JP5544705B2 - 送電制御装置、送電装置、無接点電力伝送システム、電子機器および送電制御方法 - Google Patents

送電制御装置、送電装置、無接点電力伝送システム、電子機器および送電制御方法 Download PDF

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本発明は、送電制御装置、送電装置、無接点電力伝送システム、電子機器および送電制御方法等に関する。
近年、電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力伝送を可能にする無接点電力伝送(非接触電力伝送)が脚光を浴びている、この無接点電力伝送の適用例として、携帯電話機や家庭用機器(例えば電話機の子機や時計)の充電などが提案されている。
1次コイルと2次コイルを用いた無接点電力伝送装置は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2006−60909号公報
無接点電力伝送装置では、例えば電子機器の電池(バッテリ)の長寿命化のために、低消費電力性が厳しく要求される。したがって、送電側機器(送電側機器)から受電側機器(受電側機器)への無駄な電力伝送をできるだけ抑制することが重要である。
また、無接点電力伝送装置では、何よりも高い安全性および信頼性が求められる。例えば、規格外の受電側機器に誤って電力伝送を行うと、機器の破損が生じる場合がある。
また、規格に合致した受電側機器に対して電力伝送を行う場合であっても、送電環境が不適切である場合には、送電を停止しなければならない。例えば、金属異物が存在する環境下で送電を行う場合には、異常発熱が生じる危険性があり、この場合には、送電を停止しなければならない。但し、金属異物の大きさは、小、中程度のものもあれば、大きなもの(例えば薄い板状で、送電側機器と受電側機器を完全に遮断するようなもの)もあり、どのような異物に対しても安全対策が採られるのが望ましい。
また、無接点電力伝送装置は、ユーザの日常生活の利便性を高める目的をもつため、使い勝手のよい装置である必要がある。また、無接点電力伝送装置では、部品点数を削減して、小型化ならびに低コスト化を実現することも重要である。
本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、ユーザの利便性が高く、かつ消費電力の抑制が可能な無接点電力伝送技術を提供することができる。また、例えば、万全の安全対策が施された信頼性が高い無接点電力伝送技術を提供することができる。また、例えば、本発明の少なくとも一つの実施形態では、部品点数を削減して、無接点電力伝送システムの小型化ならびに低コスト化を実現することができる。
(1)本発明の送電制御装置の一態様は、送電装置から受電装置に対して、電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを経由して無接点で電力を伝送する無接点電力伝送システムにおける、前記送電装置に設けられる送電制御装置であって、前記受電装置への送電を制御する送電側制御回路を有し、前記送電側制御回路は、前記送電装置に間欠的な仮送電を実行させ、前記仮送電による前記電力を受けた前記受電装置からの応答を検出することによって、前記受電装置を有する受電側機器が、無接点電力伝送による受電が可能な場所に設置されたことを検出し、前記受電側機器が、無接点電力伝送による受電が可能な場所に設置されたことが検出された場合は、前記送電装置に、前記受電装置に対する連続的な通常送電を実行させ、前記設置が検出されない場合は、前記送電装置に、前記間欠的な仮送電を実行する状態を継続させる。
送電装置が間欠的な仮送電を行い、仮送電を受けた受電装置からの応答を検出することによって、受電側機器の設置を自動的に検出する。設置が検出されることが、通常送電の開始の前提条件となる。設置が検出されない場合は、送電装置は、仮送電を間欠的に行って受電側機器の設置を待つ初期状態を継続する。以上の一連の動作は、例えば、自動的に、かつ繰り返し実行される。ユーザは、受電側機器(受電装置)をセットするだけでよく、スイッチ操作等は不要であり、ユーザの利便性は格段に向上する。また、仮送電は間欠的に行われるため、最小限の電力消費で済み、省電力化が可能である。上述の「仮送電」とは、受電装置への通常送電(負荷に給電するための連続的な送電)前に行う送電であり、例えば、間欠的な送電である。仮送電の送電周波数に関しては、原則として、通常送電の周波数との異同は問わない。また、「通常送電」とは、受電装置側の負荷への電力供給という、本来の目的に沿った送電(例えば、バッテリという負荷を充電するための送電)のことである。
(2)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記受電側機器の設置を検出した場合、ID認証処理を実行し、前記ID認証に成功すると、前記送電装置に通常送電を実行させる。
本態様では、通常送電前にID認証を実行する。よって、不適格な対象に対して無用な送電を行うことが確実に防止される。すなわち、ID認証に失敗する場合は、セットされた受電側機器が送電対象として不適であることを意味する。よって、送電装置は、通常送電は行わず、間欠的な仮送電を行う状態(初期状態)を維持する。したがって、不適切な対象に対する電力送電がされることが確実に防止され、無接点電力伝送システムの信頼性、安全性が向上する。ここで、「ID認証情報」には、例えば、製造業者を示す番号、機器ID番号、電力定格情報等を含めることができる。
(3)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記仮送電の開始時点から所定時間内に、前記受電装置からのID認証情報を受信できるか否かによって、前記受電装置を有する受電側機器の設置を検出する。
送電側制御回路は、仮送電の開始タイミングから所定時間内に、受電装置からのID認証情報を受信できることを条件として、受電側機器の設置を検出する。すなわち、受電側機器がセットされていれば、仮送電を実行した場合、所定時間内にID認証情報の応答があるはずである。よって、ID認証情報が所定時間内にリターンされるか否かによって、受電側機器の設置の検出が可能である。
(4)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記1次コイルの誘起電圧信号の波形の変化によって異物の有無を判定し、前記通常送電中に異物が検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させる。
送電側制御回路は、通常送電の期間中において、異物(導電性の異物、例えば金属異物)の検出を実行し、異物が検出されたときには、送電装置に通常送電を停止させ、送電装置を初期状態(間欠的な仮送電を行う状態)に戻す。1次コイルと2次コイルとの間への異物挿入は、異常発熱、火傷あるいは発火等の要因となるため、異物対策は重要である。例えば、異物が存在すると、送電側からみた受電側の負荷が増大するため、1次コイルの誘起電圧信号の波形に変化が生じる。よって、この原理を利用して、簡単な構成の回路でもって異物を検出することができる。異物対策が施されることによって、無接点電力伝送システムの安全性、信頼性が格段に向上する。
(5)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記1次コイルの前記誘起電圧信号の波形の変化に基づいて前記受電側機器の取り去りを検出し、前記通常送電中に前記受電装置の取り去りが検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させる。
通常送電中において受電側機器が取り去られると、1次コイルと2次コイル間の結合が外れることで、結合によって生じていた相互インダクタンス分がなくなり1次コイルのインダクタンス分だけが共振するようになり、その結果、共振周波数が高くなり、伝送周波数に近づくため送電コイルに電流が流れやすくなるため、送電側からは高負荷に見える(誘起電圧が上昇する)。すなわち、1次コイルの誘起電圧信号の波形に変化が生じる。よって、この原理を利用して、簡単な構成の回路でもって「受電側機器の取り去り」を検出することができる。また、乗っ取り検出のための定期負荷認証を行う場合、通常送電中に、定期負荷認証が途切れることによっても、取り去りを検出することができる。通常送電中において受電側機器の取り去り検出を行うことによって、無駄な電力伝送が生じない。よって、低消費電力化ならびに安全性や信頼性の向上を図ることができる。
(6)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記1次コイルと前記2次コイルとの間に載置された異物を前記受電側機器と誤認して前記通常送電が継続する乗っ取り状態を検出し、前記通常送電中に乗っ取り状態が検出されると、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させる。
通常送電期間中において、いわゆる「乗っ取り状態」の検出を実行することとし、無接点電力伝送システムの安全性、信頼性のさらなる向上を図るものである。「乗っ取り状態」は、異物挿入の特殊な形態と位置付けられるものであり、「異物を受電側機器と誤認して通常送電が継続される状態」のことである。例えば、薄い金属板が1次コイルと2次コイル間を完全に遮断するように挿入された場合、送電側から見れば、相当程度の負荷が常に存在することになり、例えば、取り去り検出が困難となる。つまり、受電側機器が取り去られた後も、送電側からみて、受電側機器に相当する負荷が検出されてしまうため、取り去り検出ができず、通常送電を止めることができない。この場合、金属板は高温に達し、異常発熱や発火、機器破損、火傷等が生じるおそれがある。「異物検出」、「取り去り検出」の他に、「乗っ取り検出」機能を設けて、乗っ取り状態が検出された場合、通常送電を速やかに停止する。これによって、無接点電力伝送システムの安全性、信頼性のさらなる向上を図ることができる。
(7)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記異物が存在すると、前記受電装置側から発せられた信号が異物によって遮断されて到達しないことによって前記乗っ取り状態を検出する。
「乗っ取り状態」となると、受電側から送電側への信号伝達は、異物によって阻止され、送電側に到達できない。この原理を利用し、受電側から何らかの信号を送電側に送信し、送電側にてその信号を検出できるか否かによって、乗っ取り状態を検出するものである。例えば、受電装置が負荷変調によって2次コイルおよび1次コイルを経由して信号(物理的な信号)を送電側に送り、その信号(物理的な信号)を送電側で検出できるか否かによって乗っ取り状態を判定する。但し、この方法に限定されるものではない。例えば、受電側に発光手段を設け、送電側に受光手段を設け、送電側において受電側からの光(赤外光等を含む)を検出できるか否かによって「乗っ取り状態」を検出するようにしてもよい。外光(周囲光)が異物に遮られることなく送電装置に到達するか否かを検出してもよい。電気信号や光の他、受電側からの音を送電側にて所定レベルで検出できるか否かによって乗っ取り検出を行ってもよい。
(8)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記送電装置からみた前記受電装置側の負荷の間欠的な変化を検出し、前記通常送電中における前記負荷の間欠的な変化の検出の有無によって、前記乗っ取り状態を検出する。
受電装置は、ID認証が終了して通常送電が行われているとき(例えば、負荷としての電池パックに充電電流を供給しているとき)に、負荷変調部を動作させて、間欠的に負荷を変化させる。受電装置側の間欠的な負荷変化は、所定のタイミング(つまり送電装置が既知のタイミング:例えば定期的なタイミング)で行われるため、送電装置は、異物挿入がなければ、通常送電中における受電装置側の間欠的な負荷変化を常に検出できるはずであり、逆に、受電装置側の間欠的な負荷変化を検出できないときには、異物が挿入されたものと判定することができる。受電装置に含まれる負荷変調部は、送電装置への情報の通信のために設けられており、その負荷変調部を異物検出のために活用していることになり、異物検出のために専用の特別なハードウエアを設ける必要はない。また、受電装置側からの通信の手段として負荷変調方式を採用している以上、送電装置には負荷変動を検出する構成が当然、備わっており、その負荷変動を検出する構成を、通常送電中にも動作させておくだけで、異物挿入を判定することができ、送電装置側でも新規なハードウエアの追加は不要である。また、受電装置側の負荷変化は、例えば、1次コイルの誘起電圧信号の波形変化を検出することによって比較的簡単に検出でき(但し、この検出方法に限定されるものではない)、また、一般的なデジタル信号処理によって精度良く検出することが可能である。また、受電装置から送電装置への負荷変調による信号の伝達は、通常の送電と同じ経路(すなわち、1次コイルと2次コイルを経由するルート)を利用して行われるため、異物挿入を検出可能とするための信号の伝達ルートを特別に設ける必要もない。よって、無接点伝送システムを構築することによって、部品点数を抑制しつつ、簡単な信号処理によって、1次コイルと2次コイルとの間への、比較的大きな面積をもつ異物の挿入(乗っ取り)を高精度に検出することが可能となる。
(9)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記通常送電時における前記送電装置から見た受電装置側の負荷は、前記受電装置の負荷変調によって周期的に変化し、前記送電側制御回路は、所定数の周期にわたって連続して前記負荷変化を検出できるか否かによって前記乗っ取り状態を検出する。
乗っ取り状態の検出に慎重を期すため、送電側制御回路は、複数の周期の各々毎に、受電装置側の負荷の変化を検出し、所定数の周期(例えば3周期)にわたって連続して負荷変化を検出できないときに、送電装置に通常送電を停止させる。これによって、乗っ取りを引き起こす異物の挿入の検出精度が高まり、例えば、偶発的な要因によって負荷変化が検出できなかったときに、誤って通常送電が停止するといった事態が生じない。
(10)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記送電側制御回路は、前記通常送電の期間中に前記受電装置からの満充電通知を検出すると、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置に、満充電後の取り去り検出のための送電ならびに満充電後の再充電の要否判定のための送電を実行させ、前記満充電後の取り去り検出のための送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて前記取り去りが検出された場合には、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させ、前記満充電後の再充電の要否判定のための送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて再充電が必要と判定された場合には、前記送電装置に前記通常送電を再開させる。
