JP5535743B2 - 金属ベローズ - Google Patents

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Description

本発明は、金属ベローズに関する。本発明の金属ベローズは車載用のアキュムレータにその構成要素として好適に用いられる。
従来から図6に示すように、ハウジング51の内部に金属ベローズ52およびベローズキャップ53を有し、金属ベローズ52の外周側をガス室54、内周側を液室55とする外ガスタイプの金属ベローズ型アキュムレータであって、機器の運転停止による配管圧力降下(ゼロダウン)時にベローズ52が収縮してベローズキャップ53に取り付けたシール56がステー57に当接することにより液室55を封止してベローズ52内外の圧力を均衡させる構造のアキュムレータが知られている(下記特許文献1または2参照)。
しかしながら、この従来技術では、上記ゼロダウンが低温または常温で行なわれその後、温度が上昇した場合、熱膨張時の圧力上昇度合いはガス室54内の封入ガスに比べて液室55内の液体(バックアップフルード)のほうが大きいことから、ベローズ52内外に数MPa程度にも及ぶ大きな圧力差が発生することがあり、このように大きな圧力差が発生するとベローズ52が異常変形したり破損したりする虞がある。
上記ベローズ52の異常変形や破損を防止するため、本願発明者らは先に図7に示すアキュムレータを提案しており、このアキュムレータでは、オイルポート58のベローズキャップ53側にバネ手段59で支持された可動プレート60が設けられ、定常作動時、可動プレート60はバネ手段59に支持されてシール56から離間しており、ゼロダウン時、可動プレート60はベローズキャップ53に押されてバネ手段59を圧縮しながらシール56に接触し、ゼロダウン時液室55に閉じ込められた液体が熱膨張したときには、可動プレート60はシール56に接触したままでベローズキャップ53が液体圧とガス圧が釣り合う位置まで移動する構成とされている(下記特許文献3参照)。
したがって、この先行技術では、ゼロダウン時液室55に閉じ込められた液体が熱膨張したときに可動プレート60はシール56に接触したままでベローズキャップ53が液体圧とガス圧が釣り合う位置まで移動するため、ベローズ52内外の圧力差がなくなり、よってベローズ52が内外圧力差により異常変形したり破損したりするのを防止することが可能とされている。
しかしながら、この先行技術では、ベローズ52自体の構造は何ら改良されておらず、これに対し、ベローズ52自体に液体の熱膨張による高圧を吸収する機能を備えれば、上記可動プレート60やバネ手段59などによる圧力吸収機構を採用する必要がないことになる。
尚、本願出願人らは先に別途、図8に示すアキュムレータを提案しており、このアキュムレータには、ゼロダウン後の更なる液室の圧力低下によりベローズ52が収縮し変形したときに外径側山部と内径側谷部との間に面接触部分を形成するとともに、外径側山部のU字型部分の曲率半径が縮小してヘアピン形状が形成され、外径側山部同士が非接触状態になる金属ベローズ52が備えられている(下記特許文献4参照)。
しかしながら、この先行技術に係る金属ベローズ52では、その面接触部分はベローズ自由長状態で互いに離れており、ベローズ収縮時に互いに面接触するものであるため、その組み付け初期のベローズ長さは収縮(ゼロダウン)時のベローズ長さよりも大きく設定されており、よって本発明とはベローズ52の構造が異なるものである。
特開2003−172301号公報 実用新案登録第3148351号公報 WO2009/047964A1号公報 特開2007−192290号公報
