JP6413122B2 - キノコの同定方法、及び、同定キット - Google Patents

キノコの同定方法、及び、同定キット Download PDF

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本発明は、キノコの同定方法、及び、同定キットに関する。
食用のキノコと形態が似ているため、自生している毒キノコを誤食する事例が報告されている。毒キノコによる中毒は自然の毒による中毒の70%を占め、死亡例の60%を占めている。厚生労働省の統計によると2002年から2006年までの5年間において約250件の毒キノコによる中毒が発生し、のべ患者数は800名を越え、数名の死者も出ている。これらの毒キノコによる中毒事例のうち、食用キノコのウラベニホテイシメジ(Entoloma sarcopum)と形態が似ている毒キノコである、クサウラベニタケ(Entoloma rhodopolium)、イッポンシメジ(Entoloma sinuatum)を誤食した事例が多数ある。
食用キノコであるか、毒キノコであるかを判定(同定)するには、かなりの熟練を要し、大学などの研究機関や博物館などに所属する高度な専門家に頼らざるを得ない。そのため、医療機関、又は、科学捜査研究所や保健所などの行政機関の一般的な職員が、キノコの同定をするのはきわめて困難である。
毒キノコの中毒が疑われる患者が発生した場合、迅速に適切な治療をする必要があるが、そのためには原因となる毒キノコを正確に同定することが重要である。特許文献1には、毒キノコであるクサウラベニタケのリボソームRNA遺伝子の一部を含むDNAに特異的に反応するプライマーを用いて、クサウラベニタケを同定する方法が開示されている。
特開2008−194013号公報
特許文献1に開示される同定方法では、NCBI(National Center for Biotechnology Information)の公的なデータベースに公開されているクサウラベニタケのDNAに特異的に反応するプライマーを用いている。しかしながら、クサウラベニタケにはDNA塩基配列が異なる変種(近縁種)が多く存在するため、このプライマーを用いても、クサウラベニタケの近縁種を同定することはできず、また、食用のウラベニホテイシメジを同定することもできない。このため、DNAが公的に公開されているクサウラベニタケだけではなく、ウラベニホテイシメジを含むクサウラベニタケの近縁種を同定するための新たな方法が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、クサウラベニタケの近縁種を同定できるキノコの同定方法、及び、同定キットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るキノコの同定方法は、
イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識する制限酵素により、当該塩基配列に対応する領域を含むDNAを切断する切断工程と、
前記切断工程により切断されたDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、前記イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコを同定する同定工程と、
を含み、
前記制限酵素は、MslI、DdeI、HincII、及びHaeIIIである。
前記同定工程では、前記キノコウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ又はイッポンシメジであることを同定してもよい。
前記同定工程では、前記MslIが切断したDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、ウラベニホテイシメジを同定してもよい。
記同定工程では、前記DdeIが切断したDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ及びイッポンシメジを同定してもよい。
記同定工程では、前記DdeI、前記HincII及び前記HaeIIIが切断したDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ及びイッポンシメジを同定してもよい。
前記同定工程では、前記切断工程により切断されたDNAを電気泳動してもよい。
また、イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅する増幅工程をさらに含み、
前記切断工程では、前記増幅工程により増幅されたPCR産物を切断してもよい。
この場合、前記増幅工程では、塩基配列が配列番号3に示されるプライマー及び塩基配列が配列番号4に示されるプライマーを用いてPCR増幅してもよい。
本発明の第2の観点に係るキノコの同定方法は、
イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域を、塩基配列が配列番号5に示されるフォワードプライマー、塩基配列が配列番号6に示されるリバースプライマー、及び塩基配列が配列番号7に示されるリバースプライマーを用いてPCR増幅する増幅工程と、
前記増幅工程により増幅されたPCR産物に対して、塩基配列が配列番号8に示されるプローブ、塩基配列が配列番号9に示されるプローブ、塩基配列が配列番号10に示されるプローブ、及び塩基配列が配列番号11に示されるプローブの少なくともいずれかを用いて前記イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコを同定する同定工程と、
を含む。
本発明の第3の観点に係るイッポンシメジ(Entoloma)属のキノコ同定用の同定キットは、
イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識する制限酵素MslI、DdeI、HincII、及びHaeIIIを備える。
この場合、イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅するためのプライマーをさらに備える、
こととしてもよい。
前記プライマーは、塩基配列が配列番号3に示されるプライマー及び塩基配列が配列番号4に示されるプライマーである、
こととしてもよい。
本発明の第4の観点に係るイッポンシメジ(Entoloma)属のキノコ同定用の同定キットは、
イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域をPCR増幅するための、塩基配列が配列番号5に示されるフォワードプライマー、塩基配列が配列番号6に示されるリバースプライマー、及び塩基配列が配列番号7に示されるリバースプライマーと、
塩基配列が配列番号8に示されるプローブ、塩基配列が配列番号9に示されるプローブ、塩基配列が配列番号10に示されるプローブ、及び塩基配列が配列番号11に示されるプローブの少なくともいずれかと、
