JP5376459B2 - 光学式エアデータセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光を大気中に放射して、そのレーザ光の大気中での散乱光を受信することにより、数10mから1km程度までの遠隔領域の風速をドップラー効果に基づき計測する航空機搭載装置において、対気速度、迎角、横滑り角および乱気流を計測するエアデータセンサに関するものである。
大気中を航行する航空機にとって、対気速度は飛行安全上及び運航効率上最も重要なパラメータであり、現代のほとんどすべての実用航空機は、対気速度計測手段としてピトー管を使用している。ピトー管は、空気の総圧および静圧を測定して、その差の動圧から対気速度を求めるものであって、気流方向は矢羽根等により測定される。ところで、ピトー管で測定される動圧は、対気速度の2乗に比例する関係にあるために、低速では測定誤差が大きくなってしまい、ピトー管は低速域の速度計測には適していない。ピトー管が使用できるのは通常30m/s以上の対気速度領域である。それより低速であるとか、気流方向がピトー管の軸線と大きく異なる場合には、速度計測自体が不可能となる。そして、気流方向を測定するための矢羽根は、可動部分があるため矢羽根の質量による応答性の低下や振動が問題となってくる。したがって、対気速度センサとしてピトー管を搭載している一般の航空機は、低速域での対気速度計測値は測定誤差が大きいか、あるいは測定できない。この問題の解決のために発明者は超音波式エアデータセンサ(特許文献1参照。)を考案した。
しかしながら、ピトー管や超音波式エアデータセンサのように機体に直接取り付けるセンサ(例えば、非特許文献1を参照。)では、機体自身が流れ場に影響を及ぼすことにより位置誤差と称する計測誤差が生ずるため、利用の際には数多くの較正飛行試験が必要である。この試験は通常早朝の大気が静穏な時間帯に行われ、低空を何度も往復飛行するために、騒音問題が生ずることがある上、天候に左右されやすい試験であるため、多くの試験日数を要する。しかも通常は失速速度付近や横滑り飛行での較正飛行試験は行わないため、特殊な飛行条件での対気速度の計測精度は保証されない。
機体自身の流れ場に対する影響を受けないほど遠方の気流を計測する装置として、レーザ光を利用したドップラーライダーが研究開発されている(例えば、非特許文献2を参照。)。なお、ライダー(LIDAR)とは、光を利用した検知手法で「Light Detection And Ranging」を略したものである。また、照射された光線が、大気中に浮遊する微小なエアロゾルによって散乱され、その散乱光を受信してドップラー効果による周波数変化量(波長変化量)を測定することによって風速を算出することからドップラーライダーと呼ばれている。このドップラーライダーを航空機の乱気流回避飛行用として活用する場合、少なくとも10kmの計測有効距離が必要であり、相当高出力なレーザ光源を必要とするが、機体自身の流れ場に対する影響を受けない距離は数10mであるため、エアデータセンサの目的で使用する場合には、比較的小出力の装置で実用化が可能である。
通常ドップラーシフト量を計測する際は、AD変換器の能力の制限から周波数の計測範囲が限定される。このため、航空機のように風速と比較して高速の気流が重乗される場合には、外部から基準速度を入力して周波数計測範囲にオフセットを与えている。したがって、現状技術では基準速度の外部入力が必須となっており、ドップラーライダーには絶対的な対気速度を自律的に求める機能はない。
前述の通り航空機にとって対気速度は極めて重要なため、前記ピトー管は通常多重系で構成されている。しかしながら、万が一にでも不具合が生じた場合には、運航上致命的な打撃を受けることは間違いない。該ピトー管はたとえ多重系で構成されていたとしても、すべて同じ原理で動作するものであり、較正も同じテスターで行われる。したがって、全く異なる種類の対気速度センサの併用は、冗長性の飛躍的向上が期待できる。
特開2004−264184号公報 「超音波式エアデータセンサ」 平成16年9月24日公開 特開2003−14845号公報 「風擾乱予知システム」 平成15年1月15日公開 特開2009−300133公報 「航空機搭載用光学式遠隔気流計測装置」 平成21年12月24日公開
