JP5546165B2 - 非ジャポニカ種ウナギ検出に利用可能なプライマーセット、非ジャポニカ種ウナギ混入の検査方法およびウナギ種同定方法 - Google Patents

非ジャポニカ種ウナギ検出に利用可能なプライマーセット、非ジャポニカ種ウナギ混入の検査方法およびウナギ種同定方法 Download PDF

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Description

本発明は非ジャポニカウナギ混入の検査に利用可能なプライマーセット、該プライマーセットを使用した検査方法、および該プライマーセットを使用した、非ジャポニカ種ウナギについての種の同定方法に関する。
ウナギは、ウナギ目ウナギ科 Anguillidaeに属する魚類であり、日本人の食文化に欠かせない食品の1つである。そのため、日本に加えて周辺諸国でも養殖されており、我が国では、日本種ウナギのほか、外国種ウナギも流通している。このうち、日本種ウナギ(Anguilla japonica、以下、ジャポニカ種とも称す)は、我が国の消費者の間で最も人気があり、価格も高い。一方、外国種ウナギ(以下、非ジャポニカ種ウナギとも称す)は日本種ウナギと比較していずれも安価で取引されている。
このような値段の開きを主な原因として、近年、中国産の外国種ウナギを国産の日本種ウナギの集団の中に混入させるとともに、すべて国産日本種ウナギであると偽装表示して販売する例が後を絶たない。
したがって、混入された外国種ウナギの存在を検出するための方法が求められており、従来においては、ウナギの種類を1個体づつ鑑定する方法が提案されている(例えば特許文献1)。具体的に説明すると、特許文献1には、ウナギ種鑑定用プライマーセットおよび該プライマーセットを用いたウナギ種の鑑定方法が記載されている。特許文献1に記載されたプライマーセットはウナギDNAの所定領域を増幅可能であり、該プライマーセットを用いて増幅したDNA領域をPCR制限断片多型法(PCR−RFLP法)等を用いて調べることで、ウナギの種を同定することができる。
特開平11−276179号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の方法では、外国種ウナギであるか否かの事実を判定するために、DNAの増幅を行った後、増幅されたDNAを制限酵素で消化して断片長の比較をするなど、増幅したDNA領域について調べる(分析する)必要があった。よって、従来技術による場合、その個体が外国種ウナギか否かの結論が出るまでに多くの手間と時間がかかる。
また、当該鑑定方法は、制限酵素による消化断片パターンを判定する方法であるため、数十匹という程度以上の多数検体を同時に判定するのは困難で、ウナギ1個体づつ行う必要があった。よって、集団を構成するウナギすべてについて鑑定を行うためには、上記の核酸増幅および分析操作を各個体ごとに実行することとなり、さらに手間や時間、加えてコストも嵩むこととなる。
したがって、このような手間や時間、コストの問題から、特許文献1に記載される鑑定方法は、多数の個体により構成される、加工用などのウナギの集団における外国種ウナギ混入の検査に適用させることは、現実的には困難であった。
本発明はこのような事情に基づきなされたものであり、従来よりも簡便に外国種ウナギの存在を検出可能なプライマーセット、従来よりも簡便な外国種ウナギ混入の検査方法、および混入された外国種ウナギの種の同定方法を提供することを目的とする。
以上の手間や時間、コストの問題に鑑みて、本発明者は、従来の方法の見直しを行った。その結果、外国種ウナギ由来のDNAをその種に関係なく増幅することで、混入の事実を確認することを着想した。本発明者は、鋭意研究の結果、集団における日本種ウナギ由来のDNAは増幅せず、外国種ウナギ由来のDNAのみを増幅可能なプライマーセット、および該プライマーセットを用いた集団における外国種ウナギの一括的な検出方法を完成させ、本発明を成すに至った。
(1) すなわち、本発明の1つの態様として、本発明は、非ジャポニカ種ウナギのシトクロムb遺伝子における所定領域にハイブリダイズ可能である、配列表の配列番号1に示される塩基配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるフォワード側プライマーと、配列番号2に示される塩基配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるリバース側プライマーと、からなることを特徴とするプライマーセットに関する。
(2) また、本発明の1つの態様として、本発明は、非ジャポニカ種ウナギのシトクロムb遺伝子における所定領域にハイブリダイズ可能である、配列表の配列番号1に示される塩基配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるフォワード側プライマーと、配列番号3に示される塩基配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるリバース側プライマーと、からなることを特徴とするプライマーセットに関する。
