以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態は、ロッドに設けられたピストンがシリンダ内で変位することで作動して航空機の機器を駆動するアクチュエータに用いられ、シリンダに対するピストン又はロッドの位置を検出する、アクチュエータ用位置検出器に関して、広く適用することができるものである。
まず、アクチュエータ用位置検出器が用いられるアクチュエータについて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るアクチュエータ用位置検出器1が用いられるアクチュエータ100が航空機の舵面101を駆動するシステムについて模式的に示す図である。アクチュエータ100は、図示しない航空機の舵面101を駆動する油圧作動式のアクチュエータとして設けられている。尚、舵面101は、航空機の動翼(操縦翼面)として設けられており、例えば、主翼に設けられるエルロン(補助翼)や、水平尾翼に設けられる昇降舵(エレベータ)、垂直尾翼に設けられる方向舵(ラダー)、等として構成される。また、図1では、1つの舵面101が複数のアクチュエータ100によって駆動される形態を例示している。
アクチュエータ100は、舵面101に連結されており、舵面100を駆動可能なシリンダ機構として構成されている。そして、アクチュエータ100には、ロッド102と、ロッド102が軸方向に移動自在な状態で配置されるシリンダ103と、ロッド102に設けられたピストン104とが備えられている。シリンダ103内は、ピストン104により、一対の油室(105a、105b)に区画されている。このアクチュエータ100は、一対の油室(105a、105b)に対して圧油が供給及び排出されることで、ロッド102に固定されたピストン104がシリンダ103内で変位することで作動して航空機の機器である舵面101を駆動するように構成されている。
また、図1の模式図に示すように、航空機の舵面101を駆動するアクチュエータ100の作動を制御するシステムにおいては、アクチュエータ100における一対の油室(105a、105b)と、油圧源106及びリザーバ回路107とを連通可能に構成された油圧回路が設けられている。尚、図1では、アクチュエータ100の作動を制御するシステムとして、舵面101を駆動する2つのアクチュエータ(100、100)のうちの一方のアクチュエータ100に対応するシステムを図示しており、他方のアクチュエータ100に対応するシステムの図示を省略している。
油圧源106は、圧油(作動油)を供給する油圧ポンプを備えて構成され、図示しない航空機の機体側に設置されている。そして、リザーバ回路107は、油圧源106からの圧油として供給された後にアクチュエータ100から排出される圧油が流入して戻るタンク(図示せず)を備えるとともに、油圧源106に連通するように構成されている。尚、2つのアクチュエータ(100、100)のうちの一方のアクチュエータ100に接続された油圧源106及びリザーバ回路107と独立した系統して設けられた油圧源及びリザーバ回路(図示せず)が、他方のアクチュエータ100に接続されている。また、油圧源106及びリザーバ回路107は、舵面100以外の舵面(図示せず)を駆動するアクチュエータ(図示せず)にも接続されている。
また、油圧源106及びリザーバ回路107と、アクチュエータ100との間の油圧回路には、制御弁108が設けられている。制御弁108は、油圧源106からの圧油を供給する油路として設けられた供給油路106aを介して油圧源106に接続している。更に、制御弁108は、この制御弁108から排出された圧油をリザーバ回路107に排出する油路として設けられた排出油路107aを介してリザーバ回路107に接続している。
また、アクチュエータ100と制御弁108との間には、給排油路(109a、109b)が設けられている。給排油路109aは、制御弁108とアクチュエータ100の一方の油室105aとを接続する油路として設けられ、給排油路109bは、制御弁108とアクチュエータ100の他方の油室105bとを接続する油路として設けられている。これらの給排油路(109a、109b)は、油圧源106から供給される圧油とリザーバ回路107へ排出される圧油とが流動する油路として設けられている。
