JP5537923B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに係るものである。
従来、背凭シートの傾斜角度を調節するリクライニング機構は、背凭側ブラケットの外側に座席側ブラケットを位置させ、背凭側ブラケットと座席側ブラケットの間にリクライニング機構を設け、座席側ブラケットの外側にリクライニング機構がアンロック状態になると背凭シートを前方回動するように付勢するバネを設けた構成であり、このような車両用シートは公知である(特許文献1)。
特開2008−44559号公報
前記公知例は、リクライニング機構の係合ギヤを背凭側ブラケットと座席側ブラケットの一方に、リクライニング機構のロック部材を背凭側ブラケットと座席側ブラケットの他方に夫々取付ける必要から、背凭側ブラケットと座席側ブラケットの間にリクライニング機構を配置するが、別途、背凭側ブラケットと座席側ブラケットとの両者に取付ける背凭シートを前方回動させるバネを設けるスペースはなく、座席側ブラケットの外側に設けてた。
そのため、公知例では、バネが座席側ブラケットの外面側に位置して、表皮等の他の構成部材との接触等の干渉が生じ、作動が不安定になる虞があるという課題がある。
また、バネを座席側ブラケットの外面側に設けているので、リクライニング機構を設ける設置スペースの左右幅が大きくなるという課題がある。
そこで、本願は、バネの取付を工夫し、バネと他の部材との干渉を避けると共に、リクライニング機構の取付部分の左右幅を小さくしたものである。
請求項1の発明は、座席シート2に背凭シート3をリクライニング機構4を介して回動中心軸12中心に回動自在で傾斜角度調節自在に取付け、前記リクライニング機構4は係合ギヤ22に係脱するロック部材24を有して構成し、前記座席シート2と前記背凭シート3との間には前記リクライニング機構4がアンロック状態になると前記背凭シート3を前方回動させるように付勢するバネ40を設け、該バネ40は、中心に一巻き以上渦巻く渦巻き部41を有して形成し、渦巻き部41の一端の背凭側係合部43は前記背凭シート3の背凭側ブラケット10の背凭側係止体42に係止し、前記渦巻き部41の他端の座席側係合部48は前記座席シート2の座席側ブラケット11の座席側係止体47に係止し、前記リクライニング機構4は、前記背凭側ブラケット10の縦板部44と前記座席側ブラケット11の縦板部49との間に設け、前記バネ40の渦巻き部41はその軸心方向を回動中心軸12の軸心方向と略平行にし、前記バネ40の渦巻き部41と前記リクライニング機構4とは前記渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成とし、前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と前記背凭側係合部43が係合する係止部46により正面視L型形状に形成すると共に、前記リクライニング機構4の軸心に対する放射方向外側であってリクライニング機構4よりも上側の前記背凭側ブラケット10の部位に取付け、前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の外面に取付ける取付部50と前記座席側係合部48が係合する係止部51により正面視逆さL型形状に形成すると共に、前記座席側係止体47は、前記リクライニング機構4のケースの軸心に対する放射方向外側であってリクライニング機構4よりも下側の前記座席側ブラケット11の部位の車幅方向の内面側に取付け、もって、座席側係止体47をリクライニング機構4の下面と座席側ブラケット11の内面とに包囲された空間内に配置することにより、前記バネ40は前記背凭側ブラケット10の縦板部44と前記座席側ブラケット11の縦板部49との間のリクライニング機構4の外周に配置させ、前記背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11の夫々の縦板部44、49に固定した取付部45,50の固定部位と前記背凭側係合部43および座席側係合部48の夫々に係合する係止部46、51との間のリクライニング機構4の軸心に対する放射方向に所定の間隔を設け、前記背凭側係合部43と座席側係合部48の間の渦巻き部41の下側の部位は、前記座席側係止体47の前記取付部50の座席側ブラケット11に固定した固定部位と前記座席側係止体47の係止部51との間の間隔内に配置した車両用シートとしたものである。
請求項2の発明は、前記座席側係止体47の前記取付部50の固定部位と前記バネ40の座席側係合部48とは、前記リクライニング機構4の軸心に対する放射方向に直線状に配置した車両用シートとしたものである。
