JP5537393B2 - 巻線切替装置、およびこれを用いた回転電機 - Google Patents

巻線切替装置、およびこれを用いた回転電機 Download PDF

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Description

本発明は巻線切替装置、およびこれを用いた回転電機に関するものである。
特許文献1には、切替装置を設けて、巻線接続方式を直列又は並列に切り替える技術が開示されている。すなわち、電機子の各相に巻回された複数の巻線を直列接続とし、巻数を大きく設計した状態にすることにより、電動機は、インバータの電流許容値を小さく抑えたまま、大トルクを得ることを目的としている。また、電動機は、巻線を並列接続とし、巻数を少なく設計した状態とすることにより、高速回転領域を拡大することができる(図2参照)。
特許文献2には、電流を通電するのではなく永久磁石を用いることでON状態を維持する構成が開示されている。
特開2005−354807号公報 特開2004−227966号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、電動機の駆動時において常にスイッチング素子に通電するため、いわゆる導通損が発生する。すなわち、切替装置部分で新たなエネルギー損失が発生するため、インバータと電動機とを含むシステム全体のエネルギー効率向上という観点では、必ずしも得策とは言えない。したがって、巻線切替装置として、電動機駆動時のエネルギー損失が僅少な機械式リレーを用いることが望ましく、特に、双安定リレーを用いる方法が望ましい。
双安定リレーとは、複数端子を有し、かつそのうち2つの端子間に電流を通電することを可能にする装置である。一般に、電流の通電経路となる端子部と、端子部の接続形態を自在に調節することを可能にする電磁石部とで構成される。端子部は2接点、または3接点で構成されるものが多い。電磁石部は接点のON接続状態を維持するために、連続的に電流を通電するものが広く知られているが、電力消費抑制の観点では、特許文献2のように、電流を通電するのではなく永久磁石を用いることでON状態を維持する構成が望ましい。
ただし、上記特許文献2に記載の電磁石構成では、磁気的なギャップ長が大きく、接続状態を切り替えるときに大きな起磁力(巻線の巻数と通電電流の積)が必要となる。このため、電磁石巻線の巻数を多くしたり、電磁石巻線の線径を太くして大電流に耐えられるようにしたりする必要が生じ、電磁石巻線の大型化、ひいては巻線切替装置の大型化を招く、という課題がある。
本発明の目的は、配線の接続工程を簡略化でき、かつ小形な巻線切替装置及びこれを用いた回転電機を提供することである。
本発明の巻線切替装置を用いた回転電機を備える製品としては、例えば、圧縮機,電気自動車およびハイブリッド自動車,ファン,ポンプ等が考えられる。
上記課題を解決するために、制御電流が印加される巻線を具備したヨークと可動部とで構成される巻線切替装置において、前記ヨークは、中空の断面形状と前記ヨークの内側に向かって凸となるようなティース部を複数有し、前記ティース部は、互いに対向するように組を成し、このうちの少なくとも1組は、前記巻線を具備しており、前記巻線を具備したティースの組に挟まれた状態で所定の空間を介して前記可動部が配置されるように構成すればよい。
本発明によれば、配線の接続工程を簡略化でき、かつ小形な巻線切替装置を提供することができる。
本発明の一実施例による永久磁石同期機の電機子巻線と巻線切替回路の接続構成図。 電機子巻線の接続状態とトルク−回転数特性の関係図。 従来の機械式リレーを用いて構成した一相分の巻線切替装置の構成図。 本発明の一実施例による巻線切替装置の構成図。 本発明の一実施例による巻線切替装置の構成図。 本発明の一実施例による巻線切替動作部の断面構造図。 本発明の一実施例による巻線切替動作部の動作原理を示した模式図。 従来の巻線切替動作部の断面構造図。 本発明の一実施例による巻線切替動作部の断面構造図。 本発明の一実施例による巻線切替動作部の断面構造図。 本発明の一実施例による巻線切替動作部の断面構造図。 本発明の一実施例による巻線切替端子部の斜視図。 本発明の一実施例による巻線切替端子部の斜視図。 本発明の一実施例による巻線切替装置の斜視図。 本発明の一実施例による巻線切替端子部の斜視図。 本発明の一実施例による巻線切替端子部の斜視図。 本発明の一実施例による巻線切替端子部の上面図。 本発明の一実施例による巻線切替装置の斜視図。 本発明の一実施例による巻線切替端子部の斜視図。
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である永久磁石同期機の電機子巻線と、巻線切替回路との接続構成を示した配線図である。この接続構成は、特許文献1で開示された内容に近いが、単一の巻線切替装置を用いて複数の端子接続部を一括で切り替えられる点で異なっており、切替端子の構成(図3〜図5にて後述)および電磁石部分の構成(図6にて後述)も、特許文献2に記載の構成とは異なる。
図1において、三相の永久磁石同期機30と、切替端子40とが、インバータ60に接続されている。具体的に、三相の永久磁石同期機30は、電機子巻線が各相2つの巻線(第1の巻線:U1,V1,W1、第2の巻線:U2,V2,W2)で構成されており、第1の巻線(U1,V1,W1)の一端は、三相電源用の端子31(図1では三相それぞれを31U,31V,31Wと表示)を介して、インバータ60に接続されている。第1の巻線(U1,V1,W1)の他端は、端子Tb1(Tb1U,Tb1V,Tb1W)に接続され、端子Tb2(Tb2U,Tb2V,Tb2W)を介して中性点50aに接続され、Y結線を構成するか、もしくは、端子Tb3(Tb3U,Tb3V,Tb3W)を介して、第2の巻線へと接続され、直列接続を構成する。第2の巻線(U2,V2,W2)の一端は、中性点50bに接続されY結線を構成し、他端は端子Ta2(Ta2U,Ta2V,Ta2W)に接続されている。また、端子Ta3(Ta3U,Ta3V,Ta3W)と端子Tb3(Tb3U,Tb3V,Tb3W)とは、互いに接続されている。