井之口浜木、航空宇宙技術研究所資料TM−776「多目的実証機(MuPAL−α)搭載計測用対気速度計の位置誤差」2003年8月公表 H. Inokuchi, H. Tanaka, and T. Ando, "Development of an Onboard Doppler LIDAR for Flight Safety," Volume 46, Number 4 of the Journal of Aircraft, AIAA, July-August 2009
本発明の目的課題は、上記の問題点を解決するもの、すなわちドップラーライダーとして基準速度の外部入力を必要としない、絶対的な対気速度を自律的に求める機能を備え、かつ位置誤差のないエアデータセンサを提供することにある。
本発明の光学式エアデータセンサは、レーザ光を送信信号として大気中に放射して、該レーザ光の大気中のエアロゾルによるレーザ散乱光を受信信号として受信し、該送信信号と該受信信号との間のドップラーシフト量に基づき遠隔領域の気流の風速、対気速度を計測する航空機に搭載した光学式エアデータセンサにおいて、計測周波数にオフセットを与えるための基準速度による掃引を所定周波数ずつ順次行い、事前に設定した受信強度の閾値より大きくなる値を検出しその値の範囲で受信強度が最大となった周波数から速度を算出する機能を備えることにより、航空機の対気速度を自律的に計測し、基準速度を設定することなしに自律的に真対気速度を計測することを特徴とする。
また、本発明の光学式エアデータセンサは、1形態として直前回の真対気速度計測値を基準速度として、該ドップラーシフト量計測範囲を限定するものとした。
また、本発明の光学式エアデータセンサは、前記レーザ光の送信方向を走査させて、対気速度ベクトルを2次元若しくは3次元に展開することにより、航空機の迎角若しくは横滑り角を算出することを可能とした。
さらに、本発明の光学式エアデータセンサは、直前の平均気流速度ベクトルと最新の気流速度ベクトルとの差を乱気流成分とみなすことことによって乱気流計測を行なうものとした。
本発明の光学式エアデータセンサは、真対気速度に√(ρ/ρ0)を乗じることにより等価対気速度を算出することを特徴とする請求項1乃至2に記載の光学式エアデータセンサとした。ただし、ここでρは飛行高度の空気密度、ρ0は海面高度の空気密度を表す。
また、飛行高度の外気温度t(℃)を用いて次式により音速a(m/秒)を求め、真対気速度の音速aに対する比としてマッハ数を算出するものとした。
a=340.4×√{(273 +t)/288}
本発明の光学式エアデータセンサは、機体自身の流れ場に対する影響を受けない領域の気流を計測することにより、ピトー管の較正飛行試験を効率的に行うことが可能となる効果を奏する。また、ピトー管の代替として使用した場合には、ピトー管で充分な精度の対気速度計測ができないヘリコプタ、飛行船、垂直/短距離離着陸機(V/STOL)等の低速航空機用として利用することが可能となる。さらに、ピトー管と併用して用いることにより、ピトー管のヘルスモニタリングやピトー管に不具合があった場合のバックアップとして利用することが可能となる。乱気流の計測に関しては、後方乱気流の計測実験に利用できるほか、オートパイロットによる舵面制御の入力として利用され、航空機の乱気流中の動揺を低減することが期待される。
ドップラーシフト量を計測する際は、AD変換器の能力の制限から周波数の計測範囲が限定されることに起因して、航空機のように風速と比較して高速の気流が重乗される場合には、外部から基準速度を入力して周波数計測範囲にオフセットを与える必要から、現状技術では基準速度の外部入力が必須となっており、ドップラーライダーには絶対的な対気速度を自律的に求める機能はないが、本発明の光学式エアデータセンサは、基準速度を設定することなしに自律的に真対気速度を計測することができる。
また、レーザ光の送信方向を走査させて、対気速度ベクトルを2次元若しくは3次元に展開することにより、3次元の速度ベクトル計測を行い航空機の迎角若しくは横滑り角を算出することを可能とした。
