JP5542818B2 - 可動スラリーディスペンサーを有する化学的機械的研磨機および方法 - Google Patents

可動スラリーディスペンサーを有する化学的機械的研磨機および方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、可動スラリーディスペンサーを有する化学的機械的研磨機および関連する方法に関する。
集積回路(IC)およびディスプレイの製作では、化学機械平坦化(CMP)が、その後のエッチングおよび堆積プロセスのために基板の表面トポグラフィーを滑らかにするために使用される。典型的なCMP研磨機は、研磨粒子のスラリーが基板を研磨するために研磨パッドに供給される間、振動し、かつ研磨パッドに対して基板を押し付ける研磨ヘッドを含む。CMPを使用して、誘電体層、ポリシリコンまたは酸化シリコンが充填された深いまたは浅いトレンチ、および金属膜を平坦化することができる。CMP研磨は、化学的および機械的な効果の両方の結果と考えられる。例えば、化学変化した層が、研磨されている材料の表面に繰り返し形成され、次いで研磨されて除去されると考えられる。例えば、金属の研磨では、金属酸化物層は、CMP研磨の間に、繰り返し、金属層を形成して表面から取り除くことができる。酸化物の研磨では、酸化物層は、研磨スラリーによって化学的および物理的に浸食される。
従来のスラリーディスペンサーの一種は、研磨パッドの上方の固定点からスラリーを放出する単一のスラリー分配ノズルを有する固定アームを含む。スラリーは、研磨パッドおよび/または基板キャリアの回転または揺動運動から研磨パッドを横断して広がる。しかしながら、スラリーは、プラテンの上方の単一位置から分配され、その位置はしばしば、プラテンの半径の中間点にあるので、結果として生じるプラテンの表面全体にわたるスラリーの分布は、非常に均一であるとは限らない。下にある研磨プラテンの回転および結果として生じる遠心力は、スラリーを中央点から半径方向外側へ広げさせる。しかしながら、スラリーの好ましい高い濃度は、これらの遠心力に起因して中央の分配点から外側へ放射状に広がる円形ストリップの形になり、より低いスラリー濃度領域は、分配点と半径方向内側領域との間にできる。これは、研磨されている基板の直径方向に一様でない研磨速度をもたらす可能性がある。
多点スラリーディスペンサーも、例えば「CMP Slurry Atomization Slurry Dispense System」という表題の米国特許第6284092号で述べられるように、単一基板を研磨するためにスラリーのより均一な分布を提供するために開発された。掃引式多点スラリーディスペンサーも、例えば「Multipurpose Slurry Delivery Arm for Chemical Mechanical Polishing」という表題の米国特許第7052374号で述べられるように、パッドにスラリーを広げるために使用された。しかしながら、これらのスラリー分配システムは、単一基板研磨機のためのより優れたスラリー分布を提供するが、それらは、いくつかの基板を同時に研磨するために多重キャリアヘッドを使用するかまたはより大きな基板を研磨するために使用される、新しい世代のCMP研磨機のための効果的なスラリー分布を提供しない。それ故に、多数基板を同時に研磨するためにまたは大きな基板を研磨するために、研磨パッドの表面全体にわたるスラリーのより均一な分布を提供するスラリー分配システムを備える化学的機械的研磨機を有することが望ましい。
化学的機械的研磨機は、研磨パッドを支持する研磨プラテンと、各々が研磨パッドに接触させた状態で基板を保持する第1および第2の基板キャリアと、第1および第2のスラリーディスペンサーとを含む。第1および第2のスラリーディスペンサーの各々は、(i)旋回端および遠位端を含むアームと、(ii)遠位端上の少なくとも1つのスラリー分配ノズルと、(iii)遠位端でスラリー分配ノズルを振ることにより研磨プラテン全体にスラリーを分配するために、旋回端を中心にアームを回転させるディスペンサー駆動部とを含む。
化学的機械的研磨方法は、第1および第2の基板を研磨パッドに接触させた状態でこするステップと、第1および第2の基板の各々の前方に研磨スラリーを分配するステップとを含む。
基板をスラリーで研磨するための化学的機械的研磨機は、研磨パッドを支持するための研磨プラテンと、基板を研磨プラテンに接触させた常態で保持する基板キャリアと、スラリーディスペンサーであって、1つまたは複数のヒンジ継ぎ手で連結される複数の区分と、旋回端および遠位端と、遠位端にまたはその近くに位置する少なくとも1つのスラリー分配ノズルとを有するヒンジ連結アームを含むスラリーディスペンサーとを含む。
化学的機械的研磨方法は、研磨プラテンに取り付けられた研磨パッドに接触させた状態で基板をこするステップと、ヒンジ継ぎ手で互いに連結された第1の区分および第2の区分、旋回端、遠位端、ならびに遠位端にまたはその近くに位置する少なくとも1つのスラリー分配ノズルを含むヒンジ連結スラリーディスペンサーアームを提供するステップと、研磨パッド全体にわたる分布パターンで研磨スラリーを分配するために第1の区分を第2の区分に対して移動させるステップとを含む。
本発明のこれらの特徴、態様および利点は、次の記述、添付の特許請求の範囲、および本発明の実施例を示す添付図面により、よく理解されるであろう。しかしながら、各特徴は、単に特定の図面との関連のみでなく、一般的に本発明で使用することができ、本発明は、これらの特徴の任意の組合せを包含すると理解されるべきである。
待機位置での、研磨プラテン、可動スラリーディスペンサー、および研磨パッド調整器を含む研磨プラテンアセンブリの斜視図である。 研磨パッド上へ研磨スラリーを分配する可動スラリーディスペンサーを示す図1の研磨プラテンアセンブリの斜視図である。 図2のスラリーディスペンサーアームの実施形態の横断面側面図である。 化学的機械的研磨機の実施形態の斜視図である。 図4Aの研磨機の部分分解組立て斜視図である。 図4Aの研磨機の天板の図式的上面図である。 図5Aは、可動スラリーディスペンサーの別の実施形態を示す研磨プラテンアセンブリの上面図である。図5Bおよび5Cは、図5Aの可動スラリーディスペンサーの縦断面図および横断面図である。 図6Aは、化学的機械的研磨機の研磨ステーションの天板に取り付けられたスラリーディスペンサーの別の実施形態の斜視図である。図6Bは、図6Aのディスペンサーを通り抜ける給送管を有する管状区分を示す横断面図である。 2つの異なるアーム位置を示す図6Aのスラリーディスペンサーの斜視図である。
化学的機械的研磨機100は、基板の表面を研磨するのに有用である。例えば、研磨機100は、銅相互接続配線またはビアを含む基板の表面を研磨するために使用できる。別の応用では、研磨機は、基板上の二酸化シリコン層の表面を研磨するために使用できる。当業者には明らかとなるような、多くの他の研磨応用および用途も、本発明の範囲内である。