を備える。
本発明によれば、クサウラベニタケの近縁種を同定できる。
ゲノムDNA上でリボソームRNAをコードする領域を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。 分子系統樹解析の結果を示す図である。 PCR−RFLP法において制限酵素MslIでダイジェストしたDNAを電気泳動した結果を示す図である。 PCR−RFLP法において制限酵素DdeIでダイジェストしたDNAを電気泳動した結果を示す図である。 PCR−RFLP法において制限酵素HincII−HaeIIIでダイジェストしたDNAを電気泳動した結果を示す図である。 制限酵素MslIが切断した塩基の位置を示す図である。 制限酵素DdeIが切断した塩基の位置を示す図である。 制限酵素HincII−HaeIIIが切断した塩基の位置を示す図である。 PCR産物を電気泳動した結果を示す図である。 short−PCR−RFLP法において制限酵素MslIでダイジェストしたDNAを電気泳動した結果を示す図である。 クサウラベニタケ混入サンプルにshort−PCR−RFLP法を適用した結果を示す図である。 マルチプレックスリアルタイム−PCRの結果を示す図である。
本発明は、PCR−RFLP(Polymerase Chain Reaction-Restriction Fragment Length Polymorphism)法を用いて、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を同定する同定方法、及び、同定キットを提供する。PCR−RFLP法は、PCRで増幅したPCR産物(DNA断片)を制限酵素で切断した際の長さの違いによってDNAの塩基配列の変異(構造多型)を見出す方法である。制限酵素の認識部位に変異が存在する場合、あるいは制限酵素処理によって生じるDNA断片内に塩基挿入または欠失がある場合、制限酵素処理後に生じる断片の長さ(大きさ)が対照と比較して変化する。この変異を含む部分をPCR法によって増幅し、それぞれの制限酵素で処理することによって、塩基配列の変異位置を電気泳動後のバンドの移動度の差として検出することができる。そして、バンドの移動度の差に基づいて、キノコが同定される。PCR−RFLP法を用いることにより、煩雑なシークエンス解析することなく簡便な操作で、短時間で、キノコを同定することができる。
本明細書において「近縁種」とは、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジに形態が類似しているイッポンシメジ(Entoloma)属のキノコであり、NCBIのデータベースに公開されていない塩基配列からなるイッポンシメジ属キノコを含む。クサウラベニタケはイッポンシメジ科イッポンシメジ属のキノコであり、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジもイッポンシメジ属のキノコであるため、これらのキノコに形態が類似しているキノコ、及び、ゲノムの塩基配列の相同性が高いキノコは、近縁種に含まれる。
(1.キノコの同定方法)
本実施の形態に係るキノコの同定方法では、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種からDNA(塩基)を抽出する。DNAを抽出するキノコは、日本の野山に自生しているキノコに限定されず、世界各地に自生しているキノコも含まれる。また、同定するキノコは、生のキノコに限定されず、冷凍キノコ、乾燥キノコ、及び、裁断されたキノコ、加熱調理されたキノコなど任意である。キノコからDNAを抽出する方法は、通常公知の方法が使用できる。具体的には、同定するキノコを洗浄後に、PCR−RFLP法に供するため、フェノール法或いは市販の核酸抽出用のキット(QIAGEN社製、タカラバイオ社製など)により、このキノコ由来の試料からDNAを抽出する。
図1は、ゲノムDNA上でリボソームRNAをコードする領域を示す図である。同図に示す遺伝子rDNA(核リボソームRNAをコードする遺伝子)のITS(Internal Transcribed Spacer)1−5.8S−ITS2領域は約1000塩基対(1kbp)からなる。クサウラベニタケ及びこの近縁種を同定するために、クサウラベニタケ及びこの近縁種のrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅する。抽出したDNAを増幅する方法は、通常公知の方法が使用できる。具体的には、PCR−RFLP法を用いることができるが、リアルタイム−PCR法、PCR−SSP(Sequence Specific Primers)法、及び、PCR−SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)法などの通常公知の方法を用いることもできる。
PCR法に用いるプライマーには、遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域を増幅し得るものがすべて含まれる。プライマーの塩基長としては10塩基以上が好ましく、15塩基以上がさらに好ましい。また、各プライマーは、単一のオリゴヌクレオチドであってもよく、複数のオリゴヌクレオチドの混合物であってもよい。PCRにおけるプライマーの例として、配列表の配列番号1、2に示すプライマーが挙げられるが、これらのプライマーに限定されず、遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部を増幅できるプライマーであれば任意である。またプライマーの配列は変異箇所を含んでいれば制限なく設計することができる。
PCR増幅されたPCR産物の長さは選択したプライマーによって規定され、その長さは特に定めないが、好ましくは10塩基対から1000塩基対、電気泳動および観察のしやすさから特に100塩基対から400塩基対が好ましい。
例えば、下記実施例3に示すように、プライマーは、ITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の5'側から470〜685番目の塩基を含む少なくとも216塩基対程度の領域を増幅するものであってもよい。この場合のPCRにおけるプライマーの例としては、配列表の配列番号3、4に示すプライマーが挙げられる。PCR増幅されたPCR産物は、ITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の5'側から500〜630番目の塩基を含めばよく、PCR産物の長さは、131〜300塩基対、150〜250塩基対、160〜220塩基対であってもよい。
