JP5908306B2 - 半導体接合用接着剤及び半導体接合用接着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制するとともに、硬化物物性にも優れた半導体接合用接着剤に関する。また、本発明は、該半導体接合用接着剤を用いた半導体接合用接着フィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
半導体装置の小型化及び高密度化に伴い、半導体チップを回路基板に実装する方法としてフリップチップ実装が注目され急速に広まってきている。フリップチップ実装は、多数のバンプ電極を回路基板上に直接一括で接合するため、従来のワイヤーボンディング方式に比べ、実装面積を小さくできる、電気的特性が良好、モールド封止が不要等の利点を有している。
フリップチップ実装においては、接合部分の接続信頼性を確保するための方法として、半導体チップ上に形成されたバンプ電極と回路基板のパッド電極とを接合した後に、半導体チップと回路基板との隙間に液状封止接着剤(アンダーフィル)を注入し硬化させることが一般的な方法として採られている。しかしながら、アンダーフィルを用いたフリップチップ実装は、製造コストが高い、アンダーフィル充填に時間がかかる、バンプ電極間の距離及び半導体チップと回路基板との距離を狭めるのに限界がある等の問題を抱えている。
そこで、近年、回路基板上にペースト状接着剤(NCP)を塗布した後、半導体チップを加熱及び/又は加圧ボンディングする方法、半導体ウエハ又は半導体チップ表面或いは回路基板上にフィルム状接着剤(NCF)を貼り合わせた後、半導体チップを加熱及び/又は加圧ボンディングする方法等のいわゆる先塗布型のフリップチップ実装が提案されている。特に後者(NCF)の場合、ウエハレベルで接着剤を一括供給し、ダイシングによって半導体チップに個片化することにより、前者(NCP)に比べて大幅なプロセス短縮が期待される。更に、半導体ウエハを薄化するバックグラインド工程で使用されるバックグラインドテープと、NCFとを一体化したBG−NCFフィルムも提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、先塗布型のフリップチップ実装においては、加熱及び/又は加圧ボンディング工程においてボイドが発生しやすいことが問題となっている。
特開2008−016624号公報
ボイドの要因の1つとして、ボンディング後の冷却及び/又は除荷過程でのボイド発生が挙げられる。すなわち、冷却及び/又は除荷過程で接着剤が収縮するとともに内部圧力が急激に低下することで、接着剤内部にボイドが発生すると考えられる。このようなボイドを抑制するためには、加熱及び/又は加圧ボンディング工程において接着剤を充分に硬化させることが重要であり、接着剤の硬化速度を上げる必要がある。しかしながら、硬化速度を上げることにより、貯蔵安定性が損なわれるという問題が生じる。また、硬化速度が速すぎると、電極が接合する前に接着剤が硬化してしまい、電極間に接着剤の噛み込みが生じ、接合不良を引き起こすことがある。
本発明は、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制するとともに、硬化物物性にも優れた半導体接合用接着剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該半導体接合用接着剤を用いた半導体接合用接着フィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、1分子中に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ1つ以上含有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物、エポキシ硬化剤、及び、有機過酸化物を含有する半導体接合用接着剤である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、貯蔵安定性と速硬化性とを両立するに際し、例えば特開2010−215786号公報に開示されているような、(メタ)アクリル基による熱ラジカル硬化系に着目した。熱ラジカル硬化系は、ある温度、すなわち、硬化開始のために添加される有機過酸化物の分解開始温度までは安定で、分解開始温度を超えると連鎖反応により一気に反応が進行するため、貯蔵安定性に優れ、かつ、速硬化を実現することができる。ただし、一般的にアクリル樹脂は耐熱性、吸湿性、線膨張係数等の硬化物物性の面でエポキシ硬化物に劣るという欠点がある。そこで、本発明者は、(メタ)アクリル基による熱ラジカル硬化系と、エポキシ硬化系とを組み合わせることにより、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制するとともに、優れた硬化物物性を得ることを検討した。
しかしながら、(メタ)アクリル基を有する化合物とエポキシ樹脂とを単純に混ぜて配合すると、硬化の際に相分離してしまい、局所的に反応が起こるため、ボイド抑制効果が得られない。本発明者は、1分子中に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ1つ以上含有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制できるとともに、均一で優れた物性の硬化物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体接合用接着剤は、1分子中に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ1つ以上含有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物(本明細書中、単に、エポキシ(メタ)アクリレート化合物ともいう)を含有する。
