JP5542044B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シートに着座した乗員をウェビングによって拘束するシートベルト装置に関するものである。
車両のシートベルト装置として、緊急時に車両挙動が不安定になったときに、ウェビングの引き出しを機械的にロックする緊急ロック機構を備えたものが知られている。
この緊急ロック機構は、ウェビングを巻回するリールの側部に、リールとの間に所定以上のトルクが作用したときに相対回転するロック作動ドラムと、リールとロック作動ドラムが一方向に相対回転したときにケーシングのロック溝と噛合するロック爪とが設けられている。さらに、ロック作動ドラムに近接した位置には車両が不安定状態であるとき(例えば、車両に所定量以上の加速度(減速度)が作用した場合や、車両が所定量以上傾斜したとき)に作動するビークルセンサが設けられ、ビークルセンサの作動によってロック作動ドラムに制動力が作用するようになっている。
このため、車両挙動が不安定になってビークルセンサが作動すると、ロック作動ドラムが制動され、ウェビングが引き出されようとしたときに、リールとロック作動ドラムが一方向に相対回転する。これにより、ロック爪がケーシングのロック溝と噛合し、その結果、リールのウェビング引き出し方向の回転がロックされる。
また、リールと緊急ロック機構(ロック作動ドラム)はトーションバーを介して連結されており、緊急ロック機構の作動直後に、乗員の上体移動に伴う規定値以上の荷重がウェビングを通してリールに作用したときにトーションバーの捩れによって乗員に作用する衝撃荷重を緩和するようになっている。
ところで、近年、車両のシートベルト装置として、ウェビングの巻取りや、車両状態に応じた乗員拘束のために、駆動用のモータをリールに接続したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシートベルト装置は、リトラクタのケーシングの緊急ロック機構の設置される側と逆側の側面に減速機構とモータが設置され、モータの回転軸が減速機構の複数の歯車を介してリールに結合されている。そして、減速機構のギヤ部分にはモータとリールの間に規定値以上のトルクが作用したときに、ギヤの空転を許容するラチェットによるトルクリミッタ機構を設けられている。
このトルクリミッタ機構は、同軸に配置される一対の歯車をスプリングで軸方向に付勢して両者間をラチェット歯で噛合させた構造とされ、通常使用の範囲のトルクでは一対の歯車が一体に回転し、規定値以上のトルクが減速機構に作用した場合には、一対の歯車がラチェット歯部分で滑ってモータ側に規定値以上のトルクが作用するのを制限する。
また、このシートベルト装置の場合、減速機構には、モータとリールの間の動力伝達を断接操作するクラッチが設けられ、モータ動力を必要としない情況のときにクラッチを遮断するようになっている。
特開2005−53422号公報
しかし、この従来のシートベルト装置は、リトラクタのハウジングの一側に減速機構を介してモータが設置された構造とされているため、減速機構の複雑なギヤ機構のために、装置全体の大型・重量化や動力伝達効率の低下、ギヤ騒音の発生等の不都合を生じる。
このため、現在、モータトルクの増大を図り、モータの回転軸をリールの軸に直結することを検討している。
ところが、この場合、クラッチを含む減速機構を無くして構造の簡素化を図れる反面、モータとリールが常時結合状態となるため、緊急ロック機構の作動直後に乗員の上体移動によってウェビングが引き出されようとしたときにトーションバーが捩れにくくなる情況が考えられる。
つまり、例えば、緊急ロック機構の作動直後にモータによる巻き取り駆動が継続されている場合には、トーションバーの一端側が緊急ロック機構に固定され、その一方でトーションバーの他端側(リール)がモータによる巻き取り方向のトルクを受けることになるため、トーションバーに捩れが生じにくくなる。
そこでこの発明は、モータとリールを簡単な構造で連結しながらも、緊急ロック機構の作動直後にリールに引き出し方向の規定値以上のトルクが作用したときに、リールと緊急ロック機構を連結するトーションバーを確実に捩り変形させることのできるシートベルト装置を提供しようとするものである。