半導体ウェハー、ディスプレイ、またはパネルを含む基板の表面を研磨するのに適した研磨機100の実施形態を図1に示す。研磨機100は、同時に、または独立して作動することができる1つまたは複数の研磨ステーション108を保持する天板106を含む。各研磨ステーション108は、研磨パッド112を支持する研磨プラテン110を含む。第1および第2の基板キャリア120a、bの各々は、プラテン110が回転、揺動または振動する間、基板140a、bをそれぞれ研磨パッド112に押し付ける。一変形例では、プラテン110は、駆動シャフトでプラテン110の下面に結合されるプラテンモータ117によって回転する。一変形例では、プラテンモータ117は、サーボモータなどの可変速度直流モータであり、研磨の間に可変基板回転速度を選択的に提供することができる。プラテン110は、アルミニウムまたはステンレス鋼プレートとすることができる。
プラテン110に取り付けられた研磨パッド112は、典型的には、少なくとも2つの基板140a、bをカバーするために十分に大きな半径を有する平面ディスクを含む。研磨パッド112は、各基板140a、bを研磨するために基板140a、b(同様に回転、揺動または振動可能)に接触して回転する。研磨パッド112は、基板表面を過剰に傷つけるか、または損傷を与えることなく、基板140a、bから望ましくない材料を研磨して取り除くために十分に研磨性のある材料で作られた研磨表面113を含む。例えば、研磨表面113は、ポリマー、フェルト、紙、布、セラミック、または他のそのような材料で作製することができる。研磨表面113はまた、研磨表面113を覆う研磨スラリーの流量を高めるためにより多くの溝(図示せず)を包含することができる。例えば、適切な研磨パッド112は、St.Paul、Minnesotaの3M Superabrasives and Microfinishing Systems Divisionによって製造される固定研磨材研磨パッドを含み、これは、樹脂に埋め込まれたシリカなどの研磨粒子を含有する。一変形例では、研磨パッド112は、感圧接着剤を使用して、研磨パッド112とほぼ同じ直径であるプラテン110に接着される。
第1および第2の基板キャリア120a、bの各々は、基板140a、bをそれぞれ研磨パッド112に接触した状態で保持する。基板140a、bは、各基板キャリア120a、bに真空または表面張力によって保持される。基板キャリア120a、bの各々は、基板140a、bで均一に研磨された表面を達成するために独立して回転し、研磨パッド112を横断して前後に揺動しながら圧力を加える。研磨の間に、空気圧システム(図示せず)は、所定の荷重力で基板140a、bを研磨パッド112に押し付けるために基板キャリア120a、bを研磨パッド112上におろす。プラテンモータ117は、プラテン110および研磨パッド112を回転させる。同時に、各基板キャリア120a、bは基板140a、bを回転させ、一方スライダー(図示せず)は、基板140a、bを研磨パッド112の表面で横方向に揺動するために基板キャリア120a、bを前後に直線状に駆動する。基板キャリア120a、bは、1つまたは複数のキャリアモータ(図示せず)によって駆動され、可変基板回転速度を提供でき、また前後の直線運動でも基板を移動できるサーボモータなどの可変速度直流モータとすることもできる。基板キャリア120a、bは、研磨パッド112の2つの異なる領域に接触させた状態で基板をこすることによって基板140a、bの表面を摩耗させる。
研磨の間、前または後に、第1および第2のスラリーディスペンサー122a、bは、研磨スラリー、中和溶液、および/または水を研磨パッド112の表面に提供する。一変形例では、第1および第2のスラリーディスペンサー122a、bは、研磨プラテン110の隣りに位置決めされる。ディスペンサー122a、bは、プラテン110を挟んで、互いに直径方向に対向して置くこともできる。スラリーディスペンサー122a、bの対向する対の各々は、それらが第1および第2の基板キャリア120a、b間で回転でき、位置決めできるように置かれる。一変形例では、ディスペンサー120a、bは、スラリーを分配しながら研磨プラテン110を横断して円弧状に掃引する。各スラリーディスペンサー122a、bは、新鮮な研磨スラリーを基板キャリア120a、bに取り付けられた基板140a、bの1つのすぐ前に位置する研磨パッド112の異なる領域に給送する。このようにして、第1のスラリーディスペンサー122aは、新鮮なスラリーを第2の基板キャリア140bの基板120bに提供し、第2のスラリーディスペンサー122bは、新鮮なスラリーを第1の基板キャリア120aの基板140aに提供するか、または研磨プラテン110の回転方向に応じて逆が行われる。有利には、各々が第1および第2の基板キャリア120a、b間に位置する研磨パッド112上の異なる円周領域に新鮮な研磨スラリーが分配されるため、研磨機100が両方の基板140a、bをほぼ同じ研磨速度で研磨することができる。
第1および第2のスラリーディスペンサー122a、bの各々は、旋回端126a、a’および遠位端126b、b’をそれぞれ有するディスペンサーアーム123a、bを含む。スラリーディスペンサーアーム123a、bの各旋回端126a、a’は、回転可能なアクスル127a、bに取り付けられる。ディスペンサー駆動部128a、bは、研磨プラテン110全体にスラリーを分配するため、旋回端126a、a’を中心に各ディスペンサーアーム123a、bを回転させることによりそれぞれのスラリー分配ノズルをアーム123a、bの遠位端で振るための、回転可能なアクスル127a、bに動力を供給する。ディスペンサー駆動部128a、bは、旋回端126a、a’が研磨プラテン110の異なる領域にわたって固定円弧に沿って回転するようにディスペンサーアーム123a、bを回転させるように操作することができる。ディスペンサー駆動部128a、bは、スラリーを分配しながら研磨プラテン110を横断して円弧状に各アームを掃引するために、各アーム123a、bを回転させる。一実施形態では、各円弧は、約0°から約45°に及ぶ弓状距離をカバーする。第1および第2の固定円弧は、研磨パッド112の直径を横断して互いに対向することができる。
少なくとも1つのスラリー分配ノズル124a、bは、図2に示すように、ディスペンサーアーム123a、bの各々の旋回端126a、a’と遠位端126b、b’との間にそれぞれ提供される。ディスペンサー駆動部128aが特定のディスペンサーアーム123aを円弧に沿って回転させるとき、スラリー分配ノズル124aも、所望の噴霧被覆エリアを示す弓状領域133a、b内の研磨パッド112にスラリーを分配するために固定円弧129に沿って振られる。ディスペンサー駆動部128a、bの各々は、ノズル124a、bの各々が固定円弧129a、bに沿って振られるように、旋回端126a、a’の周りでディスペンサーアーム123a、bの1つを回転させる。固定円弧129a、bは、プラテン110の直径を横切ることができる。一実施形態では、各固定円弧129a、bは、第1の位置から出発し、円弧を横断して第2の位置へ移動し、同じ第1の位置へ戻るとき、少なくとも二度にわたってプラテン110の固定半径方向軸134と交差する。このようにして、研磨スラリーは、研磨パッド112を挟んで互いに対向する2つの異なる旋回点を中心にディスペンサーアーム123a、bを回転させることによって分配される。それ故にスラリーは、研磨パッド112を横断して、互いに間隔をおいて、場合によってはプラテンの特定の直径である共通軸に沿って整列できる異なる地点から同時に分配される。適切なディスペンサー駆動部128a、bは、ギヤ減速を備えるサーボモータもしくは直接駆動モータなどのモータ、またはディスペンサーアーム123a、bを移動させるために伸縮できる油圧システムとすることができる。第1および第2の円弧は固定円弧とすることができ、それらは研磨プラテン110を横断して互いに直径方向に対向することもできる。円弧は、第1の基板キャリア120aと第2の基板キャリア120bとの間にあり、新鮮な研磨スラリーを第1および第2の基板キャリア120a、bの各々に提供する。