一方、インバータ60は、直流電源61が発生する直流電圧Eを三相の交流電圧に変換し、変換された交流電圧を、端子31(31u,31v,31w)を介して、永久磁石同期機30の電機子巻線に印加する。端子31は、端子Ta1、及び第1の巻線に接続されている。
巻線切替動作部1を構成する電磁石巻線32(32a,32b)の端子33a,33bは切替制御装置70に接続されている。これにより、切替端子40(Sa,Sb)は、制御回路70により同時に切り替えられる。制御回路70は、トランジスタなどの半導体素子を用いて構成されている。第1の巻線(U1,V1,W1)と第2の巻線(U2,V2,W2)とを直列接続する場合は、図1に記載のように、制御回路70は、端子Tb1と端子Tb3とを接続し、端子Ta3と端子Ta2とを接続する。一方、第1の巻線と第2の巻線とを並列接続する場合は、制御回路70は、端子Tb1と端子Tb2とを接続させ、端子Ta1と端子Ta2とを接続する。このとき、中性点50aと50bとは切り離してもよく、短絡してもよい。図1では第1の巻線と第2の巻線とは直列接続され、中性点50aと50bとは切り離されている。なお、各相の切替端子を独立に操作できるよう巻線切替動作部1を複数個設けてもよい。
図2は、電機子巻線の接続状態に応じた、トルク−回転速度の特性図である。永久磁石同期機30は、複数の電機子巻線を直列接続とし、巻数を多く設計した状態とすることにより、インバータの電流許容値を小さく抑えたまま、大トルクを発生することができる。一方、永久磁石同期機30は、複数の電機子巻線を並列接続とし、巻数を小さく設計した状態とすることにより、高速回転領域を拡大することができる。なお、永久磁石同期機30は、回転速度が低いときは定トルクで、回転速度が高くなると定出力で駆動されることが多い。
図3は、従来の機械式リレーを用いて構成した一相分の巻線切替装置で、図3に示す切替端子40は図1のうち、SaU,Ta1U,Ta2U,Ta3Uで構成される部分に相当する。図3において、図1と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図3のSaUは、構造部材20を介して巻線切替動作部1(図6にて詳述)の可動子4に連結されている。制御装置70は、固定子2に巻き回された電磁石巻線32へ通電制御を行い、可動子4を上下移動させることにより切替端子40の接続状態を自在に切り替える構成となっている。端子Ta2Uは導体板401を介して端子Ta3Uに接続されるか、または導体板301を介して端子Ta1Uに接続される。
従来技術では三相永久磁石同期機の巻線切替装置を構成する場合、図3に示すような切替装置が計6個必要となる。すなわち、従来の機械式リレーを単純に組み合わせただけでは、端子部分の配線が複雑となり製造工程が複雑化するほか、巻線切替装置のサイズが大きくなる、という課題があった。したがって、端子部分の配線簡略化、および切替装置の小形化は実用上きわめて有用である。
図4および図5に、巻線切替装置の配線簡略化および小形化を実現した構成を示す。図4および図5に示す切替端子40は、図1に示した三相分の切替端子Sa,Ta,Sb,Tbに相当する。図4および図5において、図1と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。まず、図4側面図のように、切替端子SaU,SbUが紙面奥行き方向手前側に向かって順に並べられ、かつSaU,SbUが導体板201に接触している場合を考える。ここで、図示していないが、SaU,SbUの紙面奥行き方向手前側に向かってSaV,SbV,SaW,SbWがさらに順に並べられている。前記6つの切替端子は、構造部材20を介して巻線切替動作部1(図6にて詳述)の可動子4に連結されている。制御装置70は、固定子2に巻き回された電磁石巻線32へ通電制御を行い、可動子4を上下移動させることにより切替端子40の接続状態を自在に切り替える構成となっている。
図4上面図において、端子Tb1Uと端子Ta2Uとは導体板201を介して接続され、端子Tb1Vと端子Ta2Vとは導体板203を介して接続され、端子Tb1Wと端子Ta2Wとは導体板205を介してそれぞれ接続される。導体板201,203,205はそれぞれ絶縁材210で絶縁されている。この状態は、図1に示した第1巻線(U1,V1,W1)と第2巻線(U2,V2,W2)とが直列接続された状態に相当し、図1記載の端子Ta3UおよびTb3Uによる短絡結線の役割を、図4の導体板201が担っている。図1記載の端子Ta3VおよびTb3V,Ta3WおよびTb3Wによる短絡結線の役割に関しても同様に、図4の導体板203,205が担っている。
