せて有するため半導体積層用の永久接着剤として好適に使用できることを見いだした。
1.加熱乾燥により硬化の進行を抑制しつつ速やかに固化物を形成することができる
2.前記固化物は、搬送など流通過程における温度環境下(例えば、30℃未満の室温)では接着性を有さない
3.前記固化物は、半導体チップへダメージを与えることが無い温和な温度であって、仮止め用接着剤が接着力を維持できる温度で加熱することにより適度に軟化して接着性を発現し、その後速やかに硬化して耐熱性に優れた硬化物を形成することができる
本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)又は(1’)
Figure 2017088732
[式中、R1は、水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、及び下記式(a)〜(m)
Figure 2017088732
(式中、R2は水素原子、又は炭化水素基を示す)
で表される基から選択される基を示す。R2は水素原子、又は炭化水素基を示す。s、tは同一又は異なって1〜4の整数を示す]
で表されるベンゾオキサジン化合物(A)及び溶剤(B)を含有する半導体積層用接着剤組成物を提供する。
本発明は、また、ベンゾオキサジン化合物(A)が、下記式(1-1)〜(1-10)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物である前記の半導体積層用接着剤組成物を提供する。
Figure 2017088732
Figure 2017088732
本発明は、また、更に、ノボラック型フェノール樹脂を含有する前記の半導体積層用接着剤組成物を提供する。
本発明は、また、更に、脂環エポキシ化合物を含有する前記の半導体積層用接着剤組成物を提供する。
本発明は、また、更に、イミダゾール化合物を含有する前記の半導体積層用接着剤組成物を提供する。
本発明は、また、前記の半導体積層用接着剤組成物の固化物からなる半導体積層用接着シートを提供する。
本発明は、また、前記の半導体積層用接着剤組成物の固化物を30〜130℃の温度で加熱することにより接着性を発現させ、その後140℃以上の温度で加熱することにより硬化させる工程を経て半導体チップを積層することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
本発明は、また、前記の半導体積層用接着剤組成物の硬化物を介して半導体チップが積層された構成を有する半導体装置を提供する。
本発明の接着剤組成物は上記構成を有するため、乾燥することにより、流通過程における温度環境下では接着性を有さず(=タックフリー)、切削刃に接着剤が付着することなく切削することができ、半導体チップ等へのダメージを抑制可能な温度で加熱することにより接着性を発現し、その後、速やかに硬化する特性を有する固化物を形成することができる。また、本発明の接着剤組成物は加熱乾燥を行うことにより、硬化の進行を抑制しつつ速やかに固化物を形成することができるので、作業性に優れる。
そして、接着性を所望するタイミングで前記固化物を半導体チップへダメージを与えることが無い温度であって、仮止め用接着剤が接着力を維持できる温度で加熱することにより、固化物が軟化して接着性を発現し、半導体チップ等を接着することができる。そのため、半導体チップ等を、位置ずれを生じることなく接着することができる。
そして、半導体チップ等の接着後は、更に半導体チップ等へダメージを与える恐れのない温度で加熱することにより、速やかに硬化して密着性(特に、半導体ウェハ、半導体チップ、支持体等に対する密着性)に優れた硬化物を形成することができ、半導体チップ等を他の半導体チップや支持体等に強固に接着、保持することができる。
そのため、本発明の接着剤組成物は、半導体装置の製造(特に、半導体チップを多層積層する工程)において永久接着剤として好適に使用することができる。
本発明の半導体積層用接着剤組成物を使用して半導体装置を製造する方法の一例を示す概略図である。 本発明の半導体積層用接着剤組成物を使用して半導体装置を製造する方法の他の一例を示す概略図である。
[ベンゾオキサジン化合物(A)]
本発明におけるベンゾオキサジン化合物(A)は、下記式(1)又は(1’)で表される硬化性化合物である。ベンゾオキサジン化合物(A)は加熱することで開環重合してポリマーを形成し、硬化する。
Figure 2017088732
[式中、R1は、水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、及び下記式(a)〜(m)
Figure 2017088732
(式中、R2は水素原子、又は炭化水素基を示す)
で表される基から選択される基を示す。R2は水素原子、又は炭化水素基を示す。s、tは同一又は異なって1〜4の整数を示す]