上記のように、供給油路106a、排出油路107a、給排油路(109a、109b)に接続された制御弁108は、アクチュエータ100における一対の油室(105a、105b)のそれぞれへ供給及び排出される圧油の経路を切り替え、アクチュエータ100の作動を制御する電油サーボ弁として設けられている。この制御弁108は、アクチュエータ100の動作を制御するアクチュエータコントローラ111からの指令信号(図1にてS1の符号で示す指令信号)に基づいて駆動される。そして、アクチュエータコントローラ111は、舵面101の動作を指令する更に上位のコンピュータであるフライトコントローラ110からの指令信号(図1にてS2の符号で示す指令信号)に基づいてアクチュエータ100を制御する。尚、フライトコントローラ110は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、メモリ、インターフェース等を備えて構成されている。
ここで、アクチュエータ100の構造について、更に詳しく説明する。図2は、アクチュエータ100の断面とアクチュエータ用位置検出器1とを示す図であり、アクチュエータ100の構造及びアクチュエータ用位置検出器1のアクチュエータ100に対する設置形態を例示する図である。図2に示すように、シリンダ103は、第1シリンダ部材103a、第2シリンダ部材103b及び第3シリンダ部材103cが互いに固定されて一体化されることで形成されている。
第1シリンダ部材103aは、一端側に底部分が設けられて他端側が開口するように形成された筒状の部材として設けられている。第2シリンダ部材103bは、第1シリンダ部材103aの開口端の内側に嵌合して第1シリンダ部材103aに固定された筒状の部材として設けられている。第3シリンダ部材103cは、第2シリンダ部材103bの内側に嵌合して第2シリンダ部材103bに固定された筒状の部材として設けられている。この第3シリンダ部材103cの内周壁には、ピストン104における筒状部104bが摺動自在な状態で挿入されている。尚、第1乃至第3シリンダ部材(103a、103b、103c)は、嵌合に加え、溶接或いはボルト等の固定手段によって更に固定されていてもよい。そして、シリンダ103は、第1シリンダ部材103aの底部分において、図示しない航空機の翼に対して回動自在に取り付けられるように構成されている。
シリンダ103内において一対の油室(105a、105b)を区画するピストン104には、中央に孔が形成された円盤状の部分として設けられた円盤部104aと、筒状に形成されて円盤部104aと一体に形成された筒状部104bとが設けられている。円盤部104aは、その外周側面において、シリンダ103の第1シリンダ部材103aの内周壁に対して摺動自在の状態で、第1シリンダ部材103aの内側に配置されている。筒状部104bは、円盤部104aにおける一方の端面側から突出するように設けられ、シリンダ103の第3シリンダ部材103cの内周面に摺接自在の状態で第3シリンダ部材103cを貫通して配置されている。尚、筒状部104bの内側には、筒状部104b内において油室105bに連通する孔104cの底部分を閉鎖するように区画する区画部104dが設けられている。
ロッド102には、舵面101に対して回動自在に取り付けられる部分として設けられた取付部102aと、この取付部102aから突出する軸状の部分として設けられた軸部102bとが備えられている。ロッド102は、軸部102bにてピストン104の筒状部104bに対して同軸上で直列に固定される。ロッド102とピストン104との固定形態は種々の形態を選択することができ、図2の例では、軸部102bが、筒状部104bに螺合するとともに、固定リング112及びキー部材113によって筒状部104bに固定された形態を例示している。尚、キー部材113は、筒状部104bと軸部102bとに対してキー結合してこれらの相対回転を規制する部材として設けられている。また、固定リング112は、内周に雌ネジ部分が設けられて筒状部104bに螺合する軸部102bの雄ネジ部分に対してキー部材113の外側で螺合し、筒状部104bに当接して軸部102bを筒状部104bに締め付ける部材として設けられている。
次に、本実施形態に係るアクチュエータ用位置検出器1について詳しく説明する。図3は、アクチュエータ用位置検出器1について一部断面を含む状態で模式的に示す図である。図1乃至図3に示すアクチュエータ用位置検出器1は、アクチュエータ100に設けられ、シリンダ103に対するピストン104又はロッド102の位置を検出する位置検出器として設けられている。本実施形態では、シリンダ103に対するピストン104の位置を検出するアクチュエータ用位置検出器1を例示している。アクチュエータ用位置検出器1は、ハウジング11、プローブ12、コア13、ケース14、位置検出信号出力部15、等を備えて構成されている。尚、図3においては、ハウジング11の図示が省略されている。