スラリーディスペンサー122a、bは、少なくとも第1のノズル124a、a’および第2のノズル124b、b’をそれぞれ含むこともできる。第1および第2のノズル124a、a’および124b、b’の各々は、互いに間隔をあけて位置し、またアーム123a、bの縦方向に沿う共通軸に沿って整列できる。分配ノズル124a、a’および124b、b’は、弓状領域133a、bで研磨パッド112のより大きな表面を横断して研磨スラリーを分配するために研磨スラリーなどの流体を研磨パッド112上に向ける。
図3に示すように、ディスペンサーアーム123は、ディスペンサーアーム123の長さにわたって研磨スラリー、中和流体、または水の通路を各々提供する複数の供給管125a〜cを取り囲んでおり、保護する中空ケーシング135を包含している。例えば、供給管125aは、バレルリザーバーとして機能することができ且つノズル124a〜eに給送するスラリーディスペンサーチャネル137に研磨スラリーを供給するために使用できる。各ノズル124a〜eは、簡便な方法によって供給管125aに取り付けられる。例えば、あらかじめ形成されたノズル124a〜eは、オスメスのねじ山を使用してまたはゴム製ガスケットシールで流体供給管125aに取り付けることができる。流体供給管125a〜cは、所望の供給流体による腐食もしくは化学反応に耐性の材料で作られるか、場合によっては流体接触面への堆積物の蓄積を低減できる材料を含む。流体供給管が柔軟であることはさらに望ましく、スラリーアームが回転するとき、それは曲げおよび屈曲に耐えることができる。流体供給管の例示的な実施形態は、例えば、Oakdale、MinnesotaのDyneonから入手できるTHV x50 UHPなどのTHV管類とすることができる。各流体供給管125a〜cは、研磨機100の外部に位置する流体供給源(図示せず)によって流体を提供される。流体供給源は、加圧タンク、化学薬品配送ユニットまたはポンプを備えるドラム缶を含むことができ、スラリー、化学薬品または水を供給することができる。1つまたは複数のバルブ、圧力センサーおよび容積式流量計も、流体の供給を制御するために流体供給源と供給アームとの間で使用できる。
図3に示すスラリーディスペンサー122の実施形態は、複数のノズル124a〜eを含んでいる。各ノズル124a〜eは、約0.03インチから約0.05インチの終端開口を有する。ノズル124a〜eは、円錐形の噴霧パターンで加圧流体を出射するために、円錐形プロファイルを持つ横断面を有することもできる。適切な円錐形プロファイルは、約40°から約120°の角度幅を含む。ノズル124a〜eは、所望の研磨スラリー組成による浸食、およびそれとの反応に耐性の材料から作られる管にドリルで穴を開けることによって作ることができる。ノズル124a〜eは、ノズルの流体接触面への堆積物の蓄積に耐える材料から形成することもできる。一実施形態では、ノズル124a〜eはPVDFから作られる。代替実施形態では、ノズル124a〜eは別々に作られ、ねじ山または接着封止剤によってディスペンサーアーム123に取り付けられる。あらかじめ形成された例示的ノズル124a〜eは、Carol Stream、IllinoisのSpraying Systems Co.から入手できるVeeJet Spray Nozzleである。
複数のノズル124a〜eは、研磨パッド112全体にスラリーを分配するために、ディスペンサーアーム123の長さに沿って付加されるスラリーディスペンサーチャネル137に置くこともできる。ディスペンサーチャネル137は、チャネルの縦軸が中空体の縦軸と実質的に平行であるように、ディスペンサーアーム123の下面に沿って配置される中空直方体を含む。ディスペンサーチャネル137は、例えば、ディスペンサーチャネル137にノズルの形をした開口を機械加工するか、またはドリルで開けることによって形成できる、1つまたは複数の完全にそろったスラリー分配ノズル124a〜eを含む。ノズル124a〜eの各成形された開口は、例えば、より小さい第1の開口がチャネル137の内部容積部に面し、より大きい第2の開口がチャネルの外面にある状態で、外側へ向かうにつれて細くなる円錐形プロファイルを有することができる(図示せず)。例えば、成形された開口は、1mm未満の第1の開口直径、および約1.1mmより大きい第2の開口直径を有することができる。成形された開口は、プラテン表面の方へ開き、約1mmから約2mmの直径を含む。ディスペンサーチャネルの第1の開口は、ディスペンサーチャネルに研磨スラリーを供給する流体供給管125aの対応する開口の直径に合うように十分に大きくすることもできる。
基板140および研磨パッド112が互いに接触して回転するとき、選択されるスラリーレシピに従って供給される研磨スラリーの測定量は、ノズル124a〜eを通じて研磨パッド上に噴霧される。研磨スラリーは、反応性薬剤および化学反応性触媒を含有する。例えば、酸化物基板は、反応性薬剤として使用される脱イオン水、および触媒として働く水酸化カリウムを含む研磨スラリーで研磨できる。適切な研磨スラリーは、例えば、酸化アルミニウム、酸化シリコン、炭化シリコン、および他のセラミック粉末のうちの少なくとも1つを含み、例えば水、アルコール、緩衝剤および懸濁化学薬品のうちの1つまたは複数を含む溶液に懸濁される研磨粒子を含んでもよい。
スラリーディスペンサー122のディスペンサーアーム123は、研磨プロセスの後に基板140をリンスするためのリンス用流体を提供するリンス用ノズル138a〜gの別個の組も含んでいる。リンス用ノズル138a〜gは、互いに間隔をあけて配置され、各研磨および/または調整サイクルの終わりに研磨パッド112の高圧流体リンスを提供することができる。リンス用流体は、供給管125cを通じてリンス用ノズル138a〜gに供給される。脱イオン化水などのリンス用流体は、基板が1つの研磨ステーションからもう1つに移るときに基板140を洗浄するために使用できる。リンス用ノズル138a〜gは、基板140が保持ステーションへ戻るように移送されている間に、研磨パッド表面からスラリーをリンスするために、水の流れをゆっくり回転する研磨パッド112の方へ向けることもできる。水は、基板140の処理中に、粒子および化学薬品をパッド表面からリンスするために研磨パッド112の表面に供給することもできる。リンスするステップは、所定数の基板140を研磨した後でもしくは研磨機操作の初めに前処理ステップとして、パッド表面から反応物を取り除くための操作の終わりに、またはパッド表面から粒子および化学薬品をリンスするために、必要に応じて行うことができる。リンス用ノズル138a〜gは、水または他の洗浄流体の円錐形噴霧断面を研磨パッド112に供給するために円錐形横断面を含むこともできる。リンス用流体シールド(図示せず)は、リンス用ノズル138a〜gの側面をカバーして基板を覆うリンス用流体の噴霧を含有するたために使用できる。リンス用流体シールドは、DelawareのDuPont de Nemours Co.のTeflon(登録商標)から作ることができる。
