以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明を適用してなる遊技装置の第1実施形態を示しており、当該遊技装置は、パチンコ遊技機P、球管理装置Q及び揚送装置Rでもって構成されている。
パチンコ遊技機Pは、球管理装置Q及び揚送装置Rと共に、ホール(図示しない)内の島設備に配設される。なお、図1において、図示左側斜め後方及び図示右側斜め前方は、それぞれ、当該パチンコ遊技機Pの左側斜め後方及び右側斜め前方に対応し、図示上下方向は、当該パチンコ遊技機Pの上下方向に対応する。
当該パチンコ遊技機Pは、機枠Pf(外枠Pf)、遊技機本体Pb及び前扉Fdによって構成されており、機枠Pfは、上記島設備に着脱可能に組み付けられている。遊技機本体Pbは、図2或いは図3にて示すごとく、本体枠10(内枠10)と、この本体枠10にその前面側から嵌装してなる遊技盤20とを備えている。なお、本体枠10は、その左縁部にて、機枠Pfの左縁部に前後方向へ回動可能に支持されている。
また、遊技機本体Pbは、図2或いは図3にて示すごとく、案内レール30、球送り装置40及び球発射装置50を有しており、案内レール30は、遊技盤20の盤面に沿い設けられている。当該案内レール30は、内側レール部31及び外側レール部32を有している。これら内側レール部31及び外側レール部32は、遊技盤20の盤面の外周部に沿い円弧状に組み付けられており、当該内側レール部31及び外側レール部32の内周側には、遊技領域21が遊技盤20の盤面上に形成されている。
また、内側レール部31は、外側レール部32の内周側に位置しており、当該内側レール部31の左側部位と外側レール部32の左側部位との間には、案内通路33が、球発射装置50(後述する)により発射レール部材50b(図5参照)に沿い発射される遊技球を遊技領域21内に案内するように形成されている。なお、案内通路33は、その案内口部33a(図3参照)にて、後述する発射レール56(図5参照)の発射先端部56b(図7参照)に対向している。
球送り装置40は、図2或いは図3にて示すごとく、球発射装置50を介し、遊技盤20の下縁右側部の直下にて遊技機本体Pbの本体枠10の下部に組み付けられている。
当該球送り装置40は、その球送り作動のもとに、球供給通路40aから供給される遊技球を球抜き装置40b(図3参照)を介し順次1個ずつ球発射装置50に送るように構成されている。ここで、球供給通路40aは、前扉Fdの球受け皿(図示しない)から供給される遊技球や遊技盤20のアウト口22(図2或いは図3参照)からの遊技球を球送り装置40に供給するように、遊技機本体Pbの本体枠10の下部に支持されている。
また、球抜き装置40bは、図3から分かるように、球供給通路40aと球送り装置40との間に介装されており、当該球抜き装置40bは、球供給通路40aから球送り装置40へ供給すべき遊技球を、後述する球抜き操作機構S(図2参照)による球抜き操作に伴い、抜いて前扉Fdの上記球受け皿内に戻すようになっている。
球発射装置50は、図2或いは図3にて示すように、遊技盤20の下縁右側部の直下にて本体枠10の下部にその前側から組み付けられており、当該球発射装置50は、発射装置本体50aと、発射レール部材50bとによって構成されている(図5及び図6参照)。
発射装置本体50aは、図4〜図7のいずれかにて示すごとく、基板51を有しており、この基板51は、その外周部にて、本体枠10の下部に形成した開口部11(図4参照)の外周部にその前面側から装着されている。
また、当該発射装置本体50aは、図4〜図7のいずれかにて示すごとく、ケーシング部材52、二股状の回動部材53及びロータリーソレノイド54を有している。
ケーシング部材52は、基板51の前面に沿い取り付けられており、このケーシング部材52は、基板51と共に、回動部材53を収容するケーシングとして構成している。
回動部材53は、上記ケーシング内にて、その回動中心部53aでもって、ロータリーソレノイド54の回動軸54b(後述する)の先端部に同軸的に支持されている。
当該回動部材53は、槌53b及び遮断アーム53cを有しており、これら槌53b及び遮断アーム53cは、回動中心部53aから基盤51の前面に沿い二股状にかつ長手状に延出して回動部材53を構成している。
本第1実施形態において、槌53bは、長手状基部53d及び打撃部53eを有しており、長手状基部53dは、回動中心部53aから基盤51の前面に沿い回動可能にかつ長手状に延出している。打撃部53eは、長手状基部53dの延出端部から図6にて図示時計方向に屈曲するように一体的に延出されて、槌53bをほぼL字状に構成している。
このように構成した槌53bは、発射レール部材50bの発射レール56(後述する)上の遊技球に対し打撃部53eにより打撃を加えるために発射レール部材50bの発射レール56の発射基端部56a(後述する)に対向する原回動位置(球打撃回動位置)と、球送り装置40からの次の遊技球を発射レール56上にセットする(載せる)ために上記原回動位置から後退する後退回動位置との間において、当該後退回動位置から上記原回動位置へ、或いは、当該原回動位置から上記後退回動位置へロータリーソレノイド54の回動軸54bを中心として回動するようになっている。
しかして、発射レール56上の遊技球が槌53bによりその打撃部53eでもって打撃を加えられると、当該遊技球は、打撃部53eによる打撃に基づき、発射レール56に沿い発射されて、当該発射レール56の発射先端部56b(後述する)から案内レール30の案内通路33の案内口部33a(図3参照)に向けて発射される。
本第1実施形態において、遊技球が発射レール56の発射先端部56bから案内通路33の案内口部33aにかけて移動する経路を、以下、球移動経路というものとする。ここで、当該球移動経路の横断面は、後述する支持壁57の幅に対応する。
また、本第1実施形態において、「発射」とは、発射レール56の発射先端部56b上に載っている遊技球(換言すれば、待機状態にある遊技球)に打撃力を与えて案内通路33を介し遊技盤20の遊技領域21に移動させることをいう。なお、一般的には、「発射」とは、待機状態にある遊技球に力を与えて遊技盤20の盤面に向けて移動させることをいい、上記力としては、打撃力、風力、磁力等の例があるが、本第1実施形態のように、打撃力を上記力とするのが一般的である。