送電側制御回路は、受電側機器の負荷が満充電になった後、さらに、負荷状態を監視して再充電の管理も自動的に行う。すなわち、満充電になった後も受電側機器がセットされたままである場合、時間が経過すれば、負荷(バッテリ)が放電して再充電が必要になることがある。そこで、満充電が検出された後、通常送電に代わる送電(間欠的な送電でもよく、周波数を異ならせた弱いレベルの連続送電でもよい)を実行し、負荷の再充電の要否判定も自動的に行い、再充電が必要になれば送電を再開する。これによって、負荷の再充電が自動的に実行される。したがって、満充電後に受電側機器が長時間、放置された場合でも、ユーザが受電側機器を使用する時点では、バッテリは常に満充電の状態である。よって、せっかく充電したのに、その後の放電によって、結果的に不十分な充電状態になってしまうという不都合が生じず、よって、ユーザの期待を裏切ることがない。但し、満充電後に、受電側機器が取り去られた場合には、再充電の管理は不要である。よって、満充電後の取り去り検出のための送電(間欠的な送電でもよく、上述の周波数を異ならせた弱いレベルの連続送電であってもよい)も併せて実行する。取り去り検出用の間欠送電を受けた受電側機器からの応答がなければ、受電側機器は取り去られたと判定することができる。取り去りが検出されると、送電装置は初期状態に復帰する。なお、上述の「満充電」の意味は、例えば「受電装置側の負荷状態が所定の状態である」というふうに広義に解釈することができる。よって、負荷はバッテリに限定されるものではない。例えば、受電側機器の所定の回路が負荷となる場合もあり得る。すなわち、例えば、「送電装置からの送電を受けて所定の回路が動作した後、その所定の回路が動作不要となった状態」は、負荷が満充電になった場合に相当し、このような場合も本態様の技術的範囲に含まれる。
(11)本発明の送電制御装置の他の態様では、前記満充電後の取り去り検出のための送電は、第1の周期による間欠的な送電であり、前記満充電後の再充電の要否判定のための送電は、第2の周期による間欠的な送電であり、前記第1の周期は、前記間欠的な仮送電の周期よりも長く、かつ、前記第2の周期は、前記第1の周期よりも長い前記第1の周期は、前記間欠的な仮送電の周期よりも長く、かつ、前記第2の周期は、前記第1の周期よりも長い。
満充電後の送電は、消費電力を低く抑える観点から、適切な周期で間欠的に行うのが好ましい。また、取り去り検出用の間欠送電ならびに再充電管理のための間欠送電は、それほど頻繁に行う必要はなく、かつ、消費電力を無駄に増大させないように、適切な周期で行うのが望ましい。よって、本態様では、取り去り検出用の間欠送電は第1の周期で行い、再充電の管理用の間欠送電は第2の周期で行う。第1の周期および第2の周期として両者を区別するのは、各々の目的に合わせて周期を最適化するのが望ましいからである。また、初期状態における間欠的な仮送電の周期は、受電側機器の設置をすばやく検出することの重要性から、かなり短い周期(例えば、1秒以下の周期)で行うのが望ましい。これに対して、満充電後の取り去り検出は、仮送電の周期よりも長くても特に問題はなく、頻繁に取り去り検出を行えば、無駄な電力消費が増大する。よって、満充電後の取り去り検出の第1の周期は、仮送電の周期よりも長い周期(例えば、数分の周期)に設定して消費電力の増大を抑制する。また、満充電後の再充電の要否検出の頻度は、さらに少なくてもよいため(満充電のバッテリが放電して再充電が必要になるまでにはかなりの時間がかかり、また、再充電の要否判定が少々、遅延したとしても実用上、何ら問題は生じないため)、満充電検出のための第2の周期は、第1の周期よりも長く設定する(例えば、数十分程度の周期に設定する)。これによって、各々の目的に応じた周期で間欠的な送電を行うことができ、消費電力を最小限に抑制することができる。
(12)本発明の送電制御装置の他の態様は、受電装置に対して電力を伝送する送電装置に設けられる送電制御装置であって、前記受電装置の位置を検出する位置検出部と、記送電装置の動作を制御する送電制御部と、を含み、前記送電制御部は前記送電装置に間欠的な送電を行わせ、前記間欠的な送電を受けた前記受電装置からの応答を前記位置検出部が検出した場合に、前記送電制御部は前記送電装置に連続的な送電を行わせ、前記応答を前記位置検出部が検出しない場合に、前記送電制御部は前記送電装置に前記間欠的な送電を継続させる。
本態様では、送電制御装置は、受電装置に対して電力を伝送する送電装置に設けられる。送電装置が間欠的な送電を行う。間欠的な送電を受けた受電装置からの応答を位置検出部が検出する。位置検出部によって応答が検出された場合には、連続送電が開始され、応答が検出されない場合には、連続送電は開始されず、間欠送電が継続される。ユーザは受受電側機器(受電装置)をセットするだけでよく、スイッチ操作等は不要であり、ユーザの利便性は格段に向上する。また、間欠送電期間においては、電力消費が抑制され、省電力化が可能である。
(13)本発明の送電装置は、上記の送電制御装置と、交流電圧を生成して1次コイルに供給する送電部と、を含む。
これによって、受電側機器の設置を自動的に検出して、自動的に負荷への通電のための基本シーケンスを実行する機能をもつ、新規な送電装置が実現される。また、設置の自動検出のみならず、満充電後の再充電の管理(ならびに満充電後の取り去り検出)も自動的に実行可能な、より進んだ機能をもつ新規な送電装置が実現される。
(14)本発明の無接点電力伝送システムの一態様では、送電装置から受電装置に対して、電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを経由して無接点で電力を伝送する無接点電力伝送システムであって、前記送電装置は、1次コイルの誘起電圧に基づいて前記受電装置への送電を制御する送電側制御回路を含み、前記受電装置は、負荷に対する電力供給を制御する給電制御部と、前記受電装置を制御する受電側制御回路を有する受電制御装置と、を含み、前記送電装置の前記送電側制御回路は、前記送電装置に間欠的な仮送電を実行させ、前記送電装置に間欠的な仮送電を実行させ、前記仮送電による前記電力を受けた前記受電装置からの応答を検出することによって、前記受電装置を有する受電側機器が、無接点電力伝送による受電が可能な場所に設置されたことを検出し、前記設置が検出された場合は、前記送電装置に、前記受電装置に対する連続的な通常送電を実行させ、前記設置が検出されない場合は、前記送電装置に、前記間欠的な仮送電を実行する状態を継続させる。
これによって、受電側機器の設置を自動的に検出して、設置の検出を前提条件として自動的に負荷への通電を行うという合理的な基本シーケンスを、自動的に実行する機能をもつ、新規な送電装置が実現される。本態様の無接点電力伝送システムは、ユーザの利便性が高く、低消費電力性、信頼性、安全性に優れる。
(15)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様は、前記受電装置に対する間欠的な仮送電を実行し、前記仮送電の開始時点から所定時間内に、前記受電装置からの応答としてのID認証情報を受信できるか否かによって、前記受電側機器の前記設置を検出し、前記設置が検出されると、前記受信したID認証情報を用いて前記受電装置のID認証処理を実行し、前記ID認証に成功すると、前記送電装置に、前記受電装置に対する連続的な通常送電を実行させ、前記設置が検出されない場合および前記ID認証に失敗する場合には、前記送電装置に、前記間欠的な仮送電を実行する状態を継続させる。
これによって、受電側機器の設置を自動的に検出し、ID認証の成功を条件として自動的に負荷への通電を行うという合理的な基本シーケンスを、自動的に実行する機能をもつ、新規な送電装置が実現される。本態様の無接点電力伝送システムは、ユーザの利便性が高く、低消費電力性、信頼性、安全性に優れる。
(16)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記送電側制御回路は、前記通常送電の期間において、前記1次コイルの誘起電圧信号の波形の変化によって異物の有無を判定し、異物が検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させる。
1次コイルと2次コイルとの間への異物挿入は、異常発熱、火傷あるいは発火等の要因となるため、異物対策は重要である。例えば、異物が存在すると、送電側からみた受電側の負荷が増大するため、1次コイルの誘起電圧信号の波形に変化が生じる。よって、この原理を利用して、簡単な構成の回路でもって異物を検出することができる。異物対策が施されることによって、無接点電力伝送システムの安全性、信頼性が格段に向上する。
(17)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記受電装置は負荷変調部をさらに有し、前記受電側制御回路は、前記通常送電の開始後に、前記受電装置に、定期的に前記負荷変調部を動作させて定期負荷変調を実行させ、前記送電装置の前記送電側制御回路は、前記送電装置からみた前記受電装置側の負荷の定期的な変化を検出し、前記通常送電中において前記負荷の定期的な変化を検出できない場合に前記送電装置に、前記通常送電を停止させる。
通常送電開始後の定期負荷認証によって「乗っ取り状態」が生じた場合の対策が実現される。よって、無接点電力伝送システムの信頼性、安全性が格段に向上する。
(18)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記受電装置は、前記負荷の満充電を検出する満充電検出部をさらに有し、前記受電側制御回路は、前記満充電検出部によって満充電が検出された場合には、前記負荷変調部に負荷変調を行わせて、満充電通知を前記送電装置に送信させ、前記送電側制御回路は、前記通常送電中に、前記受電装置からの前記満充電通知が検出された場合に、前記送電装置に通常送電を停止させると共に、満充電後の取り去り検出のための、第1の周期による間欠的な送電、ならびに満充電後の再充電の要否判定のための、第2の周期による間欠的な送電を実行させ、前記満充電後の第1の周期による間欠送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて前記取り去りが検出された場合には、前記送電装置を間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させ、かつ、前記満充電後の第2の周期による間欠送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて再充電が必要と判定された場合には、前記送電装置に通常送電を再開させる。
これによって、受電側機器の負荷が満充電になった後、さらに、負荷状態を監視して再充電の管理も自動的に行う無接点電力伝送システムが実現される。よって、利便性がさらに向上した無接点電力伝送システムが実現される。
(19)本発明の無接点電力伝送システムの他の態様では、前記受電側制御回路は、前記通常送電期間中において、前記負荷変調部に前記定期負荷変調を実行させる場合、前記給電制御部を制御して前記負荷に供給する電力を強制的に減少させて、前記負荷を見かけ上軽減する負荷軽減処理を実行させる。
本態様の無接点電力伝送システムでは、受電装置が、間欠的な負荷変調を行うときに、負荷の軽減処理を実行する。負荷への送電を停止することなく乗っ取り状態検出のための負荷変調を行う場合、その負荷変調による送電装置側への信号の送信は、常に、負荷への給電状況(つまり、負荷の負荷状態)による影響を受ける。例えば、負荷(電池パック等)に大量の充電電流を供給しているときに、負荷変調のために小さな電流をオン/オフしても、そのオン/オフ電流の電流量は、負荷の充電電流の電流量に比べて小さいために、送電装置側では、負荷変調による負荷変化の様子を検出することがむずかしくなる。そこで、本態様では、通常送電中において、受電装置自身が負荷(例えば電池パック)の負荷状態を監視し、乗っ取り状態の検出を可能とするための負荷変調を行うときに、必要に応じて(あるいは一律に)負荷への電力供給を強制的に低下させる(あるいは一時的に停止する)処理を行う。負荷への電力供給を絞る(一時的に停止することを含む)と、その負荷の負荷状態が見かけ上、軽減されたことになり、送電装置側では、負荷変調による信号を検出し易くなり、したがって、負荷が重い状態のときでも、異物検出精度は所望のレベルに維持される。また、強制的な負荷の軽減を行った場合でも、負荷には、少なくとも、必要な最小限の電力は常に与えられており、負荷側の電子回路が動作できなくなるといった問題は生じない。また、異物挿入を検出可能とするための負荷変調は、上述のとおり間欠的に行われ、かつ、その負荷変調は、負荷への電力供給に与える影響を考慮して適切な間隔で実行されるものであり、強制的な負荷軽減が行われたからといって、負荷への電力伝送に特段の悪影響は生じない(例えば、電池パックの充電時間が極端に長くなるような弊害は生じない)。このように、受電装置側で負荷の状態を監視し、乗っ取り状態の検出(大きな面積の異物挿入)を検出可能とするための負荷変調時に、負荷の軽減も併せて実行することによって、負荷が重いときであっても、送電装置側における負荷変化の検出精度を所望レベルに維持することができる。
(20)本発明の電子機器は、上記の送電装置を搭載する。
これによって、低消費電力であり、高い安全性および信頼性をもつ高機能の電子機器を提供することができる。
このように、本発明の少なくとも一つの実施形態では、ユーザの利便性が高く、消費電力の抑制が可能な無接点電力伝送技術を提供できる。また、本発明の少なくとも一つの実施形態では、万全の安全対策が施された信頼性が高い無接点電力伝送技術を提供できる。また、本発明の少なくとも一つの実施形態では、部品点数を削減して、小型化ならびに低コスト化を達成することができる。
(21)本発明の送電制御方法の一態様では、送電装置から受電装置に対する送電を制御する送電制御方法であって、前記送電装置が間欠的に送電し、前記間欠的な送電を受けた前記受電装置が応答し、前記送電装置は前記応答を検出することによって、前記受電装置の無接点電力伝送による受電が可能な位置への設置を検出し、前記設置が検出された場合には、前記送電装置は連続的に送電し、前記設置が検出されない場合は、前記送電装置は間欠的に送電する。
本態様の方法では、送電装置が間欠的な送電を行う。間欠的な送電を受けた受電装置が応答する。送電装置は、受電装置からの応答を検出することによって、受電装置の受電可能位置への設置を検出する。受電装置の設置が検出された場合には、連続送電が開始され、設置が検出されない場合には、連続送電は行われず、間欠送電が継続される。この方法によれば、ユーザは、受電側機器(受電装置)をセットするだけでよく、スイッチ操作等は不要であり、ユーザの利便性は格段に向上する。また、間欠送電期間においては、電力消費が抑制され、省電力化が可能である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
まず、本発明が適用される好適な電子機器の例、ならびに、無接点電力伝送技術の原理について説明する。
(電子機器の例と無接点電力伝送の原理)
図1(A)および図1(B)は、無接点電力伝送手法が適用される電子機器の例ならびに誘導トランスを用いた無接点電力伝送の原理を説明するための図である。
図1(A)に示されるように、送電側電子機器である充電器(クレードル)500は、送電装置(送電側制御回路(送電側制御IC)を含む送電モジュール等)10を有する。また、この充電器(クレードル)500は、充電器の通常送電時に点灯する表示部(LED等)16を有する。