本発明の光学式エアデータセンサとしてのドップラーライダーを示す構成説明図である。 本発明による周波数計測範囲の掃引方法を示す説明図である。 本発明による対気速度成分を3次元方向に分解する手法を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る真対気速度計測装置の構成説明図である。 本発明の実施例3に係る対気速度成分を計測する手法を示す説明図である。 本発明の実施例3に係る計測方法の位相ずれによる計測誤差を示す説明図である。 本発明の実施例4に係る乱気流計測装置の構成説明図である。 本発明の実施例5に係る対気速度計測システムの構成説明図である。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の光学式エアデータセンサとしてのドップラーライダー100を示す構成説明図である。
このドップラーライダー100は、大気中に浮遊するエアロゾルに対しレーザ光を送信光として照射して、エアロゾルからのレーザ散乱光を受信光として受信する光学系10と、その受信光と送信光との波長変化量(ドップラーシフト量)に基づいて風速を計測する本体20とを具備して構成されている。
光学系10は、送信光となる微弱なレーザ光(参照光)を発生する基準光源1と、その微弱なレーザ光を増幅して送信光とする光ファイバアンプ2と、光ファイバアンプ2を励起するポンプ光としてのレーザ光を発生する励起光源3と、送信光を遠方に放射すると共に遠方からの散乱光を集光する光学望遠鏡4とから成る。なお、送信光としては例えば波長1.5μm帯の近赤外線レーザ光を、励起光源としては高効率のレーザダイオードを各々使用することが可能である。また、上記ドップラーライダー100のような、ファイバアンプ式のドップラーライダーは、小型、軽量、省電力、低電磁ノイズ、レイアウトの高い自由度、耐振動性、高い防塵性、加工容易性、液体冷却機構の省略等、枚挙に暇がない程の多項目にわたり、航空機搭載用として優れた利点を備えている。
本体20は、レーザ散乱光を受信し参照光と合成しビート信号を出力する光受信機5と、そのビート信号を処理し機体前方の気流の風速を計測する信号処理器6と、風速の計測結果を表示する表示器7とから成る。
次に、ドップラーライダーにおいて、機体前方の気流の風速を計測する通常の周波数計測方法について説明する。通常の周波数計測方法では、基準光源から発生されるレーザ光の周波数fTを送信光として大気中に放射し、大気中に浮遊するエアロゾルに照射する。そして、エアロゾルからのレーザ散乱光を受信光として受信し、その受信光と送信光との波長変化量(ドップラーシフト量)を測定する。例えば、受信光が気流の風速等の影響により送信光の周波数fTに対してドップラーシフト量fDだけ周波数シフトを受けていると仮定した場合、受信光の周波数fRは以下となる。
R=fT+fD (1)
光受信機では、受信光と周波数オフセットが付加された送信光(参照光)を合成してビート信号を出力する。例えば、周波数計測時に与える参照光の周波数オフセット量をfOFSTとした場合、受信光と周波数オフセットが付加された参照光を合成して出力されるビート信号のうち、その差周波数信号の周波数fDIFFは以下のように表される。
DIFF=fR−(fT+fOFST)
=fD−fOFST (2)
なお、このドップラーシフト量fDには、気流の風速以外に航空機の自機速度によるドップラーシフトも含まれている。すなわち、気流の風速によるドップラーシフト量をfDW、航空機の自機速度によるドップラーシフト量をfDGとすると、このドップラーシフト量fDは、以下のように表される。
D=fDW+fDG (3)
式(3)のドップラーシフト量fDを式(2)に代入すると、式(2)のビート信号の周波数fDIFFは、以下となる。
DIFF=(fDW+fDG)−fOFST (4)
式(4)のビート信号の周波数fDIFFから速度Vの算出は、以下で求められる。
V=c/(2fT)×fDIFF
=c/(2fT)×{(fDW+fDG)−fOFST} (5)
ここで、cは光速である。
ドップラーライダーにおいて機体前方の気流の風速を計測する通常の周波数計測では、別途計測された航空機の自機速度VGを外部から基準速度として入力し自機速度によるドップラーシフト量2fT/c×VG(=fDG)を事前に算出する。そして、この事前に算出したドップラーシフト量を参照光の周波数オフセット量fOFST(=2fT/c×VG)とすることにより航空機の自機速度による影響を事前に除去し、気流の風速Vwを算出する。すなわち、以下のようにして、気流の風速Vwを算出する。
