JP5539896B2 - 組換え的に改変されたプラスミン - Google Patents

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Description

関連出願へのクロスリファレンス
本願は、引用することにより本明細書に組み込まれる、2007年11月29日に出願された米国仮出願60/991,148に対する35 USC §119の下で優先権を請求する。
ヒトプラスミノーゲンは、791アミノ酸残基を含有する1本鎖タンパク質である。プラスミンへのプラスミノーゲンの活性化は、チモーゲンにおけるArg561−Val562ペプチド結合の単一切断によって起こる。得られるプラスミン分子は、トリプシン様特異性(LysおよびArgの後で切断する)を有する2本鎖のジスルフィド結合したセリンプロテアーゼである。
プラスミンのアミノ末端重鎖(残基1〜561、〜60kDa)は、各々約80アミノ酸残基を含有する5個のクリングルドメインからなる。クリングルドメインは、活性化阻害剤、例えばCl−1イオンとの:活性化刺激剤、例えばε−アミノカプロン酸との;哺乳類および細菌細胞との;そしてプラスミン生理的基質フィブリンおよびプラスミン阻害剤α2−抗プラスミンのような他のタンパク質との相互作用のような、プラスミノーゲンの調節特性に関与する。全ての5個のクリングルのうち、クリングル1は最も多機能性の1つであり:そのリシン結合活性はα2−抗プラスミンおよびフィブリンとのプラスミン相互作用に関与することが示されている。非特許文献1;および非特許文献2を参照。
プラスミンのC末端軽鎖(残基562〜791、〜25kDa)は、トリプシンに相同なそして古典的なセリンプロテアーゼ触媒トライアド:His603、Asp646およびSer741を含有する典型的なセリンプロテアーゼである。プラスミノーゲンは、24個のジスルフィド架橋ならびにAsn289およびThr346上の2個のグリコシル化部位を含有する。
エラスターゼによるプラスミノーゲンの限定タンパク質分解は、3つの主要フラグメントをもたらすことが示されている(非特許文献3)。第一のフラグメント、K1−3は最初の3個のクリングルを含み、そして2つのバージョン、Tyr80−Val338およびTyr80−Val354において単離することができる。第二のフラグメント、K4は4番目のクリングルに対応し、そして残基Val355−Ala440を含む。最後のC末端フラグメント(いわゆる、ミニ−プラスミノーゲン)は残基Val443−Asn791を含み、そして5番目のクリングルおよびセリンプロテアーゼドメインからなる。ミニ−プラスミノーゲンは、プラスミノーゲンと同じように活性化することができ、ミニ−プラスミンを生成せしめる。
全長プラスミノーゲン分子の複雑な構造のために、細菌発現系は組換えプラスミノーゲン生産に有用であると判明していない。プラスミノーゲンは不溶性の封入体の形態において生産され、そしてその状態からリフォールディングできない。さらに、哺乳類細胞におけるプラスミノーゲンの発現は、プラスミンへのプラスミノーゲンの細胞内活性化および結果として生じる細胞毒性により複雑化される。昆虫細胞を用いた完全に活性のプラスミノーゲンの生産は可能であり、しかしながら、この系は低収率のために大規模生産に適していない。さらに、任意の組換えタンパク質スキームのように、治療用組換えタンパク質を与えられる患者において免疫原性問題に直面する可能性がある。
免疫原性は、ある種の組換えタンパク質治療スキームの有効なそして/もしくは効率の良い利用に対する障害であり得る。免疫原性は外来と認識される物質(例えば、アミノ酸配列を包含するタンパク質の化学構造)に対する複雑な一連の反応であり、そして中和および非中和抗体の生産、免疫複合体の形成、補体活性化、マスト細胞活性化、炎症ならびにアナフィラキシーを包含することができる。免疫原性は、多様にタンパク質治療の効能および安全性を限定し得る。効能は、中和抗体の形成により直接的に減少され得る。中和もしくは非中和抗体のいずれかへの結合は典型的に血清からの迅速なクリアランスをもたらすので、効能はまた間接的にも減少され得る。免疫反応が引き起こされると重度の副作用および死亡さえ起こり得る。中和抗体が内在性タンパク質と交差反応しそしてその機能を阻止するとある特定のクラスの副作用が起こる。
従って、プラスミン/プラスミノーゲンの望ましい特性(例えば、天然様化学構造を有する領域)を保有し、一方である種の負の特性を欠きそして相当量で細菌細胞を包含する組換えタンパク質発現系において生産することができる改変された組換えタンパク質が望ましい。
Wiman,B.,et al.,Biochim.Biophys.Acta 579:142−154(1979) Lucas,M.A.,et al.,J.Biol.Chem.258:4249−4256(1983) Sottrup−Jensen,L.,et al.,Prog.Chem.Fibrinol.Thrombol.,3:191−209(1978)
発明の要約
1つの態様において、本発明は
a)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリングルドメイン、ここで、クリングルドメイン内の最後の4個のアミノ酸残基はV、P、QおよびCである;および
b)ヒトプラスミノーゲンにおける対応するドメインに相同なC末端ドメイン活性化部位およびセリンプロテアーゼドメイン
を有するポリペプチド(ここで、該ポリペプチドは固定化リシンに結合する)をコードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドを提供する。
別の態様において、本発明は:
a)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリングルドメイン、ここで、クリングルドメイン内の最後の4個のアミノ酸残基はV、P、QおよびCである;および
b)ヒトプラスミノーゲンにおける対応するドメインに相同なC末端ドメイン活性化部位およびセリンプロテアーゼドメイン
を含んでなるポリペプチド(ここで、該ポリペプチドは固定化リシンに結合する)を提供する。
他の態様において、本発明は本発明のポリヌクレオチドを含んでなる発現ベクターを提供する。1つの態様において、ポリヌクレオチドは配列番号:1に示されるようなヌクレオチド配列を含んでなる。
ある態様において、本発明は本発明のポリヌクレオチドを含んでなる発現ベクターを含
んでなる培養細胞を提供する。1つの態様において、ポリヌクレオチドは配列番号:1に示されるようなヌクレオチド配列を含んでなる。別の態様において、培養細胞は原核生物である。1つの態様において、原核生物はエシェリキア・コリ(E.coli)である。
1つの態様において、本発明は1つもしくはそれ以上の組換えプラスミンポリペプチドを製造する方法を提供する。該方法は:
a)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリングルドメイン(ここで、クリングルドメイン内の最後の4個のアミノ酸残基はV、P、QおよびCである);ならびにヒトプラスミノーゲンにおける対応するドメインに相同なC末端ドメイン活性化部位およびセリンプロテアーゼドメインを有するポリペプチド(ここで、該ポリペプチドは固定化リシンに結合する)を提供すること;ならびに
b)段階a)において提供されるポリペプチドを1つもしくはそれ以上のペプチド結合を切断するために十分な条件下でプロテアーゼと接触させ、それにより1つもしくはそれ以上の組換えプラスミンポリペプチドを生成せしめること
を含んでなる。1つの態様において、提供することは適当な宿主において配列番号:1に示されるような配列に対応する配列もしくはその縮重バリアントを有するオープンリーディングフレームを発現させることを含んでなる。別の態様において、ポリペプチドは配列番号:2に示されるようなアミノ酸配列を有する。
図1は、タンパク質分解切断による活性化後の天然プラスミンの略図である。K1〜K5はクリングル領域1〜5であり;そしてSPはセリンプロテアーゼドメインである。「α2−AP」はクリングル1上のα−抗プラスミン結合部位である。 図1におけるのと同じ用語を用いる、そしてK2〜5の欠失を示す本発明のプラスミノーゲン欠失突然変異体の略図である。 −19〜−1として番号が付けられた19残基リーダー配列、および残基1〜791(配列番号:3、ヒトプラスミノーゲンのcDNA配列;および図3に示されるような、配列番号:4、コードされるアミノ酸配列を参照)として示されるプラスミノーゲン配列を示すヒトプラスミノーゲンのアミノ酸配列を示す。以下のもの:(TAL6003)−プラスミノーゲン配列の1つの態様(網掛け);クリングルドメイン1〜5(二重下線);グリコシル化部位Asn289およびThr346(ボールド体);Arg−Val活性化部位(ボールド体のR561562);ならびにクリングル1におけるリシン結合部位(下線のそして特定位置番号付けを有する)を包含する多数の特徴が示される。 天然ヒトプラスミン(オーゲン)(plasmin(ogen))の5個のクリングルドメイン(1〜5)間のポリペプチド配列比較(すなわち、ギャップアラインメント)を示す。クリングル1における同じ相対的位置のものと同一であるアミノ酸残基は下線で示される。 血漿由来のプラスミン(レーン1=非還元(NR):レーン2=還元(R))および(TAL6003)−プラスミン(レーン3=非還元(NR):レーン4=還元(R))調製物の8〜25%勾配SDS−PAGEを示す。それぞれ、天然プラスミンおよび組換え(TAL6003)−プラスミンへの血漿由来のプラスミノーゲンおよび(TAL6003)−プラスミノーゲンのストレプトキナーゼ活性化は、クリングルおよびセリンプロテアーゼドメインに対応する2本のバンドの形成をもたらす。従って、電気泳動の前の還元剤ジチオスレイトール(DTT)とのインキュベーションの後に、非還元ゲル上で単一バンドである血漿由来のプラスミンおよび(TAL6003)−プラスミンは、同じ非還元ゲルにおいてクリングル1(下側のバンド)およびセリンプロテアーゼドメイン(上側のバンド)に対応する2本のバンドに還元する。 ストレプトキナーゼによる(TAL6003)−プラスミノーゲンの活性化のグラフ表示である。 リシン−セファロース4Bへの(TAL6003)−プラスミノーゲンの結合を示すクロマトグラムである:0.5mgの精製された(TAL6003)−プラスミノーゲンをTris緩衝食塩水、pH7.4で平衡化したリシン−セファロース4Bカラム(1x3cm)上にかけた。結合タンパク質は、単一ピークとしてε−アミノカプロン酸(ε−ACA)の0〜20mM勾配によりカラムから溶出された。流出容量の関数として、280nmでの吸光度およびε−ACAの濃度をグラフ上に提示する。 tPAによるその後の活性化および結果として起こる血栓溶解により評価した場合のフィブリンへの(TAL6003)−プラスミノーゲンの結合を示す。 血漿由来のプラスミンと(TAL6003)−プラスミンとの血栓溶解効能のインビトロ比較を示す。 (TAL6003)−プラスミン(配列番号:2)のジスルフィド結合パターンを例示する。図において、(X)はアミノ酸配列RDVVLFEKを表す。
発明の記述
本発明者等は、その構造からの4個のクリングルの欠失にもかかわらず天然プラスミノーゲン様特性を有する(TAL6003)−プラスミノーゲンと本明細書において呼ばれる新規組換えプラスミノーゲンポリペプチドもしくはそのバリアントを見出した。これらの(TAL6003)−プラスミノーゲンもしくはそのバリアントは、チモーゲンのクリングルドメインとセリンプロテアーゼドメインとの間に位置するArg−Valペプチド結合のタンパク質分解切断を少なくとも伴う活性化事象の後に機能性プラスミン酵素(本明細書において(TAL6003)−プラスミンと呼ばれる)に活性化されるようになることができるチモーゲンである。