請求項3の発明は、前記渦巻き部41の下面側よりも下方の座席側係止体47の取付部50の固定部位は、該取付部50の内面よりも内側に突出させた突出部に形成した車両用シートとしたものである。
請求項4の発明は、前記座席側係合部48は、渦巻き部41の端部を上側に屈曲させて、座席側係止体47の係止部51とリクライニング機構4の下面との間に配置した車両用シートとしたものである。
請求項5の発明は、前記バネ40の渦巻き部41の軸心方向の幅と前記リクライニング機構4の前記渦巻き部41の軸心方向の厚さとは、前記渦巻き部41の幅より前記リクライニング機構4の厚さを厚くし、前記リクライニング機構4は、正円形の内周面に係合ギヤ22を形成したケース内に、前記係合ギヤ22に係合離脱するロック部材24を設けて構成した車両用シートとしたものである。
請求項6の発明は、前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と前記背凭側係合部43が係合する係止部46によりL型形状に形成し、前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に取付ける取付部50と座席側係合部48が係合する係止部51により正面視逆さL型形状に形成し、前記背凭側係止体42の係止部46は外側に突出し、前記座席側係止体47の係止部51は内側に突出し、前記係止部46と前記係止部51は前記リクライニング機構4を挟んで対峙する構成とし、前記バネ40の背凭側係合部43は、渦巻き部41の上部外周に形成し、バネ40の座席側係合部48は回動中心軸12の軸心を挟んで前記背凭側係合部43と略対峙した渦巻き部41の下部内周に形成した車両用シートとしたものである。
請求項7の発明は、前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と前記背凭側係合部43が係合する係止部46により形成し、前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に取付ける取付部50と座席側係合部48が係合する係止部51により形成し、前記背凭側係止体42は係止部46に対して取付部45を上側に位置させて背凭側ブラケット10の縦板部44に固定し、前記座席側係止体47は係止部51に対して取付部50を下側に位置させて座席側ブラケット11の縦板部49に固定した車両用シートとしたものである。
請求項1の発明では、リクライニング機構4およびバネ40の取付部分の左右幅を小さくでき、また、バネ40を座席側ブラケット11の内面側に位置させることができて、表皮等の他の構成部材との接触等の干渉を避けられ、作動の確実性を向上させることができる。
請求項2の発明では、座席側係止体47の前記取付部50の固定部位と前記バネ40の座席側係合部48とは、前記リクライニング機構4の軸心に対する放射方向の同一線上に配置しているので、座席側係合部48に掛かる荷重を座席側係止体47が効率よく支持でき、作動の確実性を向上させることができる。
請求項3の発明では、渦巻き部41の下面側よりも下方の座席側係止体47の取付部50の固定部位は、該取付部50の内面よりも内側に突出させた突出部に形成しているので、突出部により渦巻き部41の位置決めが容易となり、組立を容易にすることができる。
請求項4の発明では、座席側係合部48は、渦巻き部41の端部を上側に屈曲させて、座席側係止体47の係止部51とリクライニング機構4の下面との間に配置しているので、座席側係合部48と渦巻き部41との干渉を防止でき、作動の確実性を向上させることができる。
請求項の発明では、渦巻き部41の幅よりリクライニング機構4の厚さを厚くしているので、渦巻き部41の周縁が背凭側ブラケット10の外面と座席側ブラケット11の内面とに接触せず、バネ40を座席側ブラケット11の内面側に位置させる構成でありながら作動の確実性を担保できると共に、バネ40の渦巻き部41とリクライニング機構4とが互いに重なる部分を大きくでき、一層、リクライニング機構4およびバネ40の取付部分の左右幅を小さくできる。
請求項の発明では、背凭側係止体42の係止部46と座席側係止体47の係止部51との間にリクライニング機構4およびバネ40を配置でき、バネ40を座席側ブラケット11の内面側に位置させることができてリクライニング機構4の取付部分の左右幅を小さくできると共に、バネ40の背凭側係合部43と座席側係合部48とを上下に配置しているので、係止部46と係止部51とを左右方向で互いに重ねられ、リクライニング機構4の取付スペースを小さくする。
