JP5535287B2 - 接続構造体の製造方法、接続構造体、コネクタ、ワイヤハーネス - Google Patents

接続構造体の製造方法、接続構造体、コネクタ、ワイヤハーネス Download PDF

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Description

この発明は、例えば自動車用ワイヤハーネスのコネクタ等に装着されるような接続構造体の製造方法、その製造方法によって製造した接続構造体、該接続構造体を備えたコネクタ、及び、ワイヤハーネスに関する。
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続されている。
上述したコネクタに備える圧着端子には、様々なものが提案されており、特許文献1に開示の電線接続端子もこのような圧着端子の一つである。
特許文献1に開示の電線接続端子は、導体金属パイプの前半部を平らに押し潰すことによって平らな接続片と、これに連なる電線挿入用筒部とが導体金属パイプの後半部に形成されており、接続片にはビス挿入孔が形成されている。
そして特許文献1に開示の電線接続端子は、所望の機器に対してビスにより接続片を固定するとともに、電線挿入用筒部に電線の芯線を挿通して電線と機器とを電気的に接続することができるものである。
しかし、特許文献1に開示の電線接続端子は、上述したように、導体金属パイプの前半部を平らに押し潰すことによって平らな接続片を形成した場合、導体金属パイプの前半部の押し潰しに伴う衝撃などによって、導体金属パイプの後半部も不用意に変形するおそれがある。
この場合、電線の先端部分において被覆を剥離した芯線を導体金属パイプの後半部に相当する筒部の内部に挿入しようとしても、筒部の奥にまでしっかりと挿入することができないという事態が生じることになる。或いは、ひどい場合には、不用意な変形によって筒部が破断するおそれも有する。
そうすると、電線の芯線を筒部の内部に中途半端に挿入した状態で筒部を芯線に対して圧着することとなり、筒部の内部の前方側に芯線が存在しない隙間が生じたり、また、芯線の挿入が浅いため、筒部の後方側から水分が筒部の内部に浸入し易くなるため、十分な止水性能を得ることができないとう課題を有する。
なお、このような事態が生じないようにするための対策として、導体金属パイプの前半部を平らに押し潰す際に、筒部の内部に、筒部の形状に保形するために筒部保形用治具を挿入するといった対策が想定されるが、その場合、製造工程において余分な治具や工数が増えることでコスト面、時間面、労力の面で製造効率が著しく低下するという別の課題が生じることになる。
登録実用新案第3019822号公報
そこでこの発明は、圧着部の内部に水分が浸入することがなく、止水性に優れた接続構造体の製造方法、接続構造体、コネクタ、ワイヤハーネスの提供を目的とする。
本発明は、導体を絶縁被覆で被覆し、先端側の前記絶縁被覆を剥がして前記導体を露出させた導体先端部と、該導体先端部よりも後方側に有する被覆先端部とで構成した電線先端部を圧着端子に対して圧着接続する接続構造体の製造方法であって、前記圧着端子に、板材を筒状に曲げて構成するとともに、前記筒状形状において前記板材を長手方向に溶接して構成した圧縮部を形成し、前記圧縮部を、記電線先端部を圧着する圧着前の電線圧着部と、該電線圧着部よりも前方側を封止する封止部の形成を許容する封止部形成領域とで形成するとともに、前記電線圧着部を、前記被覆先端部を圧着する被覆圧着部と、前記導体先端部を圧着する導体圧着部とで、長手方向の後方側から前方側にこの順に形成し、前記電線先端部を前記電線圧着部に長手方向の後方側から挿入する電線挿入工程を行い、前記電線挿入工程の後に、圧着前の前記電線圧着部の圧縮により、前記電線先端部を圧着して前記電線圧着部を形成する電線圧着工程と、前記封止部形成領域の圧縮により、前記封止部を前記板材同士が面状に重合するように形成する封止部形成工程とを同時に行うことを特徴とする。
前記電線挿入工程の後に、電線圧着工程と封止部形成工程とを行うことにより、電線圧着工程において電線先端部を電線圧着部に適切に挿入した状態で圧着することができる。
よって、電線先端部を電線圧着部に対して長手方向において適切に挿入した状態で互いに密着した状態で圧着することができるため、電線圧着部の内部に水分が浸入することがなく、止水性に優れた接続構造体を構成することができる。
圧着端子は、電線圧着部のみで構成するに限らず、該電線圧着部と接続相手側端子との接続を許容する端子接続部とを直列に配置した構成としてもよい。
端子接続部は例えば、雌型端子の場合においては、ボックス部で形成することができ、雄型端子の場合においては、雄ピンで形成している
また、上述したように、前記電線圧着工程と前記封止部形成工程とを同時に行うことで、それぞれの工程のうちの一方の工程を行った後で他方の工程を順に行う場合と比較して製造時間の短縮を図ることができ、接続構造体をスムーズに製造することができる。
さらに、前記電線圧着工程と前記封止部形成工程とを別々に行う場合には、圧着前の前記電線圧着部を前記電線先端部に対して圧着するための圧着用のプレス成形型と、前記封止部形成領域を圧縮して前記封止部を形成するための封止部形成用のプレス成形型とを、それぞれ前記電線圧着工程と前記封止部形成工程とにおいて、別々に構成したものを用いる必要がある。
これに対して、前記電線圧着工程と前記封止部形成工程とを同時に行う場合には、圧着用のプレス成形型と封止部形成用のプレス成形型とを、一体に形成したものを用いることができる。
