JP5548358B2 - 抵抗型イメージングボロメータを具備する赤外放射を検出する装置、そのボロメータのアレイを具備するシステム、及びそのシステムに統合されるイメージングボロメータを読み出すための方法 - Google Patents

抵抗型イメージングボロメータを具備する赤外放射を検出する装置、そのボロメータのアレイを具備するシステム、及びそのシステムに統合されるイメージングボロメータを読み出すための方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボロメータを用いた赤外イメージング及び高温測定の分野に関する。
具体的に、本発明は、抵抗型イメージングボロメータを具備する赤外放射を検出するための装置に関する。また、それは、そのような装置のアレイを具備するシステムと、そのようなシステムに統合されるイメージングボロメータを読み出すための方法とに関する。
赤外検出器の分野において、アレイ形式で構成されて大気温度で動作可能な、即ち極端に低い温度に冷却する必要の無い装置の使用は、通常液体窒素の温度である極端に低い温度でのみ動作可能な“量子検出器”として言及される検出装置とは対称的に周知である。
これら非冷却型検出器は従来、約300Kの温度に応じて適切な材料の物理ユニットにおけるバリエーションを使用する。ボロメータ検出器の場合、この物理ユニットは、電気抵抗である。
そのような非冷却型検出器は一般に:
−赤外放射を吸収してそれを熱に変換する手段と;
−検出器の温度が赤外放射の効果に起因して上昇するように検出器を熱的に隔離する手段と;
−ボロメータ検出器に関連して抵抗要素を使用する熱化手段と;
−熱化手段が提供した電気信号を読み出す手段と;
を含む。
赤外イメージング用に作成された検出器は従来、要素である検出器又はボロメータからなる1又は2次元アレイとして生産され、前記ボロメータは、基板上に吊るされ、基板は通常、支持アームによってシリコンで作成される。
基板は通常、要素である検出器に順次アドレス指定する手段と、要素である検出器を電気的に活性化する手段と、これら要素である検出器が生成した電気信号を前処理する手段とを組込む。この基板及び統合された手段は一般的に、“読み出し回路”として言及される。
この検出器を用いてシーンを得るために、シーンは、適切な光学素子を介して、要素である検出器のアレイに投影され、クロックト電気刺激(clocked electrical stimuli)は、要素である検出器毎に、又はそのような検出器の行毎に読み出し回路を介して適用され、前記要素である検出器毎に到達された温度の画像を構成する電気信号を得る。この信号はその後、読み出し回路によってある程度処理され、その後に適用可能な場合、パッケージ外の電気装置によって処理され、観察されたシーンの熱画像を生成する。
しかし、要素であるボロメータの熱容量Cthに関連付けられた支持アームの熱抵抗Rthは、積Rththに等しく通常約10msのオーダである熱時定数τthを後者に関して定義することが明らかである。
この熱時定数は、ボロメータ毎に固有であり、例えば機内ビジョンシステム又は動いているものの追跡を含む用途への非冷却型ボロメータ検出器の市場浸透を制限する有害な影響を有する。
ボロメータの時定数τthは、高く、これは、その応答時間を制限する。故に、シーンが、例えばシーンの背景のオブジェクトより高い(又は少し高い)温度を有するオブジェクトの侵入等、対称的に速く変化しがちな場合(これは、“熱い”又は“冷たい”オブジェクトとして言及される)、ボロメータは、そのような変化に足並みを揃えるのが難しい。ボロメータは、一つの読み出しフレームから次のフレームまで熱メモリ効果を呈することになる。従って、シーンにおける熱い(又は冷たい)オブジェクトの動きは、形成された画像に、ぼかし又は汚れをもたらす。
この効果は、局所的に温度の変化が速い、固定されたシーンを扱う時、同様に有害である。ボロメータは、その時定数より速い変化に応答することが難しいので、正確にシーンを再生成するのが困難である。
また、各種要素である導体の分散抵抗値は、読み出しの間に導体を介して流れる分散電流をもたらす。これは、均一なシーンに信号分散(この分散は“オフセット”として言及される)だけでなく、温度変化に対する感度(又は利得)における分散をもたらす。
抵抗の分散は主として、各種製造技術に固有な変化と、基板の温度の空間分布及び放射環境に起因する。
通常、この分散は、オフセット及び利得分散パラメータを一時的に捕捉後、焦点面から外れた“2ポイント”訂正として言及されるイメージ訂正計算機能によって補償される。
ボロメータの時定数τthを低減して、これら欠点を克服する試みをなすことができる。
しかし、ボロメータを製造するのに用いる材料の量にボロメータの熱容量が依存する限り、ボロメータの熱容量Cthを低減するのは難しい。ボロメータを大量に低減すると、少なくとも無視できない低周波雑音レベルを有する温度材料(thermometric material)が使用される時、電気的雑音電力がボロメータの量に関連するので、ボロメータの電気的雑音の増加を直接的にもたらす。また、感度の高い構造の幾何学的安定性は、十分な構造材料の量がなく、かつこの量が自由自在に簡単に低減できない場合、もはや確保できない。
また、熱抵抗Rthを低減するのは、満足のできる結果ではない。実際そうすると、基板に向かい合うボロメータの熱的隔離、即ちその感度を減らすことになる。なぜなら、熱抵抗Rthは、ボロメータの熱検出感度に直接的に関連し、これは、ボロメータ検出器の熱分解能(thermal resolution)を定義する必須の要素だからである。
従来技術を考えると、ぼかし現象(blurring phenomena)によっては影響を受けず、かつ熱分解能の点で高い性能を提供する(即ち、高い信号対雑音比の)ボロメータ検出器を得ることは不可能なことが明らかである。
