JP2021129079A - 半導体装置及びその製造方法、フィルム状接着剤、並びにダイシング・ダイボンディング一体型フィルム - Google Patents

半導体装置及びその製造方法、フィルム状接着剤、並びにダイシング・ダイボンディング一体型フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】半導体チップと半導体チップを搭載する基板とを備える半導体装置であって、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響が充分に低減された半導体装置を提供すること。【解決手段】半導体装置100,110は、半導体チップWaと、半導体チップWaを搭載する基板2と、半導体チップWa及び基板2の間に設けられ、半導体チップWaと基板2とを接着する接着部8とを備える。接着部8は、接着剤硬化物層4cと、接着剤硬化物層4c上に設けられた金属層6とを有し、接着剤硬化物層4cが基板2上に設けられている。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体装置及びその製造方法、フィルム状接着剤、並びにダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに関する。
携帯、PC、電子レンジ等の電子機器には、電子機器内部に電子部品である半導体装置が多数搭載されている。これらの電子機器の内部では、一部回路から電磁波ノイズが発生する場合がある。半導体装置は、電磁波ノイズによって不都合が生じることがあることから、電子機器に搭載される半導体装置には、電磁波ノイズを排除する又は低減する対策が必要となる。半導体装置は、一般に半導体チップを基板上に搭載することによって製造される。特許文献1には、このような半導体装置において、半導体チップの上面(半導体チップの基板とは反対側の面)及び側面に、導電性のシールド膜(電磁波シールド膜)を設けることによって、電磁波ノイズを遮蔽する機能を付与することが開示されている。
国際公開第2013/035819号公報
ところで、上記の半導体装置においては、半導体チップを搭載する基板の配線等から電磁波ノイズが発生する場合がある。このような電磁波ノイズが発生すると、基板に搭載された半導体チップのセンサー回路等に誘起起電力が発生することから、本来の性能とは異なる不都合が生じてしまう場合がある。このような不都合を防ぐために、半導体装置には、半導体チップの下面(半導体チップの基板側の面)においても、電磁波ノイズを排除する又は低減するための機能を設けることが求められている。
本開示は、半導体チップと半導体チップを搭載する基板とを備える半導体装置であって、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響が充分に低減された半導体装置を提供することを主な目的とする。
本発明者が上記課題を解決すべく検討したところ、絶縁性が必要とされる接着部において、あえて金属層を設けることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本開示の一側面は、半導体装置に関する。当該半導体装置は、半導体チップと、半導体チップを搭載する基板と、半導体チップ及び基板の間に設けられ、半導体チップと基板とを接着する接着部とを備える。接着部は、接着剤硬化物層と、接着剤硬化物層上に設けられた金属層とを(少なくとも)有し、接着剤硬化物層が基板上に設けられている。このような半導体装置によれば、主に接着部における金属層によって、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響が充分に低減されたものとなり得る。
接着剤硬化物層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、及び高分子成分を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であってよい。
金属層を構成する金属は、40×10S/m以上の0℃における電気伝導率を示す金属であってよく、金、銀、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であってもよい。
本開示の他の一側面は、上記の半導体装置の製造方法に関する。
当該半導体装置の製造方法の一態様(第1の態様)は、接着剤層及び接着剤層上に設けられた金属層を(少なくとも)有するフィルム状接着剤を用意する工程と、半導体チップと基板との間に、接着剤層が基板側になるようにフィルム状接着剤を介在させ、半導体チップと基板とを接着する工程とを備える。
当該半導体装置の製造方法の他の一態様(第2の態様)は、基材層及び基材層上に設けられた粘着剤層を有するダイシングテープと、接着剤層及び接着剤層上に設けられた金属層を(少なくとも)有するフィルム状接着剤とを備え、基材層、粘着剤層、接着剤層、及び金属層がこの順に配置されているダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用意する工程と、半導体ウェハに、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムのフィルム状接着剤を貼り付ける工程と、半導体ウェハ及びフィルム状接着剤を個片化し、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを作製する工程と、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを粘着剤層からピックアップする工程と、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを用いて、接着剤層片及び金属層片を介して、半導体チップと基板とを接着する工程とを備える。
本開示の他の一側面は、半導体チップと基板とを接着するためのフィルム状接着剤に関する。当該フィルム状接着剤は、接着剤層と、接着剤層上に設けられた金属層とを有する。このようなフィルム状接着剤は、上記の第1の態様の半導体装置の製造方法に好適に用いることができる。このようなフィルム状接着剤によれば、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響を充分に低減することが可能となる。フィルム状接着剤は、電磁波シールド膜に好適に用いることができる。また、このようなフィルム状接着剤は、リフロ性に優れるものとなり得る。そのため、リフロ炉を用いて加熱溶融する工程を備える半導体装置の製造方法にも好適に用いることができる。さらに、フィルム状接着剤は、耐吸湿リフロ性(信頼性試験)に優れるものとなり得る。
接着剤層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、及び高分子成分を含有する熱硬化性樹脂組成物からなる層であってよい。
金属層を構成する金属は、40×10S/m以上の0℃における電気伝導率を示す金属であってよく、金、銀、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であってもよい。