一方、図5側面図のように、切替装置SaU,SbUが紙面奥行き方向手前側に並べられ、かつSaU,SbUが導体板301,302にそれぞれ接触している場合を考える。ここで、図4側面図と同様に、SaU,SbUの紙面奥行き方向手前側に向かってSaV,SbV,SaW,SbWがさらに順に並べられている。前記6つの切替端子は、構造部材20を介して巻線切替動作部1(図6にて詳述)の可動子4に連結されており、図4では可動子4が上側に位置していたのに対し、図5では下側に位置する構成となっている。図5上面図において、端子Tb1Uと端子Tb1Vと端子Tb1Wとは導体板302を介して接続され、端子Ta1Uと端子Ta2Uとは導体板301を介して接続され、端子Ta1Vと端子Ta2Vとは導体板303を介して接続され、端子Ta1Wと端子Ta2Wとは導体板305を介してそれぞれ接続される。導体板301,302,303,305はそれぞれ絶縁材310で絶縁されている。この状態は、図1の回路図に示す第1巻線(U1,V1,W1)と第2巻線(U2,V2,W2)とが並列接続された状態に相当する。すなわち、図1では、端子Tb1U,Tb1V,Tb1Wが、端子Tb2U,Tb2V,Tb2Wを介して中性点50aで短絡されており、このうち端子Tb2U,Tb2V,Tb2Wおよび中性点50aによる短絡結線の役割を、図5の導体板302が担っている。
以上のように、巻線切替装置を図4および図5に示す構成とすることで、端子部分の配線簡略化および小形化が可能となる。巻線切替装置は、永久磁石同期機30の電機子巻線内周側や外周側の空きスペースに設置してもよいし、他の空きスペースを有効活用できるのであれば、どこに設置してもよいし、永久磁石同期機30とは別の設置スペースを新たに設けて設置してもよい。このような巻線切替装置を用いることで、インバータ容量を増加することなく可変速運転範囲を拡大できる。特に、低速運転時には直列接続とすることで、制御応答性向上や、最大トルク向上が可能となる。同時に、電流低減により、インバータ導通損の低減、ならびに半導体素子の温度上昇緩和、およびインバータ効率の向上を図ることができる。同時に、インダクタンス増加により、モータ電流のキャリア高調波成分が低減するため、鉄損低減、ならびにモータの温度上昇緩和といった効果が得られる。
なお、図4および図5に記載した切替端子40の可動端子部401〜406は、接続状態を自在に切り替えられる構成であれば、一列に並べる必要はなく、どのような構成であってもよい。巻線切替動作部1の設置場所に関しても、可動端子部401〜406を自在に移動させられる構成であれば、どのような配置であってもよい。
また、永久磁石同期機30の電機子巻線が各相n個(nは自然数)の巻線で構成される場合においても、上記と同様に構成した巻線切替装置を用いることで、直列接続と並列接続とを切り替えることができる。また、永久磁石同期機30の電機子巻線が各相2n個の巻線で構成される場合は、2並列の巻線をn個直列に接続することもできる。同様に、永久磁石同期機30の電機子巻線が各相m×n個(mは3以上の自然数)の巻線で構成される場合は、m並列の巻線をn個直列に接続することもできる。また、上記において永久磁石同期機30の電機子巻線を構成する複数の巻線全てに通電するのではなく、一部の巻線のみに通電するように接続してもよい。
また、上記と同様に構成した巻線切替装置を用いることで、永久磁石同期機30の電機子巻線を、Y結線およびΔ結線に自在に切り替えることもできる。
また、上記の巻線切替装置は発電機にも適用することができる。
また、上記の巻線切替装置は単相モータにも適用することができる。単相モータの場合、1スロットに格納されるコイルを、複数組のコイルで構成することで、効果的に直列接続と並列接続とを切り替えることが可能となる。
電磁石巻線32の通電電流は、制御回路70により制御する。制御回路はトランジスタなどの半導体素子を用いて構成する。なお、電動機の電機子巻線の端子と切替端子40とを接続する場合、接点がオンとなった瞬間に大電流が流れ、接点にスパークを生じて焼き付きが起こる可能性がある。これを防ぐため、スパークキラー(コンデンサと抵抗器を直列に接続した電子部品)やバリスタ(過電圧を吸収する半導体素子)を用いて、接点と並列に接続してもよい。
図6は、本発明の一実施例による巻線切替動作部1の断面構造図である。可動子4の状態を切り替えるための制御電流が印加される巻線32a(32a1と32a2の組),32b(32b1と32b2の組)と、これらを具備したティース5a,5bと、可動接点を備えた可動子4とで構成される巻線切替動作部において、ヨーク3が中空の断面形状を有するとともに、前記ヨーク3の内側に向かって凸となるようなティース部を複数有し、かつ、前記ティース部は互いに対向するように組を成し、このうちの少なくとも1組は、前記制御電流が印加される巻線32a,巻線32bを具備しており、前記巻線32a,32bを具備したティース5a,5bに挟まれるように、かつ、所定の空隙を介して前記可動子4が配置される。前記巻線32a,32bを具備したティース5a,5bとは別のティース組であって、かつ、前記巻線32a,32bを具備したティース5a,5bの対向軸とは異なる対向軸を有するティース6a,6bが、各々永久磁石7a,7bを有しており、永久磁石7a,7bの磁化容易方向は、永久磁石を有するティース6a,6bの凸方向であって、かつ、対向する永久磁石7a,7bの内側の磁極は同極となり、前記永久磁石を具備したティース6a,6bに挟まれるように、かつ、所定の空隙を介して前記可動子4が配置される。可動子4を構成する可動ヨーク9は磁性体で構成され、積層鋼板を用いても良いし、塊状鉄心等を用いても良く、また圧粉磁心等を成形したものでも良い。また、可動ヨーク9と永久磁石7とを、圧粉磁心とボンド磁石とで一体成形したものでもよい。
図7は、図6記載による巻線切替動作部の動作原理を示した模式図である。図7において、図6と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。
