JP3980340B2 - 制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物および制振性粘着シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物および制振性粘着シートに関する。本発明の制振性粘着シートは、自動車用部品、各種家電製品、精密機器などの各種分野に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用部品、家電製品などには振動の発生源からの振動伝達を絶縁または緩和するために制振性接着剤や制振性粘着剤が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、従来から知られている制振性粘着剤は通常−20℃以下の低いガラス転移温度を有しているため、高温域(40〜80℃)での制振性が貧弱であった。一方、ガラス転移温度が室温付近にある制振性接着剤は高温域での制振性は良好であるものの、高温での比較的長時間の接着作業が必要なため、特殊な加熱装置が必要であり、また接着に係わる生産性が低いという問題点を有していた。さらには高温域での制振性が良好な制振性接着剤は、耐熱性の低い部材を有する製品の接着には使用できないという問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粘着性と高温域(40〜80℃)での制振性に優れた制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物を提供することを目的とする。さらには、当該制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物を用いた制振性粘着シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記技術的課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、全モノマーユニットの50重量%以上含有するアクリル系重合体(A)100重量部に対し、一分子中にヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上を有するヒンダードフェノール系化合物(B)20〜50重量部を含有することを特徴とする制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物、に関する。
【0007】
上記本発明では、粘着剤のベースポリマーとなるアクリル系重合体(A)に対して、前記化合物(B)を上記割合で配合することで、粘着性を有し、かつ高温域(40〜80℃)においても制振性に優れた制振性粘着剤が得られることを見出したものである。アクリル系重合体(A)100重量部に対する化合物(B)の割合は20〜50重量部、好ましくは20〜45重量部、更に好ましくは20〜40重量部である。
【0008】
前記制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物において、一分子中にヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上を有するヒンダードフェノール系化合物(B)の分子量が250〜3000であることが好ましい。
【0009】
前記化合物(B)は、一分子中にヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上を有する化合物を特に制限なく使用することができるが、粘着剤組成物からの化合物(B)の揮発や溶出等による流出を抑えるには化合物(B)として分子量250以上のものを用いるのが好ましい。一方、化合物(B)を添加することによる粘着剤組成物の制振性効果は、化合物(B)として分子量3000以下のものを用いるのが、その添加効果が大きく好ましい。
【0010】
前記制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物において、アクリル系重合体(A)が、酸性基(a)を有するモノマーユニットを2〜20重量%含み、アクリル系重合体中の酸性基(a)と化合物(B)中のヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の割合(a/b)が0.2〜20であることが好ましい。
【0011】
アクリル系重合体(A)としては、酸性基(a)を有するモノマーユニットを2〜20重量%含むものが、高い粘着力を得るうえで好ましく、酸性基(a)と化合物(B)中のヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の割合(a/b)が0.2〜20になるように調整して配合するのが、粘着力と高温域での制振性を得るうえで好ましい。さらには前記割合(a/b)は0.5〜15になるように調整するのが好ましい。なお、前記割合(a/b)は、酸性基(a)とヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の各基の当量比である。
【0012】
また本発明は、前記制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物により粘着剤層が形成されていることを特徴とする制振性粘着シート、に関する。
【0013】
前記制振性粘着シートの粘着剤層の正接損失(tanδ)のピーク温度が−18〜13℃であり、そのピーク温度での正接損失(tanδ)が1.1以上であることが好ましい。
【0014】
粘着剤層はその正接損失(tanδ)のピーク温度が−18〜13℃、さらには−15〜10℃であることが粘着力と高温域での制振性に優れており好ましい。正接損失のピーク温度が−18℃より低温であると高温域での制振性に劣る傾向があり、13℃より高温になると粘着性に劣るようになりやすい。正接損失(tanδ)は、粘着剤層に応力の値が加わってから歪が生じるまでの間の位相角(損失角δ)であり、ピーク温度での正接損失(tanδ)が、1.1以上、さらには1.3以上であることが好ましい。正接損失のピーク値が1.1よりも小さくなると制振性に劣るため好ましくない。
【0015】
また前記制振性粘着シートのステンレス板に対する粘着力が10N/20mm以上であることが粘着性の点で好ましい。
【0016】
なお、制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物に形成された粘着剤層の正接損失のピーク温度、ピーク値、粘着力は用いられるアクリル系重合体(A)の組成、化合物(B)の種類、これらの配合量等により調整することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物および制振性粘着シートについて説明する。
【0018】
アクリル系重合体(A)は、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たるモノマーユニットとして含有する。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいい、以下(メタ)とは本発明において同様の意味である。
【0019】
アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキルエステルとして炭素数が4〜12の直鎖または分岐鎖のアルキル基を有する各種のものを特に制限なく使用することができる。前記アルキル基の例としては、たとえば、ブチル基、イソブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ラウリル基等があげられる。これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
アクリル系重合体(A)中における、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルに係わるモノマーユニットの割合は、アクリル系重合体(A)の全モノマーユニットの50重量%以上である。さらには、60重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。