1における水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜3のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基や、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基の水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換された基(例えば、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基等)などを挙げることができる。
2における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらが単結合を介して結合した基等が含まれる。
前記脂肪族炭化水素基としては、C1-20(=炭素数1〜20)の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等のC1-20程度(好ましくはC1-10、特に好ましくはC1-3)のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等のC2-20程度(好ましくはC2-10、特に好ましくはC2-3)のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のC2-20程度(好ましくはC2-10、特に好ましくはC2-3)のアルキニル基等を挙げることができる。
前記脂環式炭化水素基としては、C3-20(=3〜20員)脂環式炭化水素基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のC3-20程度(好ましくはC3-15、特に好ましくはC5-8)のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等のC3-20程度(好ましくはC3-15、特に好ましくはC5-8)のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
前記芳香族炭化水素基としては、C6-14(特に、C6-10)芳香族炭化水素基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
前記結合した基(より詳細には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基から選択される2以上の基が単結合を介して結合した基)としては、シクロアルキル置換アルキル基、アラルキル基、アルキル置換アリール基等が含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等]を有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香族性の複素環が縮合していてもよい。
s、tは同一又は異なって1〜4の整数を示す。s又はtが2〜4の整数である場合、2〜4個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
ベンゾオキサジン化合物(A)の具体例としては、下記式(1-1)〜(1-10)で表される化合物を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2017088732
Figure 2017088732
本発明においては、例えば、商品名「P−d型ベンゾオキサジン」、「F−a型ベンゾオキサジン」(以上、四国化成工業(株)製)、商品名「BS−BXZ」(小西化学工業(株)製)等の市販品を使用しても良い。
ベンゾオキサジン化合物(A)の融点は、例えば30〜130℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜110℃である。本発明の接着剤組成物はベンゾオキサジン化合物(A)を含有するため、塗布、乾燥することにより、流通過程における温度環境下では接着性を有さず、切削刃に接着剤が付着することなく切削加工を行うことができる固化物を形成することができる。
本発明の接着剤組成物における不揮発分(すなわち、溶剤(B)は含まれない)全量(100重量%)におけるベンゾオキサジン化合物(A)の含有量は、例えば50〜100重量%程度、好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%である。ベンゾオキサジン化合物(A)を上記範囲で含有すると、半導体チップへのダメージを抑制可能な温度で硬化させることができ、且つ密着性に優れた硬化物を形成することができる点で好ましい。
[溶剤(B)]
溶剤(B)としては、上記ベンゾオキサジン化合物(A)、及び必要に応じて使用される添加物を溶解することができ、且つ硬化反応を阻害しないものであれば特に制限されることはない。