本発明の(TAL6003)−プラスミノーゲンもしくはそのバリアントは、全長天然ヒトプラスミノーゲンのフィブリンおよび抗プラスミン結合ならびに活性化特性を有する。さらに、(TAL6003)−プラスミノーゲンは、組換え生産における高レベル発現およびヒト血漿由来のプラスミノーゲンの天然に存在する形態と同一であるかもしくは非常に類似したある種のタンパク質化学構造を包含する多数の新規のそして望ましい特性を有する。
本発明の(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)は、少なくとも下記の事項を特徴とすることができる:
i)(TAL6003)−プラスミノーゲンの活性化後に生成される(TAL6003)−プラスミンのより低い分子量(例えば、1つの態様において約36,911〜約37,039Da)は、増加した比活性(タンパク質のmg当たり)をもたらす;
ii)比較的低い分子量と合わせて、天然タンパク質に存在する少なくとも2個のグリコシル化部位(図3参照、すなわち、N289およびT346)の欠如は、比較的安価な細菌および酵母発現系を用いたこのタンパク質の組換え生産を容易にする;
iii)(TAL6003)−プラスミノーゲンは、プラスミノーゲンアクチベーターtPA、ウロキナーゼおよびストレプトキナーゼにより活性化することができる;
iv)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリング
ルドメインの存在は、血栓溶解効能に重要であるプラスミンのフィブリン結合特性を維持する;
v)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリングルドメイン上のα2−抗プラスミン結合部位の存在は、(TAL6003)−プラスミンがプラスミンのこの生理的阻害剤により迅速に阻害されることを可能にする(出血を防ぐことができる特性);
vi)(TAL6003)−プラスミンのより小さいサイズは、α−マクログロブリンによるそれらの阻害を容易にし、さらに天然プラスミンと比較して出血性合併症の機会を減らすことができる。特定の態様において、完全な消化されていないフィブリン(オーゲン)(fibrin(ogen))の主要結合部位を保持するクリングル5の欠如は、循環するフィブリノーゲンの減少した枯渇を伴って(TAL6003)−プラスミンの使用を可能にすることができる;
vii)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリングルドメイン(ここで、クリングルドメイン内の最後の4個のアミノ酸残基はV、P、QおよびCである)の存在は、セリンプロテアーゼドメインへの天然様連結(すなわち、ヒトプラスミノーゲンのクリングル5ドメインとセリンプロテアーゼドメインとの間の天然に存在するドメイン連結点と同様の連結)を提供する;そして
viii)組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンの発現後に、そのN末端を切断し戻して(cleaved back)(例えば、活性化中に切断し戻して)天然様N末端を提供し得る。
一般に、本発明は、ミニ−プラスミン(オーゲン)と比較してある種の利点を有する、活性化部位およびセリンプロテアーゼドメインに対してN末端の単一のクリングル領域を有する組換え(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)ポリペプチドを提供する。本発明の(TAL6003)−プラスミノーゲンは活性化部位に対してN末端のそのようなものとして1個のクリングルドメインのみを有するが、ある態様には活性化部位に対してN末端の追加の配列が包含される。追加のN末端配列は、プラスミノーゲンの天然クリングル領域のもの由来であることができる。
本発明のN末端クリングルドメインは、天然プラスミン(オーゲン)のクリングル1および4のクリングル配列ならびにその機能的同等物を含む。特に、リシン結合に関与するかもしくは影響を与える残基の維持を包含する、ポリペプチドバリアントにおける機能の維持に関するガイダンスを提供する以下の説明を参照。
さらに、本発明のポリペプチドの特定の態様は、天然様構造のために減少した免疫原性を示すことができる。例えば、ある態様において、本発明の組換えプラスミノーゲンはヒト血漿由来のプラスミノーゲンの天然に存在する形態の1つのものと同一のN末端を有し、それはストレプトキナーゼによる活性化の際に、天然様N末端を含んでなるプラスミンポリペプチドを生成する。従って、本発明の新規ポリペプチドは、天然に存在するヒトプラスミンにおけるクリングル5とSPドメインとの間の連結点と同様のクリングルとセリンプロテアーゼドメインとの間の配列を有する。
定義
他にそれに反して示されない限り、ポリペプチドの「ドメイン」および「領域」という用語は、本明細書において用いる場合に一般に同義語である。「クリングル」もしくは「セリンプロテアーゼ」などのようなよく認識された構造もしくは機能表示と一緒に列挙される場合、そのような用語はそのような表示に対応するポリペプチド構造と関連すると一般に認識されそして理解される少なくともいくつかの特徴(1つもしくは複数)に関連するポリペプチド特性を導入する。
「培養宿主細胞」は、本明細書において用いる場合、任意の手段、例えば電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、微量注入、形質転換、ウイルス感染などにより細胞中に導入されている異種DNAを含有する原核もしくは真核細胞をさす。
「異種の」は、本明細書において用いる場合、「異なる天然起源のもの」もしくは非天然状態を表すことを意味する。例えば、培養宿主細胞が別の生物由来の、特に別の種由来のDNAもしくは遺伝子で形質転換される場合、その遺伝子はその培養宿主細胞に関してそしてまたその遺伝子を保有する培養宿主細胞の子孫に関しても異種である。同様に、「異種の」は同じ天然の元の細胞タイプに由来しそして挿入されるが、非天然状態、例えば異なるコピー数においてもしくは異なる調節要素の制御下で存在するヌクレオチド配列をさす。さらに、核酸もしくはアミノ酸配列との関連で用いる場合、「異種の」という用語はまた同じ配列の別の領域と異なる天然起源のものである配列の任意の領域をさすこともできる。例えば、組換えタンパク質がアポリポタンパク質(a)由来のクリングルドメインおよびプラスミノーゲン由来のセリンプロテアーゼドメインを含んでなる場合、特に各ドメインが異なる種もしくは生物由来である場合、クリングルドメインおよびセリンプロテアーゼドメインは相互に対して「異種」である。
「ベクター」分子は、異種核酸を挿入することができ、それを次に適切な培養宿主細胞に導入することができる核酸分子である。ベクターは好ましくは1つもしくはそれ以上の複製起点、および組換えDNAを挿入することができる1つもしくはそれ以上の部位を有する。ベクターは、ベクターを有する細胞を有さないものから選択することができる都合のよい手段を有することが多く、例えば、それらは薬剤耐性遺伝子をコードする。一般的なベクターにはプラスミド、ウイルスゲノムおよび(主に酵母および細菌における)「人工染色体」が包含される。
本明細書において用いる場合、「転写制御配列」という用語はそれらが操作可能に連結される核酸配列をコードするタンパク質の転写を誘導するか、抑制するかもしくはそうでなければ制御する、イニシエーター配列、エンハンサー配列およびプロモーター配列のような核酸配列をさす。
「ポリペプチド」という用語は、「ペプチド」および「タンパク質」という用語と互換可能に本明細書において用いられる。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は互換可能に本明細書において用いられ、そして文脈により示される目的のために必要な情報を含有する任意の核酸をさすことができる。すなわち、ポリマーが例えばコードされるペプチドに関して適切な情報を表すことができそして相補的な配列、例えば核酸ポリマーのセンス鎖およびアンチセンス鎖を含むことができる限り、核酸は一本鎖もしくは二本鎖のいずれかのDNAもしくはRNA、または他の核酸であることができる。
ポリペプチドの「バリアント」という用語は、1つもしくはそれ以上のアミノ酸により改変されるアミノ酸配列をさす。バリアントは「保存的」変化を有することができ、ここで、置換されたアミノ酸は類似構造もしくは化学特性を有する、例えばイソロイシンでのロイシンの置換。あるいはまた、バリアントは「非保存的」変化を有することができる、例えばトリプトファンでのグリシンの置換。類似したわずかなバリエーションにはまた、アミノ酸欠失もしくは挿入、または両方を包含することもできる。「バリアント」ポリペプチドの特定の形態は「機能的に同等な」ポリペプチド、すなわち、以下にさらに詳細に記述されるように、本発明のポリペプチドの例と実質的に同様のインビボもしくはインビトロ活性を示すポリペプチドである。生物学的もしくは免疫学的活性を除かずにどのアミノ酸残基を置換するか、挿入するか、もしくは欠失させるかを決定することにおけるガイ
ダンスは、当該技術分野において周知であるコンピュータープログラム、例えばDNASTARソフトウェア(DNASTAR,Inc.,Madison,WI)を用いて見出すことができる。さらに、引用することにより本明細書に完全に組み込まれる引用文献内に提供されるものを包含する、特定のガイダンスが以下に提供される。
「N末端の」および「C末端の」という用語は、それらが適用される任意のアミノ酸配列またはポリペプチドドメインもしくは構造の相対的位置を示すために本明細書において用いられる。相対的位置決めは、文脈から明らかである。すなわち、「N末端の」特徴は、同じ文脈において説明される別の特徴(第一の特徴に対して「C末端の」と呼ばれる可能性がある他の特徴)よりポリペプチド分子のN末端に少なくとも近く位置している。同様に、「5’−」および「3’−」という用語はポリヌクレオチドの特徴の相対的位置を示すために本明細書において用いることができる。
「天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な」N末端ドメインを有すると本明細書において呼ばれるポリペプチドは、プラスミノーゲンの天然クリングルドメインと同様の構造および機能特性を示す。さらに、「クリングル1に相同な」N末端ドメインを有すると本明細書において呼ばれるポリペプチドは、少なくともポリペプチドがクリングル5よりω−アミノカルボン酸(およびトランス−4−アミノメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸、環状酸のような機能的ホモログ)に対して高い親和性を有することができる程度に、天然クリングル1と同様の特性を示す。5−アミノペンタン酸(5−APnA);ε−アミノカプロン酸(εACA)としても知られている6−アミノヘキサン酸(6−AHxA);7−アミノヘプタン酸(7−AHpA);およびトランス−4−アミノメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸(t−AMCHA)への単離されたクリングルドメインポリペプチドの結合の比較のための条件およびプロトコルについては、例えば、引用することにより本明細書に組み込まれる、Chang,Y.,et al.,Biochemistry 37:3258−3271(1998)を参照。