この場合、圧着用のプレス成形型と封止部形成用のプレス成形型で一体に形成したプレス成形型による一度のプレス工程により、一気に電線圧着部と封止部とを形成することができ、接続構造体を容易に製造することができる。
しかも、前記電線圧着工程と前記封止部形成工程とを同時に行うことで、これら工程のうち、後で行う他方の工程は、先に行う一方の工程を行うに伴って生じた加工硬化の影響を受けることがなく、電線圧着部と封止部とのそれぞれを、正確、且つ、スムーズに加工することができる
また、上述したように、前記板材を長手方向に溶接する際において、レーザー照射装置を用いてレーザー溶接する場合には、レーザー照射装置を長手方向に沿って一直線上にスライドさせながら板材を周方向において対向する一対の対向端部同士を溶接することができるため、レーザーの焦点を合わせるために、いちいちレーザー照射器を電線圧着部に対して接離する方向に動作させる必要がないため、スムーズに溶接することができる。
また、前記板材の対向端部同士を長手方向に沿って溶接することにより、対向端部同士を強固に接合できるとともに、隙間の無い電線圧着部を構成することができるため、圧着状態において電線圧着部の内部に水分が浸入することを確実に防止できる
ここで、前記板材を長手方向に溶接する際には、レーザー等で溶接することができるが、レーザー溶接の種類は問わず、好ましくは、ファイバーレーザー溶接で行うことができる。
レーザー溶接の中でもファイバーレーザー溶接は他のレーザー溶接と比べ、焦点を極小なスポットに合わせることができ、高出力なレーザー溶接を実現することができるとともに、連続照射可能である。したがって、確実な止水性を有する溶接を行うことができる。
またこの発明の態様として、前記封止部形成工程の前に、前記封止部形成領域における内面に樹脂を配置する封止側樹脂配置工程を行うことができる。
この発明によれば、封止側樹脂配置工程を行うことで、前記封止部形成領域に封止部を形成した状態において、封止部の内部に樹脂を充填させることができる。よって封止部の内部に隙間が生じることがなく、特に、接続構造体の電線圧着部の長手方向の前方側の封止部から電線圧着部の内部に水分が浸入することを防ぐことができ、優れた止水性能を得ることができる。
またこの発明の態様として、前記電線圧着工程の前に、前記被覆圧着部における内面、及び被覆先端部の外面うち少なくともいずれかの側に、樹脂を配置する被覆側樹脂配置工程を行うことができる。
この発明によれば、被覆側樹脂配置工程を行うことで、圧着状態の前記被覆圧着部と前記被覆先端部との間に樹脂を充填させることができる。よって、特に、接続構造体の電線圧着部の長手方向の後方側、すなわち、前記被覆圧着部と前記被覆先端部との間を通じて電線圧着部の内部に水分が浸入することをより確実に防ぐことができ、優れた止水性能を得ることができる。
またこの発明は、上述した接続構造体の製造方法によって製造した接続構造体であって、前記導体をアルミ系材料で形成し、前記板材を銅系材料で形成したことを特徴とする。
この発明により、銅線による導体部分を有する被覆電線に比べて軽量化できるとともに、上述した確実な止水性により、いわゆる異種金属腐食(以下において電食という)を防止することができる。
詳しくは、被覆電線の導体部分に従来用いられていた銅系材料をアルミニウムあるいはアルミニウム合金などのアルミ系材料に置き換え、そのアルミ系材料製の導体部分を圧着端子に圧着した場合においては、端子材料の錫めっき、金めっき、銅合金等の貴な金属との接触により、卑な金属であるアルミ系材料が腐食される現象、すなわち電食が問題となる。
なお、電食とは、貴な金属と卑な金属とが接触している部位に水分が付着すると、腐食電流が生じ、卑な金属が腐食、溶解、消失等する現象である。この現象により、圧着端子の電線圧着部に圧着されたアルミ系材料製の導体部分が腐食、溶解、消失し、やがては電気抵抗が上昇する。その結果、十分な導電機能を果たせなくなるという問題があった。
しかしながら、上述した確実な止水性により、銅系材料による導体部分を有する被覆電線に比べて軽量化を図りながら、いわゆる電食を防止することができる。
またこの発明は、前記接続構造体に、前記電線先端部を圧着状態の電線圧着部を有した圧着端子を備え、複数の前記圧着端子とコネクタハウジングとで構成し、複数の前記圧着端子を前記コネクタハウジング内に配置したコネクタであることを特徴とする。
上述した構成によれば、電線先端部を電線圧着部に対して長手方向において適切に配置した状態で互いに密着した状態で圧着することができるため、電線圧着部が嵩張らずにコンパクトに構成できる。
よって、複数の前記接続構造体における、それぞれの前記圧着端子をしっかりとコネクタハウジング内に配置することができるため、止水性に優れたコネクタを得ることができる。さらに、コネクタハウジングをコンパクトに構成できるため、全体としてコンパクトなコネクタを得ることができる。
またこの発明は、前記接続構造体に、前記電線先端部を圧着状態の電線圧着部を有した圧着端子を備え、複数の前記接続構造体とコネクタハウジングとで構成し、前記圧着端子をコネクタハウジング内に配置したワイヤハーネスであることを特徴とする。
上述した構成によれば、電線先端部を電線圧着部に対して長手方向において適切に配置した状態で互いに密着した状態で圧着することができるため、電線圧着部が嵩張らずにコンパクトに構成できる。
よって、複数の前記接続構造体における、それぞれの前記圧着端子をしっかりとコネクタハウジング内に配置することができるため、止水性に優れたワイヤハーネスを得ることができる。さらに、コネクタハウジングをコンパクトに構成できるため、全体としてコンパクトなワイヤハーネスを得ることができる。
