本発明の第1実施形態は、位置センサ及び方位センサを搭載した携帯型の撮影装置を用いてなされる圃場管理を支援するための圃場管理支援装置に関する。
図1は本発明の第1実施形態の圃場管理支援装置の構成図であり、圃場管理支援装置を構成するコンピュータシステムのハードウエア構成を表している。
図1を参照して、本発明の第1実施形態の圃場管理支援装置30は、バス30−6に接続された、CPU30−1、メモリ30−2、記憶装置30−3、入力装置30−4及び出力装置30−5を備える。メモリ30−2は圃場管理支援プログラムを実行するためのRAMを含む。記憶装置30−3は、各種データを記録する記憶装置であり、例えばハードディスク記録装置を含む。入力装置30−4は、外部の撮影装置20から通信手段26を介して入力される情報を受信してバス30−6に出力する。なお、通信手段26は、無線、有線の他、メモリ媒体を介するものでもよい。出力装置30−5は、表示装置39(図2参照)に情報処理の結果を表示するとともに、さらにその結果に対する修正データを入力するための入力機器を含むことができる。CPU30−1は、メモリ30−2上に展開された圃場管理支援プログラムに従って、以下に述べる図2に示す各種機能を奏するように情報処理を実行する。
図2は本発明の第1実施形態の圃場管理支援装置の機能構成図であり、圃場管理支援プログラムにより実行される圃場管理支援装置30の主要な機能を表している。なお、図2中に、圃場管理支援装置30と共に用いられる撮影装置20の主要な機能構成を併せて記載した。
まず、撮影装置20の機能を説明する。撮影装置20は、圃場を撮影するための撮影部23と、撮影装置20の位置及び撮影方位(撮影部23から撮影対象に向けられた撮影部23の方向)をそれぞれ取得する位置測定部21及び方位測定部22とを備える。位置測定部21は、位置センサ、例えばGPSシステムを利用して撮影装置20の位置を取得する。また、方位測定部22は、方位センサ、例えば磁気方位センサを用いて撮影部23の撮影方位を取得する。
撮影装置20はさらに、制御部24と記憶部25とを備える。記憶部25は、撮影部23が撮影した圃場の映像、位置測定部21及び方位測定部22が取得した撮影位置及び撮影方位を記憶する。制御部24は、圃場管理支援装置30からの指示を受け、記憶部25に記録された情報を通信手段を介して、圃場管理支援装置30へ転送する。なお、例えばSDメモリ等の挿抜可能な記憶部25を介して情報を転送してもよい。
かかる撮影装置20として、見回りの際に容易に携帯することができる撮影装置を備えた携帯端末、例えばカメラ付きの携帯電話器を用いることができる。その他、定点に固定された撮影装置を用いることもできる。
図2を参照して、圃場管理支援装置30は、圃場データベース31(以下「圃場DB31」という。)、重複領域データベース32(以下「重複領域DB32」という。)及び映像データべース33(以下「映像DB33」という。)を備える。なお、これらのデータ群は、図1中の記憶装置30−3に格納され、メモリ30−2に駐留する圃場管理支援プログラムによりそれぞれデータベースとして機能するように情報処理される。この圃場管理支援プログラムは、さらに圃場管理支援装置30に、拡大部34、選出部36、特定部37、最終判定部38及び入力部35としての機能を実行させる。以下、これらの機能を説明する。
図3は管理対象とされる圃場の地図であり、圃場の形状を表している。図4は本発明の第1実施形態の圃場リスト2であり、圃場DB31中に含まれる圃場リスト2のデータ構造を表している。
図3を参照して、互いに近接して配置された多角形の複数圃場1が、管理の対象とされている。例えば、頂点a1〜a5及び周辺aL1〜aL5を有する5角形の圃場aに、頂点b1〜b6及び周辺bL1〜bL6を有する6角形の圃場bと頂点c1〜c4及び周辺cL1〜bL4を有する4角形の圃場cとが隣接している。なお、圃場a、圃場b及び圃場cの間に畦道が設けられ、これらの圃場a、b、cは畦道の幅を隔てて隣接している。さらに、圃場c及び圃場bに密接する圃場e、圃場b及び圃場eに密接する圃場dが配置されている。
図4を参照して圃場DB31中に記録された圃場リスト2には、各圃場ごとに付与された圃場リスト番号と、その圃場リスト番号に関連付けて、その圃場固有の識別符号と、その圃場の頂点を表す頂点番号、及び、その頂点の緯度及び経度、必要ならば高度を含む圃場形状情報とが記録されている。
図2を参照して、拡大部34は、圃場DB31から圃場リスト2中の圃場形状情報を読み出し、読み出された圃場形状を、以下に詳述する所定の方法で拡大して、拡大圃場を作成する。
図5は本発明の第1 実施形態の拡大圃場の作成方法の説明図であり、一つの圃場aの形状を拡大して作成された拡大圃場a’を表している。なお、図5中の圃場a、b、cは、それぞれ図3中の圃場a、b、cを表している。