一方、遮断アーム53cは、槌53bの回動に連動してロータリーソレノイド54の回動軸54bを中心として回動するようになっている。当該遮断アーム53cは、長手状基部53f及び遮断部53gを有しており、長手状基部53fは、回動中心部53aから基盤51の前面に沿い回動可能にかつ長手状に延出している。ここで、当該長手状基部53fは、長手状基部53dに対し鋭角をなすように、回動中心部53aから長手状基部53dの図6にて図示左側へ延出している。
遮断部53gは、長手状基部53fに対し他の鋭角をなすべく、長手状基部53fの延出端部から図6にて図示反時計方向へ屈曲するように一体的に延出されて、遮断アーム53cをほぼ「く」の字状に構成している。
しかして、遮断アーム53cは、遮断部53gの先端部にて、発射レール56上の遊技球に対する打撃部53eの打撃直前に、上記球移動経路よりも上側の回動位置(遮断解放最小回動位置ともいう)に位置し、また、発射レール56上の遊技球に対する打撃部53eの打撃直後には、発射レール56をその発射先端部56b側から遮断する回動位置(以下、遮断回動位置ともいう)に位置するように、槌53bに連動して回動する。なお、回動部材53において、遮断アーム53cは、槌53bに対し錘としての役割をも果たす。
本第1実施形態では、遮断アーム53cの遮断回動位置は、図8にて示すごとく、遮断アーム53cの遮断部53gが発射レール56をその発射先端部56b側から遮断するように発射レール56の発射先端部56bにその上方から近接する位置をいう。また、遮断アーム53cの遮断解放最小回動位置は、遮断アーム53cの遮断部53gが支持壁57(後述する)の上縁部57a(図5参照)に対応する位置をいう。なお、遮断アーム53cの遮断解放最小回動位置は、遮断アーム53cの遮断解放回動範囲のうちの図8にて反時計方向回動端位置に相当する。また、当該遮断解放回動範囲は、上記遮断解放最小回動位置を解放に起点として遮断アーム53cの時計方向最大回動端位置までの範囲(遮断解放最大回動位置)をいう。
ロータリーソレノイド54は、図5或いは図7にて示すごとく、ソレノイド本体54aから回動軸54bを同軸的に延出して構成されており、当該ロータリーソレノイド54は、ソレノイド本体54aにて、基板51の右側部にその後面側から支持されている。また、回動軸54bは、基板51の右側部に形成した貫通孔部(図示しない)に回動自在に挿通されて基板51の右側部の前方へ延出している。
しかして、当該ロータリーソレノイド54は、操作ハンドルHの回動操作に伴い励磁調整されて、パルス回路(図示しない)から発生するパルス信号に応じて、回動軸54bを介し回動部材53を図6にて図示時計方向に回動させる。
この回動に伴い、回動部材53は、遮断アーム53cの自重に抗して、槌53bの打撃部53eにて上記ケーシングの開口部を介し発射レール56の発射基端部上の遊技球に打撃を加える位置(上記原回動位置)に回動する。
このとき、遮断アーム53cは、上記球移動経路よりも上側に位置するように、槌53bに連動して同一方向へ回動する。
また、当該回動部材53は、槌53bの上記原回動位置への回動に伴うロータリーソレノイド54の消磁のもとに、遮断アーム53cの自重に応じて、上記原回動位置から上記後退回動位置に向けて図6にて図示反時計方向に回動する。換言すれば、回動部材53は、槌53bの打撃部53eによる発射レール54の発射基端部上の遊技球に対する打撃後、遮断アーム53cの自重に基づき、上記原回動位置から上記後退回動位置に向けて回動する。なお、上記パルス回路は、その作動に応じて、パルス信号を順次発生してロータリーソレノイド54に出力する。また、上記ケーシングの開口部は、発射レール56の発射基端部に対向するように形成されている。
発射レール部材50bは、前後両側脚壁55及び発射レール56でもって、横断面M字状に構成されている。当該発射レール部材50bは、前後両側脚壁55のうち後側脚壁55にて、支持壁57(図6参照)の右下側部にその前面側から支持されている。
ここで、支持壁57は、上記ケーシングの上記開口部から案内レール30の案内通路33の案内基端部33aに向くように基板51の前面に沿い左側上方へ傾斜状に延出されている。これに伴い、発射レール部材50bは、その後側脚壁55にて、支持壁57の傾斜方向に沿うように傾斜状に当該支持壁57の右下側部に支持されている。
発射レール56は、図6或いは図7から分かるように、その幅方向両縁部にて、前後両側脚壁55の各上縁部と一体的に形成されており、当該発射レール56は、前後両側脚壁55と共に、発射レール部材50bを横断面M字状に構成するように、横断面V字状に形成されている。
当該発射レール56は、その発射基端部56aにて、上記ケーシングの上記開口部に左側から対向している。また、当該発射レール56は、その発射基端部56aから発射先端部56bにかけて、前後両側脚壁55の傾斜方向に沿い傾斜状に案内レール30の案内通路33の案内基端部33aに向けて延出している。従って、当該発射レール56は、その発射先端部56bにて、案内通路33の案内基端部33aに対向する。
これに伴い、球送り装置40から発射レール56に送られる遊技球は、発射レール56の発射基端部56a上にて、支持壁57のストッパ57b(図11参照)に当接する。ここで、ストッパ57bは、支持壁57の傾斜方向下端上部にて断面V字状にて下方へ突出するように、かつ、支持壁57の傾斜方向下端上部から前方を突出するように形成されており、当該ストッパ57bの下端部と発射レール56の発射基端部56aとの間隔は、遊技球の外径よりも狭くなっている。
このことは、ストッパ57bは、当該遊技球を発射レール56から脱落しないように発射基端部56a上に保持する役割を果たすことを意味する。本第1実施形態において、発射レール56の長さは、当該発射レール56の上面に遊技球を1個だけ載せるに要する長さに設定されている。
また、発射レール部材50bは、図7にて示すごとく、U字状の光センサー58を有しており、当該光センサー58は、図6或いは図8にて示すごとく、発射レール56の発射基端部56aに設けられている。具体的には、当該光センサー58は、その発光部及び受光部にて、発射レール56の発射基端部56aをその前後両側から挟持するように当該発射基端部56aに立設されている。