この発明によれば、圧着部の内部に水分が浸入することがなく、止水性に優れた接続構造体の製造方法、接続構造体、コネクタ、ワイヤハーネスを提供することができる。
第1実施形態の雌型圧着端子付き電線の電線先端部、及びその周辺部分の斜視図。 端子基材を曲げる曲げ工程の説明図。 第1中間端子基材を溶接する長手方向溶接工程の説明図。 圧縮部に電線先端部を挿入する電線挿入工程の説明図。 圧縮部に電線先端部を挿入した状態を示す電線挿入工程の説明図。 圧縮前の圧縮部を圧縮する圧縮工程の説明図。 第2実施形態の雌型圧着端子付き電線の電線先端部、及びその周辺部分の構成説明図。 第2実施形態の雌型圧着端子付き電線の製造に用いる部材の構成の説明図。 第3実施形態の雌型圧着端子付き電線の電線先端部、及びその周辺部分の構成説明図。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の圧着端子付き電線1の電線先端部200a、及びその後方部分の斜視図である。
本実施形態の圧着端子付き電線1は、図1に示すように、被覆電線200を雌型圧着端子10に接続して構成している。つまり、被覆電線200における電線先端部200aに、雌型圧着端子10の電線圧着部32を圧着接続している。
雌型圧着端子10に圧着接続する被覆電線200は、アルミニウム素線201aaを束ねたアルミニウム芯線201を、絶縁樹脂で構成する絶縁被覆202で被覆して構成している。詳しくは、アルミニウム芯線201は、断面が0.75mmとなるように、アルミニウム合金線を撚って構成している。
電線先端部200aは、被覆電線200の先端部分において、被覆先端部202aと導体先端部201aとを先端側へ向けてこの順に直列に備えた部分である。
導体先端部201aは、被覆電線200の前方側の絶縁被覆202を剥がしてアルミニウム芯線201を露出させた部分である。被覆先端部202aは、被覆電線200の先端部分であるが、被覆先端部202aよりも後方側部分であって、アルミニウム芯線201を絶縁被覆202で被覆した部分である。
以下において、雌型圧着端子10について詳述する。
雌型圧着端子10は、長手方向Xの先端側である前方から基端側である後方に向かって、図示省略する雄型端子における挿入タブの挿入を許容するボックス部20と、ボックス部20の後方で、所定の長さのトランジション部40を介して配置された圧縮部30とで一体に構成している。
なお、本実施形態では、上述したように、ボックス部20と圧縮部30を備えた雌型圧着端子10で構成したが、圧縮部30を有する圧着端子10であれば、上述の雌型圧着端子10におけるボックス部20に挿入接続する挿入タブと圧着部30とで構成する雄型圧着端子でも、圧縮部30のみで構成し、複数本の被覆電線200のアルミニウム芯線201を束ねて接続するための圧着端子であってもよい。
ここで、長手方向Xとは、図1に示すように、雌型圧着端子10に対して被覆電線200を接続した圧着端子付き電線1の長手方向Xと一致する方向である。さらに、長手方向Xにおける圧着部30に対するボックス部20の側を前方(先端側)とし、逆に、ボックス部20に対する圧着部30の側を後方(基端側)としている。
また、幅方向Yは雌型圧着端子10の幅方向に相当し、長手方向Xに対して平面方向において交差する方向である。厚み方向Zは、雌型圧着端子10の幅方向に相当し、長さ方向、及び幅方向に対して直交する直交方向である。
ボックス部20は、倒位の中空四角柱体で構成され、内部に、長手方向Xの後方に向かって折り曲げられ、挿入される雄型コネクタの挿入タブ(図示省略)に接触する弾性接触片21を備えている。
また、中空四角柱体であるボックス部20は、底面部の長手方向Xと直交する幅方向Yの両側部に連設された側面部を重なり合うように折り曲げて、長手方向Xの先端側から見て略矩形状に構成している。
圧縮部30は、封止部31と電線圧着部32とを前方から後方へこの順に配設するとともに、周方向全体において連続する連続形状で一体に形成している。
封止部31は、電線圧着部32よりも前方端部を略平板状に押し潰すように変形させて、雌型圧着端子10を構成する板状の端子基材100同士が重合する偏平形状で構成している。
電線圧着部32は、導体圧着部33、及び被覆圧着部34を、前方から後方側へこの順に連続して直列に配設している。
電線圧着部32は、被覆圧着部34から導体圧着部33にかけて電線先端部200aを挿入可能に後方側のみが開口するとともに、先端側、及び周面部全体が開口していない中空形状(筒状)で構成している。
導体圧着部33は、電線先端部200aを電線圧着部32に挿入した状態において、電線圧着部32の長手方向Xにおける導体先端部201aに相当する部分であり、導体先端部201aを囲繞可能な中空形状に形成している。
被覆圧着部34は、電線先端部200aを電線圧着部32に挿入した状態において、電線圧着部32の長手方向Xにおける被覆先端部202aに相当する部分であり、被覆先端部202aを囲繞可能な中空形状に形成している。
続いて、上述した圧着端子付き電線1の製造方法について説明する。
雌型圧着端子付き電線1は、表面が錫メッキ(Snメッキ)された黄銅等の銅合金条(図示せず)に対して、打ち抜き工程と曲げ工程と長手方向溶接工程と電線挿入工程と圧縮工程をこの順で図2乃至図6に示すように行うことで製造される。