w=c/(2fT)×{(fDW+fDG)−2fT/c×VG}
=c/(2fT)×fDW (6)
ここで、fDG=2fT/c×VGである。
このように、機体前方の気流の風速のみを計測する周波数計測では、上記のように気流の風速によるドップラーシフト量fDWのみを測定できればよく、例えば、速度に換算して−30m/sから+30m/s程度の風速を計測できればよい。一方、航空機の対気速度における計測では、航空機の自機速度によるドップラーシフトも含めた測定が必要となる。例えば、標準的な旅客機の最大巡航速度は約250m/s程度にもなり、風速の計測と比較して広範囲にわたる速度の計測を行う必要がある。
通常ドップラーシフトを計測する場合、ビート信号をAD変換器によりディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理によりそのドップラーシフト量を算出する。このAD変換器によりディジタル信号に変換する際のサンプリング周波数をfsとした場合、サンプリング定理により計測可能なドップラーシフト量の最大値fDmaxは、以下で与えられる。
Dmax=fs/2 (7)
このドップラーシフト量の最大値fDmaxより計測可能な速度の最大値Vmaxは、以下となる。
max=c/(2fT)×fDmax
=c/(4fT)×fs (8)
例えば、サンプリング周波数fsを100MHz、レーザ光の波長λ(=c/fT)を1.55μmとした場合、Vmax=38.75m/sとなる。すなわち、−30m/sから+30m/s程度の気流の風速のみを測定する場合は、自機速度に相当するドップラーシフト量を周波数オフセットとして事前に与えることにより、測定に必要な風速の範囲を測定可能な最大風速の範囲内に収めることができるため、基準速度の掃引は必要ではない。一方、対気速度を計測する場合は、例えば、30m/s以下の低速度領域から250m/s以上の高速度領域までの広範囲にわたる速度を自律的に求める必要がある。この計測範囲に対応する方法として、AD変換器のサンプリング周波数fsを高くすることも考えられるが、AD変換器の性能上の制限やディジタル信号処理の負荷増大を招くなど有効な手段とはいえない。
そこで、本発明では、計測周波数にオフセットを与えるための基準速度を計測範囲にわたって掃引し、事前に設定した受信強度の閾値よりも大きな値が検出された時点で、その最大値となった周波数に相当する速度を航空機の対気速度とするようにし、自律的に対気速度を計測できるようにした。図2は、計測周波数にオフセットを与えるための基準速度の掃引を行い、対気速度に対応したドップラーシフト量を検出する様子を示した図である。すなわち、計測範囲にわたって基準速度に対応した周波数オフセットの掃引を順次行い、対気速度に対応したドップラーシフト量fDAに対応した対気速度Vaを以下のように算出する。
a=c/(2fT)×fDA
=c/(2fT)×(fOFST+(fDA−fOFST))
=c/(2fT)×(nΔf+(fDA−nΔf)) (9)
ここで、基準速度に対応する周波数オフセット量はfOFST=nΔf(n=0,1,2,…)であり、fOFSTに対するドップラーシフト量の計測可能範囲は|f-(fT +fOFST)|≦fDmaxである。
OFST=nΔfにおけるnの値を順次変更して基準速度の掃引を行い、事前に設定した受信強度の閾値よりも大きな値が検出された時点、すなわち、|fDA−nΔf|≦fDmaxとなった時点でのnの値をNmaxとし、この時点での周波数オフセット量fOFST=NmaxΔfに対して受信強度が最大となったドップラーシフト量をfdとした場合、対気速度に対応したドップラーシフト量fDAは以下となる。
DA=NmaxΔf+fd (10)
この式(10)より、対気速度Vaは以下で求められる。
a=c/(2fT)×fDA
=c/(2fT)×(NmaxΔf+fd) (11)