図5を参照して、拡大部34は、圃場DB31から読み出された圃場aの形状、ここでは頂点a1〜a5を頂点とする5角形を、その外周を外側に所定距離拡大して拡大圃場a’を作成する。この外周を拡大する所定距離は、予め与えられた外周からの距離Δ(s)に位置測定部21が備える位置センサの最大誤差Δgpsを加えた距離δ(s)(δ(s)=Δ(s)+Δgps)とする。なお、(s)を付した記号(距離Δ及び距離δ)は、外周上の位置sに依存する変数であることを表している。一方、位置センサの最大誤差Δgpsは、位置(地点)に依存せず、一定値として与えられる。
この予め与えられる距離Δ(s)、即ち圃場aの外周上の地点sからの距離Δ(s)は、この距離Δ(s)より内側の地点(即ち、圃場aに近い地点)から圃場aが撮影される確率が許容値以上になるように選択される。
例えば、距離Δ(s)より内側の地点では圃場aが撮影がされる可能性を有する距離、言い換えれば、この距離Δ(s)の外側では圃場aが撮影されることがない距離として与えることができる。このような距離Δ(s)は、見回りの際に圃場aを撮影するときの撮影地点を制限する見回り上の規則として与えることができ、また、過去に実際に圃場aが撮影された全ての撮影位置(地点)を含むように与えることもできる。
さらに、距離Δ(s)より内側の地点から圃場aが撮影がされる確率が許容される範囲、例えば95%以上となるように距離Δ(s)を設定することもできる。この場合、一定の確率で誤った圃場が選出されて特定されるが、後述するように、最終判定部38により圃場の特定結果の正否を確認し修正することができる。
なお、距離Δ(s)を大きくして、選出される圃場の中に、撮影される圃場aがより確実に含まれるようにすることができる。しかし、後述するように、他の圃場が選出される確率が高くなるので、特定部37が撮影方位に基づき撮影圃場aを判定する際に、誤った圃場を選択する確率が高まる。一方、小さくすると、撮影位置に基づき撮影された圃場を選出する際に、撮影された圃場が誤って選出されなくなる確率が高くなる。これらの選択、選出の過ちは、特定部37が実行する圃場の特定精度を劣化させる。従って、距離Δ(s)は、管理の目的に応じて、特定部37による撮影された圃場の特定が適切な精度でなされるように決定することが好ましい。
本第1実施形態では、多角形の圃場aを同角数の多角形の拡大圃場a’に拡大する。このような同角数の多角形への変換は、頂点a1〜a5の移動のみで拡大圃場a’を作成でき、また、拡大圃場a’を頂点a1’〜a5’のみで記述することができるので、作成及び記述を容易にする観点から好ましい。もちろん、必要ならば角数の異なる多角形へ変換することもでき、より一般的には閉曲線を外周とする平面図形へ変換することもできる。
図5を参照して、具体的に、5角形の圃場a’の外周を拡大して、5角形の拡大圃場a’を作成する方法の一例を説明する。
拡大部34は、まず、圃場aの外周を構成する辺aL1〜aL5の外側に、辺aL1〜aL5からそれぞれ所定の距離δ1〜δ5離れた、辺aL1〜aL5に平行な直線L1’〜L5’を作成する。そして、直線L5’と直線L1’の交点a1’、直線L1’と直線L2’の交点a2’、直線L2’と直線L3’の交点a3’、直線L3’と直線L4’の交点a4’、及び、直線L4’と直線L5’の交点a5’を頂点とする5角形を、圃場aを拡大した拡大圃場a’として作成する。
従って、拡大圃場a’の各辺aL1’〜aL5’は、それぞれ圃場aの各辺aL1〜aL5’からそれぞれ所定距離δ1〜δ5離れた平行線となる。既述のように、所定距離δ1〜δ5は、圃場aの外周上の位置sに対して予め与えられた距離Δ(s)と位置センサの最大誤差Δgpsを加えた距離δ(s)=Δ(s)+Δgpsとして与えられる。
本第1実施形態では、予め与えられる距離Δ(s)として、各辺aL1〜aL5ごとに定められる一定距離、例えばΔ1〜Δ5を与える。そのようにして作成された、辺aL1〜aL5に平行に距離Δ1〜Δ5離して作成された辺aL1’’〜aL5’’を有し、それらの辺の交点を頂点a1’’〜a5’’とする5角形を図5中に例示した。この5角形は、位置センサの最大誤差Δgpsが零のとき、拡大圃場a’と一致する。即ち、この5角形は、撮影地点として予定された領域を表している。
なお、この5角形は、内部に辺aL1〜aL5から距離Δ1〜Δ5離れた地点を含むので、その内部から圃場aが撮影される確率は、辺aL1〜aL5から距離Δ1〜Δ5離れた地点から撮影される確率より常に大きい。従って、この5角形の内部から撮影する場合、実際に圃場aが撮影される確率は、距離Δ1〜Δ5を設定する際の基準とされた圃場aが撮影される確率を下回ることはない。拡大圃場a’はこの5角形の外に一定値の位置センサの最大誤差Δgpsの幅を加えて作成される。なお、この距離Δ1〜Δ5は管理状況に応じて辺ごとに適切に定められる。