ここで、図2は板状端子基材100aを折り曲げる曲げ工程の説明図であり、板状端子基材100aの長手方向Xの後方部分を円筒状に曲げた縮径前の圧縮部30Aを形成する様子を示す説明図である。
図3は長手方向溶接工程の説明図である。詳しくは図3(a)はファイバーレーザー溶接装置Fwでファイバーレーザー溶接を行っている様子を示す作用説明図であり、図3(b)は長手方向溶接部41を形成した圧縮前の圧縮部30Bの拡大断面図である。
図4は電線挿入工程の説明図である。詳しくは、図4(a)は圧縮前の電線圧着部32Aに電線先端部200aを挿入する前の状態を示す斜視図であり、図4(b)は電線圧着部32Aに電線先端部200aを挿入する前の状態を断面により示した説明図である。
図5は電線挿入工程の説明図である。詳しくは、図5(a)は電線圧着部32Aに電線先端部200aを挿入した状態を示す斜視図であり、図5(b)は電線圧着部32Aに電線先端部200aを挿入した状態を断面により示した説明図であり、図5(a)のC−C線断面図であり、本実施形態の圧着端子付き電線1の電線先端部200a、及びその後方部分を幅方向における中間部分において切断して示した縦断面図である。
図6は圧縮工程の説明図である。詳しくは、図6(a)は封止部形成工程と圧着工程とを同時に行っている様子を示した説明図であり、より詳しくは、圧縮前の圧縮部30Aをプレス成形型300により圧縮している様子を断面により示した説明図である。図6(b)は封止部31、及び電線圧着部32から成る圧縮部30を断面により示した説明図である。
打ち抜き工程では、板状の銅合金条を、圧着端子10を展開した展開形状に打ち抜いて板状端子基材100aを形成する。
曲げ工程では、板状端子基材100aを折り曲げて第1中間端子基材100Aを形成する。
詳しくは、板状端子基材100aの長手方向Xの前方部分を折り曲げて中空四角柱体のボックス部20を形成するとともに、長手方向Xの後方部分を、図2(a),(b)に示すように、長手方向Xを軸回りにしてバレル片101の突出方向の端部同士101a,101aが互いに突き合わさるようにして円筒状に丸めた筒状の圧縮前の圧縮部30A(筒状圧縮部30A)を備えた第1中間端子基材100Aを形成する。
続いて行う長手方向溶接工程において、第1中間端子基材100Aにおける圧縮前の筒状圧縮部30Aに対して溶接を施して第2中間端子基材100Bを形成する。
詳しくは、図3(a)に示すように、長手方向溶接工程では、圧縮前の圧縮部30Aのバレル片101を、円筒状に曲げた状態においてバレル片101の突出方向の端部同士が周方向において突き合わさった対向端部同士101a,101aを長手方向Xに沿って、レーザー照射装置Fwを長手方向Xに沿ってスライドさせる。このようにレーザー照射装置Fwを長手方向Xに沿ってスライドさせながらレーザー照射部Fw1からレーザーLを照射しながら対向端部同士101a,101aをファイバーレーザー溶接する。これにより、図3(b)に示すように、長手方向Xに沿った長手方向溶接部41が形成された圧縮前の圧縮部30Bを備えたクローズドバレル形式の第2中間端子基材100Bとして形成している。
続いて行う電線挿入工程は、圧縮前の筒状圧縮部30に対して被覆電線200の電線先端部200aを挿入する。
詳しくは、圧縮前の圧縮部30Aの長手方向Xの後端側から被覆電線200の電線先端部200aを図4(a),(b)に示す状態から図5(a),(b)に示すように、圧縮前の圧縮部30Aの長手方向Xにおける圧縮前の電線圧着部32Aに配置されるまで挿入する。
すなわち、上述したように、電線先端部200aを電線圧着部32Aに配置されるまで挿入すると、図5(a),(b)に示すように、導体先端部201aは電線圧着部32Aの導体圧着部33Aに配置されるとともに、被覆先端部202aは、電線圧着部32Aの被覆圧着部34Aに配置される。
続いて行う圧縮工程は、圧縮前の圧縮部30Aを圧縮する工程である。
プレス成形型300は、第2中間端子基材100Bを隔てて厚み方向の一方側(上側Zu)に配置した上側プレス成形型300uと、他方側(下側Zd)に配置した下側プレス成形型300dとの一対で構成し、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとは、互いに対向配置している。
プレス成形型300は、図6(a)に示すように、互いに対向配置した状態において長手方向Xにおける封止部形成領域31Aに配置した封止部プレス成形部300aと、圧着前の電線圧着部32Aに相当する箇所に形成した電線圧着部プレス成形部300bとで構成している。
電線圧着部プレス成形部300bは、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとのそれぞれを、圧着前の導体圧着部33Aに相当する箇所に配置した導体プレス成形部300sと、圧着前の被覆圧着部34Aに相当する箇所に配置した被覆プレス成形部300tとで一体に構成している。
圧縮工程は、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとのそれぞれを、第2中間端子基材100Bを隔てて厚み方向の両側に対向配置した状態で、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとのうち少なくとも一方を他方の側へ可動することでプレス成型する。
これにより、圧縮工程において封止部形成工程と圧着工程とを同時に行うことができる。
封止部形成工程は、一対のプレス成形型300による圧縮部30Aのプレス成形の際に、封止部形成領域31Aが封止部プレス成形部300aによってプレス成形されるため、封止部形成領域31Aを封止部31として形成する。