以上のように、送信信号と受信信号との間のドップラーシフト量に基づき遠隔領域の気流の風速を計測するドップラーライダーにおいて、計測周波数にオフセットを与えるための基準速度による掃引を行い、事前に設定した受信強度の閾値より大きくなる値を検出しその値の範囲で受信強度が最大となった周波数から速度を算出する機能を備えることにより、航空機の対気速度を自律的に計測することができる。また、送信信号と受信信号との間のドップラーシフト量に基づき対気速度を計測しているため、ピトー管では計測ができない低速領域においても測定することが可能である。また、本装置は機体自身の流れ場に対する影響を受けない領域の気流の速度を計測するため位置誤差による計測誤差が発生せず、本装置を使用することによりピトー管の較正飛行試験を効率的に行うことも可能となる。さらに、機体自身の流れ場に対する影響を受けない距離は数10m程度であるため、エアデータセンサの目的で使用する場合には、従来の遠隔領域の気流の風速を計測するドップラーライダーと比べて、比較的小出力の装置で実用化が可能である。
また、航空機の対気速度は気流の風速とは異なり瞬間的に変化することは物理的にあり得ないので、直前回に計測された対気速度に対応したドップラーシフト量を周波数オフセット量として使用することにより、受信周波数の計測範囲を限定することが可能となり、信号処理の負荷や計測時間を低減することができる。具体的には、直前回に計測されたドップラーシフト量がfDA0の場合、今回の計測ではこのドップラーシフト量fDA0を周波数オフセット量fOFSTとして使用する。この場合の計測可能範囲は|f-(fT +fDA0)|≦fDmaxとなるが、航空機の対気速度が瞬間的に変化することは通常ではあり得ないため、航空機の対気速度の変化量は上記の計測可能範囲内となる可能性が高い。すなわち、直前回の計測値を利用すれば、周波数オフセットの掃引を行うことなく対気速度を計測することが可能となる。なお、大気状態など諸条件によっては計測値にノイズが含まれることもあるため、直前回の計測値は1回の計測値ではなく複数回の平均値とすることにより、さらに計測精度の向上が期待できる。
ドップラーライダーはレーザ光の放射方向の対気速度成分のみを計測するが、レーザ光を航空機から機体軸前方方向へ円錐状に走査させることにより対気速度成分を機体軸前後方向、横方向、上下方向の各速度成分に分解することができ、航空機の迎角や横滑り角を算出することができる。図3は、レーザ光を航空機から機体軸前方方向へ円錐状に走査させることにより、対気速度成分を3次元方向に分解する手法を示す図である。ドップラーライダーによるレーザ光の走査において、レーザ光源からの照射レーザ光がレーザ光源の位置を通る機体軸となす角(レーザ光の偏向角)をθ、レーザ光のビームを円錐状に走査させたときのビーム方向番号をi、観測するビーム数をM、ビーム方向のバンク角(機体横軸となす角)をφiとし、レーザ光のビームのバンク角φiを変化させて円錐状に計測ベクトルを走査することにより機体軸前後方向、横方向、上下方向の各速度成分を計測する。このレーザ光の走査において計測領域内の気流は一様であると仮定した場合、速度ベクトルV=(Vx、Vy、Vz)は以下のように求めることができる。
Figure 0005376459
ここで、Viはi番目の計測ベクトルにおける計測速度である。また、Vxは対気速度の横方向成分(図3においてX軸方向)、Vyは対気速度の上下方向成分(図3においてY軸方向)、Vzは対気速度の前後方向成分(図3においてZ軸方向)である。
このように、レーザ光の送信方向を走査し対気速度を3次元に展開することにより上下方向や横方向の対気速度を算出できるので、航空機の迎角や横滑り角を求めることができる。
また、バンク角φiの計測ポイントにおける計測ベクトルとバンク角φi-180°の計測ポイントにおける計測ベクトルの2次元ベクトルから速度ベクトルを算出することもできる。この場合、速度ベクトルVのX軸方向成分VxおよびY軸方向成分Vyは以下のように求めることができる。
Figure 0005376459
ここで、Viはバンク角φi の計測ベクトルにおける計測速度、Vi'はバンク角φi-180°の計測ベクトルにおける計測速度である。
また、速度ベクトルVのZ軸方向成分Vzは以下で求めることができる。
Figure 0005376459
この方式では、バンク角がお互いに180°と最も離れた2点の計測ベクトルを用いて速度ベクトルの算出を行っているため、ビーム方向のバンク角φiの誤差による影響が式(12)による方法に比べて小さくなる。このため、走査するビームを停止させることなく一定速度で回転させた状態で計測ベクトルを測定した場合でも速度ベクトルの算出誤差を小さくすることができ、この場合は起動トルクが少なくて済むので消費電力を低減できる。
