JP5545985B2 - ポリ乳酸系接着剤及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、生分解性に優れたポリ乳酸系接着剤及びその製造方法に関するものである。
近年、地球環境を維持するために、ラクチドを重合してなるポリ乳酸よりなる樹脂が注目されている。ラクチドはとうもろこしを原料として得られるものであり、またラクチドを重合してなるポリ乳酸は生分解性に優れているため、地球環境保全のために好ましい素材である。そして、ポリ乳酸を素材とする、フィルム、成型品又は繊維等が市販されるに至っている。
ポリ乳酸を素材とするフィルムを貼り合わせるため、又はポリ乳酸を素材とする成型品を組み立てるためには、接着剤が用いられることがある。しかるに、接着剤として生分解性の無いものを用いると、得られた貼り合わせフィルム又は組み立てた成型品が全体として生分解性であると言えなくなる。したがって、接着剤にも生分解性が要求されることが多くなっており、ポリ乳酸を含む接着剤が提案されている(特許文献1及び2)。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された接着成分であるポリ乳酸は、いずれもラクチドの開環重合によって得られる線状高分子であり、高分子間の絡み合いが弱いためか、接着強度が低いという欠点があった。
特開2003−82319号公報 特開2002−38118号公報 特表2005−527678号公報
そこで、本発明の課題は、特定の分岐ポリ乳酸を用いて、ポリ乳酸の高分子間が絡みやすいようにし、接着強度の高いポリ乳酸系接着剤を得ることにある。なお、分岐ポリ乳酸自体は、三次元網目構造のポリ乳酸を得る原料(中間体)として知られている(特許文献3)が、分岐ポリ乳酸自体を接着成分として使用したポリ乳酸系接着剤は知られていない。
本発明は、数平均分子量が40000以上である化1又は化2で表されるポリ乳酸を含む接着剤に関するものである。以下、化1で表されるポリ乳酸を四分岐ポリ乳酸といい、化2で表されるポリ乳酸を三分岐ポリ乳酸といい、両者をまとめて特定の分岐ポリ乳酸という。
Figure 0005545985
(式中、Rは4価アルコールの残基であり、n1,n2,n3及びn4は正数である。)
Figure 0005545985
(式中、Rは3価アルコールの残基であり、n1,n2及びn3は正数である。)
四分岐ポリ乳酸は、4価アルコールの各水酸基に、開環したラクチドがエステル結合によって重合したものである。4価アルコールとしては、ペンタエリスリトールを採用するのが好ましい。ペンタエリスリトールは、各水酸基の反応性がほぼ同一であるため、化学反応論的には、各水酸基に重合してゆくラクチドの重合度もほぼ同一となる。したがって、均等に四分岐したポリ乳酸となり、線状ポリ乳酸とは異なり、相互に絡みやすいものとなる。なお、ラクチドとは、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンのことである。
三分岐ポリ乳酸は、3価アルコールの各水酸基に、開環したラクチドがエステル結合によって重合したものである。3価アルコールとしては、トリメチロールプロパンが好ましい。トリメチロールプロパンも、各水酸基の反応性がほぼ同一であるため、化学反応論的には、各水酸基に重合してゆくラクチドの重合度もほぼ同一となる。したがって、均等に三分岐したポリ乳酸となり、線状ポリ乳酸とは異なり、相互に絡みやすいものとなる。
特定の分岐ポリ乳酸の数平均分子量(Mn)は,40000以上である。数平均分子量(Mn)が40000未満になると、接着強度が低下し好ましくない。特定の分岐ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は任意であるが、一般的に40000以上である。重量平均分子量(Mw)を40000未満にすると、接着強度が低下する傾向が生じる。特定の分岐ポリ乳酸の数平均分子量(Mn)は一般的に40000〜145000である。また、重量平均分子量(Mw)は40000〜160000である。なお、数平均分子量(Mn)又は重量平均分子量(Mw)をこれより大きくすることも可能であるが、反応時間が増大する傾向がある。
また、特定の分岐ポリ乳酸の分子量分布は、特に限定されるものではないが、後述の製法によればシャープになっている。すなわち、Mw/Mnが1.07〜1.16の範囲に収まっている。