(3) また、本発明の1つの態様として、本発明は、非ジャポニカ種ウナギのシトクロムb遺伝子における所定領域にハイブリダイズ可能である、配列表の配列番号1に示される塩基配列若しくは該塩基配列に相補的な塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるフォワード側プライマーと、配列番号4に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるリバース側プライマーと、からなることを特徴とするプライマーセットに関する。
(4) さらに、本発明の他の態様として、本発明は、ジャポニカ種ウナギと非ジャポニカ種ウナギとを含んでなるウナギの集団から非ジャポニカ種ウナギの存在を検出する検査方法であって、当該集団における非ジャポニカ種ウナギから抽出した非ジャポニカ種ウナギのDNAを、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のプライマーセットを用いて増幅して検出することを特徴とする検査方法に関する。
(5) さらにまた、本発明の他の態様として、本発明は、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のプライマーセットを用いて増幅された非ジャポニカ種ウナギのDNAを調べることにより、非ジャポニカ種ウナギの種を同定することを特徴とする非ジャポニカ種ウナギの種同定方法に関する。
なお、外国種ウナギとしては、フランス産のA. anguilla 、オーストラリア産で斑点のあるA. reinhardti 、オーストラリア産で斑点の無いA. australis australis、インドネシア産のA. celebesensis 、フィリピン産のA. marmorata、アメリカ産のA. rostrata 等が知られているが、本明細書において、外国種ウナギまたは非ジャポニカ種ウナギとは、ウナギ科に属しており、ジャポニカ種でない種をいう。本発明に係るプライマーセットは、後述するように、非ジャポニカ種であるすべてのウナギ種由来のDNAを増幅するが、ジャポニカ種ウナギ由来のDNAについては増幅しない。
また、本明細書において、集団とは、「ウナギ個体全体」によって構成される場合のほか、「ウナギの体の一部」によって構成される場合も含む概念である。したがって、本明細書において、例えば以下説明するように抽出される場合に採取されるウナギの肉片は、体全体から直接的に採取される場合と、体の一部からさらに採取されて調製される場合とがある。
本発明によれば、個々のウナギ個体に対する種の鑑定を必要とすることなく、ウナギの集団に対する一括的な処理により、極めて簡便にウナギの集団中に存在する外国種ウナギの検出、およびその種の同定を行うことができる。したがって、従来の方法を用いた場合に想定される、手間、時間、およびコストを大きく削減して外国種ウナギ混入の検査を実現することができる。
本実施形態の検査方法の処理フローを示す図である。 本実施形態の検査方法に係る核酸増幅において増幅される領域の塩基配列を示す図である。 本実施形態の検査方法に係る核酸増幅において増幅される領域の塩基配列を示す図であって、図2の続きである。 本実施形態のプライマーセットによるPCR産物を制限酵素HinfIおよび/またはRsaIを用いて消化することにより得られる制限断片長を示す表である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 核DNA(GenBank: EU001923.1)の配列および核プライマーセットの選択領域を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。 本実施形態のプライマーセットを用いた、アガロースゲル電気泳動の結果を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。本実施形態は、ジャポニカ種ウナギに非ジャポニカ種ウナギが混入されて形成される集団、言い換えればジャポニカ種ウナギと非ジャポニカ種ウナギとを含んでなる集団中における非ジャポニカ種ウナギの存在を検出する方法、およびその非ジャポニカ種ウナギの種を同定する方法に関する。
本実施形態の非ジャポニカ種ウナギ混入の検査、および混入された非ジャポニカ種ウナギの種の同定は、図1に示すような処理フローに従って行うことができる。本実施形態においては、まず、所定数の個体により構成される、ウナギの集団を複数の小グループに分け、該小グループに由来するDNA抽出液を調製する。次に、この複数のDNA抽出液からそれぞれ一部を分離し、混合する(以下、当該混合により得られる試料を、混合DNA試料と称す)。次いで、混合DNA試料を用いて核酸増幅を行い、その増幅結果に基づき集団に非ジャポニカ種ウナギが存在しているか否か(すなわち、非ジャポニカ種ウナギが混入されているか否か)を判定する。そして、非ジャポニカ種ウナギが存在していると判定される場合に、増幅されたDNAについてPCR−RFLP法等の分析を適用することにより、混入された非ジャポニカ種ウナギの種の同定を行う。以下、詳細に説明する。
まず、ステップS101において、所定数のウナギの集団を複数の小グループに分け、各小グループに由来するDNA抽出液を調製する。集団を構成するウナギ個体(またはそれに由来する体の一部)の数は特に限定されないが、例えば10〜1000個体分とすることができる。また、各小グループについても特に限定されず、例えば1〜100個体とすることができる。集団を小クループに分割してDNAを抽出することにより、非ジャポニカ種の混入が判明した場合に、どのグループに混入があったかをさかのぼって追跡することが比較的容易になる(さらに、非ジャポニカ種である個体を特定することも容易となる)ため、好ましい。
