JP5537831B2 - エアフィルタ用ろ材並びにエアフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からナノファイバー製のろ材並びにこのろ材を用いた高風量低圧損型の高性能エアフィルタに関する。
エアフィルタ用ろ材の高性能化は、高効率と低圧損を併せて達成することである。ナノファイバーは繊維径が1μm未満(50〜800nm)の繊維から構成され、細い繊維が多く、繊維径が揃っているのが特徴である。一般的に繊維径が細ければ細いほど、1本1本の繊維がより有効に粒子捕集に働くと共に受ける抵抗もより小さくなる。つまり、効率が高くなると共に圧損が低くなる。さらに、極細繊維表面でのすべり流れ、いわゆるスリップフローによる圧損低減効果もあることなどから、ナノファイバーはろ材の高性能化に有望と考えられている。
また、半導体の配線間隔をナノサイズまで小さくすると、半導体製造工場や半導体取扱工場等において清浄化される粒子もナノサイズとなり、こうしたナノ粒子をエアフィルタにより捕集するには、ろ材にナノファイバーを使用することがより有効である。
ナノファイバーの製造方法としては、静電紡糸法(エレクトロスピニング法)と呼ばれるものがある。詳細には、ポリマー溶液にプラスの高電圧を印加し、これをマイナスに帯電したターゲットに吹き付けることによってナノファイバーをつくるものが知られており、そのナノファイバーを利用して高性能エアフィルタ用のろ材を作製することも研究されている(非特許文献1参照)。この静電紡糸法でナノファイバーを作成する場合、電圧を制御することにより、繊維径をコントロールしている。
尚、多数のナノファイバーと多数の骨格粒子とを所定の比率で水等の溶媒に分散させ、その混合物分散溶液から溶媒を除き作製した多孔性圧縮層をろ材として利用する場合には、つぎの問題がある。すなわち、ナノファイバーと骨格粒子とが別部材として混合するため、混合方法として乾式法(溶媒を介さず空気中で混合する方法)によれば、混合時の不均一が原因で集綿後の乾式不織布層において繊維同士で、又は、繊維と粒子とで形成される空隙の分布にばらつきが生じる。また、混合方法として通常の抄造によれば、粒子の沈降により粒子が集面ネット側の表面に偏り、全体に均一に分散しないため、抄造後の湿式不織布層において繊維と粒子とで形成される空隙の分布にばらつきが生じる。
よって、エアフィルタの性能として、ナノファイバー製のろ材を使用しながら例えば処理風量50m3/min時の初期圧損をコンスタントに220Pa以下に抑えることは難しく、そのような高風量時の初期圧損の大きさが、省エネなどの観点から実用上十分なメリットを得るのに妨げとなり、高風量低圧損型の高性能なエアフィルタの製品化を困難としていた。
「静電紡糸法を用いたナノファイバーフィルタの作製及びその性能評価」(日本エアロゾル学会 第24回エアロゾル科学・技術研究討論会論文集 2007年8月9日発行)
そこで、本発明は、ファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバー製のろ材を使用しつつ、高風量低圧損型の高性能なエアフィルタを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究の結果、静電紡糸法において実際は繊維径に最も影響を与えるのは電流値であり、電流を制御することにより繊維径をコントロールすれば、繊維径の分散を小さく抑え安定した繊維径が得られること、ビーズと繊維が同時に形成される数珠状繊維が得られること、繊維径を細くできると同時に必要な繊維間距離も確保でき、このような前記数珠状繊維を用いたろ材からなるエアフィルタは更なる高性能化を図れることを見出した。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、前記知見に基づきなされたもので、請求項1記載の通り、ファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバーろ材から構成されるエアフィルタ用ろ材であって、前記ナノファイバーろ材は、ろ材通過風速5.3cm/sの場合、捕集対象粒子径0.3μmの性能指標が0.070(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.1μmの性能指標が0.050(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.05μmの性能指標が0.080(1/Pa)以上であり、前記数珠状繊維の平均繊維径を、ガス分子の平均自由行程(20℃空気、1大気圧では65nm)の2倍以下とし、前記数珠状繊維の繊維径の分散を、0.3以下とし、前記数珠状繊維の平均繊維径が0.001〜0.13μmで、前記数珠状繊維のビーズ径がその平均繊維径の2〜10倍であるナノファイバーろ材から構成されることを特徴とする。