本発明は以上の点に鑑みて、ベローズ自体が液体の熱膨張による高圧を吸収する機能を備える金属ベローズを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による金属ベローズは、環状を呈し、第一内径側反転部、第一腹部、第一外径側反転部、第二腹部、第二内径側反転部、第三腹部、第二外径側反転部および第四腹部をこの順に一連に一体成形した構造を軸方向に繰り返し有する金属ベローズであって、当該ベローズが伸長も収縮もしていない組み込み初期における自由長状態において前記第一内径側反転部は断面U字状をなして反転し、前記第一腹部および第二腹部はそれぞれ平面状をなして互いに面接触し、前記第一外径側反転部は断面円弧状をなして反転するとともにその軸方向幅を前記第一腹部および第二腹部の厚みの和よりも大きく設定され、かつ中空部を備え、前記第二腹部および第三腹部は互いに軸方向に離間し、前記第二内径側反転部は断面U字状をなして反転し、前記第三腹部および第四腹部はそれぞれ平面状をなして互いに面接触し、前記第二外径側反転部は断面円弧状をなして反転するとともにその軸方向幅を前記第三腹部および第四腹部の厚みの和よりも大きく設定され、かつ中空部を備え、前記第一外径側反転部および第二外径側反転部は互いに軸方向に離間し、前記第一内径側反転部および第二内径側反転部は互いに接触し、前記自由長状態において当該ベローズの内径側から圧力が作用したときに、前記第一腹部および第二腹部ならびに前記第三腹部および第四腹部はそれぞれ互いに軸方向に離間する方向へ膨らむことにより前記圧力を吸収することを特徴とする。
上記請求項1による金属ベローズは、全体として環状を呈し、軸方向に並ぶ山谷を有し、山谷2ピッチ分の構成要素として、第一内径側反転部、第一腹部、第一外径側反転部、第二腹部、第二内径側反転部、第三腹部、第二外径側反転部および第四腹部をこの順に一連に有し、当該ベローズが伸長も収縮もしていない組み込み初期における自由長状態において以下の態様となるように構成されている。
(a)第一腹部および第二腹部は、互いに少なくとも一部が面接触している。
(b)第一外径側反転部は、断面円弧状をなして反転し、その軸方向幅は第一腹部および第二腹部の厚みの和よりも大きく設定されている。
(c)第二腹部および第三腹部は、互いに軸方向に離間している。
(d)第三腹部および第四腹部は、第一腹部および第二腹部と同様に、互いに少なくとも一部が面接触している。
(e)第二外径反転部は、第一外径反転部と同様に、断面円弧状をなして反転し、その軸方向幅は第三腹部および第四腹部の厚みの和よりも大きく設定されている。
(f)第一外径側反転部および第二外径側反転部は、互いに軸方向に離間している。
そして、上記構成の金属ベローズでは、上記したように第一腹部および第二腹部は互いに少なくとも一部が面接触しており、第二腹部および第三腹部は互いに軸方向に離間しており、更に第三腹部および第四腹部は第一腹部および第二腹部と同様に互いに少なくとも一部が面接触しているため、当該ベローズに対しその内径側から液体の熱膨張による高圧が作用すると、第一腹部および第二腹部は互いに離間する方向へ膨らむとともに第三腹部および第四腹部も互いに離間する方向へ膨らみ、これにより高圧の少なくとも一部を吸収することが可能とされている。またこのとき、第一外径側反転部および第二外径側反転部の軸方向間隔は殆んど変わらないため、ベローズは殆んど伸長することなく上記高圧を吸収することが可能とされている。したがって、このようにベローズ自体が高圧を吸収する機能を備えるため、ベローズ自体によって内外圧力差を緩和もしくは解消することができる。
尚、上記したように本発明のベローズでは、組み込み初期における自由長状態において第一腹部および第二腹部が互いに面接触するとともに第三腹部および第四腹部も互いに面接触する構成とされているが、組み込み後の検査工程や実使用によりベローズが一旦伸長動作を経ると、これらの面接触状態は完全には原状に復帰せず、よってこの分、ベローズの自由長が伸びることがある。しかしながらこのような場合には、ベローズが収縮動作することにより面接触状態が原状に復帰するため、このとき高圧を吸収するように状況を設定することにより、上記したのと同じくベローズ自体が高圧を吸収する機能を発揮する。本願発明者らが行なった評価試験によると、自由長状態がストロークの中間部にある状態のほうが収縮方向のストローク限にある状態よりも、ベローズに発生する最大応力が小さくなるため、前者のほうが却って好適であると云うこともできる。