【0021】
前記アクリル系重合体(A)には、前記例示の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他に、当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーを共重合させることができる。
【0022】
共重合可能なモノマーとしては、酸性基(a)を有するモノマーが好ましい。酸性基(a)としては、たとえば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基 等があげられる。酸性基(a)としては、カルボキシル基が好適である。酸性基(a)としてカルボキシル基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸などがあげられる。酸性基(a)を有するモノマーの割合は、アクリル系重合体(A)の全モノマーユニットの2〜20重量%程度が好ましい。更に好ましくは5〜15重量%である。
【0023】
共重合可能なモノマーの他の例としては、たとえば、(メタ)アクリルアミド、N,N,−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N,−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N,−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の窒素含有モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等のアルキル基の炭素数が1〜3である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸グリシジルなどがあげられる。
【0024】
アクリル系重合体(A)の重量平均分子量は、通常、50万〜250万程度である。本発明のアクリル系重合体の重合方法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの常法により実施可能である。前記重合にあたり重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。
【0025】
また塊状重合としては紫外線照射による重合法が好ましく利用できる。紫外線照射による重合法の場合には、光重合開始剤が配合される。光重合開始剤としては、たとえば、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニゾインメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル類、2 ,2 −ジエトキシアセトフェノン、2 ,2 −ジメトキシ−2 −フェノンアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類、2 −メチル−2 −ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換−α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2 −(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム類などがあげられる。
【0026】
一分子中にヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上を有するヒンダードフェノール系化合物(B)としては、前述の通り分子量が250〜3000のものが好ましい。具体的には、例えばt−ブチル基のような嵩高いアルキル置換基を有する、いわゆるヒンダードフェノール系化合物としてテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−へキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートなどがあげられる。
【0027】
本発明の制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物は、前記アクリル系重合体(A)100重量部に対し、前記化合物(B)5〜50重量部を含有してなるが、当該粘着剤組成物には、感圧接着剤に通常使用される架橋剤、添加剤、例えば、ガラス繊維、金属粉などのような充填剤、顔料、着色剤、粘着付与剤、可塑剤などを添加することができる。
【0028】
なお、架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤などの有機系架橋剤や多官能性金属キレート等の多官能性化合物が用いられる。アクリル系重合体(A)に対する架橋剤の配合割合は特に制限されないが、架橋剤を配合する場合には、通常、アクリル系重合体(A)の100重量部に対して、架橋剤を0.01〜6重量部程度が好ましい。
【0029】
また、架橋剤としては2官能以上の多価アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。前記多価アルキル(メタ)アクリレートは、アクリル系重合体(A)を紫外線照射による重合法にて調製する場合に有効である。前記多価アルキル(メタ)アクリレートとしては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1 ,2 −エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1 ,6 −へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。これら多官能(メタ)アクリレートは、アクリル系重合体(A)の調製段階で、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマーに配合してもよく、また前記モノマーを部分的に重合した後に配合してもよい。また、アクリル系重合体(A)を重合後に配合してもよい。多官能(メタ)アクリレートの使用量は、多官能(メタ)アクリレートの官能基数などにより異なるが、アクリル系重合体(A)の構成モノマー100重量部あたり、0 .0 1〜5重量部程度である。
【0030】
前記制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物は、これにより粘着剤層が形成されている制振性粘着シートとして用いることができる。制振性粘着シートは、テープ状で用いることができる。制振性粘着シートは、たとえば、支持基材の片面または両面に前記制振性粘着剤組成物からなる粘着剤層を有するものがあげられる。支持基材としては、使用用途に応じたものが適宜に選択される。たとえばプラスチックフィルム、紙、不織布、金属箔などを用いることができる。また、支持基材としては、その片面または両面に剥離処理または粘着処理が施されているものを用いることもできる。
【0031】
なお、制振性粘着シートの粘着剤層の厚さは、使用用途により適宜に設定されるが、通常、10〜2000μm程度とするのが好ましい。粘着剤層の形成は、特に制限されず、支持基材に粘着剤組成物(溶液)を塗布し乾燥する方法、支持基材に紫外線硬化型に調製された粘着剤組成物を塗布し紫外線硬化させる方法、剥離処理した支持基材に粘着剤層を形成し、別の支持基材に転写する方法等があげられる。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例を述べるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、部は重量部である。
【0033】