この発明に係るシートベルト装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、ウェビング(例えば、実施形態のウェビング5)を巻回したリール(例えば、実施形態のリール12)と、前記リールを回転可能に支持するケーシング(例えば、実施形態のリール14)と、車両が不安定状態になったときに、前記リールのウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする緊急ロック機構(例えば、実施形態の緊急ロック機構22)と、前記リールと緊急ロック機構の間に介装されて両者間に規定値以上のトルクが作用したときに弾性的に捩れ変形するトーションバー(例えば、実施形態のトーションバー15)と、前記ケーシングの外側に配置されるとともに、前記トーションバーの前記緊急ロック機構と反対側の軸方向の端部に連結され、前記リールに回転駆動力を付与するモータ(例えば、実施形態のモータ10)と、を備えたシートベルト装置であって、前記モータの回転軸(例えば、実施形態の回転軸10a)と前記トーションバーが同軸に配置され、前記モータの回転軸に、異磁極が円周方向に沿って交互に配置された第1の連結板(例えば、実施形態の第1の連結板50)が設けられるとともに、前記トーションバーのモータ側の端部に、異磁極が円周方向に沿って交互に配置された第2の連結板(例えば、実施形態の第2の連結板51)が設けられ、前記モータの回転軸と前記トーションバーとが、前記第1の連結板と第2の連結板の異磁極同士を磁着させて結合されていることを特徴とするものである。
これにより、モータの回転軸とトーションバーの間に規定値以上のトルクが作用しないウェビングの通常の巻き取り作動時には、第1の連結板と第2の連結板が異磁極同士の磁着によって連結状態に維持される。一方、緊急ロック機構の作動直後にウェビングが乗員の上体によって引っ張られ、それによってモータの回転軸とトーションバーの間に規定値以上のトルクが作用した場合には、第1の連結板と第2の連結板の異磁極同士の磁着が一旦離れ、両連結板が相対的に微少量回転した後に再度異磁極同士で磁着する。そして、こうして第1の連結板と第2の連結板の離反と磁着が繰り返されることによってトーションバーのモータ側の端部の回転が許容され、トーションバーには捩れが生じることになる。
請求項2に係る発明は、ウェビングを巻回したリールと、車両が不安定状態になったときに、前記リールのウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする緊急ロック機構と、前記リールと緊急ロック機構の間に介装されて両者間に規定値以上のトルクが作用したときに弾性的に捩れ変形するトーションバーと、前記トーションバーの前記緊急ロック機構と反対側の軸方向の端部に連結され、前記リールに回転駆動力を付与するモータと、を備えたシートベルト装置であって、前記モータの回転軸と前記トーションバーが同軸に配置され、前記トーションバーのモータ側の端部と前記モータの回転軸のうちの一方に、中心部から径方向外側に向かって湾曲して延出する複数の湾曲脚部(例えば、実施形態の湾曲脚部64)を備え、この各湾曲脚部の先端側に係止爪部(例えば、実施形態の係止爪部65)が設けられている平板状のスプリングプレート(例えば、実施形態のスプリングプレート61)が固定され、前記トーションバーのモータ側の端部と前記モータの回転軸のうちの他方に、前記スプリングプレートの外周側を囲繞し、前記スプリングプレートの係止爪部と係合される複数の係合凹部(例えば、実施形態の係合凹部67)を備えたスプリングケース(例えば、実施形態のスプリングケース62)が固定され、前記モータの回転軸と前記トーションバーとが、前記スプリングプレートと前記スプリングケースを介して結合されるとともに、前記モータの回転軸と前記トーションバーの間に規定値以上のトルクが作用したときに、前記スプリングプレートの湾曲脚部の撓みによって前記係止爪部と係合凹部の係合位置が回転方向にずれるように設定されていることを特徴とするものである。
これにより、モータの回転軸とトーションバーの間に規定値以上のトルクが作用しないウェビングの通常の巻き取り作動時には、スプリングプレートの係止爪部とスプリングケースの係合凹部との係合によってモータの回転軸とトーションバーのモータ側の端部が連結状態に維持される。一方、緊急ロック機構の作動後にウェビングが乗員の上体によって引っ張られ、それによってモータの回転軸とトーションバーの間に規定値以上のトルクが作用した場合には、スプリングプレートの湾曲脚部が撓み、それによって係止爪部と係合凹部の係合位置が回転方向にずれる。こうして、係止爪部と係合凹部の係合位置が回転方向にずれることによってトーションバーのモータ側の端部の回転が許容され、トーションバーには捩れが生じることになる。