「クリングル4に相同な」クリングルドメインへの言及は、「クリングル1に相同な」という語句に関する上記の通り、同様に定義される。すなわち、それらは上記に説明したような天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル4と同様の機能特性を示す。これらのポリペプチドはまた。上記のように固定化リシンにも結合する。
本発明のポリペプチドは、固定化リシンに結合する。本明細書において用いる場合、「固定化リシンに結合する」という語句は、そのように特性化されるポリペプチドが、クロマトグラフィー媒質としてリシン−セファロースを用いてカラムクロマトグラフィーに供される場合にミニ−プラスミノーゲンと比較してそれらの進行が停滞することを意味する。典型的に、本発明のポリペプチドは、溶離剤として特定のリガンド、例えばεACAを含有する溶液を用いてそのようなクロマトグラフィー媒質(リシン親和性樹脂)から溶出することができる。
さらに、Chang et al.,上記に加えて、保存的もしくは非保存的置換、欠失もしくは付加によりどの残基を変えることができるかを決定するために当業者は他の参考文献を調べて本発明の範囲内の欠失突然変異体を生成せしめることができる。例えば、以下の参考文献は、ωアミノカルボン酸の結合に重要であり得る天然クリングルドメインの特定の残基に関する情報を提供する:全てそれらの全部が引用することにより本明細書に組み込まれる、Ji,et alへの米国特許第6,538,103号;Suzukiへの米国特許第6,218,517号;Douglas,J.T.,et al.,Biochemistry 41(10):3302−10(2002);Zajicek,J.,et al.,J.Mol.Biol.,301(2):333−47(2000);Lee,H.,et al.,Arch Biochem Biophys.,37
5(2):359−63(2000);Castellino,F.and S.McCance,Ciba Found Symp.212:46−60(1997);McCance,S.,et al.,J.Biol.Chem.,269:32405−32410(1994);Rejante,M.R.and M.Llinas,Eur.J.Biochem.,221(3):939−49(1994);Wu,T.P.,et
al.,Blood Coagul.Fibrinolysis,5(2):157−66(1994);Hoover,C.J.,et al.,Biochemistry,32(41):10936−43(1993);Menhart,N.,et al.,Biochemistry,32:8799−8806(1993);Thewes,T.,et al.,J.Biol.Chem.,265(7):3906−3915(1990);Novokhatny,V.,et al.,Thromb Res.,53(3):243−52(1989);Motta,A.,et al.,Biochemistry,26(13):3827−36(1987);Novokhatny,V.,et al.,J.Mol.Biol.,179:215−232(1984);Lerch,P.G.,et al.,Eur.J.Biochem.,107(1):7−13(1980);Sottrup−Jensen,L.,et al.,Prog.Chem.Fibrinol.Thrombol.,3:191−209(1978);およびWiman,B.and D.Collen,Nature 272,549−545(1978)。
(1つには、本明細書に記載の通り固定化リシンの結合について試験することにより評価することができる)有益な機能特性を有する単一のN末端クリングルドメインを有して有益な簡素化プラスミン(オーゲン)分子を製造できることを本発明者等は認識しているので、本発明には活性化部位に対してN末端の他のフィブリン結合ドメインもしくは領域を包含することができる。例えば、本発明には、ヒトプラスミノーゲンのクリングル4、tPAのクリングル2もしくはアポリポタンパク質(a)のクリングルが包含されるがこれらに限定されるものではない群から選択されるフィブリン結合クリングルにプラスミンのセリンプロテアーゼドメインが結合しているポリペプチドを包含することができる。さらに、本発明には、tPAもしくはフィブロネクチンの「フィンガー」ドメイン、またはフィブリン特異的IgGのFABフラグメントのような任意の他の既知のフィブリン結合モジュールにプラスミンのセリンプロテアーゼドメインが結合しているポリペプチドを包含することができる。
ある態様において、本発明のポリペプチドは、ヒト血漿由来のプラスミン(オーゲン)の天然に存在する形態に存在する化学構造と同一であるタンパク質化学構造(例えば、天然様N末端およびクリングルとセリンプロテアーゼドメインとの間の天然様連結点)を有する。特定の理論にとらわれずに、そのアミノ酸配列が包含されるがそれに限定されるものではない、タンパク質のある種の特徴はその免疫原性の一因となり得ると考えられる。従って、本発明は、天然ヒトプラスミノーゲン配列に似ているアミノ酸配列の導入によって(TAL6003)−プラスミノーゲンの潜在的免疫原性を先制的に減らすことにより組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンに基づく有効なタンパク質治療法を提供する。
1つの態様において、本発明の組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドは、a)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに相同な単一のN末端クリングルドメイン、ここで、クリングルドメイン内の最後の4個のアミノ酸残基はV、P、QおよびCである;およびb)ヒトプラスミノーゲンにおける対応するドメインに相同なC末端ドメイン活性化部位およびセリンプロテアーゼドメインを含んでなり;ここで、該ポリペプチドは固定化リシンに結合する。1つの態様において、単一のN末端クリングルドメインは天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル1もしくはクリングル4に相同である
。ある態様において、固定化リシンはリシン−アガロース、リシン−ヒドロゲル、リシン−架橋アガロースよりなる群から選択される固体支持マトリックスに結合したリシンである。別の態様において、固定化リシンはリシン架橋アガロースである。
本発明の組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドは、当業者により活性化されて(TAL6003)−プラスミンポリペプチドを提供することができる。1つの態様において、(TAL6003)−プラスミンポリペプチドは、α−抗プラスミンによるミニ−プラスミンの線維素溶解活性の阻害の速度より少なくとも約5倍速い阻害の速度でα−抗プラスミンにより阻害される線維素溶解活性を示す。別の態様において、阻害の速度はミニ−プラスミンの阻害の速度より少なくとも約10倍、20倍、30倍もしくは40倍速い。
1つの態様において、組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドは配列番号:2に示される配列と少なくとも90%もしくは95%、または98%同一である。別の態様において、単一のN末端クリングルドメインは天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル1もしくはクリングル4ドメインと少なくとも90%同一であり;そしてC末端ドメインはヒトプラスミノーゲンの活性化部位およびセリンプロテアーゼドメインと少なくとも90%同一である。ある態様において、ポリペプチドは配列番号:2に示されるようなアミノ酸配列およびその保存的置換を有する。他の態様において、ポリペプチドは、配列番号:2に示されるアミノ酸配列の位置85のものと同様の相対的位置でアルギニン残基を有する。
さらなる態様において、単一のN末端クリングルドメインは天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル5とよりも天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル1もしくはクリングル4と少なくとも1残基大きいアミノ酸配列同一性を有し、そしてここで、ヒトプラスミノーゲンのクリングル1および4の天然配列に対する単一のN末端クリングルドメインの保存的置換は、クリングル5との同一性比較の目的のために天然配列と異なると見なされない。
例えば、本発明において記述される(TAL6003)−プラスミノーゲンは単一のクリングルドメインとセリンプロテアーゼドメインを連結する連結領域にアミノ酸残基改変を利用する。従って、これら2つのドメイン間のこの連結点は、ヒトプラスミノーゲンのクリングル5ドメインとセリンプロテアーゼドメインとの間の天然に存在する連結点に一層酷似している。
別の態様において、本発明において記述される(TAL6003)−プラスミノーゲンは天然様N末端配列をさらに含んでなる。組換え的に製造された(TAL6003)−プラスミノーゲンは活性化の際に切断されて天然様N末端も有する組換え(TAL6003)−プラスミンポリペプチドを提供することができる。
特定の態様において、(TAL6003)−プラスミノーゲンの単一のN末端クリングルドメインのある位置の残基は、天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル1に対して保存される。これらはジスルフィド架橋およびリシン結合と関連する位置の残基であることができ、そしてそれぞれ、Cys84、Cys105、Cys133、Cys145、Cys157およびCys162、ならびにPro136−Pro140、Pro143−Tyr146およびArg153−Tyr156が包含される(図3に示されるように番号付けられた位置)。従って、本発明の特定の態様は、同様のドメイン組成(すなわち、クリングル−セリンプロテアーゼ(K−SP)(Sottrup−Jensen,L.,et al.,Progress in Chemical Fibrinolysis and Thrombolysis,Vol.3,(Eds:J.F.Davidson
,et al.)Raven Press,New York(1978)を参照)を有するが、とりわけ、配列番号:2に示されるアミノ酸配列の位置85のものと同様の相対的位置でアルギニン(Arg)を欠くミニ−プラスミン(オーゲン)との対照によって化学的に特性化することができる。ある態様において、本発明の(TAL6003)−プラスミノーゲンは、配列番号:2に示されるアミノ酸配列の位置85のものと同様の相対的位置でArg残基を含んでなる単一のN末端クリングルドメインを含んでなる。配列番号:2に示されるアミノ酸配列の位置85のものと同様の相対的位置の限定されない例には、配列番号:4に示されるアミノ酸配列のArg(153)、Arg(234)、Arg(324)およびArg(426)位置が包含される。