請求項の発明では、バネ40の渦巻き部41の上方に背凭側係止体42を位置させることができ、渦巻き部41の下方に座席側係止体47を位置させることができ、取付部45および取付部50がバネ40の渦巻き部41と重ならず、回動中心軸12の軸心方向のリクライニング機構4の取付スペースを小さくする。
車両用シートの概略側面図。 リクライニング機構の取付概略状態斜視図。 リクライニング機構の分解斜視図。 同アンロック状態側面図。 同アンロック状態側面図。 リクライニング機構取付部分の概略側面図。 同断面図。 他の実施例の断面図。
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は車両用シートであり、車両用シート1は、座席シート2に背凭シート3をリクライニング機構4を介して前後方向に傾斜角度調節自在に取付ける(理解を容易にするため、前後または左右あるいは内外や正面・背面等の方向を示して説明するが、これにより構成は限定されない)。5はスライドレールである。
背凭シート3には背凭側ブラケット10を設け、背凭側ブラケット10には前記座席シート2側に設けた座席側ブラケット11を回動中心軸12により回動自在に取付ける。13は前記回動中心軸12を挿通する背凭側ブラケット10の透孔、14は前記回動中心軸12を挿通する座席側ブラケット11の透孔である。
背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11との間に前記リクライニング機構4を設ける。リクライニング機構4の構成は任意であり、一例を示すと、一方側ケース20の内周面には係合ギヤ22を形成し、一方側ケース20内に前記係合ギヤ22に係合離脱するロックギヤ部23を有する摺動ロック部材24を設ける。
ロック部材24は他方側ケース25の摺動溝26内を摺動して係合ギヤ22に対して遠近移動し、係合ギヤ22に係合するロック状態と係合ギヤ22から離脱したアンロック状態に切り替わる。
他方側ケース25には内側に膨出する膨出部27,27を形成する。前後(図4では左右)に対峙する膨出部27と膨出部27との間に前記摺動溝26を形成する。
前記ロック部材24は上下一対設け、各ロック部材24の回動中心軸12側にはカム面28を形成する。各ロック部材24のカム面28にはカム体29の両端を当接させる。カム体29は回動中心軸12に固定状態に取付ける。
即ち、リクライニング機構4は、ロック部材24を一方側ケース20を他方側ケース25と他方側ガイド部材30とにより挟持し、一方側ケース20と他方側ケース25の何れかの内周面の係合ギヤ22に係合離脱する構成とすればよい。
リクライニング機構4は、リクライニング用操作レバー31により回動中心軸12の回転操作すると、回動中心軸12がカム体29を回転させ、カム体29はロック部材24のカム面28に当接し、ロック部材24は膨出部27,27の間の摺動溝26内を係合ギヤ22から離れる方向に摺動してリクライニング機構4をアンロックにし、背凭シート3の傾斜角度を調節し、リクライニング用操作レバー31を離すと、バネ21によりカム体29をロック方向に回動させ、摺動溝26内をロック部材24が摺動し、係合ギヤ22にロック部材24のロックギヤ部ロックギヤ部23が係合してリクライニング機構4をロックする。
なお、リクライニング用操作レバー31の操作によりカム体29を回転させる構成は任意であり、本実施例ではカム体29を回動中心軸12に固定状態で取付けて、リクライニング用操作レバー31により回動中心軸12を直接回転させているが、回動中心軸12とカム体29とリクライニング用操作レバー31とはリンク等の操作伝達手段により連結してもよく、本願の構成に限定されない。
この場合、例えば、実施例のように、回動中心軸12に所謂セレーションと言われる溝12Aを形成し、カム体29に嵌合させる嵌合部材12Bと一体回転する構成とし、回動中心軸12に対してリクライニング用操作レバー31およびカム体29を固定状態に取付け、リクライニング用操作レバー31の操作によりカム体29回転させる。
また、本実施例のリクライニング用操作レバー31には、ワイヤー32の係止部33を設け、ワイヤー32は図示は省略するが、スライド機構のロック装置に連結し、スライド機構のロック装置を解除してシート全体を前進させ、前進させたシート後方の車両用シート1との間に、人が乗降可能な乗降空間を形成する所謂ウォークイン機構に対応するように構成している。
しかして、背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11との間には、リクライニング機構4をアンロックにすると、前記背凭シート3を前倒れさせるバネ40を設ける。バネ40は、中心に一巻き以上渦巻く渦巻き部41を有して形成する所謂スパイラルバネにより構成する。