請求項1に係る発明によれば、モータの回転軸とトーションバーとが、第1の連結板と第2の連結板の異磁極同士を磁着させて結合されているため、薄型の簡単な構造でありながら、ウェビングの通常の巻き取り作動時には、第1の連結板と第2の連結板の異磁極同士の磁着によってモータの回転軸とトーションバーを連結状態に維持し、緊急ロック機構の作動直後にリールに引き出し方向の規定値以上のトルクが作用したときには、第1の連結板と第2の連結板の異磁極同士の磁着部が離れることでリールの回転を許容し、トーションバーを確実に捩り変形させて乗員に作用する衝撃を緩和することができる。
請求項2に係る発明によれば、モータの回転軸とトーションバーとが、スプリングプレートの係止爪部とスプリングケースの係合凹部によって結合されるとともに、モータの回転軸とトーションバーの間に規定値以上のトルクが作用したときに、スプリングプレートの湾曲脚部の撓みによってスプリングプレート側の係止爪部とスプリングケース側の係合凹部の係合位置が回転方向にずれるように設定されているため、薄型の簡単な構造でありながら、ウェビングの通常の巻き取り作動時には、スプリングプレートの係止爪部とスプリングケースの係合凹部が係合されることによってモータの回転軸とトーションバーを連結状態に維持し、緊急ロック機構の作動直後にリールに引き出し方向の規定値以上のトルクが作用したときには、スプリングプレートの湾曲脚部の撓みによって係止爪部と係合凹部の係合位置が回転方向にずれることでリールの回転を許容し、トーションバーを確実に捩り変形させて乗員に作用する衝撃を緩和することができる。
この発明の第1の実施形態のシートベルト装置の概略構成図である。 この発明の第1の実施形態のシートベルト装置のリトラクタの分解斜視図である。 この発明の第1の実施形態のシートベルト装置のリトラクタの分解斜視図である。 この発明の第1の実施形態のシートベルト装置の第1の連結板と第2の連結板の斜視図である。 この発明の第2の実施形態のシートベルト装置のリトラクタの分解斜視図である。 この発明の第2の実施形態のシートベルト装置のリトラクタの分解斜視図である。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
最初に図1〜図4に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、シートベルト装置1の全体概略構成を示すものであり、同図中2は、乗員3の着座する運転席側のシートである。
このシートベルト装置1は、所謂三点式のシートベルトであり、図示しないセンタピラーに取付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出され、そのウェビング5がセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端がシート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。そして、ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されており、そのタングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。また、シートベルト装置1は、車両の挙動が不安定になったときや、通常走行時にウェビング5に弛みがあるとき等に電動式のモータ10によって自動的にウェビング5の巻取り引き出し操作を実行する。モータ10はコントローラ21(制御装置)によって制御される。
図2は、リトラクタ4の主な構成部品を示す分解斜視図である。
リトラクタ4は、ケーシング14に回転可能に支持された略円筒状のリール12にウェビング5が巻回されている。ケーシング14には一対の側壁14A,14Bが設けられ、一方の側壁14Aには、ガス圧式のプリテンショナ13が取り付けられている。このプリテンショナ13は、車両の衝突時のように車両に大きな衝撃が入力されたときに、ガスジュネレータの推力によってリール12をウェビング巻き取り方向に急激に回転させ、それによって乗員3を瞬時にシート2に拘束する。このプリテンショナ13の作動はコントローラ21によって制御される。
また、ケーシング14の一方の側壁14Aの外側には、リール12を回転駆動させるための上記のモータ10が設置され、ケーシング14の他方の側壁14Bには、緊急ロック機構22が設置されている。モータ10は、側壁14Aに対して溶接やボルト結合によって固定されている。緊急ロック機構22は、車両に所定値以上の減速度(加速度)が作用した場合(車両挙動が不安定になった場合)や、ウェビング5が急激に引き出されようとした場合等に、リール12のウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする。