他の態様において、指定残基の特定の位置は、構造的にそして機能的に同様な位置(すなわち、N末端ドメインのクリングル構造に対して;上記に説明したようなChang,Y.,et al.を参照)でポリペプチドに依然として存在しながらいくらか異なることができる。ある態様において、(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)ポリペプチドの単一のN末端クリングルドメインは天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル5とよりも天然ヒトプラスミノーゲンのクリングル1もしくはクリングル4と少なくとも1残基大きい同一性パーセントを有する。
さらに、本発明の特定の態様はミニ−プラスミン(オーゲン)との対照によって機能的に特性化することができる。好ましい態様において、本発明の(TAL6003)−プラスミンはα−抗プラスミンによる例えばミニ−プラスミンの阻害の速度より約1もしくは2桁分速い程度の増加した阻害速度を示す。さらに、特定の態様において、(TAL6003)−プラスミンは固定化リシン(例えば、リシン−セファロース)に結合する。
「N末端」としての(TAL6003)−プラスミノーゲンの単一のN末端クリングルドメインの特性化は、該ドメインが活性化部位に対してN末端に存在することのみを意味し、そしてドメイン自体に対してN末端の追加のアミノ酸残基が存在しないことを意味しない。さらに、単一のN末端クリングルドメインの最もC末端のシステイン残基(すなわち、図4に示される最もC末端のCys残基)とプラスミノーゲンの活性化部位との間に入る残基の数および同一性は、本発明の範囲からそれずに変えることができる。当業者は、本明細書における開示ならびにクリングル1機能および構造に関するガイダンスのために本明細書に引用される参考文献に基づいて過度の実験なしに本発明の利益(欠失突然変異体のサイズの実質的な増加もしくは潜在的に問題のあるグリコシル化部位の導入なしに、ωアミノカルボン酸のクリングル1様結合)を得るこれらのバリエーションを決定することができる。
従って、本発明はポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリペプチドを製造するための組換え方法、ポリヌクレオチドを含有するベクター、ポリペプチドを製造するための発現系、およびそのような発現系を含んでなる培養宿主細胞に関する。
記載の通り、1つの態様において、本発明は本明細書に開示されるポリペプチドもしくはその保存的アミノ酸置換を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。「保存的」アミノ酸置換の選択に関するガイダンスは、以下にさらに詳細に提供される。1つの態様において、ポリヌクレオチドはDNAである。
別の態様において、本発明はベクターに本発明のポリヌクレオチドを挿入することを含んでなるベクターを製造する方法に関する。別の態様において、本発明は本発明の方法により製造されるベクターに関する。
別の態様において、本発明は培養宿主細胞に本発明のベクターを導入することを含んで
なる培養宿主細胞を製造する方法に関する。別の態様において、本発明は本発明の方法により製造される培養宿主細胞に関する。
別の態様において、本発明は:(a)培養宿主細胞にポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなるベクターを導入すること;(b)該宿主細胞を培養すること;および(c)ポリペプチドを回収することを含んでなる方法により製造される本発明の単離されたポリペプチドに関する。別の態様において、本発明は:(a)ベクターが発現される条件下で本発明の宿主細胞を培養すること;および(b)ポリペプチドを回収することを含んでなるポリペプチドを製造する方法に関する。
別の態様において、本発明は本発明の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する細胞に関する。
1つの態様において、ポリヌクレオチドは配列番号:1に示されるようなヌクレオチド配列を含んでなる。別の態様において、ポリヌクレオチドは配列番号:1に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチド4〜1032を含んでなる。他の態様において、ポリペプチドは配列番号:2に示されるようなアミノ酸配列を含んでなる。
ポリヌクレオチド
本発明のポリヌクレオチドには、1個もしくはそれ以上のヌクレオチドを伴い得る置換、欠失および/もしくは付加を有するバリアントが包含される。バリアントは、コーディング領域、非コーディング領域もしくは両方において改変することができる。コーディング領域における改変は、保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失もしくは付加をもたらすことができる。これらの中で特に好ましいのは、(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)タンパク質もしくはその一部の特性および活性を改変しない、サイレント置換、付加および欠失である。またこれに関して特に好ましいのは保存的置換である(以下を参照)。
本発明のさらなる態様には、(a)配列番号:2における完全なアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号:2におけるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および(c)上記の(a)もしくは(b)におけるヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列に少なくとも90%同一である、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含んでなる核酸分子が包含される。
1つの態様において、本発明の核酸分子は配列番号:2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含んでなる。他の態様において、核酸分子は配列番号:1に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドもしくはその縮重バリアントを含んでなる。
(TAL6003)−プラスミノーゲンをコードする参照ヌクレオチド配列に少なくとも例えば95%「同一である」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにより、ポリヌクレオチド配列が(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチド当たり5個までの点突然変異を含むことができることを除いてポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることが意図される。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列におけるヌクレオチドの5%までを欠失させるかもしくは別のヌクレオチドで置換することができ、または参照配列における全ヌクレオチドの5%までのヌクレオチドの数を参照配列に挿入することができる
。参照配列のこれらの突然変異は、参照配列におけるヌクレオチド間で個々にまたは参照配列内の1つもしくはそれ以上の隣接する群において散在して、参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置もしくはこれらの末端位置の間のどこかに存在することができる。
上記の通り、2つもしくはそれ以上のポリヌクレオチド配列はそれらの同一性パーセントを決定することにより比較することができる。同様に2つもしくはそれ以上のアミノ酸配列はそれらの同一性パーセントを決定することにより比較することができる。2つの配列の同一性パーセントは、核酸配列であろうとペプチド配列であろうと、短い方の配列の長さで割りそして100を掛けた2つの整列配列間の完全な一致の数として一般に記述される。核酸配列の近似アラインメントは、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics 2:482−489(1981)の局所相同性アルゴリズムにより提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff,Atlas of Protein Sequences and Structure,M.O.Dayhoff ed.,5 suppl.3:353−358,National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.,USAにより開発され、そしてGribskov,Nucl.Acids Res.14(6):6745−6763(1986)により正規化されたスコアリングマトリックスを用いてペプチド配列での使用に拡張することができる。核酸およびペプチド配列についてのこのアルゴリズムの実施は、Genetics Computer Group(Madison,Wis.)によりそれらのBESTFIT実用アプリケーションにおいて提供される。この方法のデフォルトパラメーターは、Wisconsin Sequence Analysis Package Program Manual,Version 8(1995)(Genetics Computer Group,Madison,Wis.から入手可能)に記述される。
例えば、遺伝暗号の縮重のために、配列番号:1に示される核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%同一である配列を有する多数の核酸分子が(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドをコードすることを当業者は即座に認識する。実際に、これらのヌクレオチド配列の縮重バリアントは全て同じポリペプチドをコードするので、本明細書に記述される任意の機能アッセイもしくは測定を行わずともこれは当業者に明らかである。縮重バリアントではないような核酸分子について、妥当な数もまた(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチド活性を有するポリペプチドをコードすることが当該技術分野においてさらに認識される。これは、タンパク質機能に有意に影響を及ぼす可能性が低いかもしくは可能性があまりないアミノ酸置換(例えば、ある脂肪族アミノ酸を第二の脂肪族アミノ酸で置換すること)を当業者は完全に認識しているからである。
最近、より長いポリヌクレオチド配列の合成製造における進歩により、伝統的なクローニング技術を使用せずに有意により長いポリペプチドをコードする核酸の合成製造が可能になっている。そのようなサービスの商業的供給業者には、Blue Heron,Inc.,Bothell,WA(http://www.blueheronbio.com)が包含される。Blue Heron,Inc.により利用される技術は、全て引用することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第6,664,112号;第6,623,928号;第6,613,508号;第6,444,422号;第6,312,893号;第4,652,639号;米国公開特許出願第20020119456A1号;第20020077471A1号;および公開国際特許出願(公開番号)WO03054232A3;WO0194366A1;WO9727331A2;およびWO9905322A1に記述される。
