JP5540863B2 - 粘着剤付き樹脂フィルム及びそれを用いた光学積層体 - Google Patents
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Description
で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とするアクリル樹脂100重量部、
(B)下式(II)
で示されるピリジニウム塩0.2〜8重量部、
(C)イソシアネート系化合物を含む架橋剤0.1〜5重量部、及び
(D)シラン系化合物 0.03〜2重量部。
(A)前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とするアクリル樹脂、
(B)アルキルピリジニウム骨格を有し、前記式(II)で示されるピリジニウム塩、及び
(C)架橋剤
を含有する粘着剤組成物から形成される。まず、粘着剤組成物を構成する各成分について説明する。
本発明の粘着剤付き樹脂フィルムにおいて、粘着剤層を形成する粘着剤組成物に用いられるアクリル樹脂(A)は、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とする重合体であるが、一般にはさらに他の構造単位、特に極性官能基を有する単量体、好ましくは極性官能基を有する(メタ)アクリル酸系化合物に由来する構造単位を含む共重合体で構成される。極性官能基としては、遊離カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ環をはじめとする複素環基などを挙げることができる。さらには、極性官能基を有しない式(I)以外の単量体を共重合させることもできる。好適に用いられうる共重合成分として、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環を有する単量体、好ましくは芳香環を有する(メタ)アクリル酸系化合物を挙げることができる。なお本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれでもよいことを意味し、他に、(メタ)アクリレートなどというときの「(メタ)」も同様の趣旨である。
本発明では、以上のようなアクリル樹脂(A)に加え、帯電防止剤として、アルキルピリジニウム骨格を有する前記式(II)で示されるピリジニウム塩(B)を用いる。
N−トリデシルピリジニウムイオン、
N−テトラデシルピリジニウムイオン、
N−ペンタデシルピリジニウムイオン、
N−ヘキサデシルピリジニウムイオン、
N−ドデシル−4−メチルピリジニウムイオン、
N−トリデシル−4−メチルピリジニウムイオン、
N−テトラデシル−4−メチルピリジニウムイオン、
N−ペンタデシル−4−メチルピリジニウムイオン、
N−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウムイオン。
テトラフルオロボレートイオン〔BF4 -〕、
ヘキサフルオロホスフェートイオン〔PF6 -〕、
トリフルオロアセテートイオン〔CF3COO-〕、
トリフルオロメタンスルホネートイオン〔CF3SO3 -〕、
ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン〔(FSO2)2N-〕、
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン〔(CF3SO2)2N-〕、
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドイオン〔(CF3SO2)3C-〕、
ヘキサフルオロアーセネートイオン〔AsF6 -〕、
ヘキサフルオロアンチモネートイオン〔SbF6 -〕、
ヘキサフルオロニオベートイオン〔NbF6 -〕、
ヘキサフルオロタンタレートイオン〔TaF6 -〕、
(ポリ)ハイドロフルオロフルオライドイオン〔F(HF)n -〕(nは1〜3程度)、
パーフルオロブタンスルホネートイオン〔C4F9SO3 -〕、
ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン〔(C2F5SO2)2N-〕、
パーフルオロブタノエートイオン〔C3F7COO-〕、
(トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミドイオン
〔(CF3SO2)(CF3CO)N-〕など。
N−テトラデシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ヘキサデシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ドデシル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−テトラデシル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N−ドデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−テトラデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ドデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−テトラデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N−ドデシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−テトラデシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ドデシル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−テトラデシル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなど。
以上のようなアクリル樹脂(A)及びピリジニウム塩(B)に、架橋剤(C)を配合して、粘着剤組成物とする。架橋剤(C)は、アクリル樹脂(A)中の特に極性官能基含有単量体に由来する構造単位と反応し、アクリル樹脂を架橋させる化合物である。具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物などが例示される。これらのうち、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物及びアジリジン系化合物は、アクリル樹脂(A)中の極性官能基と反応しうる官能基を分子内に少なくとも2個有する。
本発明の粘着剤付き樹脂フィルムの粘着剤層を形成するための粘着剤には、粘着剤層とガラス基板との密着性を向上させるために、シラン系化合物(D)を含有させる。架橋剤を配合する前のアクリル樹脂にシラン系化合物を含有させておくことが好ましい。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、メルカプトプロピル基含有のコポリマー;
メルカプトメチルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、メルカプトメチル基含有のコポリマー;
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−メタクリロキシイルオプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、メタクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、アクリロイルオキシプロピル基含有のコポリマー;
ビニルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
ビニルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、ビニル基含有のコポリマー;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラメトキシシランコポリマー、
3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン−テトラエトキシシランコポリマー
の如き、アミノ基含有のコポリマーなど。
以上説明した粘着剤組成物にはさらに、架橋触媒、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー、アクリル樹脂(A)以外の樹脂などを配合してもよい。また、粘着剤組成物に紫外線硬化性化合物を配合し、粘着剤層形成後に紫外線を照射して硬化させ、より硬い粘着剤層とするのも有用である。中でも、粘着剤組成物に架橋剤とともに架橋触媒を配合すれば、粘着剤層を短時間の熟成で調製することができ、得られる粘着剤付き樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルムと粘着剤層との間に浮きや剥れが発生したり粘着剤層内で発泡が起こったりすることを抑制でき、またリワーク性も一層良好になることがある。架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリメチレンジアミン、ポリアミノ樹脂、メラミン樹脂の如きアミン系化合物などを挙げることができる。粘着剤組成物に架橋触媒としてアミン系化合物を配合する場合、架橋剤としてはイソシアネート系化合物が好適である。
本発明の粘着剤付き樹脂フィルムは、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、以上のような粘着剤組成物から形成される粘着剤層を設けたものである。ここで用いる樹脂フィルムは、偏光フィルムや位相差フィルムを包含する光学フィルムや、被保護体である光学フィルムなどに貼り合わされ、その表面を傷や汚れなどから保護する目的で用いられる表面保護フィルムなどが挙げられる。
“TOPAS”、JSR(株)から販売されている“アートン”(ARTON)、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオネックス”(ZEONEX)及び“ゼオノア”(ZEONOR)、三井化学(株)から販売されている“アペル”など(いずれも商品名)がある。
本発明の粘着剤付き樹脂フィルムは、樹脂フィルムを光学フィルムで構成し、その粘着剤層でガラス基板に積層して、光学積層体とすることができる。粘着剤付き光学フィルムをガラス基板に積層して光学積層体とするには、例えば、上記のようにして得られる粘着剤付き樹脂フィルムから剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層をガラス基板の表面に貼り合わせればよい。ここで、ガラス基板としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどを挙げることができる。中でも、液晶セルの前面側(視認側)のガラス基板に粘着剤付き光学フィルム(上偏光フィルム)を積層し、液晶セルの背面側のガラス基板に別の粘着剤付き光学フィルム(下偏光フィルム)を積層してなる光学積層体は、液晶表示装置として使用しうることから好ましい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
-802”を1本、計5本を直列につないで配置し、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて、試料濃度5mg/mL、試料導入量100μL 、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により測定した値である。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル 81.8部、アクリル酸ブチル70.4部、アクリル酸メチル20.0部、アクリル酸2−フェノキシエチル8.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、及びアクリル酸 0.6部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら、内温を55℃に上げた。その後、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル 0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤添加1時間後に、アクリル樹脂の濃度が35%になるよう、添加速度17.3部/hr で酢酸エチルを連続的に反応容器内へ加えながら、内温54〜56℃で12時間保温し、最後に酢酸エチルを加えて、アクリル樹脂の濃度が20%となるように調節した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が142万、Mw/Mn が5.2であった。これをアクリル樹脂Aとする。
単量体組成を、アクリル酸ブチル70.4部、アクリル酸メチル20.0部、アクリル酸2−(2−フェノキシエトキシ)エチル8.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、及びアクリル酸 0.6部に変更した以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂を製造した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が142万、Mw/Mn が3.0であった。これをアクリル樹脂Bとする。
単量体組成を、 アクリル酸ブチル88.6部、アクリル酸2−メトキシエチル10.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、及びアクリル酸 0.4部に変更した以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂を製造した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が176万、Mw/Mn が4.9であった。これをアクリル樹脂Cとする。
単量体組成を、 アクリル酸ブチル98.6部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、及びアクリル酸 0.4部に変更した以外は、重合例1と同様にしてアクリル樹脂を製造した。得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mw が123万、Mw/Mn が3.9であった。これをアクリル樹脂Dとする。
BA :アクリル酸ブチル、
MA :アクリル酸メチル、
MEA :アクリル酸2−メトキシエチル、
PEA :アクリル酸2−フェノキシエチル、
PEA2:アクリル酸2−(2−フェノキシエトキシ)エチル、
HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
AA :アクリル酸。
(下式の構造を有する)
コロネート L: トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、日本ポリウレタン(株)から入手。後掲の表2においては「Cor-L」と略記する。
タケネート D160N: ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)、日本ポリウレタン(株)から入手。後掲の表2においては「D160N」と略記する。