次に、クサウラベニタケ及びこの近縁種のrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識する制限酵素により、当該塩基配列に対応する領域を含むDNAを切断する。例えば、PCR増幅されたPCR産物に制限酵素を添加してダイジェストしてもよい。より詳細には、制限酵素は、図1に示すITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識し、認識した変異の部位を切断する。添加する制限酵素は、具体的には、MslI、DdeI、HincII、HaeIIIが挙げられる。
MslIは、食用のウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種の遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識し、切断する。具体的には、MslIは、この塩基配列の5'側から500〜630番目の塩基の範囲内にある変異(505塩基、564塩基、623塩基)を認識して切断する。その結果、MslIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、500塩基対及び300塩基対付近に2本のバンドが得られる。しかし、MslIは、毒性のあるクサウラベニタケ、毒性のあるイッポンシメジ、及び、これらの近縁種の塩基配列は認識しない。このため、MslIは、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種を同定するための制限酵素として用いることができる。
DdeIは、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種の遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識し、切断する。具体的には、DdeIは、毒性のあるイッポンシメジ、及び、この近縁種の塩基配列の5'側から40〜850番目の塩基の範囲内にある変異(43塩基、709塩基、848塩基)を認識して切断する。その結果、DdeIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、670塩基対付近に明瞭な1本のバンドが得られる。また、DdeIは、クサウラベニタケ、及び、この近縁種の塩基配列の5'側から100〜850番目の塩基の範囲内にある変異を認識して切断する。その結果、DdeIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、500塩基対付近に明瞭な1本のバンドが得られる。しかし、DdeIは、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種の塩基配列の5'側から40〜850番目の塩基の範囲内にある変異(48塩基、356塩基、618塩基、845塩基)を認識して切断する。その結果、DdeIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、240塩基対から300塩基対付近に3本のバンドが得られる。このため、DdeIは、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種、さらに、イッポンシメジ、及び、この近縁種を同定するための制限酵素として用いることができる。
HincII及びHaeIIIは、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種の遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識し、切断する。具体的には、HincII及びHaeIIIは、毒性のあるクサウラベニタケ、及び、イッポンシメジの塩基配列の5'側から90〜700番目の塩基の範囲内にある変異(96塩基、692塩基)を認識して切断する。その結果、HincII及びHaeIIIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、600塩基対及び300塩基対付近に明瞭な2本のバンドが得られる。また、HincII及びHaeIIIは、クサウラベニタケの近縁種の塩基配列の5'側から90〜700番目の塩基の範囲内にある変異(96塩基、231塩基、700塩基)を認識し、切断する。その結果、HincII及びHaeIIIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、470塩基対及び300塩基対付近に明瞭な2本のバンドが得られる。しかし、HincII及びHaeIIIは、ウラベニホテイシメジの塩基配列の5'側から660番目付近〜670番目の塩基の範囲内にある変異(664塩基)を認識して切断する。その結果、HincII及びHaeIIIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動では、670塩基対及び300塩基対付近に明瞭な2本のバンドが得られる。すなわち、それぞれ異なった位置にバンドが見られる。このため、HincII及びHaeIIIは、クサウラベニタケ、及び、この近縁種を同定するための制限酵素として用いることができる。
制限酵素は、MslI、DdeI、HincII、HaeIIIに限定されず、遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識し、DNAを切断できる制限酵素であれば任意である。また、制限酵素FastDigest(登録商標)(Thermo Scientific製)を用いることにより、5〜15分程度の短時間でダイジェストすることができる。
次に、切断されたDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、前記クサウラベニタケ及びこの近縁種を同定する。例えば、制限酵素により切断したDNA断片を電気泳動法により解析する。電気泳動法は、通常公知の方法が使用できる。電気泳動後のバンドの移動度の差から、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を同定する。また、同定したキノコの食毒判定を行う。
制限酵素MslI、DdeI、HincII及びHaeIIIでPCR産物をダイジェストすると、ITS1−5.8S−ITS2領域に存在する塩基配列の変異が認識され、認識された部位で切断される。MslIは、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種の塩基配列の変異のみを認識して切断する。このため、MslIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動のバンド位置は、約1kbpのITS1−5.8S−ITS2領域のバンドが検出される位置と異なる位置で検出される。すなわち、毒性のあるキノコ、及び、この近縁種由来のITS1−5.8S−ITS2領域はいずれもこの制限酵素で切断されない。この結果、ウラベニホテイシメジ、及び、クサウラベニタケとイッポンシメジとこれらの近縁種とを同定することができ、さらに、食用のキノコを判定することができる。
