JP5534789B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明は、冷却装置に関するものである。
従来の技術においては、例えば、「冷却コンデンサ−を組み込んだ第一の冷凍機の冷却回路と、ユニットク−ラ−を組み込んだ第二の冷凍機の冷却回路をコンデンサ−で接続して、前記ユニットク−ラ−で超低温による冷却を可能としてあり、前記した第二の冷凍機のホットガス回路を第一の冷凍機のホットガス回路とデフロスト用コンデンサ−で接続して前記したユニットク−ラ−の冷媒配管に連続的にホットガスを通すことを特徴とするデフロスト方法。」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ユニットクーラー(冷却器)に電気ヒーターを取り付けて、一定周期で電気ヒーターに通電することで、ユニットクーラーに付着した氷や霜を加熱融解させて除去するものがある。
特開2003−214731号公報(請求項1)
上記特許文献1に記載の技術では、ホットガスによる霜取りを実施するために非常に複雑な冷媒回路を構成する必要がある。このため冷媒回路を構成するための製造コストが非常に高価となってしまう、という問題点があった。
また、霜取り時には冷媒回路を切り替えて冷却器(ユニットクーラー)にホットガスを直接導入している。このため、冬場などの外気温度が低い場合などは、冷凍機の高圧圧力が上昇しにくくホットガスそのものの熱量が不足しがちとなり、霜取り不良を引き起こす可能性がある、という問題点があった。
また、冷却器で液化された吐出ガスを直接圧縮機に戻すと、圧縮機が液圧縮を起こし故障の原因となる。このため、液圧縮を起こさないための追加回路構成も必要となる、という問題点があった。
また、電気ヒーターを用いる従来の技術では、電気ヒーターを冷却器の各部に装着する必要が生じ、構造が複雑となり製造コストが高価になる、という問題点があった。
また、霜取りを行う運転(除霜運転)の際には、電気ヒーターで冷却器を加熱する必要がある。このため、除霜運転の時間が長時間となり、冷却対象となる冷凍庫(室)内の温度が上昇してしまう、という問題点があった。また、冷凍庫(室)内の温度上昇により、食品などの保管品の温度が上昇し、鮮度低下を引き起こす可能性がある。
また、電気ヒーターを加熱するための電力を消費するため、省エネルギー性に乏しい、という問題点があった。
例えば、10馬力クラスの冷却装置の場合、通常、冷却能力が8〜15kW程度であるのに対し、霜取り用の電気ヒーターとして4〜8kW程度必要となる。このため電気ヒーターによる霜取り時には非常に多くの電力を必要とすることになる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、製造コストを低減することができる冷却装置を得るものである。また、霜取りを行う際の庫内温度の上昇を抑制することができる冷却装置を得るものである。また、霜取りを行う際のエネルギー消費量を削減することができる冷却装置を得るものである。
この発明に係る冷却装置は、冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機から吐出された冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を冷媒配管で接続し冷媒を循環させる第1の回路と、前記熱媒体熱交換器、ポンプ、及び前記熱媒体を貯留するタンクを配管で接続し熱媒体を循環させる第2の回路と、前記タンクに貯留された熱媒体を前記蒸発器に供給し、当該蒸発器に付着した霜を除霜する除霜手段と、前記熱媒体が前記第2の回路を循環する流路と、前記熱媒体が前記除霜手段に至る流路とを切り替える切替装置と、前記切替装置の動作を制御する制御装置と、前記タンクに貯留された前記熱媒体の温度を検知する第1の温度センサーとを備え、前記制御装置は、前記第1の回路に前記冷媒を循環させる冷却運転時には、前記熱媒体を前記第2の回路に循環させて、前記熱媒体熱交換器により加熱された前記熱媒体を前記タンクに貯留し、前記蒸発器に付着した霜を除霜する除霜運転時には、前記タンクに貯留された前記熱媒体を前記除霜手段に流入させ、前記第1の温度センサーの検知温度に応じて、前記除霜運転の運転時間を設定するものである。