本開示の他の一側面は、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムに関する。当該ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、基材層及び基材層上に設けられた粘着剤層を有するダイシングテープと、上記のフィルム状接着剤とを備える。基材層、粘着剤層、接着剤層、及び金属層はこの順に配置されている。このようなダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、上記の第2の態様の半導体装置の製造方法に好適に用いることができる。
本開示によれば、半導体チップと半導体チップを搭載する基板とを備える半導体装置であって、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響が充分に低減された半導体装置及びその製造方法が提供される。また、本開示によれば、このような半導体装置の製造方法に用いられるフィルム状接着剤及びダイシング・ダイボンディング一体型フィルムが提供される。当該フィルム状接着剤は、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響を充分に低減することが可能となる。
図1(a)は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図であり、図1(b)は、半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。る。 図2は、フィルム状接着剤の一実施形態を示す模式断面図である。 図3は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)は、各工程を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBとのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
[半導体装置]
図1(a)は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示す半導体装置100は、半導体チップWaと、半導体チップWaを搭載する基板2と、半導体チップWa及び基板2の間に設けられ、半導体チップWaと基板2とを接着する接着部8とを備える。すなわち、半導体チップWaは、接着部8を介して、半導体チップWaを搭載する基板2に接着されている。半導体装置は、例えば、半導体チップWaと基板2とがワイヤーボンドによって電気的に接続されていてもよく、半導体チップWaが樹脂封止材を用いて樹脂封止されていてもよい。半導体装置は、例えば、半導体チップを複数積層する構造の半導体装置であってもよい。このような半導体装置によれば、主に接着部における金属層によって、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響が充分に低減されたものとなり得る。
半導体チップWaとしては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体から構成される半導体チップ、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体から構成される半導体チップなどが挙げられる。これらの半導体チップは、IC、LSI、VLSI等の集積回路を有していてもよい。半導体チップWaの厚さは、例えば、10〜800μmであってよい。
基板2としては、半導体チップWaを搭載するために用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、セラミック基板、有機基板、金属基板等の各種基板、半導体チップ、半導体ウェハなどが挙げられる。基板2の厚さは、例えば、10〜3000μmであってよい。
接着部8は、接着剤硬化物層4cと、接着剤硬化物層4c上に設けられた金属層6とを少なくとも有し、接着剤硬化物層4cが基板2(基板2の表面2A)上に設けられている(接着剤硬化物層4cが基板2(基板2の表面2A)と接して設けられている。)。接着部8は、主に金属層6を有することによって、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響を充分に低減することが可能となる。なお、接着部8は、接着剤硬化物層4c及び金属層6からなる二層構成に限定されるものでなく、接着剤硬化物層4c及び金属層6の二層構成に対して、金属層6上にさらに接着剤硬化物層4cが積層された三層構成であってもよく、接着剤硬化物層4c及び金属層6に対して、接着剤硬化物層4cと金属層6とがさらに交互積層された四層以上の構成であってもよい。接着部8は、例えば、十層以下の構成であってよい。金属層6の数が増えるほど、接着部8は基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響をより一層充分に低減することができる傾向にある。なお、半導体チップWaは、接着剤硬化物層4c上であっても金属層6上であっても配置することができる。
接着部8の厚さは、例えば、20μm以上、30μm以上、又は50μm以上であってよく、3250μm以下、2000μm以下、又は1500μm以下であってよい。
図1(b)は、半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。図1(b)に示す半導体装置110が、図1(a)に示す半導体装置100と異なっている点は、接着部8が、金属層6上にさらに接着剤硬化物層4cを備えている点である。すなわち、接着部8は、接着剤硬化物層4c、金属層6、及び接着剤硬化物層4cをこの順に備える三層構成である。
接着剤硬化物層4cは、一実施形態において、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層である。接着剤硬化物層4cの厚さは、例えば、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上であってよく、150μm以下、100μm以下、又は50μm以下であってよい。接着部8において、接着剤硬化物層4cが複数存在する場合、接着剤硬化物層4cを構成する成分の種類、接着剤硬化物層4cの厚さ等は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
