本発明の一実施形態に係る電子書籍システム100について、図2を参照して以下に説明する。
〔1.電子書籍システム〕
(1−1.電子書籍システムの構成)
始めに、本実施形態に係る電子書籍システム100の構成について、図2を参照して以下に説明する。
図2は、本実施形態に係る電子書籍システム100の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、電子書籍システム100は、電子書籍データを作成するデータ作成装置(電子書籍データ作成装置)10と、電子書籍データを表示する端末装置(電子書籍閲覧装置)20とを含んで構成されている。
電子書籍システム100は、デジタルデータにされた書籍、すなわち電子書籍を扱うシステムである。なお、本実施形態では、出版社等によって作成された電子書籍用のデータ(以下、元データと称する)が、ネットワーク等を介してデータ作成装置10に供給されるものとする。
データ作成装置10は、供給された電子書籍用の元データに基づいて、所定のデータ構造を有する電子書籍データを作成する。データ作成装置10は、作成した電子書籍データを、ネットワーク30を介して端末装置20に提供する。
端末装置20は、データ作成装置10から提供された電子書籍データに基づいて電子書籍を表示する。具体的には、端末装置20には画像モード及びテキストモードが設定されており、端末装置20は、画像モードにおいて電子書籍を紙面毎に表示し、テキストモードにおいて電子書籍を記事毎に表示する。
(1−2.電子書籍用の元データについて)
本実施形態において説明する電子書籍は、テキスト、画像、またはこれらの組み合わせによって構成された複数の紙面を有し、かつ、複数の記事を含むことによって構成されている。なお、記事とは、例えば見出し(目次)毎に対応する内容のテキストや画像を意味しており、1つの記事の区切りはデータ作成装置10に供給される時点で任意に設定されている。
以下では、データ作成装置10に供給される電子書籍用の元データについて説明する。
図4に示すように、電子書籍用の元データは、画像ファイル群50a、テキストファイル群60a、及び関連付けファイル80を含んでいるものとする。図4は、後述にて詳細を説明するが、電子書籍用の元データと、当該元データが入力されるデータ作成装置10のデータ作成部15とを示す図である。
画像ファイル群50aは、複数の画像ファイルを含んでいる。ここで、画像ファイルとは、電子書籍の紙面を画像として表すデータであって、電子書籍の1ページ毎に作成されている。例えばMページ目の紙面を画像として表す画像ファイルを、以下、Mページ目の画像ファイルと称する。
本実施形態では、JPEG形式の画像ファイルを用いて説明する。なお、本発明は画像ファイルがJPEG形式であることに限定されず、1ページの紙面を画像として表すデータであれば他の形式であってもよい。また、画像ファイル群50aに含まれる複数の画像ファイルは、PDFデータとしてまとめられていてもよい。この場合、後述のデータ作成部15によってPDFデータから個々の画像ファイルが生成される。
また、テキストファイル群60aは、複数のテキストファイルを含んでいる。ここで、テキストファイルとは、電子書籍に含まれる記事の文字情報を表すデータであって、記事毎に分割されて作成されている。例えばN番目の記事の文字情報を表すテキストファイルを、以下、記事Nのテキストファイルと称する。本実施形態では、HTML形式のテキストファイルを用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。
なお、本実施形態において説明する電子書籍は、少なくとも、5ページの紙面を含み、かつ4つの記事を含んでいるものとする。また、紙面構成上、1ページ目の紙面に記事1が掲載されており、2ページ目の紙面に記事2及び記事3が掲載されており、3〜5ページ目の紙面に記事4が掲載されているものとする。
すなわち、本実施形態において説明する電子書籍用の元データは、1〜5ページ目の画像ファイル(00001.jpg〜00005.jpg)、及び記事1〜4のテキストファイル(0000a.html〜0000d.html)を含んでいるものとする。
関連付けファイル80は、画像ファイル群50aが含む画像ファイルと、テキストファイル群60aが含むテキストファイルとを関連付けるテーブルである。図5は、関連付けファイル80を示す図である。関連付けファイル80の詳細について図5を参照して説明する。
ここで、画像ファイルが表す紙面に掲載された記事の文字情報を表すテキストファイルを、当該画像ファイルに「対応するテキストファイル」と称する。本実施形態において説明する電子書籍の元データでは、1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)に、記事1のテキストファイル(0000a.html)が対応している。2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)には、記事2のテキストファイル(0000b.html)及び記事3のテキストファイル(0000c.html)が対応している。3〜5ページ目の画像ファイル(00003.jpg〜00005.jpg)には、それぞれ記事4のテキストファイル(0000d.html)が対応している。
図5に示すように、関連付けファイル80において、画像ファイルへのパスの項には、紙書籍と同様のページ順で、各ページの画像ファイルが一覧にされており、テキストファイルへのパスの項には、紙面に掲載された順に、各記事のテキストファイルが一覧にされている。
関連付けファイル80では、各画像ファイルへのパスが記述された行に、当該画像ファイルに対応するテキストファイルのうち、掲載順の最も早い記事のテキストファイルへのパスが記述されている。これによって、関連付けファイル80は、各画像データに対し、当該画像データが表す紙面の先頭に掲載された記事のテキストデータを関連付けている。
仮に、ある画像ファイルに対応するテキストファイルが複数ある場合、当該複数の対応するテキストファイルのうち、2番目以降の掲載順の記事のテキストファイルへのパスは、当該画像ファイルへのパスが記述された行の次の行に記述されている。これによって、関連付けファイル80は、各画像データと、当該画像データに対応するテキストファイルとの関係を保持している。
例えば、1ページ目の画像ファイルへのパス(00001.jpg)と同じ行には、記事1のテキストファイルへのパス(0000a.html)が記載されている。
また、2ページの画像ファイルへのパス(00002.jpg)と同じ行には、記事2のテキストファイル及び記事3の各テキストファイルのうち、記事2のテキストファイルへのパス(0000b.html)が記載されている。一方、記事3のテキストファイルへのパス(0000c.html)は、その次の行に記載され、当該行の隣列における画像ファイルへのパスの欄は空欄になる。
また、3〜5ページの画像ファイルのパス(00003.jpg〜0005.jpg)と同じ行には、記事4のテキストファイルへのパス(0000d.html)がそれぞれ記載されている。
なお、電子書籍が、文字情報が存在しない記事のみが掲載されたページを含んでいる場合、このページの画像ファイルには、対応するテキストファイルが存在しない。この場合、関連付けファイル80では、当該ページの画像ファイルへのパスが記述された欄と同じ行における「対応するテキストファイルへのパス」の項には「NULL」と記載される。