このような1分子中に2種類の官能基を含有する化合物を含有することにより、本発明の半導体接合用接着剤は相分離することがなく、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制できるとともに、均一で優れた物性の硬化物を形成することができる。また、本発明の半導体接合用接着剤は、後述するように更にエポキシ樹脂を含有する場合であっても、相分離することがない。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルとの両方を意味する。
上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は300、好ましい上限は2万である。重量平均分子量が2万を超えると、増粘のため半導体接合用接着剤の流動性が低下することがある。重量平均分子量のより好ましい下限は500、より好ましい上限は1万である。
上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、1分子中に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ1つ以上含有していれば特に限定されず、例えば、一般的に使用されるエポキシ樹脂のエポキシ基を、部分的に(メタ)アクリル基に変換又は変性した化合物等が挙げられる。上記一般的に使用されるエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物として、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等を用いることもできる。これらのエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物が好ましい。
Figure 0005908306
一般式(1)中、R、R、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m及びnは0又は正の整数を表す。
m及びnは、0又は正の整数であればよいが、m+nが0〜15の範囲となることが好ましい。m+nが15を超えると、エポキシ(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が大きくなりすぎて、増粘のため半導体接合用接着剤の流動性が低下することがある。
上記一般式(1)で表される構造を有する化合物又はその混合物として、例えば、NKオリゴシリーズのEA−1010(ビスフェノールA型エポキシアクリレート、R及びRは水素原子、R及びRはメチル基、m+n=0)、EA−6210(フェノールノボラック型エポキシアクリレート、R、R、R及びRは水素原子、m+n≒1.4)、EA−6310(フェノールノボラック型エポキシアクリレート、R、R、R及びRは水素原子、m+n≒2)、EA−7310(クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、Rはメチル基、R、R及びRは水素原子、m+n≒6)、EA−7410(クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、Rはメチル基、R、R及びRは水素原子、m+n≒11)(以上、新中村化学工業社製)等が挙げられる。
本発明の半導体接合用接着剤は、エポキシ硬化剤を含有する。上記エポキシ硬化剤は特に限定されず、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらのエポキシ硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、酸無水物系硬化剤が好ましい。酸無水物系硬化剤は硬化速度が速いため、このような硬化剤を用いることにより、半導体接合用接着剤の速硬化性を高め、ボイドを効果的に抑制することができる。
上記酸無水物系硬化剤は特に限定されず、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。これらの酸無水物系硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ硬化剤の配合量は特に限定されないが、エポキシ基と等量反応するエポキシ硬化剤を用いる場合には、本発明の半導体接合用接着剤中に含まれるエポキシ基の総量に対する好ましい下限が60当量、好ましい上限が110当量である。配合量が60当量未満であると、半導体接合用接着剤を充分に硬化させることができないことがある。配合量が110当量を超えても、特に半導体接合用接着剤の硬化性には寄与せず、過剰なエポキシ硬化剤が揮発することによってボイドの原因となることがある。配合量のより好ましい下限は70当量、より好ましい上限は100当量である。