本実施形態において、集団を構成するウナギについては特に限定されるものではない。例えば、成鰻のほか、稚魚であるシラス、頭部などの体の一部のほか、蒲焼などの加工食品とすることができるが、頭部を用いることが特に好ましい。これにより、体のその他の部分は加工に用いることができるので、検査に必要なコストをさらに抑えることができる。また、集団を構成するウナギの個体数についても任意に設定できるが、例えば10〜1000個体、より具体的な例としては100個体とすることができる。100個体程度であれば、検査における処理が煩雑となるのを抑制できるため、特に好ましい。
また、本実施形態において行うDNA抽出方法についてはとくに限定されず、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、ウナギ頭部から採取した肉片を細かく砕き、STE含有バッファー中Proteinase K((E.C. 3.4.21.64))で例えば56℃で1時間〜2時間消化する。次に、得られた消化物について遠心分離および沈殿処理等のDNA精製処理、および酵素失活処理等を行い、DNA抽出液を調製する。
次に、ステップS102において、各小グループについて調製した複数のDNA抽出液について、それぞれその一部を分離し、これらを混合して混合DNA試料を調製する。
次いで、ステップS103において、配列番号1に示す塩基配列からなるフォワード側プライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるリバース側プライマーからなるプライマーセット(以下、第1のプライマーセットと称す)、または、配列番号1に示す塩基配列からなるフォワード側プライマーおよび配列番号3に示す塩基配列からなるリバース側プライマーからなるプライマーセット(以下、第2のプライマーセットと称す)、または配列番号1に示す塩基配列からなるフォワード側プライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるリバース側プライマーからなるプライマーセット(以下、第3のプライマーセットと称す)を用いて、混合DNA試料中の核酸の増幅を行う。核酸増幅の方法については、特に限定されず、当業者が任意に選択して用いることができ、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とすることができる。当該PCRに用いる試薬キット、装置などは特に限定されず、市販のものから当業者が適宜選択して使用できる。また、PCRの成功を確かめることができるように、ジャポニカ種ウナギのDNAの所定の領域を増幅するプライマーを、第1、第2または第3のプライマーセットに混合して用いるようにしてもよい(詳しくは後述)。なお、これらのプライマーは、常法により合成することが可能である。
第1のプライマーセットは、以下のような塩基配列を備える。
フォワード側プライマー:atccttacaggactattcctagcc(Tm=61.5)
リバース側プライマー:gaatcctagtaggtctttgtaggagaagtat(Tm=63.1)
また、第2のプライマーセットは、以下のような塩基配列を備える。
フォワード側プライマー:atccttacaggactattcctagcc(Tm=61.5)
リバース側プライマー:ggaagcacatatcctacgaatggt(Tm=66.0)
また、第3のプライマーセットは、以下のような塩基配列を備える。
フォワード側プライマー:atccttacaggactattcctagcc(Tm=61.5)
リバース側プライマー:gggggggggggaatcctagtaggtctttgtacgagaagtat(Tm=69.7)
本実施形態に係るプライマーセットの設計について、具体的に説明する。ここで、図2および図3は、本実施形態の第1、第2および第3のプライマーセットによる増幅領域に係る塩基配列を示している。本実施形態に係る第1、第2および第3のプライマーセットは、非ジャポニカ種ウナギのミトコンドリアのシトクロムb遺伝子の所定の領域に対してハイブリダイズ可能であり、非ジャポニカ種由来の当該所定の領域については増幅するが、ジャポニカ種由来の当該所定の領域については増幅しないように設計した。
プライマーセットの設計に当たっては、まず、公開されているGenBank等のデータベースを用い、ウナギ科に属する種のシトクロムb領域について検討を行い、3’末端側の塩基がジャポニカ種のみ他種と異なる3つの領域を見出した(ジャポニカ種のみ塩基配列が異なる部位を、図2および図3では下線にて表している)。そして、さらに検討を重ねた結果、第1および第2のプライマーセットを設計した。第1または第2のプライマーセットを用いて核酸増幅を行ったとき、非ジャポニカ種ウナギにおいては上述の2つの領域がすべて一致しているため、増幅が進行する。一方、ジャポニカ種においては上述の2つの領域において3’末端側の塩基が異なることにより、不整合になり増幅が起こらない。したがって、第1のプライマーセットを用いた場合には、非ジャポニカ種ウナギ由来のDNAを選択的に増幅する。