圧着工程は、一対のプレス成形型300による圧縮部30Aのプレス成形の際に、圧着前の電線圧着部32Aが電線圧着部プレス成形部300bによってプレス成形されるため、圧着前の電線圧着部32Aを電線圧着部32として形成する。
すなわち、圧着工程において、プレス成形型300における、被覆プレス成形部300tによるプレス成形により被覆圧着部34を形成するとともに、導体プレス成形部300sによるプレス成形により導体圧着部33を形成する。
なお、圧縮工程において、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとのうち少なくとも一方を他方の側へ可動するとは、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとの両方のプレス成形型300を互いに近接する方向に可動させてもよく、或いは、上側プレス成形型300uと下側プレス成形型300dとのうち、いずれか一方を固定しておき、他方の側のみを一方のプレス成形型300の側へ可動させてもよい。
上述した圧着端子付き電線1、及び、該圧着端子付き電線1の製造方法が奏する作用効果について説明する。
上述したように、電線挿入工程の後に、圧縮工程、すなわち、電線圧着工程と封止部形成工程とを行うことにより、電線圧着工程を封止部形成工程の前、後、或いは同時に行うに関わらず、電線圧着工程において電線先端部200aを圧着前の電線圧着部32Aに適切に配置した状態で電線先端部200aに対して電線圧着部32を圧着することができる。
よって、電線先端部200aを電線圧着部32に対して長手方向Xにおいて適切に配置した状態で互いに密着した状態で圧着することができるため、電線圧着部32の内部に水分が浸入することがなく、止水性に優れた圧着端子付き電線1を構成することができる。
詳しくは、電線先端部200aを圧着前の電線圧着部32Aに挿入する電線挿入工程の前に、封止部31を形成する封止部形成工程を行った場合、圧着前の電線圧着部32Aには、未だ電線先端部200aが配置されていない状態であり、該電線圧着部32Aの不用意な変形を規制するものが存在しない状態となる。
そうすると、封止部形成工程を行う際に、封止部形成領域31Aを圧縮するに伴って封止部形成領域31Aが、電線圧着部32Aに相当する部分に至るまで不用意に圧縮変形して圧着前の電線圧着部32Aが型崩れする場合がある。このため、電線圧着工程と封止部形成工程の後に電線挿入工程を行おうとしても、電線先端部200aを電線圧着部32の奥にまで適切に配置することができないといった事態が生じるおそれがある。
この場合、圧着端子10と電線先端部200aとの物理的な接続強度を確保できないばかりか、電線先端部200aにおける十分な止水性を確保できないという難点があった。
これに対して、第1実施形態の圧着端子付き電線1の製造方法によれば、電線挿入工程の後に、圧縮工程、すなわち、電線圧着工程と封止部形成工程とを行うことにより、封止部形成工程を行う際には、電線圧着部32Aには、電線先端部200aが既に配置されているため、封止部形成工程において、仮に封止部形成領域31Aの圧縮に伴って、封止部形成領域31Aだけでなく圧着前の電線圧着部32Aに至るまで圧縮された変形が生じても、変形した電線圧着部32Aの少なくとも一部分を電線先端部200aに対して圧着させることができる。
さらに、封止部形成工程において、仮に封止部形成領域31Aの圧縮に伴って、封止部形成領域31Aだけでなく圧着前の電線圧着部32Aに至るまで圧縮された変形が生じても、電線圧着部32Aには、電線先端部200aが既に配置されているため、電線圧着部32に配置した電線先端部200aによってその変形が長さ方向の後方側へ伝わることを規制できるため、圧着前の電線圧着部32Aが型崩れすることを防ぐことができる。
よって、圧縮工程、すなわち、電線圧着工程と封止部形成工程とを行う前に、電線挿入工程を先に行うことにより、電線圧着工程を封止部形成工程の前、或いは後のいずれの段階で行った場合においても、電線先端部200aを電線圧着部32Aに適切に挿入した状態で圧着することができ、止水性に優れた圧着端子付き電線1を構成することができる。
また、上述した第1実施形態の圧着端子付き電線1の製造方法のように、圧縮工程において電線圧着工程と封止部形成工程とを同時に行うことで、これら電線圧着工程と封止部形成工程とのそれぞれの工程をずらして行う場合と比較して製造時間の短縮を図ることができ、圧着端子付き電線1をスムーズに製造することができる。
さらに、上述したように、電線圧着工程と封止部形成工程とを同時に行うことで、電線圧着部32と封止部31とのそれぞれを、正確に成形することができる。
詳しくは、特に、電線圧着工程と封止部形成工程とのうち一方の工程を行った後で他方の工程を行った場合、一方の工程を行うに伴って、端子基材100には加工硬化が生じる。
このため、一方の工程の後で行う他方の工程では、加工硬化が生じた状態での加工を強いられるおそれがあり、所望の形状に加工することができないという難点が生じることになる。
例えば、封止部形成工程によって封止部形成領域31Aだけでなく、電線圧着部32Aに至るまで塑性変形するおそれがあり、この場合、塑性変形した電線圧着部32Aに対して、プレス成形型300の電線圧着部プレス成形部300bによってプレス成形することになる。そうすると、所望の形状の電線圧着部32となるようにプレス成形することができないことになる。
