JP6858678B2 - エアフィルタ用濾材及びその製造方法 - Google Patents

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本開示は、エアフィルタ用濾材に関する。更に詳しくは、半導体、液晶、食品、製薬、医療等の分野で用いるクリーンルーム及びクリーンベンチ、ビル空調用エアフィルタ、空気清浄機用途等に使用されるエアフィルタ用濾材に関する。
空気中のサブミクロン乃至ミクロン単位のダスト粒子を捕集するためには、エアフィルタの捕集技術が用いられている。エアフィルタは、その対象とする粒子径や捕集効率の違いによって、粗塵用フィルタ、中性能フィルタ、高性能フィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタ)等に大別される。このうち、主にクリーンルーム用途等で使用される高性能フィルタとしては、ガラス繊維を含む湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材が広く用いられている。
エアフィルタ用濾材の主要な要求特性としては、捕集効率の他に、濾材の通気抵抗を示す圧力損失がある。濾材の捕集効率を上昇させるためには、大きな表面積を有する細径ガラス繊維の配合を増やす必要があるが、同時に濾材の圧力損失も上昇する。高い圧力損失は、吸気ファンの運転負荷を高め、電力消費量の上昇を引き起こすことから、省エネルギーとランニングコスト低減の両方の観点から好ましくない。そのため、低い圧力損失と高い捕集効率とを兼ね備えたエアフィルタ用濾材が要求されている。エアフィルタ用濾材の低圧力損失・高捕集効率のレベルの指標値として、数1の式によって定義するPF値がある。このPF値が高いことは、エアフィルタ用濾材が低圧力損失・高捕集効率であることを示している。なお、透過率[%]=100−捕集効率[%]である。
Figure 0006858678
ガラス繊維を含む湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材のPF値を向上させる方法として、本発明者らは、濾材を構成するガラス繊維にバインダーと25℃純水中に添加した際の最低表面張力が20dyne/cm以下であるフッ素系界面活性剤を付着させる方法(例えば、特許文献1を参照。)、バインダー樹脂と炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤の混合物をガラス繊維に付着させる方法(例えば、特許文献2を参照。)を提案している。また、バインダー繊維とガラス繊維を含む濾過媒体が、約0.01〜10重量%の有機フッ素剤を含むことを特徴とする方法(例えば、特許文献3を参照。)が提案されている。
特開平10−156116号公報 特開2015−85250号公報 特表2008−518772号公報
上記の通り、フッ素系界面活性剤を付着させる方法は、エアフィルタ用濾材のPF値を向上させるうえで有用であるが、フッ素系界面活性剤を多く付着させた場合、繊維と繊維との接着及び繊維とバインダー材料との接着を阻害することにより、濾材の強度の低下を引き起こすとともに、その高い界面活性効果により、多くのフィルタ用途で必要とされる撥水性の低下を引き起こすという問題があった。
本開示は、上記の強度や撥水性の低下の問題を解決しようとするものであり、強度及び撥水性の低下を抑えつつ、高いPF値を有するエアフィルタ用濾材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、濾材を構成する繊維のうち、粒子捕集に対する寄与が大きいガラス繊維にのみ含窒素フッ素系界面活性剤を付着させることにより、上記の課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明に係るエアフィルタ用濾材は、湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材において、該濾材は、構成繊維の一部として界面活性剤を付着させたガラス繊維を含み、界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が前記濾材中に均一に分散された状態にあり、前記界面活性剤が含窒素フッ素系界面活性剤であることを特徴とする。
本発明に係るエアフィルタ用濾材では、前記濾材は、構成繊維の一部として界面活性剤付着量が繊維質量に対して0.01質量%未満である繊維をさらに含み、 界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維の界面活性剤付着量は、ガラス繊維質量に対して0.1質量%以上であり、前記濾材は、前記濾材の全質量に対して、界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を1〜90質量%含み、かつ、界面活性剤付着量が0.01質量%未満である前記繊維を10〜99質量%含むことが好ましい。高いPF値が得られるとともに濾材の十分な強度及び剛度が得られる。本発明に係るエアフィルタ用濾材では、界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が細径であり、界面活性剤付着量が0.01質量%未満である前記繊維が太径であることが好ましい。
本発明に係るエアフィルタ用濾材では、界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が、平均繊維径1μm以下のマイクロガラス繊維であることが好ましい。充分な粒子捕集を実現することができる。
本発明に係るエアフィルタ用濾材では、前記含窒素フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキルアミンオキシドであることが好ましい。この界面活性剤はガラス繊維に対する付着力が高い。