金属層6は、金属からなる層であり、主に電磁波ノイズを遮断するための層である。金属層6を構成する金属は、電磁波ノイズできるのであれば特に制限されないが、一般に、電気伝導率が高いと電磁遮蔽性が高くなる傾向にある。金属層6を構成する金属は、例えば、40×10S/m以上の0℃における電気伝導率を示す金属であってよい。金属層6を構成する金属の0℃における電気伝導率は、45×10S/m以上又は50×10S/m以上であってもよい。また、金属層6を構成する金属の具体例としては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属、これら金属の合金などが挙げられる。金属層6を構成する金属は、例えば、金、銀、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であってよい。金属層6の厚さは、例えば、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上であってよく、250μm以下、200μm以下、又は150μm以下であってよい。接着部8において、金属層6が複数存在する場合、金属層6を構成する金属の種類、金属層6の厚さ等は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
[半導体装置の製造方法]
(第1の態様)
半導体装置の製造方法の第1の態様は、接着剤層及び接着剤層上に設けられた金属層を有するフィルム状接着剤を用意する工程(以下、(X1)工程という場合がある。)と、半導体チップと基板との間に、接着剤層が基板側になるようにフィルム状接着剤を介在させ、半導体チップと基板とを接着する工程(以下、(X2)工程という場合がある。)とを備える。
<(X1)工程>
本工程では、フィルム状接着剤を用意する。図2は、フィルム状接着剤の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すフィルム状接着剤10は、接着剤層4及び接着剤層4上に設けられた金属層6を少なくとも有する。フィルム状接着剤10は、支持フィルム上に、接着剤層4と支持フィルムとが接するように設けられていてもよい。フィルム状接着剤は、接着剤層4及び金属層6からなる二層構成に限定されるものでなく、接着剤層4及び金属層6の二層構成に対して、金属層6上にさらに接着剤層4が積層された三層構成であってもよく、接着剤層4及び金属層6に対して、接着剤層4と金属層6とがさらに交互積層された四層以上の構成であってもよい。金属層6の数が増えるほど、接着部8は基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響をより一層充分に低減することができる傾向にある。以下では、主に図2に示すフィルム状接着剤10を用いて、図1(a)に示す半導体装置を製造する態様について詳細に説明する。接着剤層4及び金属層6からなる二層構成のフィルム状接着剤10は、例えば、接着剤層4を作製する工程と、接着剤層4上に金属層6を作製する工程とを備える方法によって製造することができる。
接着剤層4は、熱硬化性樹脂組成物からなる層であり、半硬化(Bステージ)状態を経て、硬化処理後に完全硬化物(Cステージ)状態である接着剤硬化物層4cとなり得る層である。熱硬化性樹脂組成物の一実施形態は、熱硬化性樹脂(以下、(A)成分という場合がある。)、硬化剤(以下、(B)成分という場合がある。)、及び高分子成分(以下、(C)成分という場合がある。)を含有するものである。
(A)成分:熱硬化性樹脂
(A)成分は、加熱等によって、分子間で三次元的な結合を形成し硬化する性質を有する成分であり、硬化後に接着作用を示す成分である。(A)成分としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。(A)成分の重量平均分子量(Mw)又は分子量は、10000未満であり得る。
エポキシ樹脂としては、分子内に1個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多官能フェノール類、アントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂としては、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル、ビフェニル、トリフェニルメタン、ジシクロペンタジエン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格並びに(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレート、各種多官能(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。アクリル樹脂における(メタ)アクリロイル基の数(官能基数)は、3以下であってもよい。官能基数が3以下であると、熱硬化性樹脂組成物が短時間で充分に硬化できるため、硬化反応率の低下を一層抑制できる。硬化反応率が低いと、未反応基が残存し得る。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)又は分子量は、10000未満であってよく、8000以下、7000以下、6000以下、又は5000以下であってもよく、100以上又は300以上であってもよい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値である。
(A)成分の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として、10〜50質量%であってよく、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってもよく、45質量%以下又は40質量%以下であってもよい。(A)成分の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として、10質量%以上であると、硬化後の樹脂の流動を充分に制御することができる傾向にある。(A)成分の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として、50質量%以下であると、硬化物が硬くなり過ぎて基板の反りが大きくなることを防ぐことができる傾向にある。
(B)成分:硬化剤
(B)成分は、(A)成分の硬化剤として作用する成分である。硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。(A)成分がエポキシ樹脂である場合、硬化剤は、取り扱い性、保存安定性、及び硬化性の観点から、フェノール系硬化剤とイミダゾール系硬化剤との組み合わせ、酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化剤との組み合わせ、アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤との組み合わせ、又はイミダゾール系硬化剤の単独であってよい。(A)成分がアクリル樹脂である場合、硬化剤は、取り扱い性、保存安定性の観点から、アゾ化合物の単独又は有機過酸化物の単独であってよい。