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器にアクリル酸ブチル93部、アクリル酸6.95部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.05部、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.1部および酢酸エチル100部を入れ60℃で10時間反応させてアクリル系重合体溶液を得た。このアクリル系重合体溶液に、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン20部およびイソシアネート系架橋剤2部を添加、混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、厚さ38μmのシリコーン処理ポリエステルフィルムに塗布し、乾燥することにより厚さ50μmの粘着剤層を有する粘着シートを作製した。なお、アクリル系重合体中のカルボキシル基(a)とヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の割合(a/b)は、1.42であった。
【0034】
実施例2
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器にアクリル酸2−エチルヘキシル90部、アクリル酸10部、重合開始剤として2,2 ′−アゾビスイソブチロニトリル0 .1 部および酢酸エチル100部を入れ60℃で10時間反応させてアクリル系重合体溶液を得た。このアクリル系重合体溶液に、テトラキス−[メチレン−3 −(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン40部およびイソシアネート系架橋剤2部を添加、混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、厚さ38μmのシリコーン処理ポリエステルフィルムに塗布し、乾燥することにより厚さ50μmの粘着剤層を有する粘着シートを作製した。なお、アクリル系重合体中のカルボキシル基(a)とヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の割合(a/b)は、1.02であった。
【0036】
実施例3
実施例2において、テトラキス−[メチレン−3−(3 ′,5 ′−ジ−t−ブチルー4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン40部をテトラメチルビスフェノールF10部に変えたこと以外は実施例2と同様にして粘着剤組成物を調製した。また実施例2と同様にして、粘着シートを作製した。なお、アクリル系重合体中のカルボキシル基(a)とヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の割合(a/b)は、1.78であった。
【0037】
比較例1
実施例1において、テトラキス−[メチレン−3−(3 ′,5 ′−ジ−t−ブチルー4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン20部を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製した。また実施例1と同様にして、粘着シートを作製した。
【0038】
比較例2
実施例2において、テトラキス−[メチレン−3−(3 ′,5 ′−ジ−t−ブチルー4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン40部を添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして粘着剤組成物を調製した。また実施例2と同様にして、粘着シートを作製した。
【0039】
比較例3
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および撹拌装置を備えた反応容器にアクリル酸2−エチルヘキシル88部、アクリル酸12部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.08部を入れ光照射重合し、重合率10%のポリマー/モノマー混合物を得た。このポリマー/モノマー混合物に架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.1部を添加、混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、厚さ38μmのシリコーン処理ポリエステルフィルムに塗布し、乾燥することにより厚さ50μmの粘着剤層を有する粘着シートを作製した。
【0040】
実施例および比較例で得られた粘着シートについて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
(粘着力の測定)
粘着シートを厚さ38μmのポリエステルフィルムに貼り合せ粘着力測定用のサンプルを作製した。被着体としてステンレス板(SUS304鏡面仕上げ)を用い、剥離ライナー(シリコーン処理ポリエステルフィルム)を剥がした上記粘着シート(20mm×100mm)を2kgローラーで貼り付け、雰囲気温度23℃、貼付時間30分、剥離速度300mm/分の条件で、180°剥離の粘着力(N/20cm)を万能引張試験機で測定した。
【0042】
(正接損失(tanδ)測定)
粘着シートの粘着剤層を複数層貼り合せて厚さ約1mmの試験サンプルを作製した。このサンプルをレオメトリック社製の「動的粘弾性測定装置ARES」を用いて、直径7.9mmのパラレルプレート、周波数1Hzの条件で温度を変化させて正接損失(tanδ)を測定し、得られた結果から正接損失(tanδ)のピーク温度を求めた。
【0043】
(損失係数測定)
ベース層として厚さ0.5mmのSPCC鋼板と拘束層として厚さ0.05mmのSUS304との間に、粘着シートを挟んだ形で、長さ250mm、幅10mmの損失係数測定用サンプルを作製した。これを中央加振におけるメカニカルインピーダンス法にて、1KHz、40℃の損失係数を測定した。
【0044】
【表1】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜3の粘着剤組成物を用いた各粘着シートは、いずれも、良好な制振性を有していると共に粘着力も優れていることがわかる。
Claims (6)
- アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、全モノマーユニットの50重量%以上含有するアクリル系重合体(A)100重量部に対し、一分子中にヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上を有するヒンダードフェノール系化合物(B)20〜50重量部を含有することを特徴とする制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物。
- 一分子中にヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基を合計2個以上を有するヒンダードフェノール系化合物(B)の分子量が250〜3000であることを特徴とする請求項1記載の制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物。
- アクリル系重合体(A)が、酸性基(a)を有するモノマーユニットを2〜20重量%含み、アクリル系重合体中の酸性基(a)と化合物(B)中のヒドロキシフェニル基および/または置換ヒドロキシフェニル基(b)の割合(a/b)が0.2〜20であることを特徴とする請求項1または2記載の制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物。
- 請求項1〜3記載の制振性粘着シート用制振性粘着剤組成物により粘着剤層が形成されていることを特徴とする制振性粘着シート。
- 粘着剤層の正接損失(tanδ)のピーク温度が−18〜13℃であり、そのピーク温度での正接損失(tanδ)が1.1以上であることを特徴とする請求項4記載の制振性粘着シート。
- ステンレス板に対する粘着力が10N/20mm以上であることを特徴とする請求項4または5記載の制振性粘着シート。
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