JP5538754B2 - センタレス研削用調整車の製造方法、調整車、円錐ころの製作方法 - Google Patents

センタレス研削用調整車の製造方法、調整車、円錐ころの製作方法 Download PDF

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この発明は、例えば、自動車用軸受、産業機械用軸受等として使用される円錐ころ軸受の円錐ころの製造に用いられるセンタレス研削用調整車の製造方法、調整車、円錐ころの製作方法に関する。
円錐ころの外径をセンタレス研削盤によりスルーフィード方式で研削する技術が実用に供されている(特許文献1)。一般的にセンタレス研削盤にて図13に示すスルーフィード方式で円錐ころWrの外径を加工する場合、砥石20に対し円錐ころWrに推進力と回転力とを同時に与える必要がある。このため、金属製のねじ付き調整車21が使用される。これと同様に、外径面に曲率を持つクラウニング円錐ころWrを加工するには、図14に示すように、曲率22を持ったクラウニング型ねじ付き調整車23を使い、砥石20に対して意図的に円錐ころWrの姿勢を変化させながら円錐ころ外径にクラウニングが転写されるように研削を行う。
通常、この調整車のねじ部の断面形状は、図15に示すように、円錐ころWrの頂角θw、長さLw、平均直径Daに応じたねじ底24、鍔25、ねじ山26で構成される一定のリード27を持つ複合形状をしたねじになっている。特に、クラウニング型調整車は、調整車全体の曲率28に対してねじ底面の角度が常に一定になる特殊形状をしている。
従来この調整車の加工は、図16に示すように、研削盤を使い、調整車のリードに合わせて砥石29を同図矢符30に表記するように傾け、またねじ底面の角度θ1、幅31に合うように砥石29を修正している。このような砥石29の修正等を行ったうえで、直線送り型調整車は一軸方向に、クラウニング送り型調整車は、図17に示すように直線移動に加え砥石台を同図矢符33に表記するように旋回させながら、多量の研削液32を調整車および砥石29にかけて加工している。
特許第3871015号公報
従来、調整車の加工に使用しているねじ研削盤は、多様な機械要素で構成されており、非常に高額な加工設備であると共に、安定した品質の調整車精度を得るには、熟練した操作技術が必要であった。ねじ研削盤でのねじ式調整車の加工は、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度に応じた多種の砥石が必要であり、その都度砥石交換や砥石の修正等の段取り替えが必要であった。
また、ねじ部のヌスミ、溝をねじ研削盤で加工することはできず、必要に応じて調整車を、ヌスミまたは溝加工用の他の加工機に載せ換えて加工していた。
この発明の目的は、加工設備の低減を図ることができ、且つ、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度等に応じた種々な調整車を容易に且つ能率良く加工することができ、所望の加工精度を得ることができるセンタレス研削用調整車の製造方法、調整車、円錐ころの製作方法を提供することである。
この発明のセンタレス研削用調整車の製造方法は、センタレス研削用の調整車であって、螺旋状に続く案内用のねじ溝を外周に有し、このねじ溝の各周の底面が円錐形状部を成し、円錐形状部間に鍔部を有し、かつ調整車軸芯を含む平面で切断した断面について、前記ねじ溝の各周の軸方向同一箇所を調整車軸芯方向に沿って繋ぐ包絡線が、調整車軸芯方向にわたり径方向外方に突出するクラウニング曲線であり、調整車軸芯回りに回転駆動されて円錐形状ワークを前記ねじ溝の底面に転接させる調整車を製造する方法において、前記ねじ溝を有しこのねじ溝の底面の仕上げ加工が未加工の調整車である未完調整車を製造する仕上げ未完調整車製造過程と、前記未完調整車の前記ねじ溝の底面を仕上げ加工する仕上げ過程とを含み、前記仕上げ過程は、数値制御式の旋盤により、前記ねじ溝の底面の一部の軸方向幅を有する切刃を有し切刃先端が曲率Rの凸曲線形状となる切削工具を用いて、前記ねじ溝の底面を軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工するものであり、前記仕上げ過程は、前記ねじ溝の底面の仕上げ加工の他に、鍔部の端面、鍔部の外周面の仕上げ加工、ねじ溝の底面と鍔部の一端面との間のヌスミ、および底面と鍔部の他端面との間の溝を加工する工程を含み、未完調整車を主軸で支持した状態を維持して掴み変えることなく、この仕上げ過程における、ねじ溝の底面、鍔部の端面、鍔部の外周面、前記ヌスミ、および前記底面と鍔部の他端面との間の溝の加工を行う。