渦巻き部41の一端には前記背凭側ブラケット10の背凭側係止体42に係止する背凭側係合部43を設ける。背凭側係合部43は渦巻き部41の外周よりも外側(放射方向)に突出させて形成する。
前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と背凭側係止体42に係合する係止部46により正面視L型形状に形成する。
即ち、背凭側係合部43は渦巻き部41の上部に形成し、背凭側ブラケット10の透孔13よりも上方に設けた背凭側係止体42の係止部46に係止する。
渦巻き部41の他端には前記座席側ブラケット11の座席側係止体47に係止される座席側係合部48を設ける。座席側係合部48は渦巻き部41の内周よりも内側(放射方向)に突出させて形成する。
座席側係合部48は回動中心軸12の軸心を挟んで背凭側係合部43と略対峙した渦巻き部41の下部内周に形成する。
前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に取付ける取付部50と座席側係合部48が係合する係止部51により正面視逆さL型形状に形成する。
しかして、前記リクライニング機構4は、背凭側ブラケット10の縦板部44と座席側ブラケット11の縦板部49との間に配置し、バネ40の渦巻き部41の内周面より内側に位置させて、リクライニング機構4とバネ40の渦巻き部41とが渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成とする。
即ち、リクライニング機構4はバネ40の渦巻き部41の内周面より内側に挿入されるようにして、リクライニング機構4の外周より放射方向の外側にバネ40の渦巻き部41が位置する構成として、リクライニング機構4とバネ40とを、渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成とする。
したがって、バネ40の渦巻き部41の幅と渦巻き部41の取付スペースの分だけ、バネ40とリクライニング機構4の左右幅を小さくする。
この場合、バネ40の渦巻き部41の軸心方向の幅とリクライニング機構4の渦巻き部41の軸心方向の厚さとは、渦巻き部41の幅よりもリクライニング機構4の厚さを厚くすると、渦巻き部41の周縁が背凭側ブラケット10の外面と座席側ブラケット11の内面とに接触しないようにでき、好適である。
なお、、バネ40の渦巻き部41は、背凭シート3を後方に倒すと、内径が小さくなって、巻き締まるので、背凭シート3を後方に倒しても、バネ40の渦巻き部41の内周面がリクライニング機構4の外周に当接しないように、バネ40の渦巻き部41の内周面とリクライニング機構4の外周との間に所定の隙間を設けて取付ける。
また、背凭側係止体42の係止部46は外側に突出し、座席側係止体47の係止部51は内側に突出し、リクライニング機構4およびバネ40を挟んで対峙する構成とする。
また、背凭側係止体42は係止部46に対して取付部45を上側に位置させて背凭側ブラケット10の縦板部44に固定する。
また、座席側係止体47は係止部51に対して取付部50を下側に位置させて座席側ブラケット11の縦板部49に固定する。
また、背凭側ブラケット10の縦板部44と座席側ブラケット11の縦板部49とは略平行に位置させ、バネ40の渦巻き部41は縦板部49および縦板部44と交差する方向に配置する。
また、背凭側ブラケット10の背凭側係止体42の係止部46は座席側ブラケット11の縦板部49の上縁53より上方に位置させる。
また、座席側ブラケット11の座席側係止体47の係止部51は背凭側ブラケット10の縦板部49の下縁54より下方に位置させる。
図8は、他の実施例を示し、リクライニング機構4を、係合ギヤ55を外周に形成したセクタギヤ56と、前記係合ギヤ55にロックギヤ57とを有して構成し、少なくとも、セクタギヤ56とバネ40の渦巻き部41とを渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成にしている。
この場合、リクライニング用操作レバー31は、ロックギヤ57の取付軸58に取り付けている。
(実施例の作用)
リクライニング用操作レバー31を操作すると、回動中心軸12がカム体29を回転させ、カム体29はロック部材24のカム面28に当接し、ロック部材24は膨出部27,27の間の摺動溝26内を係合ギヤ22から離れる方向に摺動してリクライニング機構4をアンロックにし、背凭シート3の傾斜角度を調節し、リクライニング用操作レバー31を離すと、バネ21によりカム体29をロック方向に回動させ、摺動溝26内をロック部材24が摺動し、係合ギヤ22にロック部材24のロックギヤ部23が係合してリクライニング機構4をロックする。