図2に示すハウジング11は、ケース14を収容保持する筒状の構造部材として設けられ、シリンダ103の内側に配置され、一方の端部において、第1シリンダ部材103aの底部分に固定されている。尚、後述の位置検出信号出力部15に通電するための電力ケーブル16が、ハウジング11から引き出されるように延びており、この電力ケーブル16は、第1シリンダ部材103aの底部分を貫通してシリンダ103の外側へ延びるように配置されている。また、ハウジング11におけるシリンダ103に固定される側と反対側の端部側には、プローブ12が突出した状態で配置されている。尚、ハウジング11とハウジング11が固定された第1シリンダ部材103aとの間には、圧油の漏出を防ぐ図示しないシール部材が配置されている。また、プローブ12は、ハウジング11の端部に対して図示しないシール部材を介して摺動自在に設置されている。
図4は、プローブ12及びコア13を示す断面図である。図2乃至図4に示すプローブ12は、同心状に配置されるとともに互いに固定された複数のプローブ部材(17、18)を有している。このプローブ12は、ピストン104に固定され、ピストン104及びロッド102とともに変位するように構成されている。複数のプローブ部材(17、18)は、後述のコア13に対してそれぞれ固定されている。そして、プローブ12においては、複数のプローブ部材(17、18)として、軸状に形成されたインナープローブ部材17と筒状に形成されたアウタープローブ部材18とが備えられている。インナープローブ部材17及びアウタープローブ部材18は、例えば、SUS300系ステンレス鋼によって形成されている。
インナープローブ部材17には、円柱状の軸部分として形成された軸部17aと、軸部17aに一体形成されるとともにピストン104に固定されるピストン固定部17bとが設けられている。軸部17aにおけるピストン固定部17bが一体形成された側と反対側である先端側の端部には、段状に縮径して延びる円柱突起状の部分である先端突起部17cが設けられており、この先端突起部17cの外周にはコア13に螺合する雄ネジ部分が設けられている。
インナープローブ部材17のピストン固定部17bは、軸部17aよりも大径の円柱状の部分として設けられ、その外周にはピストン104に螺合する雄ネジ部分が設けられている。ピストン固定部17bの外周の雄ネジ部分は、ピストン104の区画部104dに形成された孔の内周に設けられた雌ネジ部分に螺合するように構成されている。ピストン固定部17bの外周の雄ネジ部分と区画部104dの孔の内周の雌ネジ部分とが螺合することで、プローブ12がピストン104に固定されることになる。
また、ピストン固定部17bの端部における軸部17aに連続する部分には、ピストン固定部17bにおける雄ネジ部分が設けられている部分よりも大径の円盤フランジ状の部分として形成されたフランジ状部17dが設けられている。プローブ12は、ピストン固定部17dが区画部104dに螺合してフランジ状部17dが区画部104dに当接して締め付けられた状態で、ピストン104に固定されることになる。
アウタープローブ部材18は、筒状の部材として形成され、インナープローブ部材17の軸部17aの外側に配置され、インナープローブ部材17と同心状に配置されている。即ち、アウタープローブ部材18の内側に軸部17aが挿入され、筒状のアウタープローブ部材18の中心線方向と軸状のインナープローブ部材17の中心線方向とが一致した状態で、アウタープローブ部材18がインナープローブ部材17に対して配置されている。
コア13は、円柱状の部材として設けられ、プローブ12に固定されてプローブ12とともに変位する可動鉄心として構成されている。このコア13は、例えば、Fe−Niの合金であるパーマロイ、或いは、電磁軟鉄によって形成されている。そして、コア13には、一方の端部側に開口する雌ネジ孔13aが形成され、この雌ネジ孔13aの内周には、先端突起部17cの外周の雄ネジ部分と螺合する雌ネジ部分が設けられている。
ここで、複数のプローブ部材(17、18)同士の固定形態と、複数のプローブ部材(17、18)及びコア13の固定形態とについて説明する。図5は、図4の一部を拡大して示す拡大断面図である。尚、図5(a)は、複数のプローブ部材(17、18)及びコア13の固定箇所を拡大して示しており、図5(b)は、複数のプローブ部材(17、18)同士の固定箇所を拡大して示している。