例えば、圃場aを辺aL3の外側の広い道路から撮影する場合、この道路に隣接する圃場が他にないため、辺a3に対して予め与えられる距離Δ3を大きく設定しても他の圃場を誤って選出することはない。従って、撮影の可能性ある距離まで大きく設定することが好ましい。これは、隣接する圃場がない辺aL1、aL2についても同様である。
他方、例えば圃場aの辺aL5では、辺aL5の外側に沿って狭い畦道があり、さらにその外側は他の圃場bの内部となっている。ここでは、例えば畦道の中央線が5角形の一辺aL5’’となるように距離Δ5を設定する。そして、圃場a及び圃場bを、畦道の中央線よりそれぞれ圃場a及び圃場bよりで撮影するように見回り規則で定める。このよう設定することで、後述するように、撮影方位による判定の際に、撮影された圃場aの判定精度を高めることができる。
さらに、圃場c、bが隣接する辺aL4では、距離Δ4を、撮影予定地点が隣接する圃場c、bの内部に到達するように設定した。
次に、重複領域DB32を説明する。重複領域DB32は、拡大圃場a’、b’、・・・が互いに重複する重複領域R1、R2、・・・を、予め撮影方位θと関連づけて記録した重複領域リスト3を備える。
図6は本発明の第1実施形態の重複領域リスト3を表す図であり、重複領域リスト3のデータ構造を表している。図7〜図9は、本発明の第1実施形態の重複領域を表す図(その1)〜(その3)であり、拡大圃場a’、b’、・・・が重複する重複領域R1、R2、・・・を表している。なお、図7は圃場a、b、cが重複する重複領域R2の近傍を、図8は圃場a、bが重複する頂点a5、b5の近傍を、図9は圃場b、c、eが重複する重複領域R8の近傍及び圃場b、d、eが重複する重複領域R10の近傍を表している。
図6を参照して、重複領域リスト3には、重複領域の識別情報(以下「重複領域ID」という)が、格納順に付与される領域リスト番号に関連づけて記憶されている。重複領域リスト3には、さらに、重複領域IDに関連づけて、その重複領域内で重複する拡大圃場の数(重複圃場数)と、その重複領域内で重複する拡大圃場の識別情報(以下「重複圃場ID」という)とが記憶されている。この重複圃場IDとして、ここでは拡大する前の圃場の識別情報a、b、c、・・・を用いた。重複領域リスト3には、さらに重複領域IDに関連づけて、関連領域及び方位範囲情報が記憶される。これら関連領域及び方位範囲情報については後述する。
図7〜図9を参照して、拡大圃場a’、b’、・・・は互いに重複領域R1〜R12で重複する。例えば、図7を参照して、圃場b、cの頂点b5、c2の近傍で、圃場a、b、cを拡大した3個の拡大圃場a’、b’、c’が点P1〜P4を頂点とする4角形の重複領域R2内で重複する。なお、図7中の辺aL4’〜cL4’は辺aL4〜cL4に対応する拡大圃場a’、c’の辺であり、点P1〜P4はそれぞれ、辺aL4’と辺cL1’の交点、辺cL1’と辺cL2’の交点、辺bL5’と辺cL2’の交点、及び、辺aL4’と辺bL4’の交点である。
さらに、辺aL4と辺cL2とが対向する重複領域R1では、2個の拡大圃場a’、c’が重複する。辺aL4と辺bL4とが対向する重複領域R3では、2個の拡大圃場a’、b’が重複する。さらに、辺bL5と辺cL1とが対向する重複領域R4では、2個の拡大圃場b’、c’が重複する。
従って、重複領域R2の重複圃場数は3、及び重複圃場IDは3個の識別符号a、b、cからなる組(a、b、c)とされる。同様に、重複領域R1、R3、R4の重複圃場数は2、重複圃場IDはそれぞれ(a、c),(a、b)及び(b、c)とされ、重複領域リストに記憶される。
図8を参照して、2個の圃場a、bが折曲する辺aL4、aL5、bL3、bL4を挟んで隣接する場合、その折曲する辺に対応する拡大圃場a’、b’の辺aL4’、aL5’、bL3’、bL4’に囲まれた点P12〜P15を頂点とする平行4辺形の重複領域R5が作成される。そして、互いに平行な直線からなる辺aL4’、bL4及又は辺aL5’、bL3’に挟まれて形成される重複領域R3、R6と区別して、重複領域リスト3に記憶する。
これらの重複領域R3、R5、R6は、重複圃場数は2、重複圃場IDは(a、b)として重複領域リスト3に記憶される。
図9を参照して、重複領域R8、R10が、重複圃場数を3、重複圃場IDをそれそれ(b、c、e)及び(b、d、e)として重複領域リストに記憶される。また、重複領域R7、R9、R11、R12は、重複圃場数を2、重複圃場IDをそれそれ(c、e)、(b、e)、(b、d)及び(d、e)として重複領域リスト3に記憶される。