受電側機器である携帯電話機510は、受電装置(受電側制御回路(受電側制御IC)を含む受電モジュール等)40を有する。この携帯電話機510は、LCDなどの表示部512、ボタン等で構成される操作部514、マイク516(音入力部)、スピーカ518(音出力部)、アンテナ520を有する。
充電器500にはACアダプタ502を介して電力が供給される。この電力が、無接点電力伝送により送電装置10から受電装置40に送電される。これにより、携帯電話機510のバッテリを充電したり、携帯電話機510内のデバイスを動作させたりすることができる。
図1(B)に模式的に示すように、送電装置10から受電装置40への電力伝送は、送電装置10側に設けられた1次コイルL1(送電コイル)と、受電装置40側に設けられた2次コイルL2(受電コイル)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。
なお、本実施形態が適用される電子機器は携帯電話機510に限定されない。例えば腕時計、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピュータ、ハンディターミナル、携帯情報端末、あるいは電動自転車などの種々の電子機器に適用できる。
特に好適な電子機器の例としては、携帯端末(携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なパーソナルコンピュータ端末を含む)や時計(ウオッチ)があげられる。本発明の受電装置は、構成が簡単で小型であるため携帯端末等への搭載も可能であり、低損失であるために、例えば、電子機器における2次電池の充電時間を短縮することが可能であり、また、発熱が低減されることから、電子機器の安全面からみた信頼性も向上する。
特に、携帯端末(携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なパーソナルコンピュータ端末を含む)は、高負荷時の充電電流量が大きく、発熱の問題も顕在化しやすい。よって、本発明が有する低損失かつ低発熱という特性を十分に活かすことが可能な機器といえる。
また、図1(A)の充電器(クレードル)500に搭載される送電装置10は、所定周期で間欠的な仮送電を実行し、仮送電を受けた受電装置40からの応答を検出することによって、受電側機器である携帯電話機510の、無接点電力伝送による受電が可能な場所(エリア)への設置(セッティング)を自動的に検出する。設置(セッティング)が検出されると、通常送電(連続的な通常送電)が自動的に開始される。よって、ユーザは、充電器(クレードル)500上に携帯電話機510をセットするだけでよく、スイッチの操作等は一切、不要である。よって、ユーザの利便性が高く、使い勝手がよい無接点電力伝送システムが実現される。なお、無接点電力伝送による受電が可能な場所(エリア)への設置(セッティング)には、例えば、充電台上に受電側機器としての携帯端末を載置する場合が含まれる。また、壁掛け式の充電台の場合には、受電側機器としての携帯端末を立てかけることが設置に該当する。
また、送電装置10は、受電装置40から満充電通知を受信した後、通常送電に代えて、再充電の要否検出のための間欠送電や、満充電後の取り去り検出用の間欠送電を実行することができる。これによって、満充電後の再充電管理も自動的に実行することができる。
(送電装置および受電装置の構成例)
図2は、送電装置、受電装置を含む無接点電力伝送システムにおける、各部の具体的な構成の一例を示す回路図である。図示されるように、送電装置10は、送電制御装置20と、送電部12と、波形モニタ回路14と、を有する。また、送電制御装置20は、送電側制御回路22と、発振回路24と、ドライバ制御回路26と、波形検出回路28と、を有する。
また、受電装置40には、受電部42と、負荷変調部46と、給電制御部48、受電制御装置50とが設けられている。また、負荷90は、充電制御装置92とバッテリ(2次電池)94が含まれる。以下具体的に説明する。充電器500などの送電側の電子機器は、少なくとも図2に示される送電装置10を含む。また、携帯電話機510などの受電側の電子機器は、少なくとも受電装置40と負荷90を含む。そして、図2の構成により、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて送電装置10から受電装置40に対して電力を伝送し、受電装置40の電圧出力ノードNB6から負荷90に対して電力(電圧VOUT)を供給する無接点電力伝送(非接触電力伝送)システムが実現される。
送電装置10(送電モジュール、1次モジュール)は、1次コイルL1、送電部12、波形モニタ回路14、表示部16、送電制御装置20を含むことができる。なお、送電装置10や送電制御装置20は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば表示部、波形モニタ回路)を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。送電部12は、電力伝送時には所定周波数の交流電圧を生成し、データ転送時にはデータに応じて周波数が異なる交流電圧を生成して、1次コイルL1に供給する。
図3(A)および図3(B)は、送電側機器と受電側機器との間の情報伝送の原理の一例を説明するための図である。1次側から2次側への情報伝達には周波数変調が利用される。また、2次側から1次側への情報伝達には負荷変調が利用される。図3(A)に示されるように、例えば、データ「1」を送電装置10から受電装置40に対して送信する場合には、周波数f1の交流電圧を生成し、データ「0」を送信する場合には、周波数f2の交流電圧を生成する。また、図3(B)に示すように、受電装置40は、負荷変調によって低負荷状態/高負荷状態を切り換えることができ、これによって、「0」,「1」を1次側(送電装置10)に送信することができる。
図2に戻って説明を続ける。図2の送電部12は、1次コイルL1の一端を駆動する第1の送電ドライバと、1次コイルL1の他端を駆動する第2の送電ドライバと、1次コイルL1と共に共振回路を構成する少なくとも1つのコンデンサを含むことができる。そして、送電部12が含む第1、第2の送電ドライバの各々は、例えば、パワーMOSトランジスタにより構成されるインバータ回路(あるいはバッファ回路)であり、送電制御装置20のドライバ制御回路26により制御される。
1次コイルL1(送電側コイル)は、2次コイルL2(受電側コイル)と電磁結合して電力伝送用トランスを形成する。例えば、電力伝送が必要なときには、図1に示すように、充電器500の上に携帯電話機510を置き、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通るような状態にする。一方、電力伝送が不要なときには、充電器500と携帯電話機510を物理的に離して、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通らないような状態にする。
波形モニタ回路14は、1次コイルL1の誘起電圧を検出する回路であり、例えば、抵抗RA1、RA2や、RA1とRA2の接続ノードNA3とGND(広義には低電位側電源)との間に設けられるダイオードDA1を含む。具体的には、1次コイルの誘起電圧を抵抗RA1、RA2で分圧することによって得られた信号PHINが、送電制御装置20の波形検出回路28に入力される。
表示部16は、無接点電力伝送システムの各種状態(電力伝送中、ID認証等)を、色や画像などを用いて表示するものであり、例えばLED(発光ダイオード)やLCD(液晶表示装置)などにより実現される。
送電制御装置20は、送電装置10の各種制御を行う装置であり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この送電制御装置20は、送電側制御回路22と、発振回路24と、ドライバ制御回路26と、波形検出回路28と、を含む。
また、送電側制御回路22は、送電装置10や送電制御装置20の制御を行うものであり、例えば、ゲートアレイやマイクロコンピュータなどにより実現できる。
具体的には、送電側制御回路22は、電力伝送、負荷検出、周波数変調、異物検出、あるいは着脱検出などに必要な各種のシーケンス制御や判定処理を行う。上述のとおり、送電側制御回路22は、スイッチ(SW)のオンを契機として、受電装置40に対する、位置検出やID認証用の仮送電を開始する(後述)。
発振回路24は、例えば、水晶発振回路により構成され、1次側のクロックを生成する。ドライバ制御回路26は、発振回路24で生成されたクロックや制御回路22からの周波数設定信号などに基づいて、所望の周波数の制御信号を生成し、送電部12の送電ドライバ(不図示)に出力し、その送電ドライバの動作を制御する。
波形検出回路28は、1次コイルL1の一端の誘起電圧に相当する信号PHINの波形をモニタし、負荷検出、異物検出等を行う。例えば、受電装置40の負荷変調部46が、送電装置10に対してデータを送信するための負荷変調を行うと、1次コイルL1の誘起電圧の信号波形が、それに対応して変化する。
具体的には、例えば図3(B)に示すように、データ「0」を送信するために、受電装置40の負荷変調部46が負荷を低くすると、信号波形の振幅(ピーク電圧)が小さくなり、データ「1」を送信するために負荷を高くすると、信号波形の振幅が大きくなる。したがって、波形検出回路28は、誘起電圧の信号波形のピークホールド処理などを行って、ピーク電圧がしきい値電圧を超えたか否かを判断することで、受電装置40からのデータが「0」なのか「1」なのかを判断できる。なお、波形検出の手法は、上述の手法に限定されない。例えば、受電側の負荷が高くなったか低くなったかを、ピーク電圧以外の物理量を用いて判断してもよい。
受電装置40(受電モジュール、2次モジュール)は、2次コイルL2、受電部42、負荷変調部46、給電制御部48、受電制御装置50を含むことができる。なお、受電装置40や受電制御装置50は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
受電部42は、2次コイルL2の交流の誘起電圧を直流電圧に変換する。この変換は受電部42が有する整流回路43により行われる。この整流回路43は、ダイオードDB1〜DB4を含む。ダイオードDB1は、2次コイルL2の一端のノードNB1と直流電圧VDCの生成ノードNB3との間に設けられ、DB2は、ノードNB3と2次コイルL2の他端のノードNB2との間に設けられ、DB3は、ノードNB2とVSSのノードNB4との間に設けられ、DB4は、ノードNB4とNB1との間に設けられる。
受電部42の抵抗RB1、RB2はノードNB1とNB4との間に設けられる。そしてノードNB1、NB4間の電圧を抵抗RB1、RB2により分圧することで得られた信号CCMPIが、受電制御装置50の周波数検出回路60に入力される。
受電部42のコンデンサCB1及び抵抗RB4、RB5は、直流電圧VDCのノードNB3とVSSのノードNB4との間に設けられる。そしてノードNB3、NB4間の電圧を抵抗RB4、RB5により分圧して得られる分圧電圧VD4は、信号線LP2を経由して、受電側制御回路52および位置検出回路56に入力される。位置検出回路56に関しては、その分圧電圧VD4が、位置検出のための信号入力(ADIN)となる。
負荷変調部46は、負荷変調処理を行う。具体的には、受電装置40から送電装置10に所望のデータを送信する場合に、送信データに応じて負荷変調部46(2次側)での負荷を可変に変化させ、1次コイルL1の誘起電圧の信号波形を変化させる。このために負荷変調部46は、ノードNB3、NB4の間に直列に設けられた抵抗RB3、トランジスタTB3(N型のCMOSトランジスタ)を含む。
このトランジスタTB3は、受電制御装置50の受電側制御回路52から信号線LP3を経由して与えられる制御信号P3Qによりオン・オフ制御される。通常送電が開始される前の認証ステージにおいて、トランジスタTB3をオン・オフ制御して負荷変調を行って送電装置に信号を送信する際には、給電制御部48のトランジスタTB2はオフにされ、負荷90が受電装置40に電気的に接続されない状態になる。
例えば、データ「0」を送信するために2次側を低負荷(インピーダンス大)にする場合には、信号P3QがLレベルになってトランジスタTB3がオフになる。これにより負荷変調部46の負荷はほぼ無限大(無負荷)になる。一方、データ「1」を送信するために2次側を高負荷(インピーダンス小)にする場合には、信号P3QがHレベルになってトランジスタTB3がオンになる。これにより負荷変調部46の負荷は、抵抗RB3(高負荷)になる。
給電制御部48は、負荷90への電力の給電を制御する。レギュレータ(LDO)49は、整流回路43での変換で得られた直流電圧VDCの電圧レベルを調整して、電源電圧VD5(例えば5V)を生成する。受電制御装置50は、例えばこの電源電圧VD5が供給されて動作する。
また、レギュレータ(LDO)49の入力端と出力端との間には、PMOSトランジスタ(M1)からなるスイッチ回路が設けられている。このスイッチ回路としてのPMOSトランジスタ(M1)をオンすることによって、レギュレータ(LDO)49をバイパスする経路が形成される。例えば、高負荷時(例えば、消耗が激しい2次電池の充電の初期においては、ほぼ一定の大電流を定常的に流すことが必要となり、このようなときが高負荷時に該当する)においては、レギュレータ49自体の等価インピーダンスによって電力ロスが増大し、発熱も増大することから、レギュレータを迂回して、バイパス経路を経由して電流を負荷に供給するようにする。
スイッチ回路としてのPMOSトランジスタ(M1)のオン/オフを制御するために、パイパス制御回路として機能するNMOSトランジスタ(M2)およびプルアップ抵抗R8が設けられている。
受電側制御回路52から、信号線LP4を介して、ハイレベルの制御信号がNMOSトランジスタ(M2)のゲートに与えられると、NMOSトランジスタ(M2)がオンする。すると、PMOSトランジスタ(M1)のゲートがローレベルになり、PMOSトランジスタ(M1)がオンしてレギュレータ(LDO)49をバイパスする経路が形成される。一方、NMOSトランジスタ(M2)がオフ状態のときは、PMOSトランジスタ(M1)のゲートは、プルアップ抵抗R8を介してハイレベルに維持されるため、PMOSトランジスタ(M1)はオフし、バイパス経路は形成されない。
NMOSトランジスタ(M2)のオン/オフは、受電制御装置50に含まれる受電側制御回路52によって制御される。
また、トランジスタTB2(P型のCMOSトランジスタ)は、電源電圧VD5の生成ノードNB5(レギュレター49の出力ノード)とノードNB6(受電装置40の電圧出力ノード)との間に設けられ、受電制御装置50の受電側制御回路52からの信号P1Qにより制御される。具体的には、トランジスタTB2は、ID認証が完了(確立)して通常の電力伝送(すなわち、通常送電)を行う場合にはオン状態となる。
なお、電源電圧生成ノードNB5とトランジスタTB2のゲートのノードNB8との間にはプルアップ抵抗RU2が設けられる。
受電制御装置50は、受電装置40の各種制御を行う装置であり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この受電制御装置50は、2次コイルL2の誘起電圧から生成される電源電圧VD5により動作することができる。また、受電制御装置50は、制御回路52(受電側)、位置検出回路56、発振回路58、周波数検出回路60、満充電検出回路62ならびに再充電監視回路64を含むことができる。