一般的に、最新のボロメータ検出器は、特定用途向けに作成される。通常、そのようなボロメータの時定数τthは、問題となっている用途の範囲で適用可能と思われるぼかしレベルに到達するまで、構造上の手段によってRthを増やして最大化される。
本発明の目的は、ボロメータの時定数とその熱分解能との間における好ましくないトレードオフを削除することにある。
従って、本発明の目的は、ぼかし減少によっては実質的に影響をうけない一方で熱分可能について高いパフォーマンスを備えたボロメータ検出器を、単純で強力な手段により提供することにある。
これを達成するため、本発明の目的は、ボロメータの抵抗を測定するための回路に電気的に接続されるよう意図された抵抗型イメージングボロメータを含む赤外放射を検出するための装置である。
本発明によると、この装置は、ボロメータに電流を注入することによってイメージングボロメータの抵抗を制御する手段を含む。
故に、この制御手段を用いて、少なくとも一度ボロメータの読み出しサイクル毎に所定の参照値にボロメータの抵抗を設定することができる。この効果は、ボロメータが読み出される前毎にボロメータの熱メモリ効果をキャンセルすることで、背景雑音及び任意のぼかし現象を削除し、シーンに関連することなく、浮遊抵抗の変化による影響を削除することである。
実際、このように参照値にボロメータの抵抗を調整することによって、読み出されるボロメータの抵抗は、電流の読み出しサイクルの間、及び特に、シーンの進行及び先の基板の熱変化の間、先のサイクルの終了前に生じたイベントに依存しない。
また、この抵抗は、線形又はアレイ構成においてボロメータの空間位置から実質的に独立している。
また、本発明は、検出器のオフセット及び利得分散について検出器を実質的に改善することで、その実装を単純にすることができる。
以下に記載するように、シーンからの入射束に敏感であり、観察されたシーンの熱画素を生成するよう設計されたボロメータは、“イメージングボロメータ”として言及される。
本発明の特定の実施形態において、イメージングボロメータの抵抗を制御する手段は、所定の参照電流(Iref)をボロメータに注入する手段を含む。
この制御手段は利点として、イメージングボロメータの端子上の電圧が所定の参照電圧に実質的に等しくなる時、電流を注入する手段を接続解除する手段を含む。この参照電圧自体、電流注入手段の作動時、及び電流が参照電流Irefに実質的に等しい時、イメージングボロメータの端子にわたる電圧を下回る値に調整される。
本発明の一つの特定の実施形態において、制御手段は、イメージングボロメータが形成されている基板の温度に依存する参照抵抗にイメージングボロメータの抵抗を固定することができる。
特に、制御手段は、基板に熱化されるボロメータからのフィードバックを備える増幅器を含み、増幅器の出力は、所定の初期温度に対する決定された初期参照抵抗の訂正を形成する。
代わりに、制御手段は、基板の温度を検出するセンサと、所定の初期温度に対する決定された初期参照抵抗の訂正を温度測定値に応じて決定できる情報処理ユニット(28)とを含む。
故に、焦点面の温度に応じて熱化を制御することによって、全てのイメージングボロメータが保持される参照抵抗の電流値は、焦点面の温度に関らず、必要に応じて常に定位置のまま、即ちイメージングボロメータの抵抗の自然分布のうち最小値の近傍のままである。
また、参照抵抗の温度制御に用いる回路形成は、その回路がアナログ又はデジタルかに関らず、動作温度が変わるときに熱化の十分な位置決めを維持するだけでなく、実際のボロメータの抵抗が一定温度で時間にわたって変化する時にこの十分な位置決めを確保することができる点に留意すべきである。実際、ボロメータ膜に組込まれる感光材料は、検出器の寿命の間に少しずつドリフトする傾向を有する。長期間経過すると、このドリフトは、たとえ検出器が安定した一定の温度で動作しても、初期の刺激設定の関連を制限する。
本発明の目的は、装置の少なくとも1行からなるアレイを具備する赤外放射を検出するためのシステムであって、
・抵抗型イメージングボロメータと、
・ボロメータの抵抗を読み出すためにイメージングボロメータに電気的に接続されることができる測定回路と、を含む。
本発明によると、これら装置は、それぞれ上記言及した型式である。
本発明によると、イメージングボロメータの抵抗を制御する手段は、前記アレイにある全てのイメージングボロメータに共通な所定の抵抗値にこの抵抗を調整することができる。
利点として、イメージングボロメータの抵抗を制御する手段は、ボロメータが読み出された後ごとに作動される。
また、システムは、読み出し回路の所定の電気的な動的応答に依存して、アレイが検出したシーンの熱的ダイナミックレンジを制御する手段を含む。検出されたシーンのダイナミックレンジを制御するこの手段は、イメージングボロメータの抵抗を制御する手段を作動解除した後に一度所定の曝露時間が経過すると、読み出し回路を作動することができる手段を含む。
この場合、曝露時間は、検出されたシーンに関連して生成された信号のダイナミックレンジが読み出し回路の対応する動的応答以下になるよう選択される。
本発明の一つの特定の実施形態によると、
・読み出し回路は、同時にアレイの一行を読み出すことができ、
・ボロメータの抵抗を制御する手段は、同時にアレイの一行を制御することができ、
・システムはまた、アレイの行を読み出すことがアレイの行の抵抗を制御することから所定行数をオフセットされるように、ボロメータの抵抗に対する読み出し及び制御をクロックする手段を含む。
本発明のもう一つの有利な局面によると、検出システムは、イメージングボロメータの抵抗を制御でき、ボロメータアレイにある各イメージングボロメータに関連付けられた抵抗を制御するための回路を含む。
代わりに、前記システムは、列の各ボロメータの抵抗を制御でき、アレイにある各列に関連付けられた抵抗を制御するための回路を含む。
また、本発明の目的は、赤外放射を検出するためのシステムを構成するボロメータアレイにある抵抗型イメージングボロメータを読み出すための方法であって、システムの抵抗は、少なくとも一度のシステムの全読み出しサイクルで全ボロメータに共通な所定の抵抗値に調整される。