リール12の内部には、軸方向に沿ってトーションバー15が挿通され、トーションバー15の一端側に設けられたリール連結部15aがリール12の一端側(図2中の左側)の内周面に嵌合固定されている。また、トーションバー15のリール連結部15aよりも先端側には、モータ10の回転軸10aに連結される延長軸15bが延設され、トーションバー15の他端側には円板状のロッキングベース27が嵌合固定されるベース連結部15cが設けられている。
図3は、リトラクタ4に設けられた緊急ロック機構22の詳細を示すものである。
同図に示すように、ケーシング14の他方の側壁14Bには、円形状の孔25が設けられ、その孔25の内周にはウェビング巻き取り方向に傾斜したロック溝26が形成されている。
また、図3中、15dは、ロッキングベース27を貫通して突出したトーションバー15の端部軸であり、その端部軸15dにはロック作動ドラム23が嵌合されている。ロック作動ドラム23は、トーションバー15の端部軸15dに微小な摩擦抵抗をもって嵌合され、リール12の通常回転時にはリール12と一体に回転し、ロッキングベース27との間に相反方向の回転力が加わったとき等には、ロッキングベース27に対して設定角度の範囲で相対回動する。また、ロッキングベース27の回転中心から離間した位置には、ロック爪28aを有する揺動アーム28が揺動可能に取り付けられている。
揺動アーム28は、先端側のロック爪28aが径方向外側に揺動して突出したときに、そのロック爪28aがケーシング14側のロック溝26と噛合する。揺動アーム28は、ウェビング巻取り方向に傾斜したロック溝26と噛合することにより、リール12の引き出し方向の回転をロックするとともに、リール12の巻取り方向の回転を許容する。また、揺動アーム28にはロック作動ドラム23方向に突出するガイド突起29が設けられている。
ロック作動ドラム23は、外周面に複数のクラッチ歯32が突設されるとともに、中央領域の円板面に法線方向に対して傾斜したカム孔31が板厚方向に貫通して設けられている。このカム孔31には揺動アーム28のガイド突起29が摺動自在に嵌入されている。
ガイド突起29は、リール12(ロッキングベース27)がロック作動ドラム23に対してウェビング引き出し方向に相対回動したときに、カム孔31による案内作用によって揺動アーム28のロック爪28aを径方向外側に突出させる。こうして、揺動アーム28のロック爪28aが径方向外側に突出すると、そのロック爪28aがケーシング14側のロック溝26に噛合される(ロック状態とされる)。また、この状態からリール12がロック作動ドラム23に対してウェビング巻取り方向に相対回動すると、同様にカム孔31による案内作用によって揺動アーム28のロック爪28aを径方向内側に引き戻す。こうして、揺動アーム28のロック爪28aが径方向内側に所定量引き戻されると、ロック溝26に対するロック爪28aの噛合が解除される(ロック状態が解除される)。
また、ロック作動ドラム23の円板面には、遠心アーム33が揺動可能に取り付けられている。遠心アーム33は、遠心力の影響を大きく受ける質量体から成り、ロック作動ドラム23の回転中心から離間した位置に揺動可能に取り付けられている。遠心アーム33は、アーム先端側にロック爪34が設けられ、ロック作動ドラム23の回転に応じた遠心力を受け、ロック爪34側を径方向外側に振り出すようになっている。また、ロック作動ドラム23と遠心アーム33の間には、遠心アーム33のロック爪34側を常時ロック作動ドラム23の径方向内側方向に付勢する付勢スプリング35が設けられている。
ケーシング14の他方の側壁14Bには、ロック作動ドラム23を回転可能に支持するリテーナ24が取り付けられている。
リテーナ24は、その内部にロック作動ドラム23の軸部を回転自在に支持する図示しない軸受構造が設けられるとともに、遠心アーム33のロック爪34の外周側に臨むように内歯構造の図示しないクラッチ歯が設けられている。このリテーナ24のクラッチ歯には、遠心アーム33が遠心力を受けて径方向外側に揺動したときに、遠心アーム33のロック爪34が噛合する。ロック作動ドラム23はこれによって回転をロックされ、この状態からウェビング5が引き出されようとする(リール12がウェビング引き出し方向に回転しようとする)と、前述のように揺動アーム28のロック爪28aがケーシング14側のロック溝26と噛合される(緊急ロック機構22がロックされる)。