なお、本実施形態に係るプライマーセットを構成するフォワード側プライマー、およびリバース側プライマーについては、その塩基配列は、配列表の配列番号1、2および3に示したものと相補的な配列であってもよい。プライマーを構成する核酸はDNAでもRNAでもよく、従って、塩基配列中のTはUであってもよい。
また、非ジャポニカ種ウナギ混入の検査には、プライマーの塩基配列が改変されても、非ジャポニカ種ウナギDNAの第1のプライマーセットまたは第2のプライマーセットを構成するそれぞれ2つのプライマーに挟まれる領域について選択的に増幅可能である限り、使用することができる。このようにプライマーセットの改変が可能であることを利用して、意図的に制限酵素部位を導入することも可能である。例えば、配列表の配列番号2に示す塩基配列について、制限酵素RsaIにより切断される部位を組み込むとともに、5’末端側に10個のグアニンを付加した塩基配列を配列番号4に示す。第3のプライマーセットは、当該配列番号4に示す塩基配列からなるリバース側プライマーと、前述の配列番号1に示す塩基配列からなるフォワード側プライマーとからなるように設計している。第3のプライマーセットを用いてDNAを増幅させたときの作用については後述する。なお、配列番号4に示す塩基配列からなるリバース側プライマーについても、その塩基配列は配列番号4に示したものの内、TはUであってもよいことは、当業者には当然に理解できる。
処理フローの説明に戻ると、次に、ステップS104に進み、ステップS103における遺伝子増幅において、非ジャポニカ種ウナギ由来のDNAが増幅されたか、判定する。
増幅されたか否かの判定は、例えばアガロースゲル電気泳動の結果、増幅されたDNAに係る泳動バンドが確認できるか否かによって行うことができる。すなわち、集団に非ジャポニカ種ウナギが存在している場合、その種の違いに関係なく、非ジャポニカ種ウナギ由来のDNAが増幅され、その泳動バンドが検出される。一方、非ジャポニカ種ウナギが存在していない場合(すなわち、集団がジャポニカ種ウナギのみで構成されている場合)、本実施形態のプライマーセットはジャポニカ種ウナギ由来のDNAを増幅しないため、泳動バンドは検出されない。
以上のようにして確認を行った結果、DNAが増幅されていないと判定される場合は、集団に非ジャポニカ種ウナギが存在していないとして、処理を終了する。一方、DNAが増幅されていると判定される場合は、当該集団中に非ジャポニカ種ウナギが存在しているとして、ステップS105に進み、混入された非ジャポニカ種ウナギの種の同定を行う。
ステップS105においては、増幅したDNAを調べ、混入された非ジャポニカ種ウナギの種の同定を行う。同定する方法は、図2および図3に示すように増幅される領域の塩基配列が種により異なっているため、例えば増幅領域の全塩基配列を決定することにより、種を同定するようにしてもよい。また、種ごとに塩基が異なる部位を比較することにより種を同定するようにしてもよい。
また、増幅したDNAについて、簡便、迅速に行うことができるPCR−RFLP法を適用し、種を同定するようにしてもよい。PCR−RFLP法を適用する場合には、例えば、ステップS103にて増幅したDNAについて制限酵素を用いて消化を行い、該消化産物をゲル電気泳動にかけ、紫外線を照射して、泳動バンド(DNA断片)を検出する。そして、検出された泳動バンドの長さの比較を行うことにより、種を同定する。使用する制限酵素については、第1または第3のプライマーセットを用いて核酸増幅を行った場合、例えば制限酵素HinfI、RsaIとすることができる。第1のプライマーセットを用いたときのPCR産物のHinfI、RsaIによる切断パターンを図4に示す。
ここで、現時点の国内市場においては、非ジャポニカ種ウナギのうち、A.anguilla、A.rostrata、A.marmorata、A.celebensesis、A.reinhardti、A.australis australis、およびA.mossambicaの7種が流通している。図4から明らかなように、制限酵素HinfI、RsaIを併用することにより、PCR−RFLP法によってこれらの種を同定することが十分に可能である。また、混入された種の組み合わせによっては、制限酵素HinfIのみ、またはRsaIのみの使用によっても、その種を同定することは可能である。
ここで、図4から理解されるように、第1のプライマーセットを用いて核酸増幅を行った場合、A.anguilla種については制限酵素RsaIにより切断されないため、増幅されたDNAがA.anguilla種に由来するのか(混入された種がA.anguilla種であるのか)、それとも制限酵素RsaIが失活しているのか区別することができない場合がある。
そのため、制限酵素RsaIを用いた種の同定を行うことが予め想定される場合には、ステップS103において第3のプライマーセットを用いて核酸増幅を行うことが好ましい。上述のとおり、第3のプライマーセットは、制限酵素RsaIにより切断される部位が組み込まれるとともに、5’末端側に10個のグアニンが付加された、配列番号4の塩基配列からなるリバース側プライマーを備える。よって、当該第3のプライマーセットを用いることにより、A.anguilla種混入の場合にも制限酵素RsaIによる消化によりDNA断片が生じるようになる。また、電気泳動において、当該DNA断片に基づく泳動バンドは、未消化物のバンド(588bp)とは30bp離れた558bpに出現するので、未消化物に基づく泳動バンドとの区別が容易である。