スラリーディスペンサー122のディスペンサーアーム123は、1つまたは複数の基板140の研磨が完了した後、研磨スラリーの活性薬剤を中和するために研磨パッド112を横断して化学薬剤を分配する化学的リンスノズル139を包含することもできる。化学的リンスノズル139は、スラリー分配ノズル124とは別のノズルとして述べられるが、同じノズル構造とすることもできる。一実施形態では、化学的リンスノズル139はディスペンサーアーム123の遠位端126bに位置する。化学的リンスの組成は、研磨されている基板140との研磨スラリーの化学的活性成分の反応を止めるように選択され、活性なスラリー成分のエッチャントまたは腐食特性を中和する役目を果たすことができる。例えば、一実施形態では、化学的リンスは、酸またはアンモニアをベースにした中和剤を含む。
コントローラ188は、図4Aに示すように、CMP装置100およびスラリーディスペンサー122を包含する、CMP装置100のさまざまな構成部品を制御するために適切なプログラミングコード190を含む。コントローラ188は、CPUと、マウス、キーボード、およびライトペンなどの入力デバイス192と、ディスプレイなどの出力デバイス194とを含むプログラム可能なコンピュータである。コントローラ188は、研磨機ステーション108、108a〜cのいずれかについて研磨パラメータを計算するため、測定するため、およびレシピを保持するために使用される。一実施形態では、プログラムコード190は、ディスペンサーアーム123のモータを制御するためのコードを含む。例えば、そのコードは、研磨パッド112全体にスラリーを分配するために、各ディスペンサーアーム123をそれらの旋回端126a、a’の周りで回転させることにより、それぞれのスラリー分配ノズルをアーム123の遠位端126b、b’で振る回転可能なアクスル127に動力を供給するディスペンサー駆動部128を制御することができる。コントローラ188は、アーム123の所望の動きを得るために、ディスペンサーアーム123のモータを操作することができる。この動きは、所望のパターンまたは領域で研磨パッド112上にスラリーを分配するために、アーム123の遠位端126b、b’に位置するスラリー分配ノズル124a〜cの運動を制御するために制御される。例えば、コントローラ188は、パッド112全体にわたるスラリー分布領域の所望の形状を得るために、研磨パッド112を横断してディスペンサーアーム123を移動させるようにモータを制御するためのプログラムコード190を含むことができる。
その特徴が、単独でまたは本明細書で述べられる任意の他の特徴と組合せて得られるスラリーディスペンサー122の代替実施形態では、ディスペンサーアーム123は、図5Aから5Cに示すように、近位端141に関して直線運動で移動可能な遠位端131を含む。遠位端131は、例えば、前後への掃引運動で近位端141に関して直線的に移動する。このようにして、ディスペンサーアーム12の可動区分に位置する分配ノズル124a〜cは、パッドのより大きな表面積をカバーするために研磨パッド112の半径方向長さにわたって研磨スラリーを供給することができる。
この変形では、遠位端131を包含するディスペンサーアーム123の区分は、直線経路に沿ってディスペンサーアーム123の近位端141の方へおよびそれから離れる方へ遠位端131を移動させることができるディスペンサー駆動部143に接続される。ディスペンサー駆動部143は、研磨プラテン110全体に直線状にスラリーを分配するために直線経路に沿ってアーム123の遠位端131を移動させる。この直線運動は、ディスペンサーアーム123の縦軸に対応する直線と合致させることができる。ディスペンサー駆動部143はコントローラ188によって制御され、コントローラはディスペンサーアーム123の直線運動を制御するためのプログラムコード190を含む。遠位端131は、延ばされていないディスペンサーアーム123の長さの約20%から約90%の直線距離を進むことができる。
コイル状供給管145a、bは、図5Bおよび5Cに示すように、ノズル124a〜cに、研磨スラリー、懸濁液または他の流体を供給するために、ディスペンサーアーム123の全長にわたって延びている。コイル状供給管145a、bは、ノズル124a〜cへの流体の供給を変更することなくアーム123の長さを変更することを可能にする。コイル状供給管145a、bは、所望の供給流体による腐食または化学反応に耐性の材料で作ることができるか、場合によっては流体接触面への堆積物の蓄積を低減できる材料を含むことができる。流体供給管が柔軟であることはさらに望ましく、これにより曲げおよび屈曲に耐えることができるようになる。流体供給管は、例えば、Dyneonから入手できるTHV x50 UHPなどのTHV管類とすることができる。各コイル状流体供給管145a、bは、研磨機100の外部に位置する流体供給源(図示せず)によって流体を供給される。
将来的に可能な実施形態では、コントローラ188は、基板キャリア120の動きに関連してディスペンサーアーム123の遠位端131の動きを制御するためのプログラムコード190を含む。例えば、ディスペンサーアーム123の遠位端131は、適切な位置に移動でき、基板140が基板キャリア120(図示せず)によって保持された状態で、スラリーを、研磨パッド112の基板接触領域147に、パッドがこの領域に接触する直前に分配することができる。ディスペンサーアーム123の遠位端131は、キャリアアセンブリとの衝突を避けるために基板キャリア120の経路の外に位置決めできる。ディスペンサーアーム123は、非移動式アームと比較して、プラテンもしくはパッドの全長、または半径方向長さの実質的な部分を横断する直線掃引を使用して、研磨パッド112のより大きなエリアに研磨スラリーを供給することができる。
直線掃引アームは、研磨パッド112の中央領域からパッドの周辺部まで横断する直線経路に沿って研磨スラリーを供給するように構成できる。さらに、研磨アーム123の遠位端131の周辺に位置するノズル124a〜cは、研磨パッド112の上方の半径方向給送位置に移動できるので、研磨スラリーへの流量要件はそれほど厳密ではない。例えば、ノズル124a〜cが目標エリアにより近く位置し、ノズルによって分配されるスラリーが、一様でないとしても、基板接触領域147で研磨パッド112になお着地することになるので、研磨スラリーの一様でない分布をもたらすノズル124a〜cの部分的な目詰まりおよびディスペンサーノズルからのスラリーのスパッタリングは、それほど大きな影響を有しない。
研磨システムは、例えば図5Aに示すような第1および第2のディスペンサーアーム123a、bを含むことができる。第1および第2のディスペンサーアーム123a、bは、互いに対向するように構成でき、例えば、第1のディスペンサーアーム123aの近位端141aは、第2のディスペンサーアーム123bの近位端141bからプラテンの反対側に位置することができる。第1および第2のディスペンサーアーム123a、bは、単一のディスペンサーアーム123よりも大きなエリアを覆って研磨スラリーまたは他の流体を研磨パッド112に提供するように構成できる。さらに、対向する第1および第2のディスペンサーアーム123a、bは、研磨媒質、リンス用流体、中和化学薬品流体または他の流体組成を選択的に分配するように構成できる。
