JPH0920241A - 鉄道車両の振動制御方法およびその装置 - Google Patents

鉄道車両の振動制御方法およびその装置

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JPH0920241A
JPH0920241A JP17065995A JP17065995A JPH0920241A JP H0920241 A JPH0920241 A JP H0920241A JP 17065995 A JP17065995 A JP 17065995A JP 17065995 A JP17065995 A JP 17065995A JP H0920241 A JPH0920241 A JP H0920241A
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JP
Japan
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vibration
control
frequency
yawing
rolling
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JP17065995A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Makino
和宏 牧野
Hiroshi Higaki
博 檜垣
Michio Sehata
美智夫 瀬畑
Yutaka Kakehi
豊 掛樋
Kuniyoshi Hara
邦芳 原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄道車両の振動制御を行うに当たり、幅広い走
行速度域でより振動制御効果を発揮して、乗り心地を向
上させる振動制御方法を提供する。 【構成】補償器の特性を、走行速度から求めた車体の最
大振動成分の周波数で最大の制御効果が得られるように
変更する鉄道車両の振動制御方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の振動を低減
するための振動制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両の振動制御装置として
は、特開昭59−156860号公報に示されるよう
に、車体の振動加速度の検出結果を補償回路で補償して
制御信号を出力し、台車と該台車に対してばねを介して
支持された車体との間に設置された流体圧作動機構を制
御する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両の振動制御におい
ては、制御対象周波数域の前後の周波数では、消費エネ
ルギの低減やドリフト防止等の目的でなるべく制御力を
発生させない方針をとる影響から、適切な振動抑制性能
をもつ制御対象周波数域は、比較的狭く、車体の最大振
動成分付近に限定して設計される。
【0004】このため、特に、新幹線の区間と在来線の
区間とを走行する電車等のように走行区間によって最高
速度幅の大きい車両では、制御対象周波数域を固定して
制御則を設計すると、走行速度の変化で軌道の不整が車
体に与える最大加振周波数域が変化して車体の最大振動
成分の周波数が変化した場合に、効果的な振動抑制効果
が得られないことになる。
【0005】本発明の目的は、この問題点を回避し、鉄
道車両の振動制御を行うに当たり、幅広い走行速度域で
より振動抑制効果を発揮して、乗り心地を向上させるこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、車体に加
えられる振動成分の最大となる周波数を走行速度から求
め、この周波数を用いて制御対象周波数域を変化させる
こと、によって達成できる。
【0007】具体的には、車体の基本振動モード成分が
最大となる周波数の概算値を走行速度から求め、この周
波数付近で最大の振動制御性能が得られるように制御則
を変更するものである。
【0008】
【作用】鉄道車両の車体振動は軌道不整に起因するもの
が大部分であり、一般客車の車体は前後に2つの台車を
もつ。したがって、図6に示すように車体が純粋にヨー
イングモード加振される周波数は、軌道から前後の台車
への加振が逆位相となる条件から、以下に示す数1で求
められる。また、図7に示すように車体が純粋にローリ
ングモード加振される周波数は、軌道から前後の台車へ
の加振が同位相となる条件から、以下に示す数2で求め
られる。
【0009】
【数1】fpy=(0.5+i)V/L ・・・・・・数1
【0010】
【数2】fpr=(1+i)V/L ・・・・・・数2 ここで、fpy :ヨーイングモード加振周波数 fpr :ローリングモード加振周波数 V :走行速度 L :台車中心間距離 i=0,1,2,・・・ である。
【0011】i=0のときが両モード共実走行で問題とな
る振動周波数である。ヨーイングモード加振時の振動伝
達倍率の計算例を図8に、ローリングモード加振時の振
動伝達倍率の計算例を図9に示す。これらから、数1、
数2でそれぞれの加振周波数を予測できることが分か
る。
【0012】また、車両の振動制御では、車体の共振点
の振動を効果的に抑えるためには、車体の絶対速度に比
例しこれと逆方向の制御力を発生させるとよい。すなわ
ち、観測量を車体の振動加速度とすると、補償器への入
力からアクチュエータの出力までの位相遅れが−90(de
g)のときに制御性能が良好であることが分かっている。
そこで、制御性能を要求する周波数では、アクチュエー
タとの合計の位相遅れが−90(deg)となるように、補償
器の特性を調整すればよい。補償器の特性の設計方法と
してH∞制御を用いる場合には、注目した周波数域で振
動観測量の重みを大きくすれば同様な効果が得られる。
【0013】本発明によれば、上記の知見により、車体
のヨーイング振動成分あるいはローリング振動成分が最
大となる周波数を走行速度から求めて、その周波数付近