なお、ステップS105における混入した種の同定については、以上に例示したような分析方法を単独で適用してもよく、また2つ以上の分析方法を併用して種を同定するようにしてもよい。
以上、本発明の1つの実施形態について説明した。本発明によれば、集団を構成するウナギ全体に対する一括的な処理により、個々のウナギ個体に対する種の鑑定を必要とすることなく、非ジャポニカ種ウナギ混入の検出、および混入された種の同定を行うことができる。
より具体的に説明すると、従来技術において提案されているウナギの種の鑑定方法は、非ジャポニカ種ウナギか否か判定するために、抽出したDNAを増幅し、増幅した該DNAについてPCR−RFLP法等の分析を実行する必要があった。また、当該作業は、上述のとおり、1個体づつしか行うことができなかった。そのため、ウナギの集団への非ジャポニカ種ウナギの混入を検査するためには、集団を構成する1個体づつに対して、核酸増幅処理および増幅したDNAの分析処理を実行する必要があった。
これに対し、本実施形態によれば、集団を構成するウナギ(またはウナギの体の一部)全体から抽出したDNAに対する一括的な処理により、非ジャポニカ種ウナギ混入の検出、および混入された種の同定を行うことができる。しかも、PCR−RFLP法等の分析処理は、DNAの増幅が確認された場合のみ行えばよい。
よって、本実施形態によれば、従来の方法を用いた場合に想定される、手間、時間、およびコストを大きく削減して非ジャポニカ種ウナギ混入の検査を実現することができる。具体的には、100個体の集団について検査を行う場合、検査を行う者の熟練の度合いや使用する装置の性能によって多少のばらつきはあるが、DNAサンプル(混合被検試料)を用意するまでに約5時間、遺伝子増幅と核酸増幅の確認に3時間の、計およそ8時間程度の一営業時間内で非ジャポニカ種ウナギの混入を検査できる。したがって、混入された種の同定を行った場合(PCR−RFLP法による場合、約2時間)でも、およそ10時間程度の時間で全過程を終了することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施形態とすることも可能である。
例えば、本実施形態においては1つの集団を複数の小グループに分割し、それぞれでDNA抽出を行った後、その一部を混合して試料を調製し、該試料を用いて核酸増幅を行うことにより外国種ウナギ混入の有無を検出している。しかしながら、これに限定されるものではなく、他の態様としてもよい。例えば、集団を複数の小グループに分割することなく、まとめてDNAを抽出し、核酸増幅に供するようにしてもよい。また、複数の集団由来のDNAを混合して核酸増幅に供するようにしてもよく、この場合には、複数の集団に対する混入の検査に必要な手間等をさらに削減することも可能である。さらに、本実施形態においてはDNA抽出過程を含む場合を説明したが、持ち込まれたDNA抽出物を用いて、そのDNA抽出物が由来する集団における非ジャポニカ種ウナギの存在の検出、およびその種の同定を行うような態様としてもよい。
また、本実施形態においては、電気泳動に供することにより核酸の増幅を検出しているが、他の方法とすることももちろん可能であり、当業者が任意に選択することができる。例えば、リアルタイムPCR法により増幅を行い、蛍光検出によって核酸増幅を判定するようにしてもよい。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。しかしながら、本実施例は本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
まず、常法により合成した本実施形態の第1のプライマーセットを用いて、A.anguilla種、およびA.australis australis種由来のDNAの増幅を行った。また、対照として、ジャポニカ種ウナギ(A. japonica)についても、第1のプライマーセットを用いた核酸増幅を試みた。
A.anguilla種、およびA.australis australis種からのDNA抽出作業は以下のようにして行った。まず、1.5mlチューブに細かく砕いたそれぞれの肉片0.1gを秤量した。次に、タンパク分解及び酵素失活を行う為、サンプルの入った各チューブにSTE Buffer 1ml・ProteinaseK(20mg/ml)40μlを加え、56℃の恒温槽で2時間インキュベートした。次いで、高速遠心分離にて沈殿物を沈殿させた後、サンプルの上澄み500μlにPCI(フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコール)を等量加え、液液抽出した。続いて、高速遠心分離機にて分離させた上層500μlを分離し、100%冷エタノールを1ml、5MのNaClを30μl加え、−80℃で1時間インキュベートし、DNAを沈殿させた。そして、沈殿させたDNAについて70%冷エタノールを用いてさらに精製処理を行った後、上澄みを除去してdHOを50μl添加し、そのまま30分室温でインキュベートしてDNA水溶液とした。