データ作成装置10は、上述したような電子書籍用の元データの入力を受け付け、当該元データに基づいて、所定のデータ構造を有する電子書籍用のデータ(以下、電子書籍データと称する)を作成する。電子書籍データのデータ構造については後述にて詳細に説明する。
(1−3.電子書籍閲覧方法について)
次に、データ作成装置10が作成する電子書籍データが可能にする、端末装置20による電子書籍閲覧方法について、図1を参照して簡単に説明する。
図1(a)(b)は、電子書籍データの閲覧方法を説明するための図である。図1(a)は、本実施形態において説明する電子書籍のうち、1〜5ページ目の紙面に対応する画像ファイルを示しており、図1(b)は、1〜5ページ目の紙面に掲載された各記事のテキストファイルを示している。また、図1(a)には、電子書籍の各ページの紙面構成が共に示されている。
図1(a)(b)に示すように、データ作成装置10が作成した電子書籍データには、1〜5ページ目の画像ファイルとして00001.jpg〜00005.jpgが存在し、記事1〜4のテキストファイルとして0000a.html〜0000d.htmlが存在する。
図1(a)(b)における矢印に示すように、データ作成装置10が作成した電子書籍データを入力された端末装置20は、画像モードのとき各画像ファイルを順に表示することができ、テキストモードのとき、各テキストファイルを順に表示することができる。さらに、端末装置20は、画像ファイルを表示した状態において、画像モードからテキストモードへの切り替え指示を受け付けたとき、対応するテキストファイルを表示するように表示を切り替えることができる。
〔2.データ作成装置〕
(2−1.データ作成装置の構成)
次に、データ作成装置10の構成について図2を参照して以下に説明する。
図2に示すように、データ作成装置10は、データ取得部11、制御部12、記憶部13、及び通信部14を備えている。
データ取得部11は、出版社等の外部サーバからインターネット等を介して電子書籍用の元データを受信するインターフェースである。
制御部12は、プリプロセッサやメモリなどにより構成され、例えば記憶部13が記憶している制御プログラムに従って動作する。また具体的には、制御部12は後述するデータ作成部15として機能する。
データ作成部15は、データ取得部11が受信した電子書籍用の元データに基づいて、所定のデータ構造を有する電子書籍データを作成する。データ作成部15の詳細については後述する。データ作成部15により作成された電子書籍データは、記憶部13に格納される。
記憶部13は、RAMあるいはROMなどによって構成され、入力データ、一時データ及び処理データを保存するためのワークエリアを有す。
通信部14は、ネットワーク30を介して、端末装置20との間のデータの送受信を行うインターフェースである。例えば通信部14が電子書籍データの要求を受信した場合、記憶部13に記憶された電子書籍データを端末装置20に送信する。
(2−2.電子書籍データの作成処理)
次に、データ作成装置10による電子書籍データの作成処理について図4を参照して以下に説明する。図4は、データ作成部15の構成を示すブロック図である。
まず、図4に示すように、データ作成部15には、データ取得部11が受信した電子書籍用の元データ(画像ファイル群50a、テキストファイル群60a、及び関連付けファイル80)が入力される。次いで、データ作成部15では以下の処理が行われる。
画像化部151は、画像ファイル群50の入力を受け、画像ファイルがPDFデータとして入力された場合には、個々の画像ファイルを生成する画像化を行う。このとき、画像化部151は、画像ファイルの画像サイズや解像度などを、端末装置20の表示形式に合わせて調節してもよい。
テキスト表現変換部152は、テキストファイル群60aの入力を受け付け、htmlのタグなどを、出力形式用の別タグへ変換したり、削除したりする。
目次抽出部153は、テキストファイル群60aの各テキストファイルから、特定のタグ(例えば記事の見出しを示すタグ)に囲まれた文字列(文字列情報)を目次用に抽出し、目次追加部154に出力する。
目次追加部154は、関連付けファイル80の入力を受け付け、目次抽出部153が抽出した文字列を、関連付けファイル80に追加する。また、目次追加部154は、関連付けファイル80に対し、電子書籍のページ順に従って画像ファイルの表示順を規定するナンバー(ナンバー情報)を追加する。
以上のような処理を受けた関連付けファイル80をデータベース40とする。
テキストデータ生成部155は、関連付けファイル80において「対応するテキストファイルへのパス」がNULLと記載されている場合(画像ファイルに対応するテキストファイルが存在しない場合)に、専用のテキストファイルを生成し、テキストファイル群60aに追加する。なお、専用のテキストファイルとは、記事にテキストがないことをユーザに通知するための情報(通知情報)であり、以下、通知用ファイルと称する。
また、テキストデータ生成部155は、上記の通知用ファイル、及びテキストファイル群60aが含むテキストファイルについて、これらの表示順を規定する管理ファイル70(管理情報)を作成する。なお、テキストデータ生成部155は、元データに含まれている管理ファイルに対して通知用ファイルの順序を追加することによって、管理ファイル70を作成してもよい。
例えば、本実施形態における電子書籍の構成上、6ページ目には、テキストの存在しない記事5が掲載されているとする。この場合、関連付けファイル80において、6ページ目の画像ファイルへのパス(00006.jpg)の「対応するテキストファイルへのパス」にはNULLと記載されているため、テキストデータ生成部155は、通知用ファイル(0000e.html)を作成する。また、テキストデータ生成部155は、作成した通知用ファイル(0000e.html)が記事4のテキストファイル(0000d.html)の次に表示されるように、管理ファイル70を作成する。
リンク埋め込み部156は、関連付けファイル80を参照し、テキストファイル群60aの各テキストファイルに対して、当該テキストファイルの記事が掲載されたページの画像ファイル(対応する画像ファイル)へのリンクを埋め込む。特に、リンク埋め込み部156は、各テキストファイルのデータの最初と最後のそれぞれに上記リンクを記述することが好ましい。
例えば、図5に示す関連付けファイル80に基づいて説明する。本実施形態における電子書籍の構成上、1ページ目には記事1が掲載されている。リンク埋め込み部156は、関連付けファイル80を参照することによって、記事1のテキストファイル(0000a.html)の最初と最後に対し、1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)へのリンクを埋め込む。
また、2ページ目には記事2及び記事3が掲載されている。リンク埋め込み部156は、関連付けファイル80を参照することによって、記事2のテキストファイル(0000b.html)の最初と最後に対し、2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)へのリンクを埋め込む。同様に、リンク埋め込み部156は、記事3のテキストファイル(0000c.html)の最初と最後に対し、2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)へのリンクを埋め込む。