DdeIは、イッポンシメジ、及び、この近縁種のPCR産物の電気泳動において、670塩基対付近にバンドを与える。また、DdeIは、クサウラベニタケ、及び、この近縁種のPCR産物の電気泳動において、500塩基対付近にバンドを与える。しかし、DdeIは、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種のPCR産物の電気泳動において、240〜300塩基対付近に3本バンドを与える。このため、DdeIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動のバンド位置から、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、及び、これら近縁種を同定でき、さらに、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種を同定できる。そして、クサウラベニタケ、イッポンシメジは毒性のあるキノコであり、ウラベニホテイシメジは食用のキノコであるため、キノコの食毒判定も行うことができる。
HincII及びHaeIIIは、ウラベニホテイシメジ、及び、この近縁種のPCR産物の電気泳動において、670塩基対及び300塩基対付近に明瞭な2本のバンドを与える。このため、HincIIとHaeIIIでダイジェストしたPCR産物の電気泳動のバンド位置から、食用のウラベニホテイシメジ、毒性のあるクサウラベニタケ、及び、これらの近縁種を同定することができる。
酵素の反応時間・温度に制限はないが、一般的には37℃で3時間から一晩反応させる。反応バッファーも制限はないが、市販品の酵素に添付されるものを用いるのが通常である。電気泳動の方法も特に決まったものはなく、スラブゲル型、サブマリン型、キャピラリーなど核酸が電気的に分離できるものであればいずれの方法を用いてもよい。ゲルの材料についてもアガロースやアクリルアミドなどが一般的であるが、特に制限はない。DNA断片の検出は電気的、紫外線吸収、染色など種々の方法を用いることができる。また、電気泳動は、通常のアガロースのほか、マイクロチップ電気泳動装置を用いることもできる。例えば、Agilent 2100バイオアナライザー(Agilent Technologies製)を用いることにより、アガロースを用いた場合より短時間で、高分解能でPCR産物を電気泳動することができる。また、反応条件(温度、時間等)は、DNA含有量、並びに、制限酵素の種類及び量によって変化するものであり、上述した値に限定されるものではない。
以上説明したように、本発明のキノコの同定方法により、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を同定することができ、さらに、キノコの食毒判定を行うこともできる。また、PCR−RFLP法を用いることにより、煩雑なシークエンス解析することなく簡便な操作で、短時間で、キノコを同定することができる。
なお、PCR−RFLP法で用いるプライマーは、ITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の5'側から470〜685番目の塩基を含む少なくとも216塩基対の領域を増幅するものであってもよい。当該領域には、MslIが認識する部位が含まれる。このため、MslIでダイジェストすることで、約1kbpのITS1−5.8S−ITS2領域が残されていないサンプル、例えば、加熱調理又は消化によって分解された毒性のクサウラベニタケ及び食用のウラベニホテイシメジのrDNAを含むサンプルに対してもPCR−RFLP法を適用して、食毒判定ができる。
(2.リアルタイム−PCR法を用いたキノコの同定方法)
本実施の形態におけるキノコの同定方法は、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ及びこれらの近縁種に、特異的なプローブを用いる。
PCR増幅では、上述のように、クサウラベニタケ及びこの近縁種のrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅する。ここでのプライマーとしては、配列表の配列番号5、6及び7に示すプライマーが挙げられるが、これらのプライマーに限定されず、遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅できるプライマーであれば任意である。
次に、増幅されたPCR産物に特異的なプローブを用いてクサウラベニタケ及びこの近縁種を同定する。リアルタイム−PCR法を用いる場合、特定の塩基配列に特異的なプローブを用いてPCR増幅を行うことでクサウラベニタケ及びこの近縁種を同定する。プローブとは、核酸の相補性に基づいたハイブリダイゼーション等を利用して核酸又はその塩基配列中の特定の部位について解析するための核酸の断片をいう。プローブは、例えば、ITS1−5.8S−ITS2領域の連続する少なくとも10塩基対以上、好ましくは10〜100塩基対、より好ましくは、10〜50塩基対のDNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。
特定の塩基配列に特異的であるということは、プローブが、特定の塩基配列を有するDNAにハイブリダイズするが、当該塩基配列を有していないDNAにはハイブリダイズしないことをいう。ITS1−5.8S−ITS2領域内のクサウラベニタケ、イッポンシメジ及びウラベニホテイシメジ各々に特有の塩基配列を標的としてプライマーを設計することで、当該プライマーは標的とする塩基配列を有するDNAに特異的にハイブリダイズする。クサウラベニタケに特異的なプローブ、イッポンシメジに特異的なプローブ、ウラベニホテイシメジに特異的なプローブの塩基配列及び未同定近縁種であるEctomycorrhizalに特異的なプローブは、それぞれ配列表の配列番号8、9、10及び11に示される。蛍光物質又は放射性物質等によって標識されたプローブを用いることで、PCR産物を定量できる。
リアルタイム−PCRにおけるハイブリダイゼーションの条件は、標的の塩基配列を区別するのに十分な条件であればよい。例えば、ハイブリダイゼーションの条件は、プローブが、ある一定温度条件で標的の塩基配列のDNAとはハイブリダイズするが、標的の塩基配列ではないDNAとはハイブリダイズしないストリンジェントな条件である。例えば、プライマーのアニーリング温度より10度高い温度、である。他の一般的なハイブリダイゼーションのストリンジェントな条件は、例えば、モレキュラークローニング・ア・ラボラトリーマニュアル第3版(2001年)等に基づき適宜決定でき、例えば、0.2×SSC、0.1%SDS、65℃で保温、である。
リアルタイム−PCR法を適用する場合、例えば、Roch LightCycler(登録商標)等を用いて、例えば蛍光強度を測定することで、PCRのサイクル数に応じて、クサウラベニタケ、イッポンシメジ及びウラベニホテイシメジそれぞれで異なるパターンが得られる。こうすることで、試料内のキノコを同定でき、食毒も判定できる。