図1は、本発明によるボロメータ検出器の概略図である。 図2は、図1に示す検出器のうち全ての部分である、イメージングボロメータ配置、補償回路、測定回路及び熱化回路からなる概略図である。 図3は、図1の検出器の動作を示すフローチャートである。 図4は、温度において高いダイナミックを有するシーンの前で、図1に示す検出器にある一つの行の出力レベルの熱的ダイナミックレンジにおける時間にわたる変化を示すグラフである。 図5は、本発明の一つの特定の実施形態によるボロメータ検出器の概略図である。
図1は、ボロメータ検出器を示し、それは
・抵抗型イメージングボロメータ102のn個の行及びm個の列からなり、n及びmが1以上の整数である2次元イメージングアレイ12を含む。イメージングアレイ12は、赤外放射を透す光学素子の焦点面で配置される(図示せず)。
・イメージングアレイ12の表面下の基板に実装される読み出し回路16を含む。読み出し回路16は、行毎アドレス回路18と、イメージングアレイ12の列毎について、電気的手段によりその列における全てのイメージングボロメータに接続できる測定回路22とを含む。
・イメージングアレイ22の全ての列に向かい合うがイメージングアレイから離れて配置される一つ以上の補償回路26からなる補償ボロメータアレイ24を含む。例えば、アレイ24は、イメージングアレイ12の列毎に、列における全てのイメージングボロメータに接続できる補償回路26を含む。
・読み出し回路16に接続される情報処理ユニット28を含み、ユニットは、アルゴリズムを用いて、読み出し回路が出力した信号を処理し、アレイ12上に投影されるシーンの赤外画像を決定する。
そのようなボロメータ検出器の構造は、典型的であり、以下詳細に説明しない。追加の情報について、読者には、Infrared Technology and Application XXVII, SPIE, Vol. 4820のE. Mottinらによる“Uncooled amorphous silicon enhancement for 25um pixel pitch achievement”という題名の文献が参考になる。
本発明によると、この検出器の構造は、アドレス手段18の制御下で、熱化回路32によって形成される、イメージングボロメータアレイ12の熱遮断回路30によって補足され、即ち熱遮断回路は、以下詳細に説明する通り、行毎にアレイ12のボロメータ抵抗32を制御する。遮断回路30は、イメージングアレイ12の列毎について、列にある全てのイメージングボロメータに接続できる熱化回路32を含む。
図2は、
・アレイ12のイメージングボロメータ102とそれを実行するのに必要な要素46及び48とを含む画素14;
・イメージングボロメータ102を測定するために読み出し回路16の測定回路22;
・イメージングボロメータが読み出される時にイメージングボロメータ102に流れる同相電流を補償するためにアレイ24の補償回路26;及び
・イメージングボロメータ102を熱的に調整するために熱遮断回路30に対する熱化回路32;
からなる好ましい基本配置を示す。
ボロメータ102は、シーンから得られた赤外放射IRに曝露され、第1の端子Aによって接地に接続される。
測定回路22は
−非反転端子(+)が所定の定電圧Vbusに維持される演算増幅器40;
−所定の静電容量Cintを有し、増幅器40の反転端子(−)とその出力との間に接続されるキャパシタ42;
−キャパシタ42に並列接続され、アドレス回路18が制御する“リセット”信号の手段によって制御可能なリセットスイッチ44;
−アドレス回路18が制御する“選択”信号の手段によって制御可能で、演算増幅器の反転端子(−)に接続される読み出し列101に接続される読み出しスイッチ46;及び
−画素14に設置され、ゲートが所定の定電圧Vfidに維持され、ソースがボロメータ102の第2の端子Bに接続され、ドレインが読み出しスイッチ46の他の端子に接続される第1のMOS注入トランジスタ48;を含む。
イメージングボロメータ102を介して流れる同相電流を補償するのに用いる補償回路46は、イメージングボロメータと同じ材料で作成され、基板と比べて低い熱抵抗を有し、シーンから発生する放射を遮断するシールド52が随意的に取り付けられる抵抗型補償ボロメータ50を含む。
補償ボロメータ50のうち一つの端子は、所定の電圧VSKに接続され、もう一方の端子は、回路26の第2のMOS注入トランジスタ54のソースに接続される。トランジスタ54のドレインは、演算増幅器40の反転入力(−)に接続され、グリッドは、所定の電圧GSKに接続される。
上記説明した要素の配置及び動作は、典型的であり、詳細については、説明を簡潔にするために省略する。追加の詳細について、読者には例えば、Infrared Technology and Application XXVIII, SPIE, vol. 4820のE.Mottinらによる“Uncooled amorphous silicon enhancement for 25um pixel pitch achievement”という題名の文献が参考になる。
本発明によると、イメージングボロメータ102の抵抗を制御可能な熱化回路32がある。
特に、熱化回路32は、第1及び第2の制御可能な熱スイッチ58、60を介してイメージングボロメータ102の端子Bに接続される電流源56を含み、熱スイッチ60は、画素14から離れて設置される。電流源56は、熱スイッチ58、60が閉状態の時、イメージングボロメータ102に所定強度の電流Irefを注入する。
また、熱化回路32は、第1の端子が例えばイメージングボロメータ102の端子Bへ熱スイッチ58、60を介して接続され、第2の端子が所定の参照電圧Vrefに接続される比較器62を含む。
また、比較器62は、第1の熱スイッチ58に接続され、イメージングボロメータ102の端子B上の電圧Vと参照電圧Vrefとの比較結果に従って、その状態を制御する。