本発明の半導体接合用接着剤は、硬化速度や硬化物の物性等を調整する目的で、更に、硬化促進剤を含有してもよい。上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系化合物(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)、液状イミダゾール(商品名「FUJICURE 7000」、T&K TOKA社製)、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1―メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ−ル、1−ベンジル−2−エチルイミダゾ−ル、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ−(シアノエトキシメチル)イミダゾ−ル、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のイミダゾール化合物、及び、これらの誘導体等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ硬化剤100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。配合量が5重量部未満であると、半導体接合用接着剤の熱硬化のために高温で長時間の加熱を必要とすることがある。配合量が50重量部を超えると、充分な貯蔵安定性が得られないことがある。配合量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の半導体接合用接着剤は、有機過酸化物を含有する。
上記有機過酸化物は特に限定されないが、10時間半減期温度が60℃以上100℃以下であることが好ましい。10時間半減期温度が60℃未満であると、充分な貯蔵安定性又は可使時間が得られなかったり、半導体接合用接着剤の乾燥工程等において反応が進行してしまったりすることがある。また、電極が接合する前に半導体接合用接着剤が硬化してしまい、接合不良を引き起こすことがある。10時間半減期温度が100℃を超えると、ボンディング時のボイドを充分に抑制できないことがある。
上記有機過酸化物は、(メタ)アクリル基による熱ラジカル硬化系に一般的に使用される有機過酸化物であれば特に限定されず、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機過酸化物のうち、市販品として、例えば、パーロイル355(10時間半減期温度:59.4℃)、パーロイルL(10時間半減期温度:61.6℃)、パーオクタO(10時間半減期温度:65.3℃)、パーロイルSA(10時間半減期温度:65.9℃)、パーヘキサ25O(10時間半減期温度:66.2℃)、パーヘキシルO(10時間半減期温度:69.9℃)、ナイパーPMB(10時間半減期温度:70.6℃)、パーブチルO(10時間半減期温度:72.1℃)、ナイパーBMT(10時間半減期温度:73.1℃)、ナイパーBW(10時間半減期温度:73.6℃)、パーヘキサMC(10時間半減期温度:83.2℃)、パーヘキサTMH(10時間半減期温度:86.7℃)、パーヘキサHC(10時間半減期温度:87.1℃)、パーヘキサC(10時間半減期温度:90.7℃)、パーテトラA(10時間半減期温度:94.7℃)、パーヘキシルI(10時間半減期温度:95.0℃)、パーブチルMA(10時間半減期温度:96.1℃)、パーブチル355(10時間半減期温度:97.1℃)、パーブチルL(10時間半減期温度:98.3℃)、パーブチルI(10時間半減期温度:98.7℃)、パーブチルE(10時間半減期温度:99.0℃)、パーヘキシルZ(10時間半減期温度:99.4℃)、パーヘキサ25Z(10時間半減期温度:99.7℃)、パーブチルA(10時間半減期温度:101.9℃)、パーヘキサ22(10時間半減期温度:103.1℃)、パーブチルZ(10時間半減期温度:104.3℃)、パーヘキサV(10時間半減期温度:104.5℃)(以上、日油社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物100重量部に対する好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が15重量部である。配合量が0.5重量部未満であると、半導体接合用接着剤を充分に硬化させることができないことがある。配合量が15重量部を超えても、特に半導体接合用接着剤の硬化性に寄与しない。配合量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の半導体接合用接着剤は、更に、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されないが、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂が好ましい。多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂を用いることにより、剛直で分子の運動が阻害されるため機械的強度及び耐熱性に優れた硬化物とすることができ、また、吸水性が低くなるため耐湿性に優れた硬化物とすることができる。
上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシ樹脂等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリジジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等のナフタレン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。これらの多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なかでも、ジシクロペンタジエンジオキシドが好ましい。
上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の重量平均分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は2000である。重量平均分子量が500未満であると、硬化物の機械的強度、耐熱性、耐湿性等が充分に向上しないことがある。重量平均分子量が2000を超えると、硬化物が剛直になりすぎて、脆くなることがある。