もちろん、分子生物学、微生物学および組換え核酸の伝統的な技術もまた本発明のポリヌクレオチドを製造するために用いることができる。これらの技術は周知であり、そして全て引用することにより本明細書に組み込まれる、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausebel,ed.,Vols.I,IIおよびIII(1997);Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989);DNA Cloning:A
Practical Approach,D.N.Glover,ed.,Vols.IおよびII(1985);Oligonucleotide Synthesis,M.L.Gait,ed.(1984);Nucleic Acid Hybridization,Hames and Higgins,eds.(1985);Transcription and Translation,Hames and Higgins,eds.(1984);Animal Cell Culture,R.I.Freshney,ed.(1986);Immobilized Cells and Enzymes,IRL Press(1986);Perbal,“A Practical Guide to Molecular Cloning”;シリーズ,Methods in Enzymology,Academic Press,Inc.(1984);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells,J.H.Miller and M.P.Calos,eds.,Cold Spring Harbor Laboratory(1987);ならびにMethods in Enzymology,Wu and Grossman and Wu,eds.,それぞれ、Vols.154および155において説明される。
ベクターおよび培養宿主細胞
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子操作される培養宿主細胞および組換え技術による(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)ポリペプチドの製造にも関する。
組換え構築物は、感染、形質導入、トランスフェクション、トランスベクション、電気穿孔および形質転換のような周知の技術を用いて培養宿主細胞に導入することができる。ベクターは、例えばファージ、プラスミド、ウイルスもしくはレトロウイルスベクターであることができる。レトロウイルスベクターは複数可能もしくは複製欠損であることができる。後者の場合、ウイルス増殖は一般に相補培養宿主細胞においてのみ起こる。
ポリヌクレオチドは、培養宿主における増殖に関して選択可能なマーカーを含有するベクターに連結することができる。一般に、プラスミドベクターはリン酸カルシウム沈殿のような沈殿においてもしくは荷電脂質との複合体において導入される。ベクターがウイルスである場合、適切なパッケージング細胞系を用いてそれをインビトロでパッケージングし、そして次に培養宿主細胞に形質導入することができる。
好ましいのは、興味のあるポリヌクレオチドにシスに作用する制御領域を含んでなるベクターである。適切なトランスに作用する因子は、培養宿主により供給されるか、相補ベクターにより供給されるかもしくは培養宿主への導入の際にベクター自体により供給されることができる。
これに関するある態様において、ベクターは、誘導できそして/もしくは細胞タイプ特異的であることができる特異的発現をもたらす。そのようなベクターの中で特に好ましいのは、温度および栄養素添加物のような、操作するのが容易な環境因子により誘誘できるものである。
本発明において有用な発現ベクターには、染色体由来の、エピソーム由来のおよびウイルス由来のベクター、例えば細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体要素、バキュロウイルス、パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、家禽ジフテリアウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルスのようなウイルス由来のベクター、ならびにコスミドおよびファージミドのようなその組み合わせ由来のベクターが包含される。
DNAインサートは、数例を挙げると、ファージラムダPLプロモーター、エシェリキア・コリlac、trpおよびtacプロモーター、SV40初期および後期プロモーターならびにレトロウイルスLTRのプロモーターのような適切なプロモーターに操作可能に連結されるべきである。他の適当なプロモーターは当業者に既知である。発現構築物は転写開始、終結のための部位および転写領域において翻訳のためのリボソーム結合部位をさらに含有する。構築物により発現される成熟転写産物のコーディング部分は、翻訳されるポリペプチドの最初に翻訳開始そして最後に適切に位置する終止コドン(UAA、UGAもしくはUAG)を含むことができる。
示されるように、発現ベクターは好ましくは少なくとも1つの選択可能なマーカーを含む。そのようなマーカーには、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸還元酵素もしくはネオマイシン耐性ならびにエシェリキア・コリおよび他の細菌における培養のためのテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性遺伝子が包含される。適切な培養宿主の代表例には細菌細胞、例えばエシェリキア・コリ、ストレプトミセス(Streptomyces)およびサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)細胞;真菌細胞、例えば酵母細胞;昆虫細胞、例えばドロソフィラ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞;動物細胞、例えばCHO、COSおよびBowes黒色腫細胞;ならびに植物細胞が包含されるがこれらに限定されるものではない。上記の培養宿主細胞用の適切な培養培地および条件は、当該技術分野において既知である。
細菌における使用に好ましいベクターの中には、例えば、Novagen、Madison,WIから入手可能なpET24bもしくはpET22b(それぞれ、pET−24b(+)およびpET−22b(+)=pET Expression System 24b(カタログ番号69750)および22b(カタログ番号70765)、EMD Biosciences,Inc.,Novagen Brand,Madison,WI;ベクターに関する詳細についてはhttp://www.emdbiosciences.com pET−24bおよびpET−22bに関する製品情報セクションを参照)、Qiagen Inc.,Valencia,CAから入手可能なpQE70、pQE60およびpQE−9;Stratagene,LaJolla,CAから入手可能なpBSベクター、PHAGESCRIPTベクター、BLUESCRIPTベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46;ならびにPharmacia(今はPfizer,Inc.,New York,NY)から入手可能なptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5が包含される。好ましい真核生物ベクターの中には、Stratageneから入手可能なpWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;ならびにPharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVLがある。他の適当なベクターは、当業者に容易に明らかである。
本発明における使用に適当な細菌プロモーターには、エシェリキア・コリlacIおよびlacZプロモーター、T3およびT7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRおよびPLプロモーター、ならびにtrpプロモーターが包含される。適当な真核生物
プロモーターには、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)のもののようなレトロウイルスLTRのプロモーター、ならびにマウスメタロチオネイン−Iプロモーターのようなメタロチオネインプロモーターが包含される。
培養宿主細胞へのベクター構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン脂質媒介トランスフェクション、電気穿孔、形質導入、感染もしくは他の方法によりもたらすことができる。そのような方法は、Davis et al.,Basic Methods In Molecular Biology,第2版(1995)のような多数の標準的な実験室マニュアルに記述される。
高等真核生物による本発明のポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクターにエンハンサー配列を挿入することにより増加することができる。エンハンサーは、既定の培養宿主細胞タイプにおいてプロモーターの転写活性を増加するように働く通常は約10〜300bpのDNAのシスに作用する要素である。エンハンサーの例には、bp100〜270で複製起点の後期側上に位置するSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが包含される。
小胞体の内腔への、ペリプラズムへのもしくは細胞外環境への翻訳タンパク質の分泌のために、適切な分泌シグナルを発現ポリペプチドに導入することができる。シグナルはポリペプチドに内因性であることができ、もしくはそれらは異種シグナルであることができる。
ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態において発現することができ、そして分泌シグナルだけでなく追加の異種機能領域も含むことができる。例えば、精製中にもしくはその後の取り扱いおよび貯蔵中に、培養宿主細胞における安定性および持続を改善するためにポリペプチドの例えばN末端に追加のアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域を付加することができる。また、精製を容易にするためにポリペプチドにペプチド部分を付加することもできる。そのような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に取り除くことができる。とりわけ、分泌もしくは排出を引き起こすための、安定性を改善するためのそして精製を容易にするためのポリペプチドへのペプチド部分の付加は、当該技術分野においてよく知られておりそして日常的な技術である。好ましい融合タンパク質は、タンパク質を可溶化するために有用である免疫グロブリンからの異種領域を含んでなる。例えば、EP 0 464 533 A1(カナダの対応物、2,045,869)は、別のヒトタンパク質もしくはその一部と一緒に免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部分を含んでなる融合タンパク質を開示する。多くの場合において、融合タンパク質におけるFc部分は治療および診断における使用にとって全く好都合であり、従って、例えば改善された薬物動態特性をもたらす。一方、ある用途には、融合タンパク質が記載の都合の良い方法において発現され、検出されそして精製された後にFc部分を取り除くことができることが望ましい。これは、Fc部分が治療および診断において使用するために障害であると判明する場合に、例えば融合タンパク質が免疫のための抗原として用いられる場合に当てはまる。例えば創薬において、ヒトタンパク質はハイスループットスクリーニングアッセイの目的のためにFc部分と融合されている(hIL−5のアンタゴニストを同定するために、hIL5受容体のような)。Bennett,D.,et al.,J.Molecular Recognition,8:52−58(1995)およびJohanson,K.et al.,J.Biol.Chem.,270(16):9459−9471(1995)を参照。