また、リテーナ24内のロック作動ドラム23の下方位置には、車両の減速度(加速度)や傾斜を感知して係止爪36を動作させるビークルセンサ37が設けられている。このビークルセンサ37は、センサケース38とセンサキャップ39によって囲われた収容部内にセンサウェイト45が配置され、センサウェイト45に係止爪36が一体に取り付けられている。センサウェイト45は、車両の加速度や傾斜に応じて揺動し、規定量以上揺動したときに係止爪36をロック作動ドラム23のクラッチ歯32に噛合させる。
こうして、係止爪36がクラッチ歯32に噛合されると、ロック作動ドラム23の回転がロックする。したがって、この状態でウェビング5が引き出されようとすると、揺動アーム28のロック爪28aがケーシング14側のロック溝26と噛合される(緊急ロック機構22がロックされる)。
ところで、このシートベルト装置1では、ウェビング5が急激に引き出されようとしたときや車両が不安定状態になったときに、前述のようにロック作動ドラム23の回転がロックされてリール12のウェビング引き出し方向の回転が規制されることになるが、このとき、リール12と緊急ロック機構22の間に規定値以上のトルクが作用すると、リール12と緊急ロック機構22を連結するトーションバー15に捩れ変形が生じ、それによってウェビング5を通して乗員に作用する衝撃荷重が緩和される。
一方、図2に示すように、モータ10の回転軸10aとトーションバー15は同軸に配置され、回転軸10aとトーションバー15の延長軸15bとが第1の連結板50と第2の連結板51を介して相互に連結されている。第1の連結板50はモータ10側の回転軸10aの先端部に圧入や溶接によって固定され、第2の連結板51はトーションバー15側の延長軸15bの先端部に同様に圧入や溶接によって固定されている。
図4は、第1の連結板50と第2の連結板51の詳細を示す図である。
両連結板50,51は、いずれも略円板状に形成され、外周縁部に異磁極(S極とN極)が円周方向に沿って交互に現れるように、複数の磁極が着磁されている。そして、第1の連結板50と第2の連結板51は、外周縁部の異磁極同士を磁着させることによって相互に結合されている。
この異磁極同士の磁着による第1の連結板50と第2の連結板51の結合力は、ウェビング5の巻き取りのためのモータ10の通常作動時には結合状態を維持し、両者の間に規定値以上のトルクが作用したときに結合が解除されるように設定されている。ただし、第1の連結板50と第2の連結板51の外周縁部には、異磁極が円周方向に沿って交互に着磁されているため、入力トルクによって異磁極同士の結合が一旦解除されても、第1の連結板50と第2の連結板51が微小角度相対回転した後に次の異磁極同士で結合されようとする。このため、第1の連結板50と第2の連結板51の間に規定値以上のトルクが連続して作用する場合には、両者は磁極による磁着と離反を繰り返して間欠的に相対回転する。
このシートベルト装置1は、以上のような構成であるため、モータ10による通常のウェビング5の巻き取りの作動時には、第1の連結板50と第2の連結板51が結合状態に維持され、モータ10の回転トルクがトーションバー15を介してリール12に伝達される。
一方、車両の衝突時等に、ガス圧式のプリテンショナ13の作動とともに緊急ロック機構22が作動し、モータ10によるリール12の巻き取り方向の駆動が継続されたままウェビング5が乗員の上体移動によって引っ張られると、リール12にウェビング引き出し方向の大きなトルクが作用する。このときモータ10の回転軸10aとトーションバー15の間に規定値以上の大きなトルクが作用すると、第1の連結板50と第2の連結板51の異磁極同士の磁着が間欠的に引き離され、トーションバー15の一端側とリール12のウェビング引き出し方向の回転が許容されることになる。
このとき、トーションバー15は他端側が緊急ロック機構22でロックされた状態において一端側にウェビング引き出し方向のトルクが作用し、その結果、軸方向に亘って弾性的な捩れ変形を生じることになる。したがって、このときウェビング5を通して乗員に作用する衝撃荷重がトーションバー15の捩れによって緩和される。
以上のように、このシートベルト装置1は、リトラクタ4のケーシング14の一方の側壁14Aに、回転軸10aとトーションバー15が同軸になるようにモータ10が取り付けられ、モータ10側の回転軸10aとトーションバー15の延長軸15bの各端部に第1の連結板50と第2の連結板51が固定されて、両連結板50,51が、外周縁部の複数の磁極を異磁極同士で磁着させて結合されているため、薄型で軸方向にスペースを占有しない簡単な構造でありながら、通常のウェビング5の巻き取り時にはモータ10とリール12(トーションバー15)を確実に結合し、緊急ロック機構22の作動直後に乗員の上体移動によってウェビング5が引っ張られるときには、リール12とトーションバー15の一端側の回転を許容して、トーションバー15を確実に捩り変形させることができる。