この構成によると、ねじ溝の底面の仕上げ加工が未加工の未完調整車を製造した後、この未完調整車のねじ溝の底面を仕上げ加工する。このねじ溝の底面を仕上げ加工する過程において、数値制御式の旋盤つまりNC(Numerical Controlled )旋盤により、例えば、ねじ溝の底面の一部の軸方向幅を有する切刃を有する切削工具を用いて、前記ねじ溝の底面を軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工する。
上記のように、軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工するため、分割幅を適宜細かく設定すれば、切削工具によっても溝底面を平滑に仕上げることができる。工具位置を順次変更して加工を繰り返す多数回の工程が必要となるが、数値制御式の旋盤には、ねじ切りサイクルの機能が標準機能として一般的に備えられており、そのねじ切りサイクルの機能を利用することで、煩雑なプログラム作成を行うことなく、容易に加工することができる。
この方法によると、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度等に応じた多種の砥石を準備する必要がなく、また砥石の段取り替え等が不要となる。この方法では、ねじ溝の形状に沿った工具を用いる必要がなく、汎用の切削工具を使用し得る。それ故、種々の形状の調整車に対する汎用性を高めることができ、多品種の調整車にも容易に対応することができ、しかも砥石の段取り替え等が不要となる分、調整車製造の稼働率を高めることができる。この場合、従来の製造方法よりも調整車の加工費用を低減でき、よって円錐ころのコスト低減を図ることが可能となる。また、この発明の製造方法によると、従来のねじ研削調整車と同等の加工精度が得られることが実証された。
前記仕上げ過程は、切削工具を未完調整車に対して相対移動させて加工を行う加工サイクルを繰り返す過程とし、前記加工サイクルは、切削工具を未完調整車から離れた待機位置からねじ溝の一端または延長位置における切削送り開始位置へ前進させる接近過程と、回転する未完調整車のねじ溝内面のねじ溝リードによる軸方向移動速度に合致した速度で前記切削工具を未完調整車のねじ溝の他端または延長位置となる切削送り終了位置まで前記クラウニング曲線の包絡線に沿って軸方向および径方向に移動させてねじ溝の底面の溝幅の一部を切削する切削送り過程と、前記切削送り終了位置から未完調整車に対して離れる後退位置へ切削工具を相対的に移動させ、前記後退位置から前記待機位置へ切削工具を戻す戻し過程とでなり、各加工サイクルの相互間で前記切削送り開始位置を、前記ねじ溝の底面の傾斜に沿って、ねじ溝の溝幅方向の一端から他端側、および径方向へそれぞれ所定シフト量ずつ変化させる。
加工サイクルでは、接近過程において、切削工具を待機位置から切削送り開始位置へ前進させる。切削送り過程では、ねじ溝リードによる軸方向移動速度に合致した速度で、切削工具を切削送り終了位置まで軸方向に径方向移動成分を加えて、または径方向移動成分無しに移動させてねじ溝を切削する。戻し過程では、切削工具を切削送り終了位置から後退位置へ相対的に移動させる。その後、切削工具を後退位置から切削送り開始位置へ戻す。この加工サイクルにおいて、各加工サイクルの相互間で切削送り開始位置を、前記ねじ溝の底面の傾斜に沿って、ねじ溝の溝幅方向の一端から他端側、および径方向へそれぞれ所定シフト量ずつ変化させる。この所定シフト量を可能な限り小さくすることで、ねじ溝の底面の粗さを改善し、研削面に近い平面精度を実現する。
上記のねじ溝リードに合致した速度で切削工具を移動させる制御は、数値制御式の旋盤が一般に備えるねじ切り機能を利用することで、煩雑なプログラム作成を行うことなく実施することができる。すなわち、旋盤の数値制御装置は、ねじ溝のリードと主軸の回転速度とが入力されることで、工具の移動速度が制御されるようにしたねじ切り機能が備えられており、その機能を利用することにより、工具の移動速度は、特に命令を与えることなく制御される。
前記切削工具の切刃が曲率Rの凸曲線形状である。切刃先端が凸曲線形状となる切削工具を、ねじ溝の底面に沿って軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工することで、実用上で平面とみなせる面である仮想的平面を成形することができる。この場合、工具形状を転写させる加工方法に比べて、ねじ溝の種々の形状を効率良く加工することができる。換言すれば、ねじ溝の形状に対する汎用性を高めることができる。
前記仕上げ過程は、前記底面、鍔部の端面、および鍔部の外周面の仕上げ加工を、互いに分離して順次行うものとしても良い。例えば、ねじ溝の底面を一つの切削工具で軸方向に沿って順次仕上げ加工する。この底面の仕上げ加工とは別に、鍔部の端面を軸方向に沿って順次加工する。これら底面、鍔部端面の加工とは別に、ねじ山だけを軸方向に沿って順次加工する。この場合、各周の底面、鍔部の端面、ねじ山を順次加工していくよりも、例えば切削工具の切替回数等の低減を図り、加工サイクルのサイクルタイムの短縮を図ることが可能となる。したがって、加工時間の短縮を図り、製造コストを低減できる。