図4及び図5に示すように、プローブ12及びコア13においては、異なる溶接部分として設けられた第1の溶接部19と第2の溶接部(20、21)とが備えられている。第1の溶接部19は、複数のプローブ部材(17、18)が互いに溶接により固定される部分として設けられている。第2の溶接部(20、21)は、複数のプローブ部材(17、18)とコア13とが互いに溶接により固定される部分として設けられている。
本実施形態では、第1の溶接部19は、アウタープローブ部材18の端部とインナープローブ部材17のフランジ状部17dとが溶接によって固定された部分として設けられている。この第1の溶接部19は、例えば、ろう付けによる溶接、電子ビーム溶接、或いは、YAGレーザ等を用いるレーザビーム溶接によって、アウタープローブ部材18の端部とインナープローブ部材17のフランジ状部17dとを接合する部分として形成されている。
また、第2の溶接部(20、21)として、アウタープローブ部材18とコア13とを接合する部分である第2の溶接部20と、インナープローブ部材17とコア13とを接合する部分である第2の溶接部21とが設けられている。そして、第2の溶接部20は、アウタープローブ部材18の端部とコア13の端部とが溶接によって固定された部分として設けられている。第2の溶接部21は、インナープローブ部材17における先端突起部17cの根元部分とコア13の端部とが溶接によって固定された部分として設けられている。
尚、インナープローブ部材17における先端突起部17cの根元部分には、切欠き状に形成された溝17eが設けられている。そして、第2の溶接部21が形成される際には、先端突起部17cにコア13の雌ネジ穴13aが螺合した状態で、溝部17eを介して溶接が行われることになる。第2の溶接部(20、21)は、例えば、ろう付けによる溶接、電子ビーム溶接、或いは、YAGレーザ等を用いるレーザビーム溶接によって、アウタープローブ部材18及びインナープローブ部材17のそれぞれとコア13とをそれぞれ接合する部分として形成される。
複数のプローブ部材(17、18)同士の固定と、複数のプローブ部材(17、18)及びコア13の固定とが行われる際には、まず、インナープローブ部材17の軸部17aのアウタープローブ部材18への挿入が行われる。軸部17aがフランジ状部17でアウタープローブ部材18に当接した状態となるまで軸部17aがアウタープローブ部材18に挿入されると、先端突起部17cのコア13の雌ネジ穴13aへの螺合が行われ、インナープローブ部材17とコア13とがネジ結合される。
上記の状態において、インナープローブ部材17とアウタープローブ部材18との溶接が行われて、第1の溶接部19が形成され、インナープローブ部材17とアウタープローブ部材18とが互いに固定される。そして、インナープローブ部材17とコア13との溶接が行われて、第2の溶接部21が形成され、インナープローブ部材17とコア13とが溶接によっても互いに固定される。更に、アウタープローブ部材18とコア13との溶接が行われて、第2の溶接部20が形成され、アウタープローブ部材18とコア13とが溶接によって互いに固定される。
上記のように、インナープローブ部材17とコア13とは、ネジ結合によって固定されるとともに、溶接によっても固定される。そして、アウタープローブ部材18とコア13とは、溶接によって固定される。更に、インナープローブ部材17とアウタープローブ部材18とは、溶接によって固定される。これにより、プローブ12及びコア13には、複数のプローブ部材(17、18)が互いに固定される部分と、複数のプローブ部材(17、18)とコア13とが互いに固定される部分とにおいて、溶接によって固定される部分(第1の溶接部19、第2の溶接部(20、21))と、ネジ結合によって固定される部分(先端突起部17cと雌ネジ孔13aとの螺合部分)とが備えられている。
図3に示す位置検出信号出力部15は、後述のケース14に保持されるとともに内側にコア13が変位可能に配置されるコイル(22、23)を有し、ピストン104の位置検出信号を出力する回路として設けられている。そして、上記のコイルとして、位置検出信号出力部15は、コア13によって磁気的に結合されるように配置された1次コイル22と2次コイル23(23a、23b)とを有している。1次コイル22は、交流の入力電圧が印加されて励磁される1次側のコイルとして設けられている。2次コイル23は、1次コイル22が励磁された状態でコア13が変位することによって誘起電圧が発生する2次側のコイルとして設けられている。