重複領域リスト3には、さらに重複領域IDに関連づけて、方位範囲情報が記録される。方位範囲情報は、ある重複領域内から、ある1の圃場が撮影されたと判定されるべき撮影方位の方位範囲を、その1の圃場に対応づけて記録したものである。かかる方位範囲は、その重複領域内からその1の圃場が、所与の確率で撮影される撮影方位の範囲として、予め与えられる。
具体的には、例えば方位範囲情報は、Id:θlow<θ<θupperを一組とする複数組の集合として与えられる。ここでIdは圃場の識別情報であり、θlow及びθupperは方位範囲の上限及び下限を表している。そして、この方位範囲情報は、この重複領域内から撮影したときの撮影方位θが、方位θlowを超えθupper未満であるとき、圃場Idが撮影される確率が所与の確率より大きいことを表している。この方位範囲情報の撮影方位の範囲は、撮影された圃場の特定に要求される精度に応じて適切に定められる。以下、方位範囲情報の設定を具体例に沿って説明する。
図7を参照して、図7中の(R1)〜(R4)は、重複領域R1〜R4に関する方位範囲情報を図示したものである。図6を参照して、重複領域R1に関する方位範囲情報は、c:0<θ<180,a :180<θ<360と表される。これは、図7中の(R1)に図示するように、重複領域R1から圃場a及び圃場cを所定の確率で撮影するためには、圃場a及び圃場cを撮影する撮影方位θa、θcが、それぞれ180<θa<360及び0°<θc<180°の範囲内でなければならないことを表している。なお、撮影方位θa、θcは図7の紙面下方の方向からの反時計回りの角度として表した。
かかる所定の確率は、例えば見回り規則として、重複領域R1内から圃場a、bを撮影するときの撮影方位θa、θcの範囲を規定することで、高めることができる。また、特に規定しなくても、重複領域R1のように、圃場a、cの境界が一方向に、例えば図7の紙面の上下方向に延在する場合、かかる境界の延在方向に沿う方位で圃場を撮影する確率は比較的小さく、多くは撮影対象とされる圃場の方向に撮影装置を向けて撮影される。従って、図7中の(R1)に示すように撮影方位θa、θcの範囲を規定しても、圃場特定の精度は実用上は許容できることが多い。
2つの拡大圃場が重なる重複領域R3、R4についても、重複領域R1と同様に、図7中の(R3)、(R4)に図示するように方位範囲が定められる。
図6中の領域リスト番号2のデータ列には、図7中の(R2)に示す3つの撮影方位θa、θb、θcの範囲が記載されている。重複領域R2内では3個の拡大圃場a’、b’、c’が重なるので、この重複領域R2内から3個の圃場a’、b’、c’が撮影され得る。このように3以上の拡大圃場が重複する重複領域R2においても、それぞれの圃場a、b、cが撮影されたと判定される方位範囲θa、θb、θcが定められる。
図8を参照して、折曲する2辺近傍の重複領域R5、及び、その2辺の直線部分近傍の重複領域R3、R4では、図8中の(R3)、(R5)、(R6)に示すように,それぞれ異なる方位範囲情報が与えられている。辺aL4、bL4近傍の重複領域R3では、方位範囲は0°<θb<180°及び180°<θa<360°と定められ、辺aL5、bL3近傍の重複領域R6では、方位範囲は0°<θa<30°、30°<θb<210°及び210°<θa<360°と定められている。さらに、辺の折曲点近傍の重複領域R5では、0°<θb<210°及び210°<θa<360°と定められている。なお、これらの方位範囲θa、θbは互いに重畳しても、逆に重畳しない範囲があってもよい。
さらに、図9を参照して、辺の直線部分近傍で2つの拡大圃場が重なる重複領域R4、R7、R9,R11、R12に関連する方位範囲情報も、上述した重複領域R1と同様にして定められる。また、3つの拡大圃場が重なる重複領域R8、R10については、上述した重複領域R2と同様にして方位範囲情報が定められる。
再び図6を参照して、上述した重複領域リスト3には、重複領域に関連づけて関連領域が記録されている。
関連領域は、その関連する重複領域と重複圃場数及び重複圃場IDが一致する他の全ての重複領域を列挙したもので、他に重複圃場数及び重複圃場IDが一致する重複圃場がなければ記載されない。この関連領域は、後述するように、特定部37での特定精度をより精密にするために用いられる。かかる精度が必要なければ、あるいは、特定部が自動的に関連領域を選出する場合は、関連領域は作成しなくてもよい。
上述したように、本第1実施形態の圃場管理装置は、予め作成された圃場リスト2及び重複領域リスト3をそれぞれ記録する圃場DB31及び重複領域DB32を備え、撮影装置20から入力される撮影位置及び撮影方位に従って、撮影された圃場を特定する。以下、圃場の特定方法を説明する。