なお、本発明でいう数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定方法は、GPC法によるものであり、以下の条件下で行ったものである。なお、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、1000単位で四捨五入した。
GPC本体:Waters製2695
RI検出器:Waters製2414
UV検出器:Waters製2487
カラム :昭和電工製のKF−806、KF−804及びKF−802.5を、この 順に直列に接続したものを用いた。
溶媒 :テトラヒドロフラン
流量 :1ml/min
温度 :40℃
標準物質 :ポリスチレン
特定の分岐ポリ乳酸は、このまま固体状のホットメルト接着剤として用いてもよいし、溶媒に分散又は溶解させて接着剤溶液として用いてもよい。ホットメルト接着剤中又は接着剤溶液中には、特定の分岐ポリ乳酸と共に、従来公知の粘着付与剤、可塑剤又は充填剤等を添加混合してもよい。
本発明に係るポリ乳酸系接着剤は、ポリ乳酸フィルム同士を貼り合わせるのに用いたり、又はポリ乳酸成型品同士を固着して組み立てる際に用いる。また、ポリ乳酸よりなる材料だけではなく、本来的に生分解性に優れている木材や紙等の他の材料を貼り合わせたり、組み立てたりする際に、用いることもできる。
次に、本発明に係るポリ乳酸系接着剤の製造方法について説明する。まず、重合触媒及び4価アルコール又は3価アルコールの存在下で、ラクチドを重合して特定の分岐ポリ乳酸を得る。重合触媒としては、ラクチドの開環重合に用いる従来公知のものを採用しうるが、本発明では、4−ジメチルアミノピリジン及び4−ジメチルアミノピリジニウムトリフラートの混合物を用いるのが好ましい。この重合触媒を用いると、リビング重合的に重合反応が進行するので、分子量分布のシャープな特定の分岐ポリ乳酸が得られる。また、4価アルコール又は3価アルコールとしても、従来公知のものが用いられるが、本発明では特にペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパンを用いるのが好ましい。ペンタエリスリトール及びトリメチロールプロパンは、各水酸基の反応性がほぼ同一であるため、化学反応論的には、各水酸基に重合してゆくラクチドの重合度もほぼ同一となる。したがって、明確な分岐高分子となり、接着成分として好ましいものとなる。
特定の分岐ポリ乳酸を得た後、これをそのまま又は溶媒に分散或いは溶解して接着剤としてもよいが、一般的には未反応のラクチド等が残存しているので、精製するのが好ましい。そして、精製後に、固体状のホットメルト接着剤又は溶媒に分散或いは溶解させて接着剤溶液とするのが好ましい。溶媒としては、特定の分岐ポリ乳酸が分散又は溶解するものであれば、どのようなものでも差し支えないが、良好に溶解するアセトンを用いるのが好ましい。そして、ポリ乳酸フィルムやポリ乳酸成型品等の被着材に、固体状のホットメルト接着剤を塗布し加熱押圧して被着材間を接着したり、接着剤溶液を塗布した後に乾燥して接着して用いられるのである。
本発明に係るポリ乳酸系接着剤を用いて接着すると、接着強度が高くなるという効果を奏する。たとえば、ポリ乳酸フィルム同士を貼り合わせたり、ポリ乳酸成型品同士を固着すると、接着強度が高くなるという効果を奏する。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、四分岐ポリ乳酸又は三分岐ポリ乳酸を接着成分として使用すると、高接着強度を実現しうるとの知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
実施例1
[重合触媒:4−ジメチルアミノピリジニウムトリフラートの合成]
2つ口フラスコ(容量100ml)中で乾燥窒素不雰囲気下、4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業社製、白色粉末)1.22gをテトラヒドロフラン20mlに溶解した。そして、2つ口フラスコを0℃氷冷バス中で冷却しながら、トリフルオロメタンスルホン酸1.50gを滴下すると共に撹拌した。その後、室温に戻して1 時間撹拌を続けた。反応混合物をガラスフィルターでろ取し、テトラヒドロフラン10mlで2回洗浄後、減圧乾燥して定量的に白色粉末である4−ジメチルアミノピリジニウムトリフラートを得た。