上記エポキシ樹脂の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂と上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物との合計に占める好ましい下限が20重量%、好ましい上限が90重量%である。配合量が20重量%未満であると、硬化物の機械的強度、耐熱性、耐湿性等が充分に向上しないことがある。配合量が90重量%を超えると、相対的にエポキシ(メタ)アクリレート化合物の配合量が少なくなり、半導体接合用接着剤の速硬化性が損なわれ、ボイドを充分に抑制できないことがある。配合量のより好ましい下限は25重量%、より好ましい上限は85重量%である。
本発明の半導体接合用接着剤は、必要に応じて、無機フィラーを含有してもよい。
無機フィラーを用いることにより、硬化物の機械的強度及び耐熱性を高めることができ、また、硬化物の線膨張係数を低下させて、接合信頼性を高めることができる。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。なかでも、流動性に優れることから、球状シリカが好ましい。
上記無機フィラーの配合量は特に限定されないが、溶媒を除く半導体接合用接着剤中の好ましい下限が20重量%、好ましい上限が60重量%である。
また、本発明の半導体接合用接着剤は、必要に応じて、アクリル樹脂、多官能(メタ)アクリレート化合物、ポリイミド、ポリアミド、フェノキシ樹脂等の一般的な樹脂を含有してもよく、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、増粘剤、消泡剤、ゴム粒子等の添加剤を含有してもよい。
本発明の半導体接合用接着剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、エポキシ硬化剤、有機過酸化物、及び、必要に応じて配合される各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合する方法等が挙げられる。
本発明の半導体接合用接着剤からなる接着剤層を有する半導体接合用接着フィルムであって、本発明の半導体接合用接着剤が、更に、側鎖にエポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有するアクリルポリマー(本明細書中、単に、アクリルポリマーともいう)を含有する半導体接合用接着フィルムもまた、本発明の1つである。
アクリルポリマーを用いることにより、半導体接合用接着剤を良好にフィルム化することができる。また、可撓性に優れた硬化物とすることができる。従って、例えば、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂と、アクリルポリマーとを併用する場合、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、アクリルポリマーに由来する優れた可撓性とを有する硬化物を得ることができ、優れた耐冷熱サイクル性、耐ハンダリフロー性、寸法安定性及び接合信頼性等を実現することができる。なお、アクリルポリマーは、ペースト状の本発明の半導体接合用接着剤に含まれていてもよい。
上記アクリルポリマーのうち、側鎖にエポキシ基を有するアクリルポリマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとからなる共重合体等が挙げられる。なかでも、グリシジル(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとからなり、エポキシ当量が200〜1000g/eq程度である共重合体が好ましい。
上記アクリルポリマーのうち、側鎖に(メタ)アクリル基を有するアクリルポリマーとして、例えば、側鎖に反応性を有する官能基を有するアクリルポリマーに、ウレタン結合、エステル結合、エーテル結合等の連結基を介して(メタ)アクリル基を導入したポリマー等が挙げられる。具体的には例えば、側鎖に水酸基を有するアクリルポリマーの水酸基の少なくとも一部に対し、(メタ)アクリル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基を付加してウレタン結合を形成し、(メタ)アクリル基を導入したポリマー等が挙げられる。上記側鎖に(メタ)アクリル基を有するアクリルポリマーは、二重結合当量が0.1〜5meq/gであることが好ましい。
上記アクリルポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、側鎖にエポキシ基及び(メタ)アクリル基の両方を有するアクリルポリマーも好適に用いることができる。
上記アクリルポリマーの重量平均分子量の好ましい下限は1万、好ましい上限は100万である。重量平均分子量が1万未満であると、半導体接合用接着剤をフィルム化することが困難となったり、硬化物の接着力が不足したりすることがある。重量平均分子量が100万を超えると、半導体接合用接着剤をフィルム化する際、一定の厚みを有する接着剤層を形成することが困難となることがある。
上記アクリルポリマーの配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂と上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物との合計100重量部に対する好ましい下限が20重量部、好ましい上限が200重量部である。配合量が20重量部未満であると、硬化物の可撓性が低下することがある。配合量が200重量部を超えると、硬化物の機械的強度、耐熱性、耐湿性等が低下することがある。