将来的に可能な一実施形態では、第1のディスペンサーアーム123aは、研磨スラリーを分配するように構成され、第2のディスペンサーアーム123bは、リンス用流体および中和化学薬品流体を分配するように構成される。この将来的に可能な実施形態では、第1のディスペンサーアーム123aは、残りのディスペンサーアーム123bの取り外しまたは他の流体供給配管の分離を必要とすることなく、研磨スラリーで目詰まりするディスペンサーバルブの洗浄のためにチャンバーから取り外すことができる。
第1のスラリーディスペンサーおよびディスペンサーアーム123aは、研磨スラリーまたは他の流体を第1の基板接触領域に供給するために提供され、第2のスラリーディスペンサーおよびディスペンサーアーム123bは、研磨スラリーまたは他の流体を第2の基板接触領域に供給するために提供され、第1および第2の接触領域は互いに異なる。第1の基板キャリア120aは基板を第1の基板接触領域に接触させ、第2の基板キャリア120bは基板を第2の基板接触領域に接触させる。このようにして、第1および第2のスラリーディスペンサーアーム123a、bは、スラリーを第1および第2の基板キャリア120a、bに供給する。
別の将来的に可能な実施形態では、スラリーディスペンサー180は、図6Aに示すように、1つまたは複数のヒンジ連結継ぎ手186a〜cによって連結される複数の区分184a〜cを含むヒンジ連結アーム182を含む。区分184a〜cのいずれかは、互いに対して移動でき、例えば、第1の区分184aは、第2の区分184bに対して移動でき、または両方の区分は同時に移動できる。各区分184a〜cは、2、場合によっては3の、動きの自由度を有することができる。区分184a〜cは、第2のヒンジ連結継ぎ手186bで接続される第1および第2の区分184a、b、および任意選択で第3のヒンジ連結継ぎ手186cで接続される第3の区分184cを包含することができる。第1、第2および第3のヒンジ連結継ぎ手186a〜cのいずれかは、自由度2を有する平面継ぎ手、自由度3を有する旋回ボール継ぎ手、これらの継ぎ手の組合せ、または他の種類の継ぎ手とすることができる。ヒンジ連結アーム182はまた、追加のまたはより少ない区分を有することもできる。区分184a〜cの数およびヒンジ連結継ぎ手186a〜cの種類は、ヒンジ連結アーム182の所望の自由度の動きを得るように選択される。さらに、異なる自由度を提供する区分184a〜cおよびヒンジ連結継ぎ手186a〜cの数の特定の組合せを選択することによって、ヒンジ連結アーム182は、所望のスラリー分布パターンまたは成形された領域を提供するように調整することができる。
加えて、ヒンジ連結継ぎ手186a〜cの1つまたは複数は、特定のヒンジ連結継ぎ手186a〜cに連結される区分184a〜cのいずれかのあらかじめプログラムされた範囲の運動を許容するモータ(図示せず)を含有することができる。区分184a〜c、およびヒンジ連結アーム182を駆動するモータは、ヒンジ連結継ぎ手186a〜cの内部に位置するマイクロモータ、油圧モータ、および他のモータとすることができる。
一変形例では、ヒンジ連結アーム182は、第1の継ぎ手で天板に取り付けられる旋回端190および遠位端200を含み、その遠位端200にまたは近くに、研磨プラテンまたは研磨パッド112上にスラリーを分配するために使用できる1つまたは複数のスラリー分配ノズル202a〜cを備えている。コントローラ188は、スラリーディスペンサー122の運動を制御するための適切なプログラミングコードを含む。コントローラ188は、研磨機ステーション108、108a〜cのいずれかについて研磨パラメータを計算するため、測定するために、およびレシピを保持するために使用できる1つのデバイスまたは多数デバイスを含むプログラム可能なコンピュータである。一実施形態では、コントローラ188は、1つまたは複数のヒンジ連結継ぎ手186a〜cによって連結される複数の区分184a〜cの所望の直線状または弓状の動きを得るために、ヒンジ連結アーム182のさまざまなモータの1つまたは複数を制御するためのプログラムコード190を含む。この動きは、所望のパターンまたは領域で研磨パッド112上にスラリーを分配するために、ヒンジ連結アーム182の遠位端200に位置するスラリー分配ノズル202a〜cの運動を制御するために制御される。例えば、コントローラ188は、研磨パッド112を横断してヒンジ連結アーム182を移動させることによりパッド112上のスラリー分布領域の所望の形状を得るためにモータを制御するためのプログラムコードを含むことができる。
水平掃引に加えて、ヒンジ連結アーム182は、例えば図7に示すように、研磨パッド112の上方の分配ノズル202a〜cの高さも変えることができ、その図は、ヒンジ連結アーム182、区分184a〜c、継ぎ手186a〜cおよびノズル202a〜cを第1の位置で、ならびに第2の位置ではヒンジ連結アーム182’、区分184a’〜c’、継ぎ手186b’、c’およびノズル202a’〜c’として示す。この変形例では、継ぎ手186aはアームの旋回端190に位置し、継ぎ手186aの本体は、ヒンジ連結アーム182の継ぎ手が操作されるとき、場所を変えない。第1の位置では、ヒンジ連結アーム182の各ノズル202a〜cは、研磨パッド112に加圧流体が分配される円錐形噴霧エリア204a〜cを有する。第2の位置では、各ノズル202a’〜c’は、異なる円錐形噴霧エリア204a’〜c’を有する。図示の実施例では、第1の噴霧エリア204a〜cは、第2の噴霧エリア204a’〜c’よりも数倍大きい。これにより、ノズルの噴霧エリアを、流体供給の圧力を変えることなく変更することができる。さらに、分配流体での研磨パッド112の被覆範囲は、研磨パッド112および基板140の接触エリアに合致するように調整することができる。例えば、研磨パッド112が基板140と比較して十分に大きく、よって各基板140が処理の間に研磨パッド表面の小さな部分にだけ接触するならば、有益でありうる。
一変形例では、第1および第2のスラリーディスペンサー122a、bは、互いに間隔をあけて位置する2つの異なる地点から同時に研磨プラテン全体にスラリーを分配するために、研磨プラテン110上で、同プラテンに接して位置決めされる。例えば、第1および第2のスラリーディスペンサー122a、bは、図示されるように互いに直径方向に対向するように位置決めすることができる。一変形例では、スラリーディスペンサー122a、bの対向する対は、2つの基板140a、bを同時に研磨するために使用される第1および第2の基板キャリア120a、b間に位置決めされて、各スラリーディスペンサー122a、bは、基板キャリア120a、bの直近の経路に位置する研磨パッド112の異なる領域に研磨スラリーを提供できるようになる。例えば、第1および第2の基板キャリア120a、bは、第1の基板キャリア120aの前にある第1の位置におよび第2の基板キャリア120bの前にある第2の位置にスラリーを分配するように移動できる。このようにして、第1のスラリーディスペンサー122aは新鮮なスラリーを第2の基板キャリア120bに提供し、第2のスラリーディスペンサー122bは新鮮なスラリーを第1の基板キャリア120aに提供するか、または研磨プラテン110の回転方向に応じて逆が行われる。これにより、有利には、それぞれが第1および第2の基板キャリア120a、b間に位置する研磨パッド112上の異なる円周領域に新鮮な研磨スラリーが分配されるので、研磨機100が両方の基板140a、bをほぼ同じ研磨速度で研磨できる。