最後に、第2の熱スイッチ60の状態は、アドレス回路18による“消去”信号の手段によって制御される。
ここで、イメージングアレイ12を熱化及び読み出しするための方法は、図3に関連して説明される。
例えば、ボロメータ検出器10の電源を入れた後に引起される第1のステップ70において
・アドレス回路18の読み出しポインタNlectは、1に初期化され;
・Vrefに対する一つの値及びIrefに対する一つの値は、以下に詳細に説明する方法で選択される。
・アレイ12にある全てのイメージングボロメータ102に関連付けられた“リセット”、“選択”及び“消去”信号は、アドレス回路18によってゼロに調整され、値は、スイッチ44、46、60の開状態に相当する。
その後、ステップ70は、アレイ12の行Nlectを読み出すためにマクロステップ72に続く。
読み出しステップ72は、測定回路22の“リセット”信号がアドレス回路18によって正の値に調整されてリセットスイッチ44を閉じることを含むステップ76を含む。従って、行Nlectのキャパシタ42は、ほぼ一瞬に放電される。
ステップ76は、ステップ80に続き、“リセット”信号がアドレス回路18によってゼロに切換えられリセットスイッチ44を開く。同時に、及びステップ80で、“選択”信号は、アドレス回路18によって正の値に切換えられ行Nlectの読み出しスイッチ46を閉じる。
図2に記載される行Nlectの配置ごとに、イメージングボロメータ102を介して流れる電流と、補償ボロメータ50を介して流れる電流との差は、キャパシタ42によって統合される。
補償ボロメータ50を介して流れる電流は、イメージングボロメータ102を介して流れる同相電流に実質的に等しいので、測定回路22の入力上の電流差は、イメージングボロメータ上に入射されるシーンからの放射によって生成されたイメージングボロメータ102の抵抗Rboloにおける変化ΔRboloに実質的に等しい。
次のステップ82の間、回路22の入力上の電流差は、キャパシタンス42で時間Tintにわたって統合される。
一度、統合時間が経過すると、アドレス回路18はステップ84において、行Nlectの“選択”信号の値をゼロに切換えて、対応する読み出しスイッチ46を開く。ステップ84の終わりに、全ての“選択”及び“リセット”信号はゼロである。従って、各スイッチは、開いている。
その後、積分器42の出力上の電圧Voutは、関連するイメージングボロメータ102の抵抗ΔRboloにおける変化の画像である。
ステップ84に続く行Nlectを熱化するためのマクロステップ74は、ステップ86を含み、この行の“消去”信号は、アドレス回路18によって正の値に切換えられその行の熱スイッチ60を閉める。
ここで、行Nlectの読み出しスイッチ46は、開状態であることに留意すべきである。
図2に示す行Ntherの各配置において、イメージングボロメータ102は故に、そこへ電流Irefを注入することによってバイアスされ、従って、その温度は、ジュール効果に起因して上がる。
アモルファスシリコン又は酸化バナジウムのようなイメージングボロメータを生成するのに典型的に用いる半導体材料の場合、材料の熱係数は、負であり、イメージングボロメータ102の抵抗Rboloは、以下のアレニウスの式に従って変わる。
Figure 0005548358
ここで
・Eaは、ボロメータに用いる材料の伝導度である熱活性化エネルギーであり;
・Kは、ボルツマン定数であり;
・Tは、ボロメータの絶対温度であり;及び
・Rabsは、ボロメータの温度がかなり高い時の、ボロメータの漸近抵抗値である。
関係式(1)から推定される抵抗Rboloの温度における相対変化因数は、以下の関係式によって表現される。
TCR=1/R(dR/dT)=−Ea/(KT
故に、因数TCRは、負であり、抵抗Rboloは、温度の上昇につれて下がる。
次のステップ88の間、イメージングボロメータ102の抵抗Rboloが所定の抵抗Rrefに実質的に等しいか否かを確かめるテストが実行される。このテストの結果が負の場合、イメージングボロメータ102の熱化が続く。そうでなければ、テストステップ88は、対応する電流源56からステップ90でそれを接続解除することによってイメージングボロメータ102の熱化を停止して終了する。
特に、ステップ88及び90は、比較器62によって実行される。
オームの法則によると、イメージングボロメータ102の端子にわたる電圧Vboloは、以下の式を用いて表現できる。
Figure 0005548358
その後、比較器62は、第2の熱スイッチ58をその開状態に切換えることで、電圧VrefがVに実質的に等しい時、即ちRboloが以下の条件を満たす時、イメージングボロメータ102から電流源56を接続解除する。
Figure 0005548358
これにより、イメージングボロメータ102の熱化を終了する。
熱化の終了時にイメージングボロメータ102によって提供される抵抗Rrefは、ボロメータが受ける赤外放射の量に依存しない点に留意すべきである。
実際、比較器62によって電流源56から接続解除される瞬間にイメージングボロメータ102が受ける温度上昇θは、関係式(1)を用いて、およそ以下の式によって表現される。
Figure 0005548358
この温度上昇は、受けた赤外放射に依存せず、イメージングボロメータ102の内部パラメータ及び熱化回路32のパラメータ、即ち電流Iref及び電圧Irefにのみ依存することが分かる。
行Nlectを熱化するステップは、ステップ92で終了し、その間アドレス回路18は、この行の“消去”信号をゼロに切換えて、対応する熱スイッチ60を開く。
その後、読み出し及び熱化ステップ74は、ステップ94に続き、それは、ステップ74が一度完了すると引起され、読み出しポインタNlectの値がNlect+1(modn)に調整され、ここでmodは、モジュロ演算子である。実際、一度Nlect=nの場合、次のステップは、Nlect=1である。
その後、ステップ94は、ステップ72の入力にループバックし、次の行を読み出す。