2つ口フラスコ(容量50ml)中で乾燥窒素雰囲気下、白色粉末のペンタエリスリトール(関東化学社製)1.36mg(0.01mmol)、白色粉末の4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業社製)12.2mg(0.1mmol)、上記で合成した4−ジメチルアミノピリジニウムトリフラート27.2mg(0.1mmol)、無色透明棒状結晶のラクチド1.44g(10mmol)を加えた。そして、2つ口フラスコを100℃オイルバス中で1時間加熱し、定量的に無色透明固体を得た。
得られた無色透明固体500mgを、2.5mlのジクロロメタンに溶解し、冷メタノール20ml中に滴下させると白色固体である四分岐ポリ乳酸が析出した。そして、この四分岐ポリ乳酸を平均分子量を上記したGPC法で測定したところ、数平均分子量は145000であり、重量平均分子量は160000であり、Mw/Mn=1.10であった。なお、四分岐ポリ乳酸の収率は95%であった。そして、この四分岐ポリ乳酸をアセトンに溶解し、濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
実施例2
ペンタエリスリトールの使用量を2.72mg(0.02mmol)に変更した他は、実施例1と同一の方法により、四分岐ポリ乳酸を得た。得られた四分岐ポリ乳酸の数平均分子量は81000であり、重量平均分子量は94000であり、Mw/Mn=1.10であった。なお、四分岐ポリ乳酸の収率は95%であった。そして、実施例1と同様にして濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
実施例3
ペンタエリスリトールの使用量を6.80mg(0.05mmol)に変更した他は、実施例1と同一の方法により、四分岐ポリ乳酸を得た。得られた四分岐ポリ乳酸の数平均分子量は44000であり、重量平均分子量は51000であり、Mw/Mn=1.12であった。なお、四分岐ポリ乳酸の収率は99%であった。そして、実施例1と同様にして濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
比較例1
ペンタエリスリトールの使用量を13.60mg(0.1mmol)に変更した他は、実施例1と同一の方法により、四分岐ポリ乳酸を得た。得られた四分岐ポリ乳酸の数平均分子量は26000であり、重量平均分子量は30000であり、Mw/Mn=1.16であった。なお、四分岐ポリ乳酸の収率は98%であった。そして、実施例1と同様にして濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
実施例4
白色粉末のペンタエリスリトール(関東化学社製)1.36mg(0.01mmol)に代えて、白色粉末のトリメチロールプロパン(ナカライテスク社製)1.34mg(0.01mmol)を用いる他は、実施例1と同一の方法により、定量的に無色透明固体を得た。そして、得られた無色透明固体を実施例1と同様に操作して、三分岐ポリ乳酸を析出した。この三分岐ポリ乳酸の数平均分子量は105000であり、重量平均分子量は112000であり、Mw/Mn=1.07であった。なお、三分岐ポリ乳酸の収率は78%であった。そして、この三分岐ポリ乳酸をアセトンに溶解し、濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
実施例5
白色粉末のペンタエリスリトール(関東化学社製)1.36mg(0.01mmol)に代えて、実施例4で用いたメリメチロールプロパン2.68mg(0.02mmol)を用いる他は、実施例1と同一の方法により、定量的に無色透明固体を得た。そして、得られた無色透明固体を実施例1と同様に操作して、三分岐ポリ乳酸を析出した。この三分岐ポリ乳酸の数平均分子量は80000であり、重量平均分子量は85000であり、Mw/Mn=1.07であった。なお、三分岐ポリ乳酸の収率は83%であった。そして、実施例4と同様にして濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
実施例6
