図1は本発明の電池モジュールの実施例を示す外観斜視図であり、図2は図1のコネクタ嵌合部を拡大した状態を示す正面図であり、図3は図1の平面図であり、図4は図1の右側面図である。図1〜図4に示すように本発明の電池モジュール10は、ラミネート電池200(201〜208)のような扁平型の単電池が厚み方向に沿って複数枚積層され、各単電池が電気的に並列又は直列に接続されて、一つのモジュールとして構成されている。
図1に示す実施例の電池モジュール10は、単電池として8枚のラミネート電池201〜208が積層されている単電池積層体20と、単電池積層体20の前側端部のプレート組立体100と後側端部のプレート組立体100aとを有している。このように構成される電池モジュール10は、鋼板又はアルミニウム板等の金属板から形成されたケース体(図示せず)等の内部に収納され、複数の電池モジュール10が組み合わせられた組電池の状態で、自動車等に搭載される。
本発明では、ラミネート電池200の平面形状は矩形状であり、便宜上、ラミネート電池200の長手方向を前後方向として説明する。
電池モジュール10は、複数のラミネート電池201〜208が積層された単電池積層体20の前後方向の両端が、前方のプレート組立体100と後方のプレート組立体100aにより固定保持され、複数のラミネート電池201〜208が一体化されている。
プレート組立体100、100aは、それぞれ単電池積層体20を構成するラミネート電池200の枚数に応じた複数のプレートが積層されて構成される。図1に示す実施例では、それぞれラミネート電池の枚数と同じ枚数である8枚のプレートが積層されて、一つのプレート組立体100、100aを構成している。プレート組立体100、100aは、ラミネート電池201〜208の前後方向端部を支持して、単電池積層体20の状態を保持する固定部材としての機能を有する。更にプレート組立体100、100aは、電池モジュール10と外部とを電気的に接続するためのインターフェース部としての機能も持っている。
前側のプレート組立体100には、単電池積層体20から電気を取り出すための電極端子41、42、各ラミネート電池201、203、205、207の正極タブや負極タブ等の電極タブや電圧検知タブなどのタブに接続されている4個の電圧検知用端子140(詳しくは後述)が設けられている。
プレート組立体100の左右方向の略中央の位置には、4つの電圧検知用端子140がラミネート電池の積層方法に沿って縦一列に配列されて一纏めにされた端子集合体からなるコネクタ嵌合部150が設けられている。
また後側のプレート組立体100aには、各ラミネート電池202、204、206、208の正極タブや負極タブ等の電極タブや電圧検知タブなどのタブに接続されている4個の電圧検知用端子140が設けられている。プレート組立体100aは、4個の電圧検知用端子140がラミネート電池積層方向に沿って縦一列に配置されて一纏めにされた端子集合体からなるコネクタ嵌合部150aを有する。
この電池モジュール10は、前側のコネクタ嵌合部150の4枚のラミネート電池201、203、205、207の電圧検知用端子140を4本のワイヤーハーネスに接続されている一つのコネクタ300で一括して接続し、後側のコネクタ嵌合部150aの4枚のラミネート電池202、204、206、208の電圧検知用端子140をもう一つのコネクタ(図示せず)で一括して接続する。一つの電池モジュール10の二箇所のコネクタ嵌合部150、150aに、それぞれ4本のワイヤーハーネスに接続された2個のコネクタを嵌合するだけで、8枚のラミネート電池201〜208に接続された8個の電圧検知用端子140全てとワイヤーハーネスとを接続することができる。
図2に示すように、プレート組立体100のコネクタ嵌合部150には、電圧検知用端子140のピン型接点部141(図13参照)を覆うフード部160、162が設けられている。各フード部160、162は各ピン型接点部141の周囲を個別に覆っている。コネクタ嵌合部150は、各フード部160、162によりピン型接点部141毎に区画されている。各フード部160、162は、断面が方形の角筒状に形成され、前側が開口していて、ピン型接点部141の周囲をカバーする長さに形成されている。
コネクタ300を電池モジュール10と接続するには、電池モジュール10のコネクタ嵌合部150の各フード部160、162に、コネクタ300の端子キャビティ301が挿入する。コネクタ300は、端子キャビティ301の内部にピン型接点部141が挿入する箱型端子(図示せず)が埋設されており、該箱型端子はそれぞれワイヤーハーネス(図示せず)と接続されている。端子キャビティ301を各フード部160、162に挿入すると、フード部160、162の内部のピン型接点部141が端子キャビティ301の箱型端子と接触し、コネクタ300の箱型端子に接続されているワイヤーハーネスと、電池モジュール10の電圧検知用端子140とが電気的に接続する。