前記仕上げ過程は、ねじ溝の底面と鍔部の一端面との間のヌスミ、および底面と鍔部の他端面との間の溝を加工する工程を含み、未完調整車を主軸で支持した状態を維持して掴み変えることなく、この仕上げ過程における、ねじ溝の底面、鍔部の端面、鍔部の外周面、前記ヌスミ、および前記底面と鍔部の他端面との間の溝の加工を行う。これらヌスミおよび溝を加工するとき、未完調整車を主軸で支持した状態を維持して掴み変えることなく加工でき、いわゆる段取り替えが不要となる。例えば、ヌスミ加工専用の切削工具、溝加工専用の切削工具に切替るだけで足りる。したがって、調整車製造の稼働率をより高めることができる。
前記未完調整車は、熱処理された素材を用いたものであっても良い。熱処理後旋削を行えるため、素材を必要十分な硬度にし、且つ熱処理に伴う微小な歪等を旋削除去できる。よって、必要十分な硬度を得ると共に、調整車の寸法精度を高めることが可能となる。また、適用可能な素材の選択枝が広がる分、設計の自由度が高まる。
前記仕上げ過程では、加工油剤を使用することなく前記ねじ溝の底面を仕上げ加工しても良い。この場合、加工油剤を供給する設備、排油を回収する設備等を削減でき、よって設備費用の低減を図ることができる。
この発明の調整車は、前記いずれかの製造方法を用いて製作するものである。この場合、加工設備の低減を図ることができ、且つ、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度等に応じた種々な調整車を実現し得る。
この発明の円錐ころの製作方法は、前記調整車をこの調整車軸芯回りに回転駆動して円錐形状ワークをねじ溝の底面に転接させつつ円錐ころを製作するものである。この場合、従来のねじ研削調整車を用いるよりも、円錐ころの単位数量当たりのコスト低減を図ることが可能となる。
この発明のセンタレス研削用調整車の製造方法は、センタレス研削用の調整車であって、螺旋状に続く案内用のねじ溝を外周に有し、このねじ溝の各周の底面が円錐形状部を成し、円錐形状部間に鍔部を有し、かつ調整車軸芯を含む平面で切断した断面について、前記ねじ溝の各周の軸方向同一箇所を調整車軸芯方向に沿って繋ぐ包絡線が、径方向外方に突出するクラウニング曲線であり、調整車軸芯回りに回転駆動されて円錐形状ワークを前記ねじ溝の底面に転接させる調整車を製造する方法において、前記ねじ溝を有しこのねじ溝の底面の仕上げ加工が未加工の調整車である未完調整車を製造する仕上げ未完調整車製造過程と、前記未完調整車の前記ねじ溝の底面を仕上げ加工する仕上げ過程とを含み、前記仕上げ過程は、数値制御式の旋盤により、前記ねじ溝の底面の一部の軸方向幅を有する切刃を有し切刃先端が曲率Rの凸曲線形状となる切削工具を用いて、前記ねじ溝の底面を軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工するものであり、前記仕上げ過程は、切削工具を未完調整車に対して相対移動させて加工を行う加工サイクルを繰り返す過程とし、前記加工サイクルは、切削工具を未完調整車から離れた待機位置からねじ溝の一端または延長位置における切削送り開始位置へ前進させる接近過程と、回転する未完調整車のねじ溝内面のねじ溝リードによる軸方向移動速度に合致した速度で前記切削工具を未完調整車のねじ溝の他端または延長位置となる切削送り終了位置まで前記クラウニング曲線の包絡線に沿って軸方向および径方向に移動させてねじ溝の底面の溝幅の一部を切削する切削送り過程と、前記切削送り終了位置から未完調整車に対して離れる後退位置へ切削工具を相対的に移動させ、前記後退位置から前記待機位置へ切削工具を戻す戻し過程とでなり、各加工サイクルの相互間で前記切削送り開始位置を、前記ねじ溝の底面の傾斜に沿って、ねじ溝の溝幅方向の一端から他端側、および径方向へそれぞれ所定シフト量ずつ変化させ、前記仕上げ過程は、前記ねじ溝の底面の仕上げ加工の他に、鍔部の端面、鍔部の外周面の仕上げ加工、ねじ溝の底面と鍔部の一端面との間のヌスミ、および底面と鍔部の他端面との間の溝を加工する工程を含み、未完調整車を主軸で支持した状態を維持して掴み変えることなく、この仕上げ過程における、ねじ溝の底面、鍔部の端面、鍔部の外周面、前記ヌスミ、および前記底面と鍔部の他端面との間の溝の加工を行うため、加工設備の低減を図ることができ、且つ、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度等に応じた種々な調整車を容易に且つ能率良く加工することができ、所望の加工精度を得ることができる。
この発明の調整車は、前記いずれかの製造方法を用いて製作するため、加工設備の低減を図ることができ、且つ、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度等に応じた種々な調整車を容易に且つ能率良く加工することができ、所望の加工精度を得ることができる。