また、請求項2記載のエアフィルタ用ろ材は、請求項1記載のエアフィルタ用ろ材において、前記数珠状繊維の平均繊維径が0.01〜0.1μmで、前記数珠状繊維のビーズ径がその平均繊維径の4〜7倍であることを特徴とする。
また、請求項3記載のエアフィルタ用ろ材は、請求項1又は2記載のエアフィルタ用ろ材において、前記数珠状繊維が、ポリアクリロニトリル(PAN)で製作されたものであることを特徴とする。
また、本発明のエアフィルタは、請求項4記載の通り、ナノファイバーろ材が折り畳まれてなるフィルタパックがシール材を介してフィルタ枠に取り付けられるエアフィルタであって、前記ナノファイバーろ材として請求項1乃至4の何れかに記載のエアフィルタ用ろ材が用いられることを特徴とする。
また、請求項5記載のエアフィルタは、請求項4の記載のエアフィルタにおいて、処理風量50m/min時の初期圧損が165Pa以下で、0.3μm粒子の捕集効率が99.97%以上であることを特徴とする。
本発明のファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバーろ材から構成されるエアフィルタ用ろ材によれば、ろ材通過風速5.3cm/sの場合、捕集対象粒子径0.3μmの性能指標が0.070(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.1μmの性能指標が0.050(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.05μmの性能指標が0.080(1/Pa)以上としたため、ファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバー製のろ材を使用しつつ、高風量低圧損型の高性能なエアフィルタを提供することができる。
また、前記数珠状繊維の平均繊維径を、ガス分子の平均自由行程(20℃空気、1大気圧では65nm)の2倍以下とした場合、繊維に衝突するガス分子の数が減るため、ガス分子は繊維に妨害されることが少なくなり、ろ材を通過することができるため、低圧力損失とすることができる。特に、前記数珠状繊維の平均繊維径を0.001〜0.13μm、好ましくは0.01〜0.1μm、前記数珠状繊維のビーズ径をその平均繊維径の2〜10倍、好ましくは、4〜7倍とした場合、平均繊維径が小さく且つ繊維同士、或いは、繊維とビーズ間に形成されるろ材空隙を高風量低圧損型の高性能なエアフィルタ用のろ材として理想的なものとすることができる。
また、前記数珠状繊維の繊維径の分散を、0.3以下とした場合、繊維径が揃うので、高捕集効率及び低圧力損失とすることができる。
また、数珠状繊維をポリアクリロニトリル(PAN)とした場合、PANは非吸着性、耐薬品性、耐油性にすぐれているので、耐薬品性などを備えたエアフィルタを得ることができる。
また、本発明のエアフィルタ用ろ材に用いる数珠状繊維の製造方法によれば、静電紡糸法により電流値が一定となるようにコントロールして、数珠状繊維を製造するようにしたため、ファイバーとビーズが一体に形成される際、ビーズの形成がファイバーを細く伸ばす働きをして繊維径を細くでき、しかも繊維径が分散することなく数珠状の所定形状に製造することができる。
また、本発明のナノファイバーろ材が折り畳まれてなるフィルタパックがシール材を介してフィルタ枠に取り付けられるエアフィルタによれば、前記ナノファイバーろ材として本願発明のエアフィルタ用ろ材を用いるようにしたため、処理風量50m3/min時の初期圧損が165Pa以下で、0.3μm粒子の捕集効率が99.97%以上であるような高風量低圧損型の高性能なエアフィルタを提供することができる。
発明を実施するための最良の形態に係るエアフィルタを示す説明図である。 エアフィルタに用いるファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバーろ材を示す電子顕微鏡写真である。 ろ材を作製するための製造装置を示す説明図である。 静電防止法による数珠状繊維の製造方法における電流値の制御を示す説明図である。
以下、本発明に係るエアフィルタを実施するための最良の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本形態に係るエアフィルタ1は、ろ材2がジグザグ状に折り畳まれ、この折り畳まれたろ材2の各部分が他の部分と接して重なり合わないようにセパレータ3が介装されてフィルタパック4が構成され、このフィルタパック4が、シール材5を介してフィルタ枠6に取り付けられて構成されている。