これに対して、第1実施形態の圧着端子付き電線1の製造方法によれば、電線圧着工程と封止部形成工程とを同時に行うことで、これら工程のうち、後で行う他方の工程は、先に行う一方の工程を行うに伴って生じた加工硬化の影響を受けることがなく、電線圧着部32と封止部31とのそれぞれを、正確、且つ、スムーズに加工することができる。
さらにまた、上述した第1実施形態の圧着端子付き電線1の製造方法は、一枚の銅合金条に対して上述した打ち抜き工程と曲げ工程と長手方向溶接工程と電線挿入工程と圧縮工程をこの順で連続加工する製造方法であり、特にその製造過程における圧縮工程において電線圧着工程と封止部形成工程とを同時に行うことで、封止部31を形成するためのプレス加工を別途、行うことなく封止部31、及び、電線圧着部32を形成できる。
このため、第1実施形態の圧着端子付き電線1の製造方法は、例えば、パイプの一端を潰して圧着前の電線圧着部32Aを圧着する前に、先に封止部31を形成する従来の製造方法と比較して圧着端子付き電線1の生産性の向上を図ることができ、圧着端子付き電線1を大量生産するうえで好適な製造方法であるといえる。
また、上述した圧着端子付き電線1の製造方法によれば、電線挿入工程の前に、板状に形成した板状端子基材100aを筒状に曲げて第1中間端子基材100Aを形成する曲げ工程と、第1中間端子基材100Aを周方向において対向する対向端部同士101a,101aを長手方向Xに沿って溶接して第2中間端子基材100Bを形成する長手方向溶接工程とをこの順で行うことで、板状端子基材100を第2中間端子基材100Bとして容易に形成することができる。
具体的には、曲げ工程後において、第1中間端子基材100Aを周方向において対向する対向端部同士101a,101aは長手方向Xに沿って平坦な平面上に沿って伸びる直線状のラインとなる。
このため、長手方向溶接工程において、レーザー照射装置Fwを用いてレーザー溶接する場合には、レーザー照射装置Fwを長手方向Xに沿って一直線上にスライドさせながら一対の対向端部同士101a,101aを溶接することができるため、レーザーLの焦点を合わせるために、いちいちレーザー照射器Fw1を電線圧着部32に対して接離する方向に動作させる必要がないため、スムーズに溶接することができる。
また、第1中間端子基材100Aの対向端部同士101a,101aを長手方向Xに沿って溶接することにより、対向端部同士101a,101aを強固に接合できるとともに、周方向において隙間の無い電線圧着部32Aを構成することができるため、圧着状態において電線圧着部32の内部に水分が浸入することを確実に防止できる。よって、強度に優れた筒状端子基材100を構成することができる。
また、第1実施形態の圧着端子付き電線1の製造方法によれば、圧着前の電線圧着部32Aから封止部形成領域31Aに亘って連続して形成するとともに、圧着前の電線圧着部32Aに電線先端部200aを挿入可能な筒状の圧着部30を備えた第2中間端子基材100Bを作成できる。
さらに、電線挿入工程では、圧着前の導体先端部201aが導体電線圧着部32Aに配置した状態となるまで、電線先端部200aを電線圧着部32Aの長手方向Xの後方側から挿入したため、電線先端部200aを電線圧着部32Aに挿入した状態で配置できる。
さらに、このように、電線先端部200aを電線圧着部32Aに挿入することで、電線先端部200aは電線圧着部32Aによって囲繞された状態となるため、電線圧着工程において、電線圧着部32Aを圧縮することによって導体先端部201aに対してしっかりと密着した状態で圧着することができる。
その他にも、長手方向溶接工程では、溶接方法をファイバーレーザー溶接に設定したため、従来から行われている例えば、ろう付けによる溶接方法と比較して溶接に際しての労力、時間を要さずにスムーズに溶接することができる。
詳しくは、ろう付け方式の場合、第1中間端子基材100Aの電線圧着部32の表面に、図示しないが溶融したろうを溜めるための凹部を形成する必要がある。
このように、ろう付けによる溶接方法の場合、第1中間端子基材100Aの電線圧着部32の表面にろう溜め用の凹部を形成する労力や、該凹部に注ぎ込むろうの量を調整する必要がある。
これに対して、ファイバーレーザー溶接の場合、上述したろう付け方式のようなろう溜め用の凹部を形成する必要がないため、第1中間端子基材100Aの電線圧着部32の周方向において対向する対向端部同士101a,101aに沿ってレーザー照射装置Fwを一直線上にスライドさせなるだけで容易に溶接することができる。
さらに、溶接方法をファイバーレーザー溶接とすることにより、端子板厚を薄肉化することで、圧着端子のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
詳しくは、ろう付け方式の場合、上述したように、第1中間端子基材100Aの電線圧着部32の表面にろう溜め用の凹部を形成する必要があるため、第1中間端子基材100Aを肉厚に形成する必要がある。
これに対して、ファイバーレーザー溶接の場合、上述したろう付け方式のように、電線圧着部32の表面にろう溜め用の凹部を形成する必要がないため、圧着端子10を薄肉化することができる。
従って、ファイバーレーザー溶接の場合、端子板厚を薄肉化することで、圧着端子10のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
具体的には、ろう付け方式の場合、端子表面にろう溜め用の凹部を形成する必要があるため、端子板厚が0.7mm以上4.2mm以下となるように形成する必要があった。