受電側制御回路52は、受電装置40や受電制御装置50の制御を行うものであり、例えば、ゲートアレイやマイクロコンピュータなどにより実現できる。この受電側制御回路52は、シリーズレギュレータ(LDO)49の出力端の定電圧(VD5)を電源として動作する。この電源電圧(VD5)は、電源供給線LP1を経由して、受電側制御回路52に与えられる。
この受電側制御回路52は、具体的には、ID認証、位置検出、周波数検出、満充電検出、再充電の要否判定、認証用の通信のための負荷変調、異物挿入検出を可能とするための通信のための負荷変調などに必要な各種のシーケンス制御や判定処理を行う。
位置検出回路56は、2次コイルL2の誘起電圧の波形に相当する信号ADINの波形を監視して、1次コイルL1と2次コイルL2の位置関係が適正であるかを判断する。
具体的には、信号ADINをコンパレータで2値に変換して、位置関係が適正であるか否かを判断する。
発振回路58は、例えばCR発振回路により構成され、2次側のクロックを生成する。周波数検出回路60は、信号CCMPIの周波数(f1、f2)を検出して、送電装置10からの送信データが「1」なのか「0」なのかを判断する。
満充電検出回路62(充電検出回路)は、負荷90のバッテリ94が、満充電状態(充電状態)になったか否かを検出する回路である。具体的には満充電検出回路62は、例えば、充電状態の表示に使用されるLEDRのオン・オフを検出することによって、満充電状態を検出する。すなわち、所定時間(例えば5秒)連続でLEDRが消灯した場合に、バッテリ94が満充電状態(充電完了)であると判断する。
また、負荷90は、バッテリ94の充電制御等を行う充電制御装置92を含む。充電制御装置92は、発光装置(LEDR)の点灯状態に基づいて満充電状態を検出することができる。この充電制御装置92(充電制御IC)は集積回路装置などにより実現できる。なお、バッテリ94自体に充電制御装置92の機能を持たせてもよい。なお、負荷90は、2次電池に限定されるものではない。例えば、所定の回路が動作することによって、その回路が負荷となる場合もあり得る。
また、満充電後、受電側機器510がクレードル500上に長時間、放置されると、放電によってバッテリ電圧VBATの電圧が低下する。再充電監視回路64は、バッテリ電圧VBATに基づいて再充電の要否を判定する。すなわち、再充電監視回路64は、例えば、バッテリ電圧VBATが閾値電圧を下回ると、再充電が必要と判定する。
(送電装置の動作の概要)
図4は、送電装置の動作の一例の概要を示すフロー図である。上述のとおり、本発明の送電装置10の送電側制御回路22は、自動的に受電側機器510の設置を検出し、さらに、満充電後の再充電管理も実行することができる。このように、送電装置10が自動的に一連の動作を実行する動作モードをオートモードと呼ぶ。
図4において太い点線で囲んで示されるように、オートモードの送電装置10の動作は、「設置検出および送電対象の確認(ステップSA)」と、「通常送電中における送電環境の確認(ステップSB)」と、「満充電検出(ステップSC)」と、「満充電後の監視(ステップSD)」と、に大別される。以下、順に説明する。
電源がオンされると(ステップS0)、設置検出および送電対象の確認(ステップSA)が実行される。このステップSAには、ステップS1〜ステップ4が含まれる。ステップS1およびステップS2によって、送電装置10は、所定周期(例えば、0.3秒)で自動的かつ間欠的に1次コイルL1を駆動して、間欠的な仮送電を実行する。次に、受電側機器510のセット位置が適正であるかを確認し(ステップS3)、受電側機器510(あるいは受電装置40)のID認証を実行して、適切な送電対象であるか否かを判定する(ステップS4)。
受電装置40が位置検出(ステップS3)に成功した場合は、所定時間内に、ID認証情報を送電装置10に送信する。送電装置10は、間欠的な仮送電のタイミングから所定時間内に受電装置からのID認証情報が返信されるか否かによって、受電側機器510の設置検出を行う。受電側機器510の設置が検出できない場合、またはID認証(ステップS4)に失敗する場合には(ステップS5)、仮送電を停止して、仮送電を間欠的に行う状態(初期状態)に戻る。
上述の位置検出(ステップS3)は、例えば、図2の受電装置40内の位置検出回路56が、2次コイル(L2)の誘起電圧を整流して得られる直流電圧(ADIN)に基づいて判定する。図12は、位置検出の原理を説明するための図である。図12に示すように、1次コイル(L1)と2次コイル(L2)の位置関係に応じて、ADINの電圧レベルが変化する。
例えば、受電側機器のセット位置が不適のときは、所定レベル(V3レベル)の直流電圧(ADIN)が得られないことから位置不適と判定され、その位置検出結果は、受電装置40から送電装置10に、例えば負荷変調を用いて伝達することができる。また、受電装置40が、仮送電を受けてから所定時間内にID認証情報を送電装置10に向けて送信しないことで、位置不適合を伝達するようにしてもよい。
図4に戻って説明を続ける。図4において、ID認証(ステップS4)に成功すると、通常送電が開始される(ステップS6)。通常送電中には、送電装置10において、金属異物検出(ステップS7)ならびに定期負荷変動検出による乗っ取り状態の検出が実行される(ステップS8,S9)。また、受電側機器510の取り去り(リーブ)検出も実行される(ステップS10)。金属異物、乗っ取り状態ならびに取り去りのいずれかが検出された場合(ステップS11)には、通常送電が停止され(ステップS12)、ステップS1(自動間欠動作を行うステップ)に戻る。
金属異物検出(ステップS7)ならびに取り去り検出(ステップS10)は、1次コイル(L1)の誘起電圧信号の波形変化に基づいて検出することができる。以下、具体的に説明する。
図13(A)〜図13(F)は、金属異物(導電性異物)検出の原理を説明するための図である。図13(B)〜図13(F)は各々、1次コイルと金属異物(導電性異物)METとの相対位置に応じて、図13(A)に示される1次コイルL1の誘起電圧信号(V(NA2))がどのように変化するかを示している。図示されるように、金属異物(MET)がまったく無い状態(図13(F))と、金属異物(MET)が存在する状態(図13(B)〜図13(E))とでは、V(NA2)の波形(振幅)は明らかに異なる。よって、1次コイル(L1)の誘起電圧信号V(NA2)の波形を波形モニタ回路14(図2参照)によってモニタすることによって、金属異物(MET)を検出することができる。なお、「波形をモニタする」ことには、振幅をモニタする場合の他、例えば、電流と電圧の位相をモニタする場合等も含まれる。
図14(A)〜図14(D)は、取り去り検出の原理を説明するための図である。図14(A)に示すように、受電側機器510がセットされているときは、1次コイル(L1)の誘起電圧信号V(NA2)の波形は、図14(B)に示すようになる。一方、図14(C)に示すように、受電側機器510が取り去られたとき(リーブ時)には、1次コイル(L1)の誘起電圧信号V(NA2)の波形は、図14(D)に示すようになり、その波形(振幅)は明らかに、図14(B)の波形とは区別される。よって、1次コイル(L1)の誘起電圧信号V(NA2)の波形を波形モニタ回路14(図2参照)によってモニタすることによって、取り去り(リーブ)を検出することができる。
なお、乗っ取り状態の検出(図4のステップS9)は、受電側の間欠的(例えば定期的)な負荷変調信号を、送電側で検出できるか否かによって検出することができる(この点は、後述する)。
図4に戻って説明を続ける。図4において、送電装置10の送電側制御回路22は、受電装置40から送られてくる、バッテリの満充電を示す満充電通知を検出すると(ステップS13)、通常送電をオフして(ステップS14)、必要に応じて満受電後の監視ステップ(ステップSD)に移行する。
なお、バッテリ94の満充電は、図2の受電装置40に含まれる満充電検出回路62が検出する。満充電が検出されると、受電装置40に含まれる受電側制御回路52が満充電通知を送電装置10に向けて送信する。送電装置10の送電側制御回路22は、受電装置40からの満充電通知を検出すると、上述のとおり、満受電後の監視ステップ(ステップSD)を実行する。
満充電後の監視ステップ(ステップSD)は、満充電後の取り去り検出用の、周期T10の間欠送電を実行するステップ(ステップS15)ならびに取り去り検出ステップ(ステップS16)と、再充電要否検出用の、周期T20の間欠送電を実行するステップ(ステップS17)ならびに再充電要求検出ステップ(ステップS18)と、を含む。これによって、受電側機器510の負荷(バッテリ)94が満充電になった後、さらに、負荷状態を監視して再充電の再開も自動的に行うことができる。
すなわち、満充電になった後も受電側機器510がセットされたままである場合、時間が経過すれば、負荷(バッテリ)94が放電して再充電が必要になることがある。そこで、満充電が検出された後、通常送電に代えて適切な周期の間欠的な送電を実行し、負荷の再充電の要否判定も自動的に行い、再充電が必要になれば、通常送電(ステップS6)を再開するものである。これによって、負荷(バッテリ)94の再充電が自動的に実行される。したがって、満充電後に受電側機器510が長時間、放置された場合でも、ユーザが受電側機器510を使用する時点では、負荷(バッテリ)94は常に満充電の状態である。よって、せっかく充電したのに、その後の放電によって、結果的に不十分な充電状態になってしまうという不都合が生じず、よって、ユーザの期待を裏切ることがない。
但し、満充電後に、受電側機器が取り去られた場合には、再充電の管理は不要である。よって、再充電の管理用の間欠送電(ステップS15)とは別に、満充電後の取り去り検出のための間欠送電を実行する。取り去り検出用の間欠送電を受けた受電側機器510からの応答がなければ、受電側機器510は取り去られたと判定することができる。取り去りが検出されると、送電装置10に含まれる送電側制御回路22は、初期状態(間欠的な仮送電を行う状態)に復帰する。また、取り去り検出用の間欠送電ならびに再充電管理のための間欠送電は、それほど頻繁に行う必要はなく、かつ、消費電力を無駄に増大させないように、適切な周期で行うのが望ましい。よって、取り去り検出用の間欠送電は第1の周期T10で行い、再充電の管理のための間欠送電は第2の周期T20で行う。
第1の周期T10および第2の周期T20として両者を区別するのは、各々の目的に合わせて周期を最適化するのが望ましいからである。但し、第1の周期T10と第2の周期T20は同一であってもよい。なお、上述の「満充電」の意味は、例えば「受電装置40側の負荷の状態が所定の状態である」というふうに広義に解釈することができる。よって、負荷はバッテリに限定されるものではない。例えば、受電側機器510の所定の回路が負荷となる場合もあり得る。すなわち、例えば、「送電装置からの送電を受けて所定の回路が動作した後、その所定の回路が動作不要となった状態」は、「負荷が満充電になった場合」に相当し、このような場合も本態様の技術的範囲に含まれる。
また、間欠的な仮送電の周期(図4のステップS1における自動間欠動作の周期)は、受電側機器510の設置をすばやく検出することの重要性から、かなり短い周期(例えば、0.3秒の周期)で行うのが望ましい。これに対して、満充電後の取り去り検出は、仮送電の周期よりも長くても特に問題はなく、頻繁に取り去り検出を行えば、無駄な電力消費が増大する。よって、満充電後の取り去り検出の第1の周期T10は、仮送電の周期よりも長い周期(例えば、5秒の周期)に設定して消費電力の増大を抑制する。また、満充電後の再充電の要否検出の頻度は、さらに少なくてもよいため(満充電のバッテリが放電して再充電が必要になるまでにはかなりの時間がかかり、また、再充電の要否判定が少々、遅延したとしても実用上、何ら問題は生じないため)、満充電検出のための第2の周期T20は、第1の周期T10よりも長く設定する(例えば、10分の周期に設定する)。これによって、各々の目的に応じた周期で間欠的な送電を行うことができ、消費電力を最小限に抑制することができる。
(送電側制御回路の構成の一例)
図5は、送電側制御回路の構成の一例を示す回路図である。図示されるように、送電側制御回路22は、ロジック回路100を有する。ロジック回路100は、位置検出部106と、ID認証部108と、取り去り検出部110と、異物検出部112(乗っ取り状態検出部114を含む)と、満充電通知(送電停止要求)検出部116と、再充電要求検出部117と、時間を管理するためのタイマ119と、各部の検出結果に基づいて、送電(仮送電および通常送電)のオン/オフを制御する送電制御部118と、を有する。送電制御部118には、満充電後の間欠送電制御部121が含まれる。
(オートモードの無接点電力伝送システムの基本シーケンス例)
図6は、オートモードの無接点電力伝送システムの基本シーケンス例を示す図である。ユーザは、受電側機器510を、例えば、充電台500の所定位置にセットする。上述のとおり、送電装置10は自動間欠動作を行い、間欠的な仮送電を常時、実行している(ステップS19,S20)。仮送電を受けた受電側機器510の位置検出が実行され(ステップS21)、位置が不適ならば仮送電が停止される(ステップS22)。
受電側機器510のセット位置が適切ならば、ID認証が実行される(ステップS23)。すなわち、ID認証情報(メーカ情報、機器ID番号、定格情報等)が受電装置40ら送電装置10に送信される。
ID認証後に成功すると、送電装置10は、受電装置40に対して通常送電を開始する(ステップS26)。通常送電期間中においては、上述のとおり、取り去り検出(ステップS29),金属異物検出(ステップS30),2次側の定期負荷認証(必要に応じた2次側負荷軽減処理を含む:ステップS31)、乗っ取り状態検出(ステップS32)が実行され、いずれかが検出されたときには、通常送電が停止される(ステップS33)。なお、2次側における定期負荷認証に伴う負荷軽減とは、負荷(バッテリ等)が重い状態で負荷変調をしても、1次側でその変調信号をうまく受信できない場合があるため、負荷変調をするときに負荷への給電を絞り(あるいは停止させ)、負荷の負荷状態を見かけ上、強制的に軽減させる処理のことである(この点については、図19を用いて後述する)。
図6において、受電装置40は、満充電を検出すると満充電通知(セーブフレーム:送電停止要求フレーム)を作成して送電装置10に送信する(ステップS34)。送電装置10は、満充電通知(送電停止要求フレーム)を検出すると(ステップS35)、通常送電をオフし(ステップS36)、その代わりに、満充電後の間欠的な送電を実行する(ステップS37)。間欠的な再充電要否判定が実行され(ステップS38)、再充電要ならば通常送電(ステップS26)が再開される。また、満充電後における受電側機器510の取り去り検出が実行され(ステップS39)、取り去りが検出されると、初期状態に戻る。
図7は、図6のシーケンスを実行する無接点電力伝送システムの状態遷移を示す状態遷移図である。図示されるように、システムの状態は、初期状態(アイドル状態:ST1),位置検出状態(ST2)、ID認証状態(ST3),送電(通常送電)状態(ST4)、定期負荷認証状態(ST5)(ならびに負荷軽減状態ST6)、満受電後の間欠送電の状態(ST7)に大別される。
自動間欠動作による受電側機器の設置検出(Q1)によってST1からST2に遷移し、位置検出NGのときに、ST1に戻る(Q2)。位置検出OKならばST3に遷移する。ID認証OKならば(Q6)、通常送電状態(ST4)に遷移する。