上記接着剤層の厚みは特に限定されず、バンプ電極の高さに対して50〜150%であることが好ましいが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。厚みが5μm未満であると、硬化物の接着力が不足することがある。厚みが100μmを超えると、半導体接合用接着剤をフィルム化する際、一定の厚みを有する接着剤層を形成することが困難となることがあり、また、接着剤層を介して半導体チップを基板又は他の半導体チップに実装する際、過剰な接着剤がはみ出して周囲を汚染することがある。
本発明の半導体接合用接着フィルムは、上記接着剤層を有していれば、基材を有するサポートタイプのフィルムであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプのフィルムであってもよい。
上記基材は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルム等が挙げられる。なかでも、PETからなるフィルムが好ましい。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は200μmであり、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
また、本発明の半導体接合用接着フィルムは、上記基材と上記接着剤層との間に、粘着性又は非粘着性のバンプ電極保護層を有していてもよい。
バンプ電極保護層を設けることにより、接着剤層の厚みがバンプ電極の高さに対して薄い場合であっても、表面にバンプ電極を有するウエハに半導体接合用接着フィルムを貼り合わせるラミネート工程、ウエハを裏面から研削するバックグラインド工程等における、バンプ電極の変形、損傷等を抑制することができる。
上記バンプ電極保護層として、例えば、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリウレタン(PU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びこれらの共重合体等を含有する透明な層、網目状構造を有する層、孔が開けられた層等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する層が好ましい。
上記バンプ電極保護層が上記ポリアルキル(メタ)アクリレートを含有する場合、上記バンプ電極保護層は、架橋剤を含有することが好ましい。上記バンプ電極保護層に架橋剤を配合することにより、ポリアルキル(メタ)アクリレートの主鎖間に架橋構造を形成することができる。また、このような架橋構造の度合いを調整することにより、バンプ電極保護層の弾性率、粘着力等を制御することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。
上記バンプ電極保護層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmであり、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
本発明の半導体接合用接着フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、本発明の半導体接合用接着剤を適当な溶媒で希釈して接着剤溶液を調製し、接着剤溶液を基材上に塗工し、乾燥させて接着剤層を形成する方法、接着剤溶液を離型剤付きフィルム上に塗工し、乾燥させて接着剤層を形成した後、接着剤層と基材とを貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明の半導体接合用接着剤及び半導体接合用接着フィルムは、例えば、半導体チップを回路基板に実装する際に使用され、なかでも、フリップチップ実装、特に先塗布型のフリップチップ実装に好適に使用される。
具体的には例えば、基板上に本発明の半導体接合用接着剤又は半導体接合用フィルムを供給した後、半導体チップを基板に熱圧着により実装することができる。基板上にペースト状の本発明の半導体接合用接着剤を供給する方法は特に限定されず、例えば、精密ノズルを取り付けたシリンジ等とディスペンサ等とを組み合わせて用い、ペースト状の本発明の半導体接合用接着剤を基板上に塗布する方法等が挙げられる。
また、表面にバンプ電極を有するウエハに本発明の半導体接合用接着剤又は半導体接合用接着フィルムを供給することもできる。本発明の半導体接合用接着剤又は半導体接合用接着フィルムを用いる半導体装置の製造方法であって、表面にバンプ電極を有するウエハのバンプ電極を有する面に、本発明の半導体接合用接着剤又は半導体接合用接着フィルムを供給して接着剤層を設ける工程と、上記ウエハを上記接着剤層ごとダイシングして、上記接着剤層を有する半導体チップに分割する工程と、上記接着剤層を有する半導体チップを、上記接着剤層を介して基板又は他の半導体チップに熱圧着により実装する工程とを有する半導体装置の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の半導体装置の製造方法では、まず、表面にバンプ電極を有するウエハのバンプ電極を有する面に、本発明の半導体接合用接着剤又は半導体接合用接着フィルムを供給して接着剤層を設ける工程を行う。
上記ウエハは特に限定されず、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなり、金、銅、銀−錫ハンダ、アルミニウム、ニッケル等からなるバンプ電極を表面に有するウエハが挙げられる。