溶剤(B)は、スピンコートによって塗布するのに適した流動性を付与することができ、且つ硬化反応の進行を抑制可能な温度において加熱することにより容易に除去できる溶剤を使用することが好ましく、常圧下での沸点が170℃以下(例えば80〜170℃、好ましくは100〜160℃、特に好ましくは130〜160℃)の溶剤(例えば、トルエン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等)を1種又は2種以上使用することが好ましく、とりわけベンゾオキサジン化合物(A)の溶解性に優れる点でシクロヘキサノンを少なくとも含有することが好ましく、なかでも、溶剤全量の50重量%以上(特に好ましくは溶剤全量の80重量%以上、最も好ましくは溶剤全量の90重量%以上)含有することが好ましい。
溶剤(B)は、接着剤組成物に含まれる不揮発分の濃度が例えば20〜80重量%程度、好ましくは30〜70重量%となる範囲で使用することが、スピンコートする際に塗布性に優れる点で好ましい。溶剤の使用量が過剰であると、接着剤組成物の粘度が低くなり適度な膜厚(例えば、0.5〜30μm程度)を有する塗膜を形成することが困難となる傾向がある。一方、溶剤の使用量が少なすぎると、接着剤組成物の粘度が高くなりすぎ、均一な膜厚を有する塗膜を形成することが困難となる傾向がある。
[その他の成分]
本発明の接着剤組成物は、上記ベンゾオキサジン化合物(A)及び溶剤(B)以外にも必要に応じて他の成分を1種又は2種以上含有していても良い。他の成分としては、例えば、樹脂成分、ベンゾオキサジン化合物(A)以外の他の硬化性化合物、重合触媒、イミダゾール化合物以外の硬化促進剤、重合開始剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、フィラー、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、難燃剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、蛍光体、離型剤、顔料分散剤、分散助剤等を挙げることができる。
(樹脂成分)
前記樹脂成分としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。樹脂成分を添加することにより接着剤組成物に適度な粘度を付与することができ、前記接着剤組成物によって形成された接着剤層上に半導体チップ等を積層する際に、半導体チップ等が接着剤層に沈み込まない程度の弾性を保持した状態で軟化して接着性を発現させることができ、半導体チップ等の高さが均一になるように接着することができる。
本発明においては、なかでも、適度な粘度を付与する機能に加え、硬化温度をより一層低下させ、硬化時間をより短縮する効果を発揮する点でフェノール樹脂が好ましく、特にベンゾオキサジン化合物(A)との相溶性に優れるノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
樹脂成分(例えば、ノボラック型フェノール樹脂)の軟化点は、例えば50〜130℃程度、好ましくは60〜100℃、特に好ましくは70〜90℃である。
本発明においては、例えば、商品名「TD−2131」、「TD−2106」、「VH−4150」、「VH−4170」、「KA−1160」、「KA−1163」(以上、DIC(株)製)等の市販品を使用しても良い。
本発明の接着剤組成物における不揮発分(すなわち、溶剤(B)は含まれない)全量(100重量%)における樹脂成分(例えば、ノボラック型フェノール樹脂)の含有量は、例えば30重量%以下、好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%、最も好ましくは10〜20重量%である。
また、本発明の接着剤組成物全量(100重量%)における樹脂成分(例えば、ノボラック型フェノール樹脂)の含有量は、例えば20重量%以下、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%、最も好ましくは5〜10重量%である。
樹脂成分(例えば、ノボラック型フェノール樹脂)の含有量が過剰となると、硬化温度が低くなりすぎたり、硬化時間が短くなりすぎたりして、本発明の接着剤組成物の固化物を形成する際に硬化が進行し、その後、加熱処理を施しても十分な接着性を発現することが困難となる傾向がある。
(他の硬化性化合物)
他の硬化性化合物としては、脂環エポキシ化合物(=脂環構造を有するエポキシ化合物)を1種又は2種以上含有することが、ベンゾオキサジン化合物(A)の開環重合を阻害しない点、及び半導体チップ等を積層する際に使用する仮止め用接着剤の軟化点又は融点に応じて、本発明の接着剤組成物の軟化点を調整することができる点で好ましい。
脂環エポキシ化合物としては、軟化点又は融点が、例えば100℃以下、好ましくは90℃以下、特に好ましくは80℃以下である化合物が好ましい。
脂環エポキシ化合物には以下の化合物等が含まれる。
(i)脂環エポキシ基(脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と、1つの酸素原子が互いに結合して形成する基、例えば、シクロヘキセンオキシド基等)を含有する化合物