KBM-403 : グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(液体)、信越化学工業(株)から入手。
KBE-402 : グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン(液体)、信越化学工業
(株)から入手。
(a)粘着剤組成物の調製
重合例1〜4で製造したアクリル樹脂A〜Dの固形分100部に対し、表2に示すピリジニウム塩、架橋剤及びシラン系化合物をそれぞれそこに示す量混合し、さらに固形分濃度が13%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物とした。
上の各粘着剤組成物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名“PET 3811”、リンテック(株)から入手;セパレーターと呼ぶ)の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが20μm となるように塗布し、100℃で1分間乾燥して、シート状の粘着剤を得た。次いで、ヨウ素が吸着配向したポリビニルアルコール偏光子の片面をトリアセチルセルロースからなる厚さ80μm の保護フィルム、もう一方の面をシクロオレフィン系樹脂からなる厚さ70μm の位相差フィルム〔40℃の温度及び90%の相対湿度における透湿度は42g/(m2・24hr)〕で挟んだ3層構造の偏光フィルムのシクロオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム面に、上で得たシート状粘着剤のセパレーターと反対側の面(粘着剤面)をラミネーターにより貼り合わせたのち、温度23℃、相対湿度65%の条件で7日間養生して、粘着剤付き偏光フィルムを得た。
得られた粘着剤付き偏光フィルムのセパレーターを剥離したときに、粘着剤の表面抵抗値を表面固有抵抗測定装置〔三菱化学(株)製の“Hirest-up MCP-HT450 ”(商品名)〕にて測定し、帯電防止性を評価した。表面抵抗値が1011Ω/□オーダー又はそれ以下であれば、良好な帯電防止性が得られる。帯電防止性の評価は、粘着剤付き偏光フィルムの養生が完了した後、直ちに行った。結果を表2にまとめた。
上記(b)で作製した粘着剤付き偏光フィルムからセパレーターを剥がした後、その粘着剤面を液晶セル用ガラス基板〔コーニング社製の“Eagle XG”(商品名)〕の片面に貼着して光学積層体を作製した。この光学積層体に対し、温度80℃の乾燥条件下で300時間保管する耐熱試験を行った場合、温度60℃、相対湿度90%で300時間保管する耐湿熱試験を行った場合、70℃に加熱した状態から−30℃に降温し、次いで70℃に昇温する過程を1サイクル(1時間)として、これを100サイクル繰り返す耐ヒートショック試験を行った場合、及び、温度100℃の乾燥条件下で300時間保管する耐高熱試験を行った場合のそれぞれについて、試験後の光学積層体を目視で観察した。結果を以下の基準で分類し、表2にまとめた。
◎:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△:浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
×:浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著に認められる。
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記(b)で作製した粘着剤付き偏光フィルムを25mm×150mmの大きさの試験片に裁断した。次に、この試験片をその粘着剤側で、貼付装置〔フジプラ(株)製の“ラミパッカー”(商品名)〕を用いて液晶セル用ガラス基板に貼り付け、温度50℃、圧力5kg/cm2(490.3kPa )で20分間オートクレーブ処理を行った。次に70℃で2時間加熱処理し、引き続き50℃のオーブン中にて48時間保管した後、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中にて、この貼着試験片から偏光板を粘着剤層とともに300mm/分の速度で180°方向(偏光板を剥がして裏返しとなった状態でガラス面に平行な方向)に剥離し、ガラス板表面の状態を観察して、以下の基準で分類した。結果を、併せて表2に示した。
◎:ガラス板表面に曇り等が全く認められない。
○:ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△:ガラス板表面に曇り等が認められる。
×:ガラス板表面に粘着剤の残りが認められる。
Claims (7)
- 樹脂フィルムの少なくとも片面に粘着剤層が形成されてなる粘着剤付き樹脂フィルムであって、
該樹脂フィルムは、位相差フィルムを含む光学フィルムであり、該位相差フィルムの表面に該粘着剤層が形成されており、
該位相差フィルムは、40℃の温度及び90%の相対湿度における透湿度が300g/(m 2 ・24hr)以下であり、
該位相差フィルムの表面に形成されている粘着剤層は、
(A)下式(I)
で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分とするアクリル樹脂100重量部、
(B)下式(II)
で示されるピリジニウム塩0.2〜8重量部、
(C)イソシアネート系化合物を含む架橋剤0.1〜5重量部、及び
(D)シラン系化合物 0.03〜2重量部
を含有する粘着剤組成物から形成されていることを特徴とする粘着剤付き樹脂フィルム。 - アクリル樹脂(A)は、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位に加え、分子内に1個のオレフィン性二重結合と少なくとも1個の芳香環を有する不飽和単量体に由来する構造単位をさらに有する請求項1に記載の粘着剤付き樹脂フィルム。
- ピリジニウム塩(B)中のX- は、フッ素イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、トリフルオロアセテートイオン、トリフルオロメタンスルホネートイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドイオン、ヘキサフルオロアーセネートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン、ヘキサフルオロニオベートイオン、ヘキサフルオロタンタレートイオン、(ポリ)ハイドロフルオロフルオライドイオン、パーフルオロブタンスルホネートイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、パーフルオロブタノエートイオン、又は(トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミドイオンである請求項1又は2に記載の粘着剤付き樹脂フィルム。
- 光学フィルムは、該位相差フィルムに加えてさらに偏光フィルムを含む請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤付き樹脂フィルム。
- 位相差フィルムは、シクロオレフィン系樹脂で構成される請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤付き樹脂フィルム。
- 粘着剤層の表面に剥離フィルムが貼着されている請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤付き樹脂フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤付き樹脂フィルムが、その粘着剤層側でガラス基板に積層されてなることを特徴とする光学積層体。
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