JP5541513B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1には、バックライトの光量を増すことなく視認性を向上させるため、タッチパネルの光の透過率を高めるべく、表面側に反射防止層を備えた光透過性フィルム基材の裏面側に第2の反射防止層を形成することが記載されている。
また、タッチパネルと第1の透明樹脂層との間に、スモーク粘着剤層及び直線偏光層の少なくとも一方を設けることにより、ディスプレイパネルからの発光が第2の透明樹脂層、タッチパネルを透過してきたところでくるので第1の透明樹脂層を透過する前に光量を調節することが可能となってディスプレイ画面の視認性を調節することができ、第1の透明樹脂層への入射光がその下の層に入射する光量を調節することができるので、ディスプレイ画面の視認性を調節することと両立できる。
そして、タッチパネル3の表面には、上記のように、可視光の波長以下のピッチで二次元的に周期配列された複数の錐状微細凸部及び/又は錐状微細凹部、すなわち反射防止微細凹凸構造を備えた第1の透明樹脂層4が設けてある。したがって、後述するように、可視光の屈折率が透明樹脂層4の表面から内部に向けて連続的に変化することから、タッチパネル表面の反射率を効果的に低減することができる。
このように、表面反射率低減による外光の映り込み防止と内部反射の低減とが相俟って、ディスプレイ画面の視認性が向上することになる。
本発明の表示装置に用いるディスプレイパネル2としては、特に限定はなく、有機ELディスプレイ(ELD)や液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイなど、従来からこのような表示装置に用いられているものを適用することができる。
また、これらディスプレイパネルの具体的な用途としては自動車用ナビゲーションシステム用ディスプレイがあり、オーディオディスプレイ、バックビューモニター用ディスプレイ、アラウンドビューモニター用ディスプレイなどがあり、例えばオープンカーなどにおいても視認性に優れた自動車用ディスプレイを提供できる。
タッチパネル3としても、とくに限定されず、抵抗式(抵抗膜式)、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式、インセル方式など種々の方式のものを用いることができる。
図2は、本発明の表示装置に用いる第1の透明樹脂層の形状例を示す拡大断面図であって、図に示す第1の透明樹脂層4は、その表面側に、互いに略合同な錐状(この図では錐台状)をなす無数の微細な凸部4aを二次元的に周期配列させて成る構造を有する。
隣接する微細凸部4a間の距離、すなわちピッチPは、反射防止機能を確保する観点から可視光の波長(380nm)以下とする必要がある。また、当然のことながら、微細凸部4aの底面寸法Dbについても、可視光の波長以下であることが必要となる。
微細凸部4aを設けた表面側からの入射光と、その反対側(裏面)からの入射光と、に対して第1の透明樹脂層4において上記の作用が発生するのは、屈折率差がある界面で反射が起きるためである。スネルの法則から、屈折率が異なるものどうしの界面の反射率は入射光がどちら側からであっても同じ作用で同じ値になるためである。よって第1の透明樹脂層4はディスプレイパネル2の発光を妨げずに透過させ、その視認性を向上させるという効果も併せ持つものである。
また、成形性や耐破損性を考慮して、図2に示したように、先端部を平坦にしたり(錐台状)、丸みをつけたりすることも可能であって、工業的な製造方法においては、先端や先端面の周縁、基端周縁の立ち上がり部分などの丸み(R部)を避けることの方がむしろ難しいことになる。
なお、底面寸法Db、先端面寸法Dtについては、底面や先端面の形状が円形(円錐、円錐台)の場合には、その直径、多角形(角錐、角錐台)の場合は、当該多角形に外接する円の直径を意味するものとする。
また、このような錐状微細凹部と上記したような錐状微細凸部とが周期的に配置されたものにすることも可能である。さらに、例えば正弦波形状のような曲面が三次元的に連続するような微細凹凸面とすることもできる。
なお、光透過性の観点からは、上記した樹脂のうち、特にアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリノルボルネン樹脂を用いることがより好ましい。