これにより、球送り装置40からの遊技球が発射レール56の発射基端部56a上にてストッパ57bに当接して光センサー58の発光部及び受光部の間に達したとき、光センサー58の発光部からの光に対する受光部の受光が当該遊技球により遮断されることで、当該光センサー58は、球送り装置40から送られた遊技球の存在を検出して検出信号を発生する。また、発射レール56の発射基端部56a上の遊技球が打撃を受けて発射されたとき、光センサー58からの検出信号の発生は、停止する。なお、発射レール部材50bは、M型発射レール部材ともいう。
前扉Fdは、図1にて示すごとく、前枠Fda、透明の窓ガラスFdb、球抜き操作機構S及び操作ハンドルHを備えており、前枠Fdaは、その左縁部にて、遊技機本体Pbの左縁部を介し、機枠Pfの左縁部に前後方向に回動可能に支持されている。
窓ガラスFdbは、前枠Fdaにその中空部に対応するように後面側から組み付けられており、当該窓ガラスFdbは、その前側から遊技盤20を透視可能となっている。球抜き操作機構Sは、図2にて示すごとく、前枠Fdaの右側下部に設けられており、当該球抜き操作機構Sは、その操作部Sa(図1参照)の操作に基づき、球抜き装置40aに球抜き作動をさせる。なお、操作部Saは、遊技者の操作を容易にするため、前枠Fdaの上記右側下部から前方へ露呈している。
操作ハンドルHは、図1にて示すごとく、前枠Fdaの右下側隅角部にその前面側から回動操作可能に支持されており、当該操作ハンドルHは、その回動操作に応じて励磁調整されて打球力を調整するようになっている。
また、遊技機本体Pbは、多数の遊技釘、大入賞口装置や始動入賞口装置など遊技者に有利な遊技状態を与えるための入賞口装置、その他の各種の盤面部品(図示しない)を有しており、これら盤面部品は、遊技盤20の盤面に設けられている。なお、上記多数の遊技釘は、遊技盤20の盤面に遊技領域21内にて分散して打ち込まれている。
球管理装置Qは、図1にて示すごとく、パチンコ遊技機Pの左側にて当該パチンコ遊技機Pに付設するように上記島設備に設けられている。当該球管理装置Q
は、パチンコ遊技機Pの大入賞口装置や始動入賞口装置等の入賞口装置への遊技球の入賞に伴い所定数の遊技球を払い出してパチンコ遊技機Pの前扉Fdの上記受け皿内に供給し、また、払い出し数である上記所定数を記憶するようになっている。
また、揚送装置Rは、パチンコ遊技機Pの遊技盤20の遊技領域21に沿い転動してアウト口22を介し受け皿内に収容した遊技球やファウル球を揚送して球送り装置40に供給するようになっている。
以上のように構成した本第1実施形態において、当該パチンコ遊技機Pが遊技者による遊技状態にあるものとする。現段階において、遊技者が操作ハンドルHを操作していなければ、球発射装置50は、そのロータリーソレノイド54(図7参照)の消磁のもとに、停止状態にある。このような状態において、球発射装置50では、球送り装置40から送られた遊技球Qが、図8にて示すごとく、発射レール部材50bの発射レール56の発射基端部56a上にあって、支持壁57のストッパ57bに当接しているものとする。このため、遊技球Qは、光センサー58により検出されるとともに、発射レール56上から発射基端部56a側へこぼれないように当該発射レール56上に保持され得る。
また、このような段階では、回動部材53において、槌53bは、図8にて示すごとく、その後退回動位置まで回動した状態にあり、遮断アーム53cは、遮断部53gにて、上記遮断回動位置に位置している。従って、遮断アーム53cの遮断部53gが発射レール56の発射先端部56bにその上方から近接することで、発射レール56は、発射先端部56b側から遮断されている。このため、遊技球Qは、発射レール56上から発射先端部56b側へこぼれ落ちないように当該発射レール56上に保持され得る。
このような状態において、遊技者による操作ハンドルHの回動操作のもと、球発射装置50において、ロータリーソレノイド54が、上記パルス回路から順次発生するパルス信号に応じ、回動軸54bを中心として、回動部材53を図8にて図示時計方向に回動させる。
換言すれば、回動部材53において、槌53bが、遮断アーム53cと一体となって、当該遮断アーム53cとともに、図8〜図13にて示すごとく、図示時計方向に回動する。
このような回動過程においては、槌53bが、図8〜図10にて示すごとく、上記後退回動位置から上記原回動位置に向けて回動する。これに伴い、槌53bが、その打撃部53eにて、図11にて拡大して示すごとく、発射レール56の発射基端部56a上の遊技球Qに対向する打撃直前回動位置まで回動する。
また、上述のように、槌53bが、図8〜図11にて示すごとく、上記後退回動位置から上記原回動位置に向けて回動すると、遮断アーム53cが、当該槌53bに連動して一体的に、図8〜図11にて示すごとく、上記遮断回動位置から上記遮断解放最小回動位置まで回動する。
このことは、遮断アーム53cの遮断部53gが,槌53bにより遊技球Qに打撃を加える直前には、上記球移動経路を解放する状態に達することを意味する。換言すれば、槌53bが、図12にて示すごとく、上記原回動位置に達したとき、遮断アーム53cの遮断部53gは、支持壁57の上縁部57aに対応する位置よりも上側にあって、発射レール56上の遊技球の発射を円滑に可能とする状態にある。
然る後、槌53bが、図12にて示すごとく、上記原回動位置に達して、打撃部53eにより、発射レール56の発射基端部56a上の遊技球Qに打撃を加える。これに伴い、当該遊技球Qは、図13及び図14にて示すごとく、槌53bの打撃部53eによる打撃に基づき、発射レール56上に沿い移動してその発射先端部56bから発射されて、上記球移動経路に沿い遮断アーム53cの遮断部53gと干渉することなく、上記球移動経路に沿い飛んでいく。
ついで、当該遊技球Qが、案内レール30の案内通路33内にその案内基端部33aから移動して内側レール部31と外側レール部32との間から遊技盤20の遊技領域21内に進入すれば、当該遊技球Qは、遊技盤20の盤面に沿い遊技領域22内にて下方側へ転動していく。