本発明によれば、以下の効果が発揮される。
すなわち、本発明の金属ベローズは、上記したように当該ベローズ自体が液体の熱膨張による高圧を吸収する機能を備えているため、当該ベローズ自体によってその内外圧力差を緩和もしくは解消することができる。したがって、上記可動プレートやバネ手段などによる圧力吸収機構を別途アキュムレータに設けなくても、ベローズが異常変形したり破損したりするのを抑制することができる。
尚、この効果はこれを換言すると、当該ベローズが熱膨張時に液室の容積を拡大する機能を備えていると云うことであり、また、腹部同士が面接触していて液室の容積が当初小さく設定されるので、液室の熱膨張の度合いを減少させることができると云うことである。
また、本発明のベローズにおいては、第一腹部および第二腹部は互いに少なくとも一部が面接触しており、第三腹部および第四腹部も互いに少なくとも一部が面接触しているため、自由長状態におけるピッチ(平均ピッチ)が小さく設定されている。したがって、このように自由長状態におけるピッチが小さいので、小ピッチ化によるアキュムレータハウジングの小型化や、ベローズ折り返し段数(山谷数)の増加による伸縮時の発生応力(振幅応力)の軽減(疲労軽減)を期待することができる。
本発明の実施例に係る金属ベローズを備えるアキュムレータの断面図 同金属ベローズを示す図であって、(A)は同ベローズの自由長状態を示す要部断面図、(B)は同ベローズの伸長状態を示す要部断面図、(C)は同ベローズの自由長状態において内径側から高圧が作用してベローズが弾性変形したときの要部断面図 同ベローズの製造過程における状態を示す要部断面図 本発明の他の実施例に係る金属ベローズ型アキュムレータの断面図 本発明の他の実施例に係る金属ベローズ型アキュムレータの断面図 従来例に係る金属ベローズ型アキュムレータの断面図 他の従来例に係る金属ベローズ型アキュムレータの断面図 他の従来例に係る金属ベローズ型アキュムレータの断面図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)本発明は、予めU字型ベローズに外圧を印加するなどしてヘアピン形状に2次成形を行ない、ベローズの腹部を密着させることによりベローズの各山に吸収機能を持たせた金属ベローズ、およびこの金属ベローズを装着したアキュムレータを提供する。尚、疲労性アップの目的から、ベローズには時効焼鈍・セッチングを施すことが好ましい。
(2)上記(1)によれば、以下の効果が発揮される。すなわち、ヘアピン型ベローズでは、収縮時の強度が極めて高いので、液室の熱膨張によるベローズの破損が軽減される。また、予めヘアピン形状としたベローズを組み付けるので、小ピッチ化によるシェルの小型化、またはベローズの山数増加による伸縮時の発生応力(振幅応力)の軽減(疲労軽減)が狙える。さらには、予めヘアピン形状とした場合は、液室内の容積も減るので、熱膨張の度合いも減少できる。
(3)予め2次成形したヘアピン形状の金属ベローズを装着し、ベローズの腹部を密着させることによりベローズの各山に吸収機能を持たせた金属ベローズ型アキュムレータ用ベローズ。ここで、ベローズをヘアピン形状とした場合、各山間のピッチは小さくなり、応力振幅(所定の振幅を与えた時のベローズにかかる応力)はピッチの0.5乗に反比例して大きくなる。しかし、ベローズの最圧縮時の長さ(ゼロダウン長)をU字ベローズの場合と同じに設計することで、ピッチを小さくした分だけ山数が増えることになり、山数に反比例して応力振幅は低下する。よって、両者の兼ね合いから、結果として腹部を密着させたヘアピン形状のベローズでは、U字ベローズに比べて応力振幅を小さくできる。また、ゼロダウン長を変えず、小ピッチ化することで、バックアップフルード量が低減でき、熱膨張量を減少させることができるので、ヘアピンベローズの必要とする弾性変形領域も小さくなり、吸収機能のロバスト性を確保することができる。