(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物
(iii)脂環とグリシジルエーテル基を有する化合物
上記(i)脂環エポキシ基を含有する化合物には、下記式(2)で表される化合物が含まれる。尚、下記式(2)中のシクロヘキセンオキシド基を構成する炭素原子の1以上には、アルキル基等の置換基が結合していてもよい。
Figure 2017088732
上記式(2)中、Xは単結合又は連接基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。前記連接基としては、例えば、二価の炭化水素基、炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連接した基等を挙げることができる。
上記二価の炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。上記二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
上記炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基(「エポキシ化アルケニレン基」と称する場合がある)におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基等の炭素数2〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基等が挙げられる。特に、上記エポキシ化アルケニレン基としては、炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたアルケニレン基が好ましく、より好ましくは炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化された炭素数2〜4のアルケニレン基である。
上記連接基Xとしては、特に、酸素原子を含有する連接基が好ましく、具体的には、−CO−、−O−CO−O−、−COO−、−O−、−CONH−;これらの基が複数個連接した基;これらの基の1又は2以上と上記二価の炭化水素基の1又は2以上とが連接した基等を挙げることができる。
上記式(2)で表される化合物の代表的な例としては、例えば、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)プロパン、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタンや、下記式(2-1)〜(2-10)で表される化合物等を挙げることができる。尚、下記式(2-5)中のLは炭素数1〜8のアルキレン基であり、なかでも炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(2-5)、(2-7)、(2-9)、(2-10)中のn1〜n8は、同一又は異なって1〜30の整数を表す。
Figure 2017088732
Figure 2017088732
上記(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(商品名「EHPE3150」、(株)ダイセル製)が含まれる。
上記(iii)脂環とグリシジルエーテル基を有する化合物には、水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、水素化ビスフェノールF型エポキシ化合物、水添ビフェノール型エポキシ化合物、水添フェノールノボラック型エポキシ化合物、水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAの水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ナフタレン型エポキシ化合物、水添トリスフェノールメタン型エポキシ化合物等の芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物を水素化して得られる脂環式グリシジルエーテル系エポキシ化合物が含まれる。
本発明の接着剤組成物としては、なかでも、後述のイミダゾール化合物を含有する場合であっても硬化反応の進行を抑制することができ保存安定性に優れる点で、(i)脂環エポキシ基を含有する化合物を含むことが好ましく、特に上記式(2)で表される化合物を含むことが好ましい。
本発明の接着剤組成物における不揮発分(すなわち、溶剤(B)は含まれない)全量(100重量%)における他の硬化性化合物(好ましくは脂環エポキシ化合物、特に好ましくは式(2)で表される化合物)の含有量は、例えば30重量%以下、好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%、最も好ましくは5〜20重量%、とりわけ好ましくは10〜20重量%である。