本発明に係るエアフィルタ用濾材の製造方法は、湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材の製造方法において、ガラス繊維に含窒素フッ素系界面活性剤を付着させて、含窒素フッ素系界面活性剤を付着させたガラス繊維を得る工程と、含まれる繊維の一部として含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を含む混合スラリーを得る工程と、該混合スラリーを抄紙して湿紙を得る工程と、該湿紙から前記湿式不織布を得る工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係るエアフィルタ用濾材の製造方法では、含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を得る工程が、ガラス繊維に含窒素フッ素系界面活性剤を付着させる工程と、ガラス繊維に付着されなかった含窒素フッ素系界面活性剤を除去する工程と、を含むことが好ましい。濾材の撥水性の低下を抑制することができる。
本発明に係るエアフィルタ用濾材の製造方法では、前記含窒素フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキルアミンオキシドであることが好ましい。この界面活性剤はガラス繊維に対する付着力が高い。
本発明に係るエアフィルタ用濾材の製造方法では、含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を乾燥させることなく湿潤状態を保持したまま前記混合スラリーとすることが好ましい。ガラス繊維の濡れ性を失うことなく、スラリー化することができる。本発明に係るエアフィルタ用濾材の製造方法では、前記混合スラリーは、含まれる繊維の一部として含窒素フッ素系界面活性剤付着量が0.01質量%未満である繊維をさらに含み、含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が細径であり、界面活性剤付着量が0.01質量%未満である前記繊維が太径であることが好ましい。
本開示の構成を用いることによって、強度及び撥水性の低下を抑えつつ、高いPF値を有するガラス繊維を含む湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材及びその製造方法を得ることができた。
以下に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維を含む湿式不織布からなるものである。湿式不織布とは、繊維を水に分散させてスラリー化し、得られたスラリーを製紙と同様の抄紙によりシート化し、これを乾燥させて得られる繊維シートであり、必要に応じて、工程の種々の段階において、分散剤、消泡剤、粘剤、バインダー、撥水剤等の薬剤が適宜付与される。ガラス繊維が均一に分布したシートが得られることから、高い均一性が必要とされるエアフィルタ用濾材としての使用に適している。
本実施形態に係るエアフィルタ用濾材は、濾材の構成繊維のうち、粒子捕集に対する寄与が大きいガラス繊維にのみフッ素系界面活性剤を付着させることにより、濾材中に存在するフッ素系界面活性剤の量を少なくしながら、高いPF値の発現を可能にしている。このような構成を達成するために、本実施形態においては、事前に粒子捕集に対する寄与が大きいガラス繊維に対してのみフッ素系界面活性剤を付着させた後、これを他の繊維と混合してスラリー化し、得られたスラリーを抄紙する。ここで、粒子捕集に対する寄与が大きいガラス繊維とは、大きな表面積を有する、繊維径が細いガラス繊維であり、例えば、平均繊維径が1μm以下のガラス繊維である。好ましくは、平均繊維径が0.8μm以下、より好ましくは、平均繊維径が0.65μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下のガラス繊維である。また、ガラス繊維の平均繊維長さは、0.3mm〜10mmが好ましい。
フッ素系界面活性剤のガラス繊維に対する付着量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上である。フッ素系界面活性剤の付着量が0.1質量%未満であるとPF値向上に対する十分な効果が得られない。上限は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
フッ素系界面活性剤を付着させたガラス繊維の配合量は、濾材の全質量に対して、1〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜80質量%であり、特に好ましくは10〜70質量%である。界面活性剤付着繊維が1質量%未満であるとPF値向上に対する十分な効果が得られない。一方、界面活性剤付着繊維が90質量%を超えると、強度や剛度の付与のために使用可能な繊維の配合量が10質量%未満と少なくなるため、十分な強度や剛度が得られない。
フッ素系界面活性剤を付着させない繊維はフッ素系界面活性剤を付着させる工程を経ない繊維であり、本実施形態においては界面活性剤付着量が0.01質量%未満である繊維のことである。フッ素系界面活性剤を付着させない繊維は濾材の加工において必要とされる強度や剛度等を持たせるための繊維であり、例えば、ガラス、バサルト、セラミック等の無機繊維、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の有機合成繊維、セルロース等の天然繊維等の中から任意に選択することができる。また、繊維の全体又は一部が溶融することにより繊維どうしを接着させるバインダー繊維を選択することもできる。バインダー繊維としては芯鞘構造を有するバインダー繊維が好ましい。
実施形態に用いるフッ素系界面活性剤は、含窒素フッ素系界面活性剤である。この界面活性剤とする理由は、窒素原子上の正電荷が、ガラス繊維表面の負電荷との静電相互作用により強く付着するためであり、窒素原子を含有しないものは、付着力が弱いため本発明の使用に適さない。含窒素フッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン等があり、この中でも、パーフルオロアルキルアミンオキシドが特に好ましい。