白色粉末のペンタエリスリトール(関東化学社製)1.36mg(0.01mmol)に代えて、実施例4で用いたメリメチロールプロパン6.70mg(0.05mmol)を用いる他は、実施例1と同一の方法により、定量的に無色透明固体を得た。そして、得られた無色透明固体を実施例1と同様に操作して、三分岐ポリ乳酸を析出した。この三分岐ポリ乳酸の数平均分子量は42000であり、重量平均分子量は46000であり、Mw/Mn=1.10であった。なお、三分岐ポリ乳酸の収率は97%であった。そして、実施例4と同様にして濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
比較例2
白色粉末のペンタエリスリトール(関東化学社製)1.36mg(0.01mmol)に代えて、実施例5で用いたメリメチロールプロパン13.40mg(0.1mmol)を用いる他は、実施例4と同一の方法により、定量的に無色透明固体を得た。そして、得られた無色透明固体を実施例1と同様に操作して、三分岐ポリ乳酸を析出した。この三分岐ポリ乳酸の数平均分子量は26000であり、重量平均分子量は29000であり、Mw/Mn=1.10であった。なお、三分岐ポリ乳酸の収率は100%であった。そして、実施例4と同様にして濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
比較例3
大日精化工業社製の線状のポリ乳酸系接着剤「バイオテック DL E−L(主剤)」(商品名)100重量部に、大日精化工業社製のポリイソシアネートからなる「バイオテックDL C100(硬化剤)」(商品名)10重量部を添加し、さらに希釈剤として酢酸エチル70重量部を加えて、濃度33重量%の溶液状のポリ乳酸系接着剤を得た。
[剥離試験1]
以上のようにして得られた実施例1〜6及び比較例1〜3の溶液状のポリ乳酸系接着剤を用いて、以下の剥離試験1を行った。すなわち、ユニチカ社製のポリ乳酸「テラマック」(商品名)から作製したポリ乳酸フィルム(厚さ80μm)を用いて、長さ50mmで幅25mmの試験片を二枚準備した。一枚の試験片の長手方向端縁から20mmの部位(面積:20mm×25mm)に、実施例1〜6及び比較例1〜3の溶液状のポリ乳酸系接着剤を塗布し、直ちに他の一枚の試験片を完全に重ね合わせた。なお、ポリ乳酸系接着剤の塗布量は、固形分で16.6g/m2である。そして、恒温恒湿室(温度23±2℃、湿度50±5%RH)で24時間放置して、二枚の試験片を貼合した。貼合された二枚の試験片は、接着剤が塗布された部位(面積:20mm×25mm)で接着されており、その他の部位(面積:30mm×25mm)では接着されていない状態となっている。そして、二枚の試験片の接着されていない各々の部位をチャックで把持して、剥離速度200mm/minでT型剥離試験を行い、剥離強度(N/m)を測定した。この結果を表1に示した。
[剥離試験2]
剥離試験1と同様にして、一枚の試験片の長手方向端縁から20mmの部位(面積:20mm×25mm)に、実施例1〜6及び比較例1〜3の溶液状のポリ乳酸系接着剤を塗布し、恒温恒湿室(温度23±2℃、湿度50±5%RH)で24時間放置して、アセトン(比較例3のポリ乳酸系接着剤にあっては酢酸エチル)を蒸発させた。この結果、一枚の試験片の長手方向端縁から20mmの部位には、塗布量16.6g/m2の固体状のポリ乳酸系接着剤層が形成された。そして、他の一枚の試験片を完全に重ね合わせた後、ポリ乳酸系接着剤層が形成されている部位に、100℃に加熱された熱プレスを用いて、5MPaの圧力を30秒間かけた。その後、恒温恒湿室(温度23±2℃、湿度50±5%RH)で24時間放置した。そして、剥離試験1と同様にして、剥離強度(N/m)を測定し、この結果を表1に示した。
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
剥離試験1(N/m) 剥離試験2(N/m)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 1143 1994
実施例2 741 1428
実施例3 460 768
比較例1 80 120
実施例4 960 996
実施例5 816 780
実施例6 432 444
比較例2 64 11
比較例3 95 26