一実施形態では、ヒンジ連結アーム182は、第1および第2の中継継ぎ手186b、cによって一つに連結される第1、第2および第3の区分184a〜cを含む。第1の区分184aは、ヒンジ連結アーム182が旋回継ぎ手の周りで回転することを可能にする旋回端190を提供するために、ボール継ぎ手などの旋回継ぎ手である第1の継ぎ手186aで天板106に付着される。第2の区分184bは、第1の区分184aと第3の区分184cとの中間にある。1つまたは複数のスラリー分配ノズル202a〜cは、第3の区分184cのヒンジ連結アーム182の遠位端200に位置決めされる。
ヒンジ連結アーム182およびスラリー分配ノズル202a〜cの遠位位置の柔軟性は、研磨パッド112の形状または寸法に依存しないまたは拘束されない最適分散または掃引パターンでの研磨スラリーの分散を可能にする。例えば、ヒンジ連結アーム182は、長方形、場合によっては正方形の研磨パッド112を横断して研磨スラリーを分配するように容易に適合させることができる。さらに、ヒンジ連結アーム182は、細長いスラリー分布領域を提供するために所望の直線状または弓状のパターンを達成するためにコントローラ188によって制御することもできる。例えば、ヒンジ連結アーム182は、研磨プラテン110上で直線経路に沿って分配ノズル202a〜cを移動させるように容易に適合させることができる。一変形例では、ヒンジ連結アーム182のモータは、プラテンまたは研磨パッド上で直線的にスラリー分配ノズル202a〜bを移動させる。別の変形例では、ヒンジ連結アーム182のモータは、プラテン110または研磨パッド112を横断して弓状経路に沿ってスラリー分配ノズル202a〜bを移動させる。例えば、弓状経路は、少なくとも二度にわたって研磨プラテン110の固定半径方向軸と交差する固定円弧を含むことができる。弓状経路は、例えば、研磨プラテン110を横断して約0°から約45°に及ぶ弓状距離をカバーするようにも設定できる。
図6Aに示すスラリーディスペンサー122の実施形態は、複数のノズル202a〜cを含んでいる。各ノズル202a〜cは、約0.03インチから約0.05インチの終端開口を有する。ノズル202a〜cは、円錐形噴霧パターンで加圧流体を出射するために円錐形プロファイルを持つ横断面を有することもできる。適切な円錐形プロファイルは、約40°から約120°の角度幅を含む。ノズル202a〜cは、所望の研磨スラリー組成による浸食、およびそれとの反応に耐性の材料から作られる管に穴をドリルで開けることによって作ることができる。ノズル202a〜cは、ノズルの流体接触面への堆積物の蓄積に耐える材料から形成することもできる。一実施形態では、ノズル202a〜cはPVDFから作られる。代替実施形態では、ノズル202a〜cは別々に作られ、ねじ山または接着封止剤によってディスペンサーアーム182に取り付けられる。例示的なあらかじめ形成されたノズル202a〜cは、Spraying Systems Co.(Schmale Road、Carol Stream、IllinoisにあるNorth AvenueのSpraying Systems Co.)から入手できるVeeJet Spray Nozzleである。
一変形例では、ヒンジ連結アーム182の区分184a〜cの各々は、図6Bに示すように、中空ケーシングを含む管状区分208を含む。管状区分208は、ヒンジ連結アーム182の全長にわたって研磨スラリー、中和流体、または水の通路を各々提供する複数の供給管206a〜cを取り囲んで保護している。例えば、供給管206aは、研磨スラリーをスラリー分配ノズル202aに供給するために使用できる。各ノズル202a〜cは、簡便な方法によって供給管206a〜cに取り付けられる。例えば、あらかじめ形成されたノズルは、オスメスのねじ山を使用してまたはゴム製ガスケットシールで流体供給管206a〜cに取り付けることができる。流体供給管206a〜cは、所望の供給流体による腐食または化学反応に耐性の材料で作られるか、場合によっては流体接触面への堆積物の蓄積を低減できる材料を含む。流体供給管206が柔軟であることはさらに望ましく、ヒンジ連結アーム182が操作されるとき、それは曲げおよび屈曲に耐えることができる。流体供給管の例示的な実施形態は、例えば、Dyneon(オークデールミネソタ州)から入手できるTHV x50 UHPなどのTHV管類とすることができる。
各流体供給管206a〜cは、研磨機100の外部に位置する流体供給源(図示せず)によって流体を提供される。流体供給源は、加圧タンク、化学薬品配送ユニットまたはポンプを備えるドラム缶を含むことができ、スラリー、化学薬品または水を供給することができる。1つまたは複数のバルブ、圧力センサーおよび容積式流量計も、流体の供給を制御するために流体供給源と供給アームとの間で使用できる。
ヒンジ連結アーム182のノズルは、研磨プロセスに関連して流体を分配するように操作できる。ノズル202a、bは、選択されるレシピに従って研磨パッド112にスラリーの測定量を分配するために使用できる。ヒンジ連結アーム182は、研磨プロセスの後に研磨パッド112をリンスするためのリンス用流体を提供する1つまたは複数の別個のリンス用ノズル、例えばノズル202cを包含することもできる。場合によっては、研磨パッド112の高圧流体リンスは、各研磨および/または調整サイクルの終わりに行うこともできる。リンス用流体は、供給管206を通じてリンス用ノズル202に供給される。スラリーディスペンサー122のヒンジ連結アーム182は、1つまたは複数の基板140の研磨が完了した後、研磨スラリーの活性薬剤を中和するために研磨パッド112全体に化学薬剤を分配する化学的リンスノズル(図示せず)を包含することができる。化学的リンスノズルは、スラリー分配ノズルとは別のノズルとして述べられるが、同じノズル構造とすることもできる。一実施形態では、化学的リンスノズルは、ヒンジ連結アーム182の遠位端200に位置する。ヒンジ連結スラリーディスペンサー180を参照して開示されるノズルは、回転スラリーディスペンサー122を参照して開示される対応するスラリーディスペンサー、リンス用および化学的リンスノズルと同じ材料で作ることができる。さらに、スラリーディスペンサー122、180の異なる変形例の対応するノズルによって分配される流体および対応するノズルに供給される圧力も同じとすることができる。