上述のように遊技球Qが槌53bの打撃により発射されると、ロータリーソレノイド54が消磁されて、回動部材53は、遮断アーム53cの自重のもとに、図13〜図18にて示すごとく、反時計方向に回動する。これに伴い、槌53bが上記原回動位置から上記後退回動位置に向けて回動し、遮断アーム53cが、上記時計方向最大回動端位置から上記遮断回動位置に向けて回動する。
このような回動過程においては、槌53bが上記原回動位置から上記打撃直前回動位置まで後退するように回動するに伴い、遮断アーム53cが、上記時計方向最大回動端位置から上記遮断解放最小回動まで回動する(図13〜図15参照)。
このとき、槌53bが上記打撃直前回動位置から上記後退回動位置まで後退するように回動するに伴い、遮断アーム53cが、上記遮断解放最小回動位置から上記遮断回動位置まで回動する(図15及び図16参照)。このため、遮断アーム53cがその遮断部53gにて発射レール56の発射先端部56bにその上方から近接して、発射レール56をその発射先端部56b側から遮断する。
従って、上述のように発射レール56から上記球移動経路に沿い発射された遊技球Qが、上述のように遊技領域21内に達することなく、図16にて示すごとく、戻り球として、上記球移動経路に沿い発射レール56に向けて逆戻りしても、当該戻り球は、遮断アーム53cの遮断部53gにより、発射レール56から遮断されて、図16にて矢印により示すごとく、戻り球誘導路59により誘導されて、前扉Fdの上記受け皿内に戻る。その結果、戻り球が発射レール56上に載ることはない。
また、上述のように、遮断アーム53cがその遮断部53gにて発射レール56をその発射先端部56b側から遮断している状態において、球送り装置40が発射レール56に対し次の遊技球を遊技球Q1として送ると、当該遊技球Q1は、図17及び図18にて示すごとく、発射レール56上に載る。しかしながら、発射レール56は、遊技球を1個だけ載せるに要する長さを有するものの、上述のように戻り球が発射レール56から遮断された状態にある。このため、遊技球が発射レール56上に2個載ることがなく、遊技球Q1は、確実に発射レール56の発射基端部56a上に達して次の発射用遊技球としてセットされ得る(図19参照)。
以上説明したように、本第1実施形態では、球発射装置50の回動部材53が、槌53b及び遮断アーム53cでもって一体的に形成されているから、遮断アーム53cは、槌53bの回動に同期して回動する。このことは、槌53b及び遮断アーム53cを一体的に構成することで、何らの制御手段に依存することなく、槌53bに対するロータリーソレノイド54の制御でもって、遮断アーム53cの制御をも同時に行うことができることを意味する。
従って、槌53bが上記原回動位置に回動したとき遮断アーム53cは、何らの制御手段に依存することなく、確実に遮断最小回答位置に回動して上記球移動経路を解放し得る。
このため、槌53bが上記原回動位置にて発射レール56上の遊技球に打撃を加えて当該遊技球を発射させたとき、当該遊技球は、遮断アーム53cの遮断部により干渉されることなく、上記球移動経路を通り遊技盤20の遊技領域21に向けて円滑に飛んでいくことができる。
また、槌53bが上記後退回動位置に回動したとき遮断アーム53cは、何らの制御手段に依存することなく、確実に球遮断位置に回動して上記球移動経路を遮断し得る。このため、上述のように発射された遊技球が遊技領域21に達することなく発射レール56に向けて戻り球として戻っても、当該戻り球は、上記球移動経路を遮断している遮断アーム53cの遮断部により、発射レール56から確実に遮断され得る。その結果、球送り装置40からの次の遊技球が発射レール56に送られても、発射レール56上に載る遊技球は、上記次の遊技球のみに限られる。
ここで、発射レール56は、遊技球を1個だけ載せるに要する長さで形成されているから、当該発射レール56上に複数の遊技球が載ることはない。従って、球発射装置50において、戻り球に干渉されることなく、遊技球を発射することが、より一層良好になされ得る。
また、遮断アーム53cが上記球移動経路を遮断するとき、当該遮断アーム53cの遮断部は、発射レール56の発射先端部56bに近接して位置する。従って、発射レール56からのその発射先端部56b側への遊技球の球こぼれを招くことなく遊技球を確実に発射させることができる。
(第2実施形態)
図20〜図24は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた球発射装置50において、回動部材53が、槌53bと、遮断アーム53cに代わる遮断アーム53hとを、回動中心部53aから基盤51の前面に沿い二股状にかつ長手状に延出してなることにその構成上の特徴がある。
遮断アーム53hは、長手状基部53i及び遮断部53jを有しており、長手状基部53iは、回動中心部53aから基盤51の前面に沿い回動可能にかつ長手状に延出している。ここで、当該長手状基部53iは、槌本体50bの長手状基部53dに対し鋭角をなすように、回動中心部53aから長手状基部53dの図20にて図示左側へ延出している。
遮断部53jは、長手状基部53iに対し鋭角をなすべく、長手状基部53iの延出端部から図20にて図示反時計方向へ屈曲するように一体的に延出されて、遮断アーム53cをほぼ「く」の字状に構成している。
ここで、遮断アーム53hは、その遮断部53jの全長にて、上記第1実施形態にて述べた遮断アーム53cの遮断部53gよりも長くなるように形成されている。具体的には、遮断部53jは、その延出端部にて、発射レール部材50bの前後両側脚壁55に対応する前後両側脚壁55aの各隅角部55b(図20参照)に当接し得るように、遮断部53gよりも長く形成されている。
本第2実施形態にいう発射レール部材50bは、上記第1実施形態にて述べた発射レール部材50bの前後両側脚壁55に代わる前後両側脚壁55aと、発射レール56とでもって、上記第1実施形態と同様にM型発射レール部材として構成されている。但し、前後両側脚壁55aは、上記第1実施形態にて述べた前後両側脚壁55のような略長方形状とは異なり、発射レール56の発射先端部56b側隅角部にて、図20にて例示するごとく、遮断部53jとの間の干渉を避けるように、傾斜状に切除されている。本第2実施形態にいう回動部材53のその他の構成は、上記第1実施形態にて述べた回動部材53の構成と同様である。