フェノール系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール化合物;1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール化合物;クレゾール化合物;エチルフェノール化合物;ブチルフェノール化合物;オクチルフェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール化合物等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分がエポキシ樹脂である場合、(A)成分のエポキシ基に対するフェノール樹脂系硬化剤の水酸基の当量比(フェノール樹脂系硬化剤の水酸基当量/(A)成分のエポキシ基当量)は、硬化性、接着性、及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5、0.4〜1.0、又は0.5〜1.0であってよい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力がより向上する傾向にあり、当量比が1.5以下であると、未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率がより低く抑えられ、信頼性がより向上する傾向にある。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールトリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物;アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分がエポキシ樹脂である場合、(A)成分のエポキシ基に対する酸無水物系硬化剤の酸無水物基の当量比(酸無水物系硬化剤の酸無水物基当量/(A)成分のエポキシ基当量)は、硬化性、接着性、及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5、0.4〜1.0、又は0.5〜1.0であってよい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力がより向上する傾向にあり、当量比が1.5以下であると、未反応の酸無水物基が過剰に残存することがなく、吸水率がより低く抑えられ、信頼性がより向上する傾向にある。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン;ジシアンジアミド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分がエポキシ樹脂である場合、(A)成分のエポキシ基に対するアミン系硬化剤のアミノ基の当量比(アミン系硬化剤のアミノ基当量/(A)成分のエポキシ基当量)は、硬化性、接着性、及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5、0.4〜1.0、又は0.5〜1.0であってよい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力がより向上する傾向にあり、当量比が1.5以下であると、未反応のアミノ基が過剰に残存することがなく、信頼性がより向上する傾向にある。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル−4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらをマイクロカプセル化して潜在性硬化剤として用いてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部又は0.1〜10質量部であってよい。イミダゾール系硬化剤の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上であると、硬化性がより向上する傾向にあり、20質量部以下であると、保存安定性を維持できる傾向にある。
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部又は0.1〜5質量部であってよい。ホスフィン系硬化剤の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上であると、硬化性がより向上する傾向にあり、10質量部以下であると、保存安定性を維持できる傾向にある。
フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、及びアミン系硬化剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、これらを2種以上組み合わせて混合物として用いてもよい。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、又はアミン系硬化剤のいずれかと組み合わせて用いることが好ましい。
アゾ化合物としては、例えば、ジメチルアミノアゾベンゼン、ジメチルアミノアゾベンゼン−カルボン酸、ジエチルアミノアゾベンゼン、ジエチルアミノアゾベンゼン−カルボン酸等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アゾ化合物の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部又は1〜5質量部であってよい。アゾ化合物の含有量が、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上であると、硬化性がより向上する傾向にあり、10質量部以下であると、硬化が急激に進行することなく、反応点が少なくなるため、分子鎖が充分に長くなり、未反応基が残存し難くなる傾向にある。
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネイト、パーオキシエステル等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機過酸化物は、保存安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、又はパーオキシエステルであってよく、さらに耐熱性の観点から、ハイドロパーオキサイド又はジアルキルパーオキサイドであってもよい。
有機過酸化物の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部又は1〜5質量部であってよい。有機過酸化物の含有量が、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上であると、硬化性がより向上する傾向にあり、10質量部以下であると、硬化が急激に進行することなく、反応点が少なくなるため、分子鎖が充分に長くなり、未反応基が残存し難くなる傾向にある。
(C)成分:高分子成分
(C)成分の重量平均分子量(Mw)又は分子量は、10000以上であり得る。(A)成分、(B)成分等の、(C)成分以外の成分の重量平均分子量又は分子量は、通常、10000未満であり得る。(C)成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。(C)成分は、耐熱性及びフィルム形成性の観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、又はポリカルボジイミド樹脂であってよく、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、又はアクリルゴムであってもよい。