図7(a)は、可動子4が下側に位置する構成となっており、図5記載の構成に等しい。電磁石巻線32a,32bは励磁されていない。永久磁石7a,7bによる磁束10a,10bは実線で示すような経路となる。すなわち、永久磁石7a,7bから中空部分に向けて発生する磁束は、可動ヨーク9を介してティース5b側へ透過し、ティース5bの根元側で二手に分かれ、それぞれ固定子ヨーク3を介して永久磁石7a,7bに還流する。このとき、可動ヨーク9とティース5bとは、ともに下向きに磁化されるため、両者の間には磁気的な吸引力が発生する。これによって、電磁石巻線32に励磁していない状態でも、可動子4は下側に位置する状態で固定される、すなわち図5記載の状態で切替端子40が保持される。
図7(b)は、可動子4が下側に位置する状態で、電磁石巻線32a,32bに励磁した場合を示している。巻線32aには永久磁石7a,7bの磁化方向と同一方向の磁束を発生するよう励磁する(巻線32a1には紙面から向かってくる方向に通電し、巻線32a2には紙面奥行き方向に通電する)ことで、巻線32aによる磁束11aは点線で示すような経路となる。すなわち、ティース5aを上向きに透過する磁束は、ティース5aの根元側で二手に分かれ、それぞれ固定子ヨーク3を介して永久磁石7a,7bを透過し、そこから中空部分に向かい、可動ヨーク9を介してティース5a側へと還流する。このとき、可動ヨーク9下部とティース5aとは、ともに上向きに磁化されるため、両者の間には磁気的な吸引力が発生する。一方で、巻線32bには永久磁石7a,7bの磁化方向と逆向きの磁束を発生するよう励磁する(巻線32b1には紙面から向かってくる方向に通電し、巻線32b2には紙面奥行き方向に通電する)ことで、巻線32bによる磁束11bは点線で示すような経路となる。すなわち、ティース5bから中空部分に向けて発生する磁束は、可動ヨーク9を介して二手に分かれ、それぞれ永久磁石7a,7bを透過し、固定子ヨーク3を介してティース5bへと還流する。このとき、永久磁石7aおよび7bによる磁束10aおよび10bと、巻線32bによる磁束11bとは互いに逆向きに発生するため、可動ヨーク9上部とティース5bの磁化は小さくなり、図7(a)において両者の間に発生していた磁気的な吸引力は低下する。以上より、可動ヨーク9下部とティース5aとの磁気的吸引力が支配的となり、可動子4はティース5bを離れてティース5a側に移動する。
図7(c)は、図7(b)と同様の励磁状態で可動子4が上側に移動した状態を示している。巻線32a,32bによる磁束11a,11bは点線で示すような経路となる。一方、永久磁石7a,7bによる磁束10a,10bは実線で示すような経路となる。すなわち、永久磁石7a,7bから中空部分に向けて発生する磁束は、可動ヨーク9を介してティース5a側へ透過し、ティース5aの根元側で二手に分かれ、それぞれ固定子ヨーク3を介して永久磁石7a,7bに還流する。このとき、可動ヨーク9とティース5aとは、ともに上向きに磁化されるため、両者の間には磁気的な吸引力が発生する。また、磁束10a,10b,11aによる磁化が全て同一方向となるため、磁気吸引力の大きさは、図7(a),(b)記載の場合と比較して大きくなる。このため、構造部材20の機械強度は、図7(c)記載の状態における磁気吸引力に耐えうるよう設計する必要があり、高強度材の適用によりコスト増を招く可能性もある。したがって、図7(c)記載の状態における磁気吸引力を小さくするような設計が望ましく、これに関しては図9にて説明する。
図7(c)の励磁状態を取り除くと、可動子4が上側に位置した状態で、巻線32a,32bによる磁束11a,11bが消え、永久磁石7a,7bによる磁束10a,10bが残る。このとき、可動ヨーク9とティース5aとは、ともに上向きに磁化されるため、両者の間には磁気的な吸引力が発生する。この状態は、図7(a)記載の状態と相対である。以上より、電磁石巻線32に励磁していない状態でも、可動子4は上側に位置する状態で固定される、すなわち図4記載の状態で切替端子40が保持される。
図8は先行文献2記載の巻線切替動作部1の断面構造図である。図8において、図6と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図8の構成が図6と異なる点は、ティース5a,5bが無い点である。このような構成とする場合、巻線32a,32bいずれかの漏れ磁束が大きくなる(図8では巻線32aがこれに該当)ほか、可動ヨーク9と固定子ヨーク3の磁気的ギャップ長が大きくなる(図8では巻線32a側のギャップがこれに該当)ため、電磁石巻線の巻数を多くしたり、電磁石巻線の線径を太くして大電流に耐えられるようにしたりする必要が生じ、電磁石巻線の大型化、ひいては巻線切替装置の大型化を招く。
以上より、本発明によれば、巻線切替動作部1の状態切替時において、コイルに流す制御電流を大幅に小さくしたりヨークおよびコイルを大幅に小型化したりすることができる。また、永久磁石の吸引力によって双安定リレーを動作状態および休止状態に維持することができるため、復帰バネなどを用いる必要がなくなるので、双安定リレーを小型化することができる。
図9は、本発明の一実施例による巻線切替動作部1の断面構造図である。図9において、図6と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図9の構成が図6と異なる点は、可動ヨーク9において奥行き方向のスリット21が施されている点である。このような構成とすることで、図7(c)記載の磁束11aによる磁化を小さくすることができ、機械強度の小さな構造部材20でも構成可能となる。