電流Irefの値及び電圧Vrefの値は、以下の方法でステップ70の間に選択される。
・イメージングボロメータの抵抗Rboloを値Rrefに近づけるのに必要な温度増加期間は、できるだけ小さくする。このように、最新の情報に従って“リセット”及び“選択”信号をクロックすることは、持続可能である。
・Vrefの値は、ボロメータの熱化が引起される時、イメージングボロメータ102の端子B上の電圧V未満である。このように、関連する比較器62の状況を切換えることは、すぐに達成されない。むしろ、参照ボロメータ26の熱化が抑制される。
電流Iref及び電圧Vrefの値は、予備段階の間、例えば検出器がサービスされる前に典型的に実行される検出器の較正段階の間に工場で決定される。そのような予備段階は、特に以下のステップを含む。
a)検出器がオンに切換えられ、所定の参照熱環境状態、即ちその焦点面上の周知の安定温度と、検出器の使用時に検出できる最大温度で保持される黒体に曝露することで通常得られる、シーンから発生する均一な放射状態とに曝露される。
b)イメージングボロメータ102は、電流Irefに曝露され、その値は、ボロメータ読み出し段階の間にイメージングボロメータをバイアスするのに用いる値に近似し、ボロメータ102は、高い比較電圧Vref、例えば電圧VDDAに実質的に等しい電圧に曝露される。この段階で、イメージングボロメータ102の抵抗は、熱化回路32によって変更されず、従って、測定回路22の出力上の対応する電圧Voutは、均一なシーンによって照射される時、イメージングボロメータ102の典型的で連続的な出力レベル分配、即ちいわゆる“オフセット”分散に相当する。
c)その後、電圧Vrefは、次第に減少する。クリッピング(clipping)は、最も高いイメージングボロメータの抵抗が電圧Vrefの段階的減少に起因して熱化回路32によって熱的に変更される時、電圧Voutの低い分配値をもたらす。実質的に全ての電圧Voutが上がるように変更され、電圧Vrefが減る前に観察された最も高い電圧Voutに近くなる時、電圧Vrefの減少が停止する。
d)従って、電流Iref及び電圧Vrefは、検出器が使用される時、イメージングボロメータ102を熱化するのに使用される。
上記の電流Iref及び電圧Vrefを調整する過程は、手動又は自動で実行可能である。自動の場合、過程は、情報処理ユニット28によって実行され、それは、デジタル制御レベルIref及びVrefを出力し、それらは従来のデジタル/アナログ変換手段によってアナログ電流及び電圧に変換される。その後、情報処理ユニット28は、例えば電圧Vrefが減少される時、各段階で形成される電圧Voutに相当する連続式レベルテーブルの処理をソフトウェアで実行する。
潜在的な一対の無限数(Iref、Vref)を使用して、所望の抵抗Rrefを求めることができる。しかし、関連するトランジスタ48の結果的な熱化時間が検出器上に設けられる時間的制約(特に積分時間)に適合する範囲内で、読み出し段階の間、これらトランジスタによるバイアス効果に起因してイメージングボロメータ102を介して流れるバイアス電流に近似する電流Irefを選択するのが好ましい。しかし、比較的高い電流Irefは、抵抗Rrefをもたらす熱化時間を減らすのが好ましい。電流Irefは、一定が好ましく、熱化回路の設計を単純にするために、典型的なアナログ回路要素によって直接適用される。
上記説明した実施形態において、読み出し及び熱化のマクロステップ(それぞれ72及び74)は、連続して共に関連付けられる。従って、アレイは、一つの行で同時にアドレス指定、読み出し、そして熱化される。
もう一つの実施形態において、対応する行をアドレス指定する第2のポインタNtherは、読み出される行とは違う行を熱化するために導入される。
読み出しと熱化とを分離する行Nexpの数は、図4に示す通り、イメージングアレイ12が検出したシーンのダイナミックレンジを制御するよう有利に選択される。
図4は、アレイ102(即ち、M個の行の分配が蓄積された後の全アレイ12)における行Nのイメージングボロメータ102群に対する時系列出力レベル分配のグラフを示す。各分配は、熱化と読み出しとの間における異なる待ち時間に相当する。図4は、観察されたシーンの熱力学が、本発明に従って熱化装置がなく検出器のシーンのダイナミックレンジを僅かに超えており、それは、“参照シーンのダイナミックレンジ”として言及される。
t=T0で、行Nは、先に説明したように熱化を受ける。その時、ボロメータ群の温度分散は、かなり小さい。この分散は、製作公差と、検出器の各種要素間におけるイメージングボロメータ及び接続が厳密に同一でないという事実とに起因して、検出器の自然変動に主に固有である。
ボロメータの熱化時間は、その曝露時間、即ち熱化される時間と読み出される時間との間の持続時間より実質的にかなり短い。数値的な例では、曝露時間は、10ミリ秒のオーダであるのに対し、熱化時間は、10マイクロ秒のオーダである。
一度熱化が完了すると、行Nのイメージングボロメータが冷める。全ボロメータは、受けた熱放射に依存して(ボロメータに関するシーン画素の温度に依存して)、独自の冷却速度を有する。行Nが曝露時間の終わりに読み出される時、行Nによって形成された分配信号が時間に応じて次第に拡散するのを観察することができ、これは、この行におけるボロメータの各温度の分配によって引起される。従って、行Nにおける最も冷たいボロメータと最も熱いボロメータとの間の温度差は、図4に示すように、対応する両極端の出力レベル差が増える時、時間と共に増加する。
数時間オーダである曝露時間を熱時定数が越えると、この分配は通常、熱平衡状態で次第に安定化し、拡散しない。
また、測定回路22は、演算増幅器40の出力が生成可能な最大及び最小電圧間の差で定義される、固定動的読み出し応答を有する。そのような動的応答は、2つの破線間に示される。