通常送電状態ST4では、取り去り検出(Q12),金属検出(Q10),乗っ取り状態検出(Q17),満充電検出(Q14)が実行される。Q10,Q12,Q17のいずれかが検出されると、初期状態に復帰する(Q9,Q11,Q13)。また、満充電(Q14)が検出されると、間欠送電状態ST7に移行する(Q15)。間欠送電状態ST7では、再充電要否検出Q18ならびに取り去り検出Q16が実行される。取り去りが検出されると、初期状態に戻る(Q20)。また、再充電要の場合は、通常送電が再開される(Q19)。
図6および図7の基本シーケンスを実行する無接点電力伝送システムは、送電対象である受電側機器の設置を自動的に検出することができる。よって、ユーザが動作スイッチを操作する等の手間が一切、不要であり、使い勝手のよい無接点電力伝送システムが実現される。また、ID認証を通常送電の条件とすることによって、不適切な機器に送電が行われることがなく、信頼性および安全性が向上する。また、通常送電中において、各種の検出動作(取り去り検出,金属異物検出,2次側の定期負荷認証に基づく乗っ取り状態検出、満充電検出))が実行され、いずれかが検出されたときには、通常送電が速やかに停止されて初期状態に戻るため、不必要な送電は一切、生じず、異物に対しても万全の対策が施されることになるため、極めて高い信頼性(安全性)をもつシステムが実現される。さらに、満充電(広義には負荷が所定の状態となったこと)を検出すると、満充電後の負荷状態の監視のための間欠送電(具体的には、例えば、取り去り検出用間欠送電ならびに再充電要否判定用の間欠送電)を実行することによって、満充電後においても、受電側機器を最適な状態に保つための動作が継続される。よって、ユーザの満足度はさらに向上する。
図8および図9は、図6の基本シーケンスを実行する無接点電力伝送システムの動作例を示すフロー図である。図8および図9において、左側には送電側(1次側)の動作フローが示され、右側に受電側(2次側)の動作フローが示される。
図8に示されるように、送電側制御回路22は自動間欠動作を実行する(ステップS40)。すなわち、所定の時間間隔で送電側から仮送電が開始され(例えば伝送周波数はf1である:ステップS41)、タイマによるカウントが開始される(ステップS42)。
受電側では、仮送電を受けると、停止状態(ステップS60)からパワーオン状態に移行し(ステップS61)、位置レベルの判定(位置検出)が実行される。位置レベルNGならば、初期状態(ステップS60)に戻り、OKならば、ID認証フレームの生成(ステップS63)、ID認証フレームの送信(ステップS64)が実行される。
送電側では、ID認証フレームの受信処理(ステップS44)ならびにタイムアウト判定(ステップS43)を行い、ID認証フレームを所定時間内に受信できない場合には、仮送電を停止し(ステップS51)、初期状態に戻る。
一方、ID認証フレームを所定時間内に受信できた場合には、フレーム認証処理を実行し(ステップS45)、認証OKならば許諾フレームを受電側に送信し(ステップS47)、認証NGの場合には仮送電を停止し(ステップS51)、初期状態に戻る。
受電装置40は、送電装置10からの許諾フレームを検証し(ステップS65)、スタートフレームを送電装置10に送信する(ステップS66)。
送電装置10では、スタートフレームを検証し(ステップS48)、定期負荷変動(乗っ取り状態検出用)の検出をオンさせ(ステップS49)、通常送電を開始する(ステップS50)。受電装置40では、通常送電を受けて、負荷(例えばバッテリ)の充電を開始する(ステップS67)。
続いて、図9を用いて、その後のフローを説明する。送電装置10では、取り去り、金属異物、乗っ取り状態の各々の検出を実行しつつ(ステップS70)、受電装置40からの満充電通知(送電停止要求)を待つ(ステップS71)。
受電装置40では、負荷の充電を行いつつ、乗っ取り検出のための定期負荷変調を実行し(ステップS80)、また、負荷の満充電を検出する(ステップS81)。すなわち、満充電検出回路62は、発光ダイオードLEDRの消灯が所定時間(例えば、5秒)以上継続してオフのとき、満充電と判定する。満充電が検出されると、受電装置40は、送電装置10に、満充電通知フレーム(セーブフレーム:送電停止要求)を送信する(ステップS82)。
送電装置10では、受電装置40からの満充電通知フレーム(セーブフレーム:送電停止要求)を受信すると、定期負荷変動検出をオフして(ステップS72)、送電を停止する(ステップS73)。
(第2の実施形態)
本実施形態では、乗っ取り状態の検出(乗っ取り発熱対策)について具体的に説明する。「乗っ取り状態」は、異物挿入の特殊な形態と位置付けられるものであり、「異物を受電側機器と誤認して通常送電が継続される状態」のことである。例えば、薄い金属板が1次コイルと2次コイル間を完全に遮断するように挿入された場合、送電側から見れば、相当程度の負荷が常に存在することになり、例えば、取り去り検出が困難となる。
(乗っ取り発熱対策)
まず、「乗っ取り状態」について具体的に説明する。受電装置(あるいは受電側機器)の認証が完了して通常送電が開始された後に、1次コイルL1と2次コイルL2との間に、例えば大面積の異物が挿入される場合があり得る。図13を用いて説明したように、金属異物の存在は、1次コイル(L1)の誘起電圧を監視することによって検出することができる。
但し、図15(B)に示すように、送電側機器と受電側機器との間に、1次コイルL1と2次コイルL2を遮断するような金属異物(例えば、薄い金属板)が挿入された場合、1次側からの送電エネルギは、その金属異物で消費される(つまり、その金属異物が負荷となる)ことから、送電装置10からみると、負荷(受電側機器)が常に存在しているようにみえる。よって、例えば、受電側機器が取り去られても、図14を用いて説明したような1次コイルL1の誘起電圧に基づく取り去り検出ができない場合が生じ得る。この場合には、受電側機器がないにもかかわらず、送電装置10からの送電が継続され、金属異物が高温度に達してしまう。
このように、金属異物が、本来の受電側機器510に取って代わってしまう現象を、本明細書では「乗っ取り」ということにする。無接点電力伝送システムの安全性、信頼性を実用レベルにまで高めるためには、このような「乗っ取り発熱」に対しても十分な対策を施す必要がある。異物が挿入される場合としては、偶発的に生じる場合と、悪意をもってなされる場合とが想定される。乗っ取りを生じさせるような異物が挿入されると、発熱が生じて、火傷、機器の損傷や破壊の危険性が生じるため、無接点電力伝送システムでは、異物挿入に対する安全対策の徹底が求められる。以下、乗っ取り発熱対策について、具体的に説明する。
図15(A),図15(B)は、通常送電開始後の異物挿入(乗っ取り状態)について説明するための、無接点電力伝送システムを構成する電子機器の断面図である。
図15(A)では、クレードル500(送電装置10を備える電子機器)上の所定位置に、携帯電話端末510(受電装置40を備える電子機器)がセットされており、この状態で、1次コイルL1と2次コイルL2を経由して、クレードル(充電台)500から携帯電話端末510に無接点電力伝送がなされ、携帯電話端末510に内蔵される2次電池(例えば電池パック)94の充電が行われている。
図15(B)では、通常送電時において、悪意により、クレードル(充電台)500と携帯電話端末510との間に、薄い板状の金属の異物(導電性の異物)ARが差し込まれる。異物ARが挿入されると、1次側の機器(クレードル500)から2次側の機器(携帯電話端末510)に供給される電力のほとんどは、異物(AR)において消費され(すなわち、送電電力の乗っ取りが生じ)、異物ARが発熱する危険性が高くなる。そこで、図15(B)のような状態となったときには、1次側の機器(クレードル500)に含まれる送電装置10が異物ARの挿入を検出して、通常送電をただちに停止する必要がある。
しかし、図13を用いて説明したような金属異物の検出方法では、図15(B)のような乗っ取り状態を十分に把握することはむずかしい。
例えば、受電装置側の負荷が大きいときは、1次コイルL1に誘起される電圧の振幅が増大し、受電装置側の負荷が小さくなれば、1次コイルL1に誘起される電圧の振幅は小さくなる。携帯電話端末510の2次電池94が正常に充電されれば、時間経過と共に、受電装置40側の負荷は徐々に減少していくはずである。ここで、突然、受電装置40側の負荷が増大したとすると、送電装置10は、受電装置40側の負荷変動を監視しているため、負荷が急に増大したことは検知できる。しかし、その負荷の増大が、負荷(携帯電話端末の2次電池94)に起因して生じたものなのか、携帯電話端末510とクレードル500との間の位置ずれに起因するものなのか、あるいは、異物挿入に起因するものなのかを判定することができない。よって、送電装置10が、単に、受電装置40側の負荷変動を検出するという手法では、異物挿入を検出することができない。
そこで、本実施形態では、通常送電中において、負荷(2次電池等)への電力供給を継続させつつ、受電装置40が、送電装置10からみた負荷を間欠的に意図的に変化させ(定期負荷変調動作)、送電装置10に対して情報を発信する。
この間欠的な負荷変化による情報を、送電装置10が所定タイミングで検出できた場合には、以下のことが証明される。
(1)受電装置40側の機器(携帯電話機510)が送電装置10側の機器(クレードル500)上に正確にセットされている。
(2)受電装置40側の機器(携帯電話端末510の2次電池を含む)は正常に動作している。
(3)異物ARが挿入されていない。
一方、通常送電時において異物ARが挿入されると、受電装置40から発信される情報は、その異物ARに阻害されて送電装置10に到達しなくなる。すなわち、送電装置10では、受電装置側の間欠的な負荷変化(例えば、定期的な負荷変化)を検出することができなくなる。上述の(1)〜(3)が確認された後に、間欠的な負荷変化が検出されなくなることの要因としては、上述の(3)の要因が最も疑われる。つまり、異物ARが挿入されたために、間欠的な負荷変化を検出できなくなったと判定することが可能である。
図16(A),図16(B)は、異物挿入を検出可能とするために、受電装置側の負荷を間欠的に変化させる場合の具体的な態様を説明するための図である。
図16(A)では、受電装置側の負荷の間欠的な変化の様子を、2次電流(2次コイルL2に流れる電流)の変化によって表している。図示されるように、時刻t1、t2、t3、t4、t5・・・において、間欠的に受電装置側の負荷が変化している。
具体的には、図16(A)では、周期T3で負荷が変化している。また、例えば時刻t1を起点とした期間T2では、負荷が軽くなり、その後の期間T1では負荷が重くなる。このような周期的な変化が、周期T3で繰り返される。
図16(B)は、2次負荷電流の変化に対する1次コイル電圧(一次コイルの一端の誘起電圧)の変化を示している。上述のとおり、期間T1は2次側の負荷が重く、期間T2では負荷が軽い。この2次側の負荷の変化に応じて、1次コイル(L1)の一端の誘起電圧(1次コイル電圧)の振幅(ピーク値)が変化する。すなわち、負荷が重い期間T1では振幅が大きく、負荷が軽い期間T2では振幅が小さくなる。したがって、送電装置10では、波形検出回路28(図2参照)によって、例えば、1次コイル電圧のピーク検出を行うことによって、受電装置40側の負荷変動を検出することができる。但し、負荷変動の検出方法はこの方法に限定されるものではなく、例えば、1次コイル電圧や1次コイル電流の位相を検出してもよい。
負荷変調は、例えば、トランジスタのスイッチングによって簡単に行うことができ、また、1次コイルのピーク電圧の検出等は、アナログやデジタルの基本的な回路を用いて精度良く行うことができ、機器への負担が少なく、実現が容易である。また、実装面積の抑制やコスト面でも有利である。
このように、通常送電時において、受電装置40が、間欠的(かつ周期的)な負荷変調による情報発信を行い、送電装置10がその負荷変動を検出するという新規な方式を採用することによって、特別な構成を付加することなく、簡単な方法でもって異物挿入を高精度に検出することができる。
(異物挿入検出の具体例)
図17は、図2に示される無接点電力伝送システムの中から、異物挿入(乗っ取り状態)の検出に関係する主要な構成を抜き出して示す回路図である。図17において、図2と共通する部分には同じ参照符号を付してある。また、図17において、異物挿入検出において重要な役割を果たす部分は太線で示している。
図17に示される受電装置40において注目すべき回路構成は、負荷変調部46(図2参照)を構成する負荷変調用トランジスタTB3、給電制御部48(図2参照)を構成する給電制御トランジスタTB2、両トランジスタ(TB2,TB3)のオン/オフを制御する受電制御回路52である。また、シリーズレギュレータ(LDO)49の入力端および出力端の電圧が、信号線LP2およびLP1を経由して受電制御回路52に入力されており、LDO49の両端電圧を監視することによって、負荷90に含まれるバッテリ(2次電池)94の負荷状態(負荷の軽重)を検出できるようになっている点も重要である。
また、送電装置10(図2参照)では、送電制御装置20の構成である。すなわち、波形検出回路28によって1次コイル(L1)の誘起電圧のピーク値(振幅)が検出される点、送電制御回路22によって受電装置40側の負荷変動が検出される点は重要である。
図17において、受電装置40は、通常送電(認証後の連続送電)中に負荷変調を行い、送電装置10に対して、異物検出用パターンPT1を送信し、送電装置10の送電側制御回路22は、通常送電中に受電装置40側の負荷変化を監視し(連続的監視でも間欠的監視でもよい)、その異物検出パターンPT1が受信できくなったときに、異物ARが挿入されたと判定して、通常送電を停止する。
(異物検出パターンPT1の具体的な態様)
図18(A),図18(B)は異物検出を可能とするための負荷変調の好適かつ具体的な態様を説明するための図であり、(A)は負荷変調のタイミング例を示す図であり、(B)は送電装置によって検出される受電装置側の負荷変動の様子を具体的に示す図である。
図18(A)に示されるように、異物検出を可能とするための負荷変調は、例えば、5秒(10sec)周期で周期的(定期的)に行われる。
また、時刻t1〜t6および時刻t7〜t12が、異物検出を可能とするための負荷変調が実行される期間である。時刻t1〜t6まで(時刻t7〜t12まで)が0.5秒(0.5sec)であり、0.5秒を5等分した0.1秒(100msec)を単位として、負荷の軽重が切換えられる。
図18(A)において、太線の双方の矢印で示される期間は負荷が重い期間である。すなわち、時刻t1〜t2,時刻t3〜t4,時刻t5〜t6,時刻t7〜t8,時刻t9〜t10,時刻t11〜時刻t12の各期間において負荷が重くなる。負荷が重くなる期間がTAである。
一方、時刻t2〜t3,時刻t4〜t5,時刻t8〜t9,時刻t10〜t11の各期間において負荷が軽くなる。負荷が軽くなる期間がTBである。
図18(A)では、明らかなように、通常送電中における受電装置側の負荷の間欠的な変化が周期的(すなわち1周期毎)に実行され、かつ、1周期内において、負荷が、所定間隔で複数回、間欠的に変化する。
周期的な負荷変化とすることによって、送電装置10と受電装置40とが同期を確保しつつ負荷変化による情報の授受を行うことができる(すなわち、送電装置10側で、受電装置40側の負荷が変化するタイミングを容易に知ることができる)。