リクライニング機構4はロック部材24を、一方側ケース20と他方側ケース25とにより挟持し、このリクライニング機構4を背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11との間に設け、リクライニング機構4をアンロックにすると、背凭シート3を前倒れさせるバネ40とリクライニング機構4とは渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成としているので、バネ40の渦巻き部41の幅と渦巻き部41の取付スペースの分だけ、バネ40とリクライニング機構4の左右幅を小さくする。
また、リクライニング機構4とバネ40とは、背凭側ブラケット10の縦板部44と座席側ブラケット11の縦板部49との間に位置しているので、表皮等の他の構成部材との接触等の干渉を避けられ、作動の確実性を向上させる。
バネ40は、中心に一巻き以上渦巻く渦巻き部41を有して形成し、渦巻き部41の一端には背凭側ブラケット10の背凭側係止体42に係止される背凭側係合部43を設けているので、背凭側係合部43を背凭側係止体42に係止させる。
バネ40の背凭側係合部43は渦巻き部41の外周よりも外側(放射方向)に突出させ、通常着座状態において、上部に位置させているので、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に設けた背凭側係止体42に容易に係合させられる。
渦巻き部41の他端には座席側ブラケット11の座席側係止体47に係止される座席側係合部48を設けているので、座席側係止体47に座席側係合部48を係止させる。
バネ40の座席側係合部48は渦巻き部41の内周よりも図6の上方の内側(放射方向)に突出させて形成しているので、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に設けた座席側係止体47に座席側係合部48を係合させる。
そのため、渦巻き部41の内周に設けた座席側係合部48を、座席側ブラケット11の座席側係止体47に係止できる。
この場合、座席側係合部48は回動中心軸12の軸心を挟んで背凭側係合部43と略対峙した渦巻き部41の下部内周に形成しているので、座席側係止体47を座席側ブラケット11の透孔14より下方の縦板部49に設けられる。
背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と背凭側係合部43が係合する係止部46により正面視L型形状に形成しているので、背凭側係止体42の係止部46とバネ40の背凭側係合部43は正面視において回動中心軸12の軸心方向で一部を互いに重ねられる。
即ち、背凭側係合部43は渦巻き部41の上面より上方に形成し、背凭側ブラケット10の透孔13よりも上方に背凭側係止体42を設けているので、背凭側係止体42の係止部46とバネ40の背凭側係合部43は正面視において回動中心軸12の軸心方向で一部を互いに重ねられる。
前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に取付ける取付部50と座席側係合部48が係合する係止部51により正面視逆さL型形状に形成しているので、座席側係止体47の係止部51とバネ40の座席側係合部48は正面視において回動中心軸12の軸心方向で一部を互いに重ねられる。
したがって、背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11とバネ40とは回動中心軸12の軸心方向の幅を小さくする。
また、リクライニング機構4は背凭側ブラケット10の縦板部44と座席側ブラケット11の縦板部49との間に位置させ、しかも、バネ40の渦巻き部41の内周面より内側に位置させ、リクライニング機構4とバネ40とを、回動中心軸12の軸心方向において正面視で一部を重ねる構成としているので、背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11とリクライニング機構4とバネ40とは回動中心軸12の軸心方向の幅を小さくし、リクライニング機構4とバネ40の取付スペースを小さくする。
この場合、バネ40の渦巻き部41の幅とリクライニング機構4の厚さとは、渦巻き部41の幅よりリクライニング機構4の厚さを厚くすると、渦巻き部41の周縁が背凭側ブラケット10の外面と座席側ブラケット11の内面とに接触せず、好適である。