(A)成分がエポキシ樹脂である場合、エポキシ樹脂の含有量は、(C)成分1質量部に対して、0.01〜5質量部、0.05〜4質量部、又は0.1〜3質量部であってよい。エポキシ樹脂の含有量が、(C)成分1質量部に対して、0.01質量部以上であると、硬化性が向上して接着力がさらに向上する傾向にあり、5質量部以下であると、熱硬化性樹脂組成物のフィルム形成性及び膜形成性がより優れる傾向にある。
(A)成分がアクリル樹脂である場合、アクリル樹脂の含有量は、(C)成分1質量部に対して、0.01〜10質量部、0.05〜5質量部、又は0.1〜5質量部であってよい。アクリル樹脂の含有量が、(C)成分1質量部に対して、0.01質量部以上であると、硬化性が向上して接着力がさらに向上する傾向にあり、10質量部以下であると、熱硬化性樹脂組成物のフィルム形成性及び膜形成性がより優れる傾向にある。
(C)成分のガラス転移温度(Tg)は、熱硬化性樹脂組成物の基板及びチップへの貼付性の観点から、160℃以下又は140℃以下であってよい。(C)成分のTgは−50℃以上又は0℃以上であってよい。高分子成分のTgが160℃以下であると、基板又はチップ上に形成された電極、配線、パターン等の凹凸に対してボイドなく、ボンダーによる圧着又はラミネーターによるラミネートによって搭載することができる。本明細書において、Tgとは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件による示差走査熱量測定によって求められる値を意味する。
(C)成分の重量平均分子量(Mw)は、30000以上、40000以上、又は50000以上であってよく、1200000以下、900000以下、又は600000以下であってよい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値である。
熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分に加えて、フィラー(以下、(D)成分という場合がある。)をさらに含有していてもよい。
(D)成分:フィラー
(D)成分としては、例えば、無機フィラー、樹脂フィラー等が挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラーが挙げられる。樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、無機フィラー及び樹脂フィラーを組み合わせて用いてもよい。(D)成分の形状及び粒径は特に制限されない。
フィラーは、表面処理によって物性を適宜調整されていてもよい。フィラーは、分散性及び接着力向上の観点から、表面処理されたフィラーであってもよい。表面処理剤としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系、ビニル系の化合物等が挙げられる。
表面処理としては、表面処理のし易さから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理であることが好ましい。表面処理剤は、分散性、流動性、接着力に優れるという観点から、グリシジル系、フェニルアミノ系、アクリル系、及びメタクリル系の化合物から選ばれる化合物であってよい。保存安定性の観点から、表面処理剤は、フェニル系、アクリル系、及びメタクリル系の化合物から選ばれる化合物であってもよい。
樹脂フィラーは無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、樹脂フィラーを用いることによって、耐リフロ性を向上させることができる。また、樹脂フィラーは、柔軟性付与が可能であるため、熱硬化性樹脂組成物のフィルム形成性向上にも寄与する。
(D)成分の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として、10〜90質量%又は20〜80質量%であってよい。(D)成分の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として、10質量%以上であると、吸湿率をより低減することができる傾向にあり、90質量%以下であると、粘度を抑えつつ、熱硬化性樹脂組成物の流動性が向上する傾向にある。
その他の成分
熱硬化性樹脂組成物は、その他の成分として、イオン捕捉剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、抗酸化剤、レオロジーコントロール剤、レベリング剤等をさらに含有していてもよい。これらの成分の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として、0.01〜3質量%であってよい。
接着剤層4は、例えば、上述の(A)成分〜(C)成分、並びに、必要に応じて、(D)成分及びその他の成分を含有する熱硬化性樹脂組成物を、例えば、フィルム状に成形することによって作製することができる。接着剤層4は、例えば、熱硬化性樹脂組成物を支持フィルムに塗布することによっても形成することができる。この場合、熱硬化性樹脂組成物を溶剤で希釈して得られる熱硬化性樹脂組成物のワニスを用いて形成してもよい。熱硬化性樹脂組成物のワニスを用いる場合は、ワニスを支持フィルムに塗布し、溶剤を加熱乾燥して除去することによってフィルム状の接着剤層4を形成することができる。
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;メチルシクロヘキサンなどの環状アルカン;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、溶剤は、溶解性及び沸点の観点から、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はシクロヘキサノンであってもよい。ワニス中の固形成分濃度は、熱硬化性樹脂組成物のワニスの全質量を基準として、10〜80質量%であってよい。
熱硬化性樹脂組成物のワニスは、上述の(A)成分〜(C)成分、並びに、必要に応じて、(D)成分及びその他の成分を混合、混練することによって調製することができる。なお、各成分の混合、混練の順序は特に制限されず、適宜設定することができる。混合及び混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。熱硬化性樹脂組成物のワニスを調製した後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去してもよい。
支持フィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等のフィルムが挙げられる。支持フィルムの厚みは、例えば、10〜200μm又は20〜170μmであってよい。
熱硬化性樹脂組成物のワニスを支持フィルムに塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。加熱乾燥の条件は、使用した溶剤が充分に揮発する条件であれば特に制限はないが、例えば、50〜200℃で0.1〜90分間であってもよい。