つづいて、図5,図6に示す第2の実施形態について説明する。
この実施形態のシートベルト装置101は、モータ10の回転軸10aとトーションバー15の延長軸15bとの結合部の構造が異なるだけで、他の部分の構造は第1の実施形態のものと同様となっている。したがって、ここでは第1の実施形態と同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
図5は、この実施形態のリトラクタ4の主な構成部品を示す分解斜視図である。
この実施形態では、第1の実施形態と同様にモータ10の回転軸10aとトーションバー15が同軸に配置され、モータ10の回転軸10aとトーションバー15の延長軸15bが薄型のトルクリミッター60を介して結合されている。
図6は、トルクリミッター60の詳細を示す分解斜視図である。
トルクリミッター60は、トーションバー15の延長軸15bに結合されるスプリングプレート61と、モータ10の回転軸10に結合されるスプリングケース62とを備えている。スプリングプレート61は、延長軸15に対してスプライン結合や、圧入、溶接等によって同軸に結合され、スプリングケース62は、回転軸10aに対してボルト結合や溶接、圧入等によって結合されている。この例の場合、スプリングケース62は、回転軸10aの端面に円周方向に離間して突設された3本の締結軸63によって結合されている。
スプリングプレート61は、全体がばね特性を有する板材によって形成され、中心部から径方向外側に向かって一定回転方向に湾曲する複数の湾曲脚部64を備えている。そして、各湾曲脚部64の径方向外側の縁部には、ほぼ接線方向に延出する偏平部65aと、偏平部65aの先端側で径方向外側に若干屈曲する屈曲端65bとを有する係止爪部65が設けられている。
一方、スプリングケース62は、モータ10と逆側に隆起する周壁66を備えた円板形状に形成され、周壁66に囲まれた浅い凹部内にスプリングプレート61が収容されるようになっている。そして、周壁66の内周面には複数の係合凹部67が円周方向に沿って設けられている。各係合凹部67は、スプリングプレート61側の係止爪部65に対応する形状に形成され、スプリングプレート61の係止爪部65が嵌合状態で係合されるようになっている。
スプリングプレート61の湾曲脚部64の湾曲の向きは、リール12のウェビング引き出し方向のトルクがスプリングプレート61に作用したときに、湾曲脚部64が径方向内側に変形するように設定されている。そして、スプリングプレート61の係止爪部65とスプリングケース62の係合凹部67は、モータ10による通常の巻き取り作動時には係合状態が維持され、モータ10の回転軸10aとトーションバー15の間に規定値以上のトルクが作用したときに、スプリングプレート61の湾曲脚部64の撓みによって係合位置が回転方向にずれるように設定されている。
なお、図6中、68は、トーションバー15に取り付けられ、スプリングケース62の凹部内にスプリングプレート61を収容した状態で、スプリングケース62の凹部を覆うカバープレートである。
このシートベルト装置101の場合、モータ10による通常のウェビング5の巻き取りの作動時には、トルクリミッター60のスプリングプレート61とスプリングケース62が係止爪部65と係合凹部67で係合し、モータ10の回転軸10aとトーションバー15とが係合状態に維持されている。このため、モータ10の回転トルクはトーションバー15を介してリール12に伝達される。
一方、車両の衝突時等に、ガス圧式のプリテンショナ13の作動とともに緊急ロック機構22が作動し、モータ10によるリール12の巻き取り方向の駆動が継続されたままウェビング5が乗員の上体移動によって大きな力で引っ張られ、それによってモータ10の回転軸10aとトーションバー15の間に規定値以上の大きなトルクが作用すると、トルクリミッター60の内部において、スプリングプレート61の湾曲脚部64が径方向内側に撓み、係止爪部65と係合凹部67の係合位置が回転方向にずれる。これにより、トーションバー15の一端側とリール12のウェビング引き出し方向の回転が許容されることになる。
このとき、トーションバー15は他端側が緊急ロック機構22でロックされた状態で一端側にウェビング引き出し方向のトルクが作用することになるため、軸方向に亘って捩じれ変形し、ウェビング5を通して乗員に作用する衝撃荷重を緩和することになる。