また、背凭側係止体42の係止部46は外側に突出し、座席側係止体47の係止部51は内側に突出し、リクライニング機構4およびバネ40を挟んで対峙する構成としているので、正面視において回動中心軸12の軸心方向で係止部46と係止部51との一部を互いに重ねられ、リクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
また、背凭側係止体42は係止部46に対して取付部45を上側に位置させて背凭側ブラケット10の縦板部44に固定しているので、取付部45がバネ40の渦巻き部41と重ならず、回動中心軸12の軸心方向のリクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
また、座席側係止体47は係止部51に対して取付部50を下側に位置させて座席側ブラケット11の縦板部49に固定しているので、取付部50がバネ40の渦巻き部41と重ならず、回動中心軸12の軸心方向のリクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
また、背凭側ブラケット10の縦板部44と座席側ブラケット11の縦板部49とは略平行に位置させ、バネ40の渦巻き部41は縦板部49および縦板部44と交差する方向に配置しているので、正面視において回動中心軸12の軸心方向でバネ40の渦巻き部41とリクライニング機構4との一部を互いに重ねられ、回動中心軸12の軸心方向のリクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
また、背凭側ブラケット10の背凭側係止体42の係止部46は座席側ブラケット11の縦板部49の上縁53より上方に位置させているので、回動中心軸12の軸心方向のリクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
また、座席側ブラケット11の座席側係止体47の係止部51は背凭側ブラケット10の縦板部49の下縁54より下方に位置させているので、回動中心軸12の軸心方向のリクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
また、図8の他の実施例では、リクライニング用操作レバー31を操作すると、取付軸58が回転し、ロックギヤ57を取付軸58中心に回動させ、セクタギヤ56の係合ギヤ55から離脱して、アンロック状態となり、リクライニング用操作レバー31を離すと、バネ(図示省略)によりロックギヤ57が戻ってセクタギヤ56の係合ギヤ55に係合してロック状態となる。
この場合、セクタギヤ56とバネ40の渦巻き部41とを渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成にしているので、渦巻き部41の軸心方向のリクライニング機構4およびバネ40の取付スペースを小さくする。
1…車両用シート、2…座席シート、3…背凭シート、4…リクライニング機構、5…スライドレール、10…背凭側ブラケット、11…座席側ブラケット、12…回動中心軸、13…透孔、14…透孔、20…一方側ケース、22…係合ギヤ、23…ロックギヤ部、24…ロック部材、25…他方側ケース、26…摺動溝、27…膨出部、28…カム面、29…カム体、31…リクライニング用操作レバー、32…ワイヤー、33…係止部、40…バネ、41…渦巻き部、42…背凭側係止体、43…背凭側係合部、44…縦板部、45…取付部、46…係止部、47…座席側係止体、48…座席側係合部、49…縦板部、50…取付部、51…係止部、53…上縁、54…下縁、55…係合ギヤ、56…セクタギヤ、57…ロックギヤ、58…取付軸。

Claims (7)

  1. 座席シート2に背凭シート3をリクライニング機構4を介して回動中心軸12中心に回動自在で傾斜角度調節自在に取付け、前記リクライニング機構4は係合ギヤ22に係脱するロック部材24を有して構成し、前記座席シート2と前記背凭シート3との間には前記リクライニング機構4がアンロック状態になると前記背凭シート3を前方回動させるように付勢するバネ40を設け、該バネ40は、中心に一巻き以上渦巻く渦巻き部41を有して形成し、渦巻き部41の一端の背凭側係合部43は前記背凭シート3の背凭側ブラケット10の背凭側係止体42に係止し、前記渦巻き部41の他端の座席側係合部48は前記座席シート2の座席側ブラケット11の座席側係止体47に係止し、前記リクライニング機構4は、前記背凭側ブラケット10の縦板部44と前記座席側ブラケット11の縦板部49との間に設け、前記バネ40の渦巻き部41はその軸心方向を回動中心軸12の軸心方向と略平行にし、前記バネ40の渦巻き部41と前記リクライニング機構4とは前記渦巻き部41の軸心方向において互いに一部重なる構成とし、前