この発明の円錐ころの製作方法は、前記調整車をこの調整車軸芯回りに回転駆動して円錐形状ワークをねじ溝の底面に転接させつつ円錐ころを製作するため、加工設備の低減を図ることができ、且つ、ねじのリード、ねじ底面の幅、角度等に応じた種々な調整車を容易に且つ能率良く加工することができ、所望の加工精度を得ることができる。
この発明の基礎となる提案例に係るセンタレス研削用調整車の製造方法を概略表す平面図である。 同センタレス研削用調整車の要部拡大図である。 NC旋盤の概念構成を示すブロック図である。 同NC旋盤の正面図である。 (A)はねじ溝の底面を軸方向の一部ずつ仕上げ加工する一の加工サイクルを示す図、(B)は同加工サイクルを繰り返し、ねじ溝の底面の軸方向への仕上げ加工量を進行させた段階を示す図である。 前記提案例に係る調整車製造方法において、先端が凸曲面形状である切削工具による加工サイクルでの平面成形を表す要部拡大図である。 この発明の実施形態に係る調整車製造方法において、クラウニング型調整車の製造方法を概略表す平面図である。 片刃切り込みの加工サイクルを応用したセンタレス研削用調整車のねじ溝の加工例を示す要部断面図である。 一定曲率で旋削加工したときのクラウニング型調整車の要部平面図である。 (A)は、この発明の実施形態に係るねじ切り開始位置の変化を説明するための図、(B)は図10(A)の要部拡大図である。 ねじ切りサイクルを使った片刃切り込みの概念を示す概念図である。 (A)は、NC旋盤の直線送りのねじ切りサイクルを説明する図、(B)は、同NC旋盤のクラウニング送りの円弧ねじ切りサイクルを説明する図である。 センタレス研削盤にてスルーフィード方式で円錐ころ外径を加工する例を示す平面図である。 同センタレス研削盤にてクラウニング円錐ころを加工する例を示す平面図である。 センタレス研削用調整車のねじ溝の要部断面図である。 従来の直線送り型調整車の加工方法を表す平面図である。 従来のクラウニング送り型調整車の加工方法を表す平面図である。
この発明の基礎となる提案例を図1ないし図6と共に、この発明の実施形態を図7〜10と共に説明する。この提案および実施形態に係るセンタレス研削用調整車は、例えば、円錐ころ軸受の円錐ころの外周面をスルーフィードセンタレス研削する際に用いられる。先ず、センタレス研削用調整車(以下単に「調整車」と称す)の概略構成について説明し、以下、調整車を製造するNC旋盤等の概略構成、調整車の製造方法等について順次説明する。なお、前記提案例と実施形態とは、製造対象となるセンタレス研削用調整車の断面の包絡線形状が直線であるかクラウニング形状であるかの点と、この形状の違い関連する事項が異なる他は同じである。
調整車の概略構成について説明する。
図1、図2に示すように、調整車1はドラム軸1aの外周に取り付けられる。この調整車1は、螺旋状に続く案内用のねじ溝2を外周に有し、このねじ溝2の各周の底面2aが円錐形状部を成し、円錐形状部間に鍔部3を有する。つまり底面2aは、螺旋状の鍔部3によって区画形成され、螺旋状に続く円錐形状に形成されている。
ねじ溝2の底面2aと鍔部3の一端面との間には、環状のヌスミ2b(図8参照)が形成され、底面2aと鍔部3の他端面との間には環状の溝2cが形成されている。調整車1は、この調整車軸芯L1回りに回転駆動されて円錐形状ワークをねじ溝2の底面2aに転接させ得る。
NC旋盤等について説明する。
図3、図4に示すように、ねじ溝2の底面2a等を仕上げ加工する過程において、数値制御式の旋盤つまりNC(Numerical Controlled )旋盤4が用いられる。NC旋盤4は、機械部分である旋盤本体4Aと、この旋盤本体4Aを制御する数値制御装置18とでなる。旋盤本体4Aは、例えば、タレット型の刃物台Taを支持する送り台14aを主軸台15の側方に配置したタレット旋盤である。主軸台15に支持された主軸15aには、前記調整車1の仕上げ加工が未加工のワークである未完調整車Wを把持する主軸チャック15aaが設けてある。この主軸チャック15aaと心押し軸7とで未完調整車Wが軸方向両端で支持される。主軸15aは、主軸モータ(図示せず)により回転駆動される。送り台14は、ベッドBdのレール16,16上に設置した左右方向(X方向)に移動自在な送り台ベース14aと、この送り台ベース14aに図示外のレールを介して前後方向(Z方向)に移動自在な設置した送り台上部体14bと、前記タレット型の刃物台Taとを有する。刃物台Taは、送り台上部体14bに割出回転可能に搭載されている。
送り台ベース14aと送り台上部体14bとは、各々送りねじを介してX軸サーボモータ17およびZ軸サーボモータ(図示せず)により、図3矢符にて示すX,Z方向に送られる。タレット型の刃物台Taは、図4に示すように、正面形状が多角形のドラム状のものであり、送り台上部体14bに内蔵された図示外の割り出しモータにより、水平軸回りで割出し回転させられる。刃物台Taの各周面部分には工具5A,5B等が装着してある。