前記エアフィルタに用いるろ材2は、後記する実施例1の場合を例に説明すると、図2に示すように、線状の超極細繊維7と粒状のビーズ8とが連なった数珠状繊維(ナノファイバー)9と、数珠状繊維9間に形成された空隙10とにより構成されている。ろ材2を製造するには、原理的には例えば図3に示すように静電紡糸法を用いればよく、ナノファイバーの原料を溶媒に溶解させたポリマー溶液11をシリンジ13に入れ、このシリンジ13側と、アース電極であるアルミニウム板14との間に高電圧電源17から高電圧を印加し、ポリマー溶液11をシリンジポンプ12の圧力によりシリンジ13から噴霧させることによって、アルミニウム板14上にろ材2を作製することができる。繊維径の分散が揃った数珠状繊維(ナノファイバー)9を作製するには、例えば、図4に示す具体的な電流制御に従って、電場を常に安定にするために、アルミニウム板14での電場の変化を電流計15で常時測定してそのデータをパソコン16で読み取るようにして、そのデータよりパソコン16で制御して高電圧電源17からの電圧をこまめに変えることによって、電流の値を一定となるよう調整すればよい。
数珠状繊維からなるナノファイバーの原料としては、一般的に使用されているポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニール(PVAc)、ナイロンが使用でき、特に耐候性、耐薬品性を考慮した時はポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニールアルコール(PVA)を使用することが好ましい。
一方、溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いることができる。ポリマー溶液の濃度は、2wt%未満であると繊維化することができず、10wt%超であるとシリンジからスプレーすることができないので、2〜10wt%であることが好ましい。特に、5〜8wt%であることが最も好ましい。
また、捕集効率と圧力損失を同時に考慮した性能を評価する指標として、透過率の対数と圧力損失の比(−lnP/ΔP)がよく用いられるが、これは一般的に、I値(Performance Index)またはQ値(Quality Factor)と呼ばれる。性能指標は風速依存性と、粒径依存性があるため、本願発明においては、代表的な風速と粒径で考えると、数珠状繊維からなるナノファイバーから構成されるろ材について、ろ材通過風速5.3cm/sの場合、捕集対象粒子径0.3μmの性能指標が0.070(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.1μmの性能指標が0.050(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.05μmの性能指標が0.080(1/Pa)以上とした。
さらに、数珠状繊維の平均繊維径(平均繊維径dfは繊維径の分布が1つの対数正規分布に従うと見なし、平均繊維径dfを次式より求められる。df=dfgexp(0.5ln2σg) ここで、dfg、σgはそれぞれ幾何平均径、幾何標準偏差である)は、それが小さければ高性能(高捕集効率・低圧力損失)に対して有効に働く。スリップフロー効果を活かし一層の圧力損失の低下を実現するため、静電紡糸法における電流を制御することにより、数珠状繊維の平均繊維径をガス分子の平均自由行程(20℃、1大気圧では65nm)の2倍以下とすることが好ましい。ビーズ径は、それが小さすぎると繊維間距離を広げることができず、高捕集効率にはなるが高圧力損失にもなりかねない。一方、それが大きすぎると、ろ材厚みにおいて、高捕集効率に必要な単位面積あたりの繊維全長(繊維投入量)を確保することができなくなる。したがって、高性能(高捕集効率・低圧力損失)を得るためには、数珠状繊維の平均繊維径が0.001〜0.13μmであって、前記数珠状繊維のビーズ径は数珠状繊維の平均繊維径の2〜10倍、数珠状繊維の平均繊維径が0.01〜0.1μmであって、前記数珠状繊維のビーズ径は数珠状繊維の平均繊維径の4〜7倍あることが好ましい。
数珠状繊維の繊維径の分散(分散σは繊維径の分布が1つの対数正規分布に従うと見なし、繊維径の分散σを次式より求められる。σ=exp(ln2σg)−1 ここで、dfg、σgはそれぞれ幾何平均径、幾何標準偏差である)は、その値が小さければ繊維径が揃っていることを示すことから、高性能(高捕集効率・低圧力損失)に対して有効に働く。したがって、静電紡糸法における電流を制御することにより、0.3以下とすることが好ましい。