以上説明したように、本同定方法によれば、煩雑なシークエンス解析することなく簡便な操作で、迅速に、キノコを同定することができる。また、同定したキノコからキノコの食毒を判定することもできる。
(3.同定キット)
本実施の形態に係る同定キットは、PCR−RFLP法を用いて、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を同定するキット、及び、キノコを同定後に、同定したキノコの食毒を判定するキットである。同定キットは、キノコの核リボソームRNAをコードする遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の塩基配列の変異を認識する制限酵素MslI、DdeI、HincII、及び/又は、HaeIIIを備える。同定キットの形態として、例えば、上述したプライマー、及び、プライマーを用いて遺伝子多型の検出を行う際に必要な各種の試薬類は、予めパッケージングしてキット化することができる。また、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、補助因子としての塩類(マグネシウム塩又はマンガン塩等)、酵素や鋳型を安定化する保護剤、必要に応じて反応生成物の検出に必要な試薬類をキット化することもできる。
同定キットは、通常公知の方法で使用する。具体的には、同定するキノコを洗浄後に、PCR−RFLP法に供するため、フェノール法或いは市販の核酸抽出用のキット(QIAGEN社製、タカラバイオ社製など)により、このキノコ由来の試料からDNAを抽出する。抽出した変異を含むDNAをPCR法によって増幅し、同定キットが備える制限酵素で処理することによって、塩基配列の変異を電気泳動後のバンドの移動度の差として検出する。そして、バンドの移動度の差に基づいて、キノコを同定する。
以上説明したように、本実施の形態に係る同定キットを用いて塩基配列の変異を検出することにより、煩雑なシークエンス解析することなく簡便な操作で、短時間で、キノコを同定することができる。また、同定したキノコからキノコの食毒を判定することもできる。
なお、本同定キットは、クサウラベニタケ及びこの近縁種のrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅するためのプライマーをさらに備えてもよい。この場合、プライマーは、ITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の5'側から470〜685番目の塩基を含む少なくとも216塩基対の領域を増幅するためのプライマーであってもよい。
(4.リアルタイム−PCR用の同定キット)
本実施の形態に係る同定キットは、リアルタイム−PCR法を用いて、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を同定するキット、及び、キノコを同定後に、同定したキノコの食毒を判定するキットである。同定キットは、クサウラベニタケ及びこの近縁種のrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅するためのプライマーと、当該プライマーで増幅されたPCR産物に特異的なプローブと、を備える。同定キットは、緩衝液、補助因子としての塩類(マグネシウム塩又はマンガン塩等)、酵素や鋳型を安定化する保護剤、必要に応じて反応生成物の検出に必要な試薬類を備えていてもよい。
本同定キットを用いることで、上記リアルタイム−PCR法を用いたキノコの同定方法を簡便に行うことができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、実施例は本発明を限定するものでない。
(実施例1:キノコの分類)
キノコの形態に基づいて、ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ、イッポンシメジの何れかに該当すると判別できた自生していたキノコを、日本国内から38サンプル採取した。この採取した38サンプルのキノコの核リボソームRNAをコードする遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の塩基配列を、ダイレクトシークエンスすることにより、塩基配列に基づく系統樹解析を行った。そして、この系統樹解析から38サンプルのキノコを分類した。
まず、各サンプルを滅菌蒸留水でよく洗浄し、湿重量で100gから500gの試料を採取し、マイクロ乳棒(エッペンドルフ製)でホモジナイズした後に、AP1 buffer、RNase Aを加えて10分間、65℃でインキュベートした。次に、AP2 bufferを添加して、よく混合後氷上に10分間置く。14000 rpmで10分間遠心分離し、上清を回収した。得られた上清を、QIAshredder mini spin columnに負荷し、14000 rpmで遠心分離し、得られた溶出液の1.5倍量のAP3/E bufferを添加し、DNeasy Minispin columnに負荷した。AW bufferで洗浄した後、AE bufferでDNAを溶出した。そして、分離した各サンプルのDNAをダイレクトシークエンスした。
図2A〜図2Kは、38サンプルの塩基配列をダイレクトシークエンスした結果を示す図である。同図に示す、サンプル名のE. rhodopoliumはクサウラベニタケの塩基配列、E. sinuatumはイッポンシメジの塩基配列、E. sarcopumはウラベニホテイシメジの塩基配列を示したものであり、これらの塩基配列は、NCBIのデータベースに公開された塩基配列と同じ塩基配列である。サンプル名のKUBは、国内各地から採取したサンプルから得られた新規の塩基配列である。また、同図に示すE. rhodopolium〜KUB134の塩基配列は、配列表の配列番号12〜49に示す塩基配列に該当する。
図2A〜図2Kに示す塩基配列、及び、配列番号12〜49の塩基配列に基づいて、38サンプルの系統樹解析を行った。図3は、38サンプルの分子系統樹解析の結果を示す図である。同図に示すように、38サンプルは、4つのグループに分類することができた。E. rhodopolium、KUB1、KUB124、KUB132、KUB3-seq2、KUB123、KUB130、KUB3-seq1、KUB2を含むグループをグループ1とし、KUB101-seq2、KUB127-seq1、KUB126、KUB127-seq2、KUB128-ITS、KUB102、KUB101-seq1、KUB9、KUB10、KUB7、KUB6、KUB5を含むグループをグループ2とし、KUB105、KUB109、KUB104、KUB111、KUB107、KUB114、KUB110、KUB113、KUB108、KUB106、E. sinuatumを含むグループをグループ3とし、E. sarcopum、KUB136-seq2、KUB133-seq2、KUB133-seq1、KUB136-seq1、KUB134を含むグループをグループ4とした。グループ1は、NCBIのデータベースに公開されたE. rhodopolium(クサウラベニタケ)の塩基配列を含んでいるため、クサウラベニタケ及びこの近縁種からなる毒性を有するグループと判定できた。また、グループ2は、NCBIのデータベースに公開された塩基配列と一致する塩基配列を含まないグループであるが、解析した塩基配列からクサウラベニタケの近縁種からなる毒性を有するグループと判定できた。また、グループ3は、NCBIのデータベースに公開されたE. sinuatum(イッポンシメジ)の塩基配列を含むため、イッポンシメジ及びこの近縁種からなる毒性を有するグループと判定できた。また、グループ4は、NCBIのデータベースに公開されたE. sarcopum(ウラベニホテイシメジ)の塩基配列を含むため、ウラベニホテイシメジ及びこの近縁種からなる食用可能なグループと判定できた。