図3に示すように、数値制御装置18は、コンピュータ式のものであって、NCコード等で記述された加工プログラムPmを解読して実行する演算制御部19を備える。この演算制御部19により、NC旋盤4の各部の制御、例えば、上記X軸,Z軸のサーボモータや主軸モータの制御を行う。演算制御部19は、この他に旋盤本体4Aの各部のシーケンス制御、例えば刃物台Taの割出回転や、主軸チャック15aaの開閉を行う機能を備える。
数値制御装置18には、基本動作プログラムBPが、演算制御部19のOS(オペレーションプログラム)の一部として、またはOSとは別に設けられていて、加工プログラムPmの命令により、上記基本動作プログラムBPを用いて制御可能とされる。この基本動作プログラムBPの一部として、後述のねじ切りサイクルを行わせるねじ切りサイクル制御プログラムBPaが設けられている。
調整車1の製造方法について説明する。
この提案例に係る調整車の製造方法は、仕上げ未完調整車製造過程と、仕上げ過程とを含む。仕上げ未完調整車製造過程は、調整車1のねじ溝2の仕上げ加工のみが未加工の未完調整車Wを製造する過程であり、この過程では、ねじ溝2を有しこのねじ溝2の底面2aの仕上げ加工が未加工の未完調整車Wを製造する。この仕上げ未完調整車製造過程の例えば最終段階において、未完調整車Wは熱処理され、この熱処理された未完調整車Wが前述のNC旋盤4により旋削に供される。この仕上げ未完調整車製造過程においては、上記NC旋盤4とは別の機械で未完調整車Wを製造するが、上記NC旋盤4を用いて未完調整車Wを製造してもよい。
仕上げ過程では、前記仕上げ未完調整車製造過程にて製造された未完調整車Wの前記ねじ溝2の底面2aを仕上げ加工する。この仕上げ過程においては、特に、図1に示すように、NC旋盤4により、切削工具5(5A)を用いて前記ねじ溝2の底面2aを軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工する。切削工具5(5A)は、ねじ溝2の底面2aの一部の軸方向幅を有する切刃5aを有する。切刃5aは、すくい面の縁を言う。
具体的には、図1に示すように、主軸15aと心押し軸7とで未完調整車を支持した状態で、加工油剤を使用することなく、旋削用のバイト等の汎用の切削工具5Aでこの未完調整車を仕上げ加工する。この場合において、切削工具5Aを未完調整車に対して相対移動させて加工を行う加工サイクル(矢符9にて表記)を繰り返して、ねじ溝2の底面2aを軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工していく。
この加工サイクル9は、図5に示すように、主に、接近過程と、切削送り過程と、戻し過程とでなる。前記接近過程は、切削工具5Aを未完調整車Wから離れた待機位置P0からねじ溝2の一端または延長位置における切削送り開始位置P1へ前進させる。
前記切削送り過程は、回転する未完調整車Wのねじ溝内面のねじ溝リードによる軸方向移動速度に合致した速度で、切削工具5Aを未完調整車Wのねじ溝2の他端または延長位置となる切削送り終了位置P2まで軸方向に移動させてねじ溝2を切削する。
前記戻し過程は、切削送り終了位置P2から未完調整車Wに対して離れる後退位置P3へ切削工具5Aを相対的に移動させ、後退位置P3から待機位置P0へ切削工具5Aを戻す。
図5、図6に示すように、各加工サイクル9の相互間で切削送り開始位置P1を、ねじ溝2の溝幅方向の一端から他端側へ所定の開始位置変化経路に沿って、軸方向および径方向の所定シフト量ずつ変化させる。前記軸方向を図6矢符Zにて示し、前記径方向を図6矢符Xにて示す。
この加工サイクル9の制御には、数値制御装置18(図3)の基本動作プログラムBPにおけるねじ切りサイクル制御プログラムBPaを用いる。このねじ切りサイクル制御プログラムBPaは、図12に示すねじ切りサイクルを行わせるプログラムであり、加工プログラムPmにおける、ねじ切りサイクルを示すNCコード、例えば準備コードの一つである「G○○」(○は1文字の数字を示す)を先頭に含む命令行によって実行する。この命令行は、例えば、「G○○ X− Z− F−」の形式とされる。「X−」は、1回目の切り込み径、「Z−」はねじの終点のZ座標、「F−」はねじのリードである。加工プログラムPmには、上記命令行に続く行に、各回の切り込み径を指令する命令行および最終切り込み径の命令行と、工具をワークから遠ざける命令行とを記述しておく。また、加工プログラムPmには、ねじ切りサイクルの命令行の前に、工具をワークに近づける命令行、およびねじ切り開始点(すなわち、切削送り開始位置P1)へ移動させる命令行を記述しておく。