図6は、位置検出信号出力部15の1次コイル22及び2次コイル23と、プローブ12及びコア13との位置関係を模式的に示す図である。図3及び図6に示すように、1次コイル22は、プローブ12の軸方向と平行な方向におけるケース14の略中央部分にてケース14に保持されている。そして、1次コイル22は、コア13及びプローブ12に対してそれらの径方向の外側において周方向に螺旋状に巻かれたコイルとして構成され、両端が交流電源24に接続されている。
図3及び図6に示すように、2次コイル23として、2次コイル23aと2次コイル23bとが備えられている。そして、2次コイル23a及び2次コイル23bは、プローブ12の軸方向と平行な方向における1次コイル22の両側にてそれぞれケース14に保持されている。尚、2次コイル23aは、1次コイル22に対して、プローブ12の軸方向と平行な方向においてピストン固定部17bと反対側に配置されている。一方、2次コイル23bは、1次コイル22に対して、プローブ12の軸方向と平行な方向においてピストン固定部17b側に配置されている。
また、2次コイル23a及び2次コイル23bは、コア13及びプローブ12に対してそれらの径方向の外側において周方向で同じ方向に螺旋状に巻かれたコイルとして構成されている。2次コイル23a及び2次コイル23bにおいては、プローブ12の軸方向と平行な方向においてピストン固定部17b側に配置された端部である2次コイル23aの一端と、プローブ12の軸方向と平行な方向においてピストン固定部17b側に配置された端部である2次コイル23bの一端とが、接続されている。これにより、2次コイル23a及び2次コイル23bは、1次コイル22が励磁された状態でコア13が所定の方向に変位することによって発生する誘起電圧の位相が逆位相となるように構成されている。
また、プローブ12の軸方向と平行な方向においてピストン固定部17bと反対側に配置された端部である2次コイル23aの他端(図6にて点A1で示す2次コイル23aの端部)と、プローブ12の軸方向と平行な方向においてピストン固定部17bと反対側に配置された端部である2次コイル23bの他端(図6にて点A2で示す2次コイル23bの端部)との間での電圧差が、2次コイル23(23a、23b)で発生した誘起電圧に基づく電圧信号として出力されることになる。そして、この電圧信号は、コア13の変位に比例して出力されるため、コア13が固定されたプローブ12が更に固定されたピストン104の位置に比例したピストン104の位置検出信号として、出力されることになる。
図7及び図8は、図6と同様に、1次コイル22及び2次コイル23と、プローブ12及びコア13との位置関係を模式的に示す図である。そして、図6は、コア13が1次コイル22の内側で2次コイル23a及び2次コイル23bから等距離の位置である中央位置に位置した状態の模式図である。図7は、ロッド102がシリンダ103に向かって変位する際のピストン104の変位に伴って、コア13が、上記の中央位置から、プローブ12の軸方向と平行な方向において2次コイル23a側に向かって変位した状態の模式図である。図8は、ロッド102がシリンダ103から突出する方向に変位する際のピストン104の変位に伴って、コア13が、上記の中央位置から、プローブ12の軸方向と平行な方向において2次コイル23a側に向かって変位した状態の模式図である。
コア13が図6に示す中央位置の状態では、1次コイル22及び2次コイル23aの磁気的結合の度合と、1次コイル22及び2次コイル23bの磁気的結合の度合とが等しくなり、2次コイル23aに誘起される交流電圧と、2次コイル23bに誘起される交流電圧とが等しくなる。このため、点A1で示す2次コイル23aの他端と点A2で示す2次コイル23bの他端との間の電圧差がゼロとなり、2次コイル23からの出力がゼロとなる。尚、例えば、舵面101が中立位置でピストン104が全ストロークの中間位置に位置した所定の状態で、コア13が上記の中央位置に位置するようにプローブ12の寸法等が設定されている。これにより、2次コイル23からの出力がゼロのときに、ピストン104が所定の中間位置に位置していることを検出した位置検出信号が、位置検出信号出力部15から出力されることになる。
図7に示すようにコア13が2次コイル23a側に変位した状態では、1次コイル22及び2次コイル23aの磁気的結合度が、1次コイル22及び2次コイル23bの磁気的結合度よりも強くなり、2次コイル23aに誘起される交流電圧と、2次コイル23bに誘起される交流電圧とに、差が生じることになる。このため、その差に比例した交流電圧が、点A1で示す2次コイル23aの他端と点A2で示す2次コイル23bの他端との間において生じ、2次コイル23から出力される。これにより、コア13が上記の中央位置から2次コイル23a側に変位した変位量に比例した電圧信号が2次コイル23から出力され、ピストン104の所定の中間位置からの変位量を検出した位置検出信号が、位置検出信号出力部15から出力されることになる。