図10〜図13は本発明の第1実施形態の圃場管理支援装置の情報処理フローチャート(その1)〜(その3)であり、圃場管理支援プログラムが実行する情報処理のフローを表している。なお、図10はメインルーチンを表している。図11は、図10中のステップS2の詳細を表し、図12及び図13は、図10中のステップS3の詳細を表している。
図2及び図10を参照して、まず、ステップS1で、入力部35は、撮影装置20から入力される圃場の映像、撮影位置及び撮影方位を含むデータを受信し、取得する。
次いで、ステップS2で、入力部35で取得された撮影位置に基づき、撮影された圃場とされ得る1又は複数の圃場を候補圃場として圃場DBから選出する。以下、ステップS2のルーチンを詳細に説明する。
図11を参照して、圃場管理支援プログラムは、ステップS21で、まず変数IをI=1に、圃場数カウンタNをN=0に初期設定する。
次いで、ステップS22で、圃場DB31中の圃場リスト2から、変数Iが示すI番目の圃場リスト番号が付された圃場の形状情報を取得する。
次いで、ステップS23で、取得したI番目の圃場の形状情報に基づき、拡大部34は、I番目の圃場を拡大した拡大圃場の形状を表す拡大圃場の形状情報を作成する。この拡大圃場の形状情報の作成は、既に図5を参照して説明した拡大圃場の作成方法と同様の方法により,例えば拡大する前の圃場と同角形の形状を有する多角形として作成される。その形状は頂点番号と頂点の座標とにより表すことができる。
次いで、ステップS24で、選出部36は、入力部35で取得された撮影位置が、ステップS23で作成された拡大圃場の内部に位置するか否かを調べ、内部に位置する場合はステップS25を実行する。内部に位置しない場合は、ステップS25を飛ばして、ステップS26を実行する。
ステップS25では、撮影位置を内部に含む拡大圃場として、I番目の圃場リスト番号が付された圃場の圃場IDを保存し、同時に圃場数カウンタNを+1する。
次いで、ステップS26では、I番目の圃場リスト番号が最後と判断された場合、ステップS2の選出ルーチンを終了し、次いでステップS3を実行する。
ステップS26で、I+1番目の圃場リスト番号が存在すると判断された場合、ステップS27で変数IをI+1として、再びステップS22からの処理を繰り返す。その結果、ステップS2の選出ルーチンが終了した時点で、圃場数カウンタNには撮影位置を内部に含む全ての拡大圃場の数がカウントされ、同時にそれらの拡大圃場に対応する圃場の圃場IDが保存される。
再び図10を参照して、ステップS2の選出ルーチンが終了した後、圃場管理支援プログラムは、特定部37に、ステップS3として示した、撮影方位に基づく圃場の特定ルーチンを実行させる。
図12を参照して、特定部37は、まず、ステップS31で、圃場数カウンタNのカウント数(撮影位置を内部に含む拡大圃場の数に等しい。)が1を超えるか否かを判定する。
圃場数カウンタNのカウント数が1を超えない場合は、ステップS38で圃場数カウンタNが1か否かを判定する。1と判定された場合はステップS39を実行する。ステップS39では、ステップS25で保存された圃場IDを有する圃場を、撮影された圃場と特定する。なお、圃場数カウンタNのカウント数が1の場合は、重複する拡大圃場が無い地点で撮影された場合であり、従って、撮影対象となる圃場はただ1つに定まる。カウント数が1でない場合、即ち0の場合は、ステップS40で該当する圃場がないと判定され、その旨が最終判定部38に出力され出力装置30−5を介して表示される。
ステップS31で、圃場数カウンタNのカウント数が1を超えると判定された場合、ステップS32で、変数JをJ=1に初期設定した後、ステップS33を実行する。
ステップS33では、変数Jの内容に従い、重複領域リスト3のJ番目に記録されている重複圃場数、重複圃場ID及び方位範囲情報を読み出し取得する。
次いで、ステップS34で、圃場数カウンタNとステップS33で取得した重複圃場数とを比較する。さらに、ステップS35で、ステップS25で保存された圃場IDとステップS33で取得した重複圃場IDとを比較する。
ステップS34及びステップS35で、重複圃場数又は重複圃場IDの何れかが一致しなかったときは、変数JをJ+1として、再びステップS33から繰り返す。
ステップS34及びステップS35で、重複圃場数又は重複圃場IDの何れもがそれぞれ圃場数カウンタNの値とステップS25で保存された圃場IDと一致する場合、ステップS36を実行する。
このステップS34及びステップS35の動作を、具体的により詳細に説明する。