数値制御装置18(図3)の演算制御部19は、上記一連の命令行によって、ねじ切りサイクルを実行する。このとき、ねじ切りサイクル制御プログラムBPaは、ねじのリードと、上記とは別に指令されている主軸回転数とから、これらリードと主軸回転数に応じた切削工具5の軸方向の送り速度を計算して実行する。そのため、切削工具5の軸方向の送り速度を人が計算してプログラムすることは不要である。
このような数値制御装置19に備えられるねじ切りサイクル制御プログラムBPaあるいはねじ切り制御機能を利用することにより、未完調整車Wのねじ溝2の底面2aの仕上げ加工が容易に行える。
図1、図2および図5の調整車は、この調整車軸芯を含む仮想平面で切断した断面について、ねじ溝の各周の軸方向同一箇所を調整車軸芯方向に沿って繋ぐ包絡線が直線である。この場合、各加工サイクル9のうち切削送り過程はいわゆる直線送りによるねじ溝切削が行われる。この直線送りは、上記包絡線に平行な方向に工具の送りを行うことである。
図7は、この発明の実施形態に係る調整車製造方法において、クラウニング型調整車の製造方法を概略表す平面図である。
クラウニング送り型調整車を加工する場合には、図12(B)に示すように、太鼓型ねじの加工に使用する、加工サイクル10により未完調整車を加工する。クラウニング送り型調整車は、図9に示すように、この調整車軸芯を含む仮想平面で切断した断面について、ねじ溝2の各周の軸方向同一箇所を調整車軸芯方向に沿って繋ぐ包絡線が、調整車軸芯方向にわたり径方向外方に突出するクラウニング曲線である。前記クラウニング送りは、切削送り過程において、前記クラウニング曲線の包絡線に沿って切削工具5を移動させることである。
ここで、図11は、ねじ切りサイクルを使った片刃切り込みの概念を示す概念図である。通常、リードの大きい山型ねじは、ねじ形状と同一の切削工具5Nを用いて工作物8の外周部から斜め方向に一定量δずつ切り込み、最終的にこの切削工具5Nの形状を転写させねじを成形する。ところが、今回加工対象となる円錐ころのセンタレス研削用調整車は、ねじ溝2の底面2aが平坦で且つ調整車軸芯L1、およびクラウニング曲率に対して傾斜を持っており、品種毎に形状も異なる。したがって、図11のように工具形状を転写させる加工方法は効率的でない。
それに対し、この提案例に係る製造方法では、図6に示すように、切刃5aが凸曲線形状、つまり、すくい面の縁が曲率Rの凸曲線となる汎用切削工具5を、一定量δ1ずらしながら片刃切り込みを繰り返し行い、仮想的平面11を成形する。上記凸曲線は円弧状であっても、放物線状等であっても良く、変曲点を持たない凸曲線であれば良い。前記「片刃切り込み」とは、ねじ面の傾斜した内面に沿って工具の切り込み進める切り込みおよび軸方向送りの与え方である。これに対して、ワークの直径方向に工具の切り込みを与える切り込み方法は、直角切り込み等と呼ばれる。
クラウニング型調整車を製造する場合、図12(B)に示す加工サイクル10を併用し、図16の砥石台旋回型ねじ研削盤で加工したねじ溝と同品位の平面精度を持つクラウニング型調整車を加工する。
図6に示す手法で切削加工をした場合、工具曲率(R)と分割幅(ν)から、理論表面粗さRmax として式(1)で表現される。
Figure 0005538754


この数式(1)より、分割幅(ν)つまり切削工具5を軸方向へずらす一定量δ1を可能な限り小さくすることで、ねじ溝2の底面2aの粗さを改善し、研削面に近い平面精度を実現する。
図8は、片刃切り込みの加工サイクルを応用したセンタレス研削用調整車のねじ溝の加工例を示す要部断面図である。同図に示すように、ねじ溝2の底面2aを片刃切り込みで加工する場合、調整車右端にある切削送り開始位置を、ねじ溝2の底面2aの傾斜角αに応じて、径方向シフト量、軸方向シフト量毎に矢符A1に表記するように直線的に変化させる。この場合、繰り返し回数は、ねじ溝2の底面2aの傾斜角αに沿ったねじ底長さを、軸方向シフト量で割って残る「整数」となる。
図9は、一定曲率で旋削加工したときのクラウニング型調整車の要部平面図である。同図には、図5の直線型の加工サイクルを円弧ねじ切り用の加工サイクルに置き換えた場合のねじ溝2の底面2aの形状変化が示されている。ねじ溝2の各周の底面2aが、クラウニングの一定曲率Raに対して平行移動するように形成される。この場合、軸方向に沿って円錐ころWrの姿勢は変化せず、円錐ころWrにクラウニング形状を転写させることはできない。
図10は、この発明の実施形態に係る、切削送り開始位置の変化を説明するための図である。調整車1の中央部のねじ溝2は、底面2aに沿って径方向シフト量D1ずつ位置をずらしながら、図8に示す加工サイクルを繰り返すと仮定する。このとき、切削工具5の工具軌跡12は、加工サイクルつまり加工プログラムPmで指定した半径と一致し、ねじ溝2の底面2aの傾斜に沿ってサイクル毎に径方向シフト量D1ずつ大きくなっていく。この場合、調整車右端にある切削送り開始位置P1は、工具軌跡12と分割量δ2との交点上にある。