この発明は、圧縮機から吐出された冷媒と熱媒体とを熱交換し、タンクに貯留された熱媒体を蒸発器に供給し、当該蒸発器に付着した霜を除霜する。このため、製造コストを低減することができる。また、霜取りを行う際のエネルギー消費量を削減することができる。
実施の形態1における冷却装置の構成を示す回路図である。 実施の形態1における冷却器の構成を示す図である。 実施の形態1におけるタンクの構成を示す図である。 実施の形態1における冷却器の構成を示す図である。 実施の形態2における冷却装置の要部を示す図である。 実施の形態2における冷却装置の要部を示す図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1における冷却装置の構成を示す回路図である。
図1において、冷却装置は、冷媒を圧縮する圧縮機1、圧縮機1から吐出された冷媒と熱媒体とを熱交換する熱交換器2、凝縮器として作用する熱交換器3、膨張弁4、及び蒸発器5を冷媒配管で接続し、冷媒を循環させる第1の回路を備える。
また、熱交換器2、ポンプ7、及び熱媒体を貯留するタンク6を配管で接続し、熱媒体を循環させる第2の回路を備える。
また、タンク6に貯留された熱媒体を蒸発器5に供給し、当該蒸発器5に付着した霜を除霜する散水装置14及び接続配管18を備える。
また、第2の回路の熱交換器2とポンプ7の間の配管には、電磁弁8が設けられている。接続配管18には、電磁弁9が設けられている。
また、タンク6の上部には、タンク6に対する熱媒体の供給流路を開閉する電磁弁10が設けられている。
さらに、冷却装置は、少なくとも、ポンプ7、電磁弁8、9、10の動作を制御する制御器11を備える。
なお、「熱交換器2」は、本発明における「熱媒体熱交換器」に相当する。
また、「散水装置14」及び「接続配管18」は、本発明における「除霜手段」に相当する。
また、「電磁弁8」及び「電磁弁9」は、本発明における「切替装置」に相当する。
また、「電磁弁10」は、本発明における「開閉弁」に相当する。
また、「制御器11」は、本発明における「制御装置」に相当する。
第1の回路を循環する冷媒としては、例えば、フロン冷媒(R404A、R410Aなど)や自然冷媒(CO2、NH3など)などを用いることができる。
また、熱媒体としては、例えば水を用いることができる。
圧縮機1は、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものである。圧縮機1は、例えば容量制御可能なインバータ圧縮機等で構成すると良い。
熱交換器2は、例えばプレート熱交換器や二重管コイルなどの熱交換器により構成される。
熱交換器2は、第1の回路を循環する冷媒と、第2の回路を循環する熱媒体とで熱交換を行い、冷媒に貯えられた温熱を熱媒体に伝達するものである。
また、熱交換器2は、凝縮器として機能し、冷媒を凝縮液化するものである。
熱交換器3は、凝縮器として機能し、図示省略のファン等の送風機から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化するものである。
膨張弁4は、冷媒を減圧して膨張させるものである。この膨張弁4は、開度が可変に制御可能なもの、例えば電子式膨張弁等で構成すると良い。
冷却器20は、冷却対象となる冷凍庫(室)17に配置され、冷凍庫(室)17内部(以下「庫内」ともいう。)を冷却するものである。冷却器20は、蒸発器5と、散水装置14とから構成される。
蒸発器5は、例えば伝熱管と多数のフィンとにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成される。
この蒸発器5は、膨張弁4によって減圧された冷媒と庫内の空気とを熱交換して、庫内を冷却する。
タンク6は、熱媒体としての水を貯留するものである。
ポンプ7は、第2の回路の配管を導通する水を循環させるものである。このポンプ7は、例えば容量制御可能なポンプ等で構成すると良い。
電磁弁8及び電磁弁9は、熱媒体が第2の回路を循環する流路と、熱媒体が散水装置14に至る流路とを切り替えるものである。
なお、電磁弁8、9に代えて、切替装置として三方弁を設けるようにしても良い。この場合、三方のうちの一つを熱交換器2に接続し、三方のうちの一つをポンプ7に接続し、三方のうちの一つを散水装置14に接続する。
接続配管18は、ポンプ7と電磁弁8との間の配管を分岐させて、ポンプ7と散水装置14とを接続する。
散水装置14は、熱媒体を蒸発器5に散水し、蒸発器5に付着した霜を除霜するものである。