一方、記事4は、1つの記事が複数の画像データにまたがっている。そこで、リンク埋め込み部156は、関連付けファイル80を参照することによって、記事4のテキストファイル(0000d.html)の最初に、記事4が掲載された最初のページの画像ファイル(00003.jpg)のリンクを埋め込む。また、リンク埋め込み部156は、記事4のテキストファイル(0000d.html)の最後に、記事4が載った最後のページの画像ファイル(00005.jpg)のリンクを記述する。
なお、リンク埋め込み部156は、通知用ファイル(0000e.html)に対しても、テキストデータ生成部155が当該通知用ファイルを作成する原因となった画像ファイル(関連付けファイル80において「NULL」と同じ行にパスが記載された画像ファイル)(00006.jpg)へのリンクを記述する。
以上のような処理を受けた画像ファイル群50a及びテキストファイル群60aを、画像ファイル群50及びテキストファイル群60とする。
アーカイバ157は、作成されたデータベース40、画像ファイル群50、テキストファイル群60、及び管理ファイル70をまとめて、一冊分の電子書籍データとして出力する。
(2−3.電子書籍データのデータ構造)
次に、データ作成装置10が作成した電子書籍データのデータ構造について図3を参照して以下に説明する。図3は、データ作成部15により作成される書籍1冊分の電子書籍データ110のデータ構造を示す図である。
図3に示すように、電子書籍データ110は、関連付けファイル80の情報などを保持するデータベース40、画像ファイル群50、テキストファイル群60、及び管理ファイル70を含んでいる。
データベース40は、ナンバー41、画像ファイルへのパス42、対応するテキストファイルへのパス43、及び目次用の文字列44の項目に区分されている。
ナンバー41の項目には、画像ファイルへのパス42の項目に記載された各画像ファイルのパスに対して、番号が順に付されている。
また、画像ファイルへのパス42及び対応するテキストファイルへのパス43の項目には、画像ファイル群50に含まれる画像ファイルと、テキストファイル群60に含まれるテキストファイルとが関連付けられている。具体的には、各画像ファイルに対して、当該画像ファイルのページに掲載された記事のテキストファイル(対応するテキストファイル)が関連付けられている。
また、目次用の文字列44の項には、記事毎(テキストファイル毎)に、後述する目次画面を表示する際に使用する目次用の文字列が記載されている。
画像ファイル群50は、データ作成装置10による処理を受けた画像ファイルを含んでいる。
テキストファイル群60は、データ作成装置10による処理を受けた記事ファイルを含んでいる。各記事ファイルには、対応する画像ファイルへのリンクが埋め込まれている。また、テキストファイル群60は、上述した通知用ファイルを含んでいてもよい。
管理ファイル70は、テキストファイル群60が含むテキストファイル(通知用ファイル含む)を表示するための順序を規定するテーブルである。
なお、図10は、図3に示す電子書籍データ110のうち、「テキストが存在しないページ」である6ページ目の画像ファイル(00006.jpg)と、その通知用ファイル(0000e.html)を示す図である。
〔3.端末装置〕
(3−1.端末装置の外観構成)
まず、端末装置20の外観の構成について、図6を参照して説明する。図6は、端末装置20の外観を示す図である。
図6に示すように、端末装置20は、電子書籍の紙面画像や記事テキストを表示するためのディスプレイ121を備える。ディスプレイ121はタッチパネルディスプレイとして構成されることが好ましい。
また、端末装置20は、送りボタン122、戻りボタン123、及びカーソル移動用のデバイス124を有する。送りボタン122と戻りボタン123は、画像モードにおいて、ディスプレイ121に表示されている紙面画像を次のページに送ったり、前のページに戻したりする際に操作される。また、送りボタン122と戻りボタン123は、テキストモードにおいて、記事テキストをスクロールしたり、前後の記事に表示を移したりする際にも操作される。デバイス124は、トラックポインタとして構成されることが好ましく、例えば十字キーであってもよいし、トラックボールであってもよい。
また、端末装置20は電源ボタン125を備えていてもよい。
(3−2.端末装置の内部構成)
次に、端末装置20の内部構成について、再び図2を参照して説明する。
図2に示すように、端末装置20は、制御部23、入力部22、記憶部24、表示部25及び通信部21を備えている。
制御部23は、プリプロセッサやメモリなどにより構成され、例えば記憶部24が記憶している制御プログラムに従って動作する。また具体的には、制御部23は後述する表示制御部26およびマーク表示部27として機能する。
表示制御部26は、電子書籍データのデータベース40や管理ファイル70を参照し、記憶部24に記憶された画像ファイルまたはテキストファイルを表示部25に出力する。
マーク表示部27は、電子書籍データのデータベース40を参照し、表示中の画像ファイルに対応するテキストファイルがある場合、記憶部24に記憶されたテキストマークを表示部25に表示する。
なお、制御部23が、入力部22から画像モード/テキストモードの切り替えに関する指示を受け取った場合、表示制御部26およびマーク表示部27は選択されたモードに応じて機能する。
入力部22は、送りボタン122、戻りボタン123、及びデバイス124や、ディスプレイ121のタッチパネル等によって構成され、ユーザにより入力された指示を制御部23に出力する。例えば、送りボタン122及び戻りボタン123の押下や、タッチパネル上のタップ操作などによって、入力部22は、ページをめくる(画面を遷移する)ための指示を受け付ける。また、タッチパネル上のタップ操作などによって、入力部22は、表示モードを切り替えるための指示を受け付ける。なお、本発明はこれに限られず、カーソルキー等によって構成されてもよい。
記憶部24は、RAMあるいはROMなどによって構成され、入力データ、一時データ及び処理データを保存するためのワークエリアを有す。例えば、記憶部24には、データ作成装置から提供された電子書籍データや、テキストがあることを表すマーク(テキストマークと称する)、及び、画像へ戻ることを示すマーク(以下、画像マークと称する)などが記憶される。
表示部25は、ディスプレイ121等により構成され、記憶部24に格納されたデータを表示する。
通信部21は、ネットワーク30を介して、データ作成装置10との間のデータの送受信を行うインターフェースである。例えば、データ作成装置10の通信部14から送信された電子書籍データを、端末装置20の通信部21が受信し、記憶部24に格納する。
(3−3.表示処理)
次に、端末装置20における電子書籍の表示処理について、図3、図7及び図8を参照して説明する。
なお、以下の説明では、データ作成装置10が上述のように作成した電子書籍データを、端末装置20が受信した後、すなわち、端末装置20の記憶部24に上記電子書籍データが記憶された後における端末装置20の処理について説明する。
図7及び図8は、端末装置20による画像ファイル及びテキストファイルの再生順を示す説明図であり、図7に示す矢印200、300は、図8に示す矢印200、300にそれぞれ続くものとする。また、図7及び図8では、上段に画像ファイルが表示された画面(画像モードの画面)を示しており、下段にテキストファイルが表示された画面(テキストモードの画面)を示している。