参照ダイナミックレンジを超えるダイナミックレンジをシーンが有すると仮定すると、行Nの熱化と行Nが読み出される時間との間に極端に長い曝露時間、例えば16msがある場合、出力信号のダイナミックレンジは、動的読み出し応答によってクリップされることが明らかである。冷たい温度に相当するイメージングボロメータの重要部分は、検出器の読み出し回路によって代表的な方法で読み出すことができない。
本発明による検出器は、曝露時間を調整することによって検出器が検出したシーンのダイナミックレンジに対応することができる。
有利には、行Nの読み出しは、シーンによって生成される電気的ダイナミック出力レンジが行Nexpの適切な数を選択することによって読み出し回路の動的応答を超過する前に引起され、ここで、Nexpは、読み出しポインタNlectから熱化ポインタNtherを分離する行数である。
実際、曝露時間Texp=Nexp/Frowが経過し、ここでFrowは、行Nの読み出しと熱化との間におけるアドレス回路18の所定のアドレス周波数である。従って、この時間は、Nexpを選択することによって制御できる。
曝露時間Texpは、シーンによって生成される出力画像のダイナミックレンジが動的読み出し応答以下であるよう選択されるのが好ましい。
焦点面の温度が電流Iref及び電圧Vref、故に抵抗Rrefが決定された温度から実質的にドリフトする場合、初めに定義されたダイナミックレンジのマージンにおけるシーン温度について、抵抗Rrefは、熱較正状態におけるイメージングボロメータ102の最小抵抗より実質的に小さくなり、又は数個のボロメータ上若しくは全てのボロメータ上の抵抗Rrefを熱化段階の完了に課すことについての問題に直面するリスクがある。
第1の変形では、検出器は、ペルチェ型の焦点面の温度を制御するための要素、及び/又は焦点面を加熱して、電流Iref及び電圧Vrefの調整を実行するのに用いる温度近くに後者の温度を調整する要素を備える。
第2の変形では、検出器は、選択された定電流Iref又は電流/電圧対(Iref、Vref)の場合、焦点面の温度と電圧Vrefの先の較正とを測定するセンサを備え、温度測定に従って問合され、使用されている電流/電圧対を決定する。
従って、これらの変形は、温度調整検出器であり、従って高価で大きく非標準の機器を要し、又は工場での較正設定において時間がかかり高価な決定を見込む。
図5は、本発明の実施形態を示し、焦点面の温度変化に対してシーンのダイナミックレンジを鈍感にする一方で、熱調整要素の使用又は温度較正の実行を回避することができる。
この実施形態において、定電流Irefが選択され、電圧Vrefは、基板が位置する焦点面の温度に依存して制御される。
この実施形態における熱モジュール32は、図2について説明した回路を再生成するが、回路100も含んで比較器62の反転端子(−)上の電圧Vrefを制御する。ボロメータアレイについて、単に一つの回路100は、例えば熱化回路ラインの端に提供され、その出力は、図5に示すように、各列に対してバス分配電圧Vrefの電位を定義する。
制御回路120は、ボロメータ104を含み、それは、補償ボロメータ50と同一又は類似し、抵抗Rprobeを有し、演算増幅器106の反転端子(−)と出力との間で演算増幅器にフィードバック接続され、固定抵抗108は、増幅器106の反転端子(−)と初期参照電圧Vref−initとの間で接続される。
ボロメータ104は、その抵抗値が基板の温度に原則依存するよう、シーンからの放射に対して鈍感にされる。
電流Iref及び電圧Vref−initは、上記説明したような調整段階の間に予め定められる焦点面の温度と、ボロメータ104の抵抗がこの調整段階で使用される熱状態に曝される時、ボロメータ104の抵抗値に実質的に等しい抵抗108の値Rprove−initとに対して決定される。比(Rprobe/Rprobe−init)は、初期電圧Vref−initに適用される訂正利得を定義する。
また、制御回路120は、増幅器106の出力極性を反転するために、演算増幅器110の反転端子(−)とその出力との間における固定抵抗112によってフィードバック接続される増幅器110と、抵抗112と同一値を有し増幅器106の出力と増幅器110の反転端子(−)との間に接続される固定抵抗114とを含む。後者の出力は、比較器62の非反転端子(+)に接続されることで、イメージングボロメータ102を熱化するのに用いる電圧Vref−actを定める。
このように、比較器62は、以下の式に従って電圧Vref−actを連続的に基準にとる。
Figure 0005548358
ボロメータ104の抵抗値Rprobeが基板の温度によって原則決定付けられるので、比較器62に供給される電圧Vrefの相対的な訂正は、初期温度の電圧Vref−initを決定するために、仮定される抵抗Rref−initに対する基板温度の変化によって引起される抵抗Rrefについて期待される相対的変化に等しい。故に、熱化過程を適用することで、焦点面の現在温度に適切な更新された抵抗値Rref−actを全てのイメージングボロメータに課す。
即ち、制御回路100の出力上の電圧Vref−actは、“温度追従者”のようにふるまい、ボロメータプローブ104の抵抗における変化を比例的及び必然的に再生成し、プローブ104は、基板温度を知る必要なく基板温度の変化に応答し、理想的な動作ポイントの近傍に自身を連続的に維持し、理想的な動作ポイントは、予備の調整段階の間に予め選択されている。
代わりに、温度に応じて電圧Vref−actを制御するよりも、同一の原理に従って電流Irefを制御することが使用される。
もう一つの実施形態において、熱化回路の比較器62に適用される電圧設定ポイントは、電流Irefが実質的に一定を維持しながら、温度センサによる基板温度の測定値に応じて情報処理ユニット28によってデジタル処理で決定される。
故に、情報処理ユニット28は、以下の式に従って、更新された参照電圧設定ポイントVref−actを提供する。
Figure 0005548358
ここで、Vref−initは、上記初期定義された電圧であり、Tは、考慮される時点でセンサによって測定された温度であり、Trefは、電圧Vref−initに相当する初期調整時にセンサによって測定された温度である。