図10は本発明の一実施例による巻線切替動作部1の断面構造図である。図10において、図6と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図10の構成が図6と異なる点は、ティース6a,6bが無く、永久磁石7a,7bが可動ヨーク9の左右端部に配置されている点である。このような構成でも、図6記載の巻線切替動作部と同様に、切替端子40の切り替え、保持を実現できる。なお、可動ヨーク9にスリットを設けることで、図9で説明した効果と同様、機械強度の小さな構造部材20でも構成可能となる。
図11は、本発明の一実施例による巻線切替動作部1の断面構造図である。図11において、図6と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図11の構成が図6と異なる点は、固定子ヨーク3が上下に分割され固定子ヨーク3a,3bで構成されている点、および永久磁石7a,7bが可動ヨーク9に埋め込まれた形で配置されている点である。このような構成でも、図6記載の巻線切替動作部と同様に、切替端子40の切り替え、保持を実現できる。なお、可動ヨーク9にスリットを設けることで、例えば図9で説明した効果と同様、機械強度の小さな構造部材20でも構成可能となる。
図12は切替端子40の別の形態による一実施例の斜視図である。図12において、図4および図5と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。切替端子40の可動部400は、巻線切替動作部1(図示していない)により自在に上下に移動でき、切替端子40の固定部200および300のいずれかと合致する構成となる。
可動部400は非導電部材で構成され、互いに電気的に絶縁された導体板401〜406を具備している。導体板401には端子Ta2Uが接合されており、端子Ta2Uは面401cに直付けしてもよいし、面401cに突起状の端子接合部を設けて接合してもよいし、クラスタ等で前記突起部に嵌合させる構成としてもよい。また、他の導体板との電気的絶縁が保たれるのであれば、面400aの一部や他の部位など、どの部位に接合してもよい。他の導体板402〜406に関しても同様に、導体板402と端子Tb1Uが、導体板403と端子Ta2Vが、導体板404と端子Tb1Vが、導体板405と端子Ta2Wが、導体板406と端子Tb1Wがそれぞれ接合されている。導体板401〜406は、固定部200と接する面401b〜406bと、固定部300と接する面401d〜406dとを有しており、面401c〜406cの反対側の面400aには導体板が無い。ただし、導体板どうしの電気的絶縁が保たれるのであれば、面400aに導体板を設けてもよいし、また、導体板401〜406の形状もそれぞれ異なっていてもよい。
固定部200は、導体板201,203,205を具備しているが、図12では固定部200の影に位置しているため、固定部200,300および可動部400を透明化した状態を図13に示す。
図13において、導体板201は面201b,212,202bから成り、同様に、導体板203は面203b,234,204bから成り、導体板205は面205b,256,206bから成る。可動部400が固定部200と合致しているとき、可動部400の面401b,402bはそれぞれ固定部200の面201b,202bと接する、すなわち、面401cと402cにそれぞれ接合された端子Ta2UとTb1Uとが導体板201によって電気的に短絡される。同様にして、可動部400の面403b,404bはそれぞれ固定部200の面203b,204bと、面405b,406bはそれぞれ面205b,206bと接する。すなわち、面403cと404cにそれぞれ接合された端子Ta2VとTb1Vとが導体板203によって電気的に短絡され、面405cと406cにそれぞれ接合された端子Ta2WとTb1Wとが導体板205によって電気的に短絡される。この状態は、図4記載の状態と等価であり、すなわち永久磁石同期機30に巻き回された第1の巻線と第2の巻線(図1参照)が直列接続となる。図4の構成と異なる点は、導体板201,203,205が互いに段違いで配置されており、導体板201と203との間に面223が配されることで所定の絶縁距離を確保することが可能となり、同様に、導体板203と205との間にも面245が配されており、これによって図4記載の絶縁材210が不要となる点である。
一方、固定部300は、導体板301,303,305を具備しており、導体板301は面301c,301dから成り、同様に、導体板303は面303c,303dから成り、導体板305は面305c,305dから成り、導体板302は面302c,302d,304c,304d,306c,306dから成る。
導体板301には端子Ta1Uが接合されており、端子Ta1Uは面301cに直付けしてもよいし、面301cに突起状の端子接合部を設けて接合してもよいし、クラスタ等を用いて前記突起部に嵌合させる構成としてもよい。また、他の導体板との電気的絶縁が保たれるのであれば、どの部位に接合してもよい。
導体板303,305に関しても同様に、導体板303に端子Ta1Vが、導体板305に端子Ta1Wがそれぞれ接合されている。可動部400が固定部300と合致しているとき、可動部400の面401d〜406dはそれぞれ固定部300の面301d〜306dと接する。すなわち、面401cに接合された端子Ta2Uと面301cに接合された端子Ta1Uが電気的に短絡され、同様にして、面403cに接合された端子Ta2Vと面303cに接合された端子Ta1Vが電気的に短絡される。また、面405cに接合された端子Ta2Wと面305cに接合された端子Ta1Wが電気的に短絡される。また、面402cに接合された端子Tb1Uと、面404cに接合された端子Tb1Vと、面406cに接合された端子Tb1Wは、いずれも導体板302によって電気的に短絡される。この状態は、図5記載の状態と等価である。すなわち永久磁石同期機30が具備する第1の巻線と第2の巻線は並列接続となる(図1参照)。