<画像モードの表示>
まず、端末装置20が、画像モードにおいて、電子書籍の1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)を表示する処理について説明する。
例えば、ユーザが記憶部24に記憶されている電子書籍データのうち、ある1冊の電子書籍データを選択する操作をしたとする。
入力部22がユーザによる電子書籍の表示指示を受け付け、制御部23に出力する。これに応じて、表示制御部26は、データベース40のナンバー41の先頭ナンバー(No.1)の行を参照し、当該行における画像ファイルへのパス42に基づいて、1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)を表示部25に出力する。また、マーク表示部27は、同様にNo.1の行を参照し、対応するテキストファイルへのパス43の項に情報が記述されているか否かを確認する。本実施形態では、記事1のテキストファイルへのパス(0000a.html)が記述されているため、マーク表示部27はテキストマークを表示部25に出力する。
表示部25は、1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)及びテキストマーク131をディスプレイ121に表示する。これによって、図7に示す画面201が表示される。上記処理によれば、ユーザはテキストマークの131の存在を確認することによって、テキストモードへの切換が可能か否かを知ることができる。
なお、上記説明では、先頭ページの表示について説明しているが、本発明はこれに限られず、例えば前回の閲覧情報が記憶されている場合には、前回の閲覧終了したページから表示を行ってもよい。
<画像モードにおける画面遷移>
次に、画像モードにおける画面遷移処理について説明する。画像モードにおいて、ユーザが送りボタン122のボタン操作や画面上のタップ操作を行うことによって、図7及び図8の矢印200が示す順に画面が遷移する。
以下では、図7に示す画面201が表示された状態、すなわち1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)が表示された状態において、ユーザがページをめくる操作を行った場合について説明する。
まず、入力部22がユーザ操作による画面遷移指示を受け付け、制御部23に出力する。これに応じて表示制御部26が、データベース40において、今まで参照していたナンバー(No.1)の次のナンバー(No.2)における画像ファイルへのパス42の項を参照する。本実施形態では、No.2の行の画像ファイルへのパス42の項には、2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)が記載されている。表示制御部26は、参照したパスに基づいて、画像ファイル群50から2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)を表示部25に出力する。
また、マーク表示部27は、同様にデータベース40におけるNo.2の行を参照し、対応するテキストファイルへのパス43の項に情報が記述されているか否かを確認する。本実施形態では、記事2のテキストファイル(0000b.html)へのパスが記述されているため、マーク表示部27はテキストマークを表示部25に出力する。
表示部25は、2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)及びテキストマーク131をディスプレイ121に表示する。これによって、1ページ目の紙面を表示する画面201から、2ページ面の紙面を表示する画面202へと画面が遷移し、電子書籍のページがめくられることになる。
なお、上記説明では、1ページ目から2ページ目への画面遷移を例として説明しているが、他のページからその次のページへの画面遷移についても同様の処理を行えばよい。
上記処理によれば、ユーザは電子書籍のページを順にめくることができる。また、ユーザはテキストマークの131の存在を確認することによって、テキストモードへの切り替えが可能か否かを知ることができる。
なお、ユーザが戻るボタン123の操作や画面上のタップ操作など、戻る操作を行うことによって、端末装置20は、図7及び図8における矢印200の逆の方向に画面を遷移させてもよい。例えば、あるページの画像ファイルが表示された状態において、戻る操作を受け付けた場合、端末装置20は、データベース40を参照することによって、前のページの画像ファイルを表示してもよい。
<テキストモードへの切り替え>
次に、画像モードからテキストモードへ切り替える際の画面遷移処理について説明する。
画像モードでは、ユーザがテキストマーク131をタップ操作することによって、それまで表示されていた紙面の画面から、当該紙面に掲載された記事のテキストを表示する画面(テキストモード)へと画面が遷移する。
(1)1ページに1つの記事が掲載されている場合
まず、図7に示す画面201が表示された状態、すなわち1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)が表示された状態において、ユーザがテキストモードへの切替操作を行った場合について説明する。なお、本実施形態における電子書籍の紙面構成上、1ページ目には記事1が掲載されている。
まず、入力部22が、ユーザ操作によるテキストモードへの切替指示を受け付け、制御部23に出力する。これに応じて表示制御部26が、データベース40において、今まで参照していたナンバー(No.1)の行における対応するテキストファイルへのパス43を参照する。本実施形態では、No.1の行の対応するテキストファイルへのパス43の項には、記事1のテキストファイル(0000a.html)が記載されている。表示制御部26は、参照したパスに基づいて、テキストファイル群60から記事1のテキストファイル(0000a.html)を表示部25に出力する。表示部25は、記事1のテキストファイル(0000a.html)をディスプレイ121に表示する。これによって、画像モードにおいて1ページ目の紙面を表示する画面201から、テキストモードにおいて記事1のテキストを表示する画面301へと画面が遷移することになる。
なお、画面301では、ディスプレイ121の大きさと読み易いテキストサイズとの関係上、記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータが一度に全て表示されていない。この場合、表示部25は、後述するように、記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータを順に表示するように画面を遷移すればよい。
以上の処理は、他のページの画像ファイルが表示されている状態において、ユーザがテキストモードへの切替操作を行った場合においても同様である。
(2)1ページに複数の記事が掲載されている場合
次に、図7に示す画面202が表示された状態、すなわち2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)が表示された状態において、ユーザがテキストモードへの切替操作を行った場合について説明する。なお、本実施形態における電子書籍の紙面構成上、2ページ目には記事2及び記事3が掲載されている。