(4)小ピッチ化してベローズ自由長に入る山数を多くすれば、小ピッチ化により応力振幅はルートに反比例して増えるが、応力振幅と反比例の関係にある山数を増やすので、トータルで応力振幅を低減させることができ、従来技術のベローズに対して長寿命化が図れる(下記(5)のベローズ応力振幅計算式参照)。このとき、ゼロダウン長は変えないので、アキュムレータとして体格が大きくなることはない。
(5)ベローズ応力振幅計算式
σ/2=1.5Etδ/(4Nb0.51.5
σ/2:ベローズ応力振幅(MPa)
E:ヤング率(MPa)
t:ベローズ板厚(mm)
δ:ベローズストローク(mm)
N:ベローズ山数
b:ベローズピッチの1/2(mm)
h:ベローズ山高さ(mm) {(ベローズ外径)−(ベローズ内径)}/2
(6)具体例
ヘアピンベローズ(ベローズピッチ:1mm、ベローズゼロダウン長:35.5mm(=ベローズ自由長:35.5mm)、山数:35山)の応力振幅は、U字ベローズ(ベローズピッチ:2.5mm、ベローズゼロダウン長:35.5mm(=ベローズ自由長:51.25mm)、山数:20山)の応力振幅の90%に相当する(本例は、ベローズ山高さが同じ場合を示す)。
(7)応力振幅
ゼロダウン状態からベローズが伸長した時の応力振幅は、
応力振幅=|(ゼロダウン状態の発生応力)−(ベローズ伸長時の発生応力)|/2
で表される。
(8)外ガスタイプの金属ベローズ型アキュムレータでは、それを搭載した車が火災に遭うなどして高温に加熱された場合の充填ガスのリリーフ手段として、ステー側面に薄肉部を設ける方法が知られている(上記特許文献1参照)。しかしながら上記(1)〜(7)のように、予めベローズをヘアピン形状にして耐圧性を高めた場合、充填ガスの仕切り板であるベローズの変形または破損が生じにくいので、充填ガスがリリーフされず、シェルの破損を招く危険性が出てくる。
(9)そこで、予めヘアピン形状とした金属ベローズを装着した外ガスタイプのアキュムレータにおいて、ベローズキャップに破裂板(薄肉部)を設けたことを特徴とする。好ましくは、高温時にシールゴムが焼けて炭化した場合、ベローズキャップとステーがメタルシールしないようにベローズキャップと対峙するステー面に数箇所の溝または突起を設ける。シールゴムはゴム単体のリップシールとすることがシール性の観点から好ましいが、この場合、リップシールの機能維持と非常時の封入オイルの抜けを確保する必要から、設置するシールホルダとベローズキャップのクリアランスはガス圧上昇時にもクリアランスを保つように設定することが好ましい。ヘアピン形状のベローズは、使用時の温度サイクルによる液室の熱膨張によって破損しにくいが、異常時の高温下でも破損しにくい問題がある。このため、ベローズキャップに破裂板(薄膜部)を設置することで、異常時の高温下における充填ガスのリリーフが確保できる。また、ベローズキャップに対峙するステー面に溝または突起を設けることで、高温下でシールゴムが焼けた場合でも、メタルシールとならず、液室のオイルを安全にポート側へ逃がすことができる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係る金属ベローズ9を備えるアキュムレータ1の断面を示している。図2は同金属ベローズ9の一部を拡大して示しており、図2(A)はその組み込み初期における自由長状態の要部断面、図2(B)はその伸長状態の要部断面、図2(C)はその自由長状態において内径側から高圧が作用してベローズ9が弾性変形したときの要部断面をそれぞれ示している。また、図3は同金属ベローズ9の製造過程における要部断面を示している。