すなわち、切削送り開始位置P1を、分割量δ2と工具軌跡12の変化量とに応じてサイクル毎に修正していく。これにより、図14に示すような曲率22に対し、ねじ溝2の底面2aが放射状に変化するねじ付き調整車が加工できる。ただし、このとき、厳密には調整車1の中央部と、この調整車1の左右両端部とで、ねじ形状の不一致が推測されるが、図14に示すセンタレスでの研削加工においては、砥石中央部の加工精度が円錐ころWrの真円度、粗さ等を決めるため、調整車1の両端部の僅かな精度誤差は円錐ころWrの精度に対して致命的ではない。
以上の手法を用いた調整車1で円錐ころWrをセンタレス研削した結果、直線送り型、クラウニング送り型共にねじ研削調整車と同等の加工精度が得られることが実証された。また、この手法を応用すれば、従来の砥石を使った方法では加工できない特殊形状の調整車や、熱処理された材料からなる調整車を加工することも可能である。したがって、適用可能な材料、特殊形状の選択肢が広がる分、設計の自由度が高まる。
以上説明したセンタレス研削用調整車の製造方法によると、NC旋盤4により、ねじ溝2の底面2aの一部の軸方向幅を有する切刃を有する切削工具5を用いて、前記ねじ溝2の底面2aを軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工する。この底面2aを順次仕上げ加工する分割幅を適宜細かく設定すれば、切削工具5によっても底面2aを平滑に仕上げることができる。工具位置を順次変更して加工を繰り返す多数回の工程が必要となるが、NC旋盤4には、ねじ切りサイクルの機能が標準機能として一般的に備えられており、そのねじ切りサイクルの機能を利用することで、煩雑なプログラム作成を行うことなく、容易に加工することができる。
この方法によると、ねじのリード、底面2aの軸方向幅、角度等に応じた多種の砥石を準備する必要がなく、また砥石の段取り替え等が不要となる。この方法では、ねじ溝2の形状に沿った工具を用いる必要がなく、汎用の切削工具5を使用し得る。それ故、種々の形状の調整車に対する汎用性を高めることができ、多品種の調整車にも容易に対応することができ、しかも砥石の段取り替え等が不要となる分、調整車製造の稼働率を高めることができる。この場合、従来の製造方法よりも調整車の加工費用を低減でき、よって円錐ころのコスト低減を図ることが可能となる。また、この発明の製造方法によると、従来のねじ研削調整車と同等の加工精度が得られることが実証された。
仕上げ過程において、図6に示すように、各加工サイクルの相互間で切削送り開始位置を、ねじ溝2の溝幅方向の一端から他端側へ所定の開始位置変化経路に沿って所定シフト量ずつ変化させる。この所定シフト量を可能な限り小さくすることで、ねじ溝2の底面2aの粗さを改善し、研削面に近い平面精度を実現することができる。換言すれば、加工サイクルの繰り返し回数を多くすればする程、ねじ溝2の底面2aを粗さを改善し、研削面に近い平面精度を実現し得る。
図6に示すように、切刃先端が曲率Rの凸曲線形状となる切削工具5を、底面2aに沿って一定量ずらしながら片刃切り込みを繰り返し行うことで、仮想的平面11を成形することができる。この場合、図11の工具形状を転写させる加工方法に比べて、ねじ溝2の種々の形状を効率良く加工することができる。換言すれば、ねじ溝2の形状に対する汎用性を高めることができる。
溝底面仕上げ過程は、ねじ溝2の底面2aの仕上げ加工の他に、鍔部3の端面、および鍔部3の外周面を成すねじ山の仕上げ加工を含み、これら底面2a、鍔部3の端面、およびねじ山を仕上げ加工を、互いに分離して順次行うものとしても良い。例えば、刃物台Taを割り出し回転させて所望の切削工具5を指定し、この切削工具5によりねじ溝2の底面2aを軸方向に沿って順次仕上げ加工する。鍔部3の端面を加工する場合、タレットTaを割り出し回転させこの端面加工専用の切削工具を指定し、鍔部3の端面を軸方向に沿って順次加工する。これら底面2a、鍔部端面の加工とは別に、ねじ山だけを軸方向に沿って順次加工する。この場合、各周の底面2a、鍔部3の端面、ねじ山を順次加工していくよりも、切削工具の切替回数等の低減を図り、加工サイクルのサイクルタイムの短縮を図ることが可能となる。したがって、加工時間の短縮を図り、製造コストを低減できる。
仕上げ過程では、ねじ溝2の底面2aと鍔部3の一端面との間のヌスミ2b、および底面2aと鍔部3の他端面との間の溝2cを加工する工程を含んでも良い。この場合において、未完調整車Wを主軸15aで支持した状態を維持して掴み変えることなく、この仕上げ過程における、ねじ溝2の底面2a、鍔部3の端面、前記ねじ山、ヌスミ2b、および溝2cの加工を行っても良い。これらヌスミ2bおよび溝2cを加工するとき、未完調整車Wを主軸15で支持した状態を維持して掴み変えることなくいわゆる段取り替えが不要となる。例えば、ヌスミ加工専用の切削工具、溝加工専用の切削工具に切替るだけで足りる。したがって、調整車製造の稼働率をより高めることができる。