入力部22が、ユーザ操作によるテキストモードへの切替指示を受け付け、制御部23に出力する。これに応じて表示制御部26は、データベース40において、今まで参照していたナンバー(No.2)の行における対応するテキストファイルへのパス43を参照する。
ここで、図3に示すデータベース40を見れば分かる通り、No.2の行における対応するテキストファイルへのパス43の項には、記事2のテキストファイル(0000b.html)のみが記載されている。
よって、表示制御部26は、参照したパスに基づいて、テキストファイル群60から記事2のテキストファイル(0000b.html)を表示部25に出力する。表示部25は、記事2のテキストファイル(0000b.html)をディスプレイ121に表示する。これによって、画像モードにおいて2ページ目の紙面を表示する画面202から、テキストモードにおいて記事2のテキストを表示する画面303へと画面が遷移する。
(3)1つの記事が複数のページにまたがって掲載されている場合
次に、図8に示す画面203、画面204、または画面205のいずれの画面が表示された状態、すなわち、3〜5ページ目の画像ファイル(00003.jpg〜00005.jpg)のいずれが表示された状態において、ユーザがテキストモードへの切替操作を行った場合について説明する。なお、本実施形態における電子書籍の紙面構成上、3〜5ページ目には記事4がまたがって掲載されている。
入力部22が、ユーザ操作によるテキストモードへの切替指示を受け付け、制御部23に出力する。これに応じて、表示制御部26は、データベース40において、今まで参照していたナンバー(No.3、4、または5)の行における対応するテキストファイルへのパス43を参照する。
ここで、図3のデータベース40を見れば分かる通り、No.3〜5の行における対応するテキストファイルへのパス43の項には、記事4のテキストファイル(0000d.html)がそれぞれ記載されている。
よって、表示制御部26は、参照したパスに基づいて、テキストファイル群60から記事4のテキストファイル(0000d.html)を表示部25に出力する。表示部25は、記事4のテキストファイル(0000d.html)をディスプレイ121に表示する。これによって、画像モードにおいて3〜5ページ目の紙面を表示する画面203、画面204、または画面205のいずれの画面からでも、テキストモードにおいて記事4のテキストを表示する画面305へと画面が遷移する。
なお、表示制御部26は、テキストファイルに対応するファイルが存在する場合には、画像へ戻ることを示すマーク(画像マーク)を共に表示部25に出力してもよい。
上記処理によれば、画像モードからテキストモードに切り替えた際、記事単位でテキストが表示されるため、ユーザは、記事の区切りが判別し易い。また、テキストモードにおいて表示されるテキストは、記事毎に連続した文章であるため、ユーザは記事を容易に読むことができる。
<テキストモードにおける画面遷移>
次に、テキストモードにおける画面遷移処理について説明する。テキストモードにおいて、ユーザが送りボタン122のボタン操作や画面上のタップ操作を行うことによって、図7及び図8の矢印300が示す順に画面が遷移する。
まず、1記事内における画面の遷移について説明する。
例えば、図7に示す画面301では、ディスプレイ121の大きさと読み易いテキストサイズとの関係上、記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータが一度に全て表示されていない。画面302が表示された状態において、入力部22がユーザによる画面遷移指示を受け付けると、表示部25が記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータを順に表示する。このとき、画面全体が切り替えられてもよいし、テキストがスクロールしてもよい。このような処理によれば、最終的には、記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータの最後の部分が表示される。すなわち、図7に示すように、記事1のテキストの最初を表示する画面301は、記事1のテキストの最後を表示する画面302に遷移する。
次に、ある記事のテキストを表示する画面から次の記事のテキストを表示する画面への画面遷移について説明する。
例えば、図7に示す画面301が表示された状態、すなわち記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータが最後まで表示された状態において、入力部22が、ユーザによる画面遷移指示を受け付ける。入力部22が画面遷移指示を制御部23に出力すると、これに応じて表示制御部26が、管理ファイル70において、今まで表示していたテキストファイル(0000a.html)の次の行におけるテキストファイルへのパス(0000b.html)を参照する。表示制御部26は、参照したパスに基づいて、テキストファイル群60から記事2のテキストファイル(0000b.html)を表示部25に出力する。表示部25は、記事2のテキストファイル(0000b.html)をディスプレイ121に表示する。これによって、記事1のテキストを表示する画面302から、記事2のテキストを表示する画面303へと画面が遷移する。
テキストモードでは、以上のような処理が繰り返されることによって、矢印300に示す順に画面が遷移する。
なお、ユーザが戻るボタン123の操作や画面上のタップ操作など、戻る操作を行うことによって、端末装置20は、図7及び図8における矢印300の逆の方向に画面を遷移させてもよい。例えば、ある記事のテキストファイルの最初部分が表示された状態において、戻る操作を受け付けた場合、端末装置20は、管理ファイル70を参照することによって、前の記事のテキストファイルを表示してもよい。
<画像モードへの切り替え>
次に、テキストモードから画像モードへ切り替える際の処理について説明する。
上述したように、データ作成装置10によって、各テキストファイルのデータの最初と最後には、当該テキストファイルに対応する画像ファイルへのリンクが記述されている。よって、ディスプレイ121には、記事テキストよりも前と後ろのそれぞれの位置にリンク文字列(例えば図7の画面301における「記事画像へ」なる文字列)が表示される。ユーザが当該リンク文字列をタップ操作することによって、入力部22がリンクファイルへのジャンプ指示を受け付け、制御部23に出力する。制御部23による制御を受けて、表示部25は「対応する画像ファイル」を表示する。
なお、ユーザがリンク文字列を指定すると、対応するファイルが表示されるというリンク技術の具体的な処理内容については、従来技術を利用することが可能であるため、詳細な説明を省略する。
以下では、データ作成装置10により記述されたリンクデータに基づいて、画面がどのように遷移するかについて説明する。
例えば、記事1のテキストファイル(0000a.html)のデータの最初と最後には、1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)のリンクが記述されている。よって、記事1を示す画面301または画面302は、1ページ目の紙面を表示する画面201に遷移することができる。