(TAL6003)−プラスミノーゲンは、本明細書の実施例に特に記述されるものを包含する周知の方法により組換え細胞培養物から回収しそして精製することができる。本発明のポリペプチドには天然精製産物、化学合成方法の産物、ならびに例えば細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳類細胞を包含する原核生物もしくは真核生物培養宿主から組換え技術により製造される産物が包含される。さらに、本発明のポリペプチドはまた、ある場合において宿主媒介過程の結果として、最初の修飾されたメチオニン残基を含むこともできる。
ポリペプチド
本発明のポリヌクレオチドには、本発明のポリペプチドのバリエーションおよび特定の例をコードするものが包含される。例えば、表現型の上でサイレントのアミノ酸置換を行う方法に関するガイダンスは、Bowie,J.U.et al.,“Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions,”Science 247:1306−1310(1990)に提供され、ここで、著者等はタンパク質がアミノ酸置換に驚くほど寛容であることを示す。本発明の範囲内の置換のいくつでもそのような一般的原理の適用により得ることができるが、置換に関する特定のガイダンスには、クリングル1ドメインの構造および機能に関して本明細書に引用される参考文献を当業者は調べることができる。
使用する基準により、(TAL6003)−プラスミノーゲンのクリングル、活性化部位およびセリンプロテアーゼドメインの正確な「位置」もしくは配列は、本発明の範囲内の特定のバリエーションにおいてわずかに異なり得ることがさらに理解される。例えば、活性化部位に対するクリングルドメインの正確な位置はわずかに異なることができ、そして/もしくはクリングルドメインに対してN末端の配列は長さが異なることができる。従って、本発明には本明細書に開示されるような(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチド活性を示す(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドのそのようなバリエーションが包含される。そのようなバリアントは、欠失、挿入、逆位、反復および置換を含む。上記に示されるように、どのアミノ酸変化が表現型の上でサイレントであると思われるかに関するガイダンスは、Bowie,J.U.,et al.,“Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions,”Science 247:1306−1310(1990)に見出すことができる。
従って、配列番号:2のポリペプチドのフラグメント、誘導体もしくはアナログは、(i)アミノ酸残基の1つもしくはそれ以上(例えば、3、5、8、10、15もしくは20残基)が保存的もしくは非保存的アミノ酸残基(好ましくは保存的アミノ酸残基)で置換されるもの(そのような置換されたアミノ酸残基は遺伝暗号によりコードされるものであるかもしくはそうでない可能性がある)、あるいは(ii)アミノ酸残基の1つもしくはそれ以上が置換基を含むもの(例えば、3、5、8、10、15もしくは20)、あるいは(iii)成熟ポリペプチドがポリペプチドの半減期を増加するための化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような別の化合物と融合しているもの、あるいは(iv)IgG Fc融合領域ペプチドまたはリーダーもしくは分泌配列または成熟ポリペプチドの精製に用いられる配列または前駆タンパク質配列のような、追加のアミノ酸が成熟ポリペプチドに融合しているものであることができる。そのようなフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書における教示から当業者の範囲内であると考えられる。
示されるように、変化は好ましくはタンパク質のフォールディングもしくは活性に有意に影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換のようなわずかな性質のものである。もちろん、熟練した技術者が行うアミノ酸置換の数は上記のものを包含する多数の因子により決まる
。一般的に言えば、任意の既定の(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドの置換の数は50、40、30、25、20、15、10、5もしくは3より多くない。
機能に必須である本発明の(TAL6003)−プラスミノーゲンにおけるアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発もしくはアラニン走査突然変異誘発(Cunningham and Wells,Science 244:1081−1085(1989))のような当該技術分野において既知である方法により同定することができる。後者の方法は、分子におけるあらゆる残基で単一のアラニン突然変異を導入する。次に、得られる突然変異体分子は、例えば本明細書に提供される実施例において示されるように、生物学的活性について試験される。リガンド結合に重要である部位もまた、結晶化、核磁気共鳴もしくは光親和性標識(Smith,et al.,J.Mol.Biol.224:399−904(1992)およびde Vos,et al.Science 255:306−312(1992))のような構造解析により決定することができる。タンパク質のN末端からの1個もしくはそれ以上のアミノ酸の欠失がタンパク質の1つもしくはそれ以上の生物学的機能の改変もしくは喪失をたとえもたらしても、他の生物学的活性を依然として保持することができる。
本発明の「単離されたポリペプチド」の製造において有用なポリペプチドは固相合成法により製造できることもまた意図される。Houghten,R.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131−5135(1985);およびHoughten et al.(1986)への米国特許第4,631,211号を参照。
本発明のポリペプチドは、単離された形態において提供することができる。「単離されたポリペプチド」により、その天然環境から取り除かれたポリペプチドが意図される。従って、組換え培養宿主細胞内で生産されそして/もしくは含有されるポリペプチドは、本発明の目的のために単離されたと見なされる。また「単離されたポリペプチド」として意図されるのは、組換え培養宿主から部分的にもしくは実質的に精製されているポリペプチドである。
(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドの参照アミノ酸配列に対して示される同一性パーセントのアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ポリヌクレオチドに関して上記に示されるコンピューター支援方法を包含する方法を用いて決定することができる。前述の説明におけるヌクレオチド配列と同様にポリペプチドアミノ酸配列を調べそして比較する。当業者は、ポリペプチド分析のためのそのような方法およびプログラムの対応する使用を考える場合にポリヌクレオチドについて説明した分子終点のような概念が直接的アナログを有することを認識する。例えば、ポリヌクレオチドに関して説明した手動補正は核酸の5’および3’終点をさすが、同じ説明はポリペプチドのN末端およびC末端に適用可能と認識される。
本発明には、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/保護(protecting/blocking)基による誘導体化、タンパク質分解切断、抗体分子もしくは他の細胞リガンドへの連結などにより、翻訳中もしくは後に異なって修飾される(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドが包含される。多数の化学修飾のいずれも、臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、スタヒロコッカス・アウレウス(S.aureus)V8プロテアーゼ、NaBHによる特異的化学切断;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元;ツニカマイシンの存在下での代謝合成;などが包含されるがこれらに限定されるものではない既知の技術により実施することができる。
例えば、本発明により包含されるさらなる翻訳後修飾には、例えばN結合型もしくはO
結合型炭水化物鎖、N末端もしくはC末端終端のプロセシング、アミノ酸バックボーンへの化学部分の連結、N結合型もしくはO結合型炭水化物鎖の化学修飾、ならびに原核生物培養宿主細胞における(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチドの発現に適応させたベクターおよび構築物の結果としてのN末端メチオニン残基の付加が包含される。ポリペプチドはまた、タンパク質の検出および単離を可能にするために酵素、蛍光、同位体もしくは親和性標識のような検出可能な標識で修飾することもできる。
製薬学的組成物および処置の方法
(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)は、両方とも引用することにより本明細書に組み込まれる、米国特許出願第10/143,112号;およびNovokhatny,V.,et al.,J.Thromb.Haemost.1(5):1034−41(2003)に記述される方法および組成物に従って治療用途に調合することができる。例えば、低pH(約2.5〜約4)、低緩衝能バッファーを(TAL6003)−プラスミンの調合に用いることができる。さらに、プラスミン、ミニ−プラスミンおよび/もしくはミクロ−プラスミンで実施されるような、当業者に既知である他の方法および調合を治療的投与用の本発明の(TAL6003)−プラスミンを調合するために用いることができる。
(TAL6003)−プラスミン(オーゲン)は、例えば、全て引用することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第6,355,243号、第6,964,764号および第6,969,515号に記述されるような方法に従って、様々な血栓性疾患もしくは症状を処置するために用いることができる。この場合もやはり、(TAL6003)−プラスミンに適用できる可能な製薬学的製剤のように、(TAL6003)−プラスミンはまた当該技術分野において既知である方法、例えばプラスミン、ミニ−プラスミンおよび/もしくはミクロ−プラスミンで現在実施することができるものにより治療的に投与することもできる。