また、ジャポニカ種ウナギについては、100個体に由来するDNAを抽出した。具体的には、以下のようにDNA抽出作業を行った。まず、ウナギ頭部から4mmのコルクボーラーを使用し、肉片を筒状でくり抜き出した。1匹につき0.01g採取し、10匹分を1つのチューブにまとめた。各チューブに入れた肉片それぞれについて、上で説明したのと同様の方法でDNA水溶液を調製した後、各10個体相当分のDNA水溶液から各10μlを秤量し、これを1つのチューブにまとめ、100個体に由来するDNA水溶液を調製した。
次に、調製したジャポニカ種ウナギ、A.anguilla種、およびA.australis australis種のDNA水溶液をPCRに供した。PCR条件を以下に示す。
PCR Master Mix
10×PCR Buffer 10.0μl
1×dNTP mix 8.0μl
第1のプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
dHO 72.5μl
Taq ポリメラーゼ 0.3μl
DNA水溶液 5.0μl
同時にDNA水溶液の代わりに滅菌水5.0μlを加えたネガティブコントロールを作成した。
反応は95℃にて8分間前加熱後、94℃1分変性・56℃1分アニーリング・73℃1分伸長からなるサイクルを35回行い、その後4℃に冷却した。なお、以下の実施例においては、特に明示しない限り、PCRの条件はいずれも実施例1と同じである。
得られたPCR産物を2%アガロースゲルで30分泳動し、増幅されたか否かの確認を行った。結果を図5に示す。図5から明らかなように、A.anguillaおよびA.australis australisでは558bpの泳動バンドが出現するが、ジャポニカ種ウナギでは該泳動バンドは出現しない。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で、ジャポニカ種ウナギ(100個体分)、A.anguillaおよびA.australis australisのDNAを抽出してDNA水溶液とした。また、抽出したDNAから一部を分離し、ジャポニカ種ウナギのDNA100質量部に対し、A.anguillaのDNAが1質量部(10μgに対し100ng)、0.1質量部(10μgに対し10ng)、および0.01質量部(100μgに対し10ng)で含まれるDNA水溶液を調製した。次に、これらDNA水溶液を常法により合成した第3のプライマーセット(20pmol)を用いたPCRに供し、得られたPCR産物を2%アガロースゲルで30分泳動した。
また、実施例2では、配列番号5に示す塩基配列からなるフォワード側プライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるリバース側プライマーからなる、ジャポニカ種ウナギの核DNA中の領域を増幅するプライマーセット(以下、核プライマーセットと称す)を第3のプライマーセットに混合してPCRを行っている。
核プライマーセットは、以下のような塩基配列を有する。
フォワード側:tgatgttaatcaccaacaacccgt(Tm=67.9)
リバース側:tctgtggcgatcagttcctctgagt(Tm=71.1)
当該核プライマーセットは、核DNA(GenBank: EU001923.1)中の所定領域を増幅するように設計されており、PCR産物をアガロースゲル電気泳動に供したときに、100bpの泳動バンドが出現する。当該核プライマーセットを用いることで、サンプル中にジャポニカ種ウナギ由来のDNAが含まれており、その増幅に成功していることを証明することができる。さらに、当該核プライマーセットは、制限酵素HinfI、RsaIで消化を行ったときにその泳動バンドが出現しないように、HinfIとRsaI認証サイトを挟んで100塩基増幅でき尚且つ第3のプライマーセットとTm値が近くなるように設計されている(詳しくは実施例4にて示す)。核DNA(GenBank: EU001923.1)の配列および核プライマーセットの選択領域を図6に示す。実施例2では、第3のプライマーセットに混合する核プライマーセットの割合も併せて検討を行っている。
実施例2におけるPCR Master Mixを以下に示す。
核プライマーセット:20pmol
10×PCR Buffer 10.0μl
1×dNTP mix 8.0μl
第3のプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
核DNAプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
dHO 72.5μl
Taq ポリメラーゼ 0.3μl
DNA水溶液 個々に濃度調整
核プライマーセット:10pmol
10×PCR Buffer 10.0μl
1×dNTP mix 8.0μl
第3のプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
核DNAプライマーセット(5 pmol/μl) 2.0μl
dHO 72.5μl
Taq ポリメラーゼ 0.3μl
DNA水溶液 個々に濃度調整
核プライマーセット:5pmol
10×PCR Buffer 10.0μl
1×dNTP mix 8.0μl
第3のプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
核DNAプライマーセット(5 pmol/μl) 1.0μl
dHO 72.5μl
Taq ポリメラーゼ 0.3μl