同様に、記事2のテキストファイル(0000b.html)及び記事3のテキストファイル(0000c.html)の各々には、データの最初と最後に、2ページ目の画像ファイル(00002.jpg)のリンクが記述されている。よって、記事2のテキストを表示する画面303または記事3のテキストを表示する画面304は、2ページ目の紙面を表示する画面202に遷移することができる。
一方、記事4のテキストファイル(0000d.html)のデータの最初には、記事4の最初が掲載された紙面である3ページ目の画像ファイル(00003.jpg)のリンクが記述されている。また、記事4のテキストファイル(0000d.html))のデータの最後には、記事4の最後が掲載された紙面である5ページ目の画像ファイル(00005.jpg)のリンクが記述されている。よって、記事4のテキストを表示する画面305は、先頭のリンクから3ページ目の紙面を表示する画面203に遷移することができ、最後のリンクから5ページ目の紙面を表示する画面205に遷移することができる。
以上の処理によれば、端末装置1は、ユーザの感覚に合わせて、テキストモードから画像モードへの切り替えを行うことができる。
なお、本発明は上述の処理に限定されず、端末装置20は、画像モードからテキストモードへ切り替えられる際のジャンプ履歴を有していてもよい。例えば、テキストモードに切り替えられた後に戻るボタン123が操作された場合、端末装置20は、どの記事テキストを表示していても、上記ジャンプ履歴を参照することによってジャンプ元のページに表示を戻す処理を行ってもよい。
(3−3.目次からの表示処理)
次に、目次画面から画像ファイルを表示する際の画面遷移処理について図3及び図9を参照して説明する。図9は、目次画面401からの画面遷移を説明するための図である。
表示制御部26は、図3に示す電子書籍データ110のデータベース40における目次用の文字列44を参照することによって、目次画面401を生成することができる。表示制御部26は、生成した目次画面401を表示部25に出力する。
表示部25が目次画面401を表示した状態において、ユーザが所望の目次を選択すると、ユーザによる目次選択情報が入力部22に入力される。これに応じて、表示制御部26は、データベース40から選択目次情報に対応する画像ファイルを参照し、表示部25に出力する。これによって表示部25は、ユーザが選択した目次に対応する記事が掲載されたページの画像ファイルを表示する。
例えば、目次画面401において、ユーザにより「行楽地の天気」(記事1)が選択された場合、表示制御部26はこの文字列と同行のテキストファイル(0000a.html)が対応する画像ファイル(00001.jpg)を参照する。これによって、記事1が掲載された1ページ目の紙面を表示する画面201が表示される。
また、目次画面401において、ユーザにより「今日の運勢」が選択された場合、表示制御部26はこの文字列と同行のテキストファイル(0000b.html)が対応する画像ファイル(00002.jpg)を参照する。一方、目次画面401において、ユーザにより「週末の天気」が選択された場合、表示制御部26は、この文字列と同行のテキストファイル(0000c.html)が対応する画像ファイル(00002.jpg)を参照する。いずれの場合にも、記事2及び記事3が掲載された2ページ目の紙面を表示する画面203が表示される。すなわち、1ページに複数の記事が掲載されている場合には、いずれの記事の目次が選択された場合であっても、同じページの画像ファイルが表示される。
また、目次画面401において、ユーザにより「今週の特集」が選択された場合、表示制御部26はこの文字列と同行のテキストファイル(0000d.html)が対応する画像ファイル(00003.jpg)を参照する。これによって、記事4が掲載された最初のページである3ページ目の紙面を表示する画面203が表示される。すなわち、1の記事が複数のページにわたって掲載されている場合には、当該記事の目次が選択されると、当該記事が掲載された最初のページの画像ファイルが表示される。
以上の処理によれば、ユーザは、目次画面から、所望の記事を簡単に見ることができる。
(3−4.テキストなし記事)
次に、本実施形態における電子書籍が含む「テキストが存在しないページ」を表示する際の処理について図10及び図11を参照して説明する。図11は、端末装置20による画像ファイル及びテキストファイルの再生順を示す説明図である。なお、以下の説明では、本実施形態における電子書籍の6ページ目に、テキストが存在しない記事5が掲載されているものとする。
図11の矢印200に示すように、ページ5の紙面を表示する画面205からページ6の紙面を表示する画面206へ画面を遷移する際の処理は、上述した処理とほぼ同様である。
例えば、画面206への遷移処理の際、表示制御部26が、データベース40において、No.6の行における画像ファイルへのパスへの項を参照することによって、6ページ目の画像ファイル(00006.jpg)を表示部25に出力する。
また、マーク表示部27は、データベース40において、No.6の行におけるテキストファイルへのパス43の項を参照する。ただし、ここでは、No.6の行におけるテキストファイルへのパス43の項に「NULL」と記述されているため、マーク表示部27はテキストマーク131を表示部25に出力しない。すなわち、画面206にはテキストマーク131が表示されないため、ユーザに対してテキストモードへの切り替えができないことを知らせることができる。
仮に、テキストマーク131ではなく、他のボタンによってテキストモードへの切り替え操作ができる場合、画面206が表示された状態において、ユーザがテキストモードへの切り替え操作を行ったとする。このとき、図10に示すように、No.6の行におけるテキストファイルへのパス43の項には「NULL」と記述されているため、表示制御部26がテキストファイルを出力することはなく、テキストモードへの切り替えは行われない。
また、図11の矢印300に示すように、記事4のテキストを表示する画面307から記事5のテキストを表示する画面307へ画面を遷移する際の処理についても、上述した処理とほぼ同様である。
例えば、表示制御部26は、画面307への画面遷移処理の際、管理ファイル70において、今まで表示していたテキストファイル(0000d.html)の次のファイル(0000e.html)のパスを参照する。表示制御部26は、参照したパスに基づいて、テキストファイル群60から通知用ファイル(0000e.html)を表示部25に出力する。表示部25は、通知用ファイル(0000e.html)をディスプレイ121に表示する。
ここで、通知用ファイル(0000e.html)は、上述したように、データ作成装置10によって作成されたファイルであって、テキストが存在しない記事のみが掲載されたページをユーザに通知する情報である。
これによって、図11に示すように、記事4のテキストを表示する画面307から、記事にテキストが存在しないことを通知する画面308へと画面が遷移する。
なお、通知用ファイル(0000e.html)は、6ページ目の画像ファイル(00006.jpg)のサムネイルを含んでいてもよい。
以上の処理によれば、ユーザはテキストモードで記事を読み進めた場合においても、画面308を見ることによって、テキストがない記事のみが掲載されたページの存在に気づくことができる。
〔4.変形例〕
(4−1.クリックカブルマップ)
電子書籍の紙面構成上、1ページに複数の記事が掲載されている場合、画像モードからテキストモードへ切り替えるために、クリッカブルマップの手法を用いてもよい。