このように構成した回動部材53において、遮断アーム53hは、上記第1実施形態にて述べた槌53bの回動に連動してロータリーソレノイド54の回動軸54bを中心として回動する。そして、当該遮断アーム53hは、その遮断部53jの先端部にて、発射レール56上の遊技球に対する打撃部53eの打撃直前に、球移動経路(以下、第2球移動経路という)の上縁部直上の回動位置(以下、第2遮断解放回動位置という)に位置するように、槌53bに連動して回動する。
ここで、本第2実施形態にいう第2球移動経路は、上記第1実施形態にて述べた球移動経路(以下、本第2実施形態において、第1球移動経路という)とは、次のように異なる。即ち、上述のごとく、遮断部53jを上記第1実施形態にて述べた遮断部53gよりも長く形成するため、本第2実施形態では、第2球移動経路の横断面形状は、遊技球の外径よりも幾分大きめにて、遊技球の断面形状と相似な形状となるように、設定されている。
従って、上記第2球移動経路の内径は、図21にて二点鎖線により示すごとく、上記第1実施形態にて述べた支持壁57の幅よりも狭く、上記第2遮断解放回動位置は、支持壁57の幅方向中間部位に位置する。
また、発射レール56上の遊技球に対する打撃部53eの打撃直後には、当該遮断アーム53hは、その先端部にて、発射レール56をその発射先端部56b側から遮断すべく、発射レール部材50bの前後両側脚壁55aの各隅角部55bに当接する回動位置(以下、第2遮断回動位置ともいう)に位置するように、槌53bに連動して回動する。なお、本第2実施形態では、上記第2遮断回動位置に対し、上記第1実施形態にて述べた遮断回動位置は、第1遮断回動位置というものとする。
従って、本第2実施形態にいう遮断部53jが上記第2遮断回動位置にあるときは、上記第1実施形態にいう遮断部53gは上記第1遮断回動位置にある。従って、両遮断部53g、53jが、発射レール56をその発射先端部56b側から遮断する位置にあるとき、遮断部53jは、その先端部にて、遮断部53gの先端部に比べて、発射レール56のより一層下方に位置する。
換言すれば、遮断アーム53hの回動速度が上記第1実施形態にて述べた遮断アーム53cの回動速度と同一であるとすれば、遮断部53jが上記第2遮断回動位置から上記遮断解放最小回動位置(以下、本第2実施形態では、第1遮断解放回動位置という)まで回動する時点は、遮断部53gが上記第1遮断回動位置から上記第1遮断解放回動位置まで回動する時点に比べて、遅くなる。本第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、球送り装置40から送られた遊技球Qが、図20にて示すごとく、発射レール部材50bの発射レール56の発射基端部56a上にて支持壁57のストッパ57bに当接しているものとする。このとき、回動部材53において、槌53bは、図20にて示すごとく、その後退回動位置まで回動した状態にあり、遮断アーム53hは、遮断部53jにて、図20にて示すごとく、上記第2遮断回動位置に位置している。
従って、遮断アーム53hが遮断部53jにて発射レール部材50bの前後両側脚壁55aの各隅角部55bに当接することで、発射レール56は、発射先端部56b側から遮断されている。このため、遊技球Qは、上記第1実施形態と同様に、発射レール56上から発射先端部56b側へこぼれ落ちないように当該発射レール56上に保持され得る。
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、ロータリーソレノイド54が、図20(図8参照)にて図示時計方向に回動すると、回動部材53において、槌53bが、遮断アーム53hと一体となって、当該遮断アーム53hとともに、図20〜図22(図8〜図12参照)にて示すごとく、図示時計方向に回動する。
このような回動過程においては、槌53bが、図20及び図21(図8〜図11参照)にて示すごとく、上記後退回動位置から上記原回動位置に向けて回動する。これに伴い、槌53bが、その打撃部53eにて、図21にて拡大して示すごとく、発射レール56の発射基端部56a上の遊技球Qに対向する打撃直前回動位置まで回動する。
また、上述のように、槌53bが上記後退回動位置から上記原回動位置に向けて回動すると、遮断アーム53hが、当該槌53bに連動して一体的に、図20〜図22(図8〜図12参照)にて示すごとく、上記第2遮断回動位置から上記第2遮断解放回動位置まで回動する。
このことは、遮断アーム53hの遮断部53jが,槌53bにより遊技球Qに打撃を加える直前には、上記第2球移動経路を解放する状態に達することを意味する。換言すれば、槌53bが、図22(図12参照)にて示すごとく、上記原回動位置に達したとき、遮断アーム53hの遮断部53jは、上記第2球移動経路の上縁部の直上にあって、発射レール56上の遊技球の発射を円滑に可能とする状態にある。
然る後、槌53bが、図22(図12参照)にて示すごとく、上記原回動位置にて、打撃部53eにより、発射レール56の発射基端部56a上の遊技球Qに打撃を加えると、当該遊技球Qは、図23(図13及び図14参照)にて示すごとく、槌53bの打撃部53eによる打撃に基づき、発射レール56上に沿い移動してその発射先端部56bから発射されて、上記第2球移動経路に沿い(図23にて図示二点鎖線参照)に沿い、遮断アーム53hの遮断部53jと干渉することなく、図示二点鎖線により示すごとく、飛んでいく。
ここで、本第2実施形態において、遮断アーム53hが第1実施形態にて述べた遮断アーム53cと同一の速度にて回動するものとすれば、上記第2遮断回動位置が、上述したごとく、上記第1実施形態における上記第1遮断回動位置よりも下方に位置することから、遮断アーム53hの遮断部53jが上記第2遮断回動位置から上記第2遮断解放回動位置に達する時点は、上記第1実施形態にて述べた遮断アーム53cの遮断部53gが上記第1遮断回動位置から上記第1遮断解放回動位置に達する時点よりも遅くなる。
このことは、上述した遊技球に対する発射レール56上の打撃直前という時点が、遊技球に対する打撃直前の時点ではあるものの、上記第1実施形態の場合よりもさらに遅くなることを意味する。従って、発射レール56からの遊技球の発射を可能とするが、この可能とする時間幅を、上記第1実施形態よりもさらに狭くし得えて、戻り球の発射レール56に対する戻りがより一層良好に防止され得る。