図1に示すアキュムレータ1は、ベローズとして金属ベローズ9を用いる金属ベローズ型アキュムレータであって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、図示しない圧力配管に接続されるオイルポート4を備えたアキュムレータハウジング2が設けられており、このハウジング2の内部にベローズ9およびベローズキャップ10が配置されてハウジング2の内部空間が高圧ガス(例えば窒素ガス)を封入するガス室11と、オイルポート4のポート穴5に連通する液室12とに仕切られている。ハウジング2としては、有底円筒状のシェル3と、このシェル3の開口部に固定(溶接)されたオイルポート4との組み合わせよりなるものが描かれているが、このハウジング2の部品割り構造は特に限定されるものではなく、例えばオイルポート4とシェル3は一体であっても良く、シェル3の底部はシェル3と別体のエンドカバーであっても良く、いずれにしてもシェル3の底部またはこれに相当する部品には、ガス室11にガスを注入するためのガス注入口6が設けられ、ガス注入後、ガスプラグ7で閉じられている。符号8は六角ナット付ピンである。
ベローズ9は、その固定端9aをハウジング2のポート側内面であるオイルポート4の内面に固定(溶接)するとともにその遊動端9bに円盤状のベローズキャップ10を固定(溶接)しており、よって当該アキュムレータ1はベローズ9の外周側にガス室11を配置するとともにベローズ9の内周側に液室12を配置する外ガスタイプのアキュムレータとされている。ベローズキャップ10の外周部には、ハウジング2の内面に対するベローズ9の接触を防止するために制振リング13が取り付けられているが、この制振リング13はシール作用を奏するものではない。
ハウジング2のポート側内面すなわちオイルポート4の内面に位置して環状ないし筒状のステー15が固定(溶接)されており、このステー15の先端(図では上端)に、ベローズキャップ10が接離自在に当接することによりベローズキャップ10のベローズ収縮方向へのストローク限を規定する環状のストッパ部15aが設けられている。またステー15の内周面には内向きフランジ部15bが設けられて第一段差部15cおよび第二段差部15dが形成され、前者の第一段差部15cに嵌合されたシール16が、後者の第二段差部15dに嵌合されたシールホルダ17によって抜け止め保持されている。フランジ部15bの内周は連通孔15eとされ、シールホルダ17の内周も連通孔17aとされている。
シール16は、ベローズキャップ10がストッパ部15aに当接して上記ストローク限に位置したときにこのベローズキャップ10に接離自在に密接することにより液室12(ベローズ9およびシール16間の空間)を閉塞してこの液室12内に一部の液体を閉じ込めるものであって、このシール機能を十分に発揮するように外向きのシールリップを備えたゴム状弾性体製パッキンにより形成されている。尚、シール16としては、十分なシール性能を発揮するものであればOリングやXリングなどの他の形状のパッキンであっても良く、本発明は特にシール16の種類や形状を限定するものではない。またシール16は、上記特許文献1に記載のようにベローズキャップ10に取り付けられてステー15やオイルポート4等に接触するものであっても良い。またステー15における上記ストッパ部15aには、その内外を連通させるための切欠状の連通路15fが円周上一箇所または複数個所に設けられている。
ベローズ9は、全体として環状ないし筒状を呈し、環状の山部および谷部が軸方向に交互に並べられ、図2(A)に拡大して示すように山谷2ピッチ分の構成要素として、第一内径側反転部9c、第一腹部9d、第一外径側反転部9e、第二腹部9f、第二内径側反転部9g、第三腹部9h、第二外径側反転部9iおよび第四腹部9jがこの順に一連に一体成形された金属ベローズとして成形されており、伸長も収縮もしていない組み込み初期の自由長状態において図示するように、第一内径側反転部9cは断面U字状をなして反転し、第一腹部9dおよび第二腹部9fはそれぞれ平面状をなして互いに面接触し、第一外径側反転部9eは断面円弧状をなして反転するとともにその軸方向幅wを第一腹部9dおよび第二腹部9fの厚みの和wよりも大きく設定され、かつ中空部9kを備え、第二腹部9fおよび第三腹部9hは互いに軸方向に離間し、第二内径