図5は図1のラミネート電池の一例を示す斜視図であり、図6は図5のA−A線に沿う模式的な断面図である。ラミネート電池201〜208は扁平な薄型電池であり、例えばリチウムイオン二次電池を用いることができる。ラミネート電池201〜208の内部の構造は、基本的に図5及び図6に示す構造を有する。尚、正極タブ、負極タブの取付け位置や形状等は、図5に示すものと異なる場合がある。
図5及び図6に示すように、ラミネート電池200は、電解質を含む発電要素212と、発電要素212がラミネートフィルム213A及びラミネートフィルム213Bからなる外装材213により封止されている電池本体211と、発電要素212から外部に導出された正極タブ214と負極タブ215とを有している。正極タブ214、負極タブ215(電極タブ)は、電流を引き出すための電極端子として、あるいは、電圧検知用端子140を取り付けるタブとして利用される。また、正極タブ214、負極タブ215(電極タブ)とは別に、電極タブに電気的に接続された電圧検知用タブを外装材213の端部から外部に導出させてもよい。さらには、正極タブ214、負極タブ215(電極タブ)に別体のタブとして電圧検知用タブを接続し、この電圧検知用タブを介して電圧検知用端子140を取り付けることも可能である。
ラミネート電池200は、ラミネートフィルム213Aと213Bの間に発電要素212が封入され、ラミネートフィルム213Aと213Bの周縁部が溶着されて、フィルム同士が接合された接合部211a、211b、211c、211dを形成することによって、袋状に形成されている。
発電要素212に用いられる電解質としては、電解質塩を非水溶媒に溶解して調製される電解質液体以外に、電解質塩を非水溶媒に溶解した溶液を高分子マトリクス中に保持させたポリマーゲル電解質等を用いることができる。上記電解質塩としては、イオン伝導性を示すリチウム塩が用いられる。このようなリチウム塩としては、例えばLiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li等が挙げられる。これらの電解質塩は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いもよい。
発電要素212は、例えばバイポーラ電極が電解質層を介して積層されているバイポーラ電池等の積層型構造のものを用いることができる。上記バイポーラ電極は、特に図示しないが、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成されている。バイポーラ電池は、これらの正極活物質層、電解質層、及び負極活物質層等によって、一つの単電池層が形成され、この単電池層が複数積層された構造を有する。更に単電池層の外周には、隣接する集電体間を絶縁するための絶縁層が設けられている。
発電要素212における正極板は、例えば、LiMn2O4等のリチウム−遷移金属複合酸化物からなる正極活物質層を有する。負極板は、例えば、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質層を有する。セパレータは、例えば、電解質を浸透し得る通気性を有するポーラス状のポリエチレン等から形成される。
図6に示すように、発電要素212の正極側は、最外層の集電体が延設されて、外装材213の外部に導出して薄板状の正極タブ214として形成されている。一方、発電要素212の負極側は、最外層の集電体が延設されて、外装材213の外部に導出して薄板状の負極タブ215として形成されている。正極タブ214及び負極タブ215は、電池本体211の前側端部の接合部211a、及び後側端部の接合部211bから電池本体211の外部に導出されている。
なお、発電要素212はバイポーラ電池以外の構造であってもよい。例えば、集電体の両面に正極活物質層を形成した正極電極板と、集電体の両面に負極活物質層を形成した負極電極板とを、セパレータを介して交互に積層した発電要素を外装材内部に封止して電池本体を形成し、正極電極板と電気的に接続された正極タブと、負極電極板と電気的に接続された負極タブとを電池本体から外部に導出して形成された電池でもよい。