接着剤層4の厚さは、用途に合わせて、適宜調整することができ、例えば、5μm以上、10μm以上、又は15μm以上であってよく、150μm以下、100μm以下、又は50μm以下であってよい。
接着剤層4上に金属層6を作製する方法としては、例えば、金属層6を構成する金属の所定の厚さの金属箔を用意して、当該金属箔と接着剤層4とをロールラミネータ等を用いて貼り合わせる方法、接着剤層4上に金属層6を構成する金属を用いてスパッタ、めっき等で所定の厚さの金属層6を形成する方法などが挙げられる。スパッタ、めっき等の条件は、所定の厚さとなるように適宜設定することができる。
このようにして、接着剤層4及び金属層6からなる二層構成のフィルム状接着剤10を作製することができる。三層構成及び四層以上の構成のフィルム状接着剤は、二層構成のフィルム状接着剤を作製する際に行った工程を、二層構成のフィルム状接着剤10の金属層6上に繰り返し行うことによって作製することができる。フィルム状接着剤(二層構成、三層構成、又は四層以上の構成)の厚さは、例えば、20μm以上、30μm以上、又は50μm以上であってよく、3250μm以下、2000μm以下、又は1500μm以下であってよい。
フィルム状接着剤において、接着剤層4が複数存在する場合、接着剤層4を構成する成分の種類、接着剤層4の厚さ等は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。フィルム状接着剤において、金属層6が複数存在する場合、金属層6を構成する金属の種類、金属層6の厚さ等は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
<(X2)工程>
本工程では、(X1)工程で得られたフィルム状接着剤を用いて、半導体チップと基板とを接着する工程である。図1(a)に示す半導体装置は、例えば、半導体チップWaと基板2との間に、接着剤層4が基板2側になるようにフィルム状接着剤10を介在させ、これらを加熱圧着し、半導体チップWaと基板2とを接着することによって得ることができる。加熱圧着における加熱温度は、通常、20〜250℃、荷重は、通常、0.1〜200Nであり、加熱時間は、通常、0.1〜300秒間である。なお、このような加熱圧着によって、接着剤層4は、接着剤硬化物層4cとなり得る。
半導体チップWaと基板2との間にフィルム状接着剤10を介在させる方法としては、例えば、フィルム状接着剤10を半導体チップWaの大きさに合わせて切り抜き、これを半導体チップWaに貼り付けて、フィルム状接着剤付き半導体チップを作製し、フィルム状接着剤を介して、基板2に貼り付ける方法、予め接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ(後述)を作製した後、これを基板2に貼り付ける方法が挙げられる。
(第2の態様)
図3は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)は、各工程を示す模式断面図である。半導体装置の製造方法の第2の態様は、基材層及び基材層上に設けられた粘着剤層を有するダイシングテープと、接着剤層及び接着剤層上に設けられた金属層を有するフィルム状接着剤とを備え、基材層、粘着剤層、接着剤層、及び金属層がこの順に配置されているダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用意する工程(以下、(Y1)工程という場合がある。)と、半導体ウェハに、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムのフィルム状接着剤を貼り付ける工程(以下、(Y2)工程という場合がある。図3(a)、(b)参照。)と、半導体ウェハ及びフィルム状接着剤を個片化し、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを作製する工程(以下、(Y3)工程という場合がある。図3(c)参照。)と、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを粘着剤層からピックアップする工程(以下、(Y4)工程という場合がある。図3(e)参照。)と、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを用いて、接着剤層片及び金属層片を介して、半導体チップと基板とを接着する工程(以下、(Y5)工程という場合がある。図3(f)参照。)とを備える。以下では、主にフィルム状接着剤として、図2に示すフィルム状接着剤10を用いて、図1(a)に示す半導体装置を製造する態様について詳細に説明する。
<(Y1)工程>
本工程では、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用意する。図3(a)に示すとおり、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム20は、基材層12及び基材層12上に設けられた粘着剤層14を有するダイシングテープ16と、接着剤層4及び接着剤層4上に設けられた金属層6を有するフィルム状接着剤10とを備え、基材層12、粘着剤層14、接着剤層4、及び金属層6がこの順に配置されている。ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム20は、フィルム状接着剤10に支持フィルムが備えられていてもよい。
ダイシングテープ16における基材層12としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。また、基材層12は、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理が施されていてもよい。
ダイシングテープ16における粘着剤層14は、ダイシングテープの分野で使用される粘着剤からなる層であってよい。粘着剤は、感圧型粘着剤又は紫外線硬化型粘着剤のいずれかであってよい。粘着剤が紫外線硬化型粘着剤である場合、粘着剤層14は、紫外線が照射されることによって粘着性が低下する性質を有するものとなり得る。
ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム20は、ダイシングテープ16及びフィルム状接着剤10を準備し、フィルム状接着剤10の接着剤層4をダイシングテープ16の粘着剤層14に貼り付けることによって作製することができる。
<(Y2)工程>
本工程では、まず、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム20を所定の装置に配置する。続いて、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム20のフィルム状接着剤10の金属層6(金属層6の表面6A)を半導体ウェハWの表面Wsに貼り付ける(図3(a)、(b)参照。)。半導体ウェハWとしては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体から構成される半導体ウェハ、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体から構成される半導体ウェハなどが挙げられる。半導体ウェハWの回路面は、表面Wsとは反対側の面に設けられていることが好ましい。