図2は実施の形態1における冷却器の構成を示す図である。
図2に示すように、冷却器20は、蒸発器5と散水装置14とから構成される。
また、冷却器20には、蒸発器5に散水された熱媒体(温水)や、融解した霜を収集するドレンパンと、ドレンパンにより収集された熱媒体などを排出するドレン管19と、庫内の空気を蒸発器5に供給するファンとが設けられている。
図2に示すように、散水装置14は、例えば蒸発器5の上部に配置される。
このように、蒸発器5の上部に散水装置14を配置することにより、蒸発器5に散水されてた温水は、蒸発器5のフィンを伝い冷却器20のドレンパンへ流れ込み、その後、ドレン管19から排出される。
これにより、蒸発器5の全面に満遍なく温水を供給することができ、短時間かつ効率的に霜取りを行うことができる。
また、冷却器20の庫内空気吸込み側に散水装置14を取り付けた場合と比較すると、庫内へ熱媒体が飛散する危険性が少なくなる。
なお、散水装置14の配置はこれに限るものではない。例えば、冷却器20の空気吸込み側(図2の右側)に取り付ければ、既に施工されている物件への対応も容易に可能である。
図3は実施の形態1におけるタンクの構成を示す図である。
図3に示すように、タンク6の内部には、水位センサー12、及び第1の温度センサー13を備えている。
なお、「水位センサー12」は、本発明における「貯留量センサー」に相当する。
水位センサー12は、タンク6内の水位を検知することにより、タンク6に貯留された熱媒体の量を検知する。
第1の温度センサー13は、例えばサーミスタにより構成される。この第1の温度センサー13は、タンク6に貯留された熱媒体(水)の温度を検知する。
水位センサー12及び第1の温度センサー13の検知信号は、制御器11に入力される。制御器11は、これらの検知信号に応じて電磁弁10を制御する。詳細は後述する。
次に、本実施の形態1における冷却装置の動作を、「冷却運転」と「除霜運転」とに分けて説明する。
[冷却運転]
まず、冷却器20により冷凍庫(室)17内を冷却する冷却運転について説明する。
まず、第1の回路の動作を説明する。
冷却運転時には、圧縮機1から吐出された高温・高圧の冷媒ガスは熱交換器2に流入する。そして、熱交換器2に流入した冷媒ガスは、第2の回路内の熱媒体(水)と熱交換されることにより高圧・中温の冷媒ガスとなる。
高圧・中温となった冷媒ガスは、熱交換器3に流入し、冷凍庫(室)17外の空気(外気)と熱交換することにより高圧・中温の液冷媒に凝縮される。
なお、冬場など外気温度が低いときには、熱交換器2の出口で既に液冷媒に凝縮される場合もある。
なお、本実施の形態1では、第2の回路の熱媒体と熱交換する熱交換器2と、外気と熱交換する熱交換器3とを設ける構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、熱交換器2のみを用いて冷媒を凝縮するようにしても良い。
次に、凝縮器として作用する熱交換器3を出た液冷媒は、膨張弁4で低圧・低温の二相冷媒状態に膨張し、冷却器20内の蒸発器5に流入する。
そして、蒸発器5に流入した冷媒は、庫内空気と熱交換して吸熱することで庫内空気に冷熱を供給し、低温・低圧のガス冷媒となる。これにより、冷凍庫(室)17内に冷熱を供給して庫内温度を下げることができる。
蒸発器5を出た低圧・低温のガス冷媒は、圧縮機1に吸入される。
次に、第2の回路の動作を説明する。
冷却運転時においては、制御器11は、電磁弁8を開状態とし、電磁弁9を閉状態とする。そして、ポンプ7を駆動する。
ポンプ7から吐出された水は、電磁弁8を通り、熱交換器2に導入される。
熱交換器2に流入した低温の水は、第1の回路内の高温の冷媒と熱交換されることにより高温の水(温水)となる。
熱交換器2から出た高温の水は、その後、タンク6内に貯槽される。
これにより、熱媒体を第2の回路に循環させて、熱交換器2により加熱された熱媒体(温水)をタンク6に貯留する。
そして、制御器11は、第1の温度センサー13により検知されたタンク6内の水温が、一定温度以上に上昇した場合、ポンプ7の運転を停止させる。
また、制御器11は、タンク6内の水温が、一定温度未満に低下した場合には、ポンプ7の運転を再開させ、水の温度を加熱させるように制御する。
[除霜運転]
ここで、冷却器20の蒸発器5に付着する霜と冷却能力の低下について説明する。
冷却器20の冷却対象となる冷凍庫(室)17内部には、例えば搬入される食品などから発生する水分や、冷凍庫(室)17に設けられた扉から流入した空気に含まれる水分が存在する。