従って、イメージングボロメータ102は、抵抗Rref−act=Vref−act/Irefで熱化されるので、基板の現在温度に応じて熱化される。
アレニウスの関係式(6)は、一例として与えられる。一般的に言うと、本発明は、基板温度に従って最適な動作状態を維持するのに最も適している電圧Vref−actを計算することにある。例えば、初期設定に相当するシーン状態について、他の関係式を使用してもよく、基板温度に基づきイメージングボロメータのふるまいに対する実験的較正に従ってVref−actによって定義される。
代わりに、電流Irefは、式(6)と同一形式の推定に従って基板温度に応じて定義される一方で、電圧Vrefは、一定に維持される。
焦点面の温度の関数として熱化を制御することによって、全てのイメージングボロメータが保持される参照抵抗の電流値は、焦点面の温度に関係なく、検出器がそのダイナミックレンジの最大温度で均一なシーンを観察している時、必要に応じて定位置、即ちイメージングボロメータの抵抗の自然分配の最小値の近傍のままである。
即ち、これら変形による検出器は、シーン力学(scene dynamics)を有し、それは、焦点面の温度に関らず、イメージングボロメータの抵抗の必然的分散から主として独立している。従来技術による検出器のシーン力学は、この抵抗の必然的分散によって、高い焦点面の温度に関して主に制限される。本発明の変形によるこの検出器を使用すると、既に説明した利点だけでなく、動的応答における実質的な利得をもたらす。
温度制御、参照抵抗に用いる回路の形式は、それらがアナログ又はデジタルに関係なく、動作温度が変わる時に熱化に対して十分な配置を維持するだけでなく、ボロメータの実際の抵抗が一定温度の時間にわたって変化する時、この十分な配置を確保することができる点に留意すべきである。実際、ボロメータ膜に組込まれた感光材料は、検出器の耐用年数の間、かなり遅いが実質的に均一にドリフトする傾向にある。長期にわたり、このドリフトは、たとえ検出器が安定した一定の温度で動作する場合でも、初期刺激設定(initial stimuli setting)の関連性を制限する。
この発明は、以下の利点を有する。
・イメージングアレイ12の熱メモリ効果(thermal memory effect)に対する実質的削除によるぼかし効果の削除。実際、任意の読み出し動作の前、イメージングボロメータの抵抗Rboloは、シーンに依存しない参照値Rrefに調整される。このように、その熱化及び読み出しの間の時間におけるボロメータに対する曝露の間に発生した抵抗における変化のみが検出される。
・クロック論理回路の熱化ポインタを用いてイメージングアレイ12がアクセス可能なシーンのダイナミックレンジに対する単純で効率的な制御;信号が統合される前、全イメージングボロメータにわたり実質的に同一な電気抵抗を形成することによるオフセットに対する実質的な削除及び利得空間分散効果(gain spatial dispersion effect);従来の機械的光学シャッタの潜在的削除。これにより、観察段階及びシステムの耐用年数の間、経済的魅力、検出器のサービスの継続を実質的に改善する。
・後者が変形可能な場合、焦点面の温度に関係ないシーン力学における実質的増加。
本発明の一つの特定実施形態が説明された。
代替の実施形態において、電流源56が制御できる。例えば、熱化時間の間に可変な電流プロフィールは、さらにこの持続時間を最適にするために予め決定できる。
同様に、イメージングアレイ12に対する行毎の熱化が説明された。代わりに、熱化回路32は、イメージングアレイ12のイメージングボロメータ102毎に提供できる。これは、測定回路22がイメージングボロメータ毎にさらに提供される場合、特に有利である。これにより、全イメージングボロメータに対する同期した熱化を達成し、イメージングアレイに対する行毎の熱化によって生成されるアーチファクトを実質的に低減する。
同様に、補償構造に関連付けられたイメージングアレイの熱化が説明された。また、本発明は、Proc. SPIE, Vol 5074のYutaka Tanakeらによる“Performance of 320x240 Uncooled Bolometer-type Infrared Focal Plane Arrays”という題名の文献で説明されているような、いわゆる“参照”構造に関連付けられたイメージングアレイに適用されるのが明らかである。
また、本発明は、例えばホイートストンブリッジ型のボロメータブリッジをバイアスすることによって、他の共通モードの電流拒否技術を用いる読み出しモードに適用できる。
本発明は、イメージングボロメータ及び参照ボロメータを構成する検出周波数帯域又はボロメータ材料の種類、例えばアモルファスシリコン(a−Si)、酸化バナジウム(Vox)(金属)に関らず、ボロメータ検出を利用するイメージセンサの分野において応用される。
ボロメータ検出を用いるイメージセンサの各種動作温度に対する調整機能に起因して、本発明は、シャッタが光学素子に関連して適用されるか否かに関係なく、熱的に制御されるセンサと、可変な焦点面の温度(通常、“TEC−less”という用語で示される)で動作するセンサとの両方に適用可能である。
22 測定
26 補償
32 熱化

Claims (13)

  1. 赤外放射を検出するためのシステムであって、
    ・画素のアレイであって、前記画素の各々が抵抗型イメージングボロメータを具備する画素のアレイと、
    ・読み出し回路と、を具備し、
    前記読み出し回路は、
    前記アレイの各行に対して、前記画素の前記イメージングボロメータの抵抗に応じた電圧を読み出すために、前記行の画素の各々に電気的に接続されることができる測定回路と、
    行単位で前記アレイの前記行と前記測定回路の接続を制御するアドレス回路と、を具備し、