以下では、記事2及び記事3が掲載された2ページ目の紙面を例として図12を参照して説明する。図12は、端末装置20による画像ファイル及びテキストファイルの再生順の変形例を示す説明図である。
データ作成装置10において、データ作成部15は、記事2及び記事3のそれぞれの位置及び範囲を示す領域情報を取得し、これらを記事2のテキストファイル(0000b.html)及び記事3のテキストファイル(0000c.html)とそれぞれ関連付けたリンク情報を作成する。また、データ作成部15は、作成したリンク情報を電子書籍データ110に組み入れて出力する。
端末装置20では、表示制御部26が、上記リンク情報を参照することによって、画像モードからテキストモードへ切り替える画面遷移処理を行う。具体的には、図12に示すように、ユーザが記事2を選択する操作をおこなった場合、表示制御部26は上記リンク情報を参照することによって、記事2のテキストファイル(0000b.html)を表示部25に出力する。また、ユーザが記事3を選択する操作をおこなった場合、表示制御部26は上記リンク情報を参照することによって、記事3のテキストファイル(0000c.html)を表示部25に出力する。
以上の処理によれば、端末装置20は、1ページに複数の記事が掲載されている場合であっても、画像モードからテキストモードへ切り替えた際、ユーザ所望の記事のテキストのみを表示させることができる。よって、以上の処理によれば、端末装置1は、よりユーザの感覚に合わせて、テキストモードから画像モードへの切り替えを行うことができる。
(4−2.空白ページ処理)
データ作成装置10は、端末装置20が見開きページを表示する際、ユーザに見やすい表示を可能にするように、電子書籍データを作成してもよい。なお、「見開きページを表示する」とは、画面上に、一度に2ページ分の画像ファイルを表示することを意味する。
具体的には、データ作成装置10のデータ作成部15は、電子書籍データ110を作成する際、関連付けファイル80に対して空欄の行を挿入し、データベース40を作成する。また、データ作成部15は、入力された画像ファイル群50aに対して、記憶部13に格納された「白ページ用の画像ファイル(白ページ用.jpg)」(空白紙面データ)を追加して、画像ファイル群50を作成する。
例えば、データ作成部15は、関連付けファイル80の「対応するテキストファイルへのパス」の項43において、互いに同じパスであるテキストファイルへのパスの数が奇数である場合、当該テキストファイルへのパスが記載された行の下側に空欄の行を挿入する。これによって、端末装置20は、互いに異なる記事が掲載されたページの画像ファイルを見開きページで一度に表示しないようにすることができる。
なお、データ作成装置10において、データ作成部15がデータベース40に空欄の行を作成する基準については、上述した例に限定されず、他の任意の基準に従ってもよい。すなわち、データベース40は、端末装置20による見開きページを、他の任意の基準によって調節するものであってもよい。
また、本発明はデータ作成装置10がデータベース40に空欄の行を作成することに限定されない。すなわち、出版社等から提供される関連付けファイル80には予め空欄の行が挿入されており、関連付けファイル80における空欄の行がそのままデータベース40に反映されもよい。
次に、端末装置20における空白ページの表示処理について説明する。端末装置20は、データベース40において「画像ファイルへのパス」が空欄であり、かつ「対応するテキストファイルへのパス」が空欄になっているナンバーを参照した場合、画像ファイル群50に含まれた白ページ用の画像ファイル(白ページ用.jpg)を表示する。
なお、以下の説明において、端末装置20は、ユーザに縦持ちされている場合には1ページ分の画像ファイルを表示し、横持ちされている場合には2ページ分の画像ファイルを表示するものとする。また、以下の説明では、図13に示す電子書籍データ110が端末装置20に入力された場合の画面遷移処理について説明する。図13は、電子書籍データ110の変形例を示す図である。なお、図13では、テキストファイル群60等の図示を省略している。
例えば、端末装置20がユーザに縦持ちされており、1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)を表示している場合において、入力部22がユーザ操作による画面遷移指示を受け付けたとする。これに応じて、表示制御部26は、データベース40において今まで参照していたナンバー(No.1)の次のナンバー(No.2)の画像ファイルへのパス42の項を参照する。図13に示すデータベース40では、No.2の行の画像ファイルへのパス42の項及び対応するテキストファイルへのパス43の項は空欄である。このため、表示制御部26は、画像ファイル群50から白ページ用画像ファイル(白ページ用.jpg)を表示部25に出力する。これによって、表示部25は、白ページ用画像ファイル(空白ページ)をディスプレイ121に表示する。上述の処理によって、端末装置20は、図14(a)に示す画面201から図14(b)に示す画面206に遷移することができる。
なお、端末装置20がユーザに縦持ちされている場合、端末装置20は空白ページを表示せず、当該空白ページの次のページ(空白ページではないページ)の表示に進んでもよい。
また、図14(a)の画面201が表示されている状態において、ユーザが端末装置20を縦持ちから横持ちに持ち変えることにより、入力部22が見開き表示指示を受け付けたとする。これに応じて、表示制御部26は、データベース40において今まで参照していたナンバー(No.1)及び次のナンバー(No.2)の各々における画像ファイルへのパス42の項及び対応するテキストファイルへのパス43の項を参照する。これによって、表示制御部26は、画像ファイル群50から1ページ目の画像ファイル(00001.jpg)と白ページ用画像ファイル(白ページ用.jpg)とを表示部25に出力する。これによって、表示部25は、1ページ目の画像ファイル及び白ページ用画像ファイルを、例えば画面上に左右に並べて表示することができる。
以上の処理によって、端末装置20は、見開きページにおいて、同じ記事の画像ファイルを一度に表示し、異なる記事の画像ファイルについては一度に表示しないようにすることができる。
なお、白ページ用画像ファイルとは、白色のページを示すファイルであることに限定されず、情報が何もないことを表現できるページの画像ファイルであればよい。また、表示制御部26は、データベース40において画像ファイルへのパス及び対応するテキストファイルへのパスが記載されていないナンバーを参照した場合、白ページ用画像ファイルを出力することに限られず、データを何ら出力しない処理を行っても良い。
(4−3.テキストマークの設定について)
上述の説明では、対応するテキストが存在する画像ファイルを表示しているとき、テキストマーク131を常に一緒に表示しているが、本発明はこれに限られず、テキストマーク131を表示するか否かのON/OFF設定が可能である。端末装置20において、テキストマーク131の表示がONになるよう設定された場合、マーク表示部27は、対応するテキストが存在する画像ファイルを表示しているときに、テキストマーク131を一緒に表示する。一方、OFFに設定された場合には、いずれの画像ファイルを表示しているときであってもテキストマーク131を表示しない。