外装材213の2枚のラミネートフィルム213A、213Bは、軽量化を図ることができ、熱伝導性が良好であることから、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムを用いることが好ましい。ラミネート電池200は、外装材としてラミネートフィルムを用いることにより、軽量、薄型に形成することが可能であり、柔軟性を有し、放熱性も優れている薄型単電池が得られる。
図7は図1のラミネート電池の前側のプレート組立体とラミネート電池の一部を示す分解斜視図である。図7に示すように、プレート組立体100は三種類のプレートが8枚組み合わされて構成されている。尚、後側のプレート組立体100aは、前側のプレート組立体100と比較して、上下関係の向きと各プレートの配列順が反対に取付けられ、電極端子41、42が設けられていない点が相違するが、基本的なプレートの組み合わせは共通している。以下、プレート組立体100の構成について詳細に説明し、プレート組立体100aの説明については省略する。
プレート組立体100は、1枚のガイドプレート110、その上に配置された3枚の端子プレート120、及びガイドプレート110又は端子プレート120の上側に配置された4枚のスペーサープレート130を有する。プレート組立体100の各プレートの配置は、最下部からガイドプレート110、スペーサープレート130、端子プレート120、スペーサープレート130、端子プレート120、スペーサープレート130、端子プレート120、及びスペーサープレート130の順である。プレート組立体100の上記各プレートには、それぞれ一つのラミネート電池200の前側端部の接合部211aが接合される。
図8はガイドプレートを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。図9は、図8のB−B線に沿う断面図である。図10は端子プレートを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。図11はスペーサープレートを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。これらのプレートは、電圧検知用端子140及びカラー部115、125を除いた部分は、絶縁性を有する材料から形成されていればよく、樹脂、ゴム等から形成することができる。またこれらのプレートの底面は基本的に突起等が突出しない平坦面として形成されている。
これらのプレートの中で、ガイドプレート110及び端子プレート120は、電圧検知用端子140が固定されているプレートであり、更にガイドプレート110は端子プレート120の動きを規制するガイド部180を備えている。端子プレート120は、ガイドプレート110の上記ガイド部180にガイドされる被ガイド部185を備えている。スペーサープレート130は、電圧検知用端子140を備えるプレートの間、或いはそのプレートの上に位置し、電圧検知用端子140を有していないプレートである。以下、電圧検知用端子、各プレートについて詳細に説明する。
図13は電圧検知用端子の斜視図である。図13に示すように電圧検知用端子140は、ラミネート電池200のタブ(電極タブ、或いは電極タブに電気的に接続された電圧検知用タブ)が超音波溶接により接合される平板状のタブ接合部142と、タブ接合部142から延設され、電圧検知用のワイヤーハーネス(不図示)が接続されたコネクタ300との接続部となるとともにガイドプレート110や端子プレート120とランス係止されるピン型接点部141と、タブ接合部142から後ろ方向に延設され、ラミネート電池200の端部にある接合部211aをガイドプレート110や端子プレート120に接合するための接着剤によってガイドプレート110や端子プレート120に固定される固定部143とを有している。
ピン型接点部141は、タブ接合部142から横方向に延設された延設部141bと、延設部141bの端部から前方に向かってその先端が突出するようにピン状に延びたピン部141aとから構成されている。なお、延設部141bは、ガイドプレート110や端子プレート120への取り付け時に、フード部160、161にピン部141aを位置合わせするための機能を有している。固定部143は、ピン型接点部141のピン部141aの突出方向と反対の方向(後ろ方向)に向かって、タブ接合部142から延設されている。固定部143の全体の長さは、ガイドプレート110や端子プレート120に形成されたスリット116(後述する)に固定部143の先端が達する長さとされている。