発現ベクター設計
(TAL6003)−プラスミノーゲンのアミノ酸配列を配列番号:2に示す。(TAL6003)−プラスミノーゲンをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドをエシェリキア・コリ発現およびmRNA安定性のためにコドンを最適化して配列番号:1に示されるようなDNA配列を提供した。このポリヌクレオチドをエシェリキア・コリ発現ベクターpET24b(+)(Novagen;Madison,WI)のNdeIおよびBamH1部位にクローン化して細胞質タンパク質を生成せしめた。
表1に例示されるように、細菌(例えばエシェリキア・コリ)における発現は、配列番号:2に示されるようなアミノ酸配列を有する組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンポリペプチド(すなわち、配列番号:4(例えば図3もまた参照)に示される天然ヒトプラスミノーゲンアミノ酸配列の位置70のアルギニン(すなわち、R70)に対応するアルギニンアミノ酸残基(すなわち、R)の直前にN末端メチオニン(すなわち、M)を有する組換え(TAL6003)−プラスミノーゲン)をもたらした。そのような組換え産物はさらなる切断を受けやすく天然ヒトプラスミノーゲンの位置78のリシン(すなわち、K78)もしくは位置79のバリン(すなわち、V79)にそれぞれ対応するN末端リシン(すなわち、K10)もしくはバリン(すなわち、V11)を有するタンパク質を包含する異なるN末端を有するさらなるタンパク質を生成せしめた。
(TAL6003)−プラスミノーゲン発現および精製
(TAL6003)−プラスミノーゲンをコードするDNAを含んでなる発現ベクターをBL21(DE3)RIL(Stratagene,La Jolla,CA)、BL21(DE3)(遺伝子型:FompT hsdS(r )gal dcm(DE3))(EMB Biosciences,Inc.,San Diego,CA)およびBLR(DE3)(遺伝子型:FompT hsdS(r )gal dcm(DE3)Δ(srl−recA)306::Tn10(Tet))を包含する様々な細胞に形質転換し、そして1mMのIPTG(イソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド)による誘導後のタンパク質過剰発現をSDS−PAGEにより分析した。発現概算は、振盪フラスコにおける1Lの細胞培養物当たり少なくとも約250mgであった。
細胞タイプBL21(DE3)RILをArg、IleおよびLeuをコードするまれなエシェリキア・コリtRNAを発現するように設計する。さらに、BL21(DE3)およびBLR(DE3)は両方とも、毒性および定着因子がないことに基づいてヒトおよび動物に対して非病原性と分類されるB株エシェリキア・コリである。BLR(DE3)細胞はDNA組換えのためのrecA遺伝子を欠き、そしてラムダファージの誘導はこれらの細胞で報告されていない。BLR(DE3)細胞における(TAL6003)−プラスミノーゲン構築物の研究用細胞バンクを製造し、そしてCharles River Laboratories(Malvern,PA)で純度、同一性およびバクテリオファージの誘導について試験した。試験により研究用細胞バンクの同一性および純度が確認され、そしてファージは認められずに細胞はファージ誘導試験を通過した(データは示されない)。
(TAL6003)−プラスミノーゲン(すなわち、配列番号:2に基づく)の生産は、細胞を溶解しそして可溶性タンパク質および精製された封入体の両方をSDS−PAG
Eにより調べるより大規模の発現において確かめられた。
以下の典型的なプロトコルは、(TAL6003)−プラスミノーゲンの発現に用いられている:
(TAL6003)−プラスミノーゲンベクターを含有するエシェリキア・コリ細胞(例えば、BL21(DE3)RIL、BL21(DE3)もしくはBLR(DE3))の単一コロニーを用いて5mlのLB/カナマイシン(30μg/ml)に接種し、そして振盪器上で37℃で8時間インキュベーションした。その後で、新しい培地におけるさらなる培養用に50μlのアリコートを培養細菌懸濁液から取った。6mlの細菌培養物および250mlの培地で16時間後に該手順を繰り返した。培養物を振盪しながら37℃で〜1.0のOD600nmまで培養し、そしてIPTGを1mMの最終濃度になるように加えた。培養物をさらに5時間培養した。細胞を5,000xgで遠心分離により採取し、そして細胞ペレットを20mMのEDTAを含有する20mMのTris pH8.0に溶解し、そして−80℃で凍結させた。
(TAL6003)−プラスミノーゲンを精製するために、細胞ペレットを融解し、そして溶液容量が最初の細胞培養物容量の約1/20になるまでバッファーを加えた。その後に、リゾチームを0.5mg/mlの最終濃度になるように加え、そして細胞を4℃で10〜15分間急速に撹拌した。次に、Triton X−100を1%の最終濃度になるように加え、そして撹拌をさらに10分間続けた。DNAseI(0.05mg/ml)およびMgCl(2.5mM)を加え、そして撹拌を4℃で30分間もしくは溶液がもはや粘性でなくなるまで続けた。最終溶液を15,000xgで4℃で30分間遠心分離し、そして上清を捨てた。
細胞ペレットを洗浄溶液(10mM EDTA、1%Triton−X−100および0.5M尿素を含有する50mM Tris−HCl、pH7.4)で3回洗浄し、そして最終ペレットを40mlの抽出バッファー(10mM EDTA、20mM DTTおよび6Mグアニジン−HClを含有するPBS、pH7.4)に溶解し、そして4℃で一晩保存した。16時間後に、溶液を15,000xgで30分間遠心分離して固体を除き、そして上清を4℃で撹拌しながらリフォールディング溶液(50mM Tris−HCl、pH8.3、3.5MグアニジンHCl、0.5MアルギニンHCl、10mM EDTA、3mM GSH、0.3mM GSSG)にゆっくりと加えた。リフォールディング方法は、約0.29g/Lのタンパク質濃度で実施した。
リフォールディング溶液をそのままにして4℃で2日間維持し、そして次にバッファー溶液を頻繁に変えながら8〜10時間の期間にわたって、10mM EDTA、0.15M NaCl、0.15Mアルギニン−HClを含有する8倍容量の0.1M Tris−HCl pH8.0に対して透析した。
次に、タンパク質溶液を透析から取り出し、そして約10〜20mlまで10kDaの膜カットオフを有するAMICONフィルターを用いて濃縮し、そして10mM EDTA、0.15M NaClを含有する100倍容量の0.1M Tris pH8.0に対して一晩透析した。この物質を遠心分離して微粒子を除き、次にリシン親和性樹脂(リシン−セファロース4B;Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)上に通した。0.2Mイプシロンアミノカプロン酸(εACA)を含有するTris緩衝食塩水、pH8.0を用いて(TAL6003)−プラスミノーゲンを樹脂から溶出した。
典型的に、1リットルの細胞培養物から80mgの封入体を単離することができ、そしてリシン−セファロースクロマトグラフィー工程において40mgを溶出することができ
た。
(TAL6003)−プラスミノーゲンの特性
精製された(TAL6003)−プラスミノーゲンは、還元(ジチオスレイトールで処理する)および非還元タンパク質のSDS−PAGE分析により35〜40kDa領域におけるバンドとして現れた。MALDI質量分析により決定されるその分子量は約38,140Daであり、それは予想される値に近い。
ストレプトキナーゼによる(TAL6003)−プラスミノーゲンの活性化の速度を決定するために、1mg/mlの組換え(TAL6003)−プラスミノーゲンを1:100の(TAL6003)−プラスミノーゲン:ストレプトキナーゼの比率でストレプトキナーゼと混合し、pH7で室温でインキュベーションした。様々な時間点で、サンプルを取り除き、SDS−Pageバッファーでクエンチし、そして還元SDS−PAGE、続いてデンシトメトリー上で分析して2本鎖(TAL6003)−プラスミンへの1本鎖(TAL6003)−プラスミノーゲンの転化を測定した。ストレプトキナーゼによる(TAL6003)−プラスミノーゲンの活性化パーセントは、SDS−PAGEにより測定した場合の経時的な全長(TAL6003)−プラスミノーゲンの喪失として図6に示される。
クリングル1の機能性を確かめるために、リシン−セファロース4BへのTAL6003−プラスミノーゲンの結合を測定した。図7に示されるように、(TAL6003)−プラスミノーゲンはリシン−セファロースに結合し、そして約4mMで単一ピークとして0〜20mMのεACA勾配によりカラムから溶出することができた。リフォールデインングした(TAL6003)−プラスミノーゲンのリシン−セファロースに結合する能力は、該分子のクリングルドメインが適切にフォールディングされそしてリシン結合部位が完全に活性であることを示す。
クリングル1の機能性をさらに確かめるために、(TAL6003)−プラスミノーゲンへのεACAの結合を、全て引用することにより本明細書に組み込まれる、Matsuka et al.,Eur.J.Biochem.,190:93−97(1990)およびDouglas et al.,J.Biochemistry 41:3302−3310(2002)により記述されるようにタンパク質蛍光の付随する変化をモニターすることにより測定した。(TAL6003)−プラスミノーゲンのクリングル1へのεACAの結合は、おそらくリシン結合部位の一部であるトリプトファン残基の消光のために、蛍光の減少をもたらす。
この過程をモニターするために、εACAの濃縮溶液の4μl〜16μlアリコートを20mMのNaClを含有する50mMのTrisバッファー、pH8.0、25℃中5μMの(TAL6003)−プラスミノーゲン2mlに加えた。FLUOROMAX蛍光分光光度計(Jobin Yvon,Inc.,Edison,NJ)において298nmの励起波長および340nmの発光波長で蛍光をモニターし;εACAの各添加後に、蛍光のさらなる変化が認められなくなるまで溶液を平衡化させた。
得られる蛍光値を希釈に関して補正し、そして0〜50μMのεACAの範囲にわたってεACAの濃度に対してプロットした。データを非線形回帰により適合させて約19μMのKを得た。
プラスミノーゲンの1つの特性は、フィブリンに結合するその能力である。(TAL6003)−プラスミノーゲンがフィブリンと相互作用する能力を保持するかどうかを決定するために、フィブリンへの(TAL6003)−プラスミノーゲンの結合をtPAによ
るその後の活性化および結果として起こる血栓溶解により評価するマイクロタイタープレートアッセイにおいてそのフィブリン結合特性を試験した。この目的のために、100μlの5mg/mlフィブリノーゲンをマイクロタイタープレートの各ウェルにおいてトロンビンで重合させた。様々な濃度の(TAL6003)−プラスミノーゲンをフィブリン血栓の上部に加え、そして37℃で1時間インキュベーションした。プレートをPBSで十分に洗浄し、その間にフィブリン血栓は依然として完全なままでありそしてウェルに結合している。洗浄した後に、tPAの0.1mg/ml溶液を各ウェルに加え、そしてプレートを37℃で2時間インキュベーションした。結果として、血栓のいくらかは完全に溶解され、そしていくらかは部分的に溶解され、一方、非常に少量の(TAL6003)−プラスミノーゲンを有するウェルおよびコントロールウェルは実質的に元のままであった。線維素溶解の程度は、1MのNaOHにおいて再構成した最初の血栓の残りの280nmの吸光度を測定することによりモニターした。吸光度値を(TAL6003)−プラスミノーゲン濃度の関数としてプロットした。