<(Y3)工程>
本工程では、半導体ウェハW及びフィルム状接着剤10を少なくともダイシングする(図3(c)参照。)。これによって、半導体ウェハを所定のサイズに切断して、複数の個片化された接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを作製することができる。ダイシング方式としては、例えば、ダイシングテープまで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式、半導体ウェハに半分切込みを入れて冷却化引っ張ることによって分断する方式、レーザーによる切断方式等が挙げられる。ダイシング装置としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
粘着剤層14を形成する粘着剤が紫外線硬化型粘着剤である場合、本態様の半導体装置の製造方法は、必要に応じて、粘着剤層14に対して(基材層12を介して)紫外線を照射する工程をさらに備えていてもよい(図3(d)参照。)。粘着剤層14に対して紫外線を照射することによって、当該粘着剤層14における紫外線硬化型粘着剤が硬化し、粘着剤層14とフィルム状接着剤10の接着剤層4との間の接着力を低下させることができる。これによって、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップの剥離が容易となる。紫外線照射においては、波長200〜400nmの紫外線を用いることが好ましい。紫外線照射条件は、例えば、照度及び照射量をそれぞれ30〜240mW/cmの範囲及び50〜500mJ/cmの範囲に調整することが好ましい。
<(Y4)工程>
本工程では、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ30を粘着剤層14又は粘着剤層14がダイシングによって個片化された粘着剤層片14aからピックアップする。以下に、ピックアップの一例について説明する。まず、基材層12をエキスパンドすることによって、ダイシングされた接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ30を互いに離間させつつ、基材層12側からニードル32で突き上げられた接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ30を吸引コレット34で吸引して粘着剤層14(粘着剤層片14a)からピックアップする(図3(e)参照。)。なお、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ30は、接着剤層片4aと、金属層片6aと、半導体チップWaとから構成され得る。接着剤層片4aは接着剤層4がダイシングによって個片化されたものであり、金属層片6aは金属層6がダイシングによって個片化されたものであり、半導体チップWaは半導体ウェハWがダイシングによって個片化されたものである。粘着剤層14又は粘着剤層片14aは、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ30をピックアップする際に基材層12上に残存し得る。ピックアップ工程では、必ずしも基材層12をエキスパンドすることは必ずしも必要ないが、基材層12をエキスパンドすることによってピックアップ性をより向上させることができる。
<(Y5)工程>
本工程では、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ30を用いて、接着剤層片4aを基板2の表面2Aに貼り付け、加熱圧着して半導体チップWaと基板2とを接着する。加熱圧着の条件は、第1の態様の加熱圧着条件と同様であってよい。なお、このような加熱圧着によって、接着剤層片4aは、接着剤硬化物層片4acとなり得る。このようにして、半導体装置120を製造することができる。
半導体装置の製造方法は、必要に応じて、半導体チップWaと基板2とをワイヤーボンドによって電気的に接続する工程、基板2の表面2A上に、樹脂封止材を用いて半導体チップWaを樹脂封止する工程、リフロ炉を用いて加熱溶融する工程等をさらに備えていてもよい。
以下、実施例により本開示について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[フィルム状接着剤の作製]
(実施例1)
<熱硬化性樹脂組成物のワニスの調製>
各成分を表1に示す組成比(単位:質量部)で、(A)成分(熱硬化性樹脂)、(B)成分(硬化剤)、及び(D)成分(フィラー)に対して、溶剤としてのシクロヘキサノンを加え、撹拌混合することによって混合物を得た。当該混合物に、(C)成分(高分子成分)を加えて、各成分が均一になるまで撹拌して、熱硬化性樹脂組成物のワニスを調製した。
各成分の詳細は以下のとおりである。
(A)成分:熱硬化性樹脂
(A−1)トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(製品名:EP1032H60、ジャパンエポキシレジン株式会社製、重量平均分子量:800〜2000)
(A−2)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(製品名:YL983U、ジャパンエポキシレジン株式会社製、分子量:約336)
(A−3)可とう性半固形状エポキシ樹脂(製品名:YL7175−1000、ジャパンエポキシレジン株式会社製、重量平均分子量:1000〜5000)
(B)成分:硬化剤
(B−1)2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(製品名:2MAOK−PW、四国化成株式会社製)
(C)成分:高分子成分
(C−1)フェノキシ樹脂(製品名:ZX1356−2、東都化成株式会社製、Tg:約71℃、Mw:約63000)
(D)成分:フィラー
(D−1)無機フィラー
(D−1−1)シリカ(製品名:SE2050、株式会社アドマテックス製、平均粒径:0.5μm)
(D−1−2)フェニル表面処理ナノシリカ(製品名:YA050C−SP、株式会社アドマテックス製、平均粒径:約50nm)
(D−2)樹脂フィラー
(D−2−1)コアシェルタイプ有機微粒子(製品名:EXL−2655、ロームアンドハースジャパン株式会社製)
Figure 2021129079
<接着剤層の作製>
調製した熱硬化性樹脂組成物のワニスを100メッシュのフィルターでろ過し、真空脱泡した。支持フィルムとして、厚さ38μmの離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、真空脱泡後の熱硬化性樹脂組成物のワニスをPETフィルム上に塗布した。塗布した熱硬化性樹脂組成物のワニスを、90℃で5分間、続いて130℃で5分間の2段階で加熱乾燥し、Bステージ状態にある接着剤層を得た。接着剤層においては、熱硬化性樹脂組成物のワニスの塗布量によって、厚さ20μmになるように調整した。