また、上記装置において、直前の平均気流速度ベクトルと最新の気流速度ベクトルとの差を計測することにより、機体自身の流れ場に対する影響を受けない領域の乱気流成分を計測することもできる。具体的には、例えば、ある時刻iにおける気流速度の定常成分ベクトルをVs(i)、乱気流成分ベクトルをVt(i)とした場合、気流速度ベクトルV(i)は、以下のように表される。
V(i)=Vs(i)+Vt(i) (15)
この気流速度ベクトルViにおいて、現時刻をi=Nとし、現時刻より以前の時刻であるi=N−1、N−2、…、N−MのM個のデータから平均気流速度ベクトルE[V]を以下のようにして算出する。
E[V]=ΣV(i)/M
=Σ(Vs(i)+Vt(i))/M
≒ΣVs(i)/M (16)
なお、乱気流成分ベクトルはランダムに変化していると考えられ、ΣVt(i)/M≒0としている。
これより、現時刻の気流速度ベクトルV(N)と直前の平均気流速度ベクトルとE[V]の差を計算することにより、以下に示すように現時刻の乱気流成分を計測することができる。
V(N)−E[V]≒(Vs(N)+Vt(N))−ΣVs(i)/M
≒Vt(N) (17)
ここで、気流速度の定常成分は航空機の対気速度の影響が強く瞬間的に変化する可能性は低いため、Vs(N)≒ΣVs(i)/Mとしている。
以上のように、ドップラーライダーは離れた領域の気流を計測することができる。つまり航空機がこれから遭遇する乱気流などの気流の状態を事前に知ることができるのである。近年の旅客機は乱気流による動揺を低減させるために、オートパイロットにより自動的に適切な操舵を行う機能があるが、その基となる情報は対気速度および加速度である。本発明では、数10m前方の気流情報を連続して計測し、その変化量を乱気流成分と認識することにより、オートパイロットの入力情報とする。
また、ドップラーライダーによる計測値は、航空機が一般流に対して移動する速度、すなわち真対気速度に相当するものである。そして航空機に空力的な影響を及ぼす等価対気速度は、真対気速度に√(ρ/ρ0)を乗じることにより近似的に得られる。ここで、ρは飛行高度の空気密度、ρ0は海面高度の空気密度を表す。ρは一般的な航空機が必ず搭載している気圧高度計により求められる。マッハ数については、外気温度情報を用いて次式により音速aを求め、真対気速度の音速aに対する比がマッハ数となる。
a=340.4×√{(273 +t)/288} (18)
ただし、a:音速(m/秒)、t:飛行高度の外気温度(℃)である。
図4は、航空機に本発明による真対気速度計測装置を搭載した状態を示す構成説明図である。図では、光学望遠鏡と光ファイバアンプを機体の下面に搭載し、空気抵抗を減らすなどの目的のために機外装置にフェアリング8を被せた構成としている。また、レーザ光が送信される方向にはウインドウ9を設置し、レーザ光の送信及び散乱光の受信ができるようにしている。なお、本実施例では、光学望遠鏡と光ファイバアンプを機体の下面に搭載する構成としたが、これに限らず、機首側面や主翼下面などへの搭載も考えられ、個々の機体によって搭載しやすい場所に搭載することが可能である。上記以外の機器は、機内に搭載する。
本発明では、送信信号と受信信号との間のドップラーシフト量に基づき遠隔領域の気流の風速を計測する光学式遠隔気流計測装置を用い、この装置において計測周波数にオフセットを与えるための基準速度による掃引を行い、事前に設定した受信強度の閾値よりも大きな値が検出された時点で、その最大値となる周波数に相当する速度を算出する機能を備えることにより、航空機の対気速度を自律的に算出する。使用するレーザは、気象状態の影響を受け難く網膜に対する安全性の高い赤外線帯域のものがよく、この例では1.5μm帯のレーザを使用している。
また、送信信号と受信信号との間のドップラーシフト量に基づき対気速度を計測しているため、ピトー管で充分な精度の対気速度が計測できない低速領域での真対気速度を測定することができ、ヘリコプタ、飛行船、V/STOL等の低速航空機への適用も可能である。また、本装置は機体自身の流れ場に対する影響を受けない領域の気流の速度を計測するので、位置誤差による計測誤差が発生せず、ピトー管の較正飛行試験を効率的に行うことも可能となる。さらに、機体自身の流れ場に対する影響を受けない距離は数10mであるため、エアデータセンサの目的で使用する場合には、従来の遠隔領域の気流の風速を計測する光学式遠隔気流計測装置と比べて、比較的小出力の装置で実用化できる。