以上の結果から、キノコの遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の塩基配列を、ダイレクトシークエンスすることにより、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を分類できることが明らかとなった。また、それぞれの近縁種間の塩基配列の違いに基づいて、キノコの食毒判定を行うことができることが明らかとなった。さらに、NCBIで公開されていないクサウラベニタケ及びこの近縁種の塩基配列情報を得ることができた。
(実施例2:キノコの同定)
次に、日本国内で採取した38サンプルのキノコの核リボソームRNAをコードする遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の塩基配列を、PCR−RFLP法を用いて解析することにより、キノコの同定を行った。
まず、採取したキノコを、湿重量の場合には100mg以上、凍結乾燥の場合には20mg以上マイクロチューブに取った。マイクロチューブに取った各サンプルに、サンプル懸濁バッファーPrepMan Ultra Sample Preparation Reagent(applied biosystems製) 400μlを添加し、底部を高速旋回して内容液を撹拌(ボルテックス)した。これらを、100℃で10分間処理し、13,000g x 2分間遠心して上清をとり、PCRのテンプレートとした。そして、PCRチューブに、50μl反応系において、2x Ampdirect Plus 25μl、BIOTAQ HS DNA Polymerase(5U/μl) 0.25μ、10μM 5'-Primer 2.5μl、10μM 3'-Primer 2.5μl、サンプル(テンプレート) 1μl、Distilled water 18.75μlを添加して、調製した。調製したPCRチューブにおいて、配列表の配列番号1、2に示すプライマー(FASMAC製)、PCR装置(BIO-RAD製iCycler 170-8720JA、96ウェルx 0.2mlリアクションモジュール)、PCR試薬Ampdirect Plus(島津製作所製)、PCR用酵素BIOTAQ HS DNA Polymerase、PCR用バッファー2x Ampdirect Plusを用いて、95℃で3分間を1サイクル、次に95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で1分間を1サイクルとして45サイクル、その後4℃で保持するPCR増幅を行った。
次に、PCR増幅により得られたPCR産物を精製しないまま、制限酵素(NEW ENGLAND BioLabs製)で処理をした。未精製PCR産物1μgにつき制限酵素10ユニット以上使用した。制限酵素として、(1)MslI(ダイジェスト条件:37℃、4時間)、(2)DdeI(ダイジェスト条件:37℃、3時間)、(3)制限酵素HincII−HaeIII(ダイジェスト条件:37℃、3時間)の3つを用いて、系統樹解析によりグループ1〜4に分類したグループごとに各々ダイジェストした。なお、HincII−HaeIIIは、同一チューブに同時に2種の制限酵素を添加し、ダイジェストを行った。制限酵素は、FastDigest(登録商標)(Thermo Scientific製)を用いることにより、5〜15分程度のより短時間でダイジェストできる。
次に、各制限酵素でダイジェストしたPCR産物を電気泳動した。低電気浸透高ゲル強度の微粉末アガロース(nacalai tesque製)に、バッファーnacarai tesque Tris-Acetate-EDTA Buffer(10x)、Nuclease and Protease tested [TAE Buffer](nacalai tesque製)を添加することにより作成した2%アガロースゲルに、6x Loading Buffer Orange G (ニッポン・ジーン製)を添加し、泳動装置(ADVANCE製Mupid 2-plus)を用いてゲルを電気泳動した。そして、ゲルの泳動後、エチジウムブロマイドにて30分間染色した後、アガロースゲル撮影装置Diana-III Advanced Imaging System(raytest製)でゲルを撮影した。その撮影した泳動パターンに基づいてキノコの同定を行った。
図4〜図6は、PCR−RFLP法において、制限酵素MslI、DdeI、及び、HincII−HaeIIIでダイジェストしたDNAの電気泳動の結果を示す図である。図4に示すように、MslIでダイジェストすることによりグループ4を検出(分類)することができた。また、図5に示すように、DdeIでダイジェストすることによりグループ1及びグループ2と、グループ3と、グループ4との3つのグループを検出(分類)することができた。また、図6に示すように、HincII−HaeIIIでダイジェストすることによりグループ2と、グループ1及びグループ3と、グループ4との3つのグループを検出(分類)することができた。これらの結果から、3種類の制限酵素処理のいずれでも食毒判別が可能である。また、3種類の制限酵素処理のすべての結果から、4つのグループを分類することができた。
図7〜9は、グループ1〜4の遺伝子rDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における、制限酵素MslI、DdeI、及び、HincII−HaeIIIで切断した塩基の位置を示した図である。図7に示すように、MslIは、グループ4の505番目、564番目、623番目の塩基を切断していた。グループ4は、食用であるウラベニホテイシメジ及びこの近縁種からなるグループである。このため、PCR−RFLP法を用いてMslIでダイジェストした塩基配列を解析することにより、食用であるウラベニホテイシメジ及びこの近縁種を同定できることが明らかとなった。また、図8に示すように、DdeIは、グループ3の709番目、848番目、グループ4の356番目、618番目、845番目の塩基を切断しているが、グループ1、2においては709番目、356番目、618番目付近の塩基を切断していなかった。DdeIに切断される塩基の位置が各グループで異なるため、PCR−RFLP法を用いてDdeIでダイジェストした塩基配列を解析することにより、毒性のあるイッポンシメジ及びこの近縁種、及び、食用であるウラベニホテイシメジ及びこの近縁種を同定できることが明らかとなった。また、図9に示すように、HincII及びHaeIIIは、グループ2の231番目の塩基を切断していた。このため、PCR−RFLP法を用いてHincII−HaeIIIでダイジェストした塩基配列を解析することにより、毒性のあるクサウラベニタケ近縁種を同定できることが明らかとなった。