DNA水溶液 個々に濃度調整
核プライマーセット:2pmol
10×PCR Buffer 10.0μl
1×dNTP mix 8.0μl
第3のプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
核DNAプライマーセット(5 pmol/μl) 0.5μl
dHO 72.5μl
Taq ポリメラーゼ 0.3μl
DNA水溶液 個々に濃度調整
核プライマーセット:1pmol
10×PCR Buffer 10.0μl
1×dNTP mix 8.0μl
第3のプライマーセット(5 pmol/μl) 4.0μl
核DNAプライマーセット(1 pmol/μl) 1.0μl
dHO 72.5μl
Taq ポリメラーゼ 0.3μl
DNA水溶液 個々に濃度調整
実施例2の結果を図7〜11に示す。これらから、ジャポニカ種ウナギと非ジャポニカ種ウナギのDNAが混ざっている場合でも、第3のプライマーセットを用いた増幅が可能であることが確認できる。そして、DNAを混合させて得た以上の結果から、ジャポニカ種ウナギの個体と非ジャポニカ種ウナギの個体から得られた肉片を混合しDNAを抽出した場合でも同様の結果が得られることは、当業者は十分に理解することができる。加えて、当該結果から、第3のプライマーセットと相同性が高く、同じ領域を増幅する第1のプライマーセットを用いる場合においても、ジャポニカ種ウナギと非ジャポニカ種ウナギのDNAが混ざっている状態で同様に増幅が可能であることは、当業者にとって、容易に理解できる。
また、図7〜図11に示すように、ジャポニカ種ウナギのDNA100質量部に対し0.1質量部の割合でA.anguilla種のDNAが含まれる試料においても、当該A.anguilla種のDNAの増幅が確認された。よって、ジャポニカ種ウナギ1000個体に対し非ジャポニカ種ウナギ1個体の割合で混入されている場合でもその混入の事実を検出することができる。また、本実施形態の検査方法にあっては、DNAの抽出および精製作業が煩雑となるのを防止する観点から、100個体からなる集団に対して検査を実施することが好ましい。当該実施例2においては、ジャポニカ種ウナギと考えられる1000個体中に非ジャポニカ種ウナギ1個体の混入でも検出できることが示されており、したがって100個体に対して実施したときには非常に高い信頼性を備えていることが理解される。
なお、図7〜図11からは、核プライマーセットについて、その使用する量が少なくなるごとに第3のプライマーセットによるPCR産物のバンド(588bp)が濃くなることも理解される。ここで、当然ではあるが、100個体の集団に混入が行われる場合、その混入される非ジャポニカ種の個体数は最低で1個体である。したがって、100個体の集団に対し検査を実施する場合、核プライマーセットの混合量は、1個体の非ジャポニカ種ウナギが混入されているときにその非ジャポニカ種ウナギのバンドをより容易に確認でき、なお且つ核プライマーセットによる増幅産物のバンドも確認可能である量とすることが好ましい。
そこで、100個体の集団に対して検査を実施する場合の、好ましい核プライマーセットの混合量を決定するために、核プライマーセットがそれぞれ異なる量で混合された場合の電気泳動の結果を図12および図13に示す。
ここで、図12からは、ジャポニカ種ウナギDNA100質量部に対し非ジャポニカ種ウナギDNA1質量部を混合させた場合において、核プライマーセットを1pmol使用したときに、他の場合と比較して、非ジャポニカ種のバンドがよりはっきりと出現していることが理解できる。また、当該核プライマーは、PCRの成功を確認するためのプライマーであるが、その増幅産物の検出は、1pmolの場合も十分可能であることが、ジャポニカ種ウナギ由来のDNAのみを増幅させた場合を示す図13から理解される。したがって、実施例2からは、100個体の集団に対して本実施形態の検査を行う場合の核プライマーセットの使用量は、第2のプライマーセット20pmolに対し、1pmolとするのが好ましいことが確認された。
(実施例3)
実施例1と同様の手順で、ジャポニカ種ウナギ(100個体分)、A.anguillaのDNAを抽出してDNA水溶液とした。また、実施例2と同様に、抽出したDNAから一部を分離し、ジャポニカ種ウナギのDNA100質量部に対し、A.anguillaのDNAが10質量部(10μgに対し1μg)および1質量部(10μgに対し100ng)で含まれるDNA水溶液を調製した。次に、これらDNA水溶液を第2のプライマーセット(20pmol)を用いて実施例1と同じ条件でPCRに供し、得られたPCR産物を2%アガロースゲルで30分泳動した。
結果を図14に示す。図14に示すように、第2のプライマーセットを用いた場合でも、非ジャポニカ種であるA.anguillaでは269bpの泳動バンドが出現するが、ジャポニカ種ウナギでは該泳動バンドは出現しない。また、実施例2の場合と同様に、ジャポニカ種ウナギと非ジャポニカ種ウナギのDNAが混ざっている場合でも、第2のプライマーセットを用いた増幅が可能であることが確認できる。
(実施例4)