本明細書で述べられるスラリーディスペンサーの異なる変形例は、任意の種類のCMP研磨機100で使用できる。例えば、半導体ウェハー基板の表面を平坦化するために使用できる化学的機械的研磨機100の実施形態は、図4Aから4Cに示されている。研磨機100は、スラリーディスペンサー122、180の異なる実施形態のいずれかの使用を例示するために提供されるが、研磨機100は、本発明の範囲を限定するものではない。研磨機100は、例えば、Santa Clara、CaliforniaのApplied Materials、Inc.からのMirra(登録商標)またはSycamore(登録商標)型のCMPシステムであってもよい。一般に、研磨機100は、図4Aに示すように、天板106と、1つまたは複数の研磨ステーション108a、bと、基板移送ステーション111と、回転可能な基板キャリア120を独立して操作する回転可能な多重ヘッドカルーセル116とを含有する筐体104を包含している。各研磨ステーション108a、bは、その上に研磨パッド112a、bを有する回転可能な研磨プラテン110a、bを包含する。プラテン110a、bは、プラテンモータ(図示せず)に接続される回転可能なアルミニウムまたはステンレス鋼プレートとすることができる。研磨パッド112a、bは、固定研磨材または研磨材のないパッドを包含することができる。研磨スラリーは、スラリーディスペンサー122a、bによってパッド112a、b上に分配される。
各研磨ステーション108、108a〜cは、例えば図6Aに示すような独立して回転する調整器ヘッド119を保持する回転可能なアーム118を有する1つまたは複数のパッド調整器114を有することもできる。パッド調整器114は、パッドが基板140a、bを効果的に研磨することを可能にするために研磨パッド112の状態を維持する。各調整器ヘッド119は、研磨ディスク(図示せず)を保持するプラテンを含む。プラテンは、研磨パッドに構造的剛性を提供する炭素鋼プレートなどの支持構造体である。研磨ディスクは、金属合金に埋め込まれた研磨粒子を有するニッケルまたはコバルト合金などの金属合金の露出研磨面を含む。固定研磨材パッドは、一般に、調整を必要としないので、固定研磨材パッドを有する研磨ステーション108はパッド調整器114を必要としない。調整器ヘッド119は、研磨パッドを横断する基板キャリア120の運動と同期化される往復運動で研磨パッド112を横断して研磨ディスクを掃引させる。図4Cに示されるパッド調整器114a〜cは、第1および第2のスラリーディスペンサー122a〜c、122a’〜c’の第2の高さよりも高い天板106からの第1の高さに取り付けられる。第1の高さは、少なくとも約15mmだけ第2の高さよりも高くできる。この変形例は、パッド調整器114がスラリーアームの上を掃引することを可能にし、研磨機の設置面積を低減する。
図4Aに示すように、基板ローディング装置130は、一群の基板140を含有するカセット136を包含する。アーム144は、直線トラック148に沿って動き、リストアセンブリ152を支持し、このアセンブリは、カセット136を保持ステーション155から移動させるためのカセットクロー154と、基板140をカセット136から移送ステーション111へ移送するための基板ブレード156とを包含する。操作時には、基板140は、カセット136から移送ステーション111にロードされ、次いで基板は、それが最初に真空によって保持される基板キャリア120に移送される。カルーセル116は、次いで、基板140を一連の1つまたは複数の研磨ステーション108a、bを通じて移送し、最終的に研磨された基板を移送ステーション111に戻す。カルーセル116は、図4Bに示すように、スロット162を備える支持プレート160を有し、そのスロットを通って基板キャリア120のシャフト172が延びている。基板キャリア120は、均一に研磨される基板表面を達成するためにスロット162中で独立して回転することができ、前後に揺動できる。基板キャリア120は、それぞれのモータ176によって回転し、それは普通、カルーセル116の取り外し可能な側壁178の裏側に隠されている。
図4Bおよび4Cに示すように、各研磨ステーション108a〜cは、それぞれが頭上に対向するスラリーディスペンサー122a〜c、122a’〜c’、の対を有する研磨パッド112a〜cをそれぞれが支持する回転可能なプラテン110a〜cを包含する。スラリーディスペンサー122a〜c、122a’〜c’が示されているが、代わりにまたは組み合わせて、ヒンジ連結スラリーディスペンサー180を使用することができる。研磨の間、各基板キャリア120は、回転する研磨プラテン110a〜cに付加された研磨パッド112a〜cに対して基板140を保持し、回転させ、押し付けている。基板140および研磨パッド112a〜cが互いに接触した状態で回転するとき、例えばコロイド状シリカまたはアルミナを含む脱イオン化水の研磨スラリーの測定量は、研磨スラリーディスペンサー122a〜c、122a’〜c’によって、選択されるスラリーレシピに従って供給される。プラテン110および基板キャリア120の両方は、プロセスレシピに従って異なる回転速度および方向で回転するようにプログラムできる。視覚的明瞭さのために、パッド調整器は、図4Bには示しておらず、一方3つのパッド調整器114a〜cが図4Cに示される。6つのパッド調整器114(図示せず)があってもよく、その各々は、スラリーディスペンサー122a〜c、122a’〜c’に関連して取り付けられる。
本発明について、特定の好ましい実施例を参照して説明したが、他の変形例も可能である。例えば、パッド調整器は、当業者には明らかであるように、例えば他の種類の用途においてサンディング表面として使用できる。CMP研磨機の他の構成も使用できる。加えて、開示されたものと同等の別の構成のチャネル構造も、当業者には明らかであるように、開示された実施例のパラメータに合わせて使用できる。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に含まれる好ましい実施例の記述に限定されない。

Claims (15)

  1. (a)研磨パッドを支持することができる研磨プラテンと、
    (b)各々が前記研磨パッドに接触させた状態で基板を保持することができる第1および第2の基板キャリアと、
    (c)各々が前記第1および第2の基板キャリアの間に位置するように位置決めされ、また、スラリーを分配しているときには前記研磨プラテンを横断して互いに対向する第1および第2のスラリーディスペンサーであって、各々が、
    (i)旋回端および遠位端を含むアームと、
    (ii)前記遠位端上の少なくとも1つのスラリー分配ノズルと、
    (iii)前記遠位端で前記スラリー分配ノズルを振ることにより前記研磨プラテン全体にスラリーを分配するために、前記旋回端を中心に前記アームを回転させるディスペンサー駆動部と
    を含む第1および第2のスラリーディスペンサーと
    を備えている化学的機械的研磨機。
  2. 前記ディスペンサー駆動部が、
    (a)スラリーを分配しながら前記研磨プラテン全体に円弧状に前記アームを掃引するために前記アームを回転させること、
    (b)前記スラリー分配ノズルが、第1の基板キャリアと第2の基板キャリアとの間にある固定円弧に沿って掃引され、前記基板キャリアのどちらとも接触しないように前記アームを回転させること、
    (c)前記スラリー分配ノズルが、第1の基板キャリアと第2の基板キャリアとの間にある固定円弧に沿って掃引され、前記基板キャリアのどちらとも接触せず、前記固定円弧が少なくとも二度にわたって前記研磨パッドの半径方向軸と交差するように、前記アームを回転させること、ならびに
    (d)プログラムに従って約0°から約45°の固定円弧に沿って前記アームを回転させること
    のうちの少なくとも1つを行うことができる、請求項1に記載の研磨機。
  3. 前記第1および第2のスラリーディスペンサーが、