一方、図8に示すようにコア13が2次コイル23b側に変位した状態では、1次コイル22及び2次コイル23bの磁気的結合度が、1次コイル22及び2次コイル23aの磁気的結合度よりも強くなり、2次コイル23bに誘起される交流電圧と、2次コイル23aに誘起される交流電圧とに、差が生じることになる。このため、その差に比例した交流電圧が、点A1で示す2次コイル23aの他端と点A2で示す2次コイル23bの他端との間において生じ、2次コイル23から出力される。これにより、コア13が上記の中央位置から2次コイル23b側に変位した変位量に比例した電圧信号が2次コイル23から出力され、ピストン104の所定の中間位置からの変位量を検出した位置検出信号が、位置検出信号出力部15から出力されることになる。
尚、コア13が2次コイル23a側に変位した状態と2次コイル23b側に変位した状態とでは、2次コイル23から出力される電圧の位相が逆となる。これに基づき、位置検出信号出力部15は、コア13の中央位置から2次コイル23a側の変位と2次コイル23b側の変位とを正負が逆の変位として検出し、ピストン104の位置検出信号を出力するように構成されている。また、位置検出信号出力部15から出力されたピストン104の位置検出信号(図1にてS3の符号で示す信号)は、フライトコントローラ110に対して入力される。尚、フライトコントローラ110は、アクチュエータ用位置検出器1の位置検出信号出力部15からの位置検出信号に基づいて、舵面100の位置が航空機の飛行状態に応じた目標位置となるように、舵面100の位置のフィードバック制御を行うように構成されている。
図3に示すケース14は、ハウジング11とともにシリンダ103の第1シリンダ部材103aに固定され、プローブ12の先端側で支持されたコア13が内側に配置される筒状の構造体として構成されている。そして、ケース14は、前述のように、1次コイル22及び2次コイル23(23a、23b)を保持するように構成されている。また、ケース14は、同心状に配置されるとともに互いに固定された複数のケース部材(25、26)を有している。
ケース14においては、複数のケース部材(25、26)として、筒状に形成されたインナーケース部材25と、筒状に形成されてインナーケース部材25の外側に配置されたアウターケース部材26とが備えられている。インナーケース部材25及びアウターケース部材26は、例えば、SUS300系ステンレス鋼によって形成されている。また、これらのインナーケース部材25とアウターケース部材26との間において、1次コイル22及び2次コイル23(23a、23b)が保持されている。
インナーケース部材25は、一端側に底部分が設けられて他端側が開口するように形成された筒状の部材として設けられている。そして、プローブ12の先端側で支持されたコア13は、インナーケース部材25の他端側の開口からこのインナーケース部材25の内側に挿入されて配置される。また、インナーケース部材25の外周には、プローブ12の軸方向と平行な方向に配置されるインナーケース部材25の長手方向に沿って、一端側の底部分側から他端側の開口側にかけて、2次コイル23a、1次コイル22、2次コイル23bがこの順番で配置されている。
インナーケース部材25の外側に配置されるアウターケース部材26は、インナーケース部材25と同心状に配置されている。即ち、筒状のアウターケース部材26の中心線方向と筒状のインナーケース部材25の中心線方向とが一致した状態で、アウターケース部材26がインナーケース部材25に対して配置されている。
尚、本実施形態では、アウターケース部材26は2層構造の筒状の部材として設けられ、このアウターケース部材26を更に構成する部材として、外側に配置された第1アウターケース部材26aと内側に配置された第2アウターケース部材26bとが設けられている。第1アウターケース部材26a及び第2アウターケース部材26bは、いずれも筒状に形成されている。そして、第1アウターケース部材26aの内側に第2アウターケース部材26bが挿入され、第1アウターケース部材26aの内周面に第2アウターケース部材26bの外周面が支持された状態で、第1アウターケース部材26aと第2アウターケース部材26bとが固定されている。また、第2アウターケース部材26bは、その内周面が1次コイル22及び2次コイル23の外周面を支持するように、配置されている。