<フィルム状接着剤の作製>
金属層として、厚さ35μmの銅箔(VLP銅箔、古河電気工業株式会社製)を用意した。上記で得られた接着剤層と金属層とを100℃でロールラミネータ(製品名:ラミネータホットドック、株式会社ラミーコーポレーション製)を用いて、貼り合わせた。続いて、金属層上にさらに接着剤層を同様の方法で貼り合わせることによって、接着剤層/金属層/接着剤層の三層構成を有する実施例1のフィルム状接着剤(厚さ:75μm)を得た。
(実施例2)
実施例1のフィルム状接着剤の一方の接着剤層上に金属層をさらに設けて、接着剤層/金属層/接着剤層/金属層の四層構成を有する実施例2のフィルム状接着剤(厚さ:110μm)を得た。
(実施例3)
実施例2のフィルム状接着剤の金属層上に、接着剤層及び金属層をさらに設けて、接着剤層/金属層/接着剤層/金属層/接着剤層/金属層の六層構成を有する実施例3のフィルム状接着剤(厚さ:165μm)を得た。
(比較例1)
上記で得られた接着剤層をそのまま比較例1のフィルム状接着剤として用いた。比較例1のフィルム状接着剤は、接着剤層のみの一層構成を有するものであり、金属層を有しないものである。
[フィルム状接着剤の評価]
<電磁波遮蔽性の評価>
150mm×150mmの実施例1〜3及び比較例1のフィルム状接着剤をサンプルとして用意した。これらのサンプルを用いて、KEC法によって測定した。測定は、電界及び磁界で行い、周波数100kHzにおける、電界シールド値(単位:dB)及び磁界シールド値(単位:dB)を求めた。測定においては、スペクトルアナライザー(製品名:N9010A、アジレント・テクノロジー株式会社製)及び信号発生器(製品名:N5183A、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。電磁波遮蔽性は、数値が高いほど良好といえる。結果を表2に示す。
Figure 2021129079
表2から、実施例1〜3のフィルム状接着剤は、比較例1のフィルム状接着剤に比べて、電磁波遮蔽性に優れていた。そのため、実施例1〜3のフィルム状接着剤を用いた半導体装置は、基板から発生する電磁波ノイズの半導体チップへの影響が充分に低減されることが推測される。
2…基板、4…接着剤層、4a…接着剤層片、4c…接着剤硬化物層、4ac…接着剤硬化物層片、6…金属層、6a…金属層片、8…接着部、10…フィルム状接着剤、12…基材層、14…粘着剤層、14…粘着剤層、14a…粘着剤層片、16…ダイシングテープ、20…ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム、30…接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップ、32…ニードル、34…吸引コレット、100,110,120…半導体装置。

Claims (11)

  1. 半導体チップと、
    前記半導体チップを搭載する基板と、
    前記半導体チップ及び前記基板の間に設けられ、前記半導体チップと前記基板とを接着する接着部と、
    を備え、
    前記接着部は、
    接着剤硬化物層と、前記接着剤硬化物層上に設けられた金属層とを有し、前記接着剤硬化物層が前記基板上に設けられている、半導体装置。
  2. 前記接着剤硬化物層が、熱硬化性樹脂、硬化剤、及び高分子成分を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層である、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記金属層を構成する金属が40×10S/m以上の0℃における電気伝導率を示す金属である、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記金属層を構成する金属が金、銀、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    接着剤層及び前記接着剤層上に設けられた金属層を有するフィルム状接着剤を用意する工程と、
    前記半導体チップと前記基板との間に、前記接着剤層が前記基板側になるように前記フィルム状接着剤を介在させ、前記半導体チップと前記基板とを接着する工程と、
    を備える、半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    基材層及び前記基材層上に設けられた粘着剤層を有するダイシングテープと、接着剤層及び前記接着剤層上に設けられた金属層を有するフィルム状接着剤とを備え、前記基材層、前記粘着剤層、前記接着剤層、及び前記金属層がこの順に配置されているダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを用意する工程と、
    半導体ウェハに、前記ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの前記フィルム状接着剤を貼り付ける工程と、
    前記半導体ウェハ及び前記フィルム状接着剤を個片化し、接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを作製する工程と、
    前記接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを前記粘着剤層からピックアップする工程と、
    前記接着剤層片及び金属層片を有する半導体チップを用いて、前記接着剤層片及び前記金属層片を介して、前記半導体チップと前記基板とを接着する工程と、
    を備える、半導体装置の製造方法。
  7. 半導体チップと基板とを接着するためのフィルム状接着剤であって、
    接着剤層と、前記接着剤層上に設けられた金属層とを有する、フィルム状接着剤。
  8. 前記接着剤層が熱硬化性樹脂、硬化剤、及び高分子成分を含有する熱硬化性樹脂組成物からなる層である、請求項7に記載のフィルム状接着剤。
  9. 前記金属層を構成する金属が40×10S/m以上の0℃における電気伝導率を示す金属である、請求項7又は8に記載のフィルム状接着剤。
  10. 前記金属層を構成する金属が金、銀、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項7又は8に記載のフィルム状接着剤。
  11. 基材層及び前記基材層上に設けられた粘着剤層を有するダイシングテープと、
    請求項7〜10のいずれか一項に記載のフィルム状接着剤と、
    を備え、
    前記基材層、前記粘着剤層、前記接着剤層、及び前記金属層がこの順に配置されている、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム。
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