上記ウエハのバンプ電極を有する面に、本発明の半導体接合用接着剤又は半導体接合用接着フィルムを供給する方法は特に限定されず、例えば、上記ウエハのバンプ電極を有する面に、スピンコート法等を用いて本発明の半導体接合用接着剤を塗布する方法、真空ラミネーター等を用いて本発明の半導体接合用接着フィルムを貼り合わせる方法等が挙げられる。真空ラミネーターとして、例えば、名機製作所社製の商品名「MVLP―500/600II」、ニチゴーモートン社製の商品名「V130」、タカトリ社製の商品名「ATM−812M」等を用いることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、次いで、上記ウエハを上記接着剤層ごとダイシングして、上記接着剤層を有する半導体チップに分割する工程を行う。
上記ウエハを上記接着剤層ごとダイシングする方法として、例えば、従来公知の砥石、レーザー等を用いて切断分離する方法等が挙げられる。
本発明の半導体装置の製造方法では、次いで、上記接着剤層を有する半導体チップを、上記接着剤層を介して基板又は他の半導体チップに熱圧着により実装する工程を行う。
なお、本発明の半導体装置の製造方法では、基板上に半導体チップを実装する場合と、基板上に実装されている1以上の半導体チップ上に更に半導体チップを実装する場合との両方を含む。
本発明の半導体装置の製造方法では、上記接着剤層を有する半導体チップを基板又は他の半導体チップに熱圧着により実装した後、更に、接着剤層をより完全に硬化させるために加熱を行ってもよく、これにより、より安定した接合状態を実現し、接合信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制できるとともに、均一で優れた物性の硬化物が得られる。
本発明の半導体接合用接着剤又は接着フィルムを含む半導体装置もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制するとともに、硬化物物性にも優れた半導体接合用接着剤を提供することができる。また、本発明によれば、該半導体接合用接着剤を用いた半導体接合用接着フィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜14、比較例1〜3)
表2に示した組成に従って、表1に示した各材料をMEKと混合し、ホモディスパーを用いて攪拌混合して接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液を、乾燥後の厚さが30μmとなるように基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(A31、帝人デュポン社製、厚み50μm)に塗工し、100℃で5分間乾燥させて接着剤層を形成して、半導体接合用接着フィルムを得た。使用時まで、得られた接着剤層の表面を離型剤付PETフィルムで保護した。
(実施例15及び比較例4)
表2に示した組成に従って、表1に示した各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合して半導体接合用接着剤を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた半導体接合用接着フィルム及び半導体接合用接着剤について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)速硬化性(硬化速度)
240℃の熱板上に、基材を剥がした半導体接合用接着フィルム、又は、半導体接合用接着剤を配置し、スパチュラで攪拌不能になるまでの時間をゲルタイムとして測定した。
(2)実装評価
(2−1)半導体チップの実装
ハンダからなるバンプ電極を有する半導体ウエハ(WALTS−TEG MB50−0101JY、ハンダの溶融温度235℃、ウォルツ社製)、及び、Ni/Au電極を有する基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)を用意した。
実施例1〜14、比較例1〜3においては、半導体接合用接着フィルムの接着剤層を保護する離型剤付PETフィルムを剥がし、真空ラミネーター(商品名「ATM−812M」、タカトリ社製)を用いて、ウエハのバンプ電極を有する面に、半導体接合用接着フィルムを貼り合わせた。ウエハの半導体接合用接着フィルムが貼り合わされていない側の表面にダイシングテープ(商品名「PEテープ♯6318−B」、積水化学工業社製)を貼り合わせ、ダイシングフレームにマウントした。次いで、接着剤層のみを残して半導体接合用接着フィルムの基材を剥離した。
次いで、ダイシング装置(商品名「DFD651」、ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、ウエハを接着剤層ごと7.3mm×7.3mmのチップサイズにダイシングして、接着剤層を有する半導体チップに分割した。得られた接着剤層を有する半導体チップを、熱風乾燥炉内にて80℃で10分間乾燥後、ボンディング装置(FC−3000、東レエンジニアリング製)を用いて40N、温度240℃で10秒間圧着して基板上に実装し、更に、170℃オーブンで1時間加熱して接着剤層を完全硬化させ、半導体チップ実装体を得た。
また、実施例15及び比較例4においては、半導体ウエハを7.3mm×7.3mmのチップサイズにあらかじめダイシングして、半導体チップに分割しておいた。
半導体接合用接着剤を10mLシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて吐出圧0.4MPa、基板とニードルとのギャップ200μmの条件で、基板上に塗布した。次いで、塗布した接着剤を介して、半導体チップを、ボンディング装置(FC−3000、東レエンジニアリング製)を用いて1N、温度240℃で10秒間圧着して基板上に実装し、更に、170℃オーブンで1時間加熱して接着剤層を完全硬化させ、半導体チップ実装体を得た。