で最大の振動制御性能が得られるように制御則を変更す
るように作用する。
【0014】また、直線区間では車体のヨ−イング振動
成分、曲線区間では車体のロ−リング振動成分の最大と
なる周波数を走行速度から求めて、その周波数付近で最
大の振動制御性能が得られるように制御則を変更するよ
うに作用する。
【0015】また、車体のヨーイング振動成分とローリ
ング振動成分がそれぞれ最大となる周波数を走行速度か
ら同時に求めて、それらの周波数付近で最大の振動制御
性能が得られるように各成分専用の制御器の制御則を変
更し、それらの出力信号を重み付けして加算するように
作用する。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図1から図2により説明す
る。図1に鉄道車両の振動制御装置の構成を示す。車体
10は振動制御の対象である車体で、空気ばね11を介
して台車12上に支持されている。31は車体10と台
車12の間に設けられた油圧作動機構で、一方を車体1
0他方を台車12に連結し、車体10と台車12の間に
左右方向の制御力を発生させて、車体10の振動を低減
させるものである。22は、車体10に設けられ、車体
10の左右振動加速度を検知する加速度計である。21
は、該加速度計22の検知結果を入力としてゲインおよ
び位相を補償した後サーボ弁32へ制御信号を出力する
ことにより油圧源30からの圧油の供給を受けた油圧作
動機構31を制御する振動制御コントローラである。こ
こで、サーボ弁32は比例制御弁等の制御弁で構成して
もよい。さらに、上記の構成では作動流体を作動油とし
たが、空気を使用してもよい。以上の構成は各台車と車
体との間に存在する。
【0017】23は車両の走行速度の検出手段であり、
検出結果を制御則変更手段20へ入力する。これらは、
編成車両中に1つ設置される。制御則変更手段20は、
走行速度から最適な制御則を決定し、これを振動制御補
償器21へ出力する。振動制御補償器21は、制御則変
更手段20の指令により、変更された制御則で制御信号
を演算する。
【0018】上記の構成は、本発明を実施する際の最も
簡単なものであり、他の状態量例えば油圧作動機構31
のストロークや内圧等を検出して補償器に入力してもよ
い。
【0019】図2に示すフローチャートを用いて、ヨー
イングモ−ド加振あるいはローリングモ−ド加振のいず
れかに注目した制御系の動作を説明する。
【0020】まず、ステップ100では、走行速度検知
手段23により走行速度を検知する。以下、制御則変更
手段20により変更する制御則を求める。ステップ10
1では、ヨーイング振動では数1を、ローリング振動で
は数2を用いて最大加振周波数fp(=fpy,fpr)を求める。
ステップ102で、次式を満たすように補償器内のハイ
パスフィルタの時定数Tを決める。
【0021】
【数3】 Pch(fp)+Pco(fp)+Pa(fp)=−90(deg) ・・・・・・数3 ここで、 Pch(fp):最大加振周波数での補償器内ハイパスフィル
タの位相遅れ Pco(fp):最大加振周波数での補償器内ハイパスフィル
タ以外の位相遅れ Pa(fp) :最大加振周波数での油圧作動系の位相遅れ である。
【0022】補償器のハイパスフィルタ部以外の位相遅
れPco(fp)は固定されており、制御信号から出力までの
遅れである油圧作動系の位相遅れPa(fp)は予め測定し
ておけばよい。例えば、ハイパスフィルタGchの周波数
特性を
【0023】
【数4】 Gch(s)=Ts/(1+Ts) (sはラプラス演算子) ・・・数4 とすると、上記数3を満たすPch(fp)(rad)から、求め
る時定数は
【0024】
【数5】T=1/(2π・fp・tan(Pch(fp))) ・・・・・・数5 で計算できる。ハイパスフィルタは、制御対象周波数以
下の制御力を絞る目的のものであるが、その時定数を変
化させることで制御対象周波数内の位相特性を調整でき
ることを利用している。
【0025】ステップ103で、走行速度に合わせて新
たに求められた時定数は、制御則変更手段20から各台
車車体間の振動制御補償器21へ送られ、制御則変更作
業が完了する。
【0026】この実施例によれば、走行速度から求めた
最大加振周波数で最大の制御性能を得るよう制御則を変
更する作業は、少ない演算量で可能である。
【0027】次に、軌道が直線か曲線かにより、注目す
る加振をヨーイングモ−ドとローリングモ−ドで切り替
えて運用するときの制御系の動作を説明する。
【0028】図3にこのときの振動制御装置の構成を示
す。ここでは、ヨーイング振動制御用補償器21yとロ
ーリング振動制御用補償器21rを同時に備え、先の実
施例と同様に走行速度により両制御則を変更する。曲線
検出器24は、それを搭載する車両が現在直線区間ある
いは曲線区間のいずれを通過中かを制御信号切替器21
sに入力する。直線区間を走行中は車体ヨ−イング振動
成分が支配的になるので、制御信号切替器21sはヨー
イング振動制御用補償器21yの出力信号をサ−ボ弁3
2へ入力する。そして、曲線区間を走行中は車体ロ−リ
ング振動成分が支配的になるので、制御信号切替器21
sはロ−リング振動制御用補償器21rの出力信号をサ
−ボ弁32へ入力する。
【0029】この実施例によれば、軌道が直線か曲線か
にかかわらず、常に支配的な振動モ−ドに対する制御を
実現できる。
【0030】ここでは、振動制御用補償器21yと21
rを常に同時に備える場合を示したが、制御信号切替器
21sにより選択される振動制御用補償器のみを、逐次
デジタルコントロ−ラにより実現してもよい。
【0031】さらに、ヨーイングモ−ド加振とローリン
グモ−ド加振を同時に考慮して制御してもよい。これを
実現する構成を図4に示す。車体左右加速度を検出する
加速度計は、1車両の前位と後位の2個の22fと22
bとを組で使用する。また、振動制御用補償器21は、
ヨーイング振動制御用補償器21yと、ローリング振動
制御用補償器21rと、これらの制御信号を合成する制