以上の結果から、PCR−RFLP法を用いて、制限酵素MslI、DdeI、及び、HincII−HaeIIIでダイジェストした塩基配列を解析することにより、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、ウラベニホテイシメジ、及び、これらの近縁種を分類でき、さらに、キノコの食毒判定を行うことができることが明らかとなった。また、PCR−RFLP法を用いて解析することにより、煩雑で時間のかかるシークエンス解析を行うことなく、簡便な操作で、短時間で、キノコの同定、及び、キノコの食毒判定を行うことができた。
(実施例3:short−PCR−RFLP法に基づくキノコの同定及び食毒判定)
キノコの加熱調理後又は消化後には、キノコのDNAは、短い断片に分解されてしまう。実用面を考慮して短い断片からも毒性のキノコを判定するために、ITS1−5.8S−ITS2領域に含まれる特定の短い領域を解析対象として、キノコの食毒判定を検討した。
上記実施例2に示すように、MslIは、食用であるウラベニホテイシメジ及びこの近縁種からなるグループ4において、505番目、564番目、623番目の塩基を切断していた。当該505番目、564番目及び623番目の塩基を含む領域を解析対象とすることで加熱調理後又は消化後のキノコに対しても食毒判定を行うことが可能である。以下詳細を説明する。
まず、採取したキノコを十分に水洗いし、湿重量で100mg以上をサンプルとして量り取った。サンプルを沸騰水中で60分間又は30分間ボイルした。次に、サンプルを薬局方崩壊試験第一液に浸漬した状態で、37℃で90分間振盪し、擬似的な消化処理を行った。消化処理後のサンプルに、サンプル懸濁バッファーPrepMan Ultra Sample Preparation Reagent(applied biosystems製) 400μlを添加し、ホモジナイザーを用いて100℃で10分間懸濁した。得られたサンプルのホモジネートを13,000g x 2で2分間遠心分離した。遠心分離により得られた上清をPCRテンプレートとした。
上記実施例2と同様に、PCRテンプレートに対してPCR増幅(以下、単に「short−PCR」ともいう)を行った。用いたプライマーの塩基配列は、配列表の配列番号3、4に示す。PCRの条件は、95℃で10分間を1サイクル、次に95℃で30秒間、55℃で1分間、72℃で1分間を1サイクルとして40サイクル、続いて72℃で7分間を1サイクルであって、その後4℃で保持した。なお、加熱及び人工胃液消化の影響を確認するために、上記実施例2と同じプライマーを用いたPCR増幅(以下、単に「ITS−PCR」ともいう)も当該PCR条件で行った。
次に、PCR増幅により得られたPCR産物を、上記実施例2と同様に制限酵素で処理した。本実施例では、制限酵素はMslIのみを用いた。制限酵素は、FastDigest(登録商標)(Thermo Scientific製)を用いて、MslIによるダイジェスト条件は、37℃で30分間とした。電気泳動は、低分子量分類用のゲルを併用して上記実施例2と同様に行った。
図10は、ITS−PCR及びshort−PCRそれぞれで得られた各PCR産物の電気泳動の結果を示す。レーン1、2はクサウラベニタケ、レーン3、4はクサウラベニタケ未同定近縁種、レーン5〜7は、イッポンシメジのサンプルを示す。ITS−PCRでは、約1kbpのPCR産物が擬似的な調理加工及び人工胃液消化処理の影響で、100bp以下に断片化され、すべてのサンプルで検出できなかった。一方、short−PCRでは、擬似的な調理加工及び人工胃液消化処理の後でも約200bpの明瞭なバンドが得られ、PCR増幅が可能であることがわかった。
図11は、short−PCRで得られたPCR産物を制限酵素MslIで処理して得られたDNAの電気泳動の結果を示す図である。レーン1〜3はウラベニホテイシメジ、レーン4はクサウラベニタケ、レーン5は、イッポンシメジのサンプルを示す。食用のウラベニホテイシメジでは、制限酵素処理により切断された約60〜160bpの複数のバンドパターンが得られた。一方、毒性のクサウラベニタケ及びイッポンシメジでは、切断されずに約200bpのバンドが残った。この結果から、short−PCRを行うことで調理加工及び人工胃液消化処理をされたサンプルが対象であっても、迅速な食毒判定を行うことができた。
(実施例4:クサウラベニタケ混入サンプルの判定)
サンプル中に複数の食用のキノコが混在する場合であっても、上記実施例3の方法を用いて毒性のキノコの有無を判定できることを確認した。
サンプルは表1に示す配合で調製した。なお、市販栽培種ミックスは、591mgのぶなしめじ、517mgのマッシュルーム(白)、526mgのマッシュルーム(茶)、985mgのなめこ、507mgのえのき、661mgのエリンギ、516mgのまいたけ及び377mgのしいたけを、バイオマッシャーII(ニッピ製)を用いて、ホモジナイズしたものである。
各サンプルに上記実施例3と同じshort−PCR−RFLP法を適用した結果を図12に示す。クサウラベニタケを含むサンプル2、4、5、7では、制限酵素処理後も約200bpのバンドが得られた。一方、クサウラベニタケを含まないサンプル1、3、6では、制限酵素処理後に約200bpのバンドが検出されなかった。このため、short−PCR−RFLP法によって、種々のキノコが混在するサンプルについても迅速に毒性のクサウラベニタケの有無を確実に判定することができた。また、本方法は、クサウラベニタケが微量(20mg)の場合であっても(サンプル7)、その有無を判定することが可能であった。
(実施例5:リアルタイム−PCR法に基づくキノコの同定)
リアルタイム−PCR法を用いてクサウラベニタケ、イッポンシメジ及びウラベニホテイシメジを同定できるか検討した。PCRチューブに、25μl反応系において、2x FastStart Universal Probe Master 12.5μl、50μM Forward-primer 0.25μl、50μM Reverse-primer 0.25μl、10μM クサウラベニタケ特異的プローブ 0.5μl、10μM イッポンシメジ特異的プローブ 0.5μl、10μM ウラベニホテイシメジ特異的プローブ 0.5μl、10ng/μl サンプル(テンプレート) 0.5μl、Distilled water 9.5μlを添加して、調製した。リアルタイム−PCR装置は、Roch LightCycler(登録商標)96を用いた。PCRの条件は、95℃で10分間を1サイクル、次に95℃で15秒間、60℃で1分間を1サイクルとして40サイクルとした。