図5の構成と異なる点は、導体板301〜306が互いに段違いで配置されており、導体板301〜306との間に面312,323,334,345,356が配されることで所定の絶縁距離を確保することが可能となり、これによって図5記載の絶縁材310が不要となる点である。
図14は、図12の構成を用いた一形態による全体構成の斜視図を示す。図14において、図12と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。切替端子40を構成する固定部200および300と、可動部400は、図12記載の構成と同様である。
固定部200および300には、嵌合用の凹部220および320が設けられ、支持機構500に設けた嵌合用の凸部520および530をここに嵌合させることで、固定部200を支持する。同様に、可動部400にも、嵌合用の凹部420(図示していない)が設けられ、支持機構600に設けた嵌合用の凸部620をここに嵌合させることで、可動部400を支持する。さらに、支持機構600には、構造部材20を介して、巻線切替動作部1の可動子4が連結されており、支持機構600ひいては可動部400の上下移動、および状態保持を自在に操作することができる。
なお、巻線切替動作部1は、支持機構600に連結するのではなく、支持機構500に連結する構成としてもよく、この場合は、可動部と固定部の役割が前述と反対となるだけで、巻線切替装置としての動作原理、接続状態は不変である。なお、支持機構500,600は非導電性部材で構成することが望ましいが、切替端子40との電気的絶縁が確保されるのであれば、他の材料で構成してもよい。また、支持機構500,600には、導線の引き出し溝(図示していない)を設けることが望ましい。
図15に示すように、支持機構500と600は、固定部200,300および可動部400を包含する構成となり、かつ、切替動作時における支持機構600の移動(もしくは支持機構500の移動)に干渉しないような構成となる。これにより、切替端子40への異物混入や、外部短絡等を防止することが可能となり、コンプレッサー等の冷媒充填環境や、その他の劣悪な環境においても、本発明による巻線切替装置を容易に設置することができる。
また、永久磁石同期機30の電機子巻線が各相n個(nは3以上の自然数)の巻線で構成される場合においても、上記と同様に構成した巻線切替装置を用いることで、直列接続と並列接続とを切り替えることができる。この場合、切替端子40(固定部200,300および可動部400)をn段に重ね、支持機構500および600で支持し、単一の巻線切替動作部1に連結することで、n個の並列接続とするか、直列接続とするか、を切り替える構成としてもよいし、図14記載の巻線切替装置をn段に重ね、各段の装置を個別に制御することで、並列数を自在に制御できる構成としてもよい。
以上の構成により、巻線切替装置の端子部分の配線簡略化および小形化が可能となる。巻線切替装置は、永久磁石同期機30の電機子巻線内周側や外周側の空きスペースに設置してもよいし、他の空きスペースを有効活用できるのであれば、どこに設置してもよいし、永久磁石同期機30とは別の設置スペースを新たに設けて設置してもよい。このような巻線切替装置を用いることで、インバータ容量を増加することなく可変速運転範囲を拡大できる。
特に、低速運転時には直列接続とすることで、制御応答性向上や、最大トルク向上が可能となる。同時に、電流低減により、インバータ導通損の低減、ならびに半導体素子の温度上昇緩和、およびインバータ効率の向上を図ることができる。同時に、インダクタンス増加により、モータ電流のキャリア高調波成分が低減するため、鉄損低減、ならびにモータの温度上昇緩和といった効果が得られる。
図16は、切替端子40の別の形態による一実施例の斜視図である。図16において、図12と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図16の構成が図12と異なる点は、可動部400および固定部200が円環状で、かつ固定部200には導体板201,203,205のほかに、導体板301〜306が具備されている点である。可動部400は巻線切替動作部1(図示していない)により自在に回転可能で、固定部200の面201b〜206bと接するか、または面301d〜306dと接する。
可動部400は非導電部材で構成され、互いに電気的に絶縁された導体板401〜406を具備している。導体板401には端子Ta2Uが接合されており、端子Ta2Uは面401cに直付けしてもよいし、面401cに突起状の端子接合部を設けて接合してもよいし、クラスタ等で前記突起部に嵌合させる構成としてもよい。また、他の導体板との電気的絶縁が保たれるのであれば、面400aの一部や他の部位など、どの部位に接合してもよい。他の導体板402〜406に関しても同様に、導体板402と端子Tb1Uが、導体板403と端子Ta2Vが、導体板404と端子Tb1Vが、導体板405と端子Ta2Wが、導体板406と端子Tb1Wがそれぞれ接合されている。導体板401〜406は、導体板201b〜206bと接する面401b〜406bと、導体板301d〜306dと接する面401d〜406dとを有しており、面401c〜406cの反対側の面400aには導体板が無い。ただし、導体板どうしの電気的絶縁が保たれるのであれば、面400aに導体板を設けてもよいし、また、導体板401〜406の形状もそれぞれ異なっていてもよい。