冷却器20の蒸発器5は一般的にプレートフィンチューブ方式が採用されることが多く、蒸発器5のフィン表面温度は、冷凍庫(室)17内の空気温度より低い状態となっている。
このため水分を含んだ空気がフィン表面を通過する際にフィン表面で結露し、氷点下以下の低温状態であるために霜となりフィン表面を覆うことになる。
蒸発器5のフィン表面が霜で覆われるとフィン間の面積が少なくなり、通風抵抗が増大し、冷却器20内を通過する風量が低下し、ひいては冷却能力が低下していく。
この冷却能力低下を防ぐためには、周期的あるいは定期的に、蒸発器5に付着した霜を除霜する除霜運転を実施して冷却能力回復を図る必要がある。
次に、このような除霜運転の動作を説明する。
除霜運転時においては、圧縮機1の運転を停止させ、第1の回路による冷媒の循環を停止させ、冷却運転を中断する。
そして、制御器11は、電磁弁8を開状態から閉状態とし、電磁弁9を閉状態から開状態とする。そして、ポンプ7を駆動する。
これにより、タンク6に貯留された温水は、ポンプ7、電磁弁9、及び接続配管18を通り、散水装置14に流入される。
そして、散水装置14から、冷却器20の蒸発器5に噴出される。
蒸発器5に噴出された温水により、蒸発器5の表面に付着した霜を溶かし噴出された温水とともにドレン管19から排出される。
このとき、制御器11は、タンク6に貯留される熱媒体の量が所定範囲となるように、電磁弁10を制御する。
例えば、制御器11は、水位センサー12が検知した水量が、規定された量(例えば次回の霜取り運転時に必要な水量以上)未満となった場合、電磁弁10を開状態とする。これにより、タンク6に対する給水流路が開となり、タンク6内に水が供給される。
また、水位センサー12が検知した水量が、規定量以上となった場合、電磁弁10を閉状態とする。これにより、タンク6に対する水の供給が停止される。
制御器11は、除霜運転の開始から、予め設定した所定時間を経過したとき、電磁弁9を開放状態から閉状態とし、電磁弁8を閉状態から開状態として、除霜運転を終了させる。
なお、ポンプ7は運転を継続し、タンク6内に供給された水を加熱する。
また、第1の回路は、圧縮機1の運転を再開させ、前述した冷却運転へ移行する。
なお、上記説明では、除霜運転の開始から所定時間を経過したとき除霜運転を停止させる場合を説明したが、これに限るものではない。
制御器11は、第1の温度センサー13の検知温度に応じて、除霜運転の運転時間を設定するようにしても良い。すなわち、タンク6内部の水温に応じて霜取り時間を可変することも可能である。
例えば、タンク6内の水温が高い程、除霜運転の時間を短くし、水温が低い程、除霜運転の時間を長く設定する。
これにより、熱媒体の温度に応じて適切な除霜運転時間を設定することができ、除霜運転の時間が長時間となり、冷却対象となる冷凍庫(室)17内の温度が上昇するのを抑制することができる。
したがって、冷凍庫(室)17内の温度上昇により、食品などの保管品の温度が上昇し、鮮度低下を引き起こす可能性を低減することができる。
なお、制御器11は、蒸発器5の温度が所定値以上に上昇したとき、除霜運転を終了させるようにしても良い。
例えば、図4に示すように、蒸発器5の温度を検知する第2の温度センサー21を備える。制御器11は、第2の温度センサー21の検知温度が所定値以上のとき、除霜運転を終了する。
これにより、蒸発器5の温度が所定値以上に上昇することを抑制し、冷却対象となる冷凍庫(室)17内の温度が上昇するのを抑制することができる。
また、蒸発器5の温度が低い状態で除霜運転が停止することがなく、霜取り不良の可能性を低減することができる。
以上のように本実施の形態においては、第1の回路の冷凍サイクルにおける凝縮排熱により、第2の回路の熱媒体を加熱し、この熱媒体により第1の回路の蒸発器5に付着した霜を除霜する。
このため、簡易な機器構成及び制御により霜取りをすることができ、製造コストを低減することができる。
また、散水装置14により温水を蒸発器5に散水することにより霜取りを行う。
このため、蒸発器5の全面を均一に温水で加熱することができ、電気ヒーターにより加熱溶解する場合と比較して、短時間での霜取りが可能となる。
よって、霜取りを行う際の庫内温度の上昇を抑制することができる。
したがって、冷凍庫(室)17内に配置された食品などの保管品の温度が上昇するのを抑制し、保管品の鮮度維持を図ることができる。