上述のように遊技球Qが槌53bの打撃により発射されると、上記第1実施形態と同様に、回動部材53は、遮断アーム53hの自重のもとに、図23にて図示反時計方向に回動する。これに伴い、槌53bが上記原回動位置から上記後退回動位置に向けて回動し、遮断アーム53hが、上記第2遮断解放回動位置から上記第2遮断回動位置に向けて回動する。
このとき、槌53bが上記原回動位置から上記後退回動位置まで後退するように回動するに伴い、遮断アーム53hが、上記第2遮断解放回動位置から上記第2遮断回動位置まで回動する(図23参照)。このため、遮断アーム53hが、その遮断部53jにて、発射レール部材50bの前後両側脚壁55aの各隅角部55bに当接して、発射レール56をその発射先端部56b側から遮断する。
ここで、本第2実施形態において、遮断アーム53hが上述と同様に第1実施形態にて述べた遮断アーム53cと同一の速度にて回動するものとすれば、上記第2遮断回動位置が、上述したごとく、上記第1実施形態における上記第1遮断回動位置よりも下方に位置することから、遮断アーム53hの遮断部53jが上記第2遮断解放回動位置から上記第2遮断回動位置に達する時点の間において、遮断部53jが上記第2球移動経路の上縁部を遮断する時点は、上記第1実施形態にて述べた遮断アーム53cの遮断部53gが上記第1移動経路の上縁部を遮断する時点よりも早くなる。
このため、遊技球の発射レール56への戻り球としての戻りの防止が、上記第1実施形態よりもさらに早くなされ得る。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、遮断アーム53hが、その遮断部53jの全長にて、上述したごとく、上記第1実施形態にて述べた遮断アーム53cの遮断部53gよりも長くなるように形成されている。
従って、発射レール56からの遊技球の発射を可能とする時間幅を、上述したごとく、上記第1実施形態よりもさらに狭くすることができ、その結果、戻り球の発射レール56に対する戻りをより一層良好に防止し得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図25は、本発明の第3実施形態の要部を示している。この第3実施形態では、
上記第1実施形態にて述べた遊技機本体Pbにおいて、案内レール30及び球発射装置50に代えて、案内レール30a及び球発射装置60を採用した構成となっている。
案内レール30aは、図25〜図28のいずれかにて例示するごとく、上記第1実施形態にて述べた案内レール30に代えて、遊技盤20の盤面の外周部に沿い、単一の案内レールとして円形状に組み付けられており、当該案内レール30aの内周側には、上記第1実施形態にて述べた遊技領域21が、遊技盤20の盤面上に形成されている。
また、案内レール30aは、図25〜図28のいずれかにて例示するごとく、案内口部34を有しており、この案内口部34は、案内レール30aのうち遊技盤20の左上側隅角部に対する対応部位を切り欠くことで形成されている。
このように構成した案内レール30aによれば、球発射装置60から後述のように発射される遊技球は、遊技盤20の左上側隅角部側から案内レール30aの案内口部34を通り遊技領域21内に案内される。
球発射装置60は、上記第1実施形態にて述べた球発射装置50とは異なり、遊技盤20の左上隅角部に形成した開口部23(図25参照)内に組み付けられており、当該球発射装置60は、上記第1実施形態にて述べた球送り装置40から送られる遊技球を発射するように構成されている。
ここで、本第3実施形態では、球送り装置40は、上記第1実施形態とは異なり、球発射装置60にその後側から支持されており、当該球送り装置40は、供給される遊技球を1個ずつ、球発射装置60に送るように構成されている。
球発射装置60は、図29或いは図31にて拡大して示すごとく、発射装置本体60aと、発射レール部材60bとによって構成されている。
発射装置本体60aは、基板61を有しており、この基板61は、その外周部にて、遊技盤20の開口部23の内周面に着脱可能に支持されている。
当該発射装置本体60aは、二股状の回動部材62及び上記第1実施形態にて述べたロータリーソレノイド54を有している。本第2実施形態では、ロータリーソレノイド54は、上記第1実施形態とは異なり、ソレノイド本体54aにて、発射装置本体60aの基板61の中間部位にその後面側から支持されている。また、回動軸54bは、基板61の上記中間部位に形成した貫通孔部(図示しない)に回動自在に挿通されて基板61の上記中間部位の前方へ延出している。
回動部材62は、遊技盤20の開口部23内にて、その回動中心部62aでもって、ロータリーソレノイド54の回動軸54bの先端部に同軸的に支持されている。
当該回動部材62は、槌62b及び遮断アーム62cを有しており、これら槌62b及び遮断アーム63cは、回動中心部62aから基盤61の前面に沿い二股状にかつ長手状に延出して回動部材62を構成している。
本第3実施形態において、槌62bは、長手状基部62d及び打撃部62eを有しており、長手状基部62dは、回動中心部62aから基盤61の前面に沿い回動可能にかつ長手状に延出している。打撃部62eは、長手状基部62dの延出端部から図29にて図示反時計方向に屈曲するように一体的に延出されて、槌62bをほぼL字状に構成している。
しかして、このように構成した槌62bは、発射レール部材60bの発射レール64(後述する)上の遊技球に対し打撃部62eにより打撃を加えるために発射レール部材60bの発射レール64の発射基端部63a(後述する)に対向する原回動位置(球打撃回動位置)と、球送り装置40からの次の遊技球を発射レール64上にセットするために上記原回動位置から後退する後退回動位置との間において、当該後退回動位置から上記原回動位置へ、或いは、当該原回動位置から上記後退回動位置へロータリーソレノイド54の回動軸54bを中心として回動するようになっている。
これに伴い、発射レール64上の遊技球は、打撃部62eによる打撃に基づき、発射レール64に沿い発射されて、当該発射レール64の発射先端部63bから案内レール30aの案内口部34に向けて発射される。本第3実施形態において、遊技球が発射レール64の発射先端部63b(後述する)から案内レール30aの案内口部34にかけて移動する経路(図29にて図示二点鎖線参照)を、以下、球移動経路(以下、第3球移動通路ともいう)というものとする。