導体板201は面201b,201c,201d,202b,202cから成り、導体板203,205も同様の構成となる。いま、可動部400が、固定部200の面201b〜206bと接しているときを考える。可動部400の面401b,402bはそれぞれ固定部200の面201b,202bと接する、すなわち、面401cと402cとにそれぞれ接合された端子Ta2UとTb1Uとが導体板201によって電気的に短絡される。同様にして、可動部400の面403b,404bはそれぞれ固定部200の面203b,204bと、面405b,406bはそれぞれ面205b,206bと接する。すなわち、面403cと404cにそれぞれ接合された端子Ta2VとTb1Vとが導体板203によって電気的に短絡され、面405cと406cにそれぞれ接合された端子Ta2WとTb1Wとが導体板205によって電気的に短絡される。この状態は、図4記載の状態と等価であり、すなわち永久磁石同期機30に巻き回された第1の巻線と第2の巻線(図1参照)が直列接続となる。図4の構成と異なる点は、導体板401〜406が円環状に30°ずつ隔てて配置されることで、所定の絶縁距離を確保することが可能となり、図4記載の絶縁材210が不要となる点である。
導体板301は、面301c,301dから成り、同様に、導体板303は面303c,303dから成り、導体板305は面305c,305dから成る。導体板301には端子Ta1Uが接合されており、端子Ta1Uは面301cに直付けしてもよいし、面301cに突起状の端子接合部を設けて接合してもよいし、クラスタ等を用いて前記突起部に嵌合させる構成としてもよい。また、他の導体板との電気的絶縁が保たれるのであれば、どの部位に接合してもよい。導体板303,305に関しても同様に、導体板303に端子Ta1Vが、導体板305に端子Ta1Wがそれぞれ接合されている。導体板302,304,306は内周側に配置された円環状の導体板で電気的に短絡されている。導体板302は面302c,302dから成り、導体板304は面304c,304dから成り、導体板306は面306c,306dから成る。いま、可動部400が、固定部200の面301d〜306dと接しているときを考える。面401cに接合された端子Ta2Uと面301cに接合された端子Ta1Uが電気的に短絡され、同様にして、面403cに接合された端子Ta2Vと面303cに接合された端子Ta1Vが電気的に短絡され、また、面405cに接合された端子Ta2Wと面305cに接合された端子Ta1Wが電気的に短絡される。また、面402cに接合された端子Tb1Uと、面404cに接合された端子Tb1Vと、面406cに接合された端子Tb1Wは、いずれも導体板302,2304,306を介して電気的に短絡される。この状態は、図5記載の状態と等価であり、すなわち永久磁石同期機30が具備する第1の巻線と第2の巻線は並列接続となる(図1参照)。図5の構成と異なる点は、導体板301〜306が円環状に30°ずつ隔てて配置されることで、所定の絶縁距離を確保することが可能となり、これによって図5記載の絶縁材310が不要となる点である。なお、このとき、固定部200の面201d,203d,205dは可動部400の非導電部材と接するため、導体板201,203,205は無通電状態となる。
図17は、可動部400が、固定部200の面301d〜306dと接しているときの上面図である。可動部400は巻線切替動作部1(図示していない)により自在に回転可能である。なお、巻線切替動作部1は、可動部400に連結するのではなく、固定部200に連結する構成としてもよく、この場合は、可動部と固定部の役割が前述と反対となるだけで、巻線切替装置としての動作原理、接続状態は不変である。
図18に図16の構成を用いた一形態による全体構成の斜視図を示す。図18において、図16と同一構成要素には同一符号を付け、重複説明は避ける。図18では、固定部を400とし、可動部を200とした。固定部400には、嵌合用の凹部420(図示していない)が設けられ、支持機構500に設けた嵌合用の凸部520(図示していない)をここに嵌合させることで、固定部400を支持する。可動部200には、2基の巻線切替動作部1aおよび1bが、構造部材20a,20bを介して連結されており、可動部200の回転移動、および状態保持を自在に操作することができる。なお、巻線切替動作部1は、2基ではなく1機で構成してもよいし、3機以上で構成してもよい。また、支持機構500は非導電性部材で構成することが望ましいが、切替端子40との電気的絶縁が確保されるのであれば、他の材料で構成してもよい。また、支持機構500には、導線の引き出し溝を設けることが望ましい。
図19に示すように、支持機構500は、固定部400および可動部200を包含する構成となり、かつ、切替動作時における可動部200の回転移動に干渉しないような構成となる。導体板401〜406,301,303,305に接合された端子は略同一平面状に配置されており、各端子に接続された導線は引き出し線550から支持機構500の外部に引き出される。このような構成により、切替端子40への異物混入や、外部短絡等を防止することが可能となり、コンプレッサー等の冷媒充填環境や、その他の劣悪な環境においても、本発明による巻線切替装置を容易に設置することができる。また、円環状の構成とすることで、永久磁石同期機30の巻線の軸方向端部、いわゆるコイルエンドにおけるデッドスペースを有効に活用することができる。例えば、回転子が固定子の内周側に配置された「内転形」においては、コイルエンドの内周側に、図19記載の巻線切替装置を設置する。回転子が固定子の内周側に配置された「外転形」においては、コイルエンドの外周側に設置する。