本発明の接着剤組成物全量(100重量%)における他の硬化性化合物(好ましくは脂環エポキシ化合物、特に好ましくは式(2)で表される化合物)の含有量は、例えば20重量%以下、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは3〜15重量%、最も好ましくは5〜10重量%である。
本発明の接着剤組成物に含まれる硬化性化合物全量(100重量%)に占めるベンゾオキサジン化合物(A)の割合は、例えば60重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。また、本発明の接着剤組成物に含まれる硬化性化合物全量に占めるベンゾオキサジン化合物(A)と脂環エポキシ化合物(特に、式(2)で表される化合物)の合計割合は、例えば60重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。何れも上限は100重量%である。
他の硬化性化合物の含有量が過剰となると、相対的にベンゾオキサジン化合物(A)の含有量が低下するため、本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
(硬化促進剤)
前記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物を1種又は2種以上使用することが、ベンゾオキサジン化合物(A)の開環重合温度を低下させ、硬化時間をより短縮する効果が得られる点で好ましい。
イミダゾール化合物は、例えば、下記式(3)で表される。下記式中、R4〜R7は同一又は異なって、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。前記置換基としては、炭素数6〜14のアリール基、又はシアノ基を挙げることができる。
Figure 2017088732
イミダゾール化合物の具体例として、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等を挙げることができる。本発明においては、商品名「2E4MZ」、「2MZ−H」、「1B2MZ」、「2MZ−CN」(以上、四国化成工業(株)製)等の市販品を使用してもよい。
本発明の接着剤組成物における不揮発分(すなわち、溶剤(B)は含まれない)全量(100重量%)におけるイミダゾール化合物の含有量は、例えば5重量%以下、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.005〜3重量%、最も好ましくは0.05〜1重量%である。
本発明の接着剤組成物全量(100重量%)におけるイミダゾール化合物の含有量は、例えば1重量%以下、好ましくは0.001〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.8重量%、最も好ましくは0.01〜0.5重量%である。
また、接着剤組成物におけるイミダゾール化合物の含有量は、ベンゾオキサジン化合物(A)100重量部に対して、例えば3重量部以下、好ましくは0.01〜3重量部、特に好ましくは0.02〜2重量部、最も好ましくは0.05〜1重量部である。
イミダゾール化合物の含有量が過剰となると、硬化温度が低くなりすぎたり、硬化時間が短くなりすぎたりして、本発明の接着剤組成物の固化物を形成する際に硬化が進行し、その後、加熱処理を施しても十分な接着性を発現することが困難となる傾向がある。
[半導体積層用接着剤組成物]
本発明の半導体積層用接着剤組成物は、必要に応じて真空下で気泡を排除しつつ、上記成分を撹拌・混合することにより調製できる。撹拌・混合には、公知の装置(例えば、自転公転型ミキサー、1軸又は多軸エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ニーダー、ディソルバー等)を使用できる。
本発明の接着剤組成物の軟化点又は融点は、例えば30〜130℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜110℃である。
本発明の接着剤組成物を使用すれば、塗布後、加熱乾燥することで、硬化の進行を抑制しつつ速やかに溶剤を蒸発させて固化物を形成することができ、作業性に優れる。また、得られた固化物は、搬送など流通過程における温度環境下では接着性(若しくは粘着性)を示さず(=タックフリー)、切削刃に接着剤が付着することなく切削することができる。
そして、接着性の発現が求められるタイミングで固化物を、接着剤組成物の軟化点又は融点以上の温度(例えば、30〜130℃の温度)で加熱することにより接着性を発現させることができ、その後140℃以上の温度で加熱することにより速やかに硬化させることができる。そのため、軟化点又は融点が130℃超(例えば、130℃を超え、170℃以下)の仮止め用接着剤を使用することにより、仮止め用接着剤が接着力を維持できる温度範囲内において、半導体チップ等の位置ずれを抑制して接着、固定することができ、歩留りよく半導体チップを多層積層することができる。