図6を参照して、重複領域リスト3には各重複領域ごとに、その重複領域内で重複する重複圃場数とその重複領域内で重複する全ての重複圃場IDが列挙されている。一方、圃場数カウンタNの値は、撮影位置で重複する重複圃場の数であり、また、保存された圃場IDは、撮影位置で重複する全ての重複圃場の圃場IDである。従って、ステップS34及びステップS35では、重複領域リスト3から、撮影地点における重複圃場の数と重複圃場の圃場IDとが一致する全ての重複領域が抽出される。
例えば、撮影位置での重複圃場の数NがN=3であり、保存された重複圃場の圃場IDがa、b、cであった場合、重複領域リスト3から重複圃場数が3かつ重複圃場IDがa、b、cの重複領域R2が抽出される。なお、ステップS34及びステップS35の条件を満たす複数の重複領域が存在する場合がある。例えば、撮影位置での重複圃場の数NがN=2であり、保存された重複圃場の圃場IDがa、bである場合、重複領域リスト3にはこの条件を満たす3個の重複領域R3、R5、R6が存在する。本実施形態では、このような場合でもこの条件を満たす任意の一つの重複領域、例えば重複領域R3のみを抽出する。これにより、全ての重複領域について条件の一致を比較する必要がなくなり、抽出時間が短縮される。
次いで、特定部37は、ステップS36で、抽出された重複領域に関連づけて記録されている関連領域の重複領域IDを読み出し、関連領域の有無を確認する。
関連領域が無いと判断された場合は、次いで、ステップS37を実行する。ここで関連領域が無いことは、図6を参照して、重複圃場数及び重複圃場IDが一致する重複領域が他にないこと、即ちこの条件を満たす重複領域が唯一であることを意味している。従って、撮影され得る圃場は、ステップS34及びステップS35で抽出された重複領域に関連する重複圃場IDとして記録されている圃場に限定される。例えば、重複領域R2が抽出された場合、撮影された圃場は、重複圃場IDとして記録されているa、b、cの何れかの圃場IDを有する圃場a、b、cに限定される。
ステップS37では、入力部35が取得した撮影方位を方位範囲情報と比較して、撮影された圃場を特定する。より具体的に説明すると、まず、ステップS34及びステップS35で抽出された重複領域に関連する方位範囲情報を読み出し、方位範囲情報の方位範囲を入力部35が取得した撮影方位と比較する。そして、撮影方位が含まれる方位範囲を全て抽出し、その抽出された方位範囲に対応づけられた圃場を、撮影された圃場として特定する。
具体例により説明すると、ステップS34及びステップS35で重複領域R2が抽出された場合、重複領域R2に関係づけて記録されている方位範囲情報の中から、例えば120°の撮影方位を含む方位範囲θbを抽出し、この方位範囲θbに対応したbなる圃場IDを有する圃場bを撮影された圃場として特定する。なお、このステップS37で2以上の圃場が特定された場合は、撮影された圃場を特定できない旨を最終判定部38に出力する。
ステップS36で関連領域が有ると判断された場合、図13を参照して、ステップS41を実行する。関連領域が存在することは、ステップS34及びステップS35の抽出条件に一致する重複領域が複数あることを意味する。例えば、重複圃場数が2、重複圃場IDがa、bの重複領域として、3個の重複領域R3、R5、R6が存在する。
ステップS41では、ステップS34及びステップS35で抽出された重複領域R3と、その関連領域としてステップS36で読み出される重複領域R5、R6と、のそれぞれについて、ステップS37と同様の方法で、撮影方位を含む方位範囲を抽出し,その方位範囲に対応する圃場を抽出する。例えば、図6の重複領域R3、R5、R6を参照して、撮影方位が210°<θ<360°のときは、重複領域R2、R5、R6の全てについて圃場aが抽出される。また、0°<θ<30°又は180°<θ<210°のときは、重複領域R3、R5、R6のいずれかから異なる圃場(圃場a及び圃場b)が抽出される。即ち、複数の候補となる圃場が抽出される。
次いで,ステップS42では、各関連領域について抽出された圃場の圃場IDが全て一致するか否かを判定し、一致するとき、即ち同一圃場が抽出されたとき、その圃場を撮影された圃場として特定する。
一方、抽出された圃場の圃場IDが一致しない圃場IDを含むとき、即ち複数の圃場が抽出されたとき、ステップS44を実行する。
ステップS44では、撮影位置が含まれる関連領域を特定する。例えば、関連領域とされる重複領域R3、R5、R6の中から、撮影位置を含む1つの重複領域を特定する。次いで、ステップS45で、ステップS37と同様の方法により、ステップS44で特定された重複領域について、撮影方位を含む方位範囲を抽出し、その方位範囲に対応する圃場を抽出し、この圃場を撮影された圃場として特定する。なおステップS45で、一個の圃場を特定することができない場合は、その旨を最終判定部に送信する。