側反転部9gは第一内径側反転部9cと同様、断面U字状をなして反転し、第三腹部9hおよび第四腹部9jは第一腹部9dおよび第二腹部9fと同様それぞれ平面状をなして互いに面接触し、第二外径側反転部9iは第一外径側反転部9eと同様、断面円弧状をなして反転するとともにその軸方向幅wを第三腹部9hおよび第四腹部9jの厚みの和wよりも大きく設定され、かつ中空部9mを備え、第一外径側反転部9eおよび第二外径側反転部9iは互いに軸方向に離間し、第一内径側反転部9cおよび第二内径側反転部9gは上記第一腹部9dおよび第二腹部9fが面接触しているのに合わせて互いに接触しており、この図2(A)の自由長状態からベローズ9が伸長すると図2(B)に示すように、第一腹部9dおよび第二腹部9fは互いに軸方向に離間して「く」の字状に開き、第三腹部9hおよび第四腹部9jも互いに軸方向に離間して「く」の字状に開き、第一外径側反転部9eおよび第二外径側反転部9iは互いに軸方向に大きく離間し、第一内径側反転部9cおよび第二内径側反転部9gも互いに軸方向に大きく離間する。
また、図2(A)の自由長状態(初期状態)において、当該ベローズ9に対しその内径側(図では右側)から高圧が作用してベローズ9が弾性変形すると図2(C)に示すように、第一内径側反転部9cおよび第二内径側反転部9gの間から高圧が進入する結果として、第一腹部9dは上向き凸の円弧形に膨らむように弾性変形し、第二腹部9fは下向き凸の円弧形に膨らむように弾性変形し、第一腹部9dおよび第二腹部9fは互いに軸方向に離間する。また第二内径側反転部9gおよびその下側の内径側反転部(図示せず)の間から高圧が進入する結果として、第三腹部9hは上向き凸の円弧形に膨らむように弾性変形し、第四腹部9jは下向き凸の円弧形に膨らむように弾性変形し、第三腹部9hおよび第四腹部9jは互いに軸方向に離間する。またこのとき、互いに軸方向に離間している第一外径側反転部9eおよび第二外径側反転部9iの離間距離(間隔)は殆ど変わらず、第一内径側反転部9cおよび第二内径側反転部9gはごく僅か(圧力が進入する程度)に離間するに過ぎない。したがって、ベローズ9全体としてその軸方向長さは殆んど変わらず、変わらないまま上記のように弾性変形して高圧を吸収することが可能とされており、これにより当該ベローズ9は当該ベローズ9自体が液体の熱膨張による高圧(圧力)を吸収する機能を備えていることになる。
尚、図2(A)の状態において、第一腹部9dから第一外径側反転部9eで反転して第二腹部9fに至る部位および第三腹部9hから第二外径側反転部9iで反転して第四腹部9jに至る部位はそれぞれその断面形状をヘアピン形状とされており、このようにこれら部位がヘアピン形状を呈する状態が当該ベローズ9の自由長状態(初期状態)とされている。
そして、当該実施例では、図1に示したようにベローズキャップ10がステー15のストッパ部15aに当接してベローズ収縮方向のストローク限に位置するときまたはその近傍に位置するときに、ベローズ9が上記組み込み初期の自由長状態となるようにベローズ9の軸方向長さが設定され、すなわちベローズ9は伸長も収縮もせず図2(A)に示す断面状態のままで図1に示す位置に配置されたオイルポート4およびベローズキャップ10間に架設される。したがってこのベローズ9では、互いに隣り合う腹部9d,9f、9h,9j同士が2枚ずつ組となって面接触しており、よってピッチが小さく、強度および耐圧性が高められている。
尚、ベローズ9は、図3に示す断面形状(図示するように第一腹部9dおよび第二腹部9fは互いに軸方向に離間しており、第三腹部9hおよび第四腹部9jも互いに軸方向に離間している)に1次成形され、この状態から外圧Pを印加することにより図2(A)に示すヘアピン形状に2次成形されるものである。
また、上記アキュムレータ1には、その他の構成として、以下の内容からなる防爆策が施されている。