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表1の結果から分かるように、数平均分子量(Mn)が42000以上の特定の分岐ポリ乳酸を含む接着剤である実施例1〜6は、市販品(比較例3)に比べて、剥離強度が高く、高接着性を示していることが分かる。数平均分子量(Mn)が30000以下の特定の分岐ポリ乳酸を含む接着剤である比較例1及び2は、市販品(比較例3)に比べても、剥離強度が低い場合があり、十分な高接着性を示すものではないことが分かる。
[引張せん断接着強度試験]
長さ50mm、幅25mm、厚み5mmの標準木材試験片(ヒノキ材)を準備した。そして、二枚の木材試験片の長手方向端縁から12.5mmの各部位(面積12.5mm×25mm)に、実施例1〜3、比較例1及び3の溶液状のポリ乳酸系接着剤を塗布した。そして、直ちに、接着剤塗布部位同士を重ね合わせ、接着剤が塗布されていない部位は重ね合わせずに接着剤塗布部位から左右に延びるようにして接着した。なお、二枚の木材試験片の各部位に塗布した接着剤の塗布量は、固形分で16.6g/m2である。接着された二枚の木材試験片の左右に延びた接着剤が塗布されていない部位を、チャックで把持して、引張速度1mm/minで引張せん断試験を行い、引張せん断接着強度(MPa)を測定した。この結果を表2に示した。
[表2]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
引張せん断接着強度(MPa)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 5.9
実施例2 2.9
実施例3 2.2
比較例1 0.9
比較例3 0.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表2の結果から分かるように、数平均分子量(Mn)が44000以上の特定の分岐ポリ乳酸を含む接着剤である実施例1〜3は、市販品(比較例3)に比べて、引張せん断接着強度が高く、高接着性を示していることが分かる。数平均分子量(Mn)が26000の特定の分岐ポリ乳酸を含む接着剤である比較例1も、市販品(比較例3)に比べて、引張せん断接着強度が高くなっているが、実施例1〜3に比べると低くなっている。

Claims (10)

  1. 数平均分子量が40000以上である化1で表されるポリ乳酸を含有するポリ乳酸系接着剤。
    Figure 0005545985
    (式中、Rは4価アルコールの残基であり、n1,n2,n3及びn4は正数である。)
  2. Rがペンタエリスリトールの残基である請求項1記載のポリ乳酸系接着剤。
  3. 数平均分子量が40000以上である化2で表されるポリ乳酸を含有するポリ乳酸系接着剤。
    Figure 0005545985
    (式中、Rは3価アルコールの残基であり、n1,n2及びn3は正数である。)
  4. Rはトリメチロールプロパンの残基である請求項3記載のポリ乳酸系接着剤。
  5. n1,n2,n3及びn4は、化学反応論的にほぼ同一の値である請求項1又は3記載のポリ乳酸系接着剤。
  6. 化1で表されるポリ乳酸又は化2で表されるポリ乳酸の数平均分子量(Mn)が40000〜145000である請求項1又は3記載のポリ乳酸系接着剤。
  7. 数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比が、Mw/Mn=1.07〜1.16である請求項6記載のポリ乳酸系接着剤。
  8. 重合触媒及び4価アルコール又は3価アルコールの存在下で、ラクチドを重合して化1又は化2で表されるポリ乳酸を得ることを特徴とする請求項1又は3記載のポリ乳酸系接着剤の製造方法。
  9. 重合触媒及び4価アルコール又は3価アルコールの存在下で、ラクチドを重合して化1又は化2で表されるポリ乳酸を得た後、該ポリ乳酸を溶媒に分散又は溶解させることを特徴とする請求項1又は3記載のポリ乳酸系接着剤の製造方法。
  10. 重合触媒が4−ジメチルアミノピリジン及び4−ジメチルアミノピリジニウムトリフラートであり、4価アルコールがペンタエリスリトールであり、又は3価アルコールがトリメチロールプロパンである請求項8又は9記載のポリ乳酸系接着剤の製造方法。
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