上述した圃場管理支援プログラムにおいて、圃場を一個に特定することができなかった場合は、その旨が最終判定部38に送信される。最終判定部38は、その特定結果を表示装置39に表示する。さらに、最終判定部38は、特定結果の修正を受け付ける入力装置を備え、この入力装置から入力された修正情報に基づき特定結果を修正する。さらに、最終判定部38は、決定部37で決定した結果、及び、最終判定部38で修正した結果を、映像と関連づけて映像DBに記録し保存する。
上述したように、本第1実施形態の圃場管理支援装置では、撮影位置から複数の圃場が撮影され得ると判定される場合でも、撮影方位と方位範囲情報とを比較して撮影された圃場をさらに絞り込んで特定することができる。このため、高精度で被撮影圃場が特定される。
本発明の第2実施形態は、撮影直前に取得された撮影装置の位置及び方位を用いて撮影された圃場を特定する圃場管理支援装置に関する。
図14は本発明の第2実施形態での撮影位置の特定方法を説明する図であり、撮影前の複数時点における撮影装置20の位置及び撮影装置20が向く方位を表している。
図14を参照して、第2実施形態では、圃場管理支援装置は、撮影装置20が圃場を撮影した時点tn及び時点tnより前のN個の時点tn−1〜tn−Nにおける撮影装置の位置及び撮影装置が向いていた方位を取得し、その平均位置52と平均方位とを算出する。そして、この平均位置52と平均方位を、入力部35に入力された撮影位置及び撮影方位として第一実施形態と同様の情報処理を行う。
図15は本発明の第2実施形態の撮影装置の情報処理フローチャートであり、撮影装置20での処理フローを表している。図16は本発明の第2実施形態の圃場管理支援装置の情報処理フローチャートであり、圃場管理支援プログラムが実行する処理のフローを表している。
図15を参照して、撮影装置20は、ステップS51で、撮影部23が向いている方位と、撮影装置の位置とを、それぞれ方位測定部22及び位置測定部21から取得し、記憶部25に保存する。
次いで、ステップS52で、撮影ボタンの押下による割り込み処理の発生の有無を確認する。割り込みがなければ、ステップS53で所定の時間が経過するまで待機し、所定時間を経過すると再びステップS51から繰り返す。
上記のステップS51〜ステップS53の処理により、記憶部25には所定の時間間隔で取得された位置及び方位が保存される。
撮影ボタンが押下されて割り込みが発生すると、撮影装置20は、ステップS54で、まず、撮影と同時に、撮影位置及び撮影方位が取得され、次いで、これらを記憶部25に保存する。従って、記憶部25には、映像と共に、撮影時tnの撮影位置及び撮影方向と、所定の時間間隔で取得された撮影装置20の位置及び方位が記憶されている。
次いで、ステップS55で、撮影装置20は、記憶部25に記憶されたこれらのデータを圃場管理支援装置へ送信する。
図16を参照して、圃場管理支援装置30は、ステップS61で撮影装置20から、映像と共にその映像の撮影時点tnにおける撮影位置及び撮影方位と、撮影装置20が圃場を撮影した時点tnより前のN個の時点tn−1〜tn−Nにおける撮影装置の位置及び撮影装置が向いていた方位を取得する。
次いで、ステップS62で、時点tn〜tn−Nにおける撮影装置の位置及び方位の平均位置52と平均方位(図14中の平均位置52を始点とする矢印で示す方位)とを算出する。ついで、第1実施形態のステップS2からの処理を実行する。圃場管理支援装置30は、撮影時点tnにおける撮影位置及び撮影方位に代えて、この平均位置及び平均方位を用いて第一実施形態と同様の処理を実行する。
見回り時に圃場を撮影する際は、ある時間、撮影対象近傍に撮影装置を向けて対象を選別することがしばしばある。本第2実施形態では、かかる時間帯における撮影装置20の位置及び方位を平均して、撮影位置及び撮影方位とする。この平均値は、撮影しようとするときの位置と方位を平均化するので、偶発的な位置及び方位のぶれが消去され、より正確に圃場が特定される。
本発明の第3実施形態は、撮影前の撮影装置の位置及び方位から、撮影対象の在る地点、即ち撮影された圃場を直接特定する圃場管理支援装置に関する。
図17は本発明の第3実施形態での圃場特定方法を説明する図である。図17を参照して、第3実施形態では、圃場管理支援装置30は、第2実施形態と同様に、撮影装置20が圃場を撮影した時点tn及び時点tnより前のN個の時点tn−1〜tn−Nにおける撮影装置の位置及び撮影装置が向いていた方位を取得する。時点tn−1〜tn−Nにおける位置を始点と撮影装置が向く方位を向く二次元ベクトルを作成し、それらベクトルの交点の平均位置を含む圃場を撮影された圃場と特定する。