本実施形態に係るエアフィルタ用濾材の製造方法において、含窒素フッ素系界面活性剤を付着させたガラス繊維を得る工程は、次の通りに行われる。まず、パルパー等を用いてガラス繊維を水に分散させた後、ここに含窒素フッ素系界面活性剤を添加し、撹拌してガラス繊維表面に界面活性剤を付着させ、濾過又は沈降により湿潤状態のガラス繊維を分離採取する。次に、採取した湿潤状態のガラス繊維を水に分散させて撹拌し、再び分離採取する操作を繰り返すことにより、ガラス繊維に付着されなかった余分の界面活性剤を除去する。こうして、界面活性剤を付着させた湿潤状態のガラス繊維を得る。得られた界面活性剤を付着させたガラス繊維は、他の繊維又は繊維スラリーと一緒に撹拌することにより、抄紙に供する混合スラリーとする。フッ素系界面活性剤が有効に付着されたガラス繊維は、一旦乾燥させると水に濡れなくなるため、湿潤状態のままで混合スラリーとしなければならない。
上記の方法により得られたフッ素系界面活性剤を付着させたガラス繊維を含む混合スラリーを抄紙し、得られた湿紙を乾燥させることにより、本実施形態に係るエアフィルタ用濾材が得られる。本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、工程の種々の段階において、分散剤、消泡剤、粘剤、バインダー、撥水剤等の薬剤を付与してもよい。
本実施形態によるPF値向上の作用機構は、以下の通り推定される。本実施形態に係るエアフィルタ用濾材において、フッ素系界面活性剤を付着させたガラス繊維は、フルオロアルキル基の有する反発作用により、他の繊維及びバインダー等の薬剤との間で、さらには界面活性剤付着ガラス繊維どうしとの間で、接触及び凝集を起こしにくいため、ガラス繊維の有効な表面積が大きくなるとともに、濾材中にガラス繊維が均一に分散された状態となる。このことにより、エアフィルタ用濾材として用いた場合において、高いPF値を得ることができる。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ固形分換算での「質量部」、「質量%」を示す。
(界面活性剤の付着処理)
(実施例1)
平均繊維径0.26μmのマイクロガラス繊維(B−X9−Fa、Lauscha Fiber International製)と水を、家庭用ミキサーを用いて離解し、固形分濃度0.5%のガラス繊維スラリーを得た。得られたガラス繊維スラリーに、パーフルオロアルキルアミンオキシド型界面活性剤(サーフロンS−241、AGCセイミケミカル(株)製)をガラス繊維に対して10%添加し、プロペラ型攪拌機を用いて緩やかに撹拌した後、ガラス繊維スラリーを、ブフナーを用いて吸引濾過し、湿潤ガラス繊維を濾取した。次に、得られた湿潤ガラス繊維に、固形分濃度0.5%となるように水を添加して再分散させ、プロペラ型攪拌機を用いて緩やかに撹拌した後、吸引濾過により湿潤ガラス繊維を濾取した。この再分散から濾取までの操作を、ガラス繊維への界面活性剤の付着量がほとんど変化しなくなるまで5回行い、湿潤状態の界面活性剤付着ガラス繊維を得た。なお、ガラス繊維への界面活性剤の付着量は、乾燥させたガラス繊維を電気炉で525℃、1時間燃焼処理した前後の質量より、数2及び数3の式を用いて算出した。
Figure 0006858678
Figure 0006858678
(実施例2)
界面活性剤として、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩型界面活性剤(サーフロンS−221、AGCセイミケミカル(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤付着ガラス繊維を得た。
(比較例1)
界面活性剤として、パーフルオロアルキルカルボン酸塩型界面活性剤(サーフロンS−211、AGCセイミケミカル(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤付着ガラス繊維を得た。
(比較例2)
界面活性剤として、ラウリルジメチルアミンオキシド界面活性剤(アンヒトール20N、花王(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤付着ガラス繊維を得た。
(比較例3)
界面活性剤として、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド界面活性剤(コータミン24P、花王(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤付着ガラス繊維を得た。
(実施例3)
マイクロガラス繊維として、平均繊維径0.80μmのマイクロガラス繊維(B−08−F、Lauscha Fiber International製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤付着ガラス繊維を得た。
得られた界面活性剤付着ガラス繊維の界面活性剤付着量は、上記の数2及び数3の式を用いて算出した。
得られた界面活性剤付着ガラス繊維の撥水度合は、吸引濾過で得られた湿潤ガラス繊維を、熱風乾燥機を用いて130℃、15分間乾燥させて得られたマットに水滴を滴下し、水をはじく様子を下記の基準にしたがって目視評価した。
◎ : 水滴を強くはじき、球状に転がる。
○ : 水滴をはじくが、球状にはならない。
△ : 滴下直後は濡れないが、時間がたつと濡れて吸収される。
× : 滴下直後に濡れて吸収される。
実施例及び比較例で得られた界面活性剤付着ガラス繊維の評価結果を表1に示した。
Figure 0006858678
(界面活性剤付着ガラス繊維を用いた濾材作製)
(実施例4)
実施例1で得られた界面活性剤付着ガラス繊維15部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)55部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを、手抄筒を用いて抄紙し、得られた湿潤シートをドラム表面温度130℃の回転乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(実施例5)