実施例1のように一旦対気速度が求められたら、直前回の計測値を周波数のオフセット量として用いる。ただし、大気状態など諸条件によっては計測値にノイズが含まれることもあるため、直前回の計測値は、1回の計測値ではなく複数回の平均値とする。一般的なピトー管による対気速度計測においても、変化が急すぎるとパイロットの視認性が低下するため、配管系統にオリフィスを挿入して、表示を鈍化させている。このためドップラーライダーで計測された対気速度についても、3秒程度の移動平均値を表示させることが妥当である。
なお、ノイズが卓越するなどの理由により、一時的に計測不能となり周波数計測範囲内の受信強度が事前に設定した閾値に達しない場合には、実施例1の周波数掃引を行い、前記周波数オフセット量を再設定する。
図5は、レーザビームの走査方法として、偏向角θを一定としバンク角φiを回転させることにより、対気速度の横方向成分Vx(図5においてX軸方向)、対気速度の上下方向成分Vy(図5においてY軸方向)、対気速度の前後方向成分Vz(図5においてZ軸方向)の速度成分を算出する手法を示す説明図である。例えば、走査するビームを同一平面状にない3点で停止させて計測ベクトルにおける速度成分V1、V2、V3を測定し、その測定された3点の速度成分からX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の速度成分を算出する(3点計測)。この場合、速度ベクトルV=(Vx、Vy、Vz)は以下のように求めることができる。
Figure 0005376459
ここで、V1、V2、V3はそれぞれφ=0°、φ=120°、φ=240°における計測速度とする。
また、バンク角φiの計測ポイントにおける計測ベクトルとバンク角φi-180°の計測ポイントにおける計測ベクトルの2次元ベクトルから速度ベクトルを算出することもできる。例えば、φ=0°、φ=90°、φ=180°、φ=270°における計測ベクトルの速度成分であるV1、V2、V3、V4をそれぞれ測定し、バンク角がお互いに180°離れた計測ベクトルの速度成分であるV1とV3およびV2とV4から、それぞれX軸方向およびY軸方向の速度成分を算出する(2点計測)。すなわち、X軸方向の速度VxおよびY軸方向の速度Vyは、以下のように求めることができる。
Figure 0005376459
このようにして、レーザビームを走査して対気速度成分を2次元若しくは3次元に展開することにより上下方向や横方向の対気速度を算出できるので、航空機の迎角や横滑り角を求めることができる。
なお、この2点計測の方法では、バンク角がお互いに180°と最も離れた2点の計測ベクトルを用いて速度ベクトルの算出を行っているため、ビームのバンク角φiの誤差による影響が3点計測による方法に比べて小さくなる。例えば、図6に示すように、ある1ポイントの計測点がφだけ所定の計測点から位相ずれを起こした場合の計測誤差を、2点計測法と3点計測法で比較した結果を示す。この結果より、2点計測の方が3点計測に比較して位相ずれによる影響が少ないことがわかる。このため、走査するビームを停止させることなく一定速度で回転させた状態で計測ベクトルによる測定を行った場合に、2点計測の方が3点計測と比較して速度ベクトルの算出誤差を小さくすることができ、この場合は起動トルクが少なくて済むので消費電力を低減できる。
図7は、本発明の実施例4に係る乱気流計測装置の構成説明図である。乱気流計測装置としてのドップラーライダーは、直前の平均気流速度ベクトルと最新の気流速度ベクトルとの差を計測することにより、機体自身の流れ場に対する影響を受けない領域の乱気流成分を計測する。この計測された乱気流成分を自動操縦装置300の入力情報とし、乱気流による動揺を低減させるための適切な操舵を自動的に行う。標準的な旅客機の最大巡航速度は毎秒250m程度で、50m前方の気流であれば0.2秒後に遭遇することになる。この間に人間のパイロットであれば何も対応することができないが、オートパイロットであれば操舵が可能である。ただし、例えば揚力を変化させる場合に昇降舵を使って迎角を変化させていたのでは、機体の慣性モーメントにより遅れが生ずるうえ、ピッチングにより後部客席の乗り心地が著しく悪化する。フラップやスポイラによるダイレクト・リフト・コントロールが必要となり、フラップの機構を高速操舵可能とするか、補助翼をフラップとして使用するためのドループ機能を付加するなど、操舵システム自体を乱気流低減制御に対応できるものとする必要がある。このような操舵システムは既に実用化されているが、一般的な旅客機で採用された例は稀である。