[半導体装置の製造方法]
本発明の半導体装置の製造方法は、上記接着剤組成物の固化物を30〜130℃の温度で加熱することにより接着性を発現させ、その後140℃以上の温度で加熱することにより硬化させる工程を経て半導体チップを積層することを特徴とする。本発明の製造方法によれば、半導体チップ等の位置ずれを抑制して半導体チップを多層積層することができ、半導体チップ等の位置ずれによる歩留りの低下を防止することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、より詳細には、下記方法1又は方法2により半導体チップを多層積層する工程を含む。下記方法により半導体チップを支持体に積層することができ、接着剤層を介して半導体チップを積層する工程を複数回繰り返すことにより支持体上に半導体チップを多層積層することができる。尚、接着剤層の硬化は1層積層するごとに行ってもよく、多層積層後にまとめて行ってもよい。
<方法1>
工程1:支持体上に上記接着剤組成物の固化物からなる接着剤層を形成して支持体/接着剤層積層体を形成する
工程2:支持体/接着剤層積層体の接着剤層面に半導体チップを貼着して支持体/接着剤層/半導体チップ積層体を得る
工程3:接着剤層を硬化させる
<方法2>
工程1:半導体ウェハ上に上記接着剤組成物の固化物からなる接着剤層を形成して接着剤層付き半導体ウェハを形成する
工程2:接着剤層付き半導体ウェハを切断して、接着剤層付き半導体チップを得る
工程3:支持体に接着剤層付き半導体チップを貼着する
工程4:接着剤層を硬化させる
また、上記工程を経て積層された半導体チップは、1層積層毎に、若しくは多層積層後に、支持体(若しくは、実装基板)に接続することが好ましく、接続方法としては、ワイヤーボンディングによる方法や、半導体チップを貫通する貫通電極を形成する方法等が挙げられる。本発明においては、なかでも貫通電極を形成する方法により接続することが、電子機器をより小型軽量化、大容量化できる点で好ましい。
前記半導体ウェハとしては、例えば、シリコン、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム等の半導体によって形成された薄い基板を使用することができる。
支持体若しくは半導体ウェハに上記接着剤組成物からなる接着剤層を形成する方法としては、例えば、支持体若しくは半導体ウェハ表面に上記接着剤組成物を塗布・乾燥する方法や、予め上記接着剤組成物を塗布・乾燥して形成された接着シートを支持体若しくは半導体ウェハ表面に貼り合わせる方法により行うことができる。
接着剤組成物の塗布は、例えば、スピンコート、スキージ塗布、スクリーン印刷、インクジェット印刷等により行うことができる。
乾燥は、自然乾燥でもよいが、硬化反応の進行を抑制可能な温度(例えば60〜120℃程度、好ましくは80〜100℃)で加熱乾燥することが、速やかに乾燥できる点で好ましい。また、加熱乾燥は温度を上記範囲内において一定に保った状態で行ってもよく、温度を上記範囲内において段階的に変更して行ってもよい。本発明においては上記接着剤組成物を使用するため、上記範囲内の温度で加熱乾燥しても硬化の進行を抑制することができ、接着剤層を効率よく形成することができる。
接着剤層及び接着シートの厚みは、用途に応じて適宜調整することができ、例えば0.5〜30μm程度、好ましくは1〜10μmである。
前記接着剤層及び接着シートは、上記接着剤組成物の軟化点が上述の通りであるため、搬送など流通過程における温度環境下においては固化した状態で、接着性を有さない。また、切削刃に接着剤が付着することなく切削加工を行うことができる。そのため、作業性に優れる。
また、前記接着剤層及び接着シートは保存安定性に優れ、接着剤層又は接着シート形成後、例えば25℃、60%RHにおいて30日間程度放置した場合であっても硬化反応の進行を抑制することができ、接着性が求められるタイミングで加熱することにより軟化して優れた接着性を発現することができる。そのため、接着シート、接着剤層付き半導体ウェハ、又は接着剤層付き半導体チップの状態で流通させることができる。そして、接着剤層付き半導体ウェハ、又は接着剤層付き半導体チップの状態で流通させる場合、接着剤層は薄膜化され破損し易い半導体チップ等を保護する作用も発揮する。
そして、前記接着剤層及び接着シートは、例えば30〜130℃(好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜110℃)で、1〜20分間程度(好ましくは5〜10分間)加熱することにより、接着性を発現させることができる。そのため、半導体チップ等を積層する際に、軟化点又は融点が130℃超(例えば、130℃を超え、170℃以下)の仮止め用接着剤を併用することにより、高温により仮止め用接着剤が軟化して接着力を喪失する前に前記接着剤層及び接着シートの接着性を発現することができ、半導体チップ等の位置ずれを生じること無く、半導体チップ等を接着、固定することができる。