図8に示されるように、フィブリンへの(TAL6003)−プラスミノーゲンの結合は古典的なS字形結合曲線をたどった。このアッセイを用いて、(TAL6003)−プラスミノーゲンは全長プラスミノーゲンのものに匹敵する親和性でフィブリンに結合しそしてこの相互作用のC50(〜0.3μM)は全長プラスミノーゲンのフィブリン結合のKに匹敵することが見出された。
これらの実験は、(TAL6003)−プラスミノーゲンがフィブリンに結合できることを示す。さらに、少なくともリシン−セファロースと(TAL6003)−プラスミノーゲンとの相互作用、予想されるKdでεACAに結合するその能力、フィブリンに結合するその能力、そしてプラスミノーゲンアクチベーターにより活性化されるその能力は全て、この分子が完全に機能性形態においてエシェリキア・コリ系で生産されることを示した。
(TAL6003)−プラスミン精製および製剤
精製された(TAL6003)−プラスミノーゲン溶液へのSKの添加は、(TAL6003)−プラスミンへの(TAL6003)−プラスミノーゲンの転化をもたらす。タンパク質を2mg/mlに濃縮し、そして50%グリセロールで1:1に希釈して25%グリセロール中1mg/mlの溶液を生成せしめた。溶液を室温にし、そしてストレプトキナーゼを1:100のモル比のSK:(TAL6003)−プラスミノーゲンで加えた。反応物を撹拌せずに室温で4.5hrインキュベーションした。次に、0.5Mの最終濃度になるようにNaClを加えて反応を遅くした。SDS−PAGEによる活性化の分析により、90%の収率の活性化タンパク質が示された。
活性化(TAL6003)−プラスミンをベンズアミジンアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。ベンズアミジンアフィニティー精製の目的は、活性(TAL6003)−プラスミンからの、(TAL6003)−プラスミン分解産物を包含する、非活性化(TAL6003)−プラスミノーゲンおよび不純物の分離であった。平衡化したベンズアミジン−セファロース4 Fast FlowカラムにSK活性化溶液をかけた。短縮されたそして完全な両方の(TAL6003)−プラスミンは親和性樹脂により捕獲され、一方、上記の不純物はカラムを通過した。280nmでの吸光度がベースラインに到達するまでカラムを平衡化バッファーで洗浄した。次に、結合した(TAL6003)−プラスミンを低pHのεACA段階を用いて溶出してカラムから全ての残留タンパク質を剥離した。発色性プラスミン効能アッセイにより測定した場合に95%活性であるタンパク質で、典型的な収率は75%であった。
全長プラスミンと同様に、(TAL6003)−プラスミンは生理的pHで自己分解す
る傾向があるので、最終製剤にはpH3.6を選択した(酢酸−食塩水で酸性化した)。引用することにより組み込まれる、Novokhatny et al.,J Thromb Haemost.,1(5):1034−41(2003)によりプラスミンについて以前に示され、そして(TAL6003)−プラスミンでの実験において確かめられるように、この低緩衝能、低pH製剤は長期間にわたる活性プラスミンの安全な貯蔵を可能にするだけでなく、これらの直接的血栓溶解剤の非経口投与とも適合する。血漿もしくは中性pHバッファーと混合すると、(TAL6003)−プラスミンは迅速に再活性化される。
(TAL6003)−プラスミンの酵素特性
プラスミン基質D−Val−Leu−Lys−p−ニトロアニリド(S−2251)(DiaPharma,West Chester,OH)を用いて(TAL6003)−プラスミンのアミド分解活性を調べた。
(TAL6003)−プラスミンについて、PBSバッファー中pH7.4、25℃で、S−2251のミカエリス・メンテン定数(K)が同様に141μMであることが見出された(表3)。製剤のkcatは、約725min−1であることが見出された。4−グアニジノ安息香酸4−ニトロフェニル塩酸塩(pNPGB)滴定(Chase,T.and E.Shaw,Methods Enzymol.197:20−27(1970))を用いて、機能活性部位のパーセントは67%であることが見出された。活性部位パーセントについてkcatを補正して、約725min−1のkcatが決定された。この値は、全長プラスミンについて(820+/−23min−1)そしてミクロ−プラスミン(全ての5個のクリングルを欠く)について(795+/−24min−1)同じアッセイにおいて決定された値に非常に近かった。これらのデータは、クリングルの存在もしくは不在がセリンプロテアーゼドメインの触媒活性に影響を及ぼさないことを示す。
α−抗プラスミンによる(TAL6003)−プラスミンの阻害の速度は、プラスミンおよびα−抗プラスミンを混合し次に特定の時間点でS−2251活性についてアッセイするWimanおよびCollenの方法(Wiman,B.and D.Collen,Eur.J.Biochem.84:573−578(1978))を用いて1.8±0.06x10−1−1であると決定された(表4)。この値は、2.5x10−1−1のプラスミンについて報告された値(Anonick,et al.,Thrombosis Res.59:449(1990)から)に匹敵する。
ミクロ−プラスミンで行った同じ実験により、2つの別個の実験において1.8x10−1−1および3.1x10−1−1のα−抗プラスミン阻害速度が示された。ミニ−プラスミン(ミニ−プラスミンドメイン組成、K5−SP)のα−抗プラスミン阻害の速度は、2.4x10−1−1であると決定された。これらのデータはミクロ−およびミニ−プラスミンの文献値と合理的に一致し、そしてα−抗プラスミンによる(TAL6003)−プラスミンの阻害がミクロ−プラスミンもしくはミニ−プラスミンのいずれかの阻害より40倍速いことを示す。従って、これらの結果は、(TAL6003)−プラスミンがその構造におけるクリングル1の存在のためにα−抗プラスミンにより迅速に阻害されるはずであることを示す。全体として、この節に提示されるデータは、(TAL6003)−プラスミンの酵素および阻害特性が全長プラスミンと同様であることを示す。
文献値は、Anonick,et al.,Thrombosis Res.59:449(1990)から取られる。全ての速度は、Anonick,et al.に公開される方法に従って測定した。
インビトロ線維素溶解効能
(TAL6003)−プラスミンの線維素溶解効能は、以下の実験プロトコルを用いて血栓溶解アッセイのインビトロモデルにおいて試験した。
血漿由来のプラスミンと(TAL6003)−プラスミンとの血栓溶解効能のインビトロ比較。等モル量の血漿由来のプラスミン(0.25mg/ml)および(TAL6003)−プラスミン(0.11mg/ml)を試験管において血栓と混合し、そして血栓溶解の程度を血栓から遊離される物質のA280吸光度によりモニターした。
フィブリンの存在下で血漿阻害剤に打ち勝ちそして血栓溶解を開始するために必要なプラスミンもしくは(TAL6003)−プラスミンの濃度を図9に示す。

Claims (16)

  1. 配列番号2の配列に少なくとも95%同一であるポリペプチドであって、
    a)天然ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメインに対応する単一のN末端クリングルドメインであって、該クリングルドメイン内の最後の4個のアミノ酸配列がVPQCである、N末端クリングルドメイン;そして
    b)天然ヒトプラスミノーゲンの対応するドメインに一致するC末端ドメイン活性化部位およびセリンプロテアーゼドメイン
    を含み、固定化リシンに結合するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
  2. コードされるポリペプチドが配列番号2に示される配列である、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、配列番号1に示される配列又はその縮重バリアントである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記ポリペプチドが、ミニ−プラスミンのフィブリノーゲンに対する結合親和性より低いフィブノーゲンに対する結合親和性を示す、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  5. 前記ポリペプチドが、ミニ−プラスミンの部分的に切断されたフィブリンに対する結合親和性より高い部分的に切断されたフィブリンに対する結合親和性を示す、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  6. 前記ポリペプチドが、参照ポリペプチドと比較して減少した免疫原性を有し、該参照ポリペプチドが前記ポリペプチドの一次アミノ酸配列と、参照ポリペプチドの単一のN末端クリングルドメインの最後の4個のアミノ酸配列がVPQCではない点を除き、同一である一次アミノ酸配列を有する、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  7. 前記ポリペプチドが、クリングルドメインとセリンプロテアーゼドメインとの間に位置するArg−Valペプチド結合のタンパク質分解性切断に少なくとも関与する活性化事象の後に機能的プラスミンへと活性化できる、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド。
  9. 前記ポリペプチドが、α2−アンチプラスミンによるミニプラスミンの線維素溶解活性の阻害の速度よりも、少なくとも5倍速い阻害の速度で、α−アンチプラスミンにより阻害される線維素溶解活性を示す、請求項8に記載のポリペプチド。
  10. 前記ポリペプチドが、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する請求項8に記載のポリペプチド。
  11. 前記ポリペプチドが、配列番号2に示されるアミノ酸配列の位置85と同等の相対的位置にアルギニンを有する、請求項8に記載のポリペプチド。
  12. 請求項1のポリヌクレオチドを含んでなる発現ベクター。
  13. 請求項12に記載の発現ベクターを含んでなる細胞。
  14. 異なるN末端を有する1又は複数の組換えプラスミンポリペプチドを製造する方法であって、当該方法が以下の:
    a)請求項に記載のポリペプチドを提供し;
    b)工程a)で提供されたポリペプチドを、1又は複数のペプチド結合を切断するために十分な条件下でプロテアーゼと接触させて、それにより異なるN−末端を有する1又は複数の組換えプラスミンポリペプチドを形成する
    を含む、前記方法。
  15. 前記ポリペプチドが、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記提供工程が、配列番号1で示されるDNA配列又はその縮重バリアントを大腸菌において発現させることを含む、請求項14に記載の方法。
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