A. marmorata、A. obscura、A. celebensis、A. interioris、A. bicolorpacifica、A. reinhardtii、A. rostrata、A. bengalensislabiata、A. nebulosaneb、A. megastoma、A. mossambica、A. bicolorbic、A. malgumora、A. Anguilla、およびA. australis australisについて実施例1に記載したのと同じ方法でDNAを抽出し、第1のプライマーセットを用いてPCRに供した。
各PCR産物を精製した後、それぞれ2つに分離し、一方にはHigh Bufferに分散させた制限酵素HinfI(2000 unit、和光純薬工業株式会社)を、また、他方にはM Bufferに分散させたRsaI(800 unit、和光純薬工業株式会社)を添加した。これらを恒温槽中に37℃で1時間放置した後、得られたDNA断片を3%アガロースゲルで40分泳動した。その結果、図4に示すような断片パターンが得られた。
(実施例5)
A.anguillaおよびA.australis australisについて、実施例1と同様の手順でDNA水溶液を調製した。
このうち、A.anguillaのDNA水溶液を、第3のプライマーセットを用いたPCRに供した。得られたPCR産物を実施例3と同様に制限酵素RsaIで処理した後、生じたDNA断片を3%アガロースゲルで40分泳動した。結果を図15に示す。
また、A.anguillaおよびA.australis australisのDNA水溶液を、常法により合成した第3のプライマーセット(5 pmol/μl)および核プライマーセット(1 pmol/μl)を混合して用いたPCRに供した。得られたPCR産物を実施例4と同様に制限酵素HinfI、RsaIで処理した後、生じたDNA断片を3%アガロースゲルで40分泳動した。結果を図16に示す。
図15より、第3のプライマーセットを用いることで、増幅されたA.anguilla由来のDNAを制限酵素RsaIで処理したときに、PCR産物(588bp)とは明らかに異なる558bpの泳動バンドが確認できる。したがって、制限酵素RsaIが失活しているときとの区別が容易となる。また、図16に示すように、制限酵素HinfI、RsaIで処理することにより、核プライマーセットのPCR産物由来のバンドは判定を妨害する位置には出現しない。

Claims (8)

  1. 非ジャポニカ種ウナギのシトクロムb遺伝子における所定領域にハイブリダイズ可能である、
    配列表の配列番号1に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるフォワード側プライマーと、
    配列番号2に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるリバース側プライマーと、からなることを特徴とするプライマーセット。
  2. 非ジャポニカ種ウナギのシトクロムb遺伝子における所定領域にハイブリダイズ可能である、
    配列表の配列番号1に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるフォワード側プライマーと、
    配列番号3に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるリバース側プライマーと、からなることを特徴とするプライマーセット。
  3. 非ジャポニカ種ウナギのシトクロムb遺伝子における所定領域にハイブリダイズ可能である、
    配列表の配列番号1に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるフォワード側プライマーと、
    配列番号4に示される塩基配列(ただし、TはUであってもよい)からなるリバース側プライマーと、からなることを特徴とするプライマーセット。
  4. ジャポニカ種ウナギと非ジャポニカ種ウナギとを含んでなる集団から非ジャポニカ種ウナギの存在を検出する検査方法であって、
    前記集団における前記非ジャポニカ種ウナギから抽出した前記非ジャポニカ種ウナギのDNAを、請求項1から3のいずれか1つに記載のプライマーセットを用いて増幅して検出することを特徴とする検査方法。
  5. 前記集団は、所定数のウナギの頭部により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の検査方法。
  6. 請求項1から3のいずれか1つに記載のプライマーセットを用いて増幅された非ジャポニカ種ウナギのDNAを調べることにより、前記非ジャポニカ種ウナギの種を同定することを特徴とする非ジャポニカ種ウナギの種同定方法。
  7. 請求項1または3に記載のプライマーセットを用いて増幅された前記非ジャポニカ種ウナギのDNAを、制限酵素HinfIおよび/または制限酵素RsaIで消化し、
    消化により得られる制限断片長の比較に基づいて非ジャポニカ種ウナギの種を同定することを特徴とする請求項6に記載の非ジャポニカ種ウナギの種同定方法。
  8. 請求項1に記載のプライマーセットを用いて増幅された前記非ジャポニカ種ウナギのDNAを、制限酵素HinfIおよび/または制限酵素RsaIで消化し、
    消化により得られる制限断片長の比較に基づいて非ジャポニカ種ウナギの種を同定することを特徴とする請求項6に記載の非ジャポニカ種ウナギの種同定方法。
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