一方、遮断アーム62cは、長手状基部62f及び遮断部62gを有しており、長手状基部62fは、回動中心部62aから基盤61の前面に沿い回動可能にかつ長手状に延出している。ここで、当該長手状基部62fは、長手状基部62dに対し鋭角をなすように、回動中心部62aから長手状基部62dの図29にて図示右側へ延出している。
遮断部62gは、図29にて拡大して示すように、長手状基部62dの延出端部から三味線のバチに類似した形状にて延出している。
しかして、遮断アーム62cは、遮断部62gの先端部にて、発射レール64上の遊技球に対する打撃部62eの打撃直前に、上記球移動経路よりも上側の回動位置(遮断解放回動位置ともいう)に位置し、また、発射レール646上の遊技球に対する打撃部62eの打撃直後には、発射レール64をその発射先端部63b側から遮断する回動位置(以下、遮断回動位置ともいう)に位置するように、槌62bに連動して回動する。
本第3実施形態では、遮断アーム62cの遮断回動位置(以下、第3遮断回動位置ともいう)は、図29にて示すごとく、遮断アーム62cの遮断部62gが発射レール64をその発射先端部63b側から遮断するように発射レール64の発射先端部63bにその上方から近接して上記球移動通路を遮断する位置(図29参照)をいう。また、遮断アーム62cの遮断解放回動位置(以下、第3遮断解放回動位置ともいう)は、遮断アーム62cの遮断部62gが上記球移動通路の上縁部の上側に対応する位置(図31参照)をいう。
発射レール部材60bは、図29或いは図31にて拡大して示すごとく、回動部材62の槌62bと遮断アーム62cとの間にて、基板61の中間部位にその前側から設けられている。
当該発射レール部材60bは、前後両側脚壁63及び発射レール646でもって、上記第1実施形態にて述べた発射レール部材50bと同様に、横断面「M」の字状に構成されている。当該発射レール部材60bは、前後両側脚壁63のうち後側脚壁63にて、基板61の中間部位にその前面側から支持されている。
発射レール64は、その幅方向両縁部にて、前後両側脚壁63の各上縁部と一体的に形成されており、当該発射レール64は、前後両側脚壁63と共に、発射レール部材60bを横断面「M」の字状に構成するように、横断面「V」の字状に形成されている。
当該発射レール64は、その発射基端部64aにて、上記ケーシングの上記開口部に左側から対向している。また、当該発射レール64は、その発射基端部84aから発射先端部64bにかけて、前後両側脚壁63の傾斜方向に沿い傾斜状に案内レール30aの案内口部34に向けて延出している。従って、当該発射レール64は、その発射先端部64bにて、案内レール30aの案内口部34に対向する。
これに伴い、球送り装置40から基板61の導入口部61a(図29参照)を介し発射レール64に送られる遊技球は、発射レール64の発射基端部64a上にて、ストッパ61b(図29参照)に当接する。ここで、ストッパ61bは、発射レール64の直上にて基板61の中間部位に突設されており、当該ストッパ61bは、その下端面61cにて、発射レール56の発射基端部56aから導入口部61aの上部側にかけ、右斜め上方に向くように形成されている。
但し、ストッパ61bの下端面61cのうち発射レール64の発射基端部64aに対する対応端部と発射レール64の発射基端部64aとの間隔は、遊技球の外径よりも狭くなっている。このことは、ストッパ61bは、当該遊技球を発射レール64から脱落しないように発射基端部64a上に保持する役割を果たすことを意味する。なお、導入口部61aは、基板61のうち発射レール64とストッパ61bとの間にて、基板61に貫通状に形成されて、球送り装置40から送られる遊技球を導入して発射レール64上に載せる。
また、本第3実施形態においても、発射レール64の長さは、上記第1実施形態にて述べた発射レール56と同様に、発射レール64の上面に遊技球を1個だけ載せるに要する長さに設定されている。なお、発射レール部材60bは、上記第1実施形態にて述べた発射レール部材50bと同様に、M型発射レール部材ともいう。
遊技装置は、本第3実施形態においても、上記第1実施形態にて述べた揚送装置Rを備えている。但し、本第3実施形態では、揚送装置Rは、図27或いは図28にて示すごとく、遊技機本体Pbの後側にて当該遊技機本体Pbの左下隅角部に付設されている。しかして、当該揚送装置Rは、パチンコ遊技機Pの遊技盤20の遊技領域21に沿い転動してアウト口22を介し受け皿24(図28参照)内に収容した遊技球やファウル球を、揚送通路Raを通して揚送して球送り装置40に供給する。なお、受け皿24は、遊技盤20の直下にて、本体枠10に支持されて、上述したアウト口22からの遊技球やファウル球を収容する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第3実施形態において、上記第1実施形態と同様に、球送り装置40から送られた遊技球Qが、図25〜図29のいずれかにて示すごとく、発射レール部材60bの発射レール64の発射基端部64a上にてストッパ61bの下端面61cに当接しているものとする。このとき、回動部材62において、槌62bは、図29にて示すごとく、その後退回動位置まで回動した状態にあり、遮断アーム62cは、遮断部62gにて、図29にて示すごとく、上記第3遮断回動位置に位置している。
従って、遮断アーム62cが遮断部62gにより上記第3球移動通路を遮断することで、発射レール64は、発射先端部64b側から遮断されている。このため、遊技球Qは、上記第1実施形態と同様に、発射レール64上から発射先端部64b側へこぼれ落ちないように当該発射レール64上に保持され得る。
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、ロータリーソレノイド54が、図29にて図示反時計方向に回動すると、回動部材62において、槌62bが、遮断アーム62cと一体となって、当該遮断アーム62cとともに、図29及び図30にて示すごとく、図示反時計方向に回動する。