また、端末装置20において、表示制御部26は画像ファイルを拡大して表示してもよいが、この場合においても、マーク表示部27はテキストマーク131を変わらない位置に表示することが好ましい。また表示制御部26が見開きページを表示した場合、マーク表示部27は、各ページに対応して、それぞれテキストマーク131を表示することが好ましい。
(4−4.画面に表示するボタンについて)
データ作成装置10において、データ作成部15は、電子書籍データ110を作成する際、端末装置20の画面に表示させるように設定した背景や操作用ボタン(リンク付きボタン画像)に関する情報を、電子書籍データ110に加えてもよい。例えば、操作用ボタンとして、表示モードを切り替えるためのボタンや、表示される記事又は画面を切り替えるためのボタンなどが挙げられる。以下では、テキストモードから画像モードに切り替えるための切替ボタンに関する情報を電子書籍データ110に加えた場合ついて説明する。
端末装置20では、マーク表示部27が、電子書籍データ110に含まれる切替ボタンに関する情報に基づいて、切替ボタンを画面に表示させることができる。これによって、図15に示すような画面401が表示される。画面401には、記事テキストが表示される記事領域140の下側に、テキストファイルから画像ファイルへジャンプするための切替ボタン142が配置される。すなわち、本変形例によれば、テキストモードにおける画面上には、常に、切替ボタン142が表示される。端末装置20は、ユーザによる切替ボタン142の押下操作を受けて、テキストモードから画像モードへの切り替えを行うことができる。
ここで、上述した「3−3.表示処理」の説明において、テキストモードから画像モードへ切り替えは、ユーザが記事テキストの前後に配置されたリンク文字(例えば図7の画面301における「記事画像へ」なる文字列)を押下することによって行われている。この方法では、画面に記事テキストの途中が表示されているときにはリンク文字が表示されない可能性があり、この場合、ユーザが画像モードへの切り替え操作を行うためには、まずリンク文字が表示されるまで画面を遷移させなければならない。
一方、本変形例によれば、画面に記事テキストのどの部分が表示されているかに関わらず、ユーザは、画面上の切替ボタン142を押下することによって、画像モードへ切り替えを好きな時に行うことができる。
また、端末装置20では、マーク表示部27が、電子書籍データ110に含まれる設定情報に基づいて、次の記事に移動するためのボタン141や、前の記事に移動するためのボタン143を表示してもよい。端末装置20は、ユーザによるボタン141または143の押下操作を受けて、画面に表示する記事を記事単位で切り替えることができる。
なお、端末装置20における画像モードへの切り替えや、表示する記事の切り替えについての具体的な方法は上述の説明と同様であるため省略する。
また、画面に表示される各種ボタンの設定は、図15に示すものに限られない。データ作成装置10は、画面におけるボタンの位置やデザイン、または画面の背景について任意に設定可能である。例えば、データ作成装置10は、操作用のボタンに関して、縦画面用の情報および横画面用の情報を電子書籍データ110に加えてもよい。端末装置20において、マーク表示部27は、当該情報に基づき、保持される方向に応じて図15に示す画面401と、図16に示す画面402とを切り替えて表示してもよい。
(4−5.ドッグイヤーについて)
本実施形地において、端末装置20は、画像モードにおいて、ユーザによるタッチパネル上の「めくり操作」を受け付けることによって、ページをめくる処理をおこなってもよい。「めくり操作」とは、例えば、ユーザの指をタッチパネルに接触させた後に、そのまま任意の方向に素早く弾くようにする動作による操作である。ここで、ページをめくる処理が、先のページを表示するものであるか、前のページを表示するものであるかは、ユーザによる「めくり操作」の方向に従う。例えば、電子書籍が「右綴じ」の書籍として構成されていれば、左から右に向かう方向に弾く操作(左側のめくり操作)よって後のページが表示され、右から左に向かう方向に弾く操作(右側のめくり操作)によって前のページが表示される。逆に、電子書籍が「左綴じ」の書籍として構成されていれば、左側のめくり操作によって前のページが表示され、右側のめくり操作によって後のページが表示される。
一般的に、電子書籍では、紙書籍とは異なり、ページをめくる向きが一目で判断しにくい。そこで、本実施形態では、端末装置20の表示する画面において、後ろのページを表示するための「めくられる側」には、ドッグイヤー(めくりマーク)が配置されることが好ましい。ドッグイヤーは、電子書籍が右綴じの場合には画面の左下に配置され、左綴じの場合には画面の右下に配置される。図17に示す例では、ドッグイヤー144が画面403の左下に配置されているため、電子書籍が右綴じであり、ユーザが左側のめくり操作を行うと後ろのページが表示される。
具体的な処理については以下の通りである。
まず、出版社等の外部サーバから供給される電子書籍用の元データが、画像ファイルやテキストファイル等の他に、その電子書籍が「右綴じ」か「左綴じ」かの綴じ情報を含むものをとする。電子書籍用の元データを入力されたデータ作成装置10では、データ作成部15が、元データに含まれる綴じ情報に基づいて、画面の右下または左下に配置されるドッグイヤーの情報を電子書籍データ110に加える。端末装置20では、マーク表示部27が、電子書籍データ110に含まれるドッグイヤーの情報に基づいて、画面上にドッグイヤーを表示する。
なお、電子書籍の綴じ情報には、データ作成装置10が対応するのではなく、端末装置20が対応してもよい。すなわち、電子書籍用の元データに含まれた綴じ情報は、そのまま電子書籍データに含まれて端末装置20に入力される。端末装置20では、マーク表示部27が、電子書籍データに含まれる綴じ情報に従って画面にドッグイヤーを表示させる。
なお、画面におけるドッグイヤーの表示位置は、右下または左下であることに限定されず、ユーザに適切なめくり操作の方向を示すことが可能な位置であればよい。また、ドッグイヤーの形状は図17に示すものに限定されず、任意に設定可能である。
(4−6.その他)
なお、本実施形態において説明した電子書籍の紙面構成は例示的なものであり、何ら限定を示すものではない。本発明は、複数の紙面から成り、かつ複数の記事が掲載された構成の電子書籍を扱う場合において好適に利用することが可能である。
また、本実施形態において、端末装置20は、データ作成装置10が有するデータ作成機能を兼ね備えてもよい。具体的には、端末装置20は、データ取得部11及びデータ作成部15を備えることによって、電子書籍データを自らが作成し、管理してもよい。
〔5.プログラム及び記録媒体〕
最後に、電子書籍システム100の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、電子書籍システム100は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子書籍システム100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電子書籍システム100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、電子書籍システム100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。