図8は、本発明の実施例5に係る対気速度計測システムの構成説明図である。対気速度計測装置としてのドップラーライダー100は、静圧情報を真対気速度計測装置に入力することにより等価対気速度を算出する。また、N個の多重系で構成されたピトー管400-1〜400-Nにより対気速度を計測する。監視装置500では、多重系で構成されたピトー管、及び、ドップラーライダーで計測された対気速度を監視する。通常、ピトー管による対気速度計測システムは多重系となっているが、各系統間の出力差が許容値を超えた場合、あるいは出力が遮断された場合に、自動的に警報を発する機能は既に実用化されているため、その警報が発せられた場合に、パイロットは本発明による等価対気速度を監視することになる。ただし、日常的に各速度を比較して、それぞれの差が少ないことを確認しておけば、非常時の安心感を高める効果が期待できる。また、対気速度計測装置としてのドップラーライダー100がノイズが卓越するなどの理由により、一時的に計測不能となり周波数計測範囲内の受信強度が事前に設定した閾値に達しない場合に、監視装置500においてピトー管などにより得られた対気速度を静圧情報により真対気速度計測装置に換算し、ドップラーライダーの周波数オフセットとして設定して計測することも可能である。
低速航空機用エアデータセンサ、飛行実験用エアデータセンサ、従来のエアデータセンサのバックアップおよび飛行安全用エアデータセンサとして利用することが可能である。
1 基準光源 2 光ファイバアンプ
3 励起光源 4 光学望遠鏡
5 光受信機 6 信号処理器
7 表示器 8 フェアリング
9 ウインドウ 10 光学系
20 本体 30 機外装置
40 機内装置 100 ドップラーライダー
200 機体 300 自動操縦装置
400-1〜400-N ピトー管 500 監視装置

Claims (6)

  1. レーザ光を送信信号として大気中に放射して、該レーザ光の大気中のエアロゾルによるレーザ散乱光を受信信号として受信し、該送信信号と該受信信号との間のドップラーシフト量に基づき遠隔領域の気流の風速、対気速度を計測する航空機に搭載した光学式エアデータセンサにおいて、
    計測周波数にオフセットを与えるための基準速度による掃引を所定周波数ずつ順次行い、事前に設定した受信強度の閾値より大きくなる値を検出しその値の範囲で受信強度が最大となった周波数から速度を算出する機能を備えることにより、航空機の対気速度を自律的に計測し、基準速度を設定することなしに自律的に真対気速度を計測することを特徴とする光学式エアデータセンサ。
  2. 直前回の真対気速度計測値を基準速度として、該ドップラーシフト量計測範囲を限定することを特徴とする請求項1に記載の光学式エアデータセンサ。
  3. 該レーザ光の送信方向を走査させて、対気速度ベクトルを2次元若しくは3次元に展開することにより、航空機の迎角若しくは横滑り角を算出することを可能とした請求項1または2に記載の光学式エアデータセンサ。
  4. 直前の平均気流速度ベクトルと最新の気流速度ベクトルとの差を乱気流成分とみなすことによって乱気流計測を行なうことを特徴とする請求項3に記載の光学式エアデータセンサ。
  5. 真対気速度に√(ρ/ρ0)を乗じることにより等価対気速度を算出することを特徴とする請求項1乃至2に記載の光学式エアデータセンサ。
    ただし、ρは飛行高度の空気密度、ρ0は海面高度の空気密度を表す。
  6. 飛行高度の外気温度t(℃)を用いて次式により音速a(m/秒)を求め、真対気速度の音速aに対する比としてマッハ数を算出することを特徴とする請求項1乃至2に記載の光学式エアデータセンサ。
    a=340.4×√{(273 +t)/288}
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