これに対して、ファイバーレーザー溶接で形成する場合、コンパクト化、軽量化の観点と強度の観点を考慮して端子板厚が0.1mm以上0.4mm以下となるように形成することができ、好ましくは0.25mm程度の肉厚となるように形成することができる。
特に、端子板厚が0.4mm以下となるように形成することにより、コンパクト化、軽量化が求められる自動車コネクタ用の端子として好適な圧着端子を構成することができる。
また、溶接方法をファイバーレーザー溶接に設定したため、ろう付けによる溶接方法と比較して溶接部分を隙間なく溶接でき、止水性の向上を図ることができる。
詳しくは、ろう付け方式の場合、第1中間端子基材100Aの表面にSnメッキ処理を施した後に、ろう付けすることは、第1中間端子基材100Aの表面に対するろうの付着具合が低下するなどの理由から不可能であった。
これに対して、ファイバーレーザー溶接の場合、第1中間端子基材100Aの表面にSnメッキ処理を施した後にろう付けする必要がないため、Snメッキ処理後であっても、ファイバーレーザー溶接が可能である。さらに、それどころか第1中間端子基材100Aの表面に施したSnメッキ部を、元々、レーザー波長に対しての反射率や透過率が高い第1中間端子基材100Aの表面の反射率や透過率を抑えるために光を吸収する吸光材として作用させることができる。
これにより、第1中間端子基材100Aの表面に対するレーザーLの吸光率を高め、第1中間端子基材100Aの電線圧着部32の対向端部同士101a,101aを強溶接部分を隙間なく溶接でき、止水性の向上を図ることができる。
以下では、他の実施形態における圧着端子付き電線1Pa,1Pb、及びその製造方法について説明する。
但し、以下で説明する圧着端子付き電線1Pa,1Pb、及びその製造方法の構成のうち、上述した第1実施形態における圧着端子付き電線1、及びその製造方法と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
(第2実施形態)
図7は第2実施形態の雌型圧着端子付き電線1Paの電線先端部200a、及びその後方部分の縦断面図であり、詳しくは、図7(a)は第2実施形態の雌型圧着端子付き電線1Paの図6(b)に相当する図であり、図7(b)は図7(a)のC−C線端面図であり、図7(c)は図7(a)のD−D線端面図である。
第2実施形態の圧着端子付き電線1Paは、図7(a),(b),(c)に示すように、封止部31と被覆圧着部34とのそれぞれにおいて絶縁樹脂70を備えた構成である。
ここで、封止部31の側に備えた絶縁樹脂70を封止部側樹脂形成部71に設定するとともに、被覆圧着部34の側に備えた絶縁樹脂70を被覆圧着部側樹脂形成部72に設定する。
被覆圧着部側樹脂形成部72は、図7(b)に示すように、径方向において被覆先端部202aと被覆圧着部34との間に介在する樹脂層である。
封止部側樹脂形成部71は、図7(c)に示すように、封止部31において端子基材100の一部が互いに対向する間に介在する樹脂層である。
第2実施形態の圧着端子付き電線1Paは以下の製造方法により製造することができる。
封止部側樹脂形成部71は、遅くとも前記封止部形成工程を行う前に、好ましくは、長手方向溶接工程と電線挿入工程とを行う間に、封止側樹脂配置工程を行っておき、その後、電線挿入工程と電線圧着工程を行うことで形成する。
ここで、封止側樹脂配置工程は、図8(a)に示すように、前記封止部31に、圧縮前の圧縮部30Aにおける封止部形成領域31Aの内面に樹脂を塗布しておく工程である。
一方、被覆圧着部側樹脂形成部72は、遅くとも電線圧着工程を行う前に、好ましくは、長手方向溶接工程と電線挿入工程とを行う間に、被覆側樹脂配置工程を行っておき、その後、電線挿入工程と電線圧着工程を行うことで形成する。
ここで、被覆側樹脂配置工程は、図8(a)に示すように、圧縮前の圧縮部30Aにおける被覆圧着部34Aの内面に樹脂を塗布しておく工程である。
第2実施形態の圧着端子付き電線1Pa、及び、その製造方法によれば、以下の作用効果を奏することができる。
上述したように、圧着工程の前に、封止側樹脂配置工程を行うことで、封止部形成領域31Aに封止部31を形成した状態において、封止部31の内部に樹脂を充填させることができる。
よって、図7(a),(b)に示すように、封止部31の内部に隙間が残留することがなく、特に、圧着端子付き電線1Paの圧縮部30の長手方向Xの前方側の封止部31から電線圧着部32の内部に水分が浸入することを防ぐことができ、優れた止水性能を得ることができる。
さらに、前記圧着工程の前に、被覆側樹脂配置工程を行うことで、図7(a),(c)に示すように、圧着状態の被覆圧着部34と被覆先端部202aとの間に樹脂を充填させることができる。
よって、特に、圧着端子付き電線1Paの圧縮部30の長手方向Xの後方側、すなわち、被覆圧着部34と被覆先端部202aとの間を通じて電線圧着部32の内部に水分が浸入することを防ぐことができ、優れた止水性能を得ることができる。
なお、圧着端子付き電線1Paは、第2実施形態のように、封止部側樹脂形成部71と被覆圧着部側樹脂形成部72との双方を備えた構成に限らず、いずれか一方で形成してもよい。さらに、被覆側樹脂配置工程では、被覆圧着部34における内面に樹脂を塗布するに限らず、図8(b)に示すように、被覆先端部202aの外面に樹脂を塗布してもよく、被覆圧着部34における内面と被覆先端部202aの外面との双方に樹脂70を塗布してもよい。