図18は本発明の第3実施形態の圃場管理支援装置の情報処理フローチャートであり、特定部37が複数の圃場を特定した場合に開始する。なお、本第3実施形態では、撮影装置20の処理フローは、図15に示す第2実施形態と同様なので、撮影装置20の処理フローの説明は省略する。
第1実施形態の圃場管理支援プログラムでは、正確な1個の圃場が特定されないことがある。図18を参照して、本第3実施形態の圃場管理支援装置30は、複数圃場の特定があったとき、ステップS63を実行する。ステップS63では、撮影装置20から、映像と共にその映像の撮影時点tnにおける撮影位置及び撮影方位と、撮影装置20が圃場を撮影した時点tnより前のN個の時点tn−1〜tn−Nにおける撮影装置の位置及び撮影装置が向いていた方位を取得する。
次いで、ステップS64で、各時点の位置を始点とし、撮影装置の向いていた方位を向く二次元ベクトルを作成する。そして、それらのベクトルの交点(図17中の交点51)の座標を算出する。次いで、各交点51の平均座標を算出する。
次いで、ステップS65で、その平均座標の位置が含まれる圃場を圃場DBから検索し、この圃場を撮影された圃場として特定する。
本第3実施形態の圃場管理支援装置では、第1実施形態の圃場管理支援プログラムでは正確な圃場の特定が困難な場合でも、撮影対象と推測される地点を特定することで、より精密に圃場が特定される。
本発明の第4実施形態は、過去の特定結果を参照して方位範囲情報を修正する圃場管理支援装置に関する。
図17は本発明の第4実施形態での圃場特定方法を説明する図であり,図19(a)は撮影位置60から所定半径(例えば位置測定の最大誤差Δgps)の円69内で過去に撮影され映像DBに保存されている撮影位置61〜67と撮影方位との関連を表している。なお、方位を表す矢印に付した記号a、bは、特定部37で正しく判定された圃場を表し、記号b’は、特定部37で誤って判定されたのち最終判定部38で正しく修正された圃場を表している。また、図19(b)は過去の時点で当初与えられた所与の方位範囲を、図19(c)は本第4実施形態で修正された方位範囲を表している。図20は本発明の第4実施形態での圃場管理支援装置の情報処理フローチャートであり、重複領域の方位範囲情報を修正する方法を表している。
図19及び図20を参照して、本第4実施形態の圃場管理支援装置は、まず、ステップS71で、入力部35に最後に入力された撮影位置60から、所定半径の円69内を新たな重複領域として作成する。次いで、映像DBから、この円69内の領域を撮影位置として特定された結果を抽出し、その撮影位置61〜67、撮影方向及び最終的に特定された圃場a、bを読み込む。
次いで、ステップS72で、最終的に特定された圃場a、bが修正を受けていたか否か、即ち、特定部37での特定結果が最終判定部38で修正されたか否かを判定する。修正がなければ何もせず、第1実施形態のステップS2からの処理フローを実行する。
ステップS72で、過去に修正されていた場合、例えば特定部37で圃場aと決定された後、最終判定部で圃場bに修正されたものがあるとき、ステップS73を実行する。
ステップS73では、まず、円69内を新たな重複領域として作成し、重複領域リスト3に登録する。次いで、ステップS74で、修正結果に基づき方位範囲情報を作成する。
例えば、円69内で過去に誤特定がなされた場合、この円69内を新たな重複領域として重複領域リスト3に追加する。そして、過去に圃場aが撮影されたと誤って判定された撮影位置62、64、67を始点とする撮影方位(b’を付した矢印が向く方向)を含む方位範囲が、図19(b)を参照して、圃場bが撮影されたと判定される方位範囲θbに含まれるように、方位範囲情報中の方位範囲θbを拡張する。即ち、参照して、過去に修正されたものの中で、最も圃場aの方向に傾いている撮影位置64の撮影方位64dirを含むように、方位範囲θbを拡張する。
次いで、ステップS75で、撮影方位と方位範囲情報を比較し、撮影方位を含む方位範囲に対応づけられた圃場、例えは圃場bを選出して特定する。このステップS74は第1実施形態のステップS37と同様の処理により撮影された圃場を特定する。
この撮影位置を含む重複領域における修正前の方位範囲は、図19(a)を参照して、例えば0°<θb<180°、180°<θa<360°と与えられている。最後に撮影された撮影位置60では、撮影方位θが180°を超えているので、実際には圃場bが撮影されたにもかかわらず、圃場aが撮影されたと誤って特定されてしまう。これに対して、本第4実施形態では、上述したように過去の修正結果を正しく反映するように、方位範囲情報が修正されている。従って、修正結果を反映して、正しく圃場特定がなされる。
本第4実施形態では、このように過去に誤特定があった地域で、実際の撮影状況を適切に反映した圃場特定がなされる。