    前記システムは、前記アレイの各行に対して、前記アレイの前記全てのボロメータに共通する所定の抵抗値へと前記画素の前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するために、前記行の画素の各々に電気的に接続されることができる熱化回路を更に具備し、
    前記熱化回路は、
    前記イメージングボロメータに所定の参照電流(Iref)を注入し、それにより所定の参照電圧に対する前記イメージングボロメータの端子上の電圧を変更するための手段と、
    前記イメージングボロメータの前記端子上の前記電圧前記所定の参照電圧(Vref)に実質的に等しい時、電流注入手段を接続解除するための手段を具備することを特徴とするシステム。
  2. 前記参照電圧は、電流注入手段の作動中及び前記電流が前記参照電流(Iref)に実質的に等しい時、前記イメージングボロメータの端子にわたる電圧未満の値に調整されることを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  3. 前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するための前記熱化回路は、前記イメージングボロメータが形成される基板の温度に依存する参照抵抗に前記イメージングボロメータの前記抵抗を固定できることを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  4. 前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するための前記熱化回路は、前記基板に熱化されるボロメータからのフィードバックを備える増幅器を具備し、前記増幅器の出力は、所定の初期温度に対する所定の初期参照抵抗の訂正を形成することを特徴とする請求項3に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  5. 前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するための前記熱化回路は、前記基板の温度を検出するセンサと、所定の初期温度に対する所定の初期参照抵抗の訂正を前記温度の測定値に応じて決定できる情報処理ユニットと、を具備することを特徴とする請求項3に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  6. 前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するための前記熱化回路は、アレイの全ての前記イメージングボロメータに共通する所定の抵抗値に前記イメージングボロメータの前記抵抗を調整できることを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  7. 前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するための前記熱化回路は、前記ボロメータが読み出された後の各時間に作動されることを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  8. 前記読み出し回路が、イメージングアレイの表面下の基板に実装されるとともに、
    読み出し回路の所定の動的レンジに応じてシステムによってアクセスされることができるシーンの熱的ダイナミックレンジを制御するための手段を前記システムがさらに具備し、
    前記シーンの前記ダイナミックレンジを制御するための前記手段は、一度所定の曝露時間が前記イメージングボロメータの前記抵抗を制御するための手段を作動解除した後に経過すると、前記イメージングボロメータの読み出しを作動できる手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  9. 前記曝露時間は、前記検出されたシーンに関して生成される信号のダイナミックレンジが前記読み出し回路の対応する動的レンジ以下になるよう選択されることを特徴とする請求項に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  10. ・前記読み出し回路は、同時に前記アレイの一行を読み出すことができ、
    ・前記ボロメータの前記抵抗を制御するための手段は、同時に前記アレイの一行を制御でき、
    ・前記システムは、前記アレイの行を読み出すことが、前記アレイの行の抵抗を制御することから所定の行数についてオフセットされるように、前記ボロメータの前記抵抗に対するクロック読み出し(clocking reading)及び制御の手段をさらに具備することを特徴
    とする請求項8に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  11. 前記ボロメータアレイの全てのイメージングボロメータに関連付けられ、前記ボロメータの前記抵抗を制御できる抵抗を制御するための回路を具備することを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  12. 前記アレイの全ての列に関連付けられ、前記列の全てのボロメータの前記抵抗を制御できる抵抗を制御するための回路を具備することを特徴とする請求項1に記載の赤外放射を検出するためのシステム。
  13. 赤外放射を検出するためのシステムを構成するボロメータからなるアレイの抵抗型イメージングボロメータを読み出すための方法であって、
    前記ボロメータの前記抵抗は、そこに電流を注入し、それにより所定の参照電圧に対する前記ボロメータの電圧を変更することによって前記ボロメータの読み出しサイクル毎に少なくとも一回前記アレイの前記全てのボロメータに共通する所定の抵抗値に調整されることと、前記ボロメータの前記電圧前記所定の参照電圧(Vref)に実質的に等しい時、電流注入を停止することとを特徴とする方法。
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