このように、本発明では数珠状繊維からなるナノファイバーの生産性を高めるため、静電紡糸法により電流値を一定に制御することにより、ファイバーとビーズを同時かつ一体化された数珠状繊維を製造するものである。さらに、ビーズ径に応じた微細な繊維径を持つファイバー及びファイバーとビーズ間の距離を保つように製造することができる。
以下に本発明の実施例を対照のための比較例とともに説明する。
[実施例1]
まず、ファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバーろ材について説明する。シリンジ側とアルミニウム板との間に電圧8〜12kVを印加し、DMFにPANを溶解させた温度7wt%のポリマー溶液をシリンジから流量4〜6μl/minで噴霧させ、図3と図4のように、電流制御で繊維径をコントロールすることにより、平均繊維径が130nm、ビーズ径が650nm、繊維径の分散が0.4である数珠状繊維をアルミニウム板に推積させ、ろ材を作成した後、ろ材がジグザグ状に折り畳まれ、この折り畳まれたろ材の各部分が他の部分と接して重なり合わないようにセパレータが介装されてフィルタパックが構成されている。
そして、ポリウレタン製のシール材でフィルタパックと金属又は木製のフィルタ枠の上下面とを面シールし、フィルタパックとフィルタ枠の側面とを線状にポリウレタン等のシール剤によりシールして、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2となる610×610×290mmのエアフィルタを作製した。
[実施例2]
ろ材をPANからなる平均繊維径が130nm、ビーズ径が650nm、繊維径の分散が0.3、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2の数珠状繊維からなるナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
[実施例3]
ろ材をPVPからなる平均繊維径が130nm、ビーズ径が650nm、繊維径の分散の分散が0.3、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2の数珠状繊維からなるナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
[実施例4]
ろ材をPANからなる平均繊維径が100nm、ビーズ径が500nm、繊維径の分散が0.2、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2の数珠状繊維からなるナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
[比較例1]
ろ材をPANからなる平均繊維径が130nm、ビーズ径が650nm、繊維径の分散が0.3、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2の数珠状繊維ではないナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
[比較例2]
ろ材をPANからなる平均繊維径が140nm、ビーズ径が700nm、繊維径の分散が0.3、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2の数珠状繊維からなるナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
[比較例3]
ろ材をPANからなる平均繊維径が140nm、ビーズ径が700nm、繊維径の分散が0.4、保護層など込みで厚さが0.38mm、目付が91g/m2の数珠状繊維からなるナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
[従来例1]
静電防止法において電圧制御で繊維径をコントロールすることにより、ろ材をPANからなる平均繊維径300nm、ビーズ径が1500nm、繊維の分散が0.5、厚さが0.38mm、目付が70g/m2のナノファイバー製としたほかは、実施例1と同様にしてエアフィルタを作製した。
これらの実施例1乃至4及び比較例1乃至3及び従来例1で得られた各エアフィルタの特性につき、捕集効率、圧力損失をJIS B 9908(換気用エアフィルタ、電気集じん機の性能試験方法)の形式1(計数法)を適用して試験した。その結果を表1に示す。