また、封止側樹脂配置工程、或いは被覆側樹脂配置工程との後に行う圧縮工程において、封止部形成工程と電線圧着工程とを同時に行うことで、プレス成形型300の押圧に伴って、塗布した樹脂70が封止部形成領域31Aから電線圧着部32の側へ、或いは、被覆圧着部34から導体圧着部33の側へ偏ることがなく、隙間のない止水性の高い封止部31、電線圧着部32を形成することができる。
(第3実施形態)
は第3実施形態の圧着端子付き電線1Pbを示す断面図である。
に示すように、第3実施形態の圧着端子付き電線1Pbは、封止部31Aに、幅方向溶接部80を形成している。
幅方向溶接部80は、長手方向溶接部41と略直角で公差するように、封止部31の幅方向の略全長に亘って形成している。
幅方向溶接部80は、封止部形成工程の後に、幅方向溶接工程を行うことで形成することができる。
幅方向溶接工程は、略平板状に変形した封止部31の幅方向の一端側から他端側へ長手方向溶接部41を跨ぐようにしてファイバーレーザー溶接を直線状に照射することで、幅方向溶接部80を封止部31に形成することができる。但し、幅方向の中間部分から幅方向の一端側へ移動し、該一端側から他端側へ移動するなど、レーザーLを照射する際の軌道は特に限定しない。
上述した製造方法によれば、封止部31に幅方向溶接部80を形成することによって、封止部31を長手方向Xにおいて確実に塞ぐことができ、長手方向Xの前方側から電線圧着部32の内部への水分の浸入を確実に防ぐことができる。
また、上述の説明では、長手方向溶接部41を形成した後、封止部31を形成して幅方向溶接部80を形成したが、圧縮工程の後で、長手方向溶接部41と幅方向溶接部80とを連続し、一筆書きのように溶接してもよく、また、幅方向溶接部80は、1本に限らず2本であってもよい。
さらにまた、幅方向溶接部80を形成した第3実施形態の圧着端子付き電線1は、封止部側樹脂形成部71と被覆圧着部側樹脂形成部72とのうち、少なくともいずれか一方を備えた構成であってもよい。
この発明の電線圧着部は、この実施形態の導体電線圧着部32に対応し、以下同様に、
導体は、アルミニウム芯線201に対応し、
接続構造体は、圧着端子付き電線1,1Pa,1Pbに対応し、
板材は、第1中間端子基材、又は第2中間端子基材に対応するも、この発明は、上述した実施形態に限らず、この発明は、上述した実施形態に限らず、その他にも様々な実施形態で形成することができる。
1,1Pa,1Pb…圧着端子付き電線
10…雌型圧着端子
30A…圧縮部
30A…圧縮前の圧縮部
31…封止部
31A…封止部形成領域
32…電線圧着部
33…導体圧着部
34…被覆圧着部
70…絶縁樹脂
71…封止部側樹脂形成部
72…被覆圧着部側樹脂形成部
100…端子基材
100A…第1中間端子基材
100B…第2中間端子基材
200…被覆電線
200a…電線先端部
201…アルミニウム芯線
201a…導体先端部
202…絶縁被覆
202a…被覆先端部
300…プレス成形型
X…長手方向

Claims (6)

  1. 導体を絶縁被覆で被覆し、先端側の前記絶縁被覆を剥がして前記導体を露出させた導体先端部と、該導体先端部よりも後方側に有する被覆先端部とで構成した電線先端部を圧着端子に対して圧着接続する接続構造体の製造方法であって、
    前記圧着端子に、板材を筒状に曲げて構成するとともに、前記筒状形状において前記板材を長手方向に溶接して構成した圧縮部を形成し、
    前記圧縮部を、
    記電線先端部を圧着する圧着前の電線圧着部と、該電線圧着部よりも前方側を封止する封止部の形成を許容する封止部形成領域とで形成するとともに、
    前記電線圧着部を、
    前記被覆先端部を圧着する被覆圧着部と、前記導体先端部を圧着する導体圧着部とで、長手方向の後方側から前方側にこの順に形成し、
    前記電線先端部を前記電線圧着部に長手方向の後方側から挿入する電線挿入工程を行い、
    前記電線挿入工程の後に、
    圧着前の前記電線圧着部の圧縮により、前記電線先端部を圧着して前記電線圧着部を形成する電線圧着工程と、
    前記封止部形成領域の圧縮により、前記封止部を前記板材同士が面状に重合するように形成する封止部形成工程とを同時に行う
    接続構造体の製造方法。
  2. 前記封止部形成工程の前に、前記封止部形成領域における内面に樹脂を配置する封止側樹脂配置工程を行う
    請求項に記載の接続構造体の製造方法。
  3. 前記電線圧着工程の前に、
    前記被覆圧着部における内面、及び被覆先端部の外面うち少なくともいずれかの側に、樹脂を配置する被覆側樹脂配置工程を行う
    請求項1、又は2に記載の接続構造体の製造方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の接続構造体の製造方法によって製造した接続構造体であって、
    前記導体をアルミ系材料で形成し、
    前記板材を銅系材料で形成した
    接続構造体。
  5. 請求項に記載の接続構造体には、前記電線先端部を圧着状態の電線圧着部を有した圧着端子を備え、
    複数の前記圧着端子とコネクタハウジングとで構成し、
    複数の前記圧着端子を前記コネクタハウジング内に配置した
    コネクタ。
  6. 請求項に記載の接続構造体には、前記電線先端部を圧着状態の電線圧着部を有した圧着端子を備え、
    複数の前記接続構造体とコネクタハウジングとで構成し、
    前記圧着端子をコネクタハウジング内に配置した
    ワイヤハーネス。
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