また、図18(A)では、1周期内(例えば時刻t1〜t7)のうちの部分的な期間(時刻t1〜t6)においてのみ、負荷を所定間隔で複数回、間欠的に変化させている。つまり、1周期(10sec)の前半の初期期間(最初の0.5sec)に、負荷変調を集中的に行う。このような形式の負荷変調を行う理由は、以下のとおりである。
すなわち、通常送電中における負荷変化(負荷変調)は、負荷(図17のバッテリ94)への電力供給に影響を与えることがあるため、あまり頻繁に行うのは好ましくない。よって、例えば、負荷変調の1周期をある程度、長くする(このように、周期を少々長くとっても異物検出の点では何も問題はない)。
そして、その1周期の中の部分的な期間においてのみ、所定間隔で複数回、間欠的に負荷を変化させる。部分的な期間に限定するのは、負荷変化の間隔が大きく開いてしまうと、時間経過に伴って負荷の負荷状況が変わったり、周囲の条件が変わったりして、結果的に、送電装置による、受電装置側における間欠的な負荷変化の検出に好ましくない影響を与えることがあることを考慮したものである。つまり、例えば、1周期を長くとっておき(図18(A)では10sec)、そしてその長い1周期内の、部分的な短い期間(図18(A)では0.5sec)において集中的に、複数回(図18(A)では5回)の間欠的な負荷変調を行う。
このような形式の負荷変調を実行することによって、負荷(バッテリ94)への電力供給(例えば、電池パックの充電)に与える影響を最小限に抑えつつ、送電装置10側における高い異物(AR)の検出精度を実現することができる。
図18(B)は、送電装置からみた受電装置側の負荷に対応した、送電装置10における1次コイル(L1)の一端の誘起電圧の振幅変化の一例を示している。但し、図18(B)では、前半の1周期における負荷変調期(t1〜t6)と、後半の1周期における負荷変調期(t7〜t12)では、負荷(バッテリ94)の負荷状態が変化しており、後半の周期において負荷(バッテリ94)の負荷状態は重くなり、これによって、1次コイル電圧のピーク値が増大する。
図18(B)の時刻t1〜t6において、負荷が重くなる期間TAにおける1次コイル電圧と、負荷が軽くなる期間TBにおける1次コイル電圧との差はΔV1である。この1次コイル電圧の振幅差ΔV1から、送電装置10の送電側制御回路22は、受電装置40側の負荷変化を検出することが可能である。
しかし、後半の負荷変調期間(時刻t7〜t12)では、負荷(バッテリ94)の負荷状態が重くなり、負荷94の充電電流(Iload)が増大しているため、充電電流(Iload)に対する負荷変調に伴う変調電流(Imod)の割合が小さくなり、変調電流(Imod)のオン/オフによる1次コイル電圧の差分はΔV2(ΔV2<ΔV1)に縮小してしまう。つまり、変調電流(Imod)が負荷(バッテリ94)の充電電流(Iload)に埋没してしまう形となる。したがって、負荷(バッテリ94)が重いときは、軽いときに比べて、送電装置10側における負荷変化の検出が難しくなるのは否めない。そこで、本実施形態では、負荷(バッテリ94)への電力供給を強制的に減少させて負荷(バッテリ94)の負荷状態を軽減し、1次側にて、負荷変調による負荷変化を検出し易くする。以下、負荷の軽減措置について説明する。
(負荷を強制的に軽減する措置)
本発明では、通常送電中において、負荷94への送電を停止することなく負荷変調を行うため、その負荷変調による送電装置10側への信号の送信は、常に、負荷94への給電状況(つまり、負荷の負荷状態)による影響を受ける。
上述のとおり、負荷94(電池パック等)に大量の充電電流を供給しているときに、負荷変調のために小さな電流をオン/オフしても、そのオン/オフ電流(Imod)の電流量は、負荷(バッテリ94)の充電電流(Iload)の電流量に比べて小さいために、送電装置10側では、負荷変調による負荷変化の様子を検出することがむずかしくなる(つまり、ノイズなのか負荷変調による信号なのかの検出がしにくくなる)のは否めない。一方、負荷94に供給する電流が少ないとき(負荷が軽いとき)は、負荷変調によるオン/オフ電流(Imod)の相対的な割合が増えて、送電装置10からは、そのオン/オフによる負荷変化を把握し易くなる。
このような考察に基づいて、本実施形態では、通常送電中において、受電装置40自身が負荷94の負荷状態を監視し、異物検出を可能とするための負荷変調を行うときに、負荷94が重いとき(つまり、電流を大量に負荷94に供給している)ときは、負荷94への電力供給を強制的に低下させる措置を取る。なお、電力供給を低下させることには、電力供給を一時的(あるいは間欠的)に停止させることが含まれる。
負荷94への電力供給を絞ると、その負荷94の負荷状態が見かけ上、軽減されたことになり、送電装置10側では、負荷変調による信号を検出し易くなり、したがって、負荷94が重い状態のときでも、異物検出精度は所望のレベルに維持される。また、強制的な負荷94の軽減を行った場合でも、負荷94には、少なくとも、必要な最小限の電力は常に与えられており、負荷94側の電子回路(充電制御装置92)が動作できなくなるといった問題は生じない。
また、異物挿入を検出可能とするための負荷変調は、上述のとおり間欠的に行われ、かつ、その負荷変調は、負荷94への電力供給に与える影響を考慮して適切な間隔で実行されるものであり、強制的な負荷軽減が行われたからといって、負荷94への電力伝送に特段の悪影響は生じない。例えば、電池パックの充電時間が極端に長くなるような弊害は決して生じない。
このように、受電装置40側で負荷94の状態を監視し、異物挿入を検出可能とするための負荷変調時に、必要ならば負荷94の負荷状態の強制的な軽減も併せて実行することによって、負荷94が重いときであっても、送電装置10側における負荷変化の検出精度を所望レベルに維持することができる。
図19(A)〜図19(E)は、負荷の軽減動作を説明するための図である。具体的には図19(A)は負荷が軽い状態を示す図であり、(B)は、負荷が重い状態を示す図であり、(C)は、(B)に示される状態における1次コイル電圧の変化の様子を示す図であり、(D)は、給電制御トランジスタを連続的にオン/オフさせたり、半オン状態させたりして負荷の軽減を行っている状態を示す図であり、(E)は、(D)に示される状態における1次コイル電圧の変化の様子を示す図である。
図19(A)の場合は、負荷(バッテリ)94が軽い(つまり、負荷の充電電流Iloadは小さい)ため、受電装置40側で、負荷の軽減動作を行わなくても、送電装置10側にて、負荷変調による負荷変化を十分に検出することができる。よって、給電制御トランジスタTB2は、常にオン状態である。負荷変調トランジスタTB3は間欠的にオン/オフされ、これによって、負荷変調が実行される。
図19(B)では、負荷(バッテリ)94が重い(つまり、負荷の充電電流Iloadは大きい)ため、変調電流(Imod)のオン/オフによる電流変化が見えにくくなる。図19(C)に示すように、負荷が軽い状態から重い状態に変化すると、1次コイル電圧の振幅の変化分がΔV1からΔV2に縮小し、負荷変調による負荷変化を検出しづらくなる。
そこで、図19(D)では、負荷変調の際に、併せて負荷の軽減動作も行う。すなわち、図19(D)では、給電制御トランジスタTB2を連続的にオン/オフする、あるいは、半オン状態とするという動作を実行する。
すなわち、給電経路に介在する給電制御トランジスタTB2を連続的にオン/オフさせ、電力供給を間欠的に行うというデジタル的な手法によって、負荷94への電力供給を強制的に絞ること(一時的に電力供給を停止することを含む)ができる。トランジスタを連続的にスイッチングさせることは、デジタル回路では通常行われる動作であり、実現が容易である。また、スイッチング周波数を選択することによって、負荷への給電電力をどの程度、削減するのかを精度良く制御することができるという利点がある。
また、アナログ的な手法を採用し、給電制御トランジスタ(PMOSトランジスタ)のゲートに、完全オン時の電圧と完全オフ時の電圧の中間の電圧を供給し、そのPMOSトランジスタを、例えば、いわゆる半オン状態とすることによっても、負荷94に供給する電力を絞ることができる。ゲート電圧を制御することによって、給電制御トランジスタ(PMOSトランジスタ)のオン抵抗を微調整することができるという利点がある。
図19(E)において、負荷の強制的な軽減によって、負荷が重い状態の1次コイル電圧の振幅は、V10からV20に変化する。図中、“X”は、負荷94の強制的な軽減量を示している。負荷94の強制的な軽減によって、1次コイル電圧の振幅の変化分は、ΔV2(図19(C)参照)からΔV3(ΔV3>ΔV2)に拡大し、送電装置10では、負荷変調による受電装置40側の負荷変化を検出し易くなる。
このように、負荷変調と共に、負荷軽減動作(負荷電流を一時的に停止する動作を含む)を併せて実行することによって、負荷が重いときでも、送電装置側で負荷変化を確実に検出することが可能となる。
(送電装置の具体的動作)
ここでは、図17の送電制御装置20の具体的な動作について説明する。先に説明したように、送電制御装置20に含まれる送電側制御回路22の定期負荷変動検出部14(図5参照)は、通常送電時において、受電装置40側の負荷の間欠的な変化を検出できないときに、1次コイル(L1)と2次コイル(L2)との間に異物(AR)が挿入されたもの判断して、送電を停止する。これによって、異物(AR)における発熱、やけど、あるいは機器損傷や破壊が確実に防止される。よって、無接点電力伝送システムにおいて、信頼性の高い異物挿入対策が実現される。
また、異物挿入の有無の判定には慎重を期す必要があるため、送電側制御回路22は、複数の周期の各々毎に負荷の変化を検出し、所定数の周期にわたって連続して負荷変化を検出できないときに、1次コイルと2次コイルの間に異物が挿入されたと判断するのが好ましい。
例えば、複数の周期の各々毎に、受電装置側の負荷の変化を検出し、所定数の周期(例えば3周期)にわたって連続して負荷変化を検出できないときに、通常送電を停止する。これによって、異物挿入の検出精度が高まり、例えば、偶発的な要因によって負荷変化が検出できなかったときに、誤って通常送電を停止するといった事態が生じない。
なお、送電装置10からみた受電装置40側の負荷の変化は、1次コイル(L1)の誘起電圧の波形を検出することによって検出でき、この波形検出は、波形検出回路22によって行うことができる。
上述のとおり、1次コイル(L1)の誘起電圧の波形のピーク値(振幅)は、受電装置40側の負荷が重いときは増大し、低いときは減少するため、波形のピーク検出によって受電装置40側の負荷変化を検出することができる。但し、この検出方法に限定されるものではなく、他の方法、例えば、1次コイルの誘起電圧や電流の位相を検出する方法を採用することもできる。
このように、本実施形態によれば、定期負荷認証による異物挿入(乗っ取り)検出を行う機能をもった、新規な送電装置10が実現される。本実施形態によれば、部品点数を抑制しつつ、簡単な信号処理によって、1次コイルと2次コイルとの間への異物の挿入を高精度に検出することを可能とし、無接点電力伝送における高信頼度の安全対策を実現することができる。
また、定期負荷認証による送電停止機能は、乗っ取り検出だけではなく、不適切な送電を強制停止する最後の砦ともなり得るものである。例えば、何らかの理由で、受電側機器の取り去り検出が有効に働かなかった場合や、受電側機器に破損や故障が生じて定期負荷変調ができなくなった場合等においても、送電側機器からの送電は確実に停止される。よって、定期負荷認証機能をもつことによって、無接点電力伝送システムの安全性、信頼性は著しく向上する。
(第3の実施形態)
本実施形態では、満充電後の再充電について説明する。満充電後において、例えば、受電側機器としての携帯電話端末が充電台(クレードル)上に、長時間、置かれたままにされると、バッテリの放電によって電圧が低下し、バッテリが、再充電が必要な状態になる場合がある。したがって、本実施形態では、満充電後において、送電装置が再充電の必要性を自動的に検出できるようにする。
(満充電後の再充電)
図10(A)および図10(B)は、無接点電力伝送システムにおける、満充電後の再充電管理のための一連の動作手順を示すシーケンス図である。なお、図10(B)の手順は、図10(A)の手順の後に実行される。
バッテリ94(図2参照)が満充電状態になると、満充電後の待機モードに移行する。この満充電後待機モードでは、送電装置10は受電装置40を間欠的に送電し、その際に満充電後待機モードである旨を受電装置40に送信する。受電装置40は、満充電後待機モードであることを受信すると、バッテリ電圧VBATを確認する。そしてバッテリ電圧VBATが再充電電圧(例えば3.9V)以下である場合には、再充電が必要な状態であると判断し、送電装置10に再充電コマンドを送信する。これによって、送電装置10は、受電装置40への通常送電を再開する。これによって、バッテリ94の再充電が開始される。この際に満充電後待機モードは解除する。一方、バッテリ電圧VBATが再充電電圧よりも大きい場合には、満充電後待機モードが継続される。以下、具体的に説明する。
図2の送電側制御回路22は、負荷が有するバッテリ94が満充電状態になったことが検出された場合に、受電装置40に対する通常送電を停止して間欠送電を行う。そして送電側制御回路22は、この間欠送電期間において、バッテリ94が再充電必要状態になったことが検出された場合に、受電装置40に対する通常送電を再開する制御を行う。
一方、図2の受電側制御回路52は、バッテリ94が満充電状態になり、送電装置10が通常送電を停止して間欠送電を行った場合に、この間欠送電期間において、バッテリ94の再充電状態に関する情報を知らせる再充電コマンドを、送電装置10に対して送信する制御を行う。この場合にバッテリ94の満充電状態は満充電検出回路62により検出し、バッテリ94の再充電状態は再充電監視回路64により監視する。なお再充電状態に関する情報とは、バッテリ94が再充電状態になったか否かを判断するための情報であり、再充電が必要になったか否かの情報や、満充電後のバッテリ電圧VBATの情報である。
更に具体的には、図10(A)のA1に示すように、受電側の制御回路52は、バッテリ94が満充電状態になった場合に、満充電状態になったことを知らせる満充電コマンド(満充電情報)を、例えば負荷変調部46による負荷変調により送電装置10に対して送信する制御を行う。そしてA2に示すように、充電制御装置92へのVOUTの電圧出力(電力供給)を停止する制御を行う。例えば制御回路52は、充電状態の表示に使用されるLEDRが例えば連続で5秒間消灯したことが満充電検出回路62により検出されると、バッテリ94が満充電状態(充電完了)であると判断する。そして満充電コマンドを送信するためのフレームを生成し、信号P3Qを制御して負荷変調を行い、生成されたフレームを送電装置10に送信する。
一方、送電側の制御回路22は、受電装置40への通常送電中に満充電コマンドを受信した場合に、図10(A)のA3に示すように満充電フラグFCを1にセットして、A4に示すように第1の期間T1(例えば1秒)の間、受電装置40への送電を停止する制御を行う。その後、A5に示すように送電を再開して間欠送電を行う。そして送電再開後の間欠送電期間において、A6に示すようにバッテリ94の再充電状態の検知(再充電が必要な状態か否かの検知、或いは満充電後のバッテリ電圧の検知)を指示する再充電検知コマンドを、受電装置40に対して送信する制御を行う。つまり、送電装置10は、図3(A)で説明した手法により、再充電検知コマンドのフレームを生成して受電装置40に送信する。また制御回路22は、再充電検知コマンドを送信した後、A7に示すようにタイムアウト待ち期間T2(例えば30msec。T2<T1:T1は送電停止期間)が経過するまでの間に、再充電コマンドを受電装置40から受信しなかった場合には、タイムアウトと判断する。そしてタイムアウトの場合には、A8に示すように期間T1の間、受電装置40への送電を再度停止し、A9に示すように送電再開後の間欠送電期間において、再充電検知コマンドを受電装置40に対して再度送信する制御を行う。なお、以下の説明では、送電停止期間T1を第1の期間という場合があり、タイムアウト待ち期間T2を第2の期間ということがある。