この際、光硬化性樹脂を用いる場合は、基板に石英板等のUV透過性を有するものを用い、UVを樹脂に照射することにより硬化させる。また、熱硬化性樹脂を用いる場合は、熱伝導性のよい金属性基板を用いて、加熱することによって硬化させる。
この第1の透明樹脂層4の厚さとしては、5〜500μm程度とすることが望ましい。
第2の透明樹脂層5は、ディスプレイパネル2とタッチパネル3の間に空気層が介在することを防止(ディスプレイパネル2とタッチパネル3の間を封止)するボンディング層として機能し、空気層による反射を防止するために用いるものである。
これによってディスプレイパネル2の発光は、空気層による反射で低減されることがない、もしくはほとんどないまま第2の透明樹脂層5、タッチパネル3を透過できることになる。また上述の様に、第1の透明樹脂層4はその裏面からの入射光を妨げることなく透過させるものである。すなわち第2の透明樹脂層5を設けることで、ディスプレイパネル2の発光は第2の透明樹脂層5、タッチパネル3を反射の影響で妨げられることなく透過し、さらに第1の透明樹脂層4においても反射の影響で妨げられることなく透過することになる。このように第1の透明樹脂層4、第2の透明樹脂層5の両方を備えることで視認性を一層向上させるものである。
具体的には、後硬化型の透明樹脂として、例えばUV硬化型アクリル樹脂、UV硬化型ウレタン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。これらの後硬化型の透明樹脂を用いた場合には、硬化前の透明樹脂をディスプレイパネル2とタッチパネル3のどちらか又は両方の合わさる面に塗布し、必要に応じて加圧し、熱または紫外線など樹脂を硬化させるためのエネルギーを与えて硬化させて密着させることができる。この場合には空気層の形成を低減でき、本発明の表示装置の視認性を向上させることができる。
なお、当該透明樹脂層5の厚さとしては、概ね10〜50μmの範囲とすることが好ましい。
スモーク粘着剤層6は、視認性の改善を目的として、全波長の光を対象に表示装置内部に入光する光量を低減するために、必要に応じて用いられるものであって、種々のフィルムの貼着に用いられるアクリル系やエポキシ系、シリコンゴム系などの粘着剤に染料を添加して着色したものを適用することができる。
なお、スモーク粘着剤層6の厚さとしては、10〜50μm程度であればよい。
直線偏光層7も表示装置内部に入光する光量を低減する機能を有する。直線偏光層は、あらゆる方向に振動している光からある特定の方向の光(直線偏光)だけを透過する機能を持っている。LCDの光は偏光しているため、直線偏光層をディスプレイのLCD側からの偏光を透過させる配置にすることで、画面の明るさを落とすことなく、外界からの入光成分の一部をカットする。
この層は視認性をさらに改善するために必要に応じて用いられるものであって、直線偏光フィルムから構成される層である。なお、直線偏光層7の厚さとしては、25〜200μm程度とすることが好ましい。
なお、同様の機能を有するフィルムとしては、上記した直線偏光フィルムの他に、透過する光の位相を1/4ずらす機能を備えた1/4位相差フィルム(1/4波長板)や、上記直線偏光フィルムに1/4位相差フィルムを貼り合わせた円偏向フィルム等がある。しかし、本発明の表示装置においては、汎用品を用いて安価に実施できることから、直線偏光フィルムを直線偏光層7として用いることが好ましい。
なお、上述したように図1(d)に示すように、タッチパネル3と第1の透明樹脂層4の間に、スモーク粘着層6と直線偏光層7の両方を設けることもできる。
先ず、UV硬化型アクリル樹脂(東亞合成(株)製PAK01)を用い、ナノインプリント法によって、底面径Db=100nm、先端面径Dt=30nm、高さH=200nmの円錐台状凸部4aがピッチP=100nmで六方配列された反射防止構造を表面に備えた第1の透明樹脂層4を110μmの厚さに作製した。
このようにカットした積層体における直線偏光層7の裏面側粘着面に、タッチパネル3として、(株)翔栄製カーナビ用7インチの抵抗膜式タッチパネルの表面をゴムローラーで空気を抜きながらタッチパネル3と直線偏光層7とを直接貼り合わせ、3層の積層体を得た。なお、ここで空気を抜く作業は片方の端を固定して、エアーを外側に押出しながら、一方向にローラーを進めることで可能となる。また直接貼り合わせる状態とは、直線偏光層7の裏面側粘着剤とタッチパネルを向かい合わせ、端部の位置合わせが終った状態のことであって、後はローラーを進めるだけで貼付けが出来る状態のことを言い、またその貼り合わせる作業中および貼り合わせが完了した状態も含む。