電圧検知用端子140は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属板材を打ち抜き加工することにより形成されており、固定部143とタブ接合部142は、同一平面内に形成されている。ピン型接点部141の延設部141bは、折り曲げ加工により形成された段部142aにより、タブ接合部142の形成面よりも一段高い位置に形成されている。また、ピン型接点部141は、金属板材の打ち抜き加工後に、さらに折り曲げ加工が施されて形成されている。具体的には、ピン型接点部141のうち、ピン部141aは、延設部141bが形成されている平面と垂直な方向に起立形成されている。このようにピン部141aを形成した場合には、ピン部141aの後端部を、治具等によって押しやすくなるため、ピン型接点部141をプレートに固定するのに適する。さらに、ピン部141aの起立した後端部を利用してプレートにランス係止するのに適する。
図8(a)、(b)に示すように、ガイドプレート110には、短手方向の後側がラミネート電池200を接合するための電池接合部111として形成され、前側の長手方向の両端部にプレート同士を支持するプレート支持部112が形成されている。ガイドプレート110は、プレート支持部112の間に端子保持部113が形成され、端子保持部113には電圧検知用端子140が所定の位置に固定されている。具体的には、端子保持部113の長手方向の中央には、フード部160が設けられており、フード部160の後端に、電圧検知用端子140のピン型接点部141をランス係止するランス係止部113aが形成されている。ランス係止部113aの後面から前方には、挿入溝113bが形成されており、電圧検知用端子140を挿入可能とされている。
図9に示すように、挿入溝113b内の底面には、ランス113cが形成されており、挿入溝113bに挿入された電圧検知用端子140のピン型接点部141の後端部を係止可能とされている。ピン型接点部141がランス113cによりランス係止された状態では、ランス係止はある程度がたつきのある係止法であるので、ランス係止されたピン型接点部141に連結されているタブ接合部142、固定部143はある程度自由に動ける状態になっている。
また、図9に示すように、挿入溝113bは、フード部160の内部空間に連通しており、挿入溝113bに挿入されてランス113cによりランス係止されたピン型接点部141の先端は、フード部160内に突出される。この際、ピン型接点部141がフード部160の略中央に位置するように、挿入溝113bとフード部160の位置が予め設定されており、ランス係止されたピン型接点部141のピン部141aは、その周囲がフード部160によって覆われる。
ガイドプレート110の端子保持部113は、積層方向に沿って表面から裏面に貫通する矩形状の開口窓部114が設けられている。開口窓部114は、フード部160を挟んで左右両側に一つずつ設けられている。電圧検知用端子140のうち、タブ接合部142は、開口窓部114に臨むように配置されている。つまり、タブ接合部142は、ランス係止されたピン型接点部141の延設部141bによって支持され、開口窓部114上に配置されている。タブ接合部142は、この開口窓部114上において、ラミネート電池200の電極タブと電圧検知用端子のタブ接合部142と接続される。
図8(a)、(b)に示すように、ガイドプレート110は、電池接合部111が、平板状に形成されている。また電池接合部111には、積層方向に沿う表裏を貫通し左右に伸びるスリット116が設けられている。ラミネート電池200の前側端部の接合部211aの一部が、ホットメルト接着剤等により電池接合部111に接合される。接合に供された接着剤は、スリット116の内部又は周辺に付着する。また電池接合部111の左右両端には、円筒状の突起118が設けられている。この突起118には、ラミネート電池200の接合部211aに設けられている貫通孔220が挿通する。
電圧検知用端子140の固定部143は、ピン型接点部141がランス係止された状態となったときに電池接合部111のスリット116にかかる長さに形成されている。そのため、図12に示すように、ラミネート電池200のタブとタブ接合部142とを超音波溶接した後、ラミネート電池200の前側端部の接合部211aとともにホットメルト接着剤等の接着剤116aによってガイドプレート110に固定部143を固定することができる。これにより、電圧検知用端子140全体をガイドプレート110に完全に固定することが可能となる。
またプレート支持部112は、上面側が電池接合部111の表面よりも一段高く形成された平板部112aとして形成されている。この平板部112aに、上述したカラー部115が設けられている。ガイドプレート110の上にスペーサープレート130を積層した場合、平板部112aの上にスペーサープレート130のプレート支持部132の底面が隙間無く当接して、スペーサープレート130が支持される。