半導体チップ等の貼着は、例えば200〜1000kgf/m2程度(好ましくは400〜800kgf/m2)の圧力で1〜15分間程度(好ましくは5〜10分間)押圧することにより行うことが好ましい。また、半導体チップ等の貼着は減圧下で行うと接着面に空気が残存し難いため好ましい。
前記接着剤層及び接着シートの硬化は、例えば140℃以上(好ましくは150〜260℃、特に好ましくは160〜250℃)で、例えば0.1〜2時間程度(好ましくは0.5〜2時間、特に好ましくは1〜2時間)加熱することにより行うことができる。また、加熱は上記範囲内において温度を一定に保った状態で行ってもよく、上記範囲内において温度を段階的に変更して行ってもよい。本発明の接着剤組成物は硬化性化合物としてベンゾオキサジン化合物(A)を含有するため、前記のような比較的低い温度でも短時間で硬化させることができる。そのため、熱により半導体チップ等がダメージを受けることを抑制しつつ、効率よく積層体を製造することができる。加熱時温度が上記範囲を上回ると、半導体チップ等が熱によりダメージを受けやすくなる傾向がある。一方、加熱時温度が低すぎると、硬化に時間がかかりすぎて、作業性が低下する傾向がある。
また、前記接着剤層及び接着シートの硬化物は、半導体ウェハや半導体チップ(例えば、シリコンウェハ、シリコンチップ等)に対して優れた接着力を発揮することができ、密着性に優れる。
本発明の接着剤組成物を使用した半導体装置の製造方法としては、例えば、図1、2に記載の方法を挙げることができる。図1では、支持体1の表面に接着剤組成物からなる接着剤層2を形成し、半導体チップ3を貼り合わせて硬化させ、貫通電極4を設けて1段目を形成し、続いて同様の作業を繰り返すことにより2段目以降を作成することができる。図2では、半導体ウェハ5の表面に接着剤組成物からなる接着剤層2を形成して接着剤層2付き半導体ウェハ5を得、得られた接着剤層2付き半導体ウェハ5をダイシングすることにより接着剤層2付き半導体チップ3を得、得られた接着剤層2付き半導体チップ3を支持体1に接着剤層面が接するように貼り合わせて硬化させ、貫通電極4を設けて1段目を形成し、続いて同様の作業を繰り返すことにより2段目以降を作成することができる。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は上記製造方法によって得られる。本発明の半導体装置は、上記接着剤組成物の硬化物を介して半導体チップが積層された構成(特に、半導体チップが多層積層された構成)を有するものであれば特に制限されることがなく、例えば、携帯電話やスマートフォン等の通信機器;デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の電子機器等が含まれる。
本発明の半導体装置は上記構成を有するため半導体チップ等の位置ずれを抑制することができ、良好に電極同士を固定することができ、接続信頼性が高い。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
尚、接着剤組成物のスピンコートには、スピンコーター(商品名「ACT-400AII」、(株)アクティブ製)を使用した。
引張り試験には、引張・圧縮試験機(商品名「RTF−1350」、(株)オリエンテック製)を使用した。
接着剤組成物の軟化点又は融点はJIS K 0064に準拠して測定した。
実施例1
下記式(1-1)で表されるベンゾオキサジン(融点:65℃、四国化成工業(株)製、以後、「P−d型ベンゾオキサジン」と称する場合がある)10gをシクロヘキサノン(沸点:156℃)10gに溶解して接着剤組成物(1)(融点:65℃)を得た。
Figure 2017088732
実施例2
「P−d型ベンゾオキサジン」10g、フェノールノボラック樹脂(商品名「TD−2131」、DIC(株)製、軟化点:80℃、以後、「TD−2131」と称する場合がある)2gをシクロヘキサノン12gに溶解して接着剤組成物(2)(軟化点:70℃)を得た。
実施例3
「P−d型ベンゾオキサジン」10g、「TD−2131」2g、2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名「2E4MZ」、四国化成工業(株)製、以後、「2E4MZ」と称する場合がある)0.01gをシクロヘキサノン12gに溶解して接着剤組成物(3)(軟化点:70℃)を得た。
実施例4
「P−d型ベンゾオキサジン」10g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート(軟化点:80℃以下、商品名「セロキサイド2021P」、(株)ダイセル製)2g、「2E4MZ」0.01gをシクロヘキサノン15gに溶解して接着剤組成物(4)(軟化点:55℃)を得た。
実施例5