御信号合成器21pからなる。
【0032】以下に、図5に示すフローチャートを用い
て動作を説明する。すなわち、ステップ110からステ
ップ112までで、制御則変更手段20が、上記の実施
例に記述した方法でヨーイング振動制御とローリング振
動制御のためのそれぞれの補償器のハイパスフィルタの
時定数を決め、ステップ113で、各振動制御補償器2
1y,21rの特性を変更する。ステップ114では、
車体前部と後部の左右振動加速度を検出する。これらの
検出結果から、ヨーイングとローリングの各振動制御補
償器21y,21rは、ステップ115yと115r
で、振動加速度をヨーイングとローリングの各振動成分
に分離し、ステップ116yと116rで、独立に制御
信号を演算する。ステップ117では、制御信号合成器
がこれらの制御信号を重み付けして加算し、油圧作動機
構を動作させる制御信号とする。この重み付けは、制御
性能のバランスをとる目的や制御力の調整の目的等で、
走行区間や速度あるいは軌道状態等により変化させるこ
ともできる。
【0033】このようにすると、ヨーイングとローリン
グの各振動を同時に、幅広い走行速度域で抑制すること
ができる。
【0034】ところで、車体の純粋なピッチング加振
は、ヨーイング加振と同じく軌道から前後の台車への加
振が逆位相となるときに発生する。したがって、上記実
施例と同様の機能をもつ上下方向の制御系を設ければ、
ピッチングについても上記ヨーイングと同様の制御が可
能である。また、このピッチング振動制御と上記ローリ
ング振動制御を同時に実施することもできる。
【0035】以上の実施例では、補償器の時定数を直接
指定する方法を採ったが、H∞制御法を用いて補償器を
設計する場合は、振動状態量の周波数依存重みを最大加
振周波数付近で大きくすることで同様の効果が得られ
る。
【0036】また、以上の実施例では、この制御則変更
作業は、走行速度が有為の変化をしなければ行う必要は
なく、ある適当な速度帯域を越える毎に行っても良い。
【0037】
【発明の効果】上述のように、本発明では、鉄道車両の
振動制御を行うに当り、走行速度から最大加振周波数を
求め、この周波数で最大の制御性能を得るよう制御則を
変更することで、幅広い走行速度域でより振動抑制効果
を得て、乗り心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のヨーイング振動またはロー
リング振動の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のヨーイング振動またはローリング振動の
制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施例のヨーイング振動とローリ
ング振動を選択的に制御する制御装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】本発明の他の実施例のヨーイング振動とローリ
ング振動を同時に制御する制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】図4のヨーイング振動とローリング振動を同時
に制御する制御装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】車両のヨーイングモード加振の状態を示す図で
ある。
【図7】車両のローリングモード加振の状態を示す図で
ある。
【図8】ヨーイング振動伝達倍率を示す図である。
【図9】ローリング振動伝達倍率を示す図である。
【符号の説明】
10…車体、12…台車、20…制御則変更手段、21
…振動制御補償器、22…加速度計、23…走行速度検
出手段、30…油圧源、31…油圧作動機構、32…サ
ーボ弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 掛樋 豊 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 原 邦芳 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体に加えられる振動成分の最大となる周
    波数を走行速度から求め、この周波数を用いて制御対象
    周波数域を変化させること、を特徴とする鉄道車両の振
    動制御方法。
  2. 【請求項2】車体に加えられる振動成分の最大となる周
    波数を走行速度から求める手段と、前記最大周波数を用
    いて制御対象周波数域を変化させる手段と、該手段の出
    力によって台車と車体との間の流体作動機構を制御する
    手段と、とからなる鉄道車両の振動制御装置。
JP17065995A 1995-07-06 1995-07-06 鉄道車両の振動制御方法およびその装置 Pending JPH0920241A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012507430A (ja) * 2008-11-05 2012-03-29 エアバス オペラシオン ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ 航空機への乱流の影響を減衰させる方法および装置
JP2012244676A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Toyo Electric Mfg Co Ltd 電気車制御装置

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JP2012507430A (ja) * 2008-11-05 2012-03-29 エアバス オペラシオン ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ 航空機への乱流の影響を減衰させる方法および装置
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