このシートベルト装置101においては、リトラクタ4のケーシング14の一方の側壁14Aに、回転軸10aとトーションバー15が同軸になるようにモータ10が取り付けられ、モータ10側の回転軸10aとトーションバー15の延長軸15bとが、スプリングプレート61の係止爪部65とスプリングケース62の係合凹部67を通して結合されているため、薄型で軸方向にスペースを占有しない簡単な構造でありながら、通常のウェビング5の巻き取り時にはモータ10とリール12(トーションバー15)を確実に結合し、緊急ロック機構22の作動直後に乗員の上体移動によってウェビング5が引っ張られるときには、リール12とトーションバー15の一端側の回転を許容して、トーションバー15を確実に捩り変形させることができる。
また、この実施形態のトルクリミッター60は、平板状のスプリングプレート61に、径方向外側に向かって湾曲する複数の湾曲脚部64と係止爪部65が一体に設けられた構造とされているため、別途付勢のためのスプリングを追加する必要がなく、部品点数の削減による構造の簡素化と全体の薄型化を大きく図ることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の第2の実施形態においては、トーションバー15の延長軸15bにスプリングプレート61を結合し、モータ10の回転軸10aにスプリングケース62を結合しているが、逆に、スプリングプレート61をモータ10の回転軸10aに結合し、スプリングケース62をトーションバー15の延長軸15bに結合するようにしても良い。
1,101…シートベルト装置
5…ウェビング
10…モータ
10a…回転軸
12…リール
14…ケーシン
22…緊急ロック機構
50…第1の連結板
51…第2の連結板
61…スプリングプレート
62…スプリングケース
64…湾曲脚部
65…係止爪部
67…係合凹部

Claims (2)

  1. ウェビングを巻回したリールと、
    前記リールを回転可能に支持するケーシングと、
    車両が不安定状態になったときに、前記リールのウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする緊急ロック機構と、
    前記リールと緊急ロック機構の間に介装されて両者間に規定値以上のトルクが作用したときに弾性的に捩れ変形するトーションバーと、
    前記ケーシングの外側に配置されるとともに、前記トーションバーの前記緊急ロック機構と反対側の軸方向の端部に連結され、前記リールに回転駆動力を付与するモータと、を備えたシートベルト装置であって、
    前記モータの回転軸と前記トーションバーが同軸に配置され、
    前記モータの回転軸に、異磁極が円周方向に沿って交互に配置された第1の連結板が設けられるとともに、
    前記トーションバーのモータ側の端部に、異磁極が円周方向に沿って交互に配置された第2の連結板が設けられ、
    前記モータの回転軸と前記トーションバーとが、前記第1の連結板と第2の連結板の異磁極同士を磁着させて結合されていることを特徴とするシートベルト装置。
  2. ウェビングを巻回したリールと、
    車両が不安定状態になったときに、前記リールのウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする緊急ロック機構と、
    前記リールと緊急ロック機構の間に介装されて両者間に規定値以上のトルクが作用したときに弾性的に捩れ変形するトーションバーと、
    前記トーションバーの前記緊急ロック機構と反対側の軸方向の端部に連結され、前記リールに回転駆動力を付与するモータと、を備えたシートベルト装置であって、
    前記モータの回転軸と前記トーションバーが同軸に配置され、
    前記トーションバーのモータ側の端部と前記モータの回転軸のうちの一方に、中心部から径方向外側に向かって湾曲して延出する複数の湾曲脚部を備え、この各湾曲脚部の先端側に係止爪部が設けられている平板状のスプリングプレートが固定され、
    前記トーションバーのモータ側の端部と前記モータの回転軸のうちの他方に、前記スプリングプレートの外周側を囲繞し、前記スプリングプレートの係止爪部と係合される複数の係合凹部を備えたスプリングケースが固定され、
    前記モータの回転軸と前記トーションバーとが、前記スプリングプレートと前記スプリングケースを介して結合されるとともに、前記モータの回転軸と前記トーションバーの間に規定値以上のトルクが作用したときに、前記スプリングプレートの湾曲脚部の撓みによって前記係止爪部と係合凹部の係合位置が回転方向にずれるように設定されていることを特徴とするシートベルト装置。
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