ガイドプレート110の端子保持部113には、フード部160の左側面に端子プレート120の端子位置を規制するためのガイド部180が設けられている。ガイドプレート110のガイド部180とフード部160は一体に形成されている。ガイド部180は、積層方向に沿って上方に立設し、板状体からなる第1ガイド板181と板状体からなる第2ガイド板182とそれを繋ぐ接続部183とからなり、横断面がH字状に形成されている。第1ガイド板181は、第2ガイド板182に対し、プレート短手方向の長さが少し短く形成されている。
図10(a)、(b)は端子プレートを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。端子プレート120は図10(a)、(b)に示すように、フード部162の右側面に、ガイドプレート110のガイド部180の第1ガイド板181が挿通する被ガイド部185が設けられている。被ガイド部185は、ガイド部180の第1ガイド板181を積層方向である図中上下方向からスライドさせて挿通することが可能な形状に形成されている。被ガイド部185は、ガイド部180の第1ガイド板181を前側と後側から挟み込む前係止爪186と後係止爪187とから構成されている。前係止爪186の積層方向の厚みはフード部162の厚みと同じに形成されている。後係止爪187の積層方向の厚みは、フード部162の厚みの半分の厚みに形成されている。
ガイドプレート110の上方に端子プレート120を積層して被ガイド部185をガイド部180に挿通した場合、フード部162の外側右側面と前係止爪186と後係止爪187との間に形成される空間に、ガイド部180の第1ガイド板181が挟持される。前係止爪186と後係止爪187との間は、ガイド部180の接続部183が位置する。前係止爪186と後係止爪187の右側面は、被ガイド部185をガイド部180に挿通した場合、ガイド部180の第2ガイド板182の左面に当接する。
ガイドプレート110の上方に端子プレート120を積層する場合、端子プレートをガイドプレート110の真上から載置する。ガイドプレート110のガイド部180に、端子プレート120の被ガイド部185を挿通する。端子プレート120の被ガイド部185をガイドプレート110のガイド部180に挿通させると、端子プレート120は、ラミネート電池200の短手方向であるX方向(図7参照)の動きと、ラミネート電池の長手方向であるY方向の動きが規制される。この時点で端子プレート120は、ラミネート電池200の積層方向であるZ方向にのみ、ガイドプレート110にガイドされた状態でスライド移動することができる。
図2に示すように、8枚のプレートを積層してプレート組立体100を組み立てた場合、ガイド部180、フード部160、162、162、162、被ガイド部185、185、185が一体となって矩形状のコネクタ嵌合部150が形成される。プレート組立体100が積層された状態では、ガイドプレート110及び端子プレート120の上には、それぞれスペーサープレート130が積層される。
またガイド部180の右側面には、コネクタ嵌合部150にコネクタ300を嵌合した際に、コネクタ300の係合部と係合し、コネクタ300をコネクタ嵌合部150に係止するための係止突起184が設けられている。
ガイドプレート110は、端子保持部113に、前方に突出する平板状の短絡防止壁191が設けられている。短絡防止壁191は、一方の開口窓部114の周囲のフレームの端部に保持されている。また短絡防止壁191には補強用のリブが設けられている。またガイドプレート110のプレート支持部112には、電極端子取付部192、193が設けられていて、電極端子41、42が取付けられている。短絡防止壁191は、電極端子41、42よりも前方に突出しているので、電池モジュール10の前側が導電性部材に接触した場合に、同時に二つの電極端子41、42が導電性部材に接触するのを防止して、電極端子41、42間における短絡をし難くする。
ガイドプレート110は、両端のプレート支持部112に、金属カラーが埋設されていて上方に突出するカラー部115が設けられている。カラー部115の内部には、プレートの表裏を貫通している貫通孔が設けられている。また端子プレート120も同様に、プレート支持部122にカラー部125が設けられている。カラー部115、125の厚みはプレート2枚分の厚みに形成されている。スペーサープレート130は、プレート支持部132のカラー部115、125に対応する位置に、貫通孔135が設けられている。貫通孔135の大きさは、カラー部115、125が嵌合する大きさに形成されている。