界面活性剤付着ガラス繊維として、実施例2で得られた界面活性剤付着ガラス繊維を用いた以外は、実施例4と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(実施例6)
実施例1で得られた界面活性剤付着ガラス繊維5部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)65部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを用いた以外は、実施例4と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(実施例7)
実施例3で得られた界面活性剤付着ガラス繊維65部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)5部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを用いた以外は、実施例4と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(実施例8)
実施例3で得られた界面活性剤付着ガラス繊維85部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)15部からなる繊維スラリーを、手抄筒を用いて抄紙し、得られた湿潤シートをドラム表面温度130℃の回転乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例4)
界面活性剤付着ガラス繊維として、比較例1で得られた界面活性剤付着ガラス繊維を用いた以外は、実施例4と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例5)
界面活性剤付着ガラス繊維として、比較例2で得られた界面活性剤付着ガラス繊維を用いた以外は、実施例4と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例6)
界面活性剤付着ガラス繊維として、比較例3で得られた界面活性剤付着ガラス繊維を用いた以外は、実施例4と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例7)
平均繊維径0.26μmのマイクロガラス繊維(B−X9−Fa、Lauscha Fiber International製)15部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)55部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを、手抄筒を用いて抄紙し、得られた湿潤シートをドラム表面温度130℃の回転乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例8)
平均繊維径0.80μmのマイクロガラス繊維(B−08−F、Lauscha Fiber International製)65部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)5部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを、手抄筒を用いて抄紙し、得られた湿潤シートをドラム表面温度130℃の回転乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例9)
平均繊維径0.26μmのマイクロガラス繊維(B−X9−Fa、Lauscha Fiber International製)15部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)55部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを、手抄筒を用いて抄紙し、得られた湿潤シートをパーフルオロアルキルアミンオキシド型界面活性剤(サーフロンS−241、AGCセイミケミカル(株)製)の0.05%水溶液に含浸し、次いで吸引脱水により余分の含浸液を除去した後、得られた湿潤シートをドラム表面温度130℃の回転乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
(比較例10)
平均繊維径0.80μmのマイクロガラス繊維(B−08−F、Lauscha Fiber International製)65部と、平均繊維径2.44μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International製)5部と、繊度2.2dtx(繊維径約14μm)のポリエステルバインダー繊維(TJ04CN、帝人(株)製)30部からなる繊維スラリーを、手抄筒を用いて抄紙し、得られた湿潤シートをパーフルオロアルキルアミンオキシド型界面活性剤(サーフロンS−241、AGCセイミケミカル(株)製)の0.05%水溶液に含浸し、次いで吸引脱水により余分の含浸液を除去した後、得られた湿潤シートをドラム表面温度130℃の回転乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
実施例及び比較例において得られたエアフィルタ用濾材の評価は、次に示す方法を用いて行った。
圧力損失は、有効面積100cmの濾材に、空気が5.3cm/秒で通過する時の差圧として、マノメーター(マノスターゲージWO81、(株)山本電機製作所製)を用いて測定した。
透過率は、有効面積100cmの濾材に、ラスキンノズルで発生させた多分散ポリアルファオレフィン(PAO)粒子を含む空気が5.3cm/秒で通過する時の上流及び下流のPAO粒子個数を、レーザーパーティクルカウンター(KC−18、リオン(株)製)を用いて測定し、その個数値から計算して求めた。なお、対象粒子径は、0.10〜0.15μmとした。
PF値は、圧力損失及び透過率の値から、数1に示す式を用いて計算した。なお、対象粒子径は、0.10〜0.15μmとした。