すなわち先ず、ベローズキャップ10に、火災発生等の異常時に高圧によって破裂して封入ガスをリリーフする破裂板部21が設けられている。破裂板部21は円盤状を呈するベローズキャップ10の平面中央に設けられている。また破裂板部21はベローズキャップ10の平面一部に凹部22を設けてベローズキャップ10を薄肉とすることにより形成されている。凹部22はガス室11側に開口しているが、図4に示すように液室12側に開口するものであっても良い。
また、火災発生等の異常時には、ガス室11内の封入ガスのほかに、液室12内の液体(バックアップフルード)もリリーフする必要があり、このためのリリーフ経路として、ステー15に設けた切欠状の連通路15fが用いられる。異常時にシール16は高温によりシール性を消失する。またこのリリーフ経路を塞いでしまうことがないように金属製のシールホルダ17と同じく金属製のベローズキャップ10との間には十分な軸方向間隙が設定されている。
尚、上記アキュムレータ1では、内部部品としてハウジング2内にステー15を設置しているが、オイルポート4の内面に凸部を一体成形することによってステー15の代用とし、ステー15を省略するようにしても良い。図5の他の実施例では、オイルポート4の内面に凸部23が一体に設けられてステー15の代用とされ、ステー15が省略されている。凸部23には、連通路15f付きのストッパ部15aが設けられ、またシール16やシールホルダ17を嵌合するための段差部15c,15dが設けられている。またこの図5の例では、ベローズキャップ10が立体形状とされ、すなわち円盤状の平面部10aの外周縁部からガス室11側へ向けて筒状部10bが一体成形されるとともに筒状部10bの先端から径方向外方へ向けて外向きのフランジ部10cが一体成形された形状とされ、これによりベローズ9の取付長が長く設定されている。
1 アキュムレータ
2 ハウジング
3 シェル
4 オイルポート
5 ポート穴
6 ガス注入口
7 ガスプラグ
8 六角ナット付ピン
9 ベローズ
9a 固定端
9b 遊動端
9c 第一内径側反転部
9d 第一腹部
9e 第一外径側反転部
9f 第二腹部
9g 第二内径側反転部
9h 第三腹部
9i 第二外径側反転部
9j 第四腹部
9k,9m 中空部
10 ベローズキャップ
10a 平面部
10b 筒状部
10c,15b フランジ部
11 ガス室
12 液室
13 制振リング
15 ステー
15a ストッパ部
15c,15d 段差部
15e,17a 連通孔
15f 連通路
16 シール
17 シールホルダ
21 破裂板部
22 凹部
23 凸部

Claims (1)

  1. 環状を呈し、第一内径側反転部、第一腹部、第一外径側反転部、第二腹部、第二内径側反転部、第三腹部、第二外径側反転部および第四腹部をこの順に一連に一体成形した構造を軸方向に繰り返し有する金属ベローズであって、
    当該ベローズが伸長も収縮もしていない組み込み初期における自由長状態において前記第一内径側反転部は断面U字状をなして反転し、前記第一腹部および第二腹部はそれぞれ平面状をなして互いに面接触し、前記第一外径側反転部は断面円弧状をなして反転するとともにその軸方向幅を前記第一腹部および第二腹部の厚みの和よりも大きく設定され、かつ中空部を備え、前記第二腹部および第三腹部は互いに軸方向に離間し、前記第二内径側反転部は断面U字状をなして反転し、前記第三腹部および第四腹部はそれぞれ平面状をなして互いに面接触し、前記第二外径側反転部は断面円弧状をなして反転するとともにその軸方向幅を前記第三腹部および第四腹部の厚みの和よりも大きく設定され、かつ中空部を備え、前記第一外径側反転部および第二外径側反転部は互いに軸方向に離間し、前記第一内径側反転部および第二内径側反転部は互いに接触し、
    前記自由長状態において当該ベローズの内径側から圧力が作用したときに、前記第一腹部および第二腹部ならびに前記第三腹部および第四腹部はそれぞれ互いに軸方向に離間する方向へ膨らむことにより前記圧力を吸収することを特徴とする金属ベローズ。
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