ガイドプレート110又は端子プレート120の上にスペーサープレート130が積層された場合、貫通孔135の下方からカラー部115又はカラー部125が挿入されて嵌合した状態となる。プレート組立体100では、ガイドプレート110と端子プレート120に設けられている4個のカラー部115、125、125、125が積層方向において一体になり、一本のスリーブ170として形成される。このスリーブ170にボルトを挿通し、ナット等を締結してプレート組立体100の積層方向を圧締することができる。このときカラー部115、125及びボルト、ナットは、プレート組立体100の積層方向(図7のZ方向)における端子プレートの端子の動きを規制する固定手段として機能する。カラー部115、125の径は、ボルトの径よりも若干大きく形成されているので、ボルトの挿通が容易である。カラー部115、125にボルトを挿通してナットで固定するのは、端子位置の動きをZ−X方向、Z−Yに方向に対する動きを規制するためのものである。X−Y方向に対しての動きの規制は、ガイドプレート110と端子プレート120のガイド部180及び被ガイド部185の構造によるものである。
端子プレート120は、図10(a)、(b)に示すように、電池接合部121とプレート支持部122と端子保持部123とから構成されている。端子プレート120の電池接合部121とプレート支持部122の基本的な構造は、ガイドプレート110と同一の構造である。
端子プレート120は、端子保持部123に、ガイドプレート110に組み付けられている電圧検知用端子140と同一形状の電圧検知用端子140が固定されている。具体的には、フード部162の後端に、ガイドプレート110のランス係止部113aと同等のランス係止部123aが形成されており、ランス係止部123aの挿入溝123bに、電圧検知用端子140のピン型接点部141が挿入されてランス係止(不図示)されている。つまり、ガイドプレート110における電圧検知用端子140と同じように、電圧検知用端子140のうち、ピン型接点部141は、端子プレート120のランス係止部123aにランス係止されているが、それ以外のタブ接合部142や固定部143は、端子プレート120に固定されていない。また、固定部143の先端は、電池接合部121のスリット126上に配置されている。尚、フード部162とピン型接点部141との関係は、ガイドプレート110で説明したものとほぼ同一であるため、説明は省略する。
端子保持部123には、開口窓部123cが設けられている。開口窓部123cは、端部側も開口した形状に形成されている点がガイドプレート110の開口窓部114とは構造が異なる。電圧検知用端子140のうち、タブ接合部14142は、開口窓部123cに臨むように配置されている。つまり、タブ接合部142は、ランス係止されたピン型接点部141の延設部141bによって支持され、開口窓部123c上に配置されている。タブ接合部142は、この開口窓部123c上において、ラミネート電池200の電極タブと電圧検知用端子のタブ142と接続される。
スペーサープレート130は、図11(a)、(b)に示すように、電池接合部131とプレート支持部132とスペーサ部133とから構成されている。スペーサープレート130の電池接合部131の基本的な構造は、ガイドプレート110と共通の形状を有する。スペーサープレート130の長手方向左右の端部はプレート支持部132として形成され、平板部132aの中央にカラー部115、125が嵌合する貫通孔135が設けられている。
尚、ガイドプレート110、端子プレート120及びスペーサープレート130において、平板部112a、122a、132aは、同じ厚みに形成されている。
スペーサープレート130のスペーサ部133には、開口窓部134、134とそれを繋ぐ中央部137が設けられている。更に中央部137のプレート長手方向略中程には、凹所139が設けられている。この凹所139には、ガイドプレート110又は端子プレート120の上にスペーサープレート130が積層された際に、フード部160、162の後端部が嵌り込むようになっている。