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と前記背凭側係合部43が係合する係止部46により正面視L型形状に形成すると共に、前記リクライニング機構4の軸心に対する放射方向外側であってリクライニング機構4よりも上側の前記背凭側ブラケット10の部位に取付け、前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の外面に取付ける取付部50と前記座席側係合部48が係合する係止部51により正面視逆さL型形状に形成すると共に、前記座席側係止体47は、前記リクライニング機構4のケースの軸心に対する放射方向外側であってリクライニング機構4よりも下側の前記座席側ブラケット11の部位の車幅方向の内面側に取付け、もって、座席側係止体47をリクライニング機構4の下面と座席側ブラケット11の内面とに包囲された空間内に配置することにより、前記バネ40は前記背凭側ブラケット10の縦板部44と前記座席側ブラケット11の縦板部49との間のリクライニング機構4の外周に配置させ、前記背凭側ブラケット10と座席側ブラケット11の夫々の縦板部44、49に固定した取付部45、50の固定部位と前記背凭側係合部43および座席側係合部48の夫々に係合する係止部46、51との間のリクライニング機構4の軸心に対する放射方向に所定の間隔を設け、前記背凭側係合部43と座席側係合部48の間の渦巻き部41の下側の部位は、前記座席側係止体47の前記取付部50の座席側ブラケット11に固定した固定部位と前記座席側係止体47の係止部51との間の間隔内に配置した車両用シート。
  2. 請求項1において、前記座席側係止体47の前記取付部50の固定部位と前記バネ40の座席側係合部48とは、前記リクライニング機構4の軸心に対する放射方向に直線状に配置した車両用シート。
  3. 請求項1または請求項において、前記渦巻き部41の下面側よりも下方の座席側係止体47の取付部50の固定部位は、該取付部50の内面よりも内側に突出させた突出部に形成した車両用シート。
  4. 請求項1または請求項2または請求項3において、前記座席側係合部48は、渦巻き部41の端部を上側に屈曲させて、座席側係止体47の係止部51とリクライニング機構4の下面との間に配置した車両用シート。
  5. 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記バネ40の渦巻き部41の軸心方向の幅と前記リクライニング機構4の前記渦巻き部41の軸心方向の厚さとは、前記渦巻き部41の幅より前記リクライニング機構4の厚さを厚くし、前記リクライニング機構4は、正円形の内周面に係合ギヤ22を形成したケース内に、前記係合ギヤ22に係合離脱するロック部材24を設けて構成した車両用シート。
  6. 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5において、前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と前記背凭側係合部43が係合する係止部46によりL型形状に形成し、前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に取付ける取付部50と座席側係合部48が係合する係止部51により正面視逆さL型形状に形成し、前記背凭側係止体42の係止部46は外側に突出し、前記座席側係止体47の係止部51は内側に突出し、前記係止部46と前記係止部51は前記リクライニング機構4を挟んで対峙する構成とし、前記バネ40の背凭側係合部43は、渦巻き部41の上部外周に形成し、バネ40の座席側係合部48は回動中心軸12の軸心を挟んで前記背凭側係合部43と略対峙した渦巻き部41の下部内周に形成した車両用シート。
  7. 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6において、前記背凭側係止体42は、背凭側ブラケット10の縦板部44の外面に取付ける取付部45と前記背凭側係合部43が係合する係止部46により形成し、前記座席側係止体47は、座席側ブラケット11の縦板部49の内面に取付ける取付部50と座席側係合部48が係合する係止部51により形成し、前記背凭側係止体42は係止部46に対して取付部45を上側に位置させて背凭側ブラケット10の縦板部44に固定し、前記座席側係止体47は係止部51に対して取付部50を下側に位置させて座席側ブラケット11の縦板部49に固定した車両用シート。
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