このような回動過程においては、槌62bが、図29及び図30にて示すごとく、上記後退回動位置から上記原回動位置に向けて回動する。これに伴い、槌62bが、その打撃部62eにて、図30にて示すごとく、発射レール64の発射基端部64a上の遊技球Qに対向する打撃直前回動位置まで回動する。
また、上述のように、槌62bが上記後退回動位置から上記原回動位置に向けて回動すると、遮断アーム62cが、当該槌62bに連動して一体的に、図29及び図30にて示すごとく、上記第3遮断回動位置から上記第3遮断解放回動位置まで回動する。
このことは、遮断アーム62cの遮断部62gが,槌62bにより遊技球Qに打撃を加える直前には、上記第3球移動経路を解放する状態に達することを意味する。換言すれば、槌62bが、図31にて示すごとく、上記原回動位置に達したとき、遮断アーム62cの遮断部62gは、上記第3球移動経路の上縁部の直上にあって、発射レール64上の遊技球の発射を円滑に可能とする状態にある。
然る後、槌62bが、上記原回動位置にて、打撃部62eにより、発射レール64の発射基端部64a上の遊技球Qに打撃を加えると、当該遊技球Qは、槌62bの打撃部62eによる打撃に基づき、発射レール64上に沿い移動してその発射先端部64bから発射されて、上記第3球移動経路に沿いに沿い、遮断アーム62cの遮断部62gと干渉することなく、飛んでいく。
上述のように遊技球Qが槌62bの打撃により発射されると、上記第1実施形態と同様に、回動部材62は、遮断アーム62cの自重のもとに、図31にて図示時計方向に回動する。これに伴い、槌62bが上記原回動位置から上記後退回動位置に向けて回動し、遮断アーム62cが、上記第3遮断解放回動位置から上記第3遮断回動位置に向けて回動する。
このとき、槌62bが上記原回動位置から上記後退回動位置まで後退するように回動するに伴い、遮断アーム62cが、上記第3遮断解放回動位置から上記第3遮断回動位置まで回動する。このため、遮断アーム62fが、その遮断部62gにて、上記第3球移動通路を遮断して、発射レール56をその発射先端部56b側から遮断する。
以上説明したように、本第3実施形態によれば、球発射装置60が、上記第1実施形態にて述べた球発射装置50とは異なり、遊技盤20の左上側隅角部に設けられている。換言すれば、上記第1実施形態にて述べたように案内レール30が、遊技領域21を包囲し、かつ、内側レール部31及び外側レール部32の間に案内通路33を形成する構成とするのではなく、本第3実施形態では、球発射装置60を遊技盤20の左上側隅角部に設けるとともに、上記第1実施形態にいうような案内レールではなく上記構成の案内レール30aを設けて、遊技球を球発射装置60により、遊技球を、上記第1実施形態にいう案内通路を介在させることなく、直接、遊技盤20の左上側から案内レール30aの案内口部34を介し遊技領域21内に発射するように構成した。
これによれば、本第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた案内通路33に相当する案内通路が案内レール30aには存在せず、球発射装置60の発射レール64が、その発射先端部64bにて、案内レール30aの案内口部34を介し、直接、遊技領域21を臨む位置に位置する。
このため、遊技領域21から案内レール30aの案内口部34を介し、直接、発射レール64に戻ろうとする遊技球は、上記第1実施形態にて述べたような案内通路を介在させることなく、即座に、発射レール64の発射先端部64bと案内レール30aの案内口部34との間において、遮断アーム62cにより、遮断することができる。
換言すれば、遊技球が、何らかの衝撃で遊技領域21から案内レール30aの案内口部34を通して跳ね返り、発射レール64側に戻っても、当該遊技球は、上述のように遮断アーム62cにより遮断されるので、当該遊技球が、発射レール64上に次に待機しようとする遊技球に悪影響を与えることがない。従って、次に待機しようとする遊技球は、円滑に球発射装置60により発射され得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態において、球発射装置50の回動部材は、遮断アームを槌と別体で構成してもよい。この場合、槌は、ロータリーソレノイド54により回動されるものとし、遮断アームは、回動制御回路(図示しない)及び光センサー58でもって、次のように制御される。
ここで、上記回動制御回路は、発射レール56の発射基端部56a上への遊技球の到達を光センサー58にて検出したときこの光センサー58からの検出信号に基づき遮断アームを遮断回動位置から遮断解放回動位置へ回動させるように制御する。また、当該回動制御回路は、発射レール56の発射基端部56a上の遊技球の打撃による発射に基づく光センサー58の検出信号の発生停止に基づき遮断アームに対する制御を停止する。このとき、遮断アームは、その自重に基づき遮断回動位置に向けて回動する。
これにより、遊技球が発射レール56から発射された後遮断アームの遮断部に達する直前までには、上記第1球移動経路の遮断が解放される。以上のような構成及び作用効果は、上記第2或いは第3の実施形態においても同様に成立する。
(2)本発明の実施にあたり、球発射装置は、回動部材及び発射レールに依存することなく、球送り装置からの遊技球をその落下過程にて適宜な手段により発射するようにしてもよい。なお、上記適宜な手段は、例えば、電磁式アクチュエータであってもよい。
(3)本発明の実施にあたり、発射レール56或いは64は、上記実施形態とは異なり、複数の遊技球を載せ得るような長さを有していてもよい。
(4)本発明の実施にあたり、遊技球が遮断アームの遮断部に達する直前までに上記球移動経路を解放し、さらに、当該遊技球が遮断アームの遮断部の位置を通過した後、直ちに、上記球移動経路を遮断し、かつ、次の遊技球が遮断アームの遮断部に達する直前までに上記球移動経路を解放するようにすれば、戻り球の発射レール上への進入を、より一層確実に防止することができる。
(5)また、本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた遊技球を封入循環させるように構成してなるパチンコ遊技機に限ることなく、各種のパチンコ遊技機等の遊技機に本発明を適用してもよい。