Forward-primerの塩基配列は、配列表の配列番号5に示す。Reverse-primerの塩基配列は、配列表の配列番号6、7に示す。また、クサウラベニタケ特異的プローブ、イッポンシメジ特異的プローブ及びウラベニホテイシメジ特異的プローブの塩基配列は、それぞれ配列表の配列番号8、9及び10に示す。クサウラベニタケ特異的プローブはFAM、イッポンシメジ特異的プローブはCy3及びウラベニホテイシメジ特異的プローブはCy5で蛍光標識したものを用いた。
図13は、リアルタイム−PCR法の結果を示す。サイクルに応じて、蛍光標識ごとに異なる蛍光強度の曲線が得られ、クサウラベニタケ、イッポンシメジ及びウラベニホテイシメジそれぞれを交差反応することなく検出できた。
したがって、リアルタイム−PCR法を用いることで、クサウラベニタケ及びこの近縁種を高感度で、迅速に同定できた。このため、毒性キノコの誤食防止の観点から本方法は、食用キノコの同定に至るまでの精査体制の構築に寄与する。

Claims (13)

  1. イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識する制限酵素により、当該塩基配列に対応する領域を含むDNAを切断する切断工程と、
    前記切断工程により切断されたDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、前記イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコを同定する同定工程と、
    を含み、
    前記制限酵素は、MslI、DdeI、HincII、及びHaeIIIである、
    キノコの同定方法。
  2. 前記同定工程では、前記キノコがウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ又はイッポンシメジであることを同定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のキノコの同定方法。
  3. 記同定工程では、前記MslIが切断したDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、ウラベニホテイシメジを同定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のキノコの同定方法。
  4. 記同定工程では、前記DdeIが切断したDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ及びイッポンシメジを同定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のキノコの同定方法。
  5. 記同定工程では、前記DdeI、前記HincII及び前記HaeIIIが切断したDNAの塩基配列の長さの違いに基づいて、ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケ及びイッポンシメジを同定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキノコの同定方法。
  6. 前記同定工程では、前記切断工程により切断されたDNAを電気泳動する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のキノコの同定方法。
  7. イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅する増幅工程をさらに含み、
    前記切断工程では、前記増幅工程により増幅されたPCR産物を切断する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のキノコの同定方法。
  8. 前記増幅工程では、塩基配列が配列番号3に示されるプライマー及び塩基配列が配列番号4に示されるプライマーを用いてPCR増幅する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のキノコの同定方法。
  9. イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域を、塩基配列が配列番号5に示されるフォワードプライマー、塩基配列が配列番号6に示されるリバースプライマー、及び塩基配列が配列番号7に示されるリバースプライマーを用いてPCR増幅する増幅工程と、
    前記増幅工程により増幅されたPCR産物に対して、塩基配列が配列番号8に示されるプローブ、塩基配列が配列番号9に示されるプローブ、塩基配列が配列番号10に示されるプローブ、及び塩基配列が配列番号11に示されるプローブの少なくともいずれかを用いて前記イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコを同定する同定工程と、
    を含むキノコの同定方法。
  10. イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域における塩基配列の変異を認識する制限酵素MslI、DdeI、HincII、及びHaeIIIを備えるイッポンシメジ(Entoloma)属のキノコ同定用の同定キット。
  11. イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域の全長又は一部をPCR増幅するためのプライマーをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載の同定キット。
  12. 前記プライマーは、塩基配列が配列番号3に示されるプライマー及び塩基配列が配列番号4に示されるプライマーである、
    ことを特徴とする請求項11に記載の同定キット。
  13. イッポンシメジ(Entoloma)属のキノコのrDNAのITS1−5.8S−ITS2領域をPCR増幅するための、塩基配列が配列番号5に示されるフォワードプライマー、塩基配列が配列番号6に示されるリバースプライマー、及び塩基配列が配列番号7に示されるリバースプライマーと、
    塩基配列が配列番号8に示されるプローブ、塩基配列が配列番号9に示されるプローブ、塩基配列が配列番号10に示されるプローブ、及び塩基配列が配列番号11に示されるプローブの少なくともいずれかと、
    を備えるイッポンシメジ(Entoloma)属のキノコ同定用の同定キット。
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