直線偏光層7を貼り付けることなく、上記第1の透明樹脂層4の裏面側にタッチパネル3を直接貼り付け、これ以外は上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、図1(b)に示すような実施例2の表示装置を得た。
上記第1の透明樹脂層4の裏面側のアクリル系透明粘着剤を全光線透過率40%のスモークアクリル粘着剤に変更して、スモーク粘着剤層6としたこと以外は、上記実施例2と同様の操作を繰り返すことによって、図1(c)に示すような実施例3の表示装置を得た。
上記第1の透明樹脂層4の裏面側のアクリル系透明粘着剤を全光線透過率40%のスモークアクリル粘着剤に変更して、スモーク粘着剤層6としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、図1(d)に示すような実施例4の表示装置を得た。
タッチパネル3として、抵抗膜式タッチパネルに換えて、翔栄製の静電容量型タッチパネルを使用したこと以外は、上記実施例2と同様の操作を繰り返すことによって、実施例5の表示装置を得た(図3(b)参照)。
上記第1の透明樹脂層4の裏面側のアクリル系透明粘着剤を全光線透過率30%のスモークアクリル粘着剤に変更して、スモーク粘着剤層6としたこと以外は、上記実施例5と同様の操作を繰り返すことによって、実施例6の表示装置を得た(図3(c)参照)。
上記第1の透明樹脂層4の裏面側のアクリル系透明粘着剤を全光線透過率35%のスモークアクリル粘着剤に変更して、スモーク粘着剤層6としたこと以外は、上記実施例5と同様の操作を繰り返すことによって、実施例7の表示装置を得た(図3(c)参照)。
上記第1の透明樹脂層4の裏面側のアクリル系透明粘着剤を全光線透過率40%のスモークアクリル粘着剤に変更して、スモーク粘着剤層6としたこと以外は、上記実施例5と同様の操作を繰り返すことによって、実施例8の表示装置を得た(図3(c)参照)。
AGフィルム11を表面に備えた直線偏光フィルム7(日東電工(株)製AG150)の粘着剤が位相差フィルム12((株)翔栄製)の側に接するようにゴムローラーを用いて積層し、これを7インチにカットし、その粘着層に抵抗膜式のタッチパネル3の表面が接するようにゴムローラーを用いて積層した。この積層体のタッチパネルの裏面側に、さらに位相差フィルム12の表面が接するように積層し、その裏面側の位相差フィルム12の粘着剤面と多層ARフィルム13(3層ARフィルム(株)美舘イメージング製MFAR−Roll)の粘着剤面が接するようにゴムローラーを用いて積層した。
そして、AGフィルム11を備えたカーナビ用7インチ液晶ディスプレイ(LCD)2の画面上に、上記積層体の多層ARフィルム13が対向するように設置し、図4(a)に示すような比較例1の表示装置を得た。
AGフィルム11を備えた直線偏光フィルム7を7インチにカットし、その粘着層と抵抗膜式のタッチパネル3の表面が接するようにゴムローラーを用いて積層した。
そして、AGフィルム11付の液晶ディスプレイ2の画面上に、上記積層体のタッチパネル3が対向するように設置し、もって図4(b)に示すような比較例2の表示装置を得た。
第1の透明樹脂層4を設けることなく、表面にAGフィルム11を備えた直線偏光フィルムを直線偏光層7として使用したこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、図4(c)に示すような比較例3の表示装置を得た。
抵抗膜式のタッチパネル3と液晶ディスプレイ2の間に第2の透明樹脂層5を配置することなく、表面にAGフィルム11を備えた液晶ディスプレイ2を使用したこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、図4(d)に示すような比較例4の表示装置を得た。
ゴムローラーを用いて、7インチにカットした直線偏光フィルム7の粘着剤面に静電容量型のタッチパネル3を積層し、このタッチパネルの図中下面に、アクリル系透明粘着剤を用いて多層ARフィルム13を貼り合わせて積層体を作成した。これを、液晶ディスプレイ2の画面上に配置することによって、図4(e)に示すような比較例5の表示装置を得た。