図10(A)のA10に示すように、受電制御装置50は、満充電コマンドの送信後、送電装置10からの送電が停止することで、リセット状態になる。即ち送電装置10から電力が供給されないため、電源電圧が0Vになってリセット状態になる。そして受電側の制御回路52は、A11に示すように送電装置10からの間欠送電によりリセット状態が解除された後に、再充電検知コマンドを送電装置10から受信すると、A12に示すようにバッテリ94の再充電状態の監視処理を行う。即ちバッテリ94が再充電必要状態か否かを監視して判断する。或いはバッテリ電圧VBATを監視して送電装置10に送信するための処理を行ってもよい。この再充電状態の監視処理は、図2の再充電監視回路64での監視結果に基づいて行われる。
図10(B)のB1では、受電側の制御回路52は、バッテリ94の再充電状態に関する情報を知らせる再充電コマンドを、送電装置10に対して送信している。例えば受電側の制御回路52は、再充電監視回路64での監視結果に基づいて、バッテリ94が再充電必要状態であると判断すると、再充電コマンドを送電装置10に対して送信する。そして送電側の制御回路22は、再充電コマンドを受電装置40から受信すると、B2に示すように満充電フラグFCを0にリセットし、B3に示すように受電装置40への通常送電を再開する。即ち再充電コマンドに基づき、バッテリ94が再充電必要状態であると判断した場合に、通常送電を再開する。これにより、バッテリ94の再充電が開始し、電圧が低下したバッテリ94を再充電できるようになる。
ID認証、通常送電、満充電検出ならびに再充電管理の一連の動作を自動的に行う無接点電力伝送システムの動作手順をまとめると図11に示すようになる。図11は、ID認証、通常送電、満充電検出ならびに再充電管理の一連の動作を自動的に行う無接点電力伝送システムの動作手順を示すフロー図である。
まず送電側の処理について説明する。送電側(1次側)は、受電側(2次側)とのID認証が完了すると、満充電フラグFCを0にリセットする(ステップS1、S2)。そして受電側への通常送電を開始する(ステップS3)。その後、着脱(取り去り)検知を行い(ステップS4)、着脱(取り去り)が検知された場合には通常待機モードに移行する。即ち、図1(A)において充電器500から携帯電話機510が物理的に離れて、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通らない状態になると、着脱(取り去り)が検知され、通常待機モードに移行する。この通常待機モードでは、満充電後待機モードのような間欠送電は行われず、再び充電器500の上に携帯電話機510が置かれるまで、電力伝送を完全に停止する。
次に、送電側は、受電側から満充電コマンドを受信したか否かを判断し(ステップS5)、受信しなかった場合にはステップS4に戻る。一方、受信した場合には、満充電フラグFCを1にセットする(ステップS6)。そして第1の期間(送電停止期間)T1の間、送電側から受電側への送電を停止する(ステップS7)。この期間T1は、送電側のクロックによるカウント処理により計測する。
送電側は、第1の期間T1が経過すると、送電を再開して間欠送電を行い、再充電検知コマンドを受電側に送信する(ステップS8)。即ち再充電状態の検知を指示するフレームを生成し、周波数変調により受電側に送信する。そして、第2の期間(タイムアウト待ち期間)T2が経過してタイムアウトになるのを待つ(ステップS9)。即ち、受電側が、間欠送電によりリセット状態が解除されて動作を開始し、再充電コマンドを送信して来るのを待つ。そして第2の期間T2が経過するまでの間、着脱検知(取り去り検出)を行い(ステップS10)、着脱(取り去り)が検知された場合には通常待機モードに移行する。また第2の期間T2が経過するまでの間、受電側から再充電コマンドを受信したか否かを監視し(ステップS11)、受信していない場合にはステップS9に戻る。そして第2の期間T2が経過してタイムアウトになると、ステップS7に戻り、送電側から受電側への送電を再度停止する。そして送電停止期間T1の経過後に、間欠送電を行い、再充電検知コマンドを受電側に再度送信する(ステップS8)。このように送電側は、受電側から再充電コマンドを受信するまで、送電停止と間欠送電を繰り返す。
送電側は、ステップS11で受電側から再充電コマンドを受信すると、ステップS2に戻り、満充電フラグFCを0にリセットする。そしてバッテリ94を再充電するための通常送電を再開する(ステップS3)。これにより、電圧が低下したバッテリ94の再充電が開始される。
次に受電側の処理について説明する。受電側は送電側とのID認証が完了すると、通常受電を開始する(ステップS21、S22)。その後、バッテリ94が満充電状態になったか否かを判断し、満充電状態になった場合には満充電コマンドを送電側に送信する(ステップS23、S24)。即ち満充電を知らせるフレームを生成し、負荷変調により送電側に送信する。これにより送電側は満充電フラグFCを1にセットし、送電を停止する(ステップS6、S7)。そして受電側は、充電制御装置92へのVOUTの電圧出力を停止する(ステップS25)。即ち図2のトランジスタTB2、TB1をオフにして、負荷90との電気的接続を遮断する。具体的には制御回路52が信号P1QをHレベルにすることでトランジスタTB2をオフにする。
図11のステップS7で送電側が送電を停止すると、受電側は電力が供給されない状態になるため、リセット状態になる。その後、送電側が間欠送電を開始すると、受電側に電力が供給され、受電側の電源電圧が立ち上がって、リセット状態が解除される(ステップS26)。すると受電側は、再充電検知コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS27)。そして受信していない場合には、通常のID認証処理に移行する。即ち通常の待機モードの処理が行われる。
再充電検知コマンドを受信した場合には、バッテリ94の再充電が必要か否かを判断する(ステップS28)。具体的には、バッテリ電圧VBATが再充電電圧(例えば3.9V)よりも小さいか否かを判断する。そして再充電が必要ではないと判断した場合には、送電側に対して応答をしない。これにより送電側のステップS9でタイムアウトになり、送電側からの送電が再度停止し、受電側はリセット状態になる。
一方、受電側は、ステップS28で再充電が必要であると判断した場合には、再充電コマンドを送信する(ステップS29)。送電側は、再充電コマンドを受信すると、満充電フラグFCを0にリセットして、通常送電を再開する(ステップS2、S3)。これにより、受電側も通常受電を再開し(ステップS22)、満充電後待機モードから抜けることになる。
以上のように本実施形態によればバッテリ94の満充電が検出されると、送電側が送電を停止する(ステップS7)。また受電側は充電制御装置92へのVOUT出力を停止し(ステップS25)、満充電後待機モードに移行する。この満充電後待機モードでは、送電側からの送電が停止するため、受電制御装置50がリセット状態になると共に、VOUT出力が停止するため充電制御装置92もリセット状態になる。従って、受電制御装置50や充電制御装置92で流れる待機電流を大幅に削減でき、省電力化を図れる。
また本実施形態によれば、受電側がリセット状態になった後、送電側が間欠的な送電を行い、再充電検知コマンドを送信する(ステップS8)。これにより受電側は、リセット状態が解除された時に、受信した再充電検知コマンドによる指示により、再充電状態の監視処理を行う(ステップS27、S28)。そして再充電が必要であると判断した場合には再充電コマンドを送信する(ステップS29)。
即ち受電側は、送電停止によりリセット状態になるため、満充電や再充電に関する情報を保持できない。これに対して送電側はこれらの情報を保持できる。本実施形態ではこの点に着目し、送電停止後の間欠送電期間において、送電側が受電側に再充電検知コマンドを送信する。このようにすれば、リセット状態を解除された受電側が、満充電や再充電に関する情報を保持していなくても、送電側からの再充電検知コマンドをトリガとして再充電状態の監視処理を開始できる。そして受電側は、再充電必要状態であると判断した場合には、再充電コマンドを送信することで、再充電必要状態であることを送電側に知らせることができる。これにより、満充電後のバッテリ94を適正に再充電することが可能になる。
一方、送電側は、期間T2内に再充電コマンドを受信せずにタイムアウトになった場合には、送電を再度停止する(ステップS9、S7)。即ち再充電コマンドを受信するまで、送電停止と間欠送電を繰り返す。従って、受電側は間欠送電期間においてのみ動作すれば済み、送電停止期間T1を十分に長くすることで、満充電後待機モードでの待機電流を大幅に削減できる。従って、無駄な電力消費を最小限に抑えながらバッテリ94の最適な再充電を実現できる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、満充電後の、受電側機器(2次側機器)の取り去り(着脱)検出について説明する。満充電後の受電側機器の取り去り(着脱)は、例えば、送電装置10が受電装置40に対して間欠送電を実行し、所定時間内に、受電装置40から、上述のID認証情報を受信できるか否かによって検出することができる。すなわち、バッテリ94が満充電状態になると、通常送電は停止される。これによって、負荷90に設けられる充電制御装置92(図2参照)はリセットされ、初期状態に戻る。バッテリの満充電後に、送電装置10から所定間隔で間欠送電がなされると、その間欠送電による電力を受けた受電装置40が動作し、上述のとおり、受電側機器510(または受電装置40)のID認証情報を送電装置10に送信する(図4のステップS4を参照)。したがって、受電側機器510が取り去られていないならば、間欠送電開始時点から所定時間内に、受電装置40からID認証情報が送電装置10に送られてくるはずである。送電装置10は、所定時間内に、受電装置40からID認証情報が送信されない場合、受電側機器510は取り去られたと判定することができる。なお、図14に示したように、1次コイルL1のコイル端の交流波形(すなわち、交流電圧の振幅)を観測することによっても、受電側機器510の取り去りを検出することができる。
本実施形態では、再充電の要否検出のための間欠送電とは別に、取り去り検出のための間欠送電を実行する。上述のとおり、満充電後の取り去り検出の第1の周期T10は、仮送電の周期(例えば0.3秒)よりも長い周期(例えば、5秒)に設定して消費電力の増大を抑制する。また、満充電後の再充電の要否検出の頻度は、さらに少なくてもよいため、満充電検出のための第2の周期T20は、第1の周期T10よりも長く設定する(例えば、10分に設定する)。これにより、消費電力を最小限に抑制しつつ、2次側機器の設置検出、満充電後の再充電要否検出、ならびに満充電後の取り去り検出の各々を、最適な周期で検出することができる。
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施形態では、ユーザの利便性が高く、消費電力の抑制が可能な無接点電力伝送技術を提供できる。また、本発明の少なくとも一つの実施形態では、万全の安全対策が施された信頼性が高い無接点電力伝送技術を提供できる。また、本発明の少なくとも一つの実施形態では、部品点数を削減して、小型化ならびに低コスト化を達成することができる。
すなわち、実施形態の少なくとも一つによれば、以下の主要な効果を得ることができる。但し、下記効果は同時に得られるとは限らず、以下の効果の列挙が本発明の技術的範囲を不当に限定する根拠に用いられてはならない。
(1)本発明の無接点電力伝送システムでは、受電側機器の設置を自動的に検出して通常送電を開始するため、ユーザは、スイッチ操作等を行う必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
(2)ID認証を実行した後に通常送電を行うことによって、システムに不適な機器に対して通常送電が実行されることがなく、信頼性および安全性が向上する。
(3)通常送電中において、各種の検出動作(取り去り検出,金属異物検出,受電側の定期負荷認証に基づく乗っ取り状態検出、満充電検出))が実行され、いずれかが検出されたときには、通常送電が速やかに停止されて初期状態に戻るため、不必要な送電は一切、生じず、異物に対しても万全の対策が施されることになるため、極めて高い信頼性(安全性)をもつシステムが実現される。
(4)通常の異物対策のみならず、乗っ取り発熱対策も併用することによって、システムの安全性は格段に向上する。また、受電装置において、乗っ取り検出のための間欠的な負荷変調(定期負荷変調)を実行する際、負荷軽減を実行することによって、送電装置は、負荷変動を確実に検出でき、乗っ取り検出の精度が向上する。
(5)さらに、満充電後においても、再充電管理(ならびに取り去り検出)が自動的に実行されるため、充電台上に受電側機器が長時間、放置された場合でも、バッテリは常に満充電の状態を保つ。よって、ユーザは、安心して無接点電力伝送システムを利用することができ、十分な満足感を得ることができる。
(6)本発明の無接点電力伝送システムは、オートモード(自動実行モード)を有し、オートモードでは、上述の一連の動作はすべて自動的に実行される。よって、ユーザに負担をかけることがなく、極めて利便性の高い、使い勝手のよい無接点電力伝送システムが実現される。
(7)受電側機器の設置検出、満受電後の再充電管理ならびに取り去り検出は、送電装置からの間欠的な送電に基づいて実行されるため、消費電力が抑制され、低消費電力の無接点電力伝送システムが実現される。間欠送電の周期を、上述の目的に合わせて、個々に最適化すれば、消費電力をさらに抑制することができる。
(8)装置構成が簡素化されており、無接点電力伝送システムの小型化、ローコスト化を図ることができる。
以上、本発明を、実施形態を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々、変形、応用が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲において多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。
従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(低電位側電源、電子機器等)と共に記載された用語(GND、携帯電話機・充電器等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態および変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。