未完調整車Wが熱処理された素材を用いたものである場合、例えば、砥石を使用した製造方法では加工不能な熱処理素材を容易に加工することができる。熱処理後旋削を行えるため、素材を必要十分な硬度にし、且つ熱処理に伴う微小な歪等を旋削除去できる。よって、必要十分な硬度を得ると共に、調整車の寸法精度を高めることが可能となる。また、適用可能な素材の選択枝が広がる分、設計の自由度が高まる。
仕上げ過程において、加工油剤を使用することなくねじ溝2の底面2aを仕上げ加工しているため、加工油剤を供給する設備、排油を回収する設備等を削減でき、よって設備費用の低減を図ることができる。
この実施形態に係る製造方法により得られた調整車1をこの調整車軸芯L1回りに回転駆動して円錐形状ワークをねじ溝2の底面2aに転接させつつ円錐ころを製作する場合、従来のねじ研削調整車を用いるよりも、円錐ころの単位数量当たりのコスト低減を図ることが可能となる。
この発明の他の実施形態として、主軸移動型の旋盤を用いて未完調整車Wに対して切削工具5を相対移動させて加工しても良い。
1…調整車
2…ねじ溝
2a…底面
2b…ヌスミ
2c…溝
3…鍔部
4…NC旋盤
5…切削工具
L1…調整車軸芯
P0…待機位置
P1…切削送り開始位置
P2…切削送り終了位置
P3…後退位置
W…未完調整車

Claims (6)

  1. センタレス研削用の調整車であって、螺旋状に続く案内用のねじ溝を外周に有し、このねじ溝の各周の底面が円錐形状部を成し、円錐形状部間に鍔部を有し、かつ調整車軸芯を含む平面で切断した断面について、前記ねじ溝の各周の軸方向同一箇所を調整車軸芯方向に沿って繋ぐ包絡線が、径方向外方に突出するクラウニング曲線であり、調整車軸芯回りに回転駆動されて円錐形状ワークを前記ねじ溝の底面に転接させる調整車を製造する方法において、
    前記ねじ溝を有しこのねじ溝の底面の仕上げ加工が未加工の調整車である未完調整車を製造する仕上げ未完調整車製造過程と、
    前記未完調整車の前記ねじ溝の底面を仕上げ加工する仕上げ過程とを含み、
    前記仕上げ過程は、数値制御式の旋盤により、前記ねじ溝の底面の一部の軸方向幅を有する切刃を有し切刃先端が曲率Rの凸曲線形状となる切削工具を用いて、前記ねじ溝の底面を軸方向の一部ずつ順次仕上げ加工するものであり、
    前記仕上げ過程は、切削工具を未完調整車に対して相対移動させて加工を行う加工サイクルを繰り返す過程とし、
    前記加工サイクルは、
    切削工具を未完調整車から離れた待機位置からねじ溝の一端または延長位置における切削送り開始位置へ前進させる接近過程と、
    回転する未完調整車のねじ溝内面のねじ溝リードによる軸方向移動速度に合致した速度で前記切削工具を未完調整車のねじ溝の他端または延長位置となる切削送り終了位置まで前記クラウニング曲線の包絡線に沿って軸方向および径方向に移動させてねじ溝の底面の溝幅の一部を切削する切削送り過程と、
    前記切削送り終了位置から未完調整車に対して離れる後退位置へ切削工具を相対的に移動させ、前記後退位置から前記待機位置へ切削工具を戻す戻し過程とでなり、
    各加工サイクルの相互間で前記切削送り開始位置を、前記ねじ溝の底面の傾斜に沿って、ねじ溝の溝幅方向の一端から他端側、および径方向へそれぞれ所定シフト量ずつ変化させ
    前記仕上げ過程は、前記ねじ溝の底面の仕上げ加工の他に、鍔部の端面、鍔部の外周面の仕上げ加工、ねじ溝の底面と鍔部の一端面との間のヌスミ、および底面と鍔部の他端面との間の溝を加工する工程を含み、未完調整車を主軸で支持した状態を維持して掴み変えることなく、この仕上げ過程における、ねじ溝の底面、鍔部の端面、鍔部の外周面、前記ヌスミ、および前記底面と鍔部の他端面との間の溝の加工を行うことを特徴とするセンタレス研削用調整車の製造方法。
  2. 請求項1において、前記仕上げ過程は、前記底面、鍔部の端面、および鍔部の外周面の仕上げ加工を、互いに分離して順次行うセンタレス研削用調整車の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記未完調整車は、熱処理された素材を用いたものであるセンタレス研削用調整車の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記仕上げ過程では、加工油剤を使用することなく前記ねじ溝の底面を仕上げ加工するセンタレス研削用調整車の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項の製造方法を用いて製作する調整車。
  6. 請求項5の調整車をこの調整車軸芯回りに回転駆動して円錐形状ワークをねじ溝の底面に転接させつつ円錐ころを製作する円錐ころの製作方法。
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