直線偏光フィルム7を用いることなく、AGフィルム11のみを静電容量型のタッチパネル3上に積層したこと以外は、上記比較例3と同様の操作を繰り返すことによって、図4(f)に示すような比較例6の表示装置を得た。
AGフィルム11を多層ARフィルム13に替えたこと以外は、上記比較例6と同様の操作を繰り返すことによって、図4(g)に示すような比較例7の表示装置を得た。
液晶ディスプレイ2の画面上に、静電容量型のタッチパネル3を配置することによって、図4(h)に示すような比較例8の表示装置を得た。
静電容量型のタッチパネル3と液晶ディスプレイ2の間に第2の透明樹脂層5を配置しないこと以外は、上記実施例5と同様の操作を繰り返すことによって、図4(i)に示すような比較例9の表示装置を得た。
静電容量型のタッチパネル3の表面に第1の透明樹脂層4を配置しないこと以外は、上記実施例5と同様の操作を繰り返すことによって、図4(j)に示すような比較例10の表示装置を得た。
抵抗膜式のタッチパネルを静電容量型のタッチパネル3に変更し、液晶ディスプレイ2の表面にAGフィルム11を配置しなかったこと以外は、上記比較例4と同様の操作を繰り返すことによって、図4(k)に示すような比較例11の表示装置を得た。
島津製作所製SS3700を用い、試料面の垂直軸に対して23°の入射角度による正反射の値を測定した。測定波長域380〜780nm、比視感度補正あり、硫酸バリウムに対する相対反射、550nmでゼロ補正の条件で測定を行った。
試験場所:光環境実験室
照度:人工空照度 5000lx強
直射光照度33400lx(画面中心から面直方向)
57100lx(画面中心から光源方向)
光源方向:上方20°、車両左後方60°
車両条件:実車内のセンターコンソールに、
下方30°、面角度35°、視距離約700mmで取り付けた。
ディスプレイ画面:カーナビのメニュー画面を表示
明るさ、コントラストはデフォルト設定
評価基準:4名の評価者により、下記の基準に基づいて評価した。
◎:標示物の詳細まで判別できる
○:標示物のうち、大きな文字(メニュー)が辛うじて認識できる
△:標示物が全く判別できない
×:標示物が全く判別できない上に、眩しくて長時間直視できない
2 ディスプレイパネル
3 タッチパネル
4 第1の透明樹脂層
4a 錐状微細凸部
5 第2の透明樹脂層
Claims (6)
- ディスプレイパネル上に、タッチパネルを積層した表示装置において、
タッチパネルの表面に可視光の波長以下のピッチで二次元的に配置された複数の錐状微細凸部及び/又は錐状微細凹部を備えた第1の透明樹脂層を設けると共に、
上記タッチパネルとディスプレイパネルとの間に、第2の透明樹脂層を設け、
上記タッチパネルと第1の透明樹脂層との間に、スモーク粘着剤層及び直線偏光層の少なくとも一方を設けたことを特徴とする表示装置。 - 第2の透明樹脂層は後硬化型透明樹脂材料を用いることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 上記後硬化型透明樹脂材料はUV硬化型アクリル樹脂、UV硬化型ウレタン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂、あるいはこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
- 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の表示装置を用いた自動車用ナビゲーションシステム。
- 第1の透明樹脂層裏面にタッチパネルを貼り合わせて積層体を作成し、
一方でディスプレイ表面に第2の透明樹脂層を形成させ、
次いで第2の透明樹脂層上に上記積層体を設置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の表示装置の形成方法。 - 第1の透明樹脂層裏面にタッチパネルを貼り合わせて積層体を作成し、
ディスプレイ表面に第2の透明樹脂層として後硬化型の樹脂材料を塗布し、
次いで第2の透明樹脂層上に上記積層体を設置した後で第2の透明樹脂層を硬化させることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置の形成方法。
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