    (1)これらのディスペンサーが前記研磨プラテンを挟んで互いに直径方向に対向していること、
    (2)これらのスラリーディスペンサーが、各々が新鮮なスラリーを第1および第2の基板キャリアの1つに提供するために第1の基板キャリアと第2の基板キャリアとの間に位置決めできるように、回転することができること、ならびに
    (3)これらのスラリーディスペンサーの各々が、共通軸に沿って互いに間隔をあけて一列に並ぶ複数のスラリー分配ノズルを含んでいること
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項1に記載の研磨機。
  4. 前記第1および第2のスラリーディスペンサーの第2の高さよりも高い天板から第1の高さに取り付けられた第1および第2のパッド調整器をさらに備えている、請求項1に記載の研磨機。
  5. (a)第1および第2の基板を研磨パッドに接触させた状態でこするステップと、
    (b)前記第1および第2の基板の各々の前に第1および第2の固定円弧に沿って研磨スラリーを分配するステップであって、前記第1および第2の固定円弧が前記研磨パッドの直径を横断して互いに対向しているステップ
    を含む化学的機械的研磨方法。
  6. 前記第1および第2の固定円弧に沿ってスラリーを分配するステップを含み、このステップが、
    (i)第1および第2の固定円弧の各々が、前記第1および第2の基板の1つに新鮮な研磨スラリーを提供すること、
    (ii)前記第1および第2の固定円弧が互いに直径方向に対向すること、
    (iii)前記第1および第2の固定円弧が間隔をおいて配置されており、各円弧が前記第1の基板と第2の基板との間に位置すること、
    (iv)前記第1および第2の固定円弧が異なる位置にあり、かつ前記第1の基板と第2の基板との間に位置すること、
    (v)前記第1および第2の固定円弧が、少なくとも二度にわたって前記研磨パッドの半径方向軸と交差すること、ならびに
    (vi)前記第1および第2の固定円弧の各々が、約0°から約45°であること
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 互いに離れている異なる地点から同時にスラリーを分配するステップであって、前記異なる地点は共通の軸に沿って一列に並んでいるステップを含む、請求項5に記載の方法。
  8. (a)研磨パッドを支持することができる研磨プラテンと、
    (b)各々が前記研磨パッドに接触させた状態で基板を保持することができる第1および第2の基板キャリアと、
    (c)スラリーを分配するときに前記研磨プラテンを横断して互いに対向する第1および第2のスラリーディスペンサーであって、各々が、
    (i)近位端および遠位端を含むアームと、
    (ii)前記遠位端上の少なくとも1つのスラリー分配ノズルと、
    (iii)前記研磨プラテン全体に直線状にスラリーを分配するために直線経路に沿って前記アームの前記遠位端を移動させることができるディスペンサー駆動部と
    を含む第1および第2のスラリーディスペンサーと
    を備えている化学的機械的研磨機。
  9. (i)前記第1および第2のスラリーディスペンサーが、前記研磨プラテンを横断していること、
    (ii)前記ディスペンサー駆動部が、前記近位端の方へまたは前記近位端から離れる方へ、前記遠位端を移動させることができること、
    (iii)前記ディスペンサー駆動部が、前記アームの縦軸に対応する直線に沿って前記遠位端を移動させることができること、
    (iv)前記アームの前記遠位端が、前記延ばされていないアームの長さの約20%から約90%の距離にわたって移動すること、および
    (v)研磨スラリー、懸濁液または他の流体を、前記分配ノズルに供給するために前記アームの全長にわたって延びるコイル状供給管
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の研磨機。
  10. 基板をスラリーで研磨するための化学的機械的研磨機であって、
    (a)研磨パッドを支持するための研磨プラテンと、
    (b)基板を前記研磨プラテンに接触させた状態で保持する基板キャリアと、
    (c)ヒンジ連結アームを含む第1のスラリーディスペンサーであって、前記ヒンジ連結アームが、
    (i)1つまたは複数のヒンジ継ぎ手で連結される複数の区分と、
    (ii)旋回端および遠位端と、
    (iii)前記遠位端にまたは近くに位置する少なくとも1つのスラリー分配ノズルと
    を含んでいる第1のスラリーディスペンサーと
    を備えている研磨機。
  11. 前記複数の区分が、第1および第2のヒンジ連結継ぎ手で接続される少なくとも第1および第2の管状区分を含んでおり、前記ヒンジ連結継ぎ手の各々が、少なくとも自由度2の動きを提供する、請求項10に記載の研磨機。
  12. 第1および第2の基板キャリアを含み、前記スラリー分配ノズルが、前記第1の基板キャリアの前にある第1の地点と前記第2の基板キャリアの前にある第2の地点とにスラリーを分配するように移動できる、請求項10に記載の研磨機。
  13. (a)前記スラリー分配ノズルが、前記研磨プラテン全体に直線状または弓状経路に沿って進むように、前記ヒンジ連結アームを移動させること、または
    (b)前記スラリー分配ノズルが、約0°から約45°の弓状経路を横断して移動するように、前記ヒンジ連結アームを移動させること
    を少なくとも行うことができるモータを含む、請求項10に記載の研磨機。
  14. (a)研磨プラテンに取り付けられた研磨パッドに接触させた状態で基板をこするステップと、
    (b)ヒンジ継ぎ手で互いに連結される第1の区分および第2の区分、旋回端、遠位端ならびに前記遠位端にまたは近くに位置する少なくとも1つのスラリー分配ノズルを含むヒンジ連結スラリーディスペンサーアームを提供するステップと、
    (c)前記研磨パッド全体にわたる分布パターンで研磨スラリーを分配するために前記第1の区分を前記第2の区分に対して移動させるステップと
    を含む化学的機械的研磨方法。
  15. (a)前記第1の区分および前記第2の区分の両方を移動させるステップ、
    (b)前記研磨プラテン全体に直線経路に沿って前記スラリー分配ノズルを移動させるステップ、
    (c)前記研磨プラテン全体に弓状経路に沿って前記スラリー分配ノズルを移動させるステップ、
    (d)前記研磨パッドを横断して約0°から約45°の弓状経路に沿って前記スラリー分配ノズルを移動させるステップ、
    (e)前記研磨パッド全体にわたるスラリー分布を得るために、前記研磨プラテン全体に前記スラリー分配ヒンジ連結アームを移動させるステップ、
    (f)前記第1または第2の区分を少なくとも自由度2の動きで移動させるステップ、
    (g)前記研磨プラテンを横断して2つの場所に研磨スラリーを分配するステップ、および
    (h)互いに間隔をおいて位置する2つの異なる地点から同時に、前記研磨プラテン全体にスラリーを分配するステップ
    のうちの少なくとも一つを含む、請求項14に記載の方法。
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