表1において、平均繊維径の欄の「○」はガス分子の平均自由行程(20℃、1大気圧では65nm)の2倍以下であるものを、「×」は2倍超であるものとした。繊維径の分散の欄の「○」は数珠状繊維の繊維径の分散が0.3以下であるものを、「×」は0.3超であるものとした。捕集効率の欄の「◎」は捕集効率が99.995%以上、「○」は99.99%以上99.995%未満、「△」は99.9%以上99.99%未満、「×」は99.9%未満のものであることを示す。圧力損失の欄の「◎」は150Pa未満のもの、「○」は150Pa以上180Pa未満のもの、「×」は180Pa以上のものであることを示す。総合評価の欄では、「◎」は0.3μm粒子の捕集効率が99.995%以上かつ、処理風量が50m3/minのときに初期圧損が150Pa未満であるもの、「○」は0.3μm粒子の捕集効率が99.9%以上99.995未満かつ処理風量が50m3/minのときに初期圧損が150Pa以上180Pa未満であるもの、「×」は0.3μm粒子の捕集効率が99.9%未満または処理風量が50m3/minのときに初期圧損が180Pa以上であるものを示す。
実施例1乃至4はすべて総合評価は「○」以上であった。また、平均繊維径が130nm以下および繊維径の分散が0.3以下である実施例2乃至4は粒子捕集性能の捕集効率と圧力損失をともに満たしており、特に、実施例4は平均繊維径が100nm及び繊維径の分散が0.2と小さな値であるため、実施例1乃至3に比べてさらに粒子捕集性能がよく総合評価が「◎」となっている。これに対し、比較例および従来例の総合評価は全て「×」であった。比較例1は、数珠状繊維を用いていないので、圧力損失の値が高い。比較例2では、数珠状繊維を用いているものの、繊維径が130nm以上であるので、捕集効率が低くかつ圧力損失の値が高い。比較例3は、繊維径が130nm以上および繊維径の分散0.3以上であることから、粒子捕集性能に関して捕集効率と圧力損失がともに満たされていない。また、従来例では、静電紡糸法において繊維径を電圧によってコントロールしているために、繊維径が130nm以上および繊維径の分散が0.3以上と、ともに大きな値のものであり、比較例以上に粒子捕集性能を満たしていない結果となっていた。
なお、本発明は以上説明した形態に限られるものではなく、例えばろ材を実施例以外の原料により作製したり、フィルタパックにおけるろ材の折畳方法を変更したりしてもよい。
本発明は、主に高風量低圧損型のHEPAに適用し得るが、繊維径、繊維充填率、ろ材厚み等を適宜調整することによってULPA等にも適用することができ、産業上の利用可能性を有する。
1 エアフィルタ
2 ろ材
3 セパレータ
4 フィルタパック
5 シール材
6 フィルタ枠
7 超極細繊維
8 ビーズ
9 数珠状繊維
10 空隙
11 ポリマー溶液
12 シリンジポンプ
13 シリンジ
14 アルミニウム板
15 電流計
16 パソコン
17 高電圧電源

Claims (5)

  1. ファイバーとビーズが一体化された数珠状繊維からなるナノファイバーろ材から構成されるエアフィルタ用ろ材であって、前記ナノファイバーろ材は、ろ材通過風速5.3cm/sの場合、捕集対象粒子径0.3μmの性能指標が0.070(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.1μmの性能指標が0.050(1/Pa)以上、捕集対象粒子径0.05μmの性能指標が0.080(1/Pa)以上であり、
    前記数珠状繊維の平均繊維径を、ガス分子の平均自由行程(20℃空気、1大気圧では65nm)の2倍以下とし、
    前記数珠状繊維の繊維径の分散を、0.3以下とし
    前記数珠状繊維の平均繊維径が0.001〜0.13μmで、前記数珠状繊維のビーズ径がその平均繊維径の2〜10倍であることを特徴とするエアフィルタ用ろ材。
  2. 前記数珠状繊維の平均繊維径が0.01〜0.1μmで、前記数珠状繊維のビーズ径がその平均繊維径の4〜7倍であることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ用ろ材。
  3. 前記数珠状繊維はポリアクリロニトリル(PAN)であることを特徴とする請求項1又は2記載のエアフィルタ用ろ材。
  4. ナノファイバーろ材が折り畳まれてなるフィルタパックがシール材を介してフィルタ枠に取り付けられるエアフィルタであって、前記ナノファイバーろ材として請求項1乃至3の何れかに記載のエアフィルタ用ろ材が用いられることを特徴とするエアフィルタ。
  5. 処理風量50m3/min時の初期圧損が165Pa以下で、0.3μm粒子の捕集効率が99.97%以上であることを特徴とする請求項4記載のエアフィルタ。
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