引張強さは、JIS P 8113:2006「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に準拠して、万能試験機(オートグラフAGS−X、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
撥水性は、MIL−STD−282に準拠して、自製の撥水性試験機を用いて測定した
実施例及び比較例で得られたエアフィルタ用濾材の評価結果を表2〜表4に示した。
Figure 0006858678
Figure 0006858678
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表2〜表4に示した結果より、実施例4と比較例7、及び、実施例7と比較例8をそれぞれ比較すると、本実施形態の方法に基づき、細径のガラス繊維に含窒素フッ素系界面活性剤を事前に付着させることにより、引張強度は低下するものの、PF値が大きく上昇しており、さらには別途に撥水剤処理を行わなくても撥水性が付与された。また、実施例4と比較例9、及び、実施例7と比較例10をそれぞれ比較すると、含窒素フッ素系撥水剤を事前にガラス繊維に付着させた方が、シート形成後に含浸処理する方法に比べて、PF値及び引張強度ともに高い値が得られた。以上の通り、これらの実施例により、本発明の有用性が確認された。

Claims (10)

  1. 湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材において、
    該濾材は、構成繊維の一部として界面活性剤を付着させたガラス繊維を含み、界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が前記濾材中に均一に分散された状態にあり、前記界面活性剤が含窒素フッ素系界面活性剤であることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. 前記濾材は、構成繊維の一部として界面活性剤付着量が繊維質量に対して0.01質量%未満である繊維をさらに含み、
    界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維の界面活性剤付着量は、ガラス繊維質量に対して0.1質量%以上であり、
    前記濾材は、前記濾材の全質量に対して、界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を1〜90質量%含み、かつ、界面活性剤付着量が0.01質量%未満である前記繊維を10〜99質量%含むことを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
  3. 界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が細径であり、界面活性剤付着量が0.01質量%未満である前記繊維が太径であることを特徴とする請求項2に記載のエアフィルタ用濾材。
  4. 界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が、平均繊維径1μm以下のマイクロガラス繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のエアフィルタ用濾材。
  5. 前記含窒素フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキルアミンオキシドであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のエアフィルタ用濾材。
  6. 湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材の製造方法において、
    ガラス繊維に含窒素フッ素系界面活性剤を付着させて、含窒素フッ素系界面活性剤を付着させたガラス繊維を得る工程と、
    含まれる繊維の一部として含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を含む混合スラリーを得る工程と、
    該混合スラリーを抄紙して湿紙を得る工程と、
    該湿紙から前記湿式不織布を得る工程と、
    を有することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。
  7. 含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を得る工程が、ガラス繊維に含窒素フッ素系界面活性剤を付着させる工程と、ガラス繊維に付着されなかった含窒素フッ素系界面活性剤を除去する工程と、を含むことを特徴とする請求項に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
  8. 前記含窒素フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキルアミンオキシドであることを特徴とする請求項又はに記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
  9. 含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維を乾燥させることなく湿潤状態を保持したまま前記混合スラリーとすることを特徴とする請求項8のいずれか一つに記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
  10. 前記混合スラリーは、含まれる繊維の一部として含窒素フッ素系界面活性剤付着量が0.01質量%未満である繊維をさらに含み、
    含窒素フッ素系界面活性剤を付着させた前記ガラス繊維が細径であり、界面活性剤付着量が0.01質量%未満である前記繊維が太径であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載のエアフィルタ用濾材の製造方法
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