さらに、庫内温度の上昇を抑制することにより、霜取り後の庫内の冷却に使用する消費エネルギーを削減できる。
また、除霜運転時にはポンプ7の動力以外の電力を必要とせず、第1の回路の冷凍サイクルにおける凝縮排熱を利用して蒸発器5の霜取りを行う。
このため、電気ヒーターにより霜取りを行う場合と比較して、霜取りを行う際のエネルギー消費量を削減することができる。
したがって、地球温暖化の原因とされるCO2排出量を削減することができる。
さらに、冷却装置の使用に対する電気料金の削減にもつながる。
また、散水装置14により温水を蒸発器5に散水することにより、蒸発器5のフィン等を洗浄する効果もある。特に、食品工場などで冷却器20の洗浄を実施している場所では、洗浄作業が除霜運転と同時に実施でき、作業の軽減を図るという効果も有する。
実施の形態2.
本実施の形態2では、熱媒体である水が接続配管18内部で凍結するのを防止する構成について説明する。
図5は実施の形態2における冷却装置の要部を示す図である。
図5に示すように、本実施の形態における冷却装置は、上記実施の形態1の構成に加え、第3の温度センサー15、及びヒーター16を備える。
また、第3の温度センサー15の検知信号は、制御器11に入力される。制御器11は、検知信号に応じてヒーター16を制御する。
なお、その他の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
第3の温度センサー15は、例えばサーミスタにより構成される。この第3の温度センサー15は、除霜手段を構成する接続配管18のうち、冷却対象となる冷凍庫(室)17内に配置される部分の温度を検知する。
例えば、図5に示すように、散水装置14の近傍の接続配管18に配置される。
ヒーター16は、例えばシーズヒーターやベルトヒーターなどにより構成される。このヒーター16は、除霜手段を構成する接続配管18のうち、冷却対象となる冷凍庫(室)17内に配置される部分を加熱する。
上記実施の形態1で説明したように、冷却器20は、冷却対象である冷凍庫(室)17内に配置される。また、この冷却器20の散水装置14に対して熱媒体を供給する接続配管18の一部は、冷凍庫(室)17内に配置される。
例えば冷却器20により冷却する庫内温度は氷点下以下(例えば−30℃以下)に設定される場合がある。
このため、冷凍庫(室)17内に配置された接続配管18は、常時低温の状態であるため、接続配管18内部で熱媒体としての水が凍り、接続配管18を破裂させる危険性がある。
このようなことから、冷却運転時に接続配管18内部の水が凍結するのを防ぐため、制御器11は、第3の温度センサー15の検知温度が所定値以下(0度以下)のとき、ヒーター16を動作させ、接続配管18内部の水を加熱させる。
これにより、熱媒体である水が接続配管18内部で凍結するのを防止することができ、接続配管18が破裂させる危険性を低減することができる。
なお、接続配管18内の凍結を防止する構成はこれに限らず、接続配管18内の水を排出する構成としても良い。
例えば図6に示すように、電磁弁9を、冷凍庫(室)17の外部の近辺に配置する。
また、電磁弁9と散水装置14との間に、接続配管18内の水を排出する開放弁22を設ける。
そして、制御器11は、除霜運転を終了した後、電磁弁9を閉状態、開放弁22を開状態とし、接続配管18の内部に溜まった温水を排出する。
このような構成により、冷却運転中に接続配管18内部の水が凍結することを防ぐことができる。
さらに、このような構成により、図5で図示した第3の温度センサー15及びヒーター16を省略することができる。
これにより、より安価に冷却装置を供給することができる。
また、ヒーター16の加熱に伴う電力を消費することがなく、消費エネルギーを削減することができる。
なお、上記実施の形態1及び2では、熱媒体として水を利用し、蒸発器5の霜取りのみを目的とした用途を説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、熱媒体として、低濃度の塩素系殺菌剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤などと併用すれば、当該熱媒体を蒸発器5に散水することで、蒸発器5のフィン表面の殺菌処理を同時実施することが可能となる。