また、ケース14においては、インナーケース部材25と第1アウターケース部材26aとは、例えば、ろう付けによる溶接、電子ビーム溶接、或いは、YAGレーザ等を用いるレーザビーム溶接によって互いに固定されている。そして、第1アウターケース部材26aと第2アウターケース部材26bとについても、例えば、ろう付けによる溶接、電子ビーム溶接、或いは、YAGレーザ等を用いるレーザビーム溶接によって互いに固定されている。
上述したように、アクチュエータ用位置検出器1によると、1次コイル22が励磁された状態でコア13が変位することで2次コイル23に誘起電圧が発生し、シリンダ103に対するピストン104の位置が検出されることになる。そして、2次コイル23に生じた誘起電圧に基づく信号がピストン104の位置検出信号としてフライトコントローラ110に対して出力される。
また、アクチュエータ用位置検出器1によると、コイル(22、23)の内側で変位するコア13を支持するとともにピストン104及びロッド102とともに変位するプローブ12が、互いに固定された複数のプローブ部材(17、18)を有し、これらの複数のプローブ部材(17、18)がコア13に対してそれぞれ固定されている。このため、プローブ12の多重化が図られることになり、複数のプローブ部(17、18)のいずれかにおいて損傷が発生した場合であっても、他のプローブ部材によってコア13が正常な状態で支持される。そして、ピストン104の位置を検出することが不能となったり、或いは、誤検出を招いてしまうことが防止される。よって、冗長化による信頼性の向上が図られることになる。更に、プローブ12における複数のプローブ部材(17、18)は、同心状に配置されて互いに固定されている。このため、スペース効率良く非常にコンパクトな構造でプローブ12の多重化が図られることになる。また、プローブ12がコンパクトに多重化されることで冗長化による信頼性の向上が図られるため、構造の大型化や複雑化を招いてしまうことを抑制でき、部品点数及びコストの増大も抑制することができる。
従って、本実施形態によると、冗長化による信頼性の向上を図ることができるとともに、構造の大型化及び複雑化を抑制し、部品点数及びコストの増大も抑制することができる、アクチュエータ用位置検出器1を提供することができる。
また、アクチュエータ用位置検出器1によると、各プローブ部材(17、18)同士が溶接固定される第1の溶接部19と、各プローブ部材(17、18)とコア13とが溶接固定される第2の溶接部(20、21)とが、異なる溶接部分として設けられているため、プローブ部材(17、18)同士の溶接に適した溶接条件と、プローブ部材(17、18)及びコア13の溶接に適した溶接条件とを、個別に設定することができる。
また、アクチュエータ用位置検出器1によると、各プローブ部材(17、18)同士が固定される部分と、各プローブ部材(17、18)とコア13とが固定される部分とに、溶接によって固定される部分とネジ結合によって固定される部分が設けられているため、固定手段を溶接とネジ結合とに冗長化して設定することができる。これにより、更なる冗長化による信頼性の向上が図られることになる。
また、アクチュエータ用位置検出器1によると、軸状のインナープローブ部材17の外側に筒状のアウタープローブ部材18が同心状に配置され、コンパクトな構造でプローブ12の二重化が図られることになる。そして、インナープローブ部材17及びアウタープローブ部材18と、アウタープローブ部材18及びコア13とがそれぞれ溶接固定され、インナープローブ部材17及びコア13が溶接及びネジ結合によって固定される。このため、効率よく固定手段の冗長化も図られることになる。
また、アクチュエータ用位置検出器1によると、コイル(22、23)を保持してシリンダ103に固定されるケース14が互いに固定された複数のケース部材(25、26)を有しているため、ケース14の多重化が図られることになる。このため、複数のケース部材(25、26)のいずれかにおいて損傷が発生した場合であっても、他のケース部材によってコイル(22、23)が正常な状態で保持される。そして、ピストン104の位置を検出することが不能となったり、或いは、誤検出を招いてしまうことが防止される。よって、冗長化による信頼性の向上が図られることになる。更に、ケース14における複数のケース部材(25、26)は、同心状に配置されて互いに固定されている。このため、スペース効率良く非常にコンパクトな構造でケース14の多重化が図られることになる。