実施例1で得られた接着剤組成物(1)をシリコン板(サイズ:2cm×5cm、(株)SUMCO製の直径100mmのシリコンウェハから作成)にスピンコートで塗布したものを100℃で2分間、160℃で2分間加温し、膜厚5μmの塗膜を得た。得られた塗膜は、25℃環境下において、カッターナイフに接着剤が付着することなく切削することができるものであった。この塗膜にガラス板(サイズ:2cm×5cm)を被覆面積が4cm2になるように重ねて試験片を得た。
得られた試験片を、減圧下、100℃で600Kgf/m2で5分間圧力をかけて貼り合わせた後、常圧下、200℃で60分間、その後250℃で60分間加温して塗膜を硬化させた。
硬化後の試験片について、接着強度(引張り強度)を引張・圧縮試験機を使用して測定したところ、接着面での剥離は発生せず、引張りによりウェハが破損した。
実施例6
実施例1で得られた接着剤組成物(1)に代えて実施例2で得られた接着剤組成物(2)を使用した以外は実施例5と同様にして塗膜を得、試験片を得た。
得られた塗膜は、25℃環境下において、カッターナイフに接着剤が付着することなく切削することがでるものであった。
また、得られた試験片について、硬化温度を「200℃で60分間、その後250℃で60分間」から、「170℃で60分、その後220℃で30分」に変更した以外は実施例5と同様に行って硬化後の試験片を得、引張り強度を測定したところ、接着面での剥離は発生せず、引張りによりウェハが破損した。
実施例7
実施例1で得られた接着剤組成物(1)に代えて実施例3で得られた接着剤組成物(3)を使用した以外は実施例5と同様にして塗膜を得、試験片を得た。
得られた塗膜は、25℃環境下において、カッターナイフに接着剤が付着することなく切削することがでるものであった。
また、得られた試験片について、硬化温度を「200℃で60分間、その後250℃で60分間」から、「160℃で60分、その後200℃で30分」に変更した以外は実施例5と同様に行って硬化後の試験片を得、引張り強度を測定したところ、接着面での剥離は発生せず、引張りによりウェハが破損した。
実施例8
実施例1で得られた接着剤組成物(1)に代えて実施例4で得られた接着剤組成物(4)を使用した以外は実施例5と同様にして塗膜を得、試験片を得た。
得られた塗膜は、25℃環境下において、カッターナイフに接着剤が付着することなく切削することがでるものであった。
また、得られた試験片について、硬化温度を「200℃で60分間、その後250℃で60分間」から、「180℃で60分、その後220℃で30分」に変更した以外は実施例5と同様に行って硬化後の試験片を得、引張り強度を測定したところ、接着面での剥離は発生せず、引張りによりウェハが破損した。
1 支持体
2 本発明の半導体積層用接着剤組成物からなる接着剤層
3 半導体チップ
4 貫通電極
5 半導体ウェハ

Claims (8)

  1. 下記式(1)又は(1’)
    Figure 2017088732
    [式中、R1は、水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、及び下記式(a)〜(m)
    Figure 2017088732
    (式中、R2は水素原子、又は炭化水素基を示す)
    で表される基から選択される基を示す。R2は水素原子、又は炭化水素基を示す。s、tは同一又は異なって1〜4の整数を示す]
    で表されるベンゾオキサジン化合物(A)及び溶剤(B)を含有する半導体積層用接着剤組成物。
  2. ベンゾオキサジン化合物(A)が、下記式(1-1)〜(1-10)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の半導体積層用接着剤組成物。
    Figure 2017088732
    Figure 2017088732
  3. 更に、ノボラック型フェノール樹脂を含有する請求項1又は2に記載の半導体積層用接着剤組成物。
  4. 更に、脂環エポキシ化合物を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体積層用接着剤組成物。
  5. 更に、イミダゾール化合物を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体積層用接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体積層用接着剤組成物の固化物からなる半導体積層用接着シート。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体積層用接着剤組成物の固化物を30〜130℃の温度で加熱することにより接着性を発現させ、その後140℃以上の温度で加熱することにより硬化させる工程を経て半導体チップを積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体積層用接着剤組成物の硬化物を介して半導体チップが積層された構成を有する半導体装置。
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