ガイドプレート110と端子プレート120に、スペーサープレート130を積層すると、ガイドプレート110と端子プレート120のカラー部115、125がスペーサープレート130の貫通孔135に挿入される。スペーサープレート130のプレート保持部の下面が平坦なので、ガイドプレート110と端子プレート120のプレート支持部112、122に支持された状態となる。このとき、電池接合部111、121、131の厚みは、プレート支持部112、122よりも厚みが一段薄く形成されているので、電池接合部131のプレート間に空間が形成される。ラミネート電池200の端部の接合部211aの一部はホットメルト等の樹脂や接着剤と共にこの空間に挟持されている。プレート支持部112、122、123では、プレート間に隙間が出来ることなく積層される。電圧検知用端子140を、積層方向においても正確な位置に固定することができる。
更にカラー部115、125の周囲は平板部112a、122aとして形成されている。この平板部112a、122aは電池接合部111、121よりも一段高くなるように形成されている。これらのプレートにおいて、平板部112a、122a、132aの厚みが、基本的なプレートの厚みである。プレートは平板部により、その上に積層されるプレートを支持している。
図7に示すように、最上位置のプレート130を除いて、各プレートの電池接合部114、124、134の上には別のプレートが積層されている。各プレートの電池接合部114、124、134の上には、ラミネート電池201〜208の端部の接合部211aが接着剤により接合されている。
電池モジュール10の組立の際、各ラミネート電池201〜208を電気的に接続するには、特開2007−172893号公報等に記載されているような公知の手段を用いることができる。ラミネート電池201〜208は、例えば直列に接続し、下記のように3つのサブアセンブリから組み立てることができる。一番上の第1アセンブリとして、3枚のラミネート電池206〜208を直列に接続し、マイナス側の端子を組み付ける。二番目の第2アセンブリとして、2枚のラミネート電池204〜205を直列に接続する。一番下の第3アセンブリとして、3枚のラミネート電池201〜203を直列に接続し、プラス側の出力端子を組み付ける。第1アセンブリと第2アセンブリのタブどうしを接合する。第2アセンブリと第3アセンブリのタブどうしを接合する。ラミネート電池201〜208が直列に接続された電池モジュール10が得られる。
電圧検知用端子140のタブ接合部142は、ガイドプレート110及び端子プレート120に設けられた開口窓部114、123cに望み、開口窓部114、123cでラミネート電池の電極タブと電圧検知用端子のタブ142と超音波溶接により接合一体化される。
電圧検知用端子140のピン型接点部141をガイドプレート110や端子プレート120にランス係止すると、ランス係止はある程度がたつきのある係止法であるので、ランス係止されたピン型接点部141に連結されているタブ接合部142もある程度自由に動ける状態になる。そのため、ラミネート電池200のタブとタブ接合部142との超音波溶接性を確保することが可能となる。また、ラミネート電池200のタブとタブ接合部142とを超音波溶接した後は、タブ接合部142から延設された固定部143を、ラミネート電池200の端部とともに接着剤によってガイドプレート110や端子プレート120に固定することができる。そのため、電圧検知用端子140全体を完全に固定することが可能となり、ピン型接点部141が可動して摺動摩耗が発生するおそれがなくなる。
この電圧検知用端子140、端子付プレート(ガイドプレート110や端子プレート120)を用いた電池モジュール10は、電圧検知用ワイヤーハーネスのコネクタ側の端子と電圧検知用端子140のピン型接点部141との間における摺動摩耗を抑制することができるため、電圧検知用ワイヤーハーネスのコネクタと接続信頼性の高い電気的接続を確保することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施の形態では、電圧検知用端子の接点部として、コネクタの嵌合力を小さくするのに有利なピン型形状を示したが、他にも、タブ型形状などであっても良い。
また、上記実施の形態では、ガイドプレート110及び端子プレート120が有するランス113cにより、電圧検知用端子140のピン型接点部141をランス係止する例を示したが、他にも、挿入溝113b内に係止穴を形成するとともに、ピン型接点部141に前記係止穴に嵌り込むランスを形成し、ピン型接点部141を挿入溝113bに挿通したときに、前記ランスが係止穴に嵌り込むことにより、電圧検知用端子140をプレートにランス係止することも可能である。また、ピン型接点部141に係止穴を形成し、ピン型接点部141を挿入溝113bに挿通したときに、挿入溝113b内のランスがピン型接点部141の係止穴に嵌り込むことにより、電圧検知用端子140をプレートにランス係止することも可能である。