また、永久磁石同期機30の電機子巻線が各相n個(nは3以上の自然数)の巻線で構成される場合においても、上記と同様に構成した巻線切替装置を用いることで、直列接続と並列接続とを切り替えることができる。この場合、切替端子40(固定部200および可動部400)をn段に重ね、支持機構500で支持し、単一の巻線切替動作部1に連結することで、n個の並列接続とするか、直列接続とするか、を切り替える構成としてもよいし、図18記載の巻線切替装置をn段に重ね、各段の装置を個別に制御することで、並列数を自在に制御できる構成としてもよい。さらに、図16記載の円環構造を、内周側または外周側にn層配置し、支持機構500で支持し、単一の巻線切替動作部1に連結することで、n個の並列接続とするか、直列接続とするか、を切り替える構成としてもよい。さらに、図16記載の円環構造を、内周側または外周側にn層配置し、各層に独立の巻線切替動作部を設けて個別に制御することで、並列数を自在に制御できる構成としてもよい。
以上の構成により、巻線切替装置の端子部分の配線簡略化および小形化が可能となる。巻線切替装置は、永久磁石同期機30の電機子巻線内周側や外周側の空きスペースに設置してもよいし、他の空きスペースを有効活用できるのであれば、どこに設置してもよく、永久磁石同期機30とは別の設置スペースを新たに設けて設置してもよい。このような巻線切替装置を用いることで、インバータ容量を増加することなく可変速運転範囲を拡大できる。特に、低速運転時には直列接続とすることで、制御応答性向上や、最大トルク向上が可能となる。同時に、電流低減により、インバータ導通損の低減、ならびに半導体素子の温度上昇緩和、およびインバータ効率の向上を図ることができる。同時に、インダクタンス増加により、モータ電流のキャリア高調波成分が低減するため、鉄損低減、ならびにモータの温度上昇緩和といった効果が得られる。
1 巻線切替動作部
2 固定子
3 固定子ヨーク
4 可動接点を備えた可動子
5 電磁石巻線32を具備したティース
6 永久磁石7を有するティース
7 永久磁石
8,21 スリット
9 可動ヨーク
10 永久磁石7による磁束
11 電磁石巻線32による磁束
20 構造部材
30 永久磁石同期機
31 電機子巻線の端子
32 電磁石巻線
33 電磁石の巻線の端子
40 切替端子
50 中性点
60 インバータ(回路)
61 直流電源
62,63 直流電源側の端子
70 制御回路
200,300 切替端子40の固定部(可動部)
201〜206,301〜306,401〜406 導体板
210,310 絶縁材
220,320,520,530,620 嵌合部
400 切替端子40の可動部(固定部)
500,600 支持機構
550 引き出し溝

Claims (6)

  1. 双安定リレーの状態を切り替えるための制御電流が印加される巻線を具備したヨークと、
    可動接点を備えた可動部とで構成される巻線切替装置において、
    前記ヨークが中空の断面形状を有するとともに、前記ヨークの内側に向かって凸となるようなティース部を複数有し、かつ、
    前記ティース部は互いに対向するように組を成し、このうちの少なくとも1組は、前記制御電流が印加される巻線を具備しており、
    前記巻線を具備したティースの組に挟まれるように、かつ、所定の空隙を介して前記可動部が配置され
    前記可動接点は三相永久磁石同期機の各相端子に接続されており、
    前記可動部と前記ヨークの吸引・反発作用により可動接点を動作させることで、第1の固定接点との接触、および第2の固定接点との接触を自在に切り替える構成であって、各相端子に接続された可動接点の全てが、1つの可動部に機械的に接続されることを特徴とする巻線切替装置。
  2. 請求項記載の巻線切替装置において、
    前記巻線を具備したティース組とは別のティース組であって、かつ、前記巻線を具備したティース組の対向軸とは異なる対向軸を有するティース組が、各々永久磁石を有しており、
    前記各々の永久磁石の磁化容易方向は、前記各々の永久磁石を有するティースの凸方向であって、かつ、対向する永久磁石の内側の磁極は同極となり、
    前記永久磁石を具備したティースの組に挟まれるように、かつ、所定の空隙を介して前記可動部が配置されることを特徴とする巻線切替装置。
  3. 請求項記載の巻線切替装置において、
    前記可動部は略方形状の断面形状を有する磁性体で構成され、
    前記磁性体の端面について、対向する1組の端面は、前記ティースの凸部の内側面と略平行となり、一方で、別の1組の端面は、前記ティースの凸方向と略平行となると同時に各々の端面が永久磁石を有し、
    前記永久磁石の対向方向と磁化容易方向は同一であり、かつ、対向する永久磁石の内側の磁極は同極となり、
    前記可動部は、中空の断面形状を有する前記ヨークの内側に配置され、かつ、所定の空隙を介して配置されることを特徴とする巻線切替装置。
  4. 請求項記載の巻線切替装置において、
    前記巻線切替装置の端子接続部にサージキラー,スパークキラー、およびバリスタを接続することを特徴とする巻線切替装置。
  5. 請求項記載の巻線切替装置において、
    前記巻線切替装置の端子接続部が、高耐熱樹脂または非導電性部材により覆われることを特徴とする巻線切替装置。
  6. 請求項1乃至いずれかに記載の巻線切替装置を備えた回転電機。
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