(2−2)ボイド
得られた半導体チップ実装体について、超音波映像装置(C−SAM D−9000、SONOSCAN社製)によりボイド観察を行った。半導体チップ面積に対するボイド発生部分の面積が1%未満であった場合を○、1%以上5%未満であった場合を△、5%以上であった場合を×とした。
(2−3)電極接合
得られた半導体チップ実装体について、研磨機を用いて断面研磨し、マイクロスコープを用いて電極接合の状態を観察した。上下電極間に接着剤の噛み込みが無く、電極接合状態が良好であった場合を○、上下電極間にわずかに接着剤の噛み込みがあるものの、上下電極が接合していた場合を△、上下電極間に接着剤の噛み込みがあり、上下電極が全く接合していなかった場合を×とした。
(3)貯蔵安定性
実施例1〜14、比較例1〜3においては、半導体接合用接着フィルムの溶融粘度を、回転式レオメーター(VAR−100、レオロジカ社製)を用いて、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで30〜160℃で測定し、最低溶融粘度を求めた。接着フィルム作製直後の最低溶融粘度(A)と、室温(25℃)にて2週間保管した後の最低溶融粘度(B)を測定し、BがAに対し1.2倍未満であった場合を○、1.2倍以上2倍未満であった場合を△、2倍を超えていた場合を×とした。
また、実施例15及び比較例4においては、半導体接合用接着剤について、E型粘度測定装置(VISCOMETER TV−22、TOKAI SANGYO CO.LTD社製)を用いて25℃の設定温度にて回転数5rpmにおける粘度を測定した。接着剤作製直後の粘度(A’)と、室温(25℃)にて48時間保管した後の粘度(B’)を測定し、B’がA’に対し1.2倍未満であった場合を○、1.2倍以上2倍未満であった場合を△、2倍を超えていた場合を×とした。
(4)硬化物物性
(4−1)ガラス転移温度(Tg)
得られた半導体接合用接着フィルム又は半導体接合用接着剤について、170℃1時間で硬化させた幅3mm、厚さ500μmの硬化物を作製し、粘弾性測定機(型式「DVA−200」、アイティー計測制御社製)を用い、昇温速度5℃/分、引っ張りモード、つかみ幅30mm、10Hzで−60℃から300℃まで昇温して、tanδのピークからガラス転移温度(Tg)(℃)を求めた。
(4−2)吸水率
得られた半導体接合用接着フィルム又は半導体接合用接着剤について、170℃1時間で硬化させた5cm×5cm、厚さ500μmの硬化物を作製した。熱硬化後のサンプルをデシケータ中で常温まで放冷したのち重量を測定し、初期重量Wとした。更に、サンプルを85℃/85%RHの恒温恒湿オーブン中で24時間養生して重量を測定し、吸水後重量Wとした。下記式により、吸水率を算出した。
吸水率(%)=(W−W)/W×100
(4−3)線膨張係数
得られた半導体接合用接着フィルム又は半導体接合用接着剤について、170℃1時間で硬化させた幅3mm、厚さ500μmの硬化物を作製し、熱応力歪測定装置(型式「EXTEAR TMA/SS 6100」、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用い、荷重49mN、昇温速度5℃/分、サンプル長1cmで30℃から300℃まで昇温し、このとき得られたSSカーブの30℃からガラス転移温度までの傾きから線膨張係数(α1)を求めた。
Figure 0005908306
Figure 0005908306
本発明によれば、貯蔵安定性と速硬化性とを両立してボイドを抑制するとともに、硬化物物性にも優れた半導体接合用接着剤を提供することができる。また、本発明によれば、該半導体接合用接着剤を用いた半導体接合用接着フィルム、半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。

Claims (5)

  1. 1分子中に(メタ)アクリル基とエポキシ基とをそれぞれ1つ以上含有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物、エポキシ硬化剤、及び、有機過酸化物を含有し、
    前記エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物である
    ことを特徴とする半導体接合用接着剤。
    Figure 0005908306
    一般式(1)中、R 、R 、R 及びR は水素原子又はメチル基を表し、m及びnは0又は正の整数を表す。
  2. 有機過酸化物は、10時間半減期温度が60℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体接合用接着剤。
  3. 更に、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体接合用接着剤。
  4. エポキシ樹脂は、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3記載の半導体接合用接着剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の半導体接合用接着剤からなる接着剤層を有する半導体接合用接着フィルムであって、
    前記半導体接合用接着剤は、更に、側鎖にエポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有するアクリルポリマーを含有する
    ことを特徴とする半導体接合用接着フィルム。
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