また、送電制御装置、送電装置、受電制御装置、受電装置の構成ならびに動作や、送電装置における受電側の負荷検出の手法も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、上述の実施形態では、満充電後の送電は間欠的に行っているが、パワーを落とした連続送電(パワーセーブ送電)を行ってもよい。パワーセーブ送電の場合、連続送電であるため、間欠送電に比べて消費電力は若干増大するが、連続的な電力供給によって、満充電後においても、負荷90内に設けられる充電制御装置92は常に動作し、よって、再充電の要否判定ならびに取り去り検出を常時、行なうことができるという利点がある。
本発明は、使い勝手がよく、高信頼度かつ低消費電力の無接点電力伝送システムを提供するという効果を奏し、したがって、特に、送電制御装置(送電制御IC)、送電装置(ICモジュール等)、無接点電力伝送システム、および電子機器(例えば携帯端末および充電器)等として有用である。なお、「携帯端末」には、携帯電話端末、PDA端末、持ち運び可能なコンピュータ端末が含まれる。
また、本発明は、無接点電力伝送システムの他、その他の伝送方式のシステム(例えば、有線伝送方式の電力伝送システムや、接点同士を接続して電力伝送を行う点接触型伝送方式の電力伝送システム)にも適用することができる。
図1(A),図1(B)は、無接点電力伝送手法が適用される電子機器の例ならびに誘導トランスを用いた無接点電力伝送の原理を説明するための図 送電装置、受電装置を含む無接点電力伝送システムにおける、各部の具体的な構成の一例を示す回路図 図3(A),図3(B)は、送電側機器と受電側機器との間の情報伝送の原理を説明するための図 送電装置の動作の一例の概要を示すフロー図 送電側制御回路の構成の一例を示す回路図 無接点電力伝送システムの基本シーケンス例を示す図 図6の基本シーケンスを実行する無接点電力伝送システムの状態遷移を示す状態遷移図 図6の基本シーケンスを実行する無接点電力伝送システムの動作例を示すフロー図 図6の基本シーケンスを実行する無接点電力伝送システムの動作例を示すフロー図 図10(A),図10(B)は、無接点電力伝送システムにおける、満充電後の再充電管理のための一連の動作手順を示すシーケンス図 図11は、ID認証、通常送電、満充電検出ならびに再充電管理の一連の動作を自動的に行う無接点電力伝送システムの動作手順を示すフロー図 位置検出の原理を説明するための図 図13(A)〜図13(F)は、金属異物(導電性異物)検出の原理を説明するための図 図14(A)〜図14(D)は、取り去り検出の原理を説明するための図 図15(A),図15(B)は、通常送電開始後の異物挿入(乗っ取り状態)について説明するための、無接点電力伝送システムを構成する電子機器の断面図 図16(A),図16(B)は、異物挿入を検出可能とするために、受電装置側の負荷を間欠的に変化させる場合の具体的な態様を説明するための図 図2に示される無接点電力伝送システムの中から、異物挿入(乗っ取り状態)の検出に関係する主要な構成を抜き出して示す回路図 図18(A),図18(B)は異物検出を可能とするための負荷変調の好適かつ具体的な態様を説明するための図 図19(A)〜図19(E)は、負荷の軽減動作を説明するための図
符号の説明
L1 1次コイル、L2 2次コイル、10 送電装置、12 送電部、
14 波形モニタ回路、16 表示部、20 送電制御装置、22 送電側制御回路、
24 発振回路、26 ドライバ制御回路、28 波形検出回路、40 受電装置、
42 受電部、43 整流回路、46 負荷変調部、48 給電制御部、
50 受電制御装置、52 受電側制御回路、56 位置検出回路、58 発振回路、
60 周波数検出回路、62 満充電検出回路、90 受電側機器の負荷、
92 充電制御装置(充電制御IC)、94 負荷としてのバッテリ(2次電池)、
LEDR 電池残量や電池の状態のインジケータとしての発光装置

Claims (19)

  1. 送電装置から受電装置に対して、電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを経由して無接点で電力を伝送する無接点電力伝送システムにおける、前記送電装置に設けられる送電制御装置であって、
    前記受電装置への送電を制御する送電側制御回路を有し、
    前記送電側制御回路は、
    前記送電装置に間欠的な仮送電を実行させ、前記仮送電による前記電力を受けた前記受電装置からの応答を検出することによって、前記受電装置を有する受電側機器が、無接点電力伝送による受電が可能な場所に設置されたことを検出し、
    前記受電側機器が、無接点電力伝送による受電が可能な場所に設置されたことが検出された場合は、前記送電装置に、前記受電装置に対する連続的な通常送電を実行させ、前記設置が検出されない場合は、前記送電装置に、前記間欠的な仮送電を実行する状態を継続させ、
    前記通常送電の期間中に前記受電装置からの満充電通知を検出すると、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、
    前記送電装置に、満充電後の取り去り検出のための送電ならびに満充電後の再充電の要否判定のための送電を実行させ、
    前記満充電後の取り去り検出のための送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて前記取り去りが検出された場合には、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させ、
    前記満充電後の再充電の要否判定のための送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて再充電が必要と判定された場合には、前記送電装置に前記通常送電を再開させることを特徴とする送電制御装置。
  2. 請求項1記載の送電制御装置であって、
    前記満充電後の取り去り検出のための送電は、第1の周期による間欠的な送電であり、
    前記満充電後の再充電の要否判定のための送電は、第2の周期による間欠的な送電であり、
    前記第1の周期は、前記間欠的な仮送電の周期よりも長く、かつ、前記第2の周期は、
    前記第1の周期よりも長いことを特徴とする送電制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記受電側機器の設置を検出した場合、ID認証処理を実行し、前記ID認証に成功すると、前記送電装置に通常送電を実行させることを特徴とする送電制御装置。
  4. 請求項3記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記仮送電の開始時点から所定時間内に前記受電装置からのID認証情報を受信できるか否かによって、前記受電装置を有する受電側機器の設置を検出することを特徴とする送電制御装置。
  5. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記1次コイルの誘起電圧信号の波形の変化によって異物の有無を判定し、前記通常送電中に異物が検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させることを特徴とする送電制御装置。
  6. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記1次コイルの前記誘起電圧信号の波形の変化に基づいて前記受電側機器の取り去りを検出し、前記通常送電中に前記受電装置の取り去りが検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させること特徴とする送電制御装置。
  7. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記1次コイルと前記2次コイルとの間に載置された異物を前記受電側機器と誤認して前記通常送電が継続する乗っ取り状態を検出し、前記通常送電中に乗っ取り状態が検出されると、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させることを特徴とする送電制御装置。
  8. 請求項記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記異物が存在すると、前記受電装置側から発せられた信号が異物によって遮断されて到達しないことによって前記乗っ取り状態を検出することを特徴とする送電制御装置。
  9. 請求項記載の送電制御装置であって、
    前記送電側制御回路は、前記送電装置からみた前記受電装置側の負荷の間欠的な変化を検出し、前記通常送電中における前記負荷の間欠的な変化の検出の有無によって、前記乗っ取り状態を検出することを特徴とする送電制御装置。
  10. 請求項記載の送電制御装置であって、
    前記通常送電時における前記送電装置から見た受電装置側の負荷は、前記受電装置の負荷変調によって周期的に変化し、
    前記送電側制御回路は、所定数の周期にわたって連続して前記負荷変化を検出できるか否かによって前記乗っ取り状態を検出することを特徴とする送電制御装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の送電制御装置と、交流電圧を生成して1次コイルに供給する送電部と、を含むことを特徴とする送電装置。
  12. 送電装置から受電装置に対して、電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを経由して無接点で電力を伝送する無接点電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、1次コイルの誘起電圧に基づいて前記受電装置への送電を制御する送電側制御回路を含み、
    前記受電装置は、負荷に対する電力供給を制御する給電制御部と、前記受電装置を制御する受電側制御回路を有する受電制御装置と、負荷変調部と、前記負荷の満充電を検出する満充電検出部と、を含み、
    前記送電装置の前記送電側制御回路は、前記送電装置に間欠的な仮送電を実行させ、前記仮送電による前記電力を受けた前記受電装置からの応答を検出することによって、前記受電装置を有する受電側機器が、無接点電力伝送による受電が可能な場所に設置されたことを検出し、前記設置が検出された場合は、前記送電装置に、前記受電装置に対する連続的な通常送電を実行させ、前記設置が検出されない場合は、前記送電装置に、前記間欠的な仮送電を実行する状態を継続させ、
    前記受電側制御回路は、前記満充電検出部によって満充電が検出された場合には、前記負荷変調部に負荷変調を行わせて、満充電通知を前記送電装置に送信させ、
    前記送電側制御回路は、前記通常送電中に、前記受電装置からの前記満充電通知が検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、満充電後の取り去り検出のための送電、ならびに満充電後の再充電の要否判定のための送電を実行させ、前記満充電後の取り去り検出のための送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて前記取り去りが検出された場合には、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させ、前記満充電後の再充電の要否判定のための送電を受けた前記受電装置から送られてくる信号に基づいて再充電が必要と判定された場合には、前記送電装置に前記通常送電を再開させることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  13. 請求項12記載の無接点電力システムであって、
    前記満充電後の取り去り検出のための送電は、第1の周期による間欠的な送電であり、
    前記満充電後の再充電の要否判定のための送電は、第2の周期による間欠的な送電であり、
    前記第1の周期は、前記間欠的な仮送電の周期よりも長く、かつ、前記第2の周期は、前記第1の周期よりも長いことを特徴とする無接点電力伝送システム。
  14. 請求項12又は請求項13記載の無接点電力システムであって、
    前記受電装置に対する間欠的な仮送電を実行し、前記仮送電の開始時点から所定時間内に、前記受電装置からの応答としてのID認証情報を受信できるか否かによって、前記受電側機器の前記設置を検出し、前記設置が検出されると、前記受信したID認証情報を用いて前記受電装置のID認証処理を実行し、前記ID認証に成功すると、前記送電装置に、前記受電装置に対する連続的な通常送電を実行させ、前記設置が検出されない場合および前記ID認証に失敗する場合には、前記送電装置に、前記間欠的な仮送電を実行する状態を継続させることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  15. 請求項12〜請求項14のいずれかに記載の無接点電力伝送システムであって、
    前記送電側制御回路は、前記通常送電の期間において、前記1次コイルの誘起電圧信号の波形の変化によって異物の有無を判定し、異物が検出された場合に、前記送電装置に前記通常送電を停止させると共に、前記送電装置を前記間欠的な仮送電を実行する状態に復帰させることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  16. 請求項15記載の無接点電力伝送システムであって、
    前記受電側制御回路は、前記通常送電の開始後に、前記受電装置に、定期的に前記負荷変調部を動作させて定期負荷変調を実行させ、
    前記送電装置の前記送電側制御回路は、前記送電装置からみた前記受電装置側の負荷の定期的な変化を検出し、前記通常送電中において前記負荷の定期的な変化を検出できない場合に前記送電装置に、前記通常送電を停止させることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  17. 請求項16記載の無接点電力伝送システムであって、
    前記受電側制御回路は、前記通常送電期間中において、前記負荷変調部に前記定期負荷変調を実行させる場合、前記給電制御部を制御して前記負荷に供給する電力を強制的に減少させて、前記負荷を見かけ上軽減する負荷軽減処理を実行させることを特徴とする無接点電力伝送システム。
  18. 請求項11記載の送電装置を搭載することを特徴とする電子機器。
  19. 送電装置から受電装置に対する送電を制御する送電制御方法であって、
    前記送電装置が間欠的に送電し、
    前記間欠的な送電を受けた前記受電装置が応答し、
    前記送電装置は前記応答を検出することによって、前記受電装置の無接点電力伝送による受電が可能な位置への設置を検出し、
    前記設置が検出された場合には、前記送電装置は連続的に送電し、
    前記設置が検出されない場合は、前記送電装置は間欠的に送電し、
    前記送電装置は、前記連続的な送電の期間中に前記受電装置からの満充電通知を検出した場合には、前記連続的な送電を停止させると共に、満充電後の取り去り検出のための送電ならびに満充電後の再充電の要否判定のための送電を実行し、
    前記送電装置は、前記受電装置から送られてくる信号に基づいて前記取り去りを検出した場合には、前記間欠的な送電を実行する状態に復帰し、前記受電装置から送られてくる信号に基づいて再充電が必要と判定した場合には、前記連続的な送電を再開することを特徴とする送電制御方法。
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