また、霜取り時に限らず、必要な時期に上記の熱媒体を散水することで、食品工場などではフィン表面の雑菌や埃などを除去することが可能となる。
なお、上記実施の形態1及び2では、第1の回路の凝縮排熱により熱媒体を加熱する場合を説明したが、これに限るものではない。
近年、さまざまな発電装置(例えば、燃料電池システム)が開発されており、この発電装置の排熱を利用し霜取り時に使用する温水を作り出すことも可能である。
この場合には、熱交換器2で水と熱交換する回路を発電システムから排出される排熱回路に接続することで容易に回路を作ることができる。
1 圧縮機、2 熱交換器、3 熱交換器(凝縮器)、4 膨張弁、5 蒸発器、6 タンク、7 ポンプ、8 電磁弁、9 電磁弁、10 電磁弁、11 制御器、12 水位センサー、13 第1の温度センサー、14 散水装置、15 第3の温度センサー、16 ヒーター、17 冷凍庫(室)、18 接続配管、19 ドレン管、20 冷却器、21 第2の温度センサー、22 開放弁。

Claims (7)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機、前記圧縮機から吐出された冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を冷媒配管で接続し冷媒を循環させる第1の回路と、
    前記熱媒体熱交換器、ポンプ、及び前記熱媒体を貯留するタンクを配管で接続し熱媒体を循環させる第2の回路と、
    前記タンクに貯留された熱媒体を前記蒸発器に供給し、当該蒸発器に付着した霜を除霜する除霜手段と、
    前記熱媒体が前記第2の回路を循環する流路と、前記熱媒体が前記除霜手段に至る流路とを切り替える切替装置と、
    前記切替装置の動作を制御する制御装置と、
    前記タンクに貯留された前記熱媒体の温度を検知する第1の温度センサーと
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の回路に前記冷媒を循環させる冷却運転時には、前記熱媒体を前記第2の回路に循環させて、前記熱媒体熱交換器により加熱された前記熱媒体を前記タンクに貯留し、
    前記蒸発器に付着した霜を除霜する除霜運転時には、前記タンクに貯留された前記熱媒体を前記除霜手段に流入させ、
    前記第1の温度センサーの検知温度に応じて、前記除霜運転の運転時間を設定する
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記蒸発器の温度を検知する第2の温度センサーを備え、
    前記制御装置は、
    前記第2の温度センサーの検知温度が所定値以上のとき、前記除霜運転を終了する
    ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記タンクに対する熱媒体の供給流路を開閉する開閉弁と、
    前記タンクに貯留された前記熱媒体の量を検知する貯留量センサーと
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記タンクに貯留される前記熱媒体の量が所定範囲となるように、前記開閉弁を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  4. 前記除霜手段の温度を検知する第3の温度センサーと、
    前記除霜手段を加熱するヒーターと
    を備え、
    前記第3の温度センサーの検知温度が所定値以下のとき、前記ヒーターを動作させる
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の冷却装置。
  5. 前記除霜手段は、
    前記熱媒体を前記蒸発器に散水する散水装置と、
    前記散水装置と前記第2の回路とを接続する接続配管と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の冷却装置。
  6. 前記接続配管内の熱媒体を排出する開放弁を設けた
    ことを特徴とする請求項5記載の冷却装置。
  7. 前記熱媒体は、
    水、塩素系殺菌剤、陽イオン界面活性剤、及び両性イオン界面活性剤の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の冷却装置。
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