また、アクチュエータ用位置検出器1によると、筒状のインナーケース部材25の外側に筒状のアウターケース部材26が同心状に配置され、コンパクトな構造でケース14の二重化が図られることになる。また、インナーケース部材25とアウターケース部材26との間に1次コイル22及び2次コイル23が保持されるため、二重化が図られたケース14においてスペース効率よくコイル(22、23)が配置されることになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のような変形例を実施してもよい。
(1)前述の実施形態においては、航空機の機器として舵面を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。アクチュエータ用位置検出器が用いられるアクチュエータが駆動する航空機の機器としては、舵面以外の機器であってもよく、例えば、航空機におけるランディングギア(降着装置)等の脚(航空機の機体を地上で支持する機構)であってもよい。
(2)前述の実施形態においては、アクチュエータ用位置検出器がアクチュエータの内部に設置される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。アクチュエータ用位置検出器は、アクチュエータの外側でアクチュエータに対して設置されてもよい。
(3)前述の実施形態においては、プローブがピストンに固定されてピストンの位置を検出するアクチュエータ用位置検出器の形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。プローブがロッドに固定され、ロッドの位置を検出するアクチュエータ用位置検出器を実施してもよい。
(4)前述の実施形態においては、複数のプローブ部材として、インナープローブ部材及びアウタープローブ部材の2つのプローブ部材が備えられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。複数のプローブ部材として3つ以上のプローブ部材が備えられているプローブが設けられたアクチュエータ用位置検出器を実施してもよい。尚、複数のプローブ部材については、同心状に配置されて互いに固定されていればよく、前述の実施形態で例示した形状に限らずに種々変更して実施してもよい。
(5)前述の実施形態においては、ケースにおいて複数のケース部材が備えられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、ケース部材を1つのみ有するケースが設けられたアクチュエータ用位置検出器を実施してもよい。また、ケースに複数のケース部材が設けられる場合においては、前述の実施形態で例示した形態に限らず、ケース部材の形状や数を種々変更して実施してもよい。
(6)複数のプローブ部材同士の固定形態と、複数のプローブ部材及びコアの固定形態とについては、前述の実施形態で例示した形態に限らず、種々変更して実施してもよい。例えば、図9に示す変形例を実施してもよい。図9は、変形例に係るアクチュエータ用位置検出器におけるプローブ及びコアを示す断面図である。図9に示すプローブ12及びコア13は、前述の実施形態におけるプローブ12及びコア13と同様に構成されているが、複数のプローブ部材(17、18)同士の固定形態と、複数のプローブ部材(17、18)及びコア13の固定形態とにおいて、前述の実施形態とは異なっている。尚、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図9において同一の符号を付すことで、説明を省略する。
図9に示す変形例においては、インナープローブ部材17における先端突起部17cの根元部分に、切欠き状に形成された溝17eが設けられている。そして、この溝17eを介して溶接が行われることで溶接部分27が形成され、この溶接部分27によって、インナープローブ部材17とアウタープローブ部材18とコア13とが接合されて固定されている。即ち、この変形例に係るアクチュエータ用位置検出器においては、複数のプローブ部材(17、18)のそれぞれが互いに溶接により固定される溶接部分と、複数のプローブ部材(17、18)とコア13とが溶接により固定される溶接部分とが、一体の溶接部分27として設けられている。
この変形例によると、各プローブ部材(17、18)同士の溶接部分と各プローブ部材(17、18)及びコア13の溶接部分とが、一体の溶接部分27として設けられるため、複数のプローブ部材(17、18)及びコア13の溶接による固定作業を効率よく実施することができる。