JP5543478B2 - 航空機への乱流の影響を減衰させる方法および装置 - Google Patents
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Description
−ウィンドシアから生じる晴天乱気流。この対流でない乱流は、ほとんどの場合、山地の上空で、より多くの場合、冬に、ジェット気流に近い高い高度で出現する。
−雲の中、または、雲の近くに出現する対流の乱流。非常に激しい乱流は、嵐雲中で発生することがあり、10m/sの数倍に達することがある逆方向の鉛直方向の気流が同時に起きる。これらの現象は、局所的であり、一般に(雲の存在によって)目に見える。
−航空機の航路で生じる、後方乱気流。重い航空機によって生成された渦は、より軽い航空機上で大回転の瞬間を誘発することがある。
−所定の瞬間における航空機座標系中の、航空機の前方の航空機の縦方向の距離「x」における風速の加振方向(direction d'excitation)という方向の成分を表す、該加振方向の風のプロファイル信号という少なくとも1つの信号を用いるステップ。
−周波数決定ステップというステップを実行するステップであって、風のプロファイル信号を処理することによって風のプロファイル信号の周波数成分を決定するステップ。
−前に決定した周波数成分に従って使用する制御ストラテジを選択するステップであって、該ストラテジによって、1つまたは複数の適用可能な制御ルールを特定することができるステップ。
−ライダによって、航空機の機首から異なる測定距離という距離に位置する複数の組の測定地点における風速を繰り返し測定する。上記において説明したように、ライダによって、所定の測定地点におけるライダの見通し方向の風速を測定することができる。(1組の測定地点を形成する)2つの測定地点に関して取得される速度ベクトル間のベクトル差は、これらの2つの測定地点間に位置する(測定の瞬間における)大気中の一定の地点での風速の該測定地点を接続する方向の成分と同等に扱うことができる。したがって、上記で規定されたライダによって、航空機からの異なる距離における風速の成分を算出することができる。
−加振方向に整列する少なくとも1組の測定地点についてそれぞれの測定距離における最後またはおそらく最後から2番目の測定を含む複数の測定から加振方向の風のプロファイル信号を構築する。この信号は、例えば、補間によって構築することができる。
−風速は、それぞれの測定距離において、鉛直方向に整列した測定地点の鉛直方向の組という3組を(それぞれの測定距離で)形成する少なくとも6箇所の測定地点で測定される。また、これらの測定地点は、横方向に整列した測定地点の横方向の組という少なくとも1組を形成することが有利である。風速は、それぞれの測定距離に関して、または、これらのうちのいくつかのみに関して、鉛直方向の5組の測定地点を形成する少なくとも10箇所の測定地点で測定されることが好ましい。
−風速は、航空機の近く、例えば250msもしくは50m未満、および好ましくは150msもしくは30m未満の少なくとも1つの測定距離で測定することによって、航空機の風力計の代替装置を提供することができる。
−風速は、航空機の方向に漸次互いにより近く位置付けられた測定距離で測定される。言い換えると、「x」が測定距離を示し、「Δx」が2つの連続する測定距離間の距離を示す場合、Δxはxと共に増加することが有利である。
−風のプロファイル信号を処理することによって、風のプロファイル信号または風のプロファイル信号の一部が航空機の硬性固有モード(mode propre rigide)に近い少なくとも1つの周波数を含むか否かを決定する。例えば、鉛直方向の風のプロファイル信号の場合、信号を処理することによって、信号または信号の一部が照射発振周波数という用語で知られる航空機の固有モードに近い少なくとも1つの周波数を含むか否かを決定することが有利である。したがって、風のプロファイル信号を処理することによって、0.5Hzより低い(一般に、航空機の照射発振周波数は、0.2Hz〜0.4Hzのオーダである)少なくとも1つの周波数を含むか否かを決定することが有利である。
−代替方法として、または、好ましくは組合せて、風のプロファイル信号を処理することによって、風のプロファイル信号または風のプロファイル信号の一部が航空機ならびに特に航空機の(翼だけでなく鉛直方向および水平方向の安定装置も含む)翼群もしくは胴体の軟性固有モード(mode propre souple)に近い少なくとも1つの周波数を含むか否かを決定する。例えば、鉛直方向の風のプロファイル信号の場合、航空機の翼が晒されるリスクを評価するため、この信号を処理することによって、距離範囲[0;400m]もしくは[0;2s]に対応する信号の一部が0.5Hzより高い少なくとも1つの周波数を有するか否か、または(航空機に応じて)距離範囲[0;200m]もしくは[0;1s](または代替方法として距離範囲[200m;400m]もしくは[1s;2s])に対応する信号の一部が1Hz以上の少なくとも1つの周波数を有するか否か、を決定する。同様に、胴体が晒されるリスクを評価するため、風のプロファイル信号を鉛直方向で処理することによって、距離範囲[0;200m]もしくは[0;1s](または[0;100m]もしくは[0;0.5s]さえ、または好ましくは[100m;200m]もしくは[0.5s;1s])に対応する信号の一部が2.5Hz以上(または、航空機に応じて3.0Hz以上さえ)の少なくとも1つの周波数を有するか否かを決定することができる。
−場合によって、風のプロファイル信号を処理することによって、風のプロファイル信号または風のプロファイル信号の一部が0.5Hzと1Hzとの間の少なくとも1つの周波数を含むか否かをさらに決定することができる。
−決定した周波数成分が、主に、照射発振周波数、または言い換えると例えば0.5Hz以下の周波数などの航空機の硬性固有モードに近い周波数を有する場合、快適ストラテジという制御ストラテジを選択することによって、航空機における人々の快適さを改善するよう意図すること。
−決定した周波数成分が、主に、航空機の軟性固有モードに近い周波数、または言い換えると例えば0.5Hz、1Hzまたは2.5Hzより高い周波数を有する場合、構造体保全ストラテジという制御ストラテジを選択することによって、航空機の構造体を保全するよう意図すること。
−決定した周波数成分が、航空機の硬性固有モードに近い周波数と航空機の軟性固有モードに近い周波数との両方を略同等な割合で有する場合、混合ストラテジという制御ストラテジを選択することによって、人々の快適さを改善すると同時に、航空機の構造体を保全するよう意図すること。
−上記で規定された風のプロファイル信号などの信号を処理することによって該信号の周波数成分を決定するよう適応した周波数決定手段。
−前に決定した周波数成分に従って使用する制御ストラテジを選択する手段であって、該ストラテジによって、1つまたは複数の適用可能な制御ルールを特定することができる手段。
−測定地点1および11は、鉛直方向の測定地点の組を形成する。この組において、これらの地点で測定された速度のベクトル差によって、航空機の右舷翼の中央または遠称的(すなわち、端に近い)部分の(縦方向の)正面に位置する大気の一定の位置における風速の鉛直成分Wz Aが評価される。
−測定地点2および10は、鉛直方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の右舷翼の近称的(すなわち、接合線に近い)または中央部分の(縦方向の)正面に位置する大気の一定の位置における風速の鉛直成分Wz Bが評価される。
−測定地点3および9は、鉛直方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の中央縦軸上、すなわち、航空機の機首および胴体の(縦方向の)正面に位置する大気の一定の位置における風速の鉛直成分Wz Cが評価される。
−測定地点4および8は、鉛直方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の左舷翼の近称的(すなわち、接合線に近い)または中央部分の(縦方向の)正面に位置する大気の一定の位置における風速の鉛直成分Wz Dが評価される。
−測定地点5および7は、鉛直方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の左舷翼の中央または遠称的(すなわち、端に近い)部分の(縦方向の)正面に位置する大気の一定の位置における風速の鉛直成分Wz Eが評価される。
−測定地点1および5または測定地点2および4は、横方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の正中鉛直方向の縦断面(対称面)における航空機の中央縦軸の上方に位置する大気の一定の位置における風速の横成分Wt Aが評価される。
−測定地点6および12は、横方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の中央縦軸上、すなわち、航空機の機首および胴体の正面に位置する大気の一定の位置における風速の横成分Wt Bが評価される。
−測定地点11および7または測定地点10および8は、横方向の測定地点の組を形成する。この組において、ベクトル差によって、航空機の正中鉛直方向の縦断面(対称面)における航空機の中央縦軸の下方に位置する大気の一定の位置における風速の横成分Wt Cが評価される。
Claims (12)
- 航空機への乱流の影響を減衰させる方法であって、
−所定の瞬間における航空機座標系中の、前記航空機の前方の前記航空機の縦方向の距離「x」における風速の加振方向という方向の成分を表す、該加振方向の風のプロファイル信号という少なくとも1つの信号を用いるステップと、
−周波数決定ステップというステップを実行するステップであって、前記風のプロファイル信号を処理することによって前記風のプロファイル信号の周波数成分を決定するステップと、
−前記前に決定した周波数成分に従って使用する制御ストラテジを選択するステップであって、該ストラテジによって、1つまたは複数の適用可能な制御ルールを特定することができるステップと、を有し、
前記風のプロファイル信号を処理することによって、前記風のプロファイル信号または前記風のプロファイル信号の一部が、前記航空機の硬性固有モードまたは軟性固有モードに近い少なくとも1つの周波数を有するか否か、を決定することを特徴とする方法。 - 前記航空機の操縦翼面を制御するのに適用する制御ルールは、前記前に選択された制御ストラテジと前記風のプロファイル信号を表す1つまたは複数の最大振幅値とに従って選ばれる、請求項1に記載の方法。
- 前記適用する制御ルールは、前記制御ルールに関連するそれぞれの操縦翼面の駆動と前記航空機の対応するレスポンスとの間に存在することがある位相差を考慮に入れて、全体として決定される、請求項2に記載の方法。
- 前記周波数決定ステップにおいて、前記風のプロファイル信号を処理することによって、前記風のプロファイル信号または前記風のプロファイル信号の一部が少なくとも1つの予め規定された周波数範囲に含まれる少なくとも1つの周波数を有するか否かを決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記処理される信号は、鉛直方向の風のプロファイル信号であり、
前記信号を処理することによって、前記信号または前記信号の一部が前記航空機の照射発振周波数に近い少なくとも1つの周波数を含むか否かを決定する、請求項4に記載の方法。 - 前記風のプロファイル信号を処理することによって、前記風のプロファイル信号が0.5Hzより低い少なくとも1つの周波数を含むか否かを決定する、請求項5に記載の方法。
- 前記処理される信号は、鉛直方向における風のプロファイル信号であり、
前記信号を処理することによって、距離範囲[0;400m]もしくは[0;2s]に対応する前記信号の一部が0.5Hzより高い少なくとも1つの周波数を有するか否か、または、距離範囲[0;200m]もしくは[0;1s]に対応する前記信号の一部が1Hz以上の少なくとも1つの周波数を有するか否か、を決定する、請求項6に記載の方法。 - 前記制御ストラテジを選択するステップにおいて、
−前記決定した周波数成分が主に前記航空機の硬性固有モードに近い周波数を有する場合、快適ストラテジという制御ストラテジを選択することによって、航空機における人々の快適さを改善するよう意図し、
−前記決定した周波数成分が主に前記航空機の軟性固有モードに近い周波数を有する場合、構造体保全ストラテジという制御ストラテジを選択することによって、前記航空機の構造体を保全するよう意図し、
−前記決定した周波数成分が前記航空機の硬性固有モードに近い周波数と前記航空機の軟性固有モードに近い周波数との両方を同等な割合で有する場合、混合ストラテジという制御ストラテジを選択することによって、人々の快適さを改善すると同時に、前記航空機の構造体を保全するよう意図する、請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。 - −前記快適ストラテジを選択することによって、昇降舵、方向舵、エレボン、フラッペロン、スポイラ、補助翼の中から選ばれた操縦翼面を駆動するよう制御する制御ルールが適用され、
−前記構造体保全ストラテジを選択することによって、補助翼、スポイラ、フラップ、スラット、昇降舵、方向舵の中から選ばれた操縦翼面を駆動するよう制御する制御ルールが適用されることが好ましい、請求項8に記載の方法。 - 航空機への乱流の影響を減衰させる装置であって、
−加振方向という方向の風のプロファイル信号という1つの信号を処理することによって該信号の周波数成分を決定することができる周波数決定手段であって、該信号は、所定の瞬間における航空機座標系中の、前記航空機の前方の前記航空機の縦方向の距離「x」における風速の前記加振方向の成分を表す、周波数決定手段と、
−前記前に決定した周波数成分に従って使用する制御ストラテジを選択する手段であって、該ストラテジによって、1つまたは複数の適用可能な制御ルールを特定することができる手段と、を有し、
前記風のプロファイル信号を処理することによって、前記風のプロファイル信号または前記風のプロファイル信号の一部が、前記航空機の硬性固有モードまたは軟性固有モードに近い少なくとも1つの周波数を有するか否か、を決定することを特徴とする装置。 - 前記航空機の操縦翼面を制御するのに適用する制御ルールを決定する手段であって、対象となるそれぞれの操縦翼面の駆動と対応する前記航空機のレスポンスとの間に存在することがある位相差を考慮に入れて、前記制御ルールを全体として決定することができる手段を有する、請求項10に記載の装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法を実現することができる、